JP2003065090A - 内燃機関の圧縮比可変装置 - Google Patents

内燃機関の圧縮比可変装置

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JP2003065090A
JP2003065090A JP2002048606A JP2002048606A JP2003065090A JP 2003065090 A JP2003065090 A JP 2003065090A JP 2002048606 A JP2002048606 A JP 2002048606A JP 2002048606 A JP2002048606 A JP 2002048606A JP 2003065090 A JP2003065090 A JP 2003065090A
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combustion engine
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の圧縮比可変装置において,ピスト
ンアウタを回転させることなく,簡単,的確に低圧縮比
位置及び高圧縮比位置に作動させる。 【解決手段】 ピストンインナ5aと,その外周に軸方
向にのみ摺動可能に嵌合して低圧縮比位置L及び高圧縮
比位置H間を移動し得るピストンアウタ5bと,ピスト
ンインナ及びアウタ5a,5bの軸線周りで非嵩上げ位
置A及び嵩上げ位置B間を回動し得る嵩上げ部材14
と,この嵩上げ部材14に連結されて,これを非嵩上げ
位置A及び嵩上げ位置BA,Bに回動するアクチュエー
タ20とを備え,嵩上げ部材14は,非嵩上げ位置Aに
あるときはピストンアウタ5bの低圧縮比位置Lへの移
動を許容し,嵩上げ位置Bへ回動するとピストンアウタ
5bを高圧縮比位置Hへ保持するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の圧縮比可
変装置に関し,特に,ピストンを,コンロッドにピスト
ンピンを介して連結されるピストンインナと,このピス
トンインナに連結されて外端面を燃焼室に臨ませなが
ら,ピストンインナ寄りの低圧縮比位置及び燃焼室寄り
の高圧縮比位置間を移動し得るピストンアウタとで構成
し,ピストンアウタを低圧縮比位置に作動して機関の圧
縮比を下げ,高圧縮比位置に作動して同圧縮比を高める
ようにしたものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,かゝる内燃機関の圧縮比可変装置
として,(1)ピストンアウタをピストンインナの外周
に螺合して,ピストンアウタを正,逆転させることによ
りピストンインナに対して進退させ,低圧縮比位置及び
高圧縮比位置に作動するようにしたもの(例えば特開平
11−117779号公報参照)と,(2)ピストンア
ウタをピストンインナの外周に軸方向摺動可能に嵌合
し,これらピストンインナ及びアウタ間に,上部油圧室
及び下部油圧室を形成し,これら油圧室に交互に油圧を
供給することにより,ピストンアウタを低圧縮比位置及
び高圧縮比位置に作動するようにしたもの(例えば特公
平7−113330号公報参照)とが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで,上記(1)
の装置では,ピストンアウタを低圧縮比位置及び高圧縮
比位置に作動するために,ピストンアウタを回転させる
必要があるので,ピストンアウタの頂面の形状を,燃焼
室の天井面形状や吸気及び排気弁の配置に対応して自由
に設定することができず,高圧縮比位置で機関の圧縮比
を充分に高めることが困難である。また上記(2)の装
置では,特にピストンアウタが高圧縮比位置にあると
き,機関の膨張行程でピストンアウタが受ける大なるス
ラスト荷重を上部油圧室の油圧で支えるので,上部油圧
室には高圧に耐えるシールが必要となり,その上,上部
油圧室に気泡が発生するとピストンアウタの高圧縮比位
置が不安定になるから,そのような気泡の除去手段を施
す必要もあり,全体としてコスト高となるを免れない。
【0004】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,ピストンアウタを回転させることなく簡単,的確
に低圧縮比位置及び高圧縮比位置に作動し得る,内燃機
関の圧縮比可変装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明の内燃機関の圧縮比可変装置は,コンロッド
にピストンピンを介して連結されるピストンインナと,
このピストンインナの外周に軸方向にのみ摺動可能に嵌
合して外端面を燃焼室に臨ませながら,ピストンインナ
寄りの低圧縮比位置及び燃焼室寄りの高圧縮比位置間を
移動し得るピストンアウタと,前記ピストンインナ及び
アウタ間に介裝されてピストンアウタの低圧縮比位置へ
の移動を許容する非嵩上げ位置及び,ピストンアウタを
高圧縮比位置に保持する嵩上げ位置間を移動する嵩上げ
部材と,この嵩上げ部材を非嵩上げ位置及び嵩上げ位置
に交互に保持するアクチュエータとを備えることを第1
の特徴とする。
【0006】この第1の特徴によれば,アクチュエータ
により嵩上げ部材を非嵩上げ位置に移動すると,嵩上げ
部材が,ピストンアウタの低圧縮比位置への移動を許容
するので,ピストンアウタが燃焼室側からの高圧により
低圧縮比位置に移動することができる。またアクチュエ
ータにより嵩上げ部材を非嵩上げ位置から嵩上げ位置へ
と移動すると,ピストンアウタを高圧縮比位置に保持す
ることができる。
【0007】この間,ピストンアウタは,ピストンイン
ナに対して回転することがないから,燃焼室に臨むピス
トンアウタの頂面形状を燃焼室の形状に対応させて,ピ
ストンアウタの高圧縮比位置での圧縮比を効果的に高め
ることができる。しかもピストンアウタの高圧縮比位置
では,機関の膨張行程時,ピストンアウタが燃焼室から
受ける大なる推力は嵩上げ部材で受け止められる。した
がって,上記推力のアクチュエータへの作用も回避され
ることになるから,アクチュエータの小出力化,延いて
はコンパクト化が可能となる。またアクチュエータを油
圧式に構成する場合でも,これに前記推力が作用しない
ことから高圧シールは不要であり,また油圧室に多少の
気泡が発生してもピストンアウタの高圧縮比位置を不安
定にさせることもない。
【0008】また本発明は,第1の特徴に加えて,前記
嵩上げ部材及びアクチュエータを,前記ピストンインナ
及びアウタの往復動中,これらを互いに軸方向に離間さ
せたり近接させるようと作用する自然外力によりピスト
ンアウタが低圧縮比位置及び高圧縮比位置間を移動する
ことを許容するように構成したことを第2の特徴とす
る。前記自然外力には,ピストンアウタがシリンダボア
の内面から受ける摩擦抵抗やピストンアウタの慣性力,
ピストンアウタに作用する吸気負圧等がある。
