JP2003060329A - 配線基板形成用転写シート - Google Patents

配線基板形成用転写シート

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JP2003060329A
JP2003060329A JP2001241788A JP2001241788A JP2003060329A JP 2003060329 A JP2003060329 A JP 2003060329A JP 2001241788 A JP2001241788 A JP 2001241788A JP 2001241788 A JP2001241788 A JP 2001241788A JP 2003060329 A JP2003060329 A JP 2003060329A
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transfer sheet
wiring board
fluorine
silicone rubber
forming
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JP2001241788A
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English (en)
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Mitsuru Suezawa
満 末沢
Mitsuyoshi Yokura
與倉  三好
Keiko Sugikawa
恵子 杉川
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】耐薬品性と寸法安定性に優れ、特に線幅が50
μm以下の微細配線を含む回路の転写安定性に優れた配
線基板用転写シートを得ること。 【解決手段】樹脂フィルム3上にフッ素含有シリコーン
ゴム層4、金属箔2をこの順に積層し、フッ素含有シリ
コーンゴム層4と金属箔2が0.2g/10mm以上2
00g/10mm以下のピール強度の接着力で粘着保持
されていることを特徴とする、パターン化された金属箔
を持つ配線基板形成用転写シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線基板形成用転
写シートに関するものであり、さらに詳しくは、金属箔
との粘着力が長期的に安定で耐薬品性、寸法安定性に優
れ、好適には回路幅が50μm以下の微細配線にも適用
できる配線基板形成用転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】高密度配線基板、例えば、半導体素子を
収納するパッケージに使用される高密度多層配線基板と
して、セラミック配線基板が多用されている。このセラ
ミック配線基板は、アルミナなどの絶縁性基板上に、タ
ングステンやモリブデンなどの高融点金属からなる配線
導体を形成したものであり、該絶縁性基板の一部に凹部
が形成されており、この凹部内に半導体素子を収納し、
適当な蓋体によって凹部を気密に封止してパッケージと
するものである。ところが、このようなセラミック多層
配線基板の絶縁基板を構成するセラミックスは、硬くて
脆いため、製造工程または搬送工程において、セラミッ
クの欠けや割れが発生しやすく、歩留まりが低いの問題
があった。また、多層セラミック配線基板においては、
焼結前のグリーンシートにメタライズインクを印刷し
て、印刷後のシートを積層して焼結させて製造される
が、その製造工程において、高温での焼成により焼成収
縮が生じるために、得られた基板に反りなどの変形や寸
法ばらつき等が発生しやすく、回路基板の超高密度化や
基板の平坦度の要求の厳しいフリップチップ等には十分
に対応できないと言う問題があった。
【0003】これらの問題を改善する手段として、特開
平10−173316号公報、特開平10−17825
5号公報に、配線基板形成用転写シートを用いる方法が
提案されている。この方法は、樹脂フィルム上に光硬化
型の粘着層を設け、さらにその上に金属層を張り付けた
構成のものを利用するものである。この方法は、導体回
路を絶縁基板に加熱転写する方法であり、絶縁基板が各
種薬品と接触することがなく、絶縁基板の特性に影響が
ない点で優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平10−
173316号公報や特開平10−178255号公報
の方法は、粘着剤が反応性であるために銅箔との接着力
が徐々に変化し、使用に際し、その都度紫外線露光量を
最適化し、さらには硬化条件の最適化もしなければなら
ないなど使用上の問題があった。さらに、粘着剤の吸湿
性が高く、そのために配線回路を形成した転写シートを
高湿度雰囲気化に曝すと、粘着層が吸湿して伸び、転写
シートがいびつに変形することがあった。特に配線パタ
ーンが50μm以下の微細配線の場合、配線がシートか
ら剥がれることがあった。
【0005】本発明は、かかる従来技術の諸欠点を改良
するために考案されたものであり、すなわち本発明の目
