JP2003064052A - 新規脂肪酸誘導体 - Google Patents
新規脂肪酸誘導体Info
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- JP2003064052A JP2003064052A JP2001295051A JP2001295051A JP2003064052A JP 2003064052 A JP2003064052 A JP 2003064052A JP 2001295051 A JP2001295051 A JP 2001295051A JP 2001295051 A JP2001295051 A JP 2001295051A JP 2003064052 A JP2003064052 A JP 2003064052A
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- JP
- Japan
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- hydrogen
- fatty acid
- acid derivative
- oxo
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】強力な細胞毒性が注目され、生理活性の発現が
期待されるアメフラシ科のタツナミガイ(Dolabe
lla auricularia)から単離されたオー
リライド類縁体を含むデプシペプチドの構成要素であ
り、その合成に利用可能である脂肪酸誘導体を提供す
る。 【解決手段】下記一般式で示される新規脂肪酸誘導体。 (AAはアミノ酸残基であり,R1は水素または2−オ
キソ−2−フェニルエチル基であり,R2は水素または
メチルチオメチル基であり,R3は水素、(9H−フル
オレン−9−イルメトキシ)カルボニル基またはter
t−ブトキシカルボニル基である。)
期待されるアメフラシ科のタツナミガイ(Dolabe
lla auricularia)から単離されたオー
リライド類縁体を含むデプシペプチドの構成要素であ
り、その合成に利用可能である脂肪酸誘導体を提供す
る。 【解決手段】下記一般式で示される新規脂肪酸誘導体。 (AAはアミノ酸残基であり,R1は水素または2−オ
キソ−2−フェニルエチル基であり,R2は水素または
メチルチオメチル基であり,R3は水素、(9H−フル
オレン−9−イルメトキシ)カルボニル基またはter
t−ブトキシカルボニル基である。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規脂肪酸誘導体,
及びその合成法に関するものであり,医薬等の属する分
野及びその他の分野において要求されているオーリライ
ド類縁体を含むデプシペプチドの合成用試剤に供するも
のである。
及びその合成法に関するものであり,医薬等の属する分
野及びその他の分野において要求されているオーリライ
ド類縁体を含むデプシペプチドの合成用試剤に供するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年,オリゴペプチドに属する化合物
で,ペプチド結合以外にエステル結合を有する,いわゆ
るデプシペプチドが天然物から多数単離された。アメフ
ラシ科のタツナミガイ(Dolabella auri
cularia)から単離されたオーリライドもその一
つであり,非常に強力な細胞毒性を示すことから注目を
集めている。そのためオーリライドとその類縁体の生理
活性発現機構,及び簡便な合成法が盛んに研究されてい
る。1997年,武藤らはオーリライドのエナンチオ選
択的全合成法を報告している[T.Mutou,et
al.,Synlett,1997,199.]。反応
は以下の流れで進行する。
で,ペプチド結合以外にエステル結合を有する,いわゆ
るデプシペプチドが天然物から多数単離された。アメフ
ラシ科のタツナミガイ(Dolabella auri
cularia)から単離されたオーリライドもその一
つであり,非常に強力な細胞毒性を示すことから注目を
集めている。そのためオーリライドとその類縁体の生理
活性発現機構,及び簡便な合成法が盛んに研究されてい
る。1997年,武藤らはオーリライドのエナンチオ選
択的全合成法を報告している[T.Mutou,et
al.,Synlett,1997,199.]。反応
は以下の流れで進行する。
【化2】
【0003】それによると,まずN−メチルグリシン,
N−メチル−D−ロイシン,L−バリン,allo−D
−イソロイシン酸ナトリウム,L−バリンを反応させ,
末端アミノ基にイソロイシノイル基が結合したテトラペ
プチドを合成する。次にこのテトラペプチドとデプシペ
プチドの非ペプチド部分をエステル結合させた後,N−
メチル−L−アラニンを反応させる。最後にペプチド結
合で閉環することにより,オーリライドを得ている。
N−メチル−D−ロイシン,L−バリン,allo−D
−イソロイシン酸ナトリウム,L−バリンを反応させ,
末端アミノ基にイソロイシノイル基が結合したテトラペ
プチドを合成する。次にこのテトラペプチドとデプシペ
プチドの非ペプチド部分をエステル結合させた後,N−
メチル−L−アラニンを反応させる。最後にペプチド結
合で閉環することにより,オーリライドを得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年,医薬等の分野に
おいて,コンビナトリアル合成の手法を利用した生理活
性物質の探索が盛んに行なわれている。一度に多種類の
化合物を合成することができるコンビナトリアル合成を
