JP2003060557A - アレーアンテナシステムを有する基地局 - Google Patents

アレーアンテナシステムを有する基地局

Info

Publication number
JP2003060557A
JP2003060557A JP2001244856A JP2001244856A JP2003060557A JP 2003060557 A JP2003060557 A JP 2003060557A JP 2001244856 A JP2001244856 A JP 2001244856A JP 2001244856 A JP2001244856 A JP 2001244856A JP 2003060557 A JP2003060557 A JP 2003060557A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
unit
downlink
base station
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001244856A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomonori Sato
知紀 佐藤
Tamio Saito
民雄 斎藤
Takeshi Takano
健 高野
Michiharu Nakamura
道春 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2001244856A priority Critical patent/JP2003060557A/ja
Publication of JP2003060557A publication Critical patent/JP2003060557A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 W−CDMAを用いた移動通信システムに
て、基地局が下りビームを形成するに当たり、移動局の
通信品質が最大となるようにアンテナ指向性を修正でき
る、アレーアンテナシステムを有する基地局を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 4本の上り無線信号を受信し同一位相を
有する4本の検波信号から復調信号を出力する復調信号
出力部9と、復調信号と通信品質とに基づいて上り無線
信号に関する上り重み情報を算出する上り重み情報算出
部25と、上り重み情報算出部25が算出した上り重み
情報に上り搬送波と下り搬送波との波長比を乗算して得
た乗算重み情報を下り重み情報として出力する下り重み
情報算出部26と、復調信号出力部9から出力された復
調信号に基づいて移動局の通信品質が極大となる補正値
を出力する補正値算出部24とをそなえて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動通信システム
に用いて好適な、アレーアンテナシステムを有する基地
局に関する。
【0002】
【従来の技術】移動通信システムにおいては、基地局と
移動局との間における無線信号(RF[Radio Frequenc
y]信号)の伝搬環境が時間,場所等によって、常に変
動する。このため、通信品質に関する情報が、基地局と
移動局との間において、絶えず送受信されるようになっ
ている。
【0003】広帯域符号分割多元接続方式(以下、W−
CDMA方式と称する:Wideband-Code Division Mult
iple Access)を用いた移動通信システムは、通信品質
として、SIR(Signal Interference Ratio:SI
比)を使用している。このSIRは、TPC(Transmis
sion Power Control:送信電力制御)のために測定した
ものを利用している。
【0004】この移動通信システムは、主に、マルチパ
スフェージングと周波数選択性フェージングとの影響を
受ける。このため、通信品質は干渉の影響を受ける。図
26は移動通信システムの概略的な構成図である。この
図26に示すアレーアンテナシステムを有する基地局
(BTS:Base Transceiver Station)100から移動
局(MS:Mobile Station)102に対して送信され
た搬送波(キャリア)は、建造物101又は山103に
よって反射,回折又は散乱される。そして、移動局10
2においては、直接波に続いて、遅延した反射波を受信
することになり、この直接波と反射波とが干渉し、マル
チパスフェージングが発生する。このため、基地局10
0が単一周波数の搬送波を送信したのにもかかわらず、
移動局102は、その周波数信号を、複数回受信する。
【0005】また、基地局100が高速信号(高速デー
タ)を伝送するときには、周波数選択性フェージングが
発生する。これらのフェージングは、移動局102が基
地局100に対して搬送波を送信するときも同様に発生
するので、基地局100と移動局102とは、いずれ
も、これらのフェージングの影響を軽減するための回路
を設けている。
【0006】加えて、通信品質を向上させるために、移
動通信システムは、同一の周波数における干渉を可能な
限り除去する必要がある。このため、基地局100は、
多数の電波の中から、特定の移動局102から送信され
たものを抽出するようにしている。この抽出のため、基
地局100は、アンテナの指向性を用いてその特定の移
動局102を選択するようになっている。このアンテナ
の指向性は、電波が到来する角度(以下、到来角と称す
る。)の関数として定式化されており、このパターン
は、指向性パターンとしてシミュレーションを用いて得
られる。なお、以下、指向性をビームと称する。
【0007】そして、ビームを制御する方法として、基
地局100の受信側が、複数のアンテナを設けて、各ア
ンテナにて受信した受信信号の振幅と位相とを独立に制
御する方法が知られており、そのビームを適応的に変化
させる方法を用いたアンテナは、特にアダプティブアレ
ーアンテナと呼ばれる。このアダプティブアレーアンテ
ナが用いられる移動通信システムは、妨害波が広帯域周
波数を有するものである移動通信システム又は可変利得
増幅器がある移動通信システムである。これにより、受
信側は、干渉波成分を可能な限り、除去することができ
る。
【0008】なお、受信側又は送信側とは、それぞれ、
移動局102又は基地局100の受信回路又は送信回路
を意味する。図27(a)はビームの一例を示す図であ
り、この図27(a)に示す半円において、外側の利得
は内側の利得よりも大きい。また、ビームとビームとの
間において、利得がほぼゼロになることも示されてい
る。このパターンを有するアンテナを設けた場合は、図
27(b)に示すようになる。
【0009】図27(b)はフィンガを説明するための
図である。この図27(b)に示す基地局100は、4
系統の固定されたアンテナ素子(以下、アンテナと称す
る。)X0〜X3を有する。これらのアンテナX0〜X
3は、互いに、間隔δを離して設けられており、それぞ
れ、鉛直線に対して到来角θ0〜θ3(0度<θ0,θ1
θ2,θ3<90度)の方向から、電波が入射されるよう
になっている。なお、これらの到来角θ0〜θ3は、いず
れも、説明の便宜上、基地局100に対して真横から見
たときの投影角である。
【0010】ここで、基地局100および移動局102
のいずれも、電波の到来方向が変動し、かつ、時間的に
変化する。また、図28はアダプティブアレーアンテナ
の発生電圧(誘起電圧)を説明するための図である。こ
の図28に示す受信電界強度は基地局100において観
測されるものであり、4本の受信電界強度ピーク0〜3
が表示されている。ここで、ピーク0は直接波によるも
のであり、ピーク1〜3は、反射波によるものである。
これらの反射波は、それぞれ、反射により直接波よりも
長い行路を伝搬するからである。そして、各ピークは、
時刻t0および時刻t1,t2,t3に表されている。
【0011】また、ビームは、受信信号と、参照信号
と、補正されたアンテナウェイトとを用いて算出され
る。このアンテナウェイトとは、受信信号の位相の回転
に必要な移相量である。具体的には、送信局が、(1−
1)式に示す信号(データ)ESを送信し、受信局が、
(1−2)式に示す信号ERを受信したときに、受信局
が(1−3)式に示すアンテナウェイトEwを、信号ER
に乗算するのである。ここで、E0は搬送波の最大振
幅,expは自然対数,jは虚数単位(j2=−1),
ωtは角周波数,tは時刻をそれぞれ表す。また、αは
回転した移相量を表し、正の場合が進んでおり、負の場
合が遅れており、・は乗算を表す。
【0012】 ES=E0・exp(j・ωtt) …(1−1) ER=E0・exp(j・[ωtt+α])…(1−2) Ew=exp(−j・α) …(1−3) 従って、ER・EWは、(1−4)式に示すように得ら
れ、信号ESが再現されるのである。
【0013】 ER・Ew=E0・exp(j・ωtt)・exp(j・α)・exp(−j・α ) =E0・exp(j・ωtt)…(1−4) 次に、アンテナX1にて発生する電圧について、図29
を用いて説明する。図29はアンテナ発生電圧を説明す
るための図であり、アンテナX0〜X3に対して、電波
が鉛直線と到来角θをなして入射されるようになってい
る。図29に示すアンテナX0〜X3は、いずれも、直
線的に配置され、また、基準点P(黒い丸で表示したも
の)から、それぞれ、アンテナ間隔d0〜d3離れて設け
られている。なお、指向性が60度のとき、これらのア
ンテナ間隔d0〜d3は、それぞれ、搬送波波長の半波長
以下にされるようになっている。ここで、行路L1およ
びL2は、それぞれ、アンテナX0(基準点P)および
アンテナX1における伝搬路の長さを表す。
【0014】そして、行路L1と行路L2との間におけ
る行路差LΔはアンテナ間隔d0を用いて、(1−5)
式により表される。 LΔ=d0・sinθ …(1−5) 従って、アンテナX1における発生電圧E1は、(1−
6)式により表される。ここで、fは搬送波周波数,τ
は時刻,kは0〜3の整数,dkはk番目のアンテナ間
隔をそれぞれ表す。それ以外のもので、上述したものと
同一の符号を有するものは同一のものを表す。
【0015】 E1=E0・exp(j・2πfτk) =E0・exp(j・2πdksinθ/λ)…(1−6) さらに、図29に示すアンテナX1,X2,X3からの
出力は、減衰器および移相器(いずれも図示省略)に入
力されて加算され、その加算結果EsumがアンテナX0
〜X3の合成結果として、(1−7)式に示す信号が出
力される。ここで、ΣはアンテナX0〜X3の発生電圧
をすべて加算することを表し、Akは発生電圧の最大振
幅を表す。また、Ψは移相量であり、受信した電波の到
来角の方向と、アンテナX0〜X3の位置とに基づいて
決定されるようになっている。
【0016】 Esum=E0・ΣAk・exp{j・(2πdksinθ/λ+Ψ)}…(1−7 ) そして、基地局100は、電波を移動局102に対して
下りビームを送信するときには、このΨを用いて、移相
量を決定するのである。従って、出力される搬送波の位
相は、全アンテナX0〜X3からの出力が一致するよう
に送信されるのである。さらに、(1−7)式の絶対値
|Esum|を到来角θの関数として表されたものがビー
ムと呼ばれるのである。なお、||は、絶対値を表すも
のである。
【0017】例えば基地局100は、下りビーム形成の
ために、上りビームを形成したアンテナウェイト又は上
りビームの到来角θを推定することによって算出したア
ンテナウェイトに基づいて下りアンテナウェイトを算出
し下りビームを形成する。また、基地局100は、上り
チャネル(上り通話チャネル)の周波数と下りチャネル
(下り通話チャネル)の周波数とが異なる場合は、上り
ビームの形成に使用したアンテナウェイトを補正するよ
うになっている。
【0018】アダプティブアレーアンテナを用いた方法
は、所望の信号波を抽出するために、その信号波の中心
周波数,到来方向,変調方法等を利用している。その算
出方法の一例として、LMS(Least Mean Square)ア
ルゴリズムが知られている。このLMSアルゴリズム
は、アンテナウェイトを算出した後の信号と、参照信号
(リファレンス信号)との差分値を計算し、その差分値
が、最小になるように、最小自乗法(最小2乗法)を用
いて算出するものである。
【0019】このアンテナウェイトを算出するに当た
り、LMSアルゴリズムが用いられている。このLMS
アルゴリズムは、次の(1−8)式によって算出され
る。 W(m+1)=W(m)+Δθ・X*(m)・E*(m)…(1−8) ここで、mはサンプリング時刻を表し、W(m)はサン
プリング時刻mにおけるアンテナウェイト(アンテナウ
ェイトベクトル)を表し、また、Δθはアンテナ変更ス
テップサイズ(ステップサイズ)を表し、X(m)はサ
ンプリング時刻mにおける受信信号ベクトルを表
す。"*"は複素共役信号を表す。
【0020】さらに、ステップサイズΔθの値は、収束
条件から、次の(1−9)式を満たす必要がある。ここ
で、λmaxは、相関行列の最大固有値を表す。 0< Δθ <1/λmax…(1−9) 前記(1−8)式のアンテナウェイトW(m)は収束し
ない。この理由は、アップリンク信号から算出された各
無線信号が、それぞれ、別の伝搬路を通って相手側に受
信されるからである。すなわち、行路差に基づいて搬送
波周波数が異なるからである。また、アンテナウェイト
収束速度とウェイトジッタとが相反することについて
は、図30を用いて説明する。
【0021】図30はアンテナウェイト収束速度とウェ
イトジッタとが相反することを説明するための図であ
る。このウェイトジッタとは、アンテナウェイトの時間
平均値(ランダム過程においては、アンサンブル平均値
で表される。)の周辺を変動するランダム過程である。
そして、利得係数kが小さいと、時定数が長い時間にお
ける時間平均を得ることができウェイトジッタが小さく
なる。一方、利得係数kが小さいと、収束速度が低下す
る。すなわち、安定性(定常特性の良さ)と高速安定性
(過渡特性の良さ)とが相反するようになっている。
【0022】そして、基地局100は、電源投入時の初
期状態からLMSアルゴリズムを用いてアンテナウェイ
トを所望の値に収束させる。次に、基地局100は、移
動する移動局102から無線信号を受信すると、基地局
100に含まれる上りLMSアルゴリズム算出部が、そ
の信号に基づいて、新たなアンテナウェイトを算出し、
アンテナウェイトを更新するのである。
【0023】図31はアダプティブアレーアンテナの概
略的なブロック図である。この図31に示すアダプティ
ブアレーアンテナ50は、アンテナ(アンテナ素子)X
0〜Xk−1と、k個(k=0,1,2,3)の乗算器
51と、加算器50a,50bと、複素乗算器50c
と、k個の乗算器50dと、k個の利得乗算器50eと
をそなえて構成されている。
【0024】そして、アンテナX0〜Xk−1のそれぞ
れにて受信された受信ベクトルは、k個の乗算器51に
て、アンテナウェイト(アンテナウェイトベクトル)W
0〜Wk−1と乗算され、これらの乗算結果は、加算器
50aにて加算されたアレー出力Yとして出力される。
さらに、アレー出力Yは、加算器50bにて、参照信号
Dと加算されたエラー信号Eとして出力され、複素乗算
器50cにてエラー信号Eの複素共役信号E*が生成さ
れる。この複素共役信号E*は、k個の乗算器50dの
それぞれに対して入力される。これらの乗算器50dの
それぞれにて、アンテナX0〜Xk−1から出力された
受信ベクトルと乗算され、それらの乗算結果は、k個の
利得乗算器50eにて利得係数を乗算されたアンテナウ
ェイトW0〜Wk−1は、k個の乗算器51のそれぞれ
に入力されるのである。
【0025】これにより、各アンテナX0〜Xk−1か
らの出力は、それぞれ、所定の係数を乗算されることに
より重み付けされる。従って、アレー応答により得られ
た参照信号と、実際のアレー出力信号との差分が最小に
なるように、最適なアンテナウェイトが算出される。ま
た、これにより、アンテナX0〜Xk−1にて受信され
た信号は、適応的に制御され、アンテナ指向性が最適化
されるのである。
【0026】次に、アンテナウェイトの補正について説
明する。基地局100が受信する無線信号RXは、RX
=(I+j・Q)により表される。ここで、I,Qは、
それぞれ、受信信号のI成分,Q成分である。また、基
地局100は、フィンガと呼ばれる遅延量を補正するた
めに、受信信号RXについて、位相を進めるか、又は、
位相を戻すかのいずれかの処理をするようにしている。
【0027】具体的には、基地局100は、位相を進め
るとき、受信信号RXに、移相量(X+j・y)を乗算
させ、また、位相回転を戻すときは、受信信号RXに、
移相量(X−j・y)を乗算するのである。従って、基