【0009】この第2の特徴によれば,ピストンアウタ
を低圧縮比位置から高圧縮比位置へ,或いは高圧縮比位
置から低圧縮比位置へ移動させるのに自然外力を利用す
ることができ,したがってアクチュエータは嵩上げ部材
を単に非嵩上げ位置及び嵩上げ位置間で移動させるだけ
の出力を発揮すれば足りることになり,アクチュエータ
の小容量化及び小型化を図ることができる。
【0010】さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加
えて,前記嵩上げ部材を,前記ピストンインナ及びアウ
タ間にそれらの軸線周りに非嵩上げ位置及び嵩上げ位置
間を回動し得るように介裝し,この嵩上げ部材と,前記
ピストンインナ及びアウタの一方との軸方向対向面にそ
れぞれ凸状に形成した第1カム及び第2カムを形成し,
これら第1及び第2カムは,前記嵩上げ部材が非嵩上げ
位置から嵩上げ位置へ回動するとき互いに軸方向に離反
するように滑る斜面と,前記嵩上げ部材が嵩上げ位置に
到達したとき互いに当接する平坦な頂面とを有すること
を第3の特徴とする。
【0011】この第3の特徴によれば,嵩上げ部材の非
嵩上げ位置から嵩上げ位置への回動時には,第1及び第
2カムが互いに斜面を滑らせながら軸方向に離反するこ
とで,ピストンアウタを高圧縮比位置まで押し上げるこ
とができ,しかも嵩上げ部材の嵩上げ位置への到達時に
は,第1カム及び第2カムが互いに平坦な頂面を当接さ
せるので,機関の膨張行程時,ピストンアウタが燃焼室
から受ける大なる推力は上記平坦な頂面に垂直に作用
し,嵩上げ部材に回動トルクとして作用するのを確実に
防ぐことができる。
【0012】さらにまた本発明は,第2の特徴に加え
て,前記嵩上げ部材を,前記ピストンインナ及びアウタ
間にそれらの軸線周りに非嵩上げ位置及び嵩上げ位置間
を回動し得るよう介裝し,この嵩上げ部材と,ピストン
インナ及びアウタの一方との軸方向対向面にそれぞれ凸
状に形成した第1カム及び第2カムを形成し,これら第
1及び第2カムは,嵩上げ部材が嵩上げ位置に到達した
とき互いに当接する平坦な頂面と,各頂面の周方向両側
縁から各カムの根元に略垂直に下りる絶壁面を有するこ
とを第4の特徴とする。
【0013】この第4の特徴によれば,第1及び第2カ
ムの各両側面を絶壁面とすることで,嵩上げ部材の作動
ストローク角度を小さく設定すること,並びに各カムの
頂面を広く形成することが可能となり,嵩上げ部材の応
答性を高めると共に,該頂面に作用する面圧を下げ得
て,それらの耐久性の向上をも図ることができる。
【0014】しかもピストンアウタを低圧縮比位置及び
高圧縮比位置間で移動するのに,ピストンインナ及びピ
ストンアウタを互いに軸方向に離間させたり近接させる
自然外力が利用されるので,嵩上げ部材の非嵩上げ位置
及び嵩上げ位置間での回動に支障を来すこともない。
【0015】さらにまた本発明は,第1〜第4の特徴の
何れかに加えて,前記ピストンインナ及びピストンアウ
タ間には,ピストンアウタが低圧縮比位置に来たとき,
ピストンアウタをピストンインナに対して係止するピス
トンアウタ係止手段を設けたことを第5の特徴とする。
【0016】この第5の特徴によれば,ピストンアウタ
が低圧縮比位置に来たとき,ピストンインナ及びピスト
ンアウタの一体作動を保証し得る。
【0017】さらにまた本発明は,第1〜第5の特徴に
加えて,前記ピストンインナ及びピストンアウタ間に
は,ピストンアウタが高圧縮比位置に来たとき,該ピス
トンアウタのピストンインナに対する燃焼室側への移動
を規制するピストンアウタ規制手段を設けたことを第6
の特徴とする。
【0018】この第6の特徴によれば,ピストンアウタ
が高圧縮比位置に達したときも,ピストンインナ及びピ
ストンアウタの一体作動を保証し得る。
【0019】さらにまた本発明は,第1〜第6の特徴に
加えて,前記アクチュエータを,油圧源の油圧により作
動して嵩上げ部材を嵩上げ位置へ作動する油圧作動手段
と,嵩上げ部材を非嵩上げ位置側へ付勢する戻しばねと
で構成したことを第7特徴とする。
【0020】この第7の特徴によれば,油圧作動手段で
は油圧室が1室で足り,その構成の簡素化を図ることが
できる。
【0021】さらにまた本発明は,第1〜第7の特徴に
加えて,前記ピストンアウタ係止手段を,前記ピストン
インナに支持されて前記ピストンアウタ内周面の係止溝
に係合する作動位置及び該係止溝から離脱する後退位置
間を移動する係止部材と,この係止部材を作動位置へ付
勢する作動ばねと,前記油圧源の油圧により作動して係
止部材を後退位置へ作動する油圧戻し手段とで構成した
ことを第8の特徴とする。 この第8の特徴によれば,
ピストンアウタ係止手段でも油圧室が1室で足り,その
構成の簡素化を図ることができる。
【0022】さらにまた本発明は,第1〜第8の特徴の
何れかに加えて,前記アクチュエータを,油圧源の油圧
により作動して嵩上げ部材を嵩上げ位置へ作動する油圧
作動手段と,嵩上げ部材を非嵩上げ位置側へ付勢する戻
しばねとで構成し,また前記ピストンアウタ係止手段
を,ピストンインナに支持されてピストンアウタ内周面
の係止溝に係合する作動位置及び該係止溝から離脱する
後退位置間を移動する係止部材と,この係止部材を作動
位置へ付勢する作動ばねと,油圧源の油圧により作動し
て係止部材を後退位置へ作動する油圧戻し手段とで構成
し,前記油圧作動手段及び油圧戻し手段に油圧源の油圧
を同時に供給するようにしたことを第9の特徴とする。
【0023】この第9の特徴によれば,共通の油圧をも
ってアクチュエータ及びピストンアウタ係止手段を合理
的に作動することができ,油圧回路の簡素化をもたらす
ことができる。
【0024】尚,前記ピストンアウタ規制手段は,後述
する本発明の実施例における止環18,118に対応す
る。また前記油圧作動手段は後述の作動プランジャ2
3,123及び第1油圧室25,125に対応し,前記
油圧油圧戻し手段は後述の第2油圧室37,137及び
ピストン38,138に対応する。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。
【0026】図1は本発明の第1実施例に係る圧縮比可
変装置を備えた内燃機関の要部縦断正面図,図2は図1
の2−2線拡大断面図で低圧縮比状態を示す,図3は図
2の3−3線断面図,図4は図2の4−4線断面図,図
5は図2の5−5線断面図,図6は図2の6−6線断面
図,図7は高圧縮比状態を示す,図2との対応図,図8
は図7の8−8線断面図,図9は図7の9−9線断面
図,図10は嵩上げ部材の作用説明図である。また図1
1は本発明の第2実施例に係る圧縮比可変装置を備えた
内燃機関の要部縦断正面図,図12は図11の12−1
2線拡大断面図で低圧縮比状態を示す,図13は図2の
13−13線断面図,図14は図12の14−14線断
面図,図15は図12の15−15線断面図,図16は
図12の16−16線断面図,図17は図12の17−