利用することにより,迅速に目的の生理活性化合物を得
ることができる。前述の合成法はオーリライドをエナン
チオ選択的に合成する優れた方法であるが一度に一種類
しか得ることができない。多数のオーリライド類縁体を
同時に得ることができるコンビナトリアル合成法の開発
やそこで使用される反応中間体が強く求められている。
おいて,コンビナトリアル合成の手法を利用した生理活
性物質の探索が盛んに行なわれている。一度に多種類の
化合物を合成することができるコンビナトリアル合成を
利用することにより,迅速に目的の生理活性化合物を得
ることができる。前述の合成法はオーリライドをエナン
チオ選択的に合成する優れた方法であるが一度に一種類
しか得ることができない。多数のオーリライド類縁体を
同時に得ることができるコンビナトリアル合成法の開発
やそこで使用される反応中間体が強く求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで,発明者は鋭意研
究を重ねた結果,本発明を完成するに至った。即ち,本
発明はオーリライド類縁体を含むデプシペプチドを合成
するために必須である脂肪酸誘導体とペプチド部分のC
末端に相当するアミノ酸残基から成る。そして,そのア
ミノ酸残基を種々に変えることでコンビナトリアル合成
を行なう際の重要な一成分となる。
究を重ねた結果,本発明を完成するに至った。即ち,本
発明はオーリライド類縁体を含むデプシペプチドを合成
するために必須である脂肪酸誘導体とペプチド部分のC
末端に相当するアミノ酸残基から成る。そして,そのア
ミノ酸残基を種々に変えることでコンビナトリアル合成
を行なう際の重要な一成分となる。
【0006】本発明に係る脂肪酸誘導体は,下記式のよ
うに合成することができる。
うに合成することができる。
【0007】
【化3】
【0008】ただし,式中,AAはアミノ酸残基であ
り,R1は水素または2−オキソ−2−フェニルエチル
基であり,R2は水素またはメチルチオメチル基であ
り,R3は水素または(9H−フルオレン−9−イルメ
トキシ)カルボニル基,tert−ブトキシカルボニル
基から選ばれる。
り,R1は水素または2−オキソ−2−フェニルエチル
基であり,R2は水素またはメチルチオメチル基であ
り,R3は水素または(9H−フルオレン−9−イルメ
トキシ)カルボニル基,tert−ブトキシカルボニル
基から選ばれる。
【0009】発明者は本発明化合物を用いた環状デプシ
ペプチドのコンビナトリアル合成法を別途,特許出願中
である。以下にその概要を示す。これは例示であり,本
発明を制限するものではない。
ペプチドのコンビナトリアル合成法を別途,特許出願中
である。以下にその概要を示す。これは例示であり,本
発明を制限するものではない。
【化4】
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】
【化7】
【0013】
くても良い。AA1,AA2,AA3,AA4はそれぞ
れアミノ酸残基であり,同一であっても異なっていても
良い。AAxは任意のアミノ酸残基である。nは任意の
整数または0である。Prot.は保護基であり,(9
H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル基,t
ert−ブトキシカルボニル基から選ばれる。
れアミノ酸残基であり,同一であっても異なっていても
良い。AAxは任意のアミノ酸残基である。nは任意の
整数または0である。Prot.は保護基であり,(9
H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル基,t
ert−ブトキシカルボニル基から選ばれる。
【0014】上記反応式において,本発明化合物は上記
工程IIIに用いられ,ここでAAの種類だけデプシペ
プチドの種類を増やすことができる。例えば,AA1,
AA2,AA3,AA4を10種類ずつ,AAを10種
類,nを0とするとき,得られるデプシペプチドは10
×10×10×10×10=100,000で示される
100,000種を得ることができる。
工程IIIに用いられ,ここでAAの種類だけデプシペ
プチドの種類を増やすことができる。例えば,AA1,
AA2,AA3,AA4を10種類ずつ,AAを10種
類,nを0とするとき,得られるデプシペプチドは10
×10×10×10×10=100,000で示される
100,000種を得ることができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の代表的な実施例を記載する
が,これは例示の目的であり,本発明を制限するもので
はない。本発明の範囲内では変形が可能なことは当業者
には明らかであろう。
が,これは例示の目的であり,本発明を制限するもので
はない。本発明の範囲内では変形が可能なことは当業者
には明らかであろう。
【0016】実施例1[5S,6S,7S−(2E,8
E)]−7−(tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−2,6.8−トリメチル−5−(メチルチオメト
キシ)ウンデカン−2,8−ジエン酸(1R,2S)−
2−メチル−1−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ
カルボニル)ブチルの合成 [5S,6S,7S−(2E,8E)]−7−(ter
t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6,8−トリ
メチル−5−(メチルチオメトキシ)ウンデカン−2,
8−ジエン酸(1.59g,3.69mmol),(2