地局100は、受信信号RXの位相を回転させることに
よって、アンテナウェイトを補正するのである。
【0028】次に、基地局100は、その位相回転処理
をした受信信号RXに、アンテナウェイトを乗算して補
正するのである。ここで、アンテナウェイト補正値W
は、(1−10)式で表される。 W=ΔW_I(k)+j・ΔW_Q(k) …(1−10) また、(ΔW_I(k),ΔW_Q(k))は、それぞ
れ、基地局100における補正移相量(補正回転量)の
大きさを表し、具体的には帯域系無線信号の波形を示す
exp(j・ωt)=cos(ωt)+j・sin
(ωt)の実数成分,虚数成分を表すものである。
【0029】そして、受信側は、受信信号を復調するに
当たり、復調回路が、アンテナウェイト補正値W2につ
いて、W2=W・(X+j・y)・RXなる演算をする
ようになっている。例えば、上りチャネルと下りチャネ
ルとの搬送波周波数が異なる場合には、搬送波の波長が
異なるので、上りビーム形成に使用したアンテナウェイ
トが補正される。
【0030】図32は従来の基地局100のブロック図
であって、この図32に示す基地局100は、上りチャ
ネルと下りチャネルとの搬送波周波数が異なる移動通信
システムに用いられるものである。この図32を用い
て、受信信号を復調する流れについて説明する。まず、
RF回路90において、4本のアンテナX0〜X3のそ
れぞれから受信信号が検波され、それぞれの受信信号
は、フィンガ逆拡散部91a〜91dに入力されるよう
になっている。このフィンガ逆拡散部91aはアンテナ
X0〜X3から出力された信号(アンテナ出力)を位相
回転しないで逆拡散するものであり、図28に示すピー
ク0について逆拡散するものである。また、フィンガ逆
拡散部91b,フィンガ逆拡散部91cおよびフィンガ
逆拡散部91dは、それぞれ、アンテナX0〜X3から
出力された信号の位相をθ1,θ2およびθ3だけ回転さ
せるものであって、図28に示す時刻t1,t2,t3
各時刻にて受信したピーク1,2および3について逆拡
散するものである。
【0031】これにより、フィンガ逆拡散部91a〜9
1dからは、それぞれ、t0〜t3の各時刻における信号
について自局が発生した拡散コードを乗算して4アンテ
ナ分の信号s0〜s3が出力される。例えば時刻t0
おける各フィンガ逆拡散部91a〜91dからの信号s
1,s2,s3,s4は、位相回転部(DBF〔Digita
l Beam Former〕部。上りビーム形成部)92aにてωt
が乗算されることによって位相ωtだけ戻される。
【0032】この位相回転量ωtは、上りアンテナウェ
イト算出部92dによって入力されるようになってい
る。すなわち、このDBF部92aは、アンテナX0〜
X3にて受信した信号に、アンテナウェイトを複素乗算
して位相回転させ、これらの位相回転された信号は、い
ずれも、合成部92bにて合成され、その合成結果は、
同期検波部92cにて同期検波される。この同期検波さ
れたデータは、信号処理部93に入力され、また、音声
増幅回路(図示省略)により、例えば音声信号等が得ら
れるのである。
【0033】さらに、合成部92bからの出力と、同期
検波部92cからの出力とは、いずれも、上りアンテナ
ウェイト算出部92dにて入力され、この上りアンテナ
ウェイト算出部92dは、DBF部92aと、下りアン
テナウェイト算出部92eとの双方に入力されるのであ
る。これにより、各受信信号の位相が同一となって、S
IRの改善が図れる。
【0034】一方、送信系統については、まず、音声デ
ータ又はFAXデータは、それぞれ、信号処理部93か
ら出力され、送信信号生成部92fにて送信フォーマッ
トに変更された信号が生成される。そして、この送信信
号生成部92fからのデータは、拡散コードにより、拡
散部92gにて拡散され、そして、DBF部(Dと付さ
れたもの。)92hにて、周波数をダウンされて、RF
回路90に送信されるのである。
【0035】すなわち、この方法によると、上りビーム
(上り指向性)の形成に使用したアンテナウェイトを用
いて下りビーム(下り指向性)が形成されている。換言
すれば、この方法は、マルチパスによる行路差をアンテ
ナの向きを変化させることによって、吸収するのであ
る。なお、実験結果によれば、人間が歩行する速度,自
動車の移動速度および新幹線の速度のそれぞれについ
て、人間又は自動車の移動のときは、適切にループ制御
により、マルチパスによる弊害を除去でき、一方、新幹
線がカーブを走行するときのその接線方向の速度につい
ては除去できない場合がある。
【0036】図33は下りビームと基地局100とのビ
ームのずれを説明するための図である。この図33に示
す基地局100は、移動局102に対して信号を送信す
るために、ビームB1,B2を形成している。このビー
ムB1は、最適なビームであり、ビームB2は、Δθ
(i)(ラジアン:rad)だけずれたビームを表す。
なお、アダプティブアレーアンテナに関する技術は、例
えば「アレーアンテナによる適応信号処理技術と高分解
能到来波推定入門コース」菊間信良,1997年10月
30日,アンテナ・伝搬研究専門委員会,無線通信シス
テム研究専門委員会,電子情報通信学会等に記載されて
いる。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビーム
形成が最適であるか否かを移動通信システム110は知
ることができない。すなわち、基地局100は、下り搬
送波のビームを算出するに当たり、上りLMSアルゴリ
ズム算出部と下りLMSアルゴリズム算出部とのそれぞ
れにおいて、量子化誤差等の誤差が加わるので、下りビ
ームがずれることがある。さらに、フィールド実験によ
って、上り最大パスの方向が、下り最大パスと一致しな
いことが明らかにされている。
【0038】従って、上りビーム算出時において、ずれ
が生じる可能性がある。さらに、下りビーム算出時にお
いて、搬送波の周波数の影響が完全に除去されたときで
も、下りビームにずれが生じるのである。すなわち、基
地局100から移動局102に対して送信する搬送波周
波数の下りビームが最適に形成されないという課題があ
る。
【0039】また、基地局100がこれを回避するため
の他の方法として、基地局100から移動局102に対
して送信するときに、基地局100が同一の経路を選択
するようにもできる。この場合においても、移動局10
2は、やはり、干渉が多くなるので、品質が劣化する。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、W
−CDMA方式を用いた移動通信システムにおいて、下
りビームを形成するに当たり、移動局の通信品質が最大
となるようにアンテナ指向性を修正できる、アレーアン
テナシステムを有する基地局を提供することを目的とす
る。
【0040】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の基地
局は、移動局からの受信信号のビームを形成した上りア
ンテナウェイトを基に、下りアンテナウェイトを算出し
て移動局への送信信号の下りビームを形成するアレーア
ンテナシステムを有し、複数の上り無線信号を受信し同
一の位相を有する複数の検波信号に起因する復調信号を
出力する復調信号出力部と、復調信号と通信の品質に関
する通信品質とのそれぞれに基づいて、上り無線信号に
関する上り重み情報を算出する上り重み情報算出部と、
少なくとも上り重み情報算出部が算出した上り重み情報
に基づいて得た下り重み情報を出力する下り重み情報算
出部と、復調信号出力部から出力された復調信号に基づ
いて、移動局の通信品質が極大となる補正値を出力する
補正値算出部と、送信すべきデータを出力する送信信号
出力部と、送信すべきデータに、下り重み情報算出部か
ら出力された下り重み情報と補正値算出部から出力され
た補正値とを乗算して補正下り送信信号を出力する下り
指向性形成部とをそなえて構成されたことを特徴として
いる(請求項1)。
【0041】また、下り重み情報算出部は、復調信号と
上り搬送波および下り搬送波の波長比とを乗算して得た
乗算重み情報を下り重み情報として出力する乗算器をそ
なえて構成されてもよい(請求項2)。さらに、補正値
算出部は、通信品質と位相角の間隔を表すステップサイ
ズとを関連付けて保持し、周期信号に基づいて、移相量
の間隔を表すステップサイズを出力する第1メモリ部
と、ステップサイズと受信した信号の受信信号ステップ
サイズとを比較して比較結果を出力する比較部と、ステ
ップサイズと下り重み情報とを関連付けて保持する第2
メモリ部と、第1メモリ部と第2メモリ部との読み書き
を制御する制御部とをそなえて構成されてもよい(請求
項3)。
【0042】そして、復調信号出力部は、受信信号の位
相の回転に必要な移相量を表すアンテナウェイトを更新
するタイミングに関するキャリブレーションロジック信
号を出力する管理部をそなえ、管理部が、補正値算出部
にキャリブレーションロジック信号を入力するように構
成されてもよい(請求項4)。また、本発明のアレーア
ンテナシステムを有する基地局は、下りビームを補正す
る補正手段と、移動局における補正された下りビームの
信号の受信状態および補正前の下りビームの信号の受信
状態に応じて、下りビームを補正前の状態とするか補正
後の状態とするかを選択する選択手段とをそなえて構成
されたことを特徴としている(請求項5)。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (A)本発明の第1実施形態の説明 本発明を適用されるアレーアンテナシステムを有する基
地局は、主に、移動通信システムに用いられ、アダプテ
ィブアレーアンテナを設けている。
【0044】図1は本発明の第1実施形態に係る移動通
信システムの概略的な構成図である。この図1に示す移
動通信システム110は、W−CDMA方式のものであ
り、移動中の加入者に対して電話,FAX又はデータ通
信等のサービスを提供するものであって、電話網104
と、交換局105と、複数の移動局60と、基地局1と
をそなえて構成されている。
【0045】ここで、電話網104は、移動通信システ
ム110と加入契約をした加入者電話機又は他の移動通
信システムから送信された音声信号等を伝送するもので
あって、家庭,オフィスに設けられた固定電話,個人が
有する携帯情報端末又は個人が有する携帯電話等を収容
している。この音声信号とは、加入者の音声信号のほか
に、FAX信号,加入者がインターネットに接続するた
めのメッセージ信号又はテキストファイル等のデータ信
号等を意味する。
【0046】そして、交換局105は、基地局1から送
信された音声信号を多重化した多重化信号を電話網10
4に伝送するとともに、他の交換局から送信された多重
化された音声信号を基地局1に送信するものである。移
動局60は、加入者電話機であって、例えば携帯電話で
ある。移動局60は、基地局1との間において無線信号
を送受信するものであり、音声信号に関してエンコード
・デコードをするようになっている。また、移動局60
は、基地局1に対して、仕様で定められる所定時間間隔
をおいて、位置登録データを送信するようになってい
る。
【0047】基地局1は、移動局60に対して、交換局
105からの多重化された音声信号を無線信号に変換
し、その無線信号を移動局60に対して送信するととも
に、移動局60から送信された無線信号を音声信号にし
その音声信号を多重化して交換局105に送信するもの
である。この基地局1は、移動局60が報告する通信品
質が最大となるアンテナウェイト補正値を算出し、この
アンテナウェイト補正値に基づいて、送信電力を制御す
るようになっている。また、この基地局1は、固定局で
あって、アレーアンテナシステムを有する基地局として
機能している。
【0048】一方、基地局1と移動局60との間におい
ては、TPCとして、クローズドループTPC(以下、
クローズドループと略称する。)を用いている。このク
ローズドループとは、フィードバック制御であって、基
地局1が移動局60から送信された情報に基づいて、基
地局1の送信電力を決定するものであり、インナループ
とアウターループとの二種類がある。
【0049】インナーループは、基地局1が、移動局6
0により測定された受信信号のSIRに基づいて基地局
送信電力をフィードバック制御するものである。基地局
1は、予め、移動局60におけるSIR閾値を保持して
おり、次に、このSIR閾値と、移動局60におけるS
IRとを比較する。ここで、基地局1は、移動局60に
おけるSIRがSIR閾値よりも小さいときは、送信電
力を上げるよう制御するのである。
【0050】さらに、基地局1は、移動局60から送信
されたパイロット信号について基地局1におけるSIR
を測定し、この基地局1におけるSIRに基づいて、移
動局60に対してTPCビットを送信するのである。ま
た、アウターループは、基地局1が、移動局60におけ
る平均ビット誤り率又はフレーム誤り率を監視して、こ
れらの誤り率が仕様による要求値よりも小さくなるよう
に、基地局1に対して保持した移動局SIR閾値の値を
変更するものである。
【0051】これにより、まず、基地局1は、報知チャ
ネルを用いて、基地局送信電力を送信し、また、移動局
60は、その報知チャネルの受信電力を測定し、報知チ
ャネルを介して受信した基地局送信電力とを比較して、
送信電力を制御するのである。なお、これらの基地局1
および移動局60については、以下、詳述する。
【0052】さらに、この移動通信システム110は、
移動局60の位置に関するデータを保持する位置登録管
理局(図示省略、以下、管理局と略称する。)を有す
る。この管理局は、移動局60からの位置登録データを
受信し、その移動局60の現在位置を常時更新するよう
になっている。そして、管理局は、他の電話網の加入者
が発呼した電話番号に基づいて、その電話番号を有する
移動局60の位置を検索し、その移動局60が属するセ
ル106aの基地局1を知る。そして、基地局1から移
動局60に対して呼び出し信号が送信されるのである。
【0053】また、移動通信システム110は、複数の
セル106a,106b,106cを有し、各移動局6
0は、移動中に、これらのセル106a〜106cに設
けられた基地局を切り替えて通信するようになってい
る。なお、移動局60は、無線通信ゾーンを6分割して
得た領域(セクタ)ごとに位置を管理されるようになっ
ている。
【0054】また、この図1に示す伝搬路には、建造物
101又は山103が存在し、基地局1が送信した搬送
波は、反射,回折又は散乱されて移動局60に到着す
る。このため、基地局1と各移動局60とは、いずれ
も、直接波と反射波との干渉により、マルチパスフェー
ジングの影響を受け、通信品質は干渉の影響を受ける。
ここで、通信品質(通話品質)とは、基地局1又は移動
局60における受信品質を表し、TPCのために測定さ
れたSIRを利用している。従って、基地局1は、通信
品質として、インナーループ又はアウターループの結果
を用いるので、既存の仕様のままで、高い通信品質を得
ることができる。
【0055】なお、通信品質は、ビット誤り率(BE
R:Bit Error Rate)を用いたり、又は、例えば受信電
界強度(RSSI:Received Signal Strength Indicat
or)の値を着信電力として用いることもでき、また、S
IR,ビット誤り率又は着信電力等を組み合わせること
もできる。さらに、基地局1からの搬送波は、複数の信
号が多重されたものであり、基地局1と移動局60との
間を搬送波が伝搬に要する時間は、複数の信号ごとに時
間差を有する。このため、基地局1が高速データを送信
すると、周波数選択性フェージングが発生する。また、
これらは、移動局60が基地局1に対して搬送波を送信
するときも同様である。
【0056】図2は本発明の第1実施形態に係る基地局
1の要部を示す図である。この図2に示す基地局1は、
伝送信号処理部107,アンテナ(アンテナ素子)X0
〜X3,ハイブリッド16,受信処理部4,送信処理部
17,多重化部15をそなえて構成されている。ここ
で、伝送信号処理部107は、受信処理部4にて復調さ
れた4系統の音声信号を多重化し、この多重化した音声
信号を伝送フォーマットに変換して交換局105に出力
するとともに、交換局105から入力された多重化され
た音声信号を4系統に分離して各音声信号を送信処理部
17に入力するものである。この機能はIC(Integrat
ed Circuit)等により実現される。
【0057】また、アンテナX0〜X3は、それぞれ、
無線信号を送受信するものである。そして、これらに発
生する電圧の振幅と位相とが独立して制御され、その制
御信号が合成されて干渉波成分が除去されるようになっ
ている。なお、アンテナ数は4であり、第1実施形態
と、後述する第1実施形態の各変形例,第2実施形態お
よび第2実施形態の各変形例とにおいても、特に断らな