的は、粘着剤の経日変化の問題が無く、配線の位置ず
れ、断線、転写不良の問題が無い配線基板形成用転写シ
ートを提供することであり、好適には50μm以下の微
細配線パターンにも安定して適用できる配線基板形成用
転写シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の配線基板形成用転写シートは、樹脂フィルム
上にフッ素含有シリコーンゴム層、金属箔をこの順に積
層したことを特徴とする配線基板形成用転写シートであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる樹脂フィルム
としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリ
エチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂フィル
ム、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリ塩化ビニル、アラミドフィルム、PE
N、PEEK、などのようなプラスチックフィルムない
しはシート等、公知のものを使用することができる。こ
れらの内、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドお
よびポリフェニレンサルファイドの1種以上からなる樹
脂フィルムが、耐薬品性、耐熱性および強度の点から好
ましく用いられる。
【0008】ここで、樹脂フィルムの厚みは特に限定さ
れないが、好ましくは5μm〜400μmであり、より
好ましくは10μm〜350μmであり、特に好ましく
は15μm〜250μmである。厚みが薄過ぎる場合に
は、フィルムに腰が無く、逆に厚すぎると、生産性やコ
ストの問題が生じることがある。
【0009】本発明の配線基板形成用転写シートにおい
て、樹脂フィルムとフッ素含有シリコーンゴム層との接
着力は重要であるので、好ましくは樹脂フィルムにフッ
素含有シリコーンゴム層を塗布する前に、樹脂フィルム
とフッ素含有シリコーンゴム層との十分な接着性を得る
ための表面処理が施されていることが好ましい。このよ
うな樹脂フィルム表面の処理としては、低温プラズマ処
理やプライマー層を設けることなどが挙げられる。
【0010】ここで、低温プラズマ処理とは、大気圧ま
たは真空下において電極間に直流または交流の高電圧を
印加することによって開始持続する放電に、被処理材
(本発明では、樹脂フィルム表面)をさらすことによっ
てなされる処理である。例えば、公知のコロナ処理、グ
ロー放電処理が挙げられ、特に限定されるものではな
い。使用するガスの種類、処理圧力、印加電圧、電源周
波数および処理速度などのプラズマ処理条件は、プラズ
マ処理装置や接着剤の種類など目的に応じて適切に選択
するのがよい。
【0011】本発明において樹脂フイルムとフッ素含有
シリコーンゴム層との接着力を向上させる目的でプライ
マー層を用いても良い。プライマー層としては、樹脂フ
ィルムとフッ素含有シリコーンゴム層との接着力を向上
させるものであればいかなるものでもよく、特に限定さ
れるものではない。プライマー層は樹脂フィルム表面を
あらかじめ上記低温プラズマ処理したものに適用しても
良い。
【0012】本発明で用いられるフッ素含有シリコーン
ゴム層に使用されるフッ素含有シリコーンゴムとして
は、分子内に化学式1のいずれかの構造を有するフッ素
含有シリコーンゴムが挙げられる。
【0013】
【化1】
【0014】ここで、フッ素含有シリコーンゴム中のフ
ッ素の含有量は1重量%以上、好ましくは5重量%以上
である。
【0015】フッ素含有シリコーンゴム中に含まれる官
能基としては付加重合性の不飽和二重結合、水酸基、ア
ルコキシ基およびエポキシ基等が挙げられるがこれらに
限定されるものではない。この不飽和二重結合、水酸基
およびエポキシ基はフッ素含有シリコーンゴムの側鎖ま
たは主鎖のいずれにあっても良いが、側鎖にあるのが好
ましい。
【0016】本発明に使用されるフッ素含有シリコーン
ゴムのシリコーンゴム部分としては、たとえば下記
(1)または(2)の方法によって得ることができる。
なお、該シリコーンゴムは、分子量数千〜数十万の主鎖
中または主鎖の末端にOH基またはビニル基を有する線
状有機ポリシロキサンを主成分とするのが好ましい。 (1)縮合反応によって得られるシリコーンゴム このような縮合型シリコーンゴムを形成する方法として
は、下記化学式2で示される繰り返し単位を有する分子
量数千〜数十万の線状有機ポリシロキサンを架橋剤によ
り架橋する方法が一般的である。
【0017】
【化2】
【0018】(式中、nは2以上の整数、R1、R2は炭
素数1〜50の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素
数2〜50の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素
数4〜50の置換あるいは非置換のアリール基の群から
選ばれる少なくとも一種であり、それぞれ同一でも異な
っていてもよい。R1、R2の全体の40モル%以下がビ