17線断面図,図18は高圧縮比状態を示す,図12と
の対応図,図18は図17の18−18線断面図,図1
9は図18の19−19線断面図,図20は図18の2
0−20線断面図,図21は嵩上げ部材の作用説明図で
ある。
【0027】先ず,図1〜図10に示す本発明の第1実
施例の説明より始める。図1及び図2において,内燃機
関Eの機関本体1は,シリンダボア2aを有するシリン
ダブロック2と,このシリンダブロック2の下端に結合
されるクランクケース3と,シリンダボア2aに連なる
燃焼室4aを有してシリンダブロック2の上端に結合さ
れるシリンダヘッド4とからなり,シリンダボア2aに
摺動可能に嵌装されるピストン5にはコンロッド7の小
端部7aがピストンピン6を介して連結され,コンロッ
ド7の大端部7bは,左右一対のベアリング8,8′を
介してクランクケース3に回転自在に支承されるクラン
ク軸9のクランクピン9aに連結される。
【0028】前記ピストン5は,ピストンピン6を介し
てコンロッド7の小端部7aに連結されるピストンイン
ナ5aと,このピストンインナ5aの外周面及びシリン
ダボア2aの内周面に摺動自在に嵌合し,頂面を燃焼室
4aに臨ませるピストンアウタ5bとからなっており,
ピストンアウタ5bの外周に,シリンダボア2aの内周
面に摺動自在に密接する複数のピストンリング10a〜
10cが装着される。
【0029】また図2及び図3に示すように,ピストン
インナ及びアウタ5a,5bの摺動嵌合面には,ピスト
ン5の軸方向に延びて互いに係合する複数のスプライン
歯11a及びスプライン溝11bがそれぞれ形成され,
ピストンインナ及びアウタ5a,5bは,それらの軸線
周りに相対回転できないようになっている。
【0030】図2及び図6において,ピストンインナ5
aの上面には,その上面に一体に突設された枢軸部12
に回動可能に嵌合する円環状の嵩上げ部材14が載置さ
れる。枢軸部12は,コンロッド7の小端部7aを受容
すべく,複数(図では2個)のブロック12a,12a
に分割される。
【0031】嵩上げ部材14は,その軸線周りに設定さ
れる第1及び嵩上げ位置A,B間を回動し得るもので,
その往復回動に伴いピストンアウタ5bをピストンイン
ナ5a寄りの低圧縮比位置L(図2及び図10(a)参
照)と,燃焼室4a寄りの高圧縮比位置H(図7及び図
10(c)参照)とに交互に移動させるカム機構15が
嵩上げ部材14及びピストンアウタ5b間に設けられ
る。
【0032】図10に明示するように,カム機構15
は,嵩上げ部材14の上面に形成される複数の凸状第1
カム16と,ピストンアウタ5bの頂壁下面に形成され
る複数の凸状第2カム17とからなっており,これら第
1カム16及び第2カム17は,嵩上げ部材14が非嵩
上げ位置Aにあるときは,互いに周方向に交互に並んで
ピストンアウタ5bの低圧縮比位置Lへの移行を許容す
るようになっている。これら第1カム16及び第2カム
17には,嵩上げ部材14が非嵩上げ位置Aから嵩上げ
位置Bへ回動するとき互いに軸方向に離反するように滑
る斜面16a,17aと,嵩上げ部材14が嵩上げ位置
Bに到達したとき互いに当接してピストンアウタ5bを
高圧縮比位置Hに保持する平坦な頂面16b,17bと
が設けられる。そして,ピストンアウタ5bが高圧縮比
位置Hに達したときは,ピストンアウタ5bが高圧縮比
位置Hを越えて燃焼室4a側へ移動することを阻止する
ための規制手段として,ピストンインナ5aの下端面に
当接する止環18がピストンアウタ5bの下端部内周面
に係止される。
【0033】ピストンインナ5a及び嵩上げ部材14間
には,嵩上げ部材14を第1及び嵩上げ位置A,Bへ回
動させるアクチュエータ20が設けられる。このアクチ
ュエータ20について図2,図5及び図6を参照しなが
ら説明する。
【0034】ピストンインナ5aには,ピストンピン6
を挟んでそれと平行に延びる有底の第1及び第2シリン
ダ孔22が設けられ,これらシリンダ孔21,22に第
1及び第2プランジャ23,24が摺動自在に嵌装され
る。作動及び戻しプランジャ23,24の先端は,第1
及び第2シリンダ孔21,22から同一方向に突出して
おり,これらの先端に当接配置される第1及び第2受圧
片14a,14bが嵩上げ部材14の下面に突設されて
いる。
【0035】第1シリンダ孔21内には,作動プランジ
ャ23の内端が臨む第1油圧室25が画成され,該室2
5に油圧を供給すると,その油圧を受けて作動プランジ
ャ23が第1受圧片14aを介して嵩上げ部材14を嵩
上げ位置Bへ回動すうようになっている。また第2シリ
ンダ孔22には,戻しプランジャ24の内端が臨むばね
室25が画成され,該室25に収容される戻しばね27
の力をもって戻しプランジャ24が第2受圧片14bを
介して嵩上げ部材14を非嵩上げ位置A方向へ付勢する
ようになっている。嵩上げ部材14の非嵩上げ位置A
は,第1シリンダ孔21の底面に当接する作動プランジ
ャ23の先端に第1受圧片14aが当接することにより
規定され(図5参照),嵩上げ部材14の嵩上げ位置B
は,第2シリンダ孔22の底面に当接する戻しプランジ
ャ24の先端に第2受圧片14bが当接することにより
規定される(図9参照)。
【0036】而して,嵩上げ部材14及びアクチュエー
タ20は,ピストンアウタ5bの慣性力や,ピストンア
ウタ5bがシリンダボア2aの内面から受ける摩擦抵
抗,ピストンアウタ5bに作用する吸気負圧等,ピスト
ンインナ及びアウタ5a,5bにそれらを互いに軸方向
に離間させたり近接させようと作用する自然外力によ
り,ピストンアウタ5bが低圧縮比位置L及び高圧縮比
位置H間で移動することを許容する。
【0037】またピストンインナ5a及びピストンアウ
タ5b間には,ピストンアウタ5bが低圧縮比位置Lに
来たとき,このピストンアウタ5bをピストンインナ5
aに対して係止するピストンアウタ係止手段30が設け
られる。このピストンアウタ係止手段30について,図
2及び図4を参照しながら説明する。
【0038】ピストンインナ5aの内周面には,周方向
に延びる複数の係止溝31が等間隔置きに形成され,ピ
ストンアウタ5bが低圧縮比位置Lに来たとき,これら
係止溝31に係合,離脱し得るように複数の係止レバー
32がピストンインナ5aにピボット軸33を介して揺
動自在に取り付けられる。即ち,係止レバー32は,係
止溝31に係合する作動位置C(図4参照)と,係止溝
31から離脱する後退位置D(図8参照)との間を揺動
することができる。
【0039】各係止レバー32は,係止溝31に係合,
離脱する長腕部32aと,ピボット軸33を挟んで長腕
部32aと反対側に延びる短腕部32bとからなってお
り,長腕部32aを係止溝31との係合方向へ付勢する
作動ばね34が長腕部32a及びピストンインナ5a間
に縮設される。その際,長腕部32aには,作動ばね3
4の内周に嵌合してそれを定位置に保持する位置決め突
起35が形成される。一方,ピストンインナ5aには,