い限り4本であり、また、その数は4以上にすることが
できる。これらのアンテナX0〜X3は、基地局1の高
い場所に設けられ、それらの配置の位置は、直線的,平
面的又は曲面的になっている。
【0058】そして、ハイブリッド16は、アンテナX
0〜X3にて受信された無線信号を受信処理部4に入力
するとともに、多重化部15から出力された無線信号を
アンテナX0〜X3に入力するものである。この機能は
例えばサーキュレータにより実現される。また、受信処
理部4は、アンテナX0〜X3から出力された無線信号
を検波して音声信号を復号し、その復号した音声信号を
音声信号伝送時の多重化フォーマットに変換し、多重化
した音声信号を交換局105に対して伝送するものであ
って、加入者1,2,3,4のそれぞれに対応して設け
られた第1受信処理部4a,第2受信処理部4b,第3
受信処理部4c,第4受信処理部4dをそなえて構成さ
れている。なお、第1受信処理部4a〜第4受信処理部
4dの数は、5以上の数を用いることもできる。
【0059】ここで、第1受信処理部4aは、アンテナ
X0から出力された無線信号を検波して音声信号を復号
しその復号した音声信号を多重化し、その多重化した音
声信号を交換局105に対して伝送するものであって、
受信部2と、A/D変換部(A/D変換器:Analogue/D
igital Converter)3aと、復調部10と、音声復号化
部11とをそなえて構成されている。まず、受信部2
は、ハイブリッド16から出力された無線信号を検波し
その検波信号を出力するものであり、例えばRF回路に
より実現される。そして、A/D変換部3aは、受信部
2から出力されたアナログの検波信号をディジタル信号
に変換するものである。これにより、高速度のデータ
が、復調部10に入力されるようになっている。また、
このA/D変換器3aの精度を改善することによって、
ビット精度がさらに向上する。
【0060】そして、図2に示す第2受信処理部4b、
第3受信処理部4c、第4受信処理部4dは、それぞ
れ、第1受信処理部4aとほぼ同一であり、それらの説
明を省略する。さらに、復調部10は、検波信号を逆拡
散して復調信号を出力するとともに、上りアンテナウェ
イトおよび下りアンテナウェイトを算出してそのアンテ
ナウェイト補正値(以下、補正値と略称する。)を算出
するものである。この機能は、遅延タップを設けたトラ
ンスバーサルフィルタ回路によって実現される。
【0061】このアンテナウェイトとは、受信信号の位
相の回転に必要な移相量である。具体的には、送信局
が、(1−1)式に示す信号ESを送信し、受信局が、
(1−2)式に示す信号ERを受信したときに、受信局
が(1−3)式に示すアンテナウェイトEwを、信号ER
に乗算するのである。これにより、送信信号ESが再現
されるのである。また、ビームは、受信信号と、参照信
号と、補正されたアンテナウェイトとを用いて算出され
て計算される。
【0062】以上のようなアダプティブアレーアンテナ
を搭載した基地局1は、より利得の大きいビームを、時
間,場所等に応じて適応的に変化させることができる。
また、アダプティブアレーアンテナによる合成は、干渉
波方向にゼロ点を生成でき、基地局1の受信信号の干渉
波を低減させることになる。これは、移動局60の送信
電力を抑えることにつながる。
【0063】続いて、音声復号化部11は、復調部10
からの復調信号を復号化して出力するものであって、移
動局データ抽出部11aをそなえて構成されている。こ
の移動局データ抽出部11aは、移動局60における基
地局1からの無線信号を受信したときのTPCの値を抽
出するものである。ここで、移動局60は、基地局1に
対する送信電力の値を常時、基地局1に対して送信する
ようになっている。そして、基地局1において、後述す
る管理部39に、この値が入力されるのである。なお、
この機能はCPU(Central Processing Unit),RO
M(Read Only Memory)およびRAM(Random Access
Memory)等により実現される。
【0064】従って、送信側にて音声符号化により圧縮
されたデータは伸張され、その伸張されたデータは、音
声増幅回路(図示省略)に入力され、音声信号又は元の
データ信号等が得られるのである。これにより、アンテ
ナX0〜X3にてフェージングを受けたチップレートの
高速信号は、受信部2にて周波数変換され、A/D変換
部3aを介して、復調部10にて、検波信号はベースバ
ンド信号に変換され、その変換されたベースバンド信号
として、音声復号化されて復号されてから受信処理をす
る。
【0065】次に、図2に示す基地局1の送信処理部1
7について説明する。送信処理部17は、4系統に分離
された音声信号を伝送処理部107から受信し、各音声
信号を音声帯域に入るデータに符号化し、その符号化し
たデータを拡散して、拡散された無線信号を送信するも
のである。この送信処理部17は、加入者1,2,3,
4のそれぞれに対応して設けられた第1送信処理部17
a,第2送信処理部17b,第3送信処理部17c,第
4送信処理部17dをそなえて構成されている。
【0066】ここで、第1送信処理部17aは、伝送処
理部107から出力される変換信号を音声帯域に入るデ
ータに符号化し、その符号化したデータを拡散して、拡
散された無線信号を送信するものであって、送信部14
と、D/A変換部(D/A変換器:Digital/Analogue C
onverter)3bと、変調部13と、音声符号化部(送信
信号出力部)12とをそなえて構成されている。
【0067】音声符号化部12は、例えば情報データ等
(送信すべきデータ)を出力するものであり、送信処理
部17から入力された音声信号を圧縮して圧縮信号を出
力するものである。この機能は例えばCPU,ROMお
よびRAM等により実現される。次に、変調部13は、
音声符号化部12から入力された圧縮信号を自ら発生さ
せた拡散コードにより拡散させ、拡散信号(送信信号)
を出力するものである。この変調部13は、例えば図3
に示すように、送信信号生成部27と、メイン拡散部2
8と、DBF部(Dと付されたもの。下り指向性形成
部:下りビーム形成部)29とをそなえて構成されてい
る。そして、上りチャネルと下りチャネルとの搬送波周
波数が異なる基地局の加入者の変復調部として機能する
ようになっている。
【0068】ここで、送信信号生成部27は、音声符号
化部12から入力される情報データを出力するものであ
る。具体的には、送信信号生成部27は、情報データ
を、移動通信システム110の仕様に合致したフォーマ
ットの信号データを生成して出力するようになってお
り、この機能は例えばCPU,ROM,RAM等により
実現される。
【0069】そして、メイン拡散部28は、送信信号生
成部27から出力された情報データ(変調データ)に、
拡散コードを乗算して、拡散信号を出力するものであ
る。この機能は例えばLSI(Large Scale Integratio
n)等により実現される。さらに、DBF部29は、こ
の情報データに、下りアンテナウェイト算出部26から
出力された下りアンテナウェイトと、アンテナウェイト
補正値算出部(以下、補正値算出部と称する。)24か
ら出力された補正値とを乗算して補正下り送信信号を出
力するものであり、下りビームを補正する補正手段とし
て機能している。この機能は、例えばLSI等により実
現され、これにより、通信品質を確実に向上させること
ができる。
【0070】図4は本発明の第1実施形態に係るDBF
部29のブロック図である。この図4に示すDBF部2
9は、4系統の上り情報データの各成分(W_I
ul(0)+j・W_Qul(0))〜(W_Iul(3)+
j・W_Qul(3))と、4系統の下りアンテナウェイ
ト(W_Idl(0)+j・W_Qdl(0))*〜(W_
dl(3)+j・W_Qdl(3))*と、4系統の補正
値(ΔW_Idl(0)(sirmax)+j・ΔW_Q
dl(0)(sirmax))*〜(ΔW_Idl(3)
(sirmax)+j・ΔW_Qdl(3)(sirma
x))*とを入力されるようになっている。なお、si
rmaxは、SIRの最大値を表す。
【0071】そして、DBF部29は、4個の乗算器3
0aと、4個の乗算器30bとを有し、各乗算器30
a,30bにおいて、上記の各成分について複素乗算さ
れるのである。例えば、アンテナX0に入力する送信信
号については、拡散信号(W_Iul(0)+j・W_Q
ul(0))と、下りアンテナウェイト(W_Idl(0)
+j・W_Qdl(0))*とが、乗算器30aにて乗算
される。この乗算器30aから出力された乗算結果と、
補正値(ΔW_Idl(0)(sirmax)+j・ΔW
_Qdl(0)(sirmax))*とが、乗算器30b
にて乗算され、この乗算結果が、送信信号として出力さ
れるのである。
【0072】また、アンテナX1〜X3に入力する下り
データについても、アンテナX0についての操作と同一
の操作である。これにより、図3において、音声符号化
部12から入力された情報データは、送信信号生成部2
7にて、移動通信システム110の仕様に合致したフォ
ーマットで出力され、メイン拡散部28にて、拡散コー
ドを乗算されて拡散信号が生成され、さらに、DBF部
29にて、補正値算出部24からの下り補正値(ΔW_
dl(k)+j・ΔW_Qdl(k))と、下りアンテナ
ウェイト算出部26からの下りアンテナウェイト(W_
dl(k)+j・W_Qdl(k))*と、メイン拡散部
28からの拡散信号(W_Iul(0)+j・W_Q
ul(0))とが入力されて乗算され、情報データ信号と
して出力されるのである。
【0073】また、DBF部29は、下りメイン通話チ
ャネル(メイン通信チャネル),下りサブ通話チャネル
(サブ通信チャネル),通話チャネル又はキャリブレー
ションチャネルとの各チャネルを、キャリブレーション
をしているときに送信するようになっている。このよう
に、回路規模が小規模な乗算器30a,30bを用い
て、アンテナウェイトを計算できるので、処理効率が向
上し、また、簡便な回路変更により、より正確なアンテ
ナウェイトが得られる。
【0074】再度、図2において、D/A変換部3b
は、変調部13から入力されたディジタル信号をアナロ
グ信号に変換して出力するものである。そして、送信部
14は、D/A変換部3bから入力されたアナログ信号
を無線信号に変換して出力するものであり、RF回路に
より実現される。また、第2送信処理部17b,第3送
信処理部17c,第4送信処理部17dは、第1送信処
理部17aと同一機能を有するものであるので、重複し
た説明を省略する。
【0075】また、多重化部(Σ)15は、第1送信処
理部17a〜第4送受信処理部17dのそれぞれから入
力された無線信号を多重化して出力するものであり、こ
の機能は、LSIにより実現される。これにより、交換
局105からの多重化された音声信号は、伝送処理部1
7において分離され、分離された音声信号は、それぞ
れ、第1送信処理部17a〜第4送受信処理部17dに
入力される。また、音声信号は、音声符号化部12にて
圧縮信号に変換され、変調部13にて拡散コードを乗算
され、D/A変換部3bにてアナログ信号に変換され、
そのアナログ信号は、送信部14にて、無線信号に変換
されて出力される。そして、第1送信処理部17a〜第
4送受信処理部17dのそれぞれから入力された無線信
号は、多重化部14にて4多重され、その多重化された
無線信号が、ハイブリッド16を介して、アンテナX0
〜X3から出力されるのである。
【0076】次に、図3を用いて、復調部10と変調部
13との詳細を説明する。図3は本発明の第1実施形態
に係る復調部10と変調部13とを説明するための図で
ある。この図3に示す復調部10は、復調信号出力部9
と、上りアンテナウェイト算出部(上り重み情報算出
部)25と、下りアンテナウェイト算出部(下り重み情
報算出部)26と、補正値算出部24とをそなえて構成
されている。
【0077】ここで、復調信号出力部9は、4本の上り
無線信号を受信し同一の位相を有する4本の検波信号に
起因する復調信号を出力するものである。この復調信号
出力部9は、移動局60から基地局(固定局)1に対し
て送信された無線信号を、4本の上り無線信号として受
信するようになっている。これにより、基地局1は、時
間的な信号処理に加えて、空間的な信号処理が可能とな
り、干渉波成分を除去することができる。また、これに
より、基地局1は、フェージング環境下において、無線
信号を適切に復調することができる。
【0078】ここで、復調信号出力部9は、移相量を表
すアンテナウェイトを含む4本の上り無線信号を受信し
同一の位相を有する4本の検波信号に起因する復調信号
を出力するのであって、フィンガ算出部20と、DBF
部(Uと表示されたもの。上り指向性形成部)21と、
合成部(受信合成部)22と、同期検波部23とをそな
えて構成されている。
【0079】ここで、フィンガ算出部20は、受信した
拡散信号を逆拡散した信号を出力するものであって、4
個のサブフィンガ逆拡散部20a〜20dとを有する。
このサブフィンガ逆拡散部20aは、アンテナX0〜X
3を介して受信した拡散信号のそれぞれについて逆拡散
するものであって、図示を省略するが、拡散信号を保持
し拡散コードの段数(以下、段数を例えば256個とす
る。)を有するシフトレジスタからなるデータ保持部
と、拡散コードを生成するシフトレジスタからなる拡散
コード発生部と、データ保持部および拡散コード発生部
の256個のフリップフロップとを乗算して出力する2
56個の乗算器と、256個の乗算器の出力を加算して
出力する加算器とを有する。そして、例えばアンテナX
0から入力された拡散信号は、チップ時間ごとに256
個のフリップフロップをシフトされ、256個の乗算結
果が加算されていき、相関値が最大になったところが得
られるのである。
【0080】また、サブフィンガ逆拡散部20b,サブ
フィンガ逆拡散部20cおよびサブフィンガ逆拡散部2
0dも、サブフィンガ逆拡散部20aと同様であるの
で、冗長な説明を省略する。これにより、フィンガ算出
部20から、アンテナX0〜X3のそれぞれについて、
全部で16系統の検波信号が、シンボルレートの速度で
出力されるのである。
【0081】次に、DBF部21は、フィンガ算出部2
0からの逆拡散信号に、後述する(2−1)式に示す移
相量を乗算して得た信号を、4系統の検波信号として出
力するものである。すなわち、DBF部21は、アンテ
ナX0〜X3からの4系統の受信信号に、アンテナウェ
イトを複素乗算することにより位相回転させて出力する
ものである。
【0082】また、合成部22は、DBF部21から出
力された4系統の検波信号を合成するものであって、D
BF部21から出力された位相回転された16本の信号
を合成し合成信号として出力するものである。これによ
り、基地局1は、空間的な指向性パターンを作成し、こ
の指向性パターンに基づいて所望の方向に電波を送信で
き、また、多方向への不要な電波の送信を回避できる。
なお、この機能はLSI等により実現される。
【0083】さらに、同期検波部23は、合成部22か
ら出力された合成信号をパイロット信号を用いて同期検
波するものであって、図示を省略するが、受信信号から
パイロット信号を抽出して再生するパイロット再生回路
を有し、その再生されたパイロットを合成部22から出
力される受信信号に乗算することによって、シンボルレ
ートの速度を有するデータを復調出力するようになって
いる。また、この同期検波部23は、受信信号のビット
誤り率,フレーム誤り率等の通信品質を計算して出力す
るようにもなっている。なお、この機能はLSI等によ
り実現される。
【0084】そして、この同期検波部23から出力され
た復調信号は、音声復号化部11に入力され、音声増幅
されて音声信号等が得られるのである。また、上りアン
テナウェイト算出部25は、復調信号と通信の品質に関
する通信品質(受信品質を表す通信品質)とのそれぞれ
に基づいて、上り無線信号に関する上りアンテナウェイ
トを算出するものである。この上りアンテナウェイト算
出部25は、例えば図5に示すように、推定部25a
と、ステップサイズ出力部25bと、下り指向性パター
ン算出部25cとをそなえて構成されている。
【0085】ここで、推定部25aは上り無線信号の到
来方向と同一の指向性を有するビーム(指向性パター
ン)を推定するものである。また、ステップサイズ出力
部25bは移相量の間隔を表すアンテナ変更ステップサ
イズ(以下、ステップサイズと略称する。)Δθ(i)
を出力するものである。このビーム方向のステップサイ
ズΔθ(i)の最小値(最小ステップサイズ)Δθmin
は、5.625度に設定されている。
【0086】なお、この最小ステップサイズΔθ
minが、5.625度(deg)である理由は、シミュ
レーションによって得られたものであり、ビームが5.