ニル、フェニル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化フェニ
ルであり、全体の60モル%以上がメチル基であるもの
が好ましい。) このような線状有機ポリシロキサンは、有機過酸化物を
添加して熱処理を施すことにより、さらに架橋したシリ
コーンゴムとすることもできる。ここで、架橋剤として
は、通常以下の化学式3に示されるような架橋剤を添加
することにより架橋させる。
【0019】
【化3】
【0020】(式中、qは0〜2の整数であり、R3
アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれら
の組み合わされた基を示し、それらはハロゲン原子、ア
ミノ基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
(メタ)アクリルオキシ基、チオール基などの官能基を
置換基として有していてもよい。Zは水素原子、水酸
基、アルコキシ基、アセトキシ基、アシルオキシ基、ケ
トオキシム基、アミド基、アミノオキシ基、アミノ基、
グリシジル基、メタクリル基、アリル基、ビニル基など
を表す。) このような縮合型シリコーンゴムに、錫、亜鉛、鉛、カ
ルシウムあるいはマンガンなどの金属を含んだ化合物な
どを触媒として添加することは任意である。
【0021】(2)付加反応によって得られるシリコー
ンゴム このような付加型シリコーンゴムを形成する方法として
は、分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する
ポリシロキサン化合物と多価ハイドロジェンポリシロキ
サン化合物とを反応させる方法が一般的である。分子中
に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するポリシロキ
サン化合物としてはα,ω−ジビニルポリジメチルシロ
キサン、両末端メチル基のメチルシロキサン/ジメチル
シロキサン共重合体などが挙げられる。多価ハイドロジ
ェンポリシロキサン化合物としては、α,ω−ジメチル
ポリメチルハイドロジェンシロキサン、両末端メチル基
のメチルポリメチルハイドロジェンシロキサン/ジメチ
ルシロキサン共重合体などが挙げられる。ここで、/は
共重合を表す。
【0022】このような付加型シリコーンゴムには、白
金単体、塩化白金、オレフィン配位白金などを触媒とし
て添加する。また、化学式3に示される架橋剤を添加し
て用いても良い。
【0023】本発明に使用するフッ素含有シリコーンゴ
ム層は、一般的な樹脂、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、紫外線硬化性樹脂等と上記フッ素含有シリコー
ンゴムをブレンドして用いても良い。その際、ブレンド
するフッ素含有シリコーンゴム量は10重量%以上が好
ましい。
【0024】フッ素含有シリコーンゴム層の膜厚として
は、通常0.5〜100μm、好ましくは0.5〜10
μm、より好ましくは1.0〜5μmである。フッ素含
有シリコーンゴム層が薄すぎる場合には、金属箔との密
着性の不均一の問題を生じることがあり、厚すぎる場合
には生産性に問題が生じることがある。
【0025】本発明に用いられる金属箔は、一般に導体
回路形成用に用いられるものであれば特に制限無く使用
することができる。好適に用いられる金属箔としては、
例えば、銅、アルミニウム、金、銀、ステンレスなどの
金属箔が挙げられる。この中で特に好ましい金属は、銅
または銅を含む合金である。金属箔が銅箔の場合、公知
の配線基板用の圧延箔、電解箔などが好ましく用いられ
る。
【0026】ここで、金属箔の厚みは、好ましくは1μ
m以上50μm以下であり、より好ましくは1〜30μ
m、特に好ましくは1〜20μmである。厚みが1μm
未満では導体抵抗が大きくなることがあり、厚みが50
μmを超える場合にはフッ素樹脂層の金属箔保持力が不
安定になり回路パターン作成のエッチング時に金属箔が
脱落することがある。
【0027】本発明において、フッ素含有シリコーンゴ
ム層と金属箔との接着力は0.2g/10mm以上20
0g/10mm以下が好ましく、より好ましくは1g/
10mm以上150g/10mm以下の接着力で粘着保
持されていることである。接着力が0.2g/10mm
未満では、本発明の転写シートの製造中に両層が剥離す
ることがあり、200g/10mmを越えると、後の工
程でフッ素含有シリコーンゴム層を剥離する際に剥離異
常を起こす可能性がある。なお、ここで言う接着力と
は、180度ピール強度のことである。
【0028】本発明の配線基板形成用転写シートは、例
えば、次のようにして製造される。まず、必要に応じて
接着向上のためプライマー処理、または低温プラズマ処
理した樹脂フィルム上に、フッ素含有シリコーンゴム層
として構成すべき組成物溶液をリバースコーター、カレ
ンダーロールコーターまたはナイフコーター、メーヤバ
ーコーターなどの通常のコーター、あるいはホエラのよ
うな回転塗布装置を用い塗布し、乾燥する。ここで、乾
燥温度は、通常60〜180℃の温度で数分間熱処理
し、十分に硬化せしめてフッ素含有シリコーンゴム層を
形成する。
【0029】次いで、このようにして得られたフッ素含