各短腕部32bに対応して複数のシリンダ孔36が形成
され,これらシリンダ孔36の摺動自在に嵌装される複
数のピストン38の先端が短腕部32bの先端に当接配
置される。各シリンダ孔36には,対応するピストン3
8の内端が臨む第2油圧室37が画成され,この第2油
圧室37に油圧を供給すると,その油圧を受けてピスト
ン38が係止レバー32を作動ばね34の力に抗して係
止溝31から離脱させるようになっている。
【0040】図4及び図5に示すように,前記ピストン
ピン6と,その中空部に圧入されたスリーブ40との間
に筒状の油室41が画成され,この油室41を前記第1
及び第2油圧室25,37に接続する第1及び第2分配
油路42,43がピストンピン6及びピストンインナ5
aに渡り設けられる。また油室41は,図1に示すよう
に,ピストンピン6,コンロッド7及びクランク軸9に
渡り設けられる油路44に接続され,この油路44は,
電磁切換弁45を介して油圧源たるオイルポンプ46
と,油溜め47とに切換可能に接続される。
【0041】次に,この実施例の作用について説明す
る。
【0042】例えば内燃機関Eの急加速運転に際して,
ノッキングを回避すべく低圧縮比状態を得るには,電磁
切換弁45を図1に示すように非通電状態にして,油路
44を油溜め47に連通する。こうすれば,第1油圧室
25及び第2油圧室37は,何れも油室41及び油路4
4を通して油溜め47に開放されるので,アクチュエー
タ20では,図5に示すように,戻しプランジャ24が
戻しばね27の付勢力で第2受圧片14bを押圧して,
嵩上げ部材14を非嵩上げ位置Aまで回動する。その結
果,図10(a)に示すように,カム機構15の第1カ
ム16及び第2カム17は互いに頂部をずらした配置と
なるから,機関の膨張行程又は圧縮行程で燃焼室4a側
の圧力でピストンアウタ5bがピストンインナ5aに対
して押圧されたときや,ピストン5の上昇行程でピスト
ンリング10a〜10c及びシリンダボア2a内面間に
生ずる摩擦抵抗によりピストンアウタ5bがピストンイ
ンナ5aに対して押圧されたときや,ピストン5の下降
行程の後半でピストンインナ5aの減速に伴いピストン
アウタ5bがその慣性力によりピストンインナ5aに対
して押圧されたときに,ピストンアウタ5bは第1カム
16及び第2カム17を相互に噛み合せながら,ピスト
ンインナ5aに対して下降し,低圧縮比位置Lに達する
ことができる。このとき,ピストンアウタ係止手段30
では,ピストンインナ5aに軸支される係止レバー32
と,ピストンアウタ5bの係止溝31とが互いに対向す
るため,係止レバー32は作動ばね34の付勢力をもっ
て長腕部32aを係止溝31に係合させるように揺動
し,それら長腕部32a及び係止溝31の係合により,
ピストンアウタ5bの低圧縮比位置Lは保持される。か
くして,カム機構15での遊びは無くなり,ピストンイ
ンナ及びアウタ5a,5bは,圧縮比を下げながら一体
となってシリンダボア2a内を昇降することができる。
【0043】また例えば内燃機関Eの高速運転時,出力
向上を図るべく高圧縮比状態を得るには,電磁切換弁4
5に通電して,油路44をオイルポンプ46に接続す
る。こうすると,オイルポンプ46の吐出油圧が油路4
4及び油室41を通して第1油圧室25及び第2油圧室
37に供給されるので,先ず,ピストンアウタ係止手段
30において,図8に示すように,ピストン38が第2
油圧室37の油圧を受けて係止レバー32を作動ばね3
4の付勢力に抗して後退位置Dへと揺動させ,長腕部3
2aをピストンアウタ5bの係止溝31から離脱させ
る。係止レバー32が係止溝31から離脱すると,ピス
トンアウタ5bの高圧縮比位置Hへの移動が許容される
ので,アクチュエータ20では,図9に示すように,作
動プランジャ23が第1油圧室25の油圧を受けて第1
受圧片14aを押圧して,嵩上げ部材14を非嵩上げ位
置Aから嵩上げ位置Bへと回動する。その回動に伴いカ
ム機構15では,第1カム16及び第2カム17は,互
いに斜面16a,17aを滑らせながら軸方向に離間し
ていき(図10(b)参照),嵩上げ部材14が嵩上げ
位置に到達すると,図7に示すように,両カム16,1
7は互いに平坦の頂面16b,17bを当接させるに至
り(図10(c)参照),ピストンアウタ5bを高圧縮
比位置Hまで押し上げることになる。このとき,ピスト
ンアウタ5bの止環18がピストンインナ5aの下端面
に当接して,ピストンアウタ5bの燃焼室4a側へのそ
れ以上の移動を阻止するので,ピストンアウタ5bの高
圧縮比位置Hは,両カム16,17の頂面16b,17
bの当接と,止環18のピストンインナ5a下端面への
当接とにより保持される。かくして,カム機構15での
遊びは無くなり,ピストンインナ及びアウタ5a,5b
は,圧縮比を高めながら一体となってシリンダボア2a
内を昇降することができる。
【0044】而して,ピストンアウタ5bは,低圧縮比
位置L及び高圧縮比位置H間を移動する際,ピストンイ
ンナ5a及びピストンアウタ5bの嵌合面に形成されて
互いに摺動自在に係合するスプライン歯11a及びスプ
ライン溝11bにより,ピストンインナ5aに対する回
転が拘束されているから,燃焼室4aに臨むピストンア
ウタ5bの頂面形状を燃焼室4aの形状に対応させて,
ピストンアウタ5bの高圧縮比位置Hでの圧縮比を効果
的に高めることができる。しかもピストンアウタ5bの
高圧縮比位置Hでは,機関の膨張行程時,ピストンアウ
タ5bが燃焼室4aから受ける大なる推力は,第1カム
16及び第2カム17の互いに当接する平坦な頂面16
b,17bに垂直に作用するので,該推力により嵩上げ
部材14が回動されることはなく,したがって第1油圧
室25に供給する油圧は,前記推力に抗する程の高圧を
必要とせず,また第1油圧室25に多少の気泡が存在し
ても,ピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hに安定的に
保持し得るから,支障はない。
【0045】ところで,係止レバー32が係止溝31か
ら離脱すると,次のような自然外力がピストンアウタ5
bの高圧縮比位置Hへの移動をアシストする。即ち,機
関の吸気行程で吸気負圧によりピストンアウタ5bが燃
焼室4a側に引き寄せられたときや,ピストン5の下降
行程でピストンリング10a〜10c及びシリンダボア
2a内面間に生ずる摩擦抵抗によりピストンアウタ5b
がピストンインナ5aから置き去りにされようとしたと
きや,ピストン5の上昇行程の後半でピストンインナ5
aの減速に伴いピストンアウタ5bがその慣性力により
ピストンインナ5aから浮き上がろうとしたときに,ピ
ストンアウタ5bはピストンインナ5aから上昇し,高
圧縮比位置Hに容易に到達することができる。その結
果,アクチュエータ20の作動と相俟ってピストンアウ
タ5bの高圧縮比位置Hへの移動を迅速に行うことがで
き,応答性の向上に寄与し得る。
【0046】上記のようにピストンアウタ5bの低圧縮