625度ずれたとき、利得の損失の値は、0.2dB以
内であるという設定により計算して得られたものであ
る。ここで、利得損失が0.2dBであることは、SI
Rの劣化と同一であることを意味している。従って、品
質の劣化は、実用上、影響は少ない。また、このステッ
プサイズΔθ(i)をこれ以上細かいステップサイズΔ
θ(i)にすることは、冗長であるとも考えられる。さ
らに、到来角5.625度は、位相差に換算すると、
1.40625度に相当し、また、このときのアンテナ
ウェイトを表現するのに必要なビット数は、8ビットで
ある。従って、最小ステップサイズΔθminが5.62
5度であることは、回路規模の点からいうと、妥当なス
テップと考えられる。
【0087】さらに、上りアンテナウェイト算出部25
は、受信信号の位相の回転に必要な移相量を表すアンテ
ナウェイトを、通信品質に基づいて、乗算アンテナウェ
イトとして算出するようになっている。すなわち、上り
アンテナウェイト算出部25は、位相回転した送信信号
Rを受信すると、アンテナウェイトEwを、その送信信
号ERに乗算するのである。
【0088】これにより、フェージング環境下におい
て、無線信号を適切に復調することができる。次に、下
り指向性パターン算出部25cはビーム(指向性パター
ン)と、ステップサイズΔθ(i)と、ビームを算出す
る範囲を表す算出範囲情報とに基づいて、移動局60の
通信品質が極大となる指向性パターンを算出するもので
ある。これらの機能は、例えばCPU,ROMおよびR
AMにより実現される。
【0089】具体的には、上りアンテナウェイト算出部
25に入力されるアンテナウェイトωul(k)は、移相
量であり、(2−1)式に示すようになる。ここで、k
=0,1,2,3であり、λulは搬送波の波長で、d
(0),d(1),d(2),d(3)はそれぞれ基準
点から測定したk番目のアンテナX0〜X3の位置であ
り、θは角度であって受信波がブロードサイドから測定
して角度θの方向から到来したことを表すものである。
【0090】 ωul(k)=(2π/λul)×d(k)sinθ…(2−1) すなわち、k番目のアンテナにおける受信信号の位相
は、基準アンテナにおける受信信号よりも、空間にて位
相がωul(k)だけ回転しているのである。また、上り
アンテナウェイト算出部25は、この位相回転を打ち消
すために、後述する(2−2)式に示すアンテナウェイ
トを算出する。換言すれば、このアンテナウェイトと
は、上記の(1−1)式〜(1−4)式に示したよう
な、受信信号の位相の回転に必要な移相量である。
【0091】 exp(j・ωul *(k)) =exp(W_Iul(k)+j・W_Qul(k))*…(2−2) ここで、ωul(k)は上り移相量,*は複素共役を表
す。W_Iul(k),W_Qul(k)は、それぞれ、k
番目のアンテナにおける移相量ωul(k)のI成分,Q
成分を表す。
【0092】これにより、上りアンテナウェイト算出部
25は、DBF部21に入力される受信信号と、同期検
波されて出力された復調信号とを用いて、アンテナX0
〜X3にて受信された受信信号の位相が同一になるよう
に、上りアンテナウェイトを算出するのである。この位
相回転により、元の送信信号は、適切な移相量を乗算さ
れ又は送信時の位相に戻される。
【0093】さらに、下りアンテナウェイト算出部26
は、上りアンテナウェイト算出部25が算出した上りア
ンテナウェイトに基づいて得た下りアンテナウェイトを
出力するものである。具体的には、下りアンテナウェイ
ト算出部26は、上りアンテナウェイト算出部25が算
出した上りアンテナウェイトに、上り搬送波と下り搬送
波との波長比を乗算して得た乗算アンテナウェイトを下
りアンテナウェイトとして出力するようになっている。
【0094】図6は本発明の第1実施形態に係る下りア
ンテナウェイト算出部26のブロック図である。この図
6に示す下りアンテナウェイト算出部26は、4個の複
素乗算器(乗算器)30を有する。これらの複素乗算器
30は、復調信号と上り搬送波および下り搬送波の波長
比とを乗算して得た乗算重み情報を下りアンテナウェイ
トとして出力するものである。
【0095】具体的には、上りアンテナウェイト(W_
ul(k)+j・W_Qul(k)) *の各成分(W_I
ul(0)+j・W_Qul(0))*〜(W_Iul(3)
+j・W_Qul(3))*と、波長比とを乗算するもの
である。すなわち、下りアンテナウェイト算出部26
は、上りアンテナウェイトを用いて、搬送波周波数の違
いに相当する周波数差分を補正し、そして、後述するD
BF部29にて、この上りアンテナウェイトが送信信号
(I+j・Q)と複素乗算されて下りビームが形成され
るのである。
【0096】この波長比の乗算は、簡易な演算なので、
基地局1は、迅速に下りアンテナウェイトを算出でき
る。ここで、移動局60にて位相が同一になる下りアン
テナウェイトは、(2−3)式に示すように表される。
ここで、ωdl(k),W_Idl(k),W_Qdl(k)
は、それぞれ、k番目のアンテナにおける下り移相量,
移相量wdl(k)のI成分,Q成分を表す。
【0097】 exp(j・ωdl *(k)) =exp(W_Idl(k)+j・W_Qdl(k))*…(2−3) また、下り移相量ωdl *(k)は、 ωdl *(k)=(2π/λdl)×d(k)sinθ であるので、 ωdl *(k)=(λul/λdl)×ωul *(k) となる。このため、k番目のアンテナX(k)における
下りアンテナウェイトは、それぞれ、(2−4)式に示
すようになる。
【0098】 =exp(W_Idl *(k)) =exp(j・(λul/λdl)×ωul *(k)) =exp(j・(λul/λdl)×(W_Iul(k)+j・W_Qul(k))* …(2−4) そして、この(2−4)式に示す結果が、DBF部29
に入力されるのである。
【0099】続いて、補正値算出部24(図3参照)
は、復調信号出力部9から出力された復調信号に基づい
て、移動局60の通信品質が極大となる補正値を出力す
るものである。すなわち、補正値算出部24は、復調信
号出力部9から出力された復調信号に基づいて、移動局
60の通信品質が最大となる補正値を出力するものであ
る。
【0100】図7は本発明の第1実施形態に係る補正値
算出部24のブロック図である。この図7に示す補正値
算出部24は、制御部24aと、メモリ部(第1メモリ
部)24bと、比較部24cと、4個のセレクタ24
d,24e,24f,24gと、ROM(第2メモリ
部)24h,24i,24j,24kとをそなえて構成
されている。
【0101】ここで、メモリ部24bは、通信品質と位
相角の間隔を表すステップサイズΔθ(i)とを関連付
けて保持し、周期信号(以下、ウェイト変更周期パルス
と称する。)に基づいて、移相量の間隔を表すステップ
サイズΔθ(i)を出力するものである。また、メモリ
部24bは、通信品質とステップサイズΔθ(i)とを
保持するようにもなっており、通信品質の一種類として
SIRデータを保持している。このSIRデータは、制
御部24aから入力されるウェイト変更周期パルスによ
って比較部24cに入力されるようになっている。この
ウェイト変更周期パルスの出力される周期は、予め設定
されるようになっている。また、設計方針の変更に応じ
て、種々の値に設定可能である。なお、メモリ部24b
は、例えばRAMにより実現される。RAMを用いるこ
とによって、全ての通信品質を記憶することが容易にな
る。なお、メモリ部24bは、レジスタを用いることも
可能である。
【0102】これにより、補正値算出部24は、通信品
質が最大となる補正値のステップサイズΔθ(i)を出
力できる。また、ROM24h,24i,24j,24
kは、それぞれ、ステップサイズΔθ(i)と下りアン
テナウェイトとを関連付けて保持するものであり、この
機能はレジスタにより実現される。具体的には、ROM
24hは、アンテナX0(アンテナX0用)について、
ステップサイズΔθ(i)ごとのアンテナウェイトを保
持するようになっている。さらに、他のROM24i,
24j,24kも、ROM24hと同様である。
【0103】そして、制御部24aは、メモリ部24b
とROM24h,24i,24j,24kとの読み書き
を制御するものであり、この機能は例えばCPU,RO
MおよびRAM等により実現される。また、制御部24
aは、ステップサイズΔθ(i)を入力され、このステ
ップサイズΔθ(i)を、ROM24h,24i,24
j,24kのそれぞれに入力するようにもなっている。
【0104】具体的には、制御部24aは、ステップサ
イズΔθ(i)を入力され、このステップサイズΔθ
(i)を比較部24cに入力するのである。また、制御
部24aは、ウェイト変更周期設定データ(以下、設定
データと略称する。)を入力され、この設定データに基
づいて、メモリ部24bに対して、アンテナウェイト変
更周期パルスを入力する。このアンテナウェイト変更周
期の更新周期は、1フレーム時間に相当する10ミリ秒
である。さらに、制御部24aは、メモリ部24bとR
OM24h,24i,24j,24kとの書き込みタイ
ミングを制御するようにもなっている。
【0105】次に、比較部24cは、ステップサイズΔ
θ(i)と受信した信号のステップサイズΔθ(i)と
を比較して比較結果Δθ(sirmax)を出力するも
のである。この比較部24cの機能は、例えばCPU,
ROMおよびRAM等により実現される。具体的には、
比較部24cは、メモリ部24bに保持されたデータ
と、制御部24aから出力されるステップサイズΔθ
(i)とを比較して、大きい方を出力するようになって
いる。
【0106】さらに、4個のセレクタ(選択部)24d
〜24gは、いずれも、比較部24cから出力された比
較結果Δθ(sirmax)と、制御部24aから出力
されたステップサイズΔθ(i)とのうちの一方を選択
して出力するものである。そして、これらのセレクタ2
4d〜24gの機能は例えばレジスタにより実現され
る。
【0107】具体的には、4個のセレクタ24d〜24
gは、それぞれ、制御部24aから入力されたステップ
サイズΔθ(i)と、比較部24cから入力されたステ
ップサイズΔθ(i)(sirmax)とを比較し、こ
れらのうちの大きい方を出力するようになっている。こ
の切り替えは、設定データを更新するキャリブレーショ
ンが開始されたときに行なわれる。各セレクタ24d〜
24gは、キャリブレーションの開始を、キャリブレー
ションロジック信号により知るようになっている。
【0108】そして、キャリブレーションロジック信号
がオン(動作状態)のときは制御部24aから出力され
るステップサイズΔθ(i)を選択して出力するととも
に、キャリブレーションロジック信号がオフ(非動作状
態)のときは比較部24cから出力されるΔθ(sir
max)を選択して出力するのである。これにより、比
較部24cにおいて、補正値について比較され、比較結
果の大きい方が記憶されるようになっている。
【0109】従って、アンテナウェイトを更新するタイ
ミングに関するキャリブレーションロジック信号を出力
する管理部39をそなえ、管理部39が、補正値算出部
24にキャリブレーションロジック信号を入力するよう
になっている。この管理部39を設けることにより、き
め細かいアンテナ制御が可能となる。図8は本発明の第
1実施形態に係る管理部39のブロック図である。ま
た、この図8に示す管理部39は、ステップサイズΔθ
(i)と、キャリブレーション最大角度振り幅と、キャ
リブレーションウェイト変更周期とを出力するものでも
あって、キャリブレーションロジック信号出力部39a
と、ステップサイズ出力部39bと、キャリブレーショ
ン最大角度振り幅出力部39cと、キャリブレーション
ウェイト変更周期出力部39dとをそなえて構成されて
いる。
【0110】ここで、キャリブレーションロジック信号
出力部39aは、キャリブレーションロジック信号を出
力するものである。このキャリブレーションロジック信
号がオンにされるタイミングの一例は、アンテナウェイ
トが更新されるタイミングと関連がある。補正値を更新
するタイミングは、上りアンテナウェイトの変動量又は
タイマーに基づいて決定される。すなわち、1フレーム
(10ミリ秒)に1回としたり、又は、1秒間のうちの
特定時間において10ミリ秒間するようにもできる。な
お、キャリブレーションのタイミングと、キャリブレー
ションロジック信号とは、それぞれ、設計方針に応じて
種々、変更することができる。また、その詳細なタイミ
ングは、図9(a)〜(e)を用いて後述する。
【0111】ステップサイズ出力部39bは、ステップ
サイズΔθ(i)を可変的に出力するものである。これ
により、基地局1および移動局60の双方とも、より正
確な値を得ることができる。また、キャリブレーション
最大角度振り幅出力部39cは、キャリブレーションの
角度振り幅の範囲を可変的に出力するものであり、この
最大角度振り幅の具体的な値は、移動通信システム11
0のセクタが6角形で設計されているので、40度〜6
0度の値を予め設定されるようになっている。
【0112】さらに、キャリブレーションウェイト変更
周期出力部39dは、キャリブレーションのウェイトを
変更する周期を可変的に出力するものである。これらの
値は、上りアンテナウェイト算出の精度および下りビー
ム形成のずれを、予め定量的に解析することにより、初
期値として、設定されるようになっている。これによ
り、きめ細かい制御が可能となる。なお、これらの機能
は、CPU,ROMおよびRAM等により実現される。
【0113】そして、管理部39は、上記の上り無線信
号に含まれる信号であって移動局60の通信品質に関す
る信号に基づいて補正値を算出し、また、補正値を情報
データに乗算して得られた信号を送信するようにもなっ
ている。この補正値は、実験に基づく最適な値を選択す
ることもでき、これにより、例えば厳しいフェージング
環境を克服できる。
【0114】さらに、補正値算出部24は、通信品質と
して、SIRのほかに、受信電力の大きさと、誤り率と
のうちの一つを入力されるようにもなっている。すなわ
ち、例えば移動通信システム110において、各セルが
6セクタに分割されており、基地局1から移動局60に
対して見える角度は、最大60度以内の範囲になり、こ
の角度は40度にする等、実験値を用いて適宜な値が用
いられている。従って、基地局1は、フェージングの影
響を少なくできる。
【0115】また、補正値算出部24は、ビームを形成
した後にキャリブレーションをするようにもなってい
る。なお、以下の説明において、補正値算出部24は、
特に断らない限り、同一タイミングでデータを送信して
いる。次に、キャリブレーションロジック信号のオン・
オフについて、図9(a)〜(e)を用いて説明する。
【0116】図9(a)〜(e)はそれぞれ本発明の第
1実施形態に係るキャリブレーションロジック信号を説
明するためのタイムチャートである。この図9(a)に
示すタイムチャートは上りアンテナウェイト算出部25
のロジックであり、図9(b)に示すものは下りアンテ
ナウェイト算出部26のロジックであり、図9(c)に
示すものは以下に説明するトリガパルスのロジックであ
り、また、図9(d)に示すものはキャリブレーション
ロジック信号であり、図9(e)に示すものは補正値算
出部24のロジックである。
【0117】これらの図9(a)〜(e)に示すロジッ
クは、ハイ又は”1”がオンを表し、また、ロー又は”
0”がオフを表す。なお、これらのロジックは、その逆
にしたり、ハイ又はローとは異なる複数のビットを用い
たロジックを使用することもできる。また、キャリブレ
ーションロジック信号は、補正値を更新する期間はオン
にし、それ以外の期間は常にオフにされている。
【0118】まず、図9(a)に示す電源投入時(パス
の出現等)t1から初期引き込みの終了時(時刻t2)
までは、図9(d)に示すキャリブレーションロジック
信号は常時オフである。そして、管理部39がキャリブ
レーションロジック信号を変更するタイミングは、上り
アンテナウェイトの変動量に基づいて決定される。具体
的には、基地局1は上りアンテナウェイトの変動の状況
を常時監視しており、その変動量が予め設定された閾値
よりも大きくなったときに、キャリブレーションロジッ
ク信号を変化させるのである。また、このタイミング
は、タイマーにより一定時間ごとに変化させるようにも
できる。
【0119】すなわち、上りアンテナウェイト算出部2
5が移動局60に対してビームを形成した後に、アンテ
ナウェイト値が以下に示す(2−6)又は(2−7)の
条件が満足されたとき(時刻t3)に、図9(d)に示
すトリガパルスがオンにされるようになっている。これ
らの条件の一例を次の(2−5)〜(2−7)に示す。
【0120】(2−5)図9(d)に示す時刻t2に
て、上りアンテナウェイト算出部25が移動局60に対
してビームを形成した後に、1回キャリブレーションを
し(オン(1)と付されたところ)、その後、(2−
6)〜(2−7)の条件に従って、キャリブレーション
を動作させる。 (2−6)上りアンテナウェイト算出部25が出力した
上りアンテナウェイトの値(平均値)が平均ウェイトに
あるオフセットを加算した閾値を超えた場合に、キャリ
ブレーションをする。すなわち、補正値算出部24が、
上りアンテナウェイトの値の平均値に基づいて、キャリ
ブレーションを開始するようになっている。この場合、
図9(c)に示すトリガパルスのロジックはオンにされ
るのである。従って、動作が安定する。
【0121】(2−7)上りアンテナウェイト値が、所
定の閾値を超える頻度を計算して、その超える頻度が一
定値を超えた場合に、キャリブレーションを実行する。
すなわち、補正値算出部24が、アンテナウェイトの値
が第2の閾値を超える頻度に基づいて、キャリブレーシ
ョンを開始するようになっている。また、この場合も、
図9(c)に示すトリガパルスのロジックがオンにされ
る。これにより、やはり、動作が安定する。また、これ
により、通信品質が向上する。
【0122】次に、下りビーム方向の値θから補正値Δ
θだけシフトした値について、図10を用いて説明す
る。図10は本発明の第1実施形態に係る下りビームを