R,3S)−2−ヒドロキシ−3−メチルペンタン酸2
−オキソ−2−フェニルエチル(1.39g,5.54
mmol),1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]
−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.12g,1
1.1mmol)及び触媒量の4−(ジメチルアミノ)
ピリジンを0℃でジクロロメタン(50ml)に加え
た。室温で96時間攪拌した後,反応混合物を1M塩酸
に入れ,酢酸エチルで抽出した。抽出された有機相を1
M塩酸,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで
洗い,硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で取り
除き,減圧乾固した後,残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製し,標題化合物0.8gを得た
(1.21mmol,収率33%)。
E)]−7−(tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−2,6.8−トリメチル−5−(メチルチオメト
キシ)ウンデカン−2,8−ジエン酸(1R,2S)−
2−メチル−1−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ
カルボニル)ブチルの合成 [5S,6S,7S−(2E,8E)]−7−(ter
t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6,8−トリ
メチル−5−(メチルチオメトキシ)ウンデカン−2,
8−ジエン酸(1.59g,3.69mmol),(2
R,3S)−2−ヒドロキシ−3−メチルペンタン酸2
−オキソ−2−フェニルエチル(1.39g,5.54
mmol),1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]
−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.12g,1
1.1mmol)及び触媒量の4−(ジメチルアミノ)
ピリジンを0℃でジクロロメタン(50ml)に加え
た。室温で96時間攪拌した後,反応混合物を1M塩酸
に入れ,酢酸エチルで抽出した。抽出された有機相を1
M塩酸,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで
洗い,硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で取り
除き,減圧乾固した後,残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製し,標題化合物0.8gを得た
(1.21mmol,収率33%)。
【0017】実施例2[5S,6R,7S−(2E,8
E)]−7−ヒドロキシ−2,6,8−トリメチル−5
−(メチルチオメトキシ)ウンデカン−2,8−ジエン
酸(1R,2S)−2−メチル−1−(2−オキソ−2
−フェニルエトキシカルボニル)ブチルの合成 [5S,6S,7S−(2E,8E)]−7−(ter
t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6,8−トリ
メチル−5−(メチルチオメトキシ)ウンデカン−2,
8−ジエン酸(1R,2S)−2−メチル−1−(2−
オキソ−2−フェニルエトキシカルボニル)ブチル
(0.80g,1.21mmol)とピリジン(2m
l)のテトラヒドロフラン(8ml)溶液にHF・ピリ
ジン錯体(5ml)を0℃で滴下した。この混合物を室
温で3時間攪拌した後,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
に入れ,酢酸エチルで抽出した。10%くえん酸水溶
液,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗
い,硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で取り除
き,減圧乾固した後,残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製し,標題化合物0.40gを得た
(0.73mmol,収率60%)。
E)]−7−ヒドロキシ−2,6,8−トリメチル−5
−(メチルチオメトキシ)ウンデカン−2,8−ジエン
酸(1R,2S)−2−メチル−1−(2−オキソ−2
−フェニルエトキシカルボニル)ブチルの合成 [5S,6S,7S−(2E,8E)]−7−(ter
t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6,8−トリ
メチル−5−(メチルチオメトキシ)ウンデカン−2,
8−ジエン酸(1R,2S)−2−メチル−1−(2−
オキソ−2−フェニルエトキシカルボニル)ブチル
(0.80g,1.21mmol)とピリジン(2m
l)のテトラヒドロフラン(8ml)溶液にHF・ピリ
ジン錯体(5ml)を0℃で滴下した。この混合物を室
温で3時間攪拌した後,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
に入れ,酢酸エチルで抽出した。10%くえん酸水溶
液,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗
い,硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で取り除
き,減圧乾固した後,残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製し,標題化合物0.40gを得た
(0.73mmol,収率60%)。
【0018】実施例3[5S,6S,7S−(2E,8
E)]−7−[N−(9H−フルオレン−9−イルメト
キシカルボニル)−N−メチル−L−アラニルオキシ]
−2,6.8−トリメチル−5−(メチルチオメトキ
シ)ウンデカン−2,8−ジエン酸(1R,2S)−2
−メチル−1−(2−オキソ−2−フェニルエトキシカ
ルボニル)ブチルの合成 [5S,6R,7S−(2E,8E)]−7−ヒドロキ
シ−2,6,8−トリメチル−5−(メチルチオメトキ
シ)ウンデカン−2,8−ジエン酸(1R,2S)−2
−メチル−1−(2−オキソ−2−フェニルエトキシカ
ルボニル)ブチル(0.40g,0.73mmol),
N−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニ
ル)−N−メチル−L−アラニン(0.36g,1.1
0mmol),1−[3−(ジメチルアミノ)プロピ
ル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.28g,
1.46mmol)及び触媒量の4−(ジメチルアミ
ノ)ピリジンを0℃でジクロロメタン(30ml)に加
えた。室温で20時間攪拌した後,反応混合物を1M塩
酸に入れ2相を分離し,水相を酢酸エチルで抽出した。
抽出された有機相を合わせ,1M塩酸,飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液及びブラインで洗い,硫酸ナトリウムで
乾燥した。乾燥剤をろ過で取り除き,減圧乾固した後,
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し,
標題化合物0.56gを得た(0.65mmol,収率
90%)。
E)]−7−[N−(9H−フルオレン−9−イルメト
キシカルボニル)−N−メチル−L−アラニルオキシ]
−2,6.8−トリメチル−5−(メチルチオメトキ
シ)ウンデカン−2,8−ジエン酸(1R,2S)−2
−メチル−1−(2−オキソ−2−フェニルエトキシカ
ルボニル)ブチルの合成 [5S,6R,7S−(2E,8E)]−7−ヒドロキ
シ−2,6,8−トリメチル−5−(メチルチオメトキ
シ)ウンデカン−2,8−ジエン酸(1R,2S)−2
−メチル−1−(2−オキソ−2−フェニルエトキシカ
ルボニル)ブチル(0.40g,0.73mmol),
N−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニ
ル)−N−メチル−L−アラニン(0.36g,1.1
0mmol),1−[3−(ジメチルアミノ)プロピ
ル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.28g,
1.46mmol)及び触媒量の4−(ジメチルアミ
ノ)ピリジンを0℃でジクロロメタン(30ml)に加
えた。室温で20時間攪拌した後,反応混合物を1M塩
酸に入れ2相を分離し,水相を酢酸エチルで抽出した。
抽出された有機相を合わせ,1M塩酸,飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液及びブラインで洗い,硫酸ナトリウムで
乾燥した。乾燥剤をろ過で取り除き,減圧乾固した後,
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し,
標題化合物0.56gを得た(0.65mmol,収率
90%)。
【0019】実施例4(2R,3S)−2−[[5S,
6S,7S−(2E,8E)]−7−[N−(9H−フ
ルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−N−メチル
−L−アラニルオキシ]−2,6,8−トリメチル−5
−(メチルチオメトキシ)ウンデカン−2,8−ジエノ
イルオキシ]−3−メチルペンタン酸の合成 [5S,6S,7S−(2E,8E)]−7−「N−
(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−
N−メチル−L−アラニルオキシ]−2,6,8−トリ
メチル−5−(メチルチオメトキシ)ウンデカン−2,
8−ジエン酸(1R,2S)−2−メチル−1−(2−
オキソ−2−フェニルエトキシカルボニル)ブチル
(0.56g,0.65mmol)の酢酸/酢酸エチル
/水(60:35:5 v/v 30ml)混合溶液に
活性亜鉛(0.67g,10.2mmol)を室温で加
え,45℃で27時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチ
ルで希釈した後,ろ過し,1M塩酸に入れた。2相を分
離後,水相を酢酸エチルで抽出した。抽出された有機相
を合わせ,1M塩酸,ブラインで洗い,硫酸ナトリウム
で乾燥した。乾燥剤をろ過で取り除き,減圧乾固した
後,残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し,標題化合物0.48gを得た(0.65mmol,
収率100%)。以下に主な物性を示す1 H NMR(270MHz,CDCl3):δ0.9
0(t,J=7.3Hz,3H,a),0.93(t,
J=7.3Hz,3H,b),1.01(d,J=6.