比位置L及び高圧縮比位置Hへの位置切り換えに寄与す
る自然外力のうち,ピストンリング10a〜10c及び
シリンダボア2a内面間の摩擦抵抗と,ピストンアウタ
5bの慣性力が特に効果的である。また上記摩擦抵抗は
機関回転数の変化に対して変化が比較的少ないのに対し
て,ピストンアウタ5bの慣性力は機関回転数の上昇に
応じて2次曲線的に増大するものであるから,ピストン
アウタ5bの位置切り換えに対して,機関の低回転域で
は上記摩擦抵抗が支配的であり,機関の高回転域ではピ
ストンアウタ5bの慣性力が支配的である。
【0047】またアクチュエータ20は,第1油圧室2
5の油圧で作動して嵩上げ部材14を非嵩上げ位置Aか
ら嵩上げ位置Bへ回動し得る作動プランジャ23と,第
1油圧室25の油圧解放時,戻しばね27の付勢力で作
動して嵩上げ部材14を嵩上げ位置Bから非嵩上げ位置
Aへ戻し得る戻しプランジャ24とで構成されるので,
油圧室25が1室で足り,その構成の簡素化を図ること
ができる。
【0048】またピストンアウタ係止手段30は,ピス
トンインナ5aに軸支されてピストンアウタ5bの係止
溝31に係合する作動位置C及び係止溝31から離脱す
る後退位置D間を移動する係止レバー32と,この係止
レバー32を作動位置Cへ付勢する作動ばね34と,第
2油圧室37の油圧で作動して係止レバー32を後退位
置Dへ作動するピストン38とで構成されるので,この
係止手段30においても油圧室37が1室で足り,その
構成の簡素化を図ることができる。
【0049】さらに第1及び第2油圧室25,37に
は,共通の電磁切換弁45を介してオイルポンプ46及
び油溜め47に切換可能に接続されるので,共通の油圧
をもってアクチュエータ20及びピストンアウタ係止手
段30を合理的に作動することができ,油圧回路の簡素
化をも図ることができ,圧縮比可変装置を安価に提供し
得る。
【0050】次に,図11〜図21に示す本発明の第2
実施例について説明する。
【0051】図11及び図12において,ピストン10
5は,ピストンピン106を介してコンロッドン107
の小端部107aに連結されるピストンインナ105a
と,このピストンインナ105aの外周面及びシリンダ
ボア102aの内周面に摺動自在に嵌合し,頂面を燃焼
室104aに臨ませるピストンアウタ105bとからな
っており,ピストンアウタ105bの外周に,シリンダ
ボア102aの内周面に摺動自在に密接する複数のピス
トンリング110a〜110cが装着される。
【0052】また図12及び図13に示すように,ピス
トンインナ及びアウタ5a,5bの摺動嵌合面には,ピ
ストン105の軸方向に延びて互いに係合する複数のス
プライン歯111a及びスプライン溝111bがそれぞ
れ形成され,ピストンインナ及びアウタ105a,10
5bは,それらの軸線周りに相対回転できないようにな
っている。
【0053】図12及び図17において,ピストンイン
ナ105aの上面には,その上面に一体に突設された枢
軸部12に回動可能に嵌合する円環状の嵩上げ部材11
4が載置され,この嵩上げ部材114の上面を押さえ
て,これの枢軸112からの離脱を阻止する押さえリン
グ150が枢軸112の上面にビス151で固着され
る。枢軸部12は,コンロッドン107の小端部107
aを受容すべく複数(図では4個)のブロック112
a,112aに分割されている。
【0054】嵩上げ部材114は,その軸線周りに設定
される第1及び嵩上げ位置A,B間を回動し得るもの
で,その往復回動に伴いピストンアウタ105bをピス
トンインナ105a寄りの低圧縮比位置L(図12及び
図21(a)参照)と,燃焼室104a寄りの高圧縮比
位置H(図18及び図21(c)参照)とに交互に移動
させるカム機構115が嵩上げ部材114及びピストン
アウタ105b間に設けられる。
【0055】図21に明示するように,カム機構115
は,嵩上げ部材114の上面に形成される複数の凸状第
1カム116と,ピストンアウタ105bの頂壁下面に
形成される複数の凸状第2カム117とからなってお
り,これら第1カム116及び第2カム117は,嵩上
げ部材114が非嵩上げ位置Aにあるときは,互いに周
方向に交互に並んでピストンアウタ105bの低圧縮比
位置Lへの移行を許容するようになっている。これら第
1カム116及び第2カム117の,嵩上げ部材114
の周方向に並ぶ両側面は,各カム116,117の根元
から略垂直に起立する絶壁面116a,117aとなっ
ており,両絶壁面116a,117aの上縁間を接続す
る平坦な頂面116b,117bは,嵩上げ部材114
が嵩上げ位置Bに到達したとき互いに当接してピストン
アウタ105bを高圧縮比位置Hに保持するようになっ
ている。このように,第1及び第2カム116,117
の両側面を絶壁面116a,117aとしたことで,周
方向に並ぶ各カム116,117の隣接間隔を狭くする
ことが可能となり,また各カム116,117の頂面1
16b,117bの総合面積を前記第1実施例の場合よ
りも,大幅に大きく設定することができる。
【0056】ピストンアウタ105bが高圧縮比位置H
に達したときは,ピストンアウタ105bが高圧縮比位
置Hを越えて燃焼室104a側へ移動することを阻止す
るための規制手段として,ピストンインナ105aの下
端面に当接する止環118がピストンアウタ105bの
下端部内周面に係止される。
【0057】図12,図15及び図16に示すように,
ピストンインナ105a及び嵩上げ部材114間には,
嵩上げ部材114を第1及び嵩上げ位置A,Bへ回動さ
せるアクチュエータ120が複数組,図示例では2組設
けられる。アクチュエータ120を2組配設した場合の
構造について以下に説明する。
【0058】ピストンインナ105aには,ピストンピ
ン106を挟んでそれと平行に延びる一対の有底のシリ
ンダ孔121,121と,各シリンダ孔121,121
の中間部の上壁を貫通する長孔154,154とが設け
られ,嵩上げ部材114の下面に一体的に突設されて,
その直径線上に並ぶ一対の受圧ピン114a,114a
がこれら長孔154,154を通してシリンダ孔12
1,121に臨ませてある。長孔154,154は,受
圧ピン114a,114aが嵩上げ部材114と共に非
嵩上げ位置A及び嵩上げ位置B間を移動することを妨げ
ないようになっている。
【0059】シリンダ孔121,121には,対応する
受圧ピン114a,114aを挟んで作動プランジャ1
23,123及び有底円筒状の戻しプランジャ124,
124が摺動可能に嵌装される。その際,作動プランジ
ャ123,123及び戻しプランジャ124,124
は,それぞれピストン105の軸線に関して点対称に配
置される。
【0060】シリンダ孔121の底部には,作動プラン
ジャ23の,受圧ピン114aと反対側の端部が臨む第
1油圧室125が画成され,該室125に油圧を供給す
ると,その油圧を受けて作動プランジャ23が対応する