形成する方法を説明するための図である。この図10に
示す基地局1から移動局60に向けて、3種類の下りビ
ームA,BおよびCが形成されている。これらの下りビ
ームA,BおよびCのビーム方向は、それぞれ、θ+Δ
θ,θ,θ−Δθである。
【0123】このように、基地局1は、移動局60の通
信品質が最大となるように下りビームを修正でき、ま
た、移動局60は、この修正された下りビームにより、
さらに通信品質の高い上りビームを形成することができ
る。上述のごとく構成された本発明の第1実施形態の移
動通信システム110における動作について詳述する。
【0124】図20は本発明の第1実施形態に係る下り
ビーム形成キャリブレーションを説明するためのフロー
チャートである。まず、移動局60からの電波は、基地
局1のアンテナX0〜X3にて受信され、音声信号等に
復調される。また、アンテナX0〜X3からの受信信号
は、上りアンテナウェイト算出部25にて、その振幅と
位相とが独立にされ、アンテナ指向性が、予めシミュレ
ーション等により得られた計算式を用いて最適な到来角
が得られる。
【0125】そして、基地局1が信号を受信すると、本
発明の下りビーム形成キャリブレーション方法が実行さ
れる。最初に、基地局1が、上りチャネルから算出した
上りアンテナウェイトに基づき、下りアンテナウェイト
を算出し(ステップA1)、下りアンテナウェイトを算
出して下りビームを形成し(ステップA2)、下りビー
ム形成をステップサイズΔθ(i)ずらした補正値を下
りチャネルに複素乗算し(ステップA3)、さらに、基
地局1は、移動局60が報告する通信品質の最大となる
補正値を算出し(ステップA4)、その補正値を下りチ
ャネルに複素乗算して下りビーム形成を修正する(ステ
ップA5)。
【0126】次に、本発明の下りビーム形成キャリブレ
ーション方法は、基地局1が、上りチャネルから算出し
たビーム方向からビームをステップサイズΔθ(i)ず
らすことにより、ビーム形成する。具体的には、基地局
1は、上りチャネルから下りチャネル用のアンテナウェ
イトを算出し、下りビームBを形成する。図21は本発
明の第1実施形態に係るステップサイズΔθ(i)を用
いたキャリブレーションを説明するためのフローチャー
トである。
【0127】まず、基地局1は、キャリブレーション最
大角度振り幅の範囲内において、ステップサイズΔθの
ステップ幅でビームを振って通信品質を取得する(ステ
ップB1)。このとき、基地局1は、移動局60から報
告される通信品質が最大となる下りビーム方向を算出し
(ステップB2)、下りビームBがステップサイズΔθ
だけずらされて通信品質が算出され、ビームAが決定す
る。
【0128】そして、ステップB3において、基地局1
は、この方向θ+Δθに対して送信信号を出力する。ま
た、移動局60は、基地局1から送信される信号の通信
品質を測定し、この通信品質が最大になるように、上り
ビームを再度、形成する(ステップB4)。これによ
り、移動通信システム110において、干渉が多く品質
が劣化した場合においても、精度の高い下りビームが形
成される。
【0129】キャリブレーションロジック信号がオンに
なると、制御部24a(図7参照)は、ステップサイズ
Δθ(i)=0のときの通信品質をメモリ部24bに記
憶する。その後、制御部24aは、キャリブレーション
最大角度振り幅の範囲を設定されているステップサイズ
Δθ(i)で、アンテナウェイト(ΔW_I(0)+j
・ΔW_Q(0),ΔW_I(1)+j・ΔW_Q
(1),ΔW_I(2)+j・ΔW_Q(2),ΔW_
I(3)+j・ΔW_Q(3))を変更していく。
【0130】次に、キャリブレーションウェイトの更新
周期で通信品質とそのときのステップサイズΔθ(i)
の値をメモリ部24bに記憶する。キャリブレーション
オフになるとメモリ部24bに記憶されているステップ
サイズΔθ(i)と通信品質とに基づいて、通信品質が
最大となるステップサイズΔθ(i)(sirmax)
が検出されて出力される。また、セレクタ24d〜24
gは、それぞれ、キャリブレーションオンのときは制御
部24aからのステップサイズΔθ(i)を選択し、さ
らに、キャリブレーションオフのときは比較部24cか
ら出力されるステップサイズΔθ(i)(sirma
x)を選択する。
【0131】また、図11(a)〜(f)はそれぞれ本
発明の第1実施形態に係るキャリブレーション中のシー
ケンスを説明するための図である。ここで、図11
(a)〜(e)は図9(a)〜(e)と同様なものであ
り、図11(f)は図11(e)の1区間を拡大したも
のである。そして、キャリブレーション最大角度振り幅
/ステップサイズΔθ(i)=kとした場合、i=0の
ときの補正値がROM24h〜24k(図7参照)か
ら、アンテナごとに出力され、下りビームがΔθ(0)
だけずらされる。
【0132】このとき、基地局1のメモリ部24bは、
移動局60から報告される通信品質を記憶する。具体的
には、メモリ部24bには、i=0からi=kまで、下
りビームをずらし、各iにおける通信品質が記憶され
る。その後、kが0から3までにおける下りビームΔθ
(k)の通信品質が比較され、そのうち、一番通信品質
のよいΔθ(sirmax)が検出される。
【0133】また、図11(d)に示すキャリブレーシ
ョンロジック信号がオフになると、補正値算出部24
は、Δθ(sirmax)の補正値をROM24h〜2
4kからDBF部29に出力する。一方、キャリブレー
ションが開始されると、補正値算出部24は、補正値W
を出力する前に、そのときの移動局60が報告する通信
品質(SIR,着信電力又は誤り率等)を記憶する。そ
の後、この補正値Wは、DBF部29に出力される。
【0134】そして、DBF部29は、送信信号(I+
j・Q)に、アンテナウェイトW_I(k)+j・W_
Q(k)と、補正値ΔW_I(k)+j・ΔW_Q
(k)とを複素乗算する。これは、次の(2−5)式に
示す。 送信信号=(I+j・Q)*W_I(k)+j・W_Q(k)*ΔW_I(i) +j・ΔW_Q(i)…(2−5) ここで、kはアンテナ数,iはキャリブレーション中に
出力する補正値の数をそれぞれ表す。また、i=INT
(キャリブレーション最大角度振り幅)/(ステップサ
イズΔθ(i))である。
【0135】これにより、各アンテナから送信される信
号は、それぞれ、位相回転され、ビームが形成される。
また、補正値算出部24は、ステップサイズΔθ(i)
がΔW_I(k)(i)+j・ΔW_Q(k)(i)の
ときに、移動局60が報告する通信品質を記憶し、予め
シミュレーションにより決定しるステップの大きさと対
応づける。
【0136】このように、基地局1は、移動局60の通
信品質が最大となるように下りビームを修正でき、さら
に通信品質の高い上りビームを形成することができる。
そして、このように、移動通信システム110は、新た
な設備を投入しないで、通信品質の高い通信が可能とな
る。 (A1)本発明の第1実施形態の第1変形例の説明 第1実施形態における補正値算出部24は、別態様でも
可能である。
【0137】図12は本発明の第1実施形態の第1変形
例に係る補正値算出部のブロック図である。この図12
に示す補正値算出部40が補正値算出部24と異なる点
は、比較部24cにおける比較方法である。すなわち、
図12に示す比較部24cは、2種類の時刻における通
信品質を比較するものである。具体的には、比較部24
cは、4本のアンテナウェイトにおける現時刻における
通信品質と、1サンプリング時刻前における通信品質と
を比較し、4系統の通信品質に基づいて4系統の通信品
質値を出力するようになっている。この1サンプリング
時刻前における通信品質値は、その通信品質値に対応す
るステップサイズΔθ(i)とともにメモリ部24bに
記憶されるようになっている。このメモリ部(図7参
照)の機能は例えばレジスタにより実現される。レジス
タが用いられる理由は、常に比較して大きい方を記憶す
るので、レジスタの方が実装しやすいからである。
【0138】なお、本変形例の移動通信システムも、移
動通信システム110(図1参照)と同一の構成であ
る。さらに図7と同一の符号を有するものは同一のもの
又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略
する。このような構成によって、比較部24cにおい
て、現時刻のアンテナウェイトにおける通信品質と、1
サンプリング時刻前のアンテナウェイトにおける通信品
質とが比較され、通信品質の大きい方の通信品質値とス
テップサイズΔθ(i)とがそれぞれメモリ24bに記
憶され、通信品質が最大となる補正値が検出される。そ
して、キャリブレーションが終了すると通信品質が最大
となるΔθ(sirmax)が出力される。次に、補正
値算出部40は、ビーム方向がΔθ(i+1)の方向に
ずれる補正値(ΔW_I(k)+j・ΔW_Q(k))
をDBF部29に出力する。
【0139】このように、iを変化させることにより、
通信品質が最大となるステップサイズΔθ(i)が検出
される。そして、キャリブレーションが終了すると、検
出した通信品質が最大となる補正値ΔW_I(k)(s
irmax)+j・ΔW_Q(k)(sirmax)を
DBF部29に出力する。この結果、各アンテナから送
信される信号は、次の(3−1)式に示すようになる。
【0140】 送信信号=(I+j・Q)*・W_I(k)+j・W_Q(k)*・[ΔW_I (i)(sirmax)+j・ΔW_Q(i)(sirmax)]…(3−1) これにより、通信品質が最大となるビームが形成され
る。このように、基地局1は、移動局60の通信品質が
最大となるように下りビームを修正でき、また、移動局
60は、この修正された下りビームにより、さらに通信
品質の高い上りビームを形成することができる。
【0141】(A2)本発明の第1実施形態の第2変形
例の説明 補正値算出部24,40を変形した場合について、図1
3を用いて説明する。なお、本変形例の移動通信システ
ムは、上記移動通信システム110と同一であり、ま
た、本変形例の基地局は上記基地局1と以下に示す補正
値算出部40a以外の部材については、同一のものを使
用しているので、それらについての詳細は省略する。
【0142】図13は本発明の第1実施形態の第2変形
例に係る補正値算出部40aのブロック図である。この
図13に示す補正値算出部40aは、ROM24h〜2
4kのそれぞれと並列に固定値出力部33が設けられて
おり、ROM24h〜24kの出力側に、セレクタ(第
2選択部)34a,34bが設けられている。ここで、
固定値出力部(一定値保持部)33は、一定値を保持す
るものである。この一定値とは、W_I(0)〜W_I
(3)がすべて1であり、W_Q(0)〜W_Q(3)
がすべて0であるデータである。すなわち、情報データ
exp(j・wdl(k))に、実数分1のみが乗算さ
れ、位相分は補正されないまま、出力されるのである。
また、この固定値出力部33の機能は例えばRAMによ
り実現される。
【0143】そして、セレクタ34a,34bは、それ
ぞれ、固定値出力部33からの出力とROM24h〜2
4kからの出力とを選択してこれらの出力のうちの一方
を出力するものである。また、セレクタ34a,34b
は、例えば制御部24aによって、その選択を切り替え
られるようになっている。これらのセレクタ34a,3
4bが協働して選択手段として機能し、移動局60にお
ける補正された下りビームの信号の受信状態および補正
前の下りビームの信号の受信状態に応じて、下りビーム
を補正前の状態とするか補正後の状態とするかを選択す
るようになっている。
【0144】また、セレクタ34bの入力側には、ロジ
ックを反転するインバータ36が設けられている。従っ
て、ROM24h〜24kからの出力と固定値出力部3
3からの出力とのそれぞれについて、出力したロジック
と、そのロジックを反転したロジックとが、制御部24
aの制御によって、選択されて出力されるのである。従
って、本発明のアレーアンテナシステムを有する基地局
1は、移動局60からの受信信号のビームを形成した上
りアンテナウェイトを基に、下りアンテナウェイトを算
出して移動局60への送信信号の下りビームを形成する
アレーアンテナシステムを有し、下りビームを補正する
補正手段と、移動局60における補正された下りビーム
の信号の受信状態および補正前の下りビームの信号の受
信状態に応じて、下りビームを補正前の状態とするか補
正後の状態とするかを選択する選択手段とをそなえて構
成されたことになる。
【0145】このような構成によって、基地局1は、キ
ャリブレーションをしていない間は、第1実施形態にて
説明したものと同様にデータ送信する。一方、キャリブ
レーション中は、基地局1は、固定値出力として補正値
(ΔW_I(k)(sirmax)+j・ΔW_Q
(k)(sirmax))を出力し続ける。また、メイ
ン拡散部28は、キャリブレーションをするときのみ、
オンを出力する。
【0146】このように、キャリブレーション中の通話
チャネルのビームが変更されないので、第1実施形態に
て得られる通信品質と比較して、通話チャネルの品質劣
化が少なくなる。 (B)本発明の第2実施形態の説明 第2実施形態における変調部は第1実施形態における変
調部13と異なっている。また、第2実施形態における
移動通信システムも、第1実施形態における移動通信シ
ステム110と同様である。
【0147】図14は本発明の第2実施形態に係る基地
局1aのブロック図である。この図14に示す基地局1
aは、移動局60に対して、交換局105からの多重化
された音声信号を無線信号に変換し、その無線信号を移
動局60に対して送信するとともに、移動局60から送
信された無線信号を音声信号にしその音声信号を多重化
して交換局105に送信するものである。
【0148】ここで、基地局1aから移動局60に対し
て、以下に示すメイン拡散部28,サブ拡散部28aか
ら、2種類のデータを送信するようになっている。すな
わち、情報データは通話チャネルにより送信され、そし
て、これらのメイン拡散部28,サブ拡散部28aは、
それぞれ、別の拡散コードにより拡散されるようになっ
ている。
【0149】また、基地局1aは、報知チャネルを用い
て、2種類のデータを送信していることと、それらのデ
ータに使用している拡散コードとについて、情報を報知
するようにもなっている。従って、通信に適合した基地
局情報,チャネル情報等を報知できる。一方、移動局6
0は、これらに割り当てられた拡散コードを、予め報知
チャネルから得るようにしている。
【0150】これにより、基地局1aは、既存の回路を
変更しないで、異なるデータ送信形式をサポートでき
る。従って、送受信回路の規模を小さくできる。この基
地局1aの変調部13aは、音声符号化部12から入力
された圧縮信号を自ら発生させた拡散コードにより拡散
させ、拡散信号を出力するものであって、送信信号生成
部27と、メイン拡散部28,サブ拡散部28aと、D
BF部29と、DBF部(Cと付されたもの。指向性形
成部)31とをそなえて構成されている。そして、上り
チャネルと下りチャネルとの搬送波周波数が異なる基地
局1aの変復調部として機能している。
【0151】このサブ拡散部28aは、送信信号生成部
27から出力された情報データ(変調データ)に、拡散
コードを乗算して出力するものである。そして、サブ拡
散部28aにて拡散されるデータは、サブ通話チャネル
として使用されるようになっている。一方、メイン拡散
部28にて拡散されるデータは、メイン通話チャネルと
して使用されるのである。
【0152】さらに、DBF部31は、情報データに、
下りアンテナウェイト算出部26から出力された下りア
ンテナウェイトと補正値算出部24から出力された補正
値とを乗算して補正下り送信信号を出力するものであ
る。ここで、サブ拡散部28aと、DBF部31とは、
それぞれ、例えばLSI等により、実現される。なお、
この図14に示すもので、図7と同一の符号を有するも
のは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、重
複した説明を省略する。
【0153】そして、音声符号化部12から出力された
音声データ等の通話データは、拡散コードを乗算して出
力された拡散信号として出力される。また、これらのメ
イン拡散部28とサブ拡散部28aにてそれぞれ拡散さ
れた拡散信号は、DBF部29とDBF部31とに入力
されるようになっている。従って、変調部13aが、情
報データに割り当てられた拡散コード(第1拡散コー
ド)を用いて拡散した下りメイン通話チャネルと、同じ
情報データにその割り当てられた拡散コードと直交する
他の拡散コード(第2拡散コード)を用いて拡散した下
りサブ通話チャネルとを送信するように構成されたこと
になる。これにより、既存の回路を流用し又は小さな回
路修正により、通信品質を向上できる。
【0154】さらに、変調部13aの出力側には、多重
部(送信合成部)32a〜32dがそれぞれ設けられて
いる。これらの多重部32a〜32dは、それぞれ、D
BF部29,DBF部31から出力された2系統の補正
下り送信信号を加算して出力するものである。これらの
機能はLSI等により実現される。例えば多重部32a
は、第1拡散コードで拡散された信号と、第2拡散コー
ドで拡散された信号とを加算し、この加算信号をアンテ
ナX0に入力するようになっている。多重部32b〜3
2dについても多重部32aと同様である。
【0155】なお、この加算結果が例えばロジック”
1”となったときに、DBF部29およびDBF部31
のロジックがそれぞれ”1”および”0”である場合
と、各ロジックがそれぞれ”0”および”1”である場
合とがあり、これらのいずれの場合においても、基地局
1aは、加算結果を送信する。そして、移動局60は、
予め割り当てられた相互に直交する拡散コードを用い
て、受信データを逆拡散し多重されたデータを抽出でき
るようになっている。
【0156】図15(a)〜(i)はそれぞれ本発明の
第2実施形態に係るキャリブレーションロジック信号を
説明するためのタイムチャートである。この図15
(a)に示すタイムチャートは上りアンテナウェイト算
出部25のロジックであり、図15(b)に示すものは