9Hz,3H,c),1.30−1.90(m,2H,
d),1.44(d,J=7.3Hz,3H,e),
1.59(brs,3H,f),1.87(s,3H,
g),2.00−2.20(m,4H,h,i and
j),2.09(s,3H,k),2.30−2.4
0(m,1H,l),2.43(s,3H,m),2.
87(s,3H,n),3.55−3.70(m,1
H,o),4.20−4.30(m,1H,p),4.
35−4.45(m,1H,q),4.50(d,J=
11.6Hz,1H,r),4.59(d,J=11.
6Hz,1H,r′),4.70−4.80(m,1
H,s),4.90−5.00(m,1H,t),5.
05−5.15(m,1H,u),5.40−5.50
(m,1H,v),6.80−6.90(m,1H,
w),7.28−7.78(m,8H,aromati
c)13 C NMR(67.8MHz,CDCl3):δ1
75.8,171.0,167.5,156.5,14
4.0,141.3,127.7,127.0,12
5.0,120.0,81.0,80.5,75.4,
73.3,67.8,54.2,47.2,36.9,
36.6,30.2,30.0,29.7,28.9,
26.3,20.8,15.1,14.7,14.4,
14.1,13.8,12.6,12.2,11.7,
9.9MS(ESI−TOF):calcd for
[C41H55NO9S+NH4]=755.4,fo
und755.4
6S,7S−(2E,8E)]−7−[N−(9H−フ
ルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−N−メチル
−L−アラニルオキシ]−2,6,8−トリメチル−5
−(メチルチオメトキシ)ウンデカン−2,8−ジエノ
イルオキシ]−3−メチルペンタン酸の合成 [5S,6S,7S−(2E,8E)]−7−「N−
(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−
N−メチル−L−アラニルオキシ]−2,6,8−トリ
メチル−5−(メチルチオメトキシ)ウンデカン−2,
8−ジエン酸(1R,2S)−2−メチル−1−(2−
オキソ−2−フェニルエトキシカルボニル)ブチル
(0.56g,0.65mmol)の酢酸/酢酸エチル
/水(60:35:5 v/v 30ml)混合溶液に
活性亜鉛(0.67g,10.2mmol)を室温で加
え,45℃で27時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチ
ルで希釈した後,ろ過し,1M塩酸に入れた。2相を分
離後,水相を酢酸エチルで抽出した。抽出された有機相
を合わせ,1M塩酸,ブラインで洗い,硫酸ナトリウム
で乾燥した。乾燥剤をろ過で取り除き,減圧乾固した
後,残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し,標題化合物0.48gを得た(0.65mmol,
収率100%)。以下に主な物性を示す1 H NMR(270MHz,CDCl3):δ0.9
0(t,J=7.3Hz,3H,a),0.93(t,
J=7.3Hz,3H,b),1.01(d,J=6.