受圧ピン114aを介して嵩上げ部材114を嵩上げ位
置Bへ回動するようになっている。第1油圧室125
は,第1分配油路142,油室141を介して油路14
4(図11)に接続され,この油路144は,電磁切換
弁145を介して油圧源たるオイルポンプ146と,油
溜め147とに切換可能に接続される。
【0061】またシリンダ孔121,121の開放端に
は,ばね保持環152,152が止環153,153に
より係止され,これらばね保持環152,152と戻し
プランジャ124,124との各間に,戻しプランジャ
124,124をそれぞれ受圧ピン114a,114a
側に付勢する,コイルばねからなる戻しばね127,1
27が縮設され,これら戻しばね127,127の付勢
力により戻しプランジャ124,124は受圧ピン11
4a,114aを介して嵩上げ部材114を非嵩上げ位
置Aへ回動することができる。
【0062】各作動プランジャ123は,その軽量化の
ために,カップ状のプランジャ本体123aと,このプ
ランジャ本体123aの開放端に圧入,固着される硬質
材のキャップ123bとで中空に構成されており,その
キャップ123bを受圧ピン114aに当接させるよう
に配置される。また各戻しプランジャ124も,その軽
量化のためにカップ状をなしており,その底壁を受圧ピ
ン114aに当接させるように配置される。
【0063】各ばね保持環152は,戻しばね127の
内側にあって戻しプランジャ124内に入り込む円筒状
のスカート部152aを備えており,これにより戻しば
ね127の座屈を防ぐことができる。
【0064】嵩上げ部材114の非嵩上げ位置Aは,各
シリンダ孔121,121の底面に当接する作動プラン
ジャ123,123の先端に受圧ピン片114a,11
4aが当接することにより規定され(図15参照),嵩
上げ部材114の嵩上げ位置Bは,ばね保持環152の
スカート部152aに当接する戻しプランジャ24の先
端に受圧ピン114aが当接することにより規定される
(図20参照)。こうすることにより,嵩上げ部材11
4の非嵩上げ位置Aでは,隣接する第1及び第2カム1
16,117の側面接触を回避して,ピストンアウタ1
05bの高圧縮比位置Hへのスムーズな移動が可能とな
る。
【0065】ピストンアウタ係止手段130等,その他
の構成は,前記第1実施例と同様であるので,図11〜
図21中,第1実施例との対応部分には,第1実施例の
参照符号の数字に100を加算した参照符号を付して,
その説明を省略する。
【0066】この第2実施例では,ピストンアウタ10
5bの低圧縮比位置Lから高圧縮比位置Hへの移動,並
びに高圧縮比位置Hから低圧縮比位置Lへの移動は,ピ
ストン105の往復動中,ピストンインナ及びアウタ1
05a,105bに,それらを軸方向に離間,又は近接
させようと作用する前記自然外力のみを利用するもので
ある(図21(b)参照)。したがって,アクチュエー
タ120は嵩上げ部材114を,図21(c)に示すよ
うに,単に非嵩上げ位置A及び嵩上げ位置B間で移動さ
せるだけの出力を発揮すれば足りることになり,アクチ
ュエータ120の小容量化及び小型化を図ることができ
る。
【0067】また第1及び第2カム116,117にお
いては,摺動方向に並ぶ両側面を絶壁面116a,11
7aとすることが可能となり,前記第1実施例のような
斜面16a,17aを持たない分,嵩上げ部材114の
作動ストローク角度を小さく設定すること,並びに各カ
ム116,117の頂面116b,117bを広く形成
することが可能となり,嵩上げ部材114の応答性を高
めると共に,該頂面116b,117bに作用する面圧
を下げ得て,それらの耐久性の向上をも図ることができ
る。
【0068】また図15及び図16に示すように,嵩上
げ部材114を作動するアクチュエータ120は,複数
組等間隔に配設されるので,嵩上げ部材114に偏荷重
を与えることなく,これを枢軸112周りにスムーズに
回動することができ,しかも複数組のアクチュエータ1
20の総合出力は大きいことから,各組のアクチュエー
タ120の小容量化,延いては小型化を図ることができ
る。
【0069】また各組のアクチュエータ120の構成要
素である作動プランジャ123及び戻しプランジャ12
4は,ピストンインナ105aに形成される共通のシリ
ンダ孔121に嵌装されるので,構造が簡単であると共
に,孔加工が単純でコストの低減に寄与し得る。
【0070】またアクチュエータ120を2組,配設す
る場合には,それぞれのシリンダ孔121,121がピ
ストンインナ105aにピストンピン106と平行に形
成されるので,ピストンピン106に干渉されることな
く,2組のアクチュエータ120,120をピストン1
05の周方向等間隔に配設することができる。
【0071】また作動及び戻しプランジャ123,12
4の軸線は,各受圧ピン114aの軸線を横切る,枢軸
112の半径線に対して略直角に交差するように配置さ
れるので,作動及び戻しプランジャ123,124の押
圧力を受圧ピン114を介して嵩上げ部材114に効率
良く伝達することができ,アクチュエータ120のコン
パクト化に寄与し得る。
【0072】また作動及び戻しプランジャ123,12
4の各端面と,受圧ピン114aの円筒状外周面とは線
接触で接触するので,その接触面積は前記第1実施例の
場合に比して広く,面圧の低減を図り,耐久性の向上に
寄与し得る。
【0073】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可
能である。例えば,電磁切換弁45,145の作動態様
は,上記実施例の場合と逆であっても差し支えはない。
即ち,該切換弁45,145の非通電状態で油路44,
144をオイルポンプ46,146に接続し,通電状態
で油路44,144を油溜め47,147に接続するこ
ともできる。
【0074】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば,アクチュエータにより嵩上げ部材を非嵩上げ位置と
に移動すると,嵩上げ部材が,ピストンアウタの低圧縮
比位置への移動を許容するので,ピストンアウタが燃焼
室側からの高圧により低圧縮比位置に移動達することが
でき,またアクチュエータにより嵩上げ部材を非嵩上げ
位置から嵩上げ位置へと移動すると,ピストンアウタを
高圧縮比位置に保持することができる。この間,ピスト
ンアウタは,ピストンインナに対して回転することがな
いから,燃焼室に臨むピストンアウタの頂面形状を燃焼
室の形状に対応させて,ピストンアウタの高圧縮比位置
での圧縮比を効果的に高めることができる。しかもピス
トンアウタの高圧縮比位置では,機関の膨張行程時,ピ
ストンアウタが燃焼室から受ける大なる推力は嵩上げ部
材で受け止められる。したがって,上記推力のアクチュ
エータへの作用も回避されることになるから,アクチュ
エータの小出力化,延いてはコンパクト化が可能とな