下りアンテナウェイト算出部26のロジックであり、図
15(c)に示すものは以下に説明するトリガパルスの
ロジックであり、また、図15(d)に示すものはキャ
リブレーションロジック信号であり、図15(e)に示
すものは補正値算出部24のロジックである。
【0157】まず、図15(a)に示す電源投入時(パ
スの出現等)t1から初期引き込みの終了時(時刻t
2)までの間は、図15(d)に示すキャリブレーショ
ンロジック信号は常時オフである。また、ON(1),
ON(2)と付された期間は、補正値を更新する期間で
ある。そして、上りアンテナウェイト算出部25が移動
局60に対してビームを形成した後に、アンテナウェイ
ト値が上記の(2−6)又は(2−7)の条件が満足さ
れたときに(時刻t3)、図15(d)に示すトリガパ
ルスがオンにされるようになっている。これらの条件
は、上記の(2−5)〜(2−7)と同様である。
【0158】さらに、時刻t4において、キャリブレー
ション中に、補正値算出部24の値は、ΔW(sirm
ax)(2)の値がロードされるのである。また、図1
5(f)に示すデータは、下りアンテナウェイト算出部
26からDBF部29に対して入力されるアンテナウェ
イト補正値の値であり、また、図15(h)に示すデー
タは、やはり、下りアンテナウェイト算出部26からD
BF部31に対して入力される補正値の値である。
【0159】図15(g),図15(i)に示すデータ
は図15(f),(i)にそれぞれ示すデータの一部を
拡大したものである。ここで、DBF部29は、アンテ
ナX0〜X3のうちの偶数番目のものについての補正値
を処理し、また、DBF部31は、奇数番目のものにつ
いての補正値を処理するようになっている。これによ
り、ビームを迅速に形成することができる。
【0160】なお、基地局1aは、受信信号について、
各パケットごとに、誤り率等を保持するようにしてお
り、これらの値を監視することによって、きめ細かい制
御が可能となる。このような構成によって、まず、基地
局1aは、キャリブレーション中にキャリブレーション
ロジック信号として、4種類の拡散コードを用いて拡散
した通話チャネルを用いて通話チャネルと同時に送信し
て移動局60の通信品質が最大となる下りビーム方向
(補正値ΔW_I(k)(sirmax)+j・ΔW_
Q(k)(sirmax)を算出する。次に、キャリブ
レーション終了後に、通信品質が最大となる補正値(Δ
W_I(k)(sirmax)+j・ΔW_Q(k)
(sirmax)を通話チャネルに複素乗算して、形成
したビームを修正する。
【0161】そして、下りキャリブレーションロジック
信号に通話チャネル信号を用いて移動局60に対してデ
ータが送信される。メインの通話チャネルは、メイン拡
散部28にて拡散されてDBF部29に入力される。ま
た、キャリブレーションが終了するまでは、下りアンテ
ナウェイト算出部26が算出した値(W_I(k)+j
・W_Q(k))のみが複素乗算される。
【0162】図22は本発明の第2実施形態に係る下り
ビーム形成キャリブレーションを説明するためのフロー
チャートである。本発明の下りビーム形成キャリブレー
ション方法は、キャリブレーション用の拡散コードを変
更して同時に複数回送信するものである。キャリブレー
ションが終了すると(ステップC1)、通信品質が最大
となる補正値(ΔW_I(k)(sirmax)+j・
ΔW_Q(k)(sirmax))が複素乗算され、ビ
ーム形成が修正される(ステップC2)。また、キャリ
ブレーションロジック信号は、通話チャネルと同一の信
号を用いて、メイン拡散部28にて、下りメイン通話チ
ャネルと直交する拡散コードにより拡散され(ステップ
C3)、DBF部31に入力される。
【0163】キャリブレーション中は、補正値算出部2
4から出力される補正値(ΔW_I(k)(i)+j・
ΔW_Q(k)(i))が複素乗算され(ステップC
4)、下りメイン通話チャネルに加算されて送信される
(ステップC5)。移動局60は、フィンガを割り当て
られ、時間多重処理により、拡散コードの異なる信号を
復調し、通信品質を測定する。そして、得られた通信品
質は、上りチャネルのスロットに組み込んで基地局1a
に報告する。その後、キャリブレーションが終了する
と、キャリブレーション用回路が停止する。
【0164】なお、拡散コードを割り当てられるフィン
ガは、多数あり、また、それらの到着間隔もそれぞれ異
なる。このため、基地局1aは、例えばRAM等に、そ
の到着間隔等のデータを予め測定等して、記録する。ま
た、基地局1aは、メインチャネルによる通信中に、キ
ャリブレーションする必要が生じた場合に、報知チャネ
ルで、2種類のチャネルを用いる情報を報知する。そし
て、サブチャネルのための情報を報知する。また、2種
類のチャネルを用いた送信が終了した場合には、再度、
1種類のチャネルのみに移行する。
【0165】これにより、通信を切断しないで、効率的
なデータ送受信が可能となる。なお、補正値算出部24
のROM24h〜24kと並列に固定値保持部33を設
け、さらに、セレクタ34a,34bをこれらのROM
および固定値出力部33の出力側に設け、ROM出力お
よび固定値出力部33の出力を選択的に出力するように
も構成できる。この場合、メイン拡散部28は、キャリ
ブレーション時のみにオンを出力するようにしておく。
【0166】このように、下りキャリブレーションロジ
ック信号として、通話チャネル信号を用いており、既存
の仕様を変更しないで通信品質を向上させることができ
る。また、このようにして、第1実施形態にて得られた
ことと同様に、基地局1aは、移動局60の通信品質が
最大となるように下りビームを修正でき、また、移動局
60は、この修正された下りビームにより、さらに通信
品質の高い上りビームを形成することができる。
【0167】(B1)本発明の第2実施形態の第1変形
例の説明 図14に示す基地局1aの変調部13aを変形したもの
を、図16に示す。図16は本発明の第2実施形態の第
1変形例に係る基地局1bのブロック図である。また、
本変形例における移動通信システムも移動通信システム
110と同一であり、図16に示すもので、上述したも
のと同一の符号を有するものは同一のものを表す。
【0168】図16に示す基地局1bも、移動局60に
対して、交換局105からの多重化された音声信号を無
線信号に変換し、その無線信号を移動局60に対して送
信するとともに、移動局60から送信された無線信号を
音声信号にしその音声信号を多重化して交換局105に
送信するものである。また、図16に示す変調部13b
は、音声符号化部12から入力された圧縮信号を自ら発
生させた拡散コードにより拡散させ、拡散信号を出力す
るものであって、送信信号生成部27と、メイン拡散部
28,DBF部29のほかに、サブ拡散部(S1と付さ
れたもの。)28b,DBF(S1:[サブ1])35
aと、サブ拡散部(S2:[サブ2])28c,DBF
部35bとをそなえて構成されている。
【0169】ここで、サブ拡散部28cとDBF部35
bとは、それぞれ、サブ拡散部(S1)28bとDBF
部35aと、同一の機能を有するものである。そして、
DBF部29,DBF部35aおよびDBF部35bの
それぞれは、メイン拡散部28,サブ拡散部28bおよ
び28cからの出力に基づいて、算出し、その算出して
得られた値を、多重部32a〜32dのそれぞれに対し
て送信するようになっている。すなわち、変調部13b
が、第2拡散コードとして、2種類の相互に直交する拡
散コードを用いて情報データに乗算したものを送信する
ようになっている。
【0170】そして、補正値算出部24にて、通信品質
が最大となる補正値が算出されるのである。この変調部
13bが図14に示す変調部13aと相違する点は、下
りキャリブレーションロジック信号が、それぞれ、3種
類の相互に直交する拡散コードにより拡散されてデータ
(通話チャネル)が送信される点である。なお、キャリ
ブレーションが終了するとキャリブレーション用の回路
は停止する。
【0171】これら3種類の拡散信号が送信されるの
で、キャリブレーションの時間が短縮できる。また、図
17は本発明の第2実施形態の第1変形例に係る補正値
算出部40bのブロック図である。この図17に示す補
正値算出部40bは、ROM24h〜ROM24kの出
力側に、共役複素数演算部38が設けられている。この
共役複素数演算部38は、入力された複素数の複素共役
の複素数を出力するものである。具体的には、共役複素
数演算部38は、入力された複素数が、a+b・jで表
されているとした場合、a−b・jを出力するのであ
る。ここで、a,b(bは0でない実数)は、それぞ
れ、実数成分である。
【0172】これにより、ROM24h〜ROM24k
のそれぞれから出力された信号(ΔW_Idl(0)
(k)+j・ΔW_Qdl(0)(k))は、それぞれ、
(ΔW_Idl(0)(k)−j・ΔW_Qdl(0)
(k))として出力される。加えて、これらのROMか
ら出力された信号は、セレクタ34a,34bおよび3
4cにも入力されるようになっている。また、共役複素
演算部38から出力された信号は、セレクタ34a,3
4bおよび34cのそれぞれに、入力されるのである。
【0173】さらに、図17に示すセレクタ34aは、
ROM24hから出力された信号と、共役複素演算部3
8から出力された信号とを、選択的に出力するものであ
り、この機能は例えばLSI等により実現される。この
ような構成によって、本発明の下りビーム形成キャリブ
レーション方法は、キャリブレーションロジック信号と
して通話チャネルを用いられる。
【0174】図23は本発明の第2実施形態の第1変形
例に係る下りキャリブレーションロジック信号を説明す
るためのフローチャートである。本発明の下りビーム形
成キャリブレーション方法は、キャリブレーション用の
下り信号の拡散コードを変更するようにしている。すな
わち、キャリブレーション中において(ステップD
1)、基地局1は、キャリブレーションロジック信号と
して、通話チャネルの拡散コードを変更した信号を選択
して(ステップD2)、通話チャネルと同時に送信し
(ステップD3)、移動局60の通信品質が最大となる
下りビーム方向(補正値)を算出する(ステップD
4)。そして、キャリブレーション終了後に通信品質が
最大となる補正値ΔW_I(k)(sirmax)+j
・ΔW_Q(k)(sirmax)を通話チャネルに複
素乗算して、ビーム形成を修正する(ステップD5)。
【0175】図24は本発明の第2実施形態の第1変形
例に係る下りキャリブレーションロジック信号を説明す
るためのフローチャートである。下りビームを形成すべ
く、本発明のキャリブレーションは、キャリブレーショ
ンが開始され(ステップE1)、キャリブレーション中
にキャリブレーションロジック信号を通話チャネルと同
時に送信して(ステップE2)、移動局60の通信品質
が最大となる下りビーム方向(補正値)を算出する(ス
テップE3)。そして、キャリブレーション終了後に
(ステップE4)、通信品質が最大となる補正値(ΔW
_I(k)(sirmax)+j・ΔW_Q(k)(s
irmax))を通話チャネルに複素乗算して、ビーム
形成を修正する(ステップE5)。
【0176】また、図25は本発明の第2実施形態の第
1変形例に係る通話チャネルを用いた下りキャリブレー
ションロジック信号を説明するためのフローチャートで
ある。まず、キャリブレーション中にキャリブレーショ
ンロジック信号として、4種類の拡散コードを用いて拡
散し(ステップF1)、その拡散した通話チャネルを用
いて、通話チャネルと同時に送信し(ステップF2)、
移動局60の通信品質が最大となる下りビーム方向(補
正値)を算出する(ステップF3)。そして、キャリブ
レーション終了後(ステップF4)、通信品質が最大と
なる補正値(ΔW_I(k)(sirmax)+j・Δ
W_Q(k)(sirmax))を算出し(ステップF
5)、そして、キャリブレーション終了後に通信品質が
最大となる補正値(ΔW_I(k)(sirmax)+
j・ΔW_Q(k)(sirmax))を通話チャネル
に複素乗算して、ビーム形成を修正する(ステップF
6)。
【0177】キャリブレーション以外の時間には、正常
な動作をする。送信信号生成部7から出力された信号
は、メイン拡散部28,サブ拡散部28bおよびサブ拡
散部28cのそれぞれに入力される。そして、基地局1
bから移動局60に対して、1種類の通話チャネルと2
種類のモニタチャネルとして、データを送信する。ま
た、これらの3種類のチャネルは、それぞれ、直交する
拡散コードにより拡散される。
【0178】一方、キャリブレーションが開始した後
は、キャリブレーション時のみ、サブ拡散部28b,2
8cはいずれもオンとなる。補正値算出部40bは、各
Δθ(k)だけずらしたときの通信品質をメモリに記憶
した後、Δθ(k+1)のアンテナウェイトをDBF部
35a,35bに出力する。ここで、多重部32aは、
DBF部29,DBF部35a,DBF部35bのそれ
ぞれから出力された信号を加算し、この加算信号をアン
テナX0に入力し、また、多重部32b〜32dも加算
信号をそれぞれアンテナX1〜X3に入力する。
【0179】一方、移動局60は、これらに割り当てら
れた拡散コードを、予め報知チャネルから得る。ここ
で、基地局1bは、報知チャネルを用いて、3種類のデ
ータとそれらのデータに使用している拡散コードとにつ
いて情報を報知し、これにより、通信に適合した基地局
情報,チャネル情報等を報知できる。これにより、基地
局1bは、既存の回路を変更しないで、異なるデータ送
信形式をサポートできる。従って、送受信回路の規模を
小さくできる。
【0180】このように、下りキャリブレーションロジ
ック信号として、通話チャネル信号を用いることができ
る。また、このように、基地局1bは、移動局60の通
信品質が最大となるように下りビームを修正でき、ま
た、移動局60は、この修正された下りビームにより、
さらに通信品質の高い上りビームを形成することができ
る。
【0181】(B2)本発明の第2実施形態の第2変形
例の説明 図18は本発明の第2実施形態の第2変形例に係る基地
局のブロック図である。この図18に示す基地局1c
が、基地局1bと相違する点は、下りキャリブレーショ
ン用に専用チャネルを使用している点である。なお、本
変形例における移動通信システムも、移動通信システム
110と同一である。
【0182】変調部13cは、情報データに第1拡散コ
ードを用いて拡散した通話チャネルと、情報データと異
なるモニタデータに第1拡散コードと直交する第3拡散
コードを用いて拡散したキャリブレーションチャネルと
を送信するものであって、送信信号生成部27と、メイ
ン拡散部28,DBF部29と、キャリブレーション用
送信信号生成部37と、サブ拡散部28a,DBF部3
1とをそなえて構成されている。
【0183】これらのもので、上述したものと同一の符
号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するも
のなので、重複した説明を省略する。そして、変調部1
3cは、音声符号化部12から入力された圧縮信号を第
1拡散コードにより拡散させて第1の拡散信号を出力す
るとともに、キャリブレーション用のデータ(モニタデ
ータ)を自ら発生させて第1拡散コードと直交する第3
拡散コードにより拡散させてキャリブレーション用の拡
散信号(キャリブレーションチャネル)を出力するので
ある。すなわち、キャリブレーション用のデータが、情
報データとは別の専用チャネルを用いて送信されるので
ある。
【0184】また、キャリブレーション用の送信信号
が、送信専用のものを用いているため、所望の移動局6
0に送信した信号のほかに、その移動局60と異なる他
の移動局に対するキャリブレーション用信号として使用
することもできる。そして、このような構成によって、
基地局1cは、第1実施形態の場合と同一の動作をす
る。すなわち、基地局1cは、キャリブレーションをし
ていない間は、第1実施形態にて説明したものと同様に
データ送信する。
【0185】一方、キャリブレーション中は、基地局1
cは、基地局1aと異なり、キャリブレーション用の送
信信号を用いて送信する。このように、下りキャリブレ
ーションロジック信号として、キャリブレーション用の
送信信号を用いても、第1実施形態にて得られたことと
同様の効果を得られる。すなわち、基地局1cは、移動
局60の通信品質が最大となるように下りビームを修正
でき、また、移動局60は、この修正された下りビーム
により、さらに通信品質の高い上りビームを形成するこ
とができる。
【0186】(B3)本発明の第2実施形態の第3変形
例の説明 図19は本発明の第2実施形態の第3変形例に係る基地
局のブロック図である。この図19に示す基地局1d
は、変調部13dを有する。この変調部13dは、第3
拡散コードとして、2種類の相互に直交する拡散コード
を用いて情報データに乗算したものを送信するものであ
って、送信信号生成部27と、メイン拡散部28と、D
BF部29と、キャリブレーション用送信信号生成部3
7と、サブ拡散部28bと、DBF部35aと、サブ拡
散部28cと、DBF部35bとをそなえて構成されて
いる。
【0187】この図19に示すもので、上述したものと
同一の符号を有するものは同一のものを表す。また、本
変形例における移動通信システムも、移動通信システム
110と同一である。図19に示す変調部13dが、変
調部13a(図14参照)と異なる点は、下りサブ通話
チャネルとして設けられたDBF部31の代わりに、2
系統のDBFが設けられている点である。そして、3種
類の直交する拡散信号が、それぞれ、送信されるように
なっている。また、DBF部29と、DBF部35a
と、DBF部35bとは、いずれも、補正値算出部40
bから通信品質が最大となる補正値が入力されるように
なっている。
【0188】このような構成によって、基地局1dは、
通常時には、基地局1aと同様の動作をする。一方、キ
ャリブレーションをするとき場合、送信信号生成部27
から出力される送信信号は、メイン拡散部28にて、第
1拡散コードを用いて、DBF部29に入力される。ま
た、キャリブレーション用送信信号生成部37から出力