9Hz,3H,c),1.30−1.90(m,2H,
d),1.44(d,J=7.3Hz,3H,e),
1.59(brs,3H,f),1.87(s,3H,
g),2.00−2.20(m,4H,h,i and
j),2.09(s,3H,k),2.30−2.4
0(m,1H,l),2.43(s,3H,m),2.
87(s,3H,n),3.55−3.70(m,1
H,o),4.20−4.30(m,1H,p),4.
35−4.45(m,1H,q),4.50(d,J=
11.6Hz,1H,r),4.59(d,J=11.
6Hz,1H,r′),4.70−4.80(m,1
H,s),4.90−5.00(m,1H,t),5.
05−5.15(m,1H,u),5.40−5.50
(m,1H,v),6.80−6.90(m,1H,
w),7.28−7.78(m,8H,aromati
c)13 C NMR(67.8MHz,CDCl3):δ1
75.8,171.0,167.5,156.5,14
4.0,141.3,127.7,127.0,12
5.0,120.0,81.0,80.5,75.4,
73.3,67.8,54.2,47.2,36.9,
36.6,30.2,30.0,29.7,28.9,
26.3,20.8,15.1,14.7,14.4,
14.1,13.8,12.6,12.2,11.7,
9.9MS(ESI−TOF):calcd for
[C41H55NO9S+NH4]=755.4,fo
und755.4
【0020】
【発明の効果】上記のように,本発明は新規脂肪酸誘導
体の提供と,その製造法に関するものである。本発明化
合物である新規脂肪酸誘導体は,抗腫瘍作用,あるいは
その他の生理活性作用を有することが期待されるオーリ
ライド類縁体を含むデプシペプチドのコンビナトリアル
合成に利用可能であることから,本発明化合物は極めて
有用な脂肪酸誘導体と言える。
体の提供と,その製造法に関するものである。本発明化
合物である新規脂肪酸誘導体は,抗腫瘍作用,あるいは
その他の生理活性作用を有することが期待されるオーリ
ライド類縁体を含むデプシペプチドのコンビナトリアル
合成に利用可能であることから,本発明化合物は極めて
有用な脂肪酸誘導体と言える。
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フロントページの続き
(72)発明者 土井 隆行
東京都目黒区大岡山2−12−1
(72)発明者 永宮 裕之
東京都目黒区大岡山2−12−1
Fターム(参考) 4H006 AA01 AB81 AB84
Claims (2)
- 【請求項1】下記構造式 【化1】 (式中,AAはアミノ酸残基であり,R1は水素または
2−オキソ−2−フェニルエチル基であり,R2は水素
またはメチルチオメチル基であり,R3は水素または
(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル
基,tert−ブトキシカルボニル基から選ばれる)で
示される新規脂肪酸誘導体。 - 【請求項2】AAがN−メチルアラニン残基であり,R
2はメチルチオメチル基であり,R3は水素である請求
項1記載の新規脂肪族誘導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001295051A JP2003064052A (ja) | 2001-08-23 | 2001-08-23 | 新規脂肪酸誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001295051A JP2003064052A (ja) | 2001-08-23 | 2001-08-23 | 新規脂肪酸誘導体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003064052A true JP2003064052A (ja) | 2003-03-05 |
Family
ID=19116552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001295051A Withdrawn JP2003064052A (ja) | 2001-08-23 | 2001-08-23 | 新規脂肪酸誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003064052A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10472395B2 (en) | 2015-03-05 | 2019-11-12 | Sirenas Llc | Cyclic peptide analogs and conjugates thereof |
US11254705B2 (en) | 2016-09-02 | 2022-02-22 | Sirenas Llc | Cyclic peptide analogs and conjugates thereof |
-
2001
- 2001-08-23 JP JP2001295051A patent/JP2003064052A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10472395B2 (en) | 2015-03-05 | 2019-11-12 | Sirenas Llc | Cyclic peptide analogs and conjugates thereof |
US11254705B2 (en) | 2016-09-02 | 2022-02-22 | Sirenas Llc | Cyclic peptide analogs and conjugates thereof |
US12077606B2 (en) | 2016-09-02 | 2024-09-03 | Sirenas Llc | Cyclic peptide analogs and conjugates thereof |
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