る。またアクチュエータを油圧式に構成する場合でも,
これに前記推力が作用しないことから高圧シールは不要
であり,また油圧室に多少の気泡が発生してもピストン
アウタの高圧縮比位置を不安定にさせることもない。
【0075】また本発明の第2の特徴によれば,ピスト
ンアウタを低圧縮比位置から高圧縮比位置へ,或いは高
圧縮比位置から低圧縮比位置へ移動させるのに自然外力
を利用することができるから,アクチュエータは嵩上げ
部材を単に非嵩上げ位置及び嵩上げ位置間で移動させる
だけの出力を発揮すれば足りることになり,アクチュエ
ータの小容量化及び小型化を図ることができる。
【0076】さらに本発明の第3の特徴によれば,嵩上
げ部材の非嵩上げ位置から嵩上げ位置への回動時には,
第1及び第2カムが互いに斜面を滑らせながら軸方向に
離反することで,ピストンアウタを高圧縮比位置まで押
し上げることができ,しかも嵩上げ部材の嵩上げ位置へ
の到達時には,第1カム及び第2カムが互いに平坦な頂
面を当接させるので,機関の膨張行程時,ピストンアウ
タが燃焼室から受ける大なる推力は上記平坦な頂面に垂
直に作用し,嵩上げ部材に回動トルクとして作用するの
を確実に防ぐことができる。
【0077】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,
第1及び第2カムの各両側面を絶壁面とすることで,嵩
上げ部材の作動ストローク角度を小さく設定すること,
並びに各カムの頂面を広く形成することが可能となり,
嵩上げ部材の応答性を高めると共に,該頂面に作用する
面圧を下げ得て,それらの耐久性の向上をも図ることが
できる。しかもピストンアウタを低圧縮比位置及び高圧
縮比位置間で移動するのに,ピストンインナ及びピスト
ンアウタを互いに軸方向に離間させたり近接させようと
する自然外力が利用されるので,嵩上げ部材の非嵩上げ
位置から嵩上げ位置への回動に支障を来すこともない。
【0078】さらにまた本発明の第5の特徴によれば,
ピストンアウタが低圧縮比位置に来たとき,ピストンイ
ンナ及びピストンアウタの一体作動を保証し得る。
【0079】さらにまた本発明の第6の特徴によれば,
ピストンアウタが高圧縮比位置に達したときも,ピスト
ンインナ及びピストンアウタの一体作動を保証し得る。
【0080】さらにまた本発明の第7の特徴によれば,
油圧作動手段では油圧室が1室で足り,その構成の簡素
化を図ることができる。
【0081】さらにまた本発明の第9の特徴によれば,
共通の油圧をもってアクチュエータ及びピストンアウタ
係止手段を合理的に作動することができ,油圧回路の簡
素化をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る圧縮比可変装置を備
えた内燃機関の要部縦断正面図。
【図2】図1の2−2線拡大断面図で低圧縮比状態を示
す。
【図3】図2の3−3線断面図。
【図4】図2の4−4線断面図。
【図5】図2の5−5線断面図。
【図6】図2の6−6線断面図。
【図7】高圧縮比状態を示す,図2との対応図。
【図8】図7の8−8線断面図。
【図9】図7の9−9線断面図。
【図10】図10は嵩上げ部材の作用説明図。
【図11】本発明の第2実施例に係る圧縮比可変装置を
備えた内燃機関の要部縦断正面図。
【図12】図11の12−12線拡大断面図で低圧縮比
状態を示す。
【図13】図12の13−13線断面図。
【図14】図12の14−14線断面図。
【図15】図12の15−15線断面図。
【図16】図12の16−16線断面図。
【図17】図12の17−17線断面図。
【図18】高圧縮比状態を示す,図12との対応図。
【図19】図18の19−19線断面図。
【図20】図18の20−20線断面図。
【図21】図21は嵩上げ部材の作用説明図。
【符号の説明】
A・・・・・・・嵩上げ部材の非嵩上げ位置 B・・・・・・・嵩上げ部材の嵩上げ位置 C・・・・・・・係止部材の作動位置 D・・・・・・・係止部材の後退位置 H・・・・・・・ピストンアウタの高圧縮比位置 L・・・・・・・ピストンアウタの低圧縮比位置 5・・・・・・・ピストン 5a・・・・・・ピストンインナ 5b・・・・・・ピストンアウタ 6・・・・・・・ピストンピン 7・・・・・・・コンロッド 14・・・・・・嵩上げ部材 16・・・・・・第1カム 17・・・・・・第2カム 18・・・・・・ピストンアウタ規制手段(止環) 20・・・・・・アクチュエータ 13,25・・・油圧作動手段(作動プランジャ,第1
油圧室) 30・・・・・・ピストンアウタ係止手段 31・・・・・・係止溝 32・・・・・・係止部材(係止レバー) 34・・・・・・作動ばね 37,38・・・油圧戻し手段(第2油圧室,ピスト
ン) 46・・・・・・油圧源(オイルポンプ) 105・・・・・ピストン 105a・・・・ピストンインナ 105b・・・・ピストンアウタ 106・・・・・ピストンピン 107・・・・・コンロッド 114・・・・・嵩上げ部材 116・・・・・第1カム 117・・・・・第2カム 118・・・・・ピストンアウタ規制手段(止環) 120・・・・・アクチュエータ 113,125・・・油圧作動手段(作動プランジャ,
第1油圧室) 130・・・・・ピストンアウタ係止手段 131・・・・・係止溝 132・・・・・係止部材(係止レバー) 134・・・・・作動ばね 137,138・・・油圧戻し手段(第2油圧室,ピス
トン) 146・・・・・油圧源(オイルポンプ)
【手続補正書】
【提出日】平成14年6月13日(2002.6.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンロッド(7,107)にピストンピ
    ン(6,106)を介して連結されるピストンインナ
    (5a,105a)と,このピストンインナ(5a,1
    05a)の外周に軸方向にのみ摺動可能に嵌合して外端
    面を燃焼室(4a,104a)に臨ませながら,前記ピ
    ストンインナ(5a,105a)寄りの低圧縮比位置
    (L)及び燃焼室(4a)寄りの高圧縮比位置(H)間
    を移動し得るピストンアウタ(5b,105b)と,こ
    れらピストンインナ及びアウタ(5a,5b;105
    a,105b)間に介裝されてピストンアウタ(5b,
    105b)の低圧縮比位置(L)への移動を許容する非
    嵩上げ位置(A)及び,ピストンアウタ(5b,105
    b)を高圧縮比位置(H)に保持する嵩上げ位置(B)
    間を移動する嵩上げ部材(14,114)と,この嵩上
    げ部材(14,114)を非嵩上げ位置(A)及び嵩上
    げ位置(B)に交互に作動するアクチュエータ(20,
    120)とを備えることを特徴とする,内燃機関の圧縮
    比可変装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の圧縮比可変装