される送信信号は、それぞれ、サブ拡散部28b,28
cとに入力される。そして、サブ拡散部28bにて第2
拡散コードを乗算され、その乗算結果が、DBF部35
aに入力され、また、サブ拡散部28cにて第3拡散コ
ードを乗算されて、その乗算結果は、DBF部35bに
入力される。
【0189】さらに、これらのDBF部29,DBF部
35aおよびDBF部35bからの出力は、それぞれ、
多重部32a〜32dに入力されて加算され、これらの
加算結果が、アンテナX0〜X3に入力される。このよ
うに、送信信号に加えて、下りキャリブレーションロジ
ック信号に2種類の直交する拡散コードにより拡散され
るので、合計3種類の信号が送信される。従って、キャ
リブレーションの時間が短縮できる。
【0190】そして、このように、基地局1dは、移動
局60の通信品質が最大となるように下りビームを修正
でき、また、移動局60は、この修正された下りビーム
により、さらに通信品質の高い上りビームを形成するこ
とができる。 (C)その他 本発明は上述した実施態様および各変形例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々
変形して実施することができる。
【0191】例えば、アンテナの振り角は、平面上にお
けるθのみならず、立体角を用いることもできる。本発
明のアレーアンテナシステムを有する基地局は、基地局
1(1a,1b,1c)に限定されず、他の無線装置に
適用することもできる。すなわち、本発明のアレーアン
テナシステムを有する基地局は、復調信号出力部9は、
基地局(固定局)1から移動局60に対して送信された
無線信号を、例えば4系統の上り無線信号として受信す
るようにしてもよい。これにより、例えば中継機能を有
する無線端末の通信品質が向上する。
【0192】さらに、本発明のアレーアンテナシステム
を有する基地局は、衛星通信の地球局に適用することも
できる。 (D)付記 (付記1) 移動局からの受信信号のビームを形成した
上りアンテナウェイトを基に、下りアンテナウェイトを
算出して移動局への送信信号の下りビームを形成するア
レーアンテナシステムを有する基地局において、複数の
上り無線信号を受信し同一の位相を有する複数の検波信
号に起因する復調信号を出力する復調信号出力部と、該
復調信号と通信の品質に関する通信品質とのそれぞれに
基づいて、該上り無線信号に関する上り重み情報を算出
する上り重み情報算出部と、少なくとも該上り重み情報
算出部が算出した該上り重み情報に基づいて得た下り重
み情報を出力する下り重み情報算出部と、該復調信号出
力部から出力された該復調信号に基づいて、移動局の通
信品質が極大となる補正値を出力する補正値算出部と、
送信すべきデータを出力する送信信号出力部と、該送信
すべきデータに、該下り重み情報算出部から出力された
該下り重み情報と該補正値算出部から出力された該補正
値とを乗算して補正下り送信信号を出力する下りビーム
形成部とをそなえて構成されたことを特徴とする、アレ
ーアンテナシステムを有する基地局。
【0193】(付記2) 移動局からの受信信号のビー
ムを形成した上りアンテナウェイトを基に、下りアンテ
ナウェイトを算出して移動局への送信信号の下りビーム
を形成するアレーアンテナシステムを有する基地局にお
いて、移相量を表す重み情報を含む複数の上り無線信号
を受信し同一の位相を有する複数の検波信号に起因する
復調信号を出力する復調信号出力部と、該復調信号と受
信品質を表す通信品質とのそれぞれに基づいて、該上り
無線信号に関する上り重み情報を算出する上り重み情報
算出部と、該上り重み情報算出部が算出した該上り重み
情報に、少なくとも該上り重み情報算出部が算出した該
上り重み情報に基づいて得た下り重み情報を出力する下
り重み情報算出部と、該復調信号出力部から出力された
該復調信号に基づいて、移動局の通信品質が最大となる
補正値を出力する補正値算出部と、送信すべきデータを
出力する送信信号出力部と、該送信すべきデータに、該
下り重み情報算出部から出力された該下り重み情報と、
該補正値算出部から出力された該補正値とを乗算して補
正下り送信信号を出力する下りビーム形成部とをそなえ
て構成されたことを特徴とする、アレーアンテナシステ
ムを有する基地局。
【0194】(付記3) 移動局からの受信信号のビー
ムを形成した上りアンテナウェイトを基に、下りアンテ
ナウェイトを算出して移動局への送信信号の下りビーム
を形成するアレーアンテナシステムを有する基地局にお
いて、自局と他局とを識別しうる符号を用いて変調され
た複数の上り無線信号を受信し同一の位相を有する複数
の検波信号に起因する復調信号を出力する復調信号出力
部と、該復調信号と通信の品質に関する通信品質とのそ
れぞれに基づいて、該上り無線信号に関する上り重み情
報を算出する上り重み情報算出部と、少なくとも該上り
重み情報算出部が算出した該上り重み情報に基づいて得
た下り重み情報を出力する下り重み情報算出部該復調信
号出力部から出力された該復調信号に基づいて、移動局
の通信品質が極大となる補正値を出力する補正値算出部
と、送信すべきデータを出力する送信信号出力部と、該
送信すべきデータに、該下り重み情報算出部から出力さ
れた該下り重み情報と該補正値算出部から出力された該
補正値とを乗算して補正下り送信信号を出力する下りビ
ーム形成部とをそなえ、該上り重み情報算出部が、該上
り無線信号の到来方向と同一の指向性を有する指向性パ
ターンを推定する推定部と、該移相量の間隔を表すステ
ップサイズを出力するステップサイズ出力部と、該指向
性パターンと、該ステップサイズと、該指向性パターン
を算出する範囲を表す算出範囲情報とに基づいて、通信
品質が極大となる指向性パターンを算出する下り指向性
パターン算出部とをそなえて構成されたことを特徴とす
る、アレーアンテナシステムを有する基地局。
【0195】(付記4) 該下り重み情報算出部が、該
復調信号と上り搬送波および下り搬送波の波長比とを乗
算して得た乗算重み情報を該下り重み情報として出力す
る乗算器をそなえて構成されたことを特徴とする、付記
1又は付記2記載のアレーアンテナシステムを有する基
地局。 (付記5) 移動局からの受信信号のビームを形成した
上りアンテナウェイトを基に、下りアンテナウェイトを
算出して移動局への送信信号の下りビームを形成するア
レーアンテナシステムを有する基地局において、自局と
他局とを識別しうる符号を用いて変調された複数の上り
無線信号を受信し同一の位相を有する複数の検波信号に
起因する復調信号を出力する復調信号出力部と、該復調
信号と通信の品質に関する通信品質とのそれぞれに基づ
いて、該上り無線信号に関する上り重み情報を算出する
上り重み情報算出部と、少なくとも該上り重み情報算出
部が算出した該上り重み情報に基づいて得た下り重み情
報を出力する下り重み情報算出部と、該復調信号出力部
から出力された該復調信号に基づいて、移動局の通信品
質が極大となる補正値を出力する補正値算出部と、送信
すべきデータを出力する送信信号出力部と、該送信すべ
きデータに、該下り重み情報算出部から出力された該下
り重み情報と該補正値算出部から出力された該補正値と
を乗算して補正下り送信信号を出力する下りビーム形成
部とをそなえ、該補正値算出部が、該通信品質と位相角
の間隔を表すステップサイズとを関連付けて保持し、周
期信号に基づいて、該移相量の間隔を表すステップサイ
ズを出力する第1メモリ部と、該ステップサイズと受信
した信号の受信信号ステップサイズとを比較して比較結
果を出力する比較部と、該ステップサイズと下り重み情
報とを関連付けて保持する第2メモリ部と、該第1メモ
リ部と該第2メモリ部との読み書きを制御する制御部と
をそなえて構成されたことを特徴とする、アレーアンテ
ナシステムを有する基地局。
【0196】(付記6) 該復調信号出力部が、該下り
重み情報を更新するタイミングに関するキャリブレーシ
ョンロジック信号を出力する管理部をそなえ、該管理部
が、該補正値算出部に該キャリブレーションロジック信
号を入力するように構成されたことを特徴とする、付記
5記載のアレーアンテナシステムを有する基地局。
【0197】(付記7) 該管理部が、上記の上り無線
信号に含まれる信号であって移動局の通信品質に関する
信号に基づいて、該補正値を算出し、また、該補正値を
送信すべきデータに乗算して得られた信号を送信するよ
うに構成されたことを特徴とする、付記6記載のアレー
アンテナシステムを有する基地局。
【0198】(付記8) 該下りビーム形成部が、情報
データに第1拡散コードを用いて拡散した通話チャネル
と、該情報データと異なるダミーデータに該第1拡散コ
ードと直交する第3拡散コードを用いて拡散したキャリ
ブレーションチャネルとを送信するように構成されたこ
とを特徴とする、付記7記載のアレーアンテナシステム
を有する基地局。
【0199】(付記9) 該下りビーム形成部が、該第
3拡散コードとして、複数の相互に直交する拡散コード
を用いて該情報データに乗算したものを送信するように
構成されたことを特徴とする、付記8記載のアレーアン
テナシステムを有する基地局。 (付記10) 該管理部が、該ステップサイズを可変的
に出力するように構成されたことを特徴とする、付記6
記載のアレーアンテナシステムを有する基地局。
【0200】(付記11) 該管理部が、該キャリブレ
ーションの角度振り幅の範囲を可変的に出力するように
構成されたことを特徴とする、付記5記載のアレーアン
テナシステムを有する基地局。 (付記12) 該管理部が、該キャリブレーションのウ
ェイトを変更する周期を可変的に出力するように構成さ
れたことを特徴とする、付記5記載のアレーアンテナシ
ステムを有する基地局。
【0201】(付記13) 該比較部が、複数の時刻に
おける通信品質を比較するように構成されたことを特徴
とする、付記5記載のアレーアンテナシステムを有する
基地局。 (付記14) 該補正値算出部が、一定値を保持する一
定値保持部と、該一定値保持部からの出力と該第2メモ
リ部からの出力とを選択してこれらの出力のうちの一方
を出力する選択部とをそなえて構成されたことを特徴と
する、付記5記載のアレーアンテナシステムを有する基
地局。
【0202】(付記15) 該補正値算出部が、該通信
品質として、信号/干渉比と、受信電力の大きさと、誤
り率とのうちの少なくとも一つを入力されるように構成
されたことを特徴とする、付記9記載のアレーアンテナ
システムを有する基地局。 (付記16) 移動局からの受信信号のビームを形成し
た上りアンテナウェイトを基に、下りアンテナウェイト
を算出して移動局への送信信号の下りビームを形成する
アレーアンテナシステムを有する基地局において、前記
下りビームを補正する補正手段と、前記移動局における
前記補正された下りビームの信号の受信状態および補正
前の下りビームの信号の受信状態に応じて、下りビーム
を補正前の状態とするか補正後の状態とするかを選択す
る選択手段とをそなえて構成されたことを特徴とする、
アレーアンテナシステムを有する基地局。
【0203】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のアレーア
ンテナシステムを有する基地局(請求項1〜5)によれ
ば、以下のような効果ないし効果が得られる。 (1)本発明のアレーアンテナシステムを有する基地局
によれば、複数の上り無線信号を受信し同一の位相を有
する複数の検波信号に起因する復調信号を出力する復調
信号出力部と、復調信号と通信の品質に関する通信品質
とのそれぞれに基づいて、上り無線信号に関する上り重
み情報を算出する上り重み情報算出部と、少なくとも上
り重み情報算出部が算出した上り重み情報に基づいて得
た下り重み情報を出力する下り重み情報算出部と、復調
信号出力部から出力された復調信号に基づいて、移動局
の通信品質が極大となる補正値を出力する補正値算出部
と、送信すべきデータを出力する送信信号出力部と、送
信すべきデータに、下り重み情報算出部から出力された
下り重み情報と補正値算出部から出力された補正値とを
乗算して補正下り送信信号を出力する下り指向性形成部
とをそなえて構成されているので、アレーアンテナシス
テムを有する基地局は、最適なビームを形成でき、通信
品質が向上する。また、高額な設備投資をしないで、通
信品質を向上させることができる(請求項1)。
【0204】(2)下り重み情報算出部が、復調信号と
上り搬送波および下り搬送波の波長比とを乗算して得た
乗算重み情報を下り重み情報として出力する乗算器をそ
なえてされてもよく、このようにすれば、迅速に下り重
み情報を算出できる(請求項2)。 (3)補正値算出部が、通信品質と位相角の間隔を表す
ステップサイズとを関連付けて保持し、周期信号に基づ
いて、移相量の間隔を表すステップサイズを出力する第
1メモリ部と、ステップサイズと受信した信号の受信信
号ステップサイズとを比較して比較結果を出力する比較
部と、ステップサイズと下り重み情報とを関連付けて保
持する第2メモリ部と、第1メモリ部と第2メモリ部と
の読み書きを制御する制御部とをそなえてされてもよ
く、このようにすれば、通信品質が最大となる補正値の
ステップサイズを出力できる(請求項3)。
【0205】(4)復調信号出力部が、重み情報を更新
するタイミングに関するキャリブレーションロジック信
号を出力する管理部をそなえ、管理部が、補正値算出部
にキャリブレーションロジック信号を入力するように構
成されてもよく、このようにすれば、きめ細かいアンテ
ナ制御が可能となる(請求項4)。 (5)また、本発明のアレーアンテナシステムを有する
基地局によれば、下りビームを補正する補正手段と、移
動局における前記補正された下りビームの信号の受信状
態および補正前の下りビームの信号の受信状態に応じ
て、下りビームを補正前の状態とするか補正後の状態と
するかを選択する選択手段とをそなえて構成されている
ので、例えば厳しいフェージング環境を克服できる(請
求項5)。
【0206】(6)本発明のアレーアンテナシステムを
有する基地局によれば、移相量を表す重み情報を含む複
数の上り無線信号を受信し同一の位相を有する複数の検
波信号に起因する復調信号を出力する復調信号出力部
と、復調信号と受信品質を表す通信品質とのそれぞれに
基づいて、上り無線信号に関する上り重み情報を算出す
る上り重み情報算出部と、少なくとも上り重み情報算出
部が算出した上り重み情報に基づいて得た下り重み情報
を出力する下り重み情報算出部と、復調信号出力部から
出力された復調信号に基づいて、通信品質が最大となる
補正値を出力する補正値算出部と、送信すべきデータを
出力する送信信号出力部と、送信すべきデータに、下り
重み情報算出部から出力された下り重み情報と、補正値
算出部から出力された補正値とを乗算して補正下り送信
信号を出力する下り指向性形成部とをそなえて構成され
ているので、通信環境に応じてビームをきめ細かく制御
でき、通信品質が向上する。
【0207】(7)上り重み情報算出部が、上り無線信
号の到来方向と同一の指向性を有する指向性パターンを
推定する推定部と、移相量の間隔を表すステップサイズ
を出力するステップサイズ出力部と、指向性パターン
と、ステップサイズと、指向性パターンを算出する範囲
を表す算出範囲情報とに基づいて、通信品質が極大とな
る指向性パターンを算出する下り指向性パターン算出部
とをそなえて構成されているので、例えば中継機能を有
する無線端末の通信品質が向上し移動通信システムは加
入者を増加させることができる。
【0208】(8)管理部が上記の上り無線信号に含ま
れる信号であって移動局の通信品質に関する信号に基づ
いて、補正値を算出し、また、補正値を送信すべきデー
タに乗算して得られた信号を送信するように構成されて
もよく、このようにすれば、例えば厳しいフェージング
環境を克服できる。 (9)下りビーム形成部が、情報データに第1拡散コー
ドを用いて拡散した通話チャネルと、情報データと異な
るモニタデータに第1拡散コードと直交する第3拡散コ
ードを用いて拡散したキャリブレーションチャネルとを
送信するように構成されてもよく、このようにすれば、
所望の移動局に送信した信号のほかに、その移動局と異
なる他の移動局に対するキャリブレーション用信号とし
て使用することもできる。
【0209】(10)下りビーム形成部が、第3拡散コ
ードとして、複数の相互に直交する拡散コードを用いて
情報データに乗算したものを送信するように構成されて
もよく、このようにすれば、キャリブレーションの時間
が短縮できる。 (11)管理部が、ステップサイズを可変的に出力する
ように構成されてもよく、キャリブレーションの角度振
り幅の範囲を可変的に出力するように構成されてもよ
く、キャリブレーションの重み情報を変更する周期を可
変的に出力するように構成されてもよく、このようにす
れば、きめ細かい制御が可能となる。
【0210】(12)比較部が、複数の時刻における通
信品質を比較するように構成されてもよく、このように
すれば、通信品質が最大となるビームが形成される。 (13)補正値算出部が、一定値を保持する一定値保持
部と、一定値保持部からの出力と第2メモリ部からの出
力とを選択してこれらの出力のうちの一方を出力する選
択部とをそなえてされてもよく、このようにすれば、キ
ャリブレーション中の通話チャネルのビームが変更され
ないので、通話チャネルの品質劣化が少なくなる。
【0211】(14)補正値算出部が、通信品質とし
て、信号/干渉比と、受信電力の大きさと、誤り率との
うちの少なくとも一つを入力されるように構成されても
よく、このようにすれば、基地局は、場所によらないで
フェージングの影響を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る移動通信システム
の概略的な構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る基地局の要部を示
す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る復調部と変調部と
を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るDBFのブロック