    置において,前記嵩上げ部材(14,114)及びアク
    チュエータ(20,120)を,前記ピストンインナ及
    びアウタ(5a,5b;105a,105b)の往復動
    中,これらを互いに軸方向に離間させたり近接させるよ
    うと作用する自然外力によりピストンアウタ(5b,1
    05b)が低圧縮比位置(L)及び高圧縮比位置(H)
    間を移動することを許容するように構成したことを特徴
    とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の内燃機関の圧縮比
    可変装置において,前記嵩上げ部材(14)を,前記ピ
    ストンインナ及びアウタ(5a,5b)間にそれらの軸
    線周りに非嵩上げ位置(A)及び嵩上げ位置(B)間を
    回動し得るように介裝し,この嵩上げ部材(14)と,
    前記ピストンインナ及びアウタ(5a,5b)の一方と
    の軸方向対向面にそれぞれ凸状に形成した第1カム(1
    6)及び第2カム(17)を形成し,これら第1及び第
    2カム(16,17)は,前記嵩上げ部材(14)が非
    嵩上げ位置(A)から嵩上げ位置(B)へ回動するとき
    互いに軸方向に離反するように滑る斜面(16a,17
    a)と,前記嵩上げ部材(14)が嵩上げ位置(B)に
    到達したとき互いに当接する平坦な頂面(16b,17
    b)とを有することを特徴とする,内燃機関の圧縮比可
    変装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の内燃機関の圧縮比可変装
    置において,前記嵩上げ部材(114)を,前記ピスト
    ンインナ及びアウタ(105a,105b)間にそれら
    の軸線周りに非嵩上げ位置(A)及び嵩上げ位置(B)
    間を回動し得るよう介裝し,この嵩上げ部材(114)
    と,前記ピストンインナ及びアウタ(105a,105
    b)の一方との軸方向対向面にそれぞれ凸状に形成した
    第1カム(116)及び第2カム(117)を形成し,
    これら第1及び第2カム(116,117)は,前記嵩
    上げ部材(114)が嵩上げ位置(B)に到達したとき
    互いに当接する平坦な頂面(116b,117b)と,
    各頂面(116b,117b)の周方向両側縁から各カ
    ム(116,117)の根元に略垂直に下りる絶壁面
    (116a,117a)を有することを特徴とする,内
    燃機関の圧縮比可変装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の内燃機関
    の圧縮比可変装置において,前記ピストンインナ(5
    a,105a)及びピストンアウタ(5b,105b)
    間には,ピストンアウタ(5b,105b)が低圧縮比
    位置(L)に来たとき,ピストンアウタ(5b,105
    b)をピストンインナ(5a,105a)に対して係止
    するピストンアウタ係止手段(30,130)を設けた
    ことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の内燃機関
    の圧縮比可変装置において,前記ピストンインナ(5
    a,105a)及びピストンアウタ(5b,105b)
    間には,ピストンアウタ(5b,105b)が高圧縮比
    位置(H)に来たとき,ピストンアウタ(5b,105
    b)のピストンインナ(5a,105a)に対する燃焼
    室(4a,104a)側への移動を規制するピストンア
    ウタ規制手段(18,118)を設けたことを特徴とす
    る,内燃機関の圧縮比可変装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載の内燃機関
    の圧縮比可変装置において,前記アクチュエータ(2
    0,120)を,油圧源(46,146)の油圧により
    作動して前記嵩上げ部材(14,114)を嵩上げ位置
    (B)へ作動する油圧作動手段(23,25;123,
    125)と,前記嵩上げ部材(114)を非嵩上げ位置
    (A)側へ付勢する戻しばね(27,127)とで構成
    したことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかに記載の内燃機関
    の圧縮比可変装置において,前記ピストンアウタ係止手
    段(30,130)を,前記ピストンインナ(5a,1
    05a)に支持されて前記ピストンアウタ(5b,10
    5b)内周面の係止溝(31,131)に係合する作動
    位置(C)及び該係止溝(31)から離脱する後退位置
    (D)間を移動する係止部材(32,132)と,この
    係止部材(32,132)を作動位置(C)へ付勢する
    作動ばね(34,134)と,油圧源(46,146)
    の油圧により作動して係止部材(32,132)を後退
    位置(D)へ作動する油圧戻し手段(37,38)とで
    構成したことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかに記載の内燃機関
    の圧縮比可変装置において,前記アクチュエータ(2
    0,120)を,前記油圧源(46,146)の油圧に
    より作動して前記嵩上げ部材(14,114)を嵩上げ
    位置(B)へ作動する油圧作動手段(23,25;12
    3,125)と,前記嵩上げ部材(14,114)を非
    嵩上げ位置(A)側へ付勢する戻しばね(27,12
    7)とで構成し,また前記ピストンアウタ係止手段(3
    0,130)を,前記ピストンインナ(5a,105
    a)に支持されて前記ピストンアウタ(5b,105
    b)内周面の係止溝(31,131)に係合する作動位
    置(C)及び該係止溝(31,131)から離脱する後
    退位置(D)間を移動する係止部材(32,132)
    と,この係止部材(32,132)を作動位置(C)へ
    付勢する作動ばね(34,134)と,前記油圧源(4
    6,146)の油圧により作動して係止部材(32,1
    32)を後退位置(D)へ作動する油圧戻し手段(3
    7,38;137,138)とで構成し,前記油圧作動
    手段(23,25,123,125)及び油圧戻し手段
    (37,38;137,138)に前記油圧源(46,
    146)の油圧を同時に供給するようにしたことを特徴
    とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
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