図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る上りアンテナウェ
イト算出部のブロック図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る下りアンテナウェ
イト算出部のブロック図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る補正値算出部のブ
ロック図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る管理部のブロック
図である。
【図9】(a)〜(e)はそれぞれ本発明の第1実施形
態に係るキャリブレーションロジック信号を説明するた
めのタイムチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に係る下りビームを形
成する方法を説明するための図である。
【図11】(a)〜(f)はそれぞれ本発明の第1実施
形態に係るキャリブレーション中のシーケンスを説明す
るための図である。
【図12】本発明の第1実施形態の第1変形例に係る補
正値算出部のブロック図である。
【図13】本発明の第1実施形態の第2変形例に係る補
正値算出部のブロック図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る基地局のブロッ
ク図である。
【図15】(a)〜(i)はそれぞれ本発明の第2実施
形態に係るキャリブレーションロジック信号のロジック
を説明するためのタイムチャートである。
【図16】本発明の第2実施形態の第1変形例に係る基
地局のブロック図である。
【図17】本発明の第2実施形態の第1変形例に係るア
ンテナウェイト補正値算出部のブロック図である。
【図18】本発明の第2実施形態の第2変形例に係る基
地局のブロック図である。
【図19】本発明の第2実施形態の第3変形例に係る基
地局のブロック図である。
【図20】本発明の第1実施形態に係る下りビーム形成
キャリブレーションを説明するためのフローチャートで
ある。
【図21】本発明の第1実施形態に係るステップサイズ
を用いたキャリブレーションを説明するためのフローチ
ャートである。
【図22】本発明の第2実施形態に係る下りビーム形成
キャリブレーションを説明するためのフローチャートで
ある。
【図23】本発明の第2実施形態の第1変形例に係る下
りキャリブレーションロジック信号を説明するためのフ
ローチャートである。
【図24】本発明の第2実施形態の第1変形例に係る下
りキャリブレーションロジック信号を説明するためのフ
ローチャートである。
【図25】本発明の第2実施形態の第1変形例に係る通
話チャネルを用いた下りキャリブレーションロジック信
号を説明するためのフローチャートである。
【図26】移動通信システムの概略的な構成図である。
【図27】(a)はビームの一例を示す図であり、
(b)はフィンガを説明するための図である。
【図28】アダプティブアレーアンテナの発生電圧を説
明するための図である。
【図29】アンテナ発生電圧を説明するための図であり
【図30】アンテナウェイト収束速度とウェイトジッタ
とが相反することを説明するための図である。
【図31】アダプティブアレーアンテナの概略的なブロ
ック図である。
【図32】従来の基地局のブロック図である。
【図33】下りビームと基地局とのビームのずれを説明
するための図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 基地局 2 受信部 3a A/D変換部 3b D/A変換部 X0〜X3 アンテナ(アンテナ素子) 4 受信処理部 4a 第1受信処理部 4b 第2受信処理部 4c 第3受信処理部 4d 第4受信処理部 9 復調信号出力部 10 復調部 11 音声復号化部 11a 移動局データ抽出部 12 音声符号化部 13,13a,13b,13c,13d 変調部 14 送信部 15 多重化部 16 ハイブリッド 17 送信処理部 17a 第1送信処理部 17b 第2送信処理部 17c 第3送信処理部 17d 第4送信処理部 20 フィンガ算出部 20a〜20d サブフィンガ逆拡散部 21,29,31,35a,35b DBF部(指向性
形成部) 22 合成部 23 同期検波部 24,40,40a,40b アンテナウェイト補正値
算出部 24a 制御部 24b メモリ部 24c 比較部 24d〜24g,34a,34b,34c セレクタ
(選択部) 24h〜24k ROM 25 上りアンテナウェイト算出部 25a 推定部 25b ステップサイズ出力部 25c 下り指向性パターン算出部 26 下りアンテナウェイト算出部 27 送信信号生成部 28 メイン拡散部 28a,28b,28c サブ拡散部 30a,30b 乗算器 32a〜32d 多重部(送信合成部) 33 固定値保持部 36 インバータ 37 キャリブレーション用送信信号生成部 38 共役複素数演算部 39 管理部 39a キャリブレーションロジック信号出力部 39b ステップサイズ出力部 39c キャリブレーション最大角度振り幅出力部 39d キャリブレーションウェイト変更周期出力部 60 移動局 101 建造物 103 山 104 電話網 105 交換局 106a,106b,106c セル 107 伝送信号処理部 110 移動通信システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 健 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 中村 道春 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5J021 AA05 AA06 CA06 DB01 EA04 FA13 FA14 FA15 FA16 FA17 FA20 FA29 FA30 FA32 GA02 HA05 5K059 CC02 CC04 DD31 5K067 AA03 CC24 EE10 HH21 KK02 KK03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動局からの受信信号のビームを形成し
    た上りアンテナウェイトを基に、下りアンテナウェイト
    を算出して移動局への送信信号の下りビームを形成する
    アレーアンテナシステムを有する基地局において、 複数の上り無線信号を受信し同一の位相を有する複数の
    検波信号に起因する復調信号を出力する復調信号出力部
    と、 該復調信号と通信の品質に関する通信品質とのそれぞれ
    に基づいて、該上り無線信号に関する上り重み情報を算
    出する上り重み情報算出部と、 少なくとも上り重み情報算出部が算出した上り重み情報
    に基づいて得た下り重み情報を出力する下り重み情報算
    出部と、 該復調信号出力部から出力された該復調信号に基づい
    て、移動局の通信品質が極大となる補正値を出力する補
    正値算出部と、送信すべきデータを出力する送信信号出
    力部と、 該送信すべきデータに、該下り重み情報算出部から出力
    された該下り重み情報と該補正値算出部から出力された
    該補正値とを乗算して補正下り送信信号を出力する下り
    指向性形成部とをそなえて構成されたことを特徴とす
    る、アレーアンテナシステムを有する基地局。
  2. 【請求項2】 該下り重み情報算出部が、 該復調信号と上り搬送波および下り搬送波の波長比とを
    乗算して得た乗算重み情報を該下り重み情報として出力
    する乗算器をそなえて構成されたことを特徴とする、請
    求項1記載のアレーアンテナシステムを有する基地局。
  3. 【請求項3】 該補正値算出部が、 該通信品質と位相角の間隔を表すステップサイズとを関
    連付けて保持し、周期信号に基づいて、該移相量の間隔
    を表すステップサイズを出力する第1メモリ部と、 該ステップサイズと受信した信号の受信信号ステップサ
    イズとを比較して比較結果を出力する比較部と、 該ステップサイズと下り重み情報とを関連付けて保持す
    る第2メモリ部と、 該第1メモリ部と該第2メモリ部との読み書きを制御す
    る制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請
    求項1記載のアレーアンテナシステムを有する基地局。
  4. 【請求項4】 該復調信号出力部が、該重み情報を更新
    するタイミングに関するキャリブレーションロジック信
    号を出力する管理部をそなえ、 該管理部が、該補正値算出部に該キャリブレーションロ
    ジック信号を入力するように構成されたことを特徴とす
    る、請求項3記載のアレーアンテナシステムを有する基
    地局。
  5. 【請求項5】 移動局からの受信信号のビームを形成し
    た上りアンテナウェイトを基に、下りアンテナウェイト
    を算出して移動局への送信信号の下りビームを形成する
    アレーアンテナシステムを有する基地局において、 前記下りビームを補正する補正手段と、 前記移動局における前記補正された下りビームの信号の
    受信状態および補正前の下りビームの信号の受信状態に
    応じて、下りビームを補正前の状態とするか補正後の状
    態とするかを選択する選択手段とをそなえて構成された
    ことを特徴とする、アレーアンテナシステムを有する基
    地局。
JP2001244856A 2001-08-10 2001-08-10 アレーアンテナシステムを有する基地局 Withdrawn JP2003060557A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001244856A JP2003060557A (ja) 2001-08-10 2001-08-10 アレーアンテナシステムを有する基地局

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001244856A JP2003060557A (ja) 2001-08-10 2001-08-10 アレーアンテナシステムを有する基地局

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003060557A true JP2003060557A (ja) 2003-02-28

Family

ID=19074717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001244856A Withdrawn JP2003060557A (ja) 2001-08-10 2001-08-10 アレーアンテナシステムを有する基地局

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003060557A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004320620A (ja) * 2003-04-18 2004-11-11 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 適応アンテナ送信装置および適応アンテナ送信方法
JPWO2004082173A1 (ja) * 2003-03-12 2006-06-15 日本電気株式会社 送信ビーム制御方法、適応アンテナ送受信装置及び無線基地局
JP2007502566A (ja) * 2003-08-13 2007-02-08 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 伝送システムにおいてデジタルデータストリームを暗号化する方法及び装置
JP2007208702A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Toshiba Corp ウェイト算出方法、ウェイト算出装置、アダプティブアレーアンテナ、及びレーダ装置
US7680461B2 (en) 2003-11-05 2010-03-16 Sony Corporation Wireless communications system, wireless communications method, and wireless communications apparatus
JP2012502510A (ja) * 2008-09-03 2012-01-26 トムソン ライセンシング 無線ネットワークにおいて伝送電力制御を行う方法および装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004082173A1 (ja) * 2003-03-12 2006-06-15 日本電気株式会社 送信ビーム制御方法、適応アンテナ送受信装置及び無線基地局
JP2004320620A (ja) * 2003-04-18 2004-11-11 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 適応アンテナ送信装置および適応アンテナ送信方法
JP2007502566A (ja) * 2003-08-13 2007-02-08 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 伝送システムにおいてデジタルデータストリームを暗号化する方法及び装置
US7680461B2 (en) 2003-11-05 2010-03-16 Sony Corporation Wireless communications system, wireless communications method, and wireless communications apparatus
JP2007208702A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Toshiba Corp ウェイト算出方法、ウェイト算出装置、アダプティブアレーアンテナ、及びレーダ装置
JP4553387B2 (ja) * 2006-02-02 2010-09-29 株式会社東芝 ウェイト算出方法、ウェイト算出装置、アダプティブアレーアンテナ、及びレーダ装置
JP2012502510A (ja) * 2008-09-03 2012-01-26 トムソン ライセンシング 無線ネットワークにおいて伝送電力制御を行う方法および装置
US9215666B2 (en) 2008-09-03 2015-12-15 Thomson Licensing Method and apparatus for transmit power control in wireless networks

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU723992B2 (en) Devices for transmitter path weights and methods therefor
US6725028B2 (en) Receiving station with interference signal suppression
JP3165447B2 (ja) ダイバーシチ受信装置および制御方法
JP2785804B2 (ja) 移動通信システム
US6700880B2 (en) Selection mechanism for signal combining methods
EP1182728B1 (en) Adaptive antenna reception apparatus
US6345046B1 (en) Receiver and demodulator applied to mobile telecommunications system
JP2001345747A (ja) マルチビーム受信装置
GB2313261A (en) Apparatus and Method for Setting Transmitter Antenna Weights
JP2003060557A (ja) アレーアンテナシステムを有する基地局
AU745469B2 (en) Reception method and apparatus in CDMA system
GB2313237A (en) Controlling transmission path weight
EP1583258B1 (en) Array antenna radio communication apparatuses
AU771784B2 (en) Transmission power control method of measuring Eb/N0 after weighted signals are combined
WO2000060698A1 (fr) Radioemetteur et procede de reglage de la directivite d&#39;emission
WO2005048627A1 (ja) 送信装置及び利得制御方法
JP3915055B2 (ja) セルラー無線通信システム及び携帯無線端末装置
JP3429716B2 (ja) M系列直交変調を用いた無線通信システムにおける復調方法および装置
JP4266826B2 (ja) データ送信方法及び受信器
Lim et al. Performance evaluation of beamforming using pilot channel in CDMA2000 reverse link
JPH10256969A (ja) 無線基地局装置
JP3445221B2 (ja) 無線受信装置および無線受信方法
GB2313236A (en) Controlling transmit path weight and equaliser setting
JP2005117498A (ja) データ伝送装置及びデータ伝送方法
KR20000009562A (ko) 적응배열 안테나시스템에서 기저대역 신호처리블록

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081104