有シリコーンゴム層上に、導体回路形成用の金属箔を重
ね合わせ、プレス、ロールラミネータ等で圧着して本発
明の配線基板形成用転写シートを得ることができる。こ
こで、必要に応じて加熱圧着しても良い。加熱温度およ
び圧力等の条件は目的に応じ好ましく選定することがで
きる。
【0030】該金属箔は、公知のレジスト法などによっ
て所定の回路パターンを形成することができる。回路パ
ターンの形成タイミングとしては、金属箔積層後にパタ
ーンを切る方法が好ましく用いられる。ここで、フォト
レジストはネガ型でもポジ型でも使用できる。
【0031】例えば、ポジ型のフォトレジストを使用し
回路を形成する例を下記に説明する。該金属箔の全面に
フォトレジストを塗布し、所定のマスクを介して露光を
する。この露光工程で用いられる光源は、紫外線を豊富
に発生するものであり、水銀灯、カーボンアーク灯、キ
セノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンラ
ンプあるいは蛍光灯などを用いることができる。次い
で、自動現像装置を用いるかあるいは手動の現像を行な
うことによって、露光部のフォトレジスト層を除去す
る。回路として残った金属箔の上には、フォトレジスト
が残るが、後述する絶縁基板の特性や密着性に問題がな
い限り、例えば絶縁基板の構成素材と同じ組成のレジス
トを用いた場合などには残存するレジストを除去しなく
ても良い。残存するレジストを除去する場合には、レジ
スト剥離液で剥離後に、適当なリンス液で洗浄し、乾燥
する。
【0032】続いて、図1を使用し説明する。図1は、
本発明の配線基板形成用転写シートに形成された配線回
路を絶縁基板に転写する転写方法を例示説明するための
断面図である。転写方法は、図1に示されるように、配
線回路2の上に絶縁基板1を重ね合わせ5〜400kg
/cm2程度の圧力で転写し、次いで樹脂フィルム3を
剥離する方法、または、配線回路2の上に硬化性樹脂を
含む絶縁スラリーを配線回路よりも厚く形成し、次いで
目的に応じ、硬化させた後、フッ素含有シリコーンゴム
層4を剥離する方法などが用いられる。転写時の圧力
は、絶縁基板1の樹脂の種類によって異なるが、形成し
た配線回路全体が埋め込まれるように選定する。
【0033】ここで用いられる絶縁基板1としては、シ
ート状あるいはフィルム状の耐熱性樹脂の上に硬化性樹
脂または半硬化性樹脂を有するもの、または、有機ある
いは無機の繊維状基材に半硬化性樹脂を含むシート状物
などが好ましく用いられる。該耐熱性樹脂の例として
は、BTレジン(ビスマレイミドトリアジン樹脂)、エ
ポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンエー
テル系樹脂、フッソ系樹脂、フェノール系樹脂などが挙
げられる。なおこれらの樹脂の中に、必要に応じ無機フ
ィラー(充填剤)または有機フィラー(充填剤)が添加
されていても良い。ここで、無機フィラー(充填剤)は
とくに限定されるものでなく、例えば、シリカ、アルミ
ナ、チタン酸バリウム、窒化アルミニウム、酸化チタ
ン、ホウ酸アルミニウムなど一般に公知のフィラー(充
填剤)が使用できる。また、有機フィラー(充填剤)と
しては、ポリイミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂など公
知のフィラー(充填剤)を用いることができる。また、
前記繊維状基材としては、ガラス繊維などの無機質繊維
やフッ素系繊維などの合成繊維などからなる織布等の布
帛を使用することができる。
【0034】このようにして得られた配線基板は、極め
て平坦性に優れるため、特に一括積層による多層配線基
板の製造やフリップチップ実装に好適に使用される。
【0035】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実体顕
微鏡による、位置ずれ不良、断線の有無および転写不良
の評価方法は次のとおりである。 (a) 位置ずれ不良 配線間隔を測定し、設計値とのずれおよび均一性で評価
した。配線間隔が設計値より±5%以上の場合は不良と
した。 (b) 断線の有無 配線を観察し、断線の有無を判定した。断線が1本でも
観察されれば有(不良)とした。 (c) 転写不良 回路を形成した配線基板を転写後に、回路の転写残りの
有無を観察した。転写残りが一つでもあれば不良とし
た。
【0036】(実施例1)厚み50μmのポリエステル
フィルム(東レ(株)製:”ルミラー”)の表面に、下
記の組成のプライマー層を、硬化後の膜厚が2μmにな
るように塗布して150℃×2分間乾燥した後、3kW
の超高圧水銀灯(オーク製作所製)を用いUVメーター
(オーク製作所ライトメジャータイプUV365)で1
5mW/cm2 の照度で5分間露光し硬化させた。 [プライマー層組成] (1)2−ヒドロキシエチルメタクリレート/2−ヒドロ
キシルエチルアクリレート/メタクリル酸メチル/アク
リル酸メチル=20/20/30/30の共重合体 1
00重量部 (2) N,N−ジメチルホルムアミド 250重量部 (3)テトラヒドロフラン 650重量部 続いて、上記プライマー層の上層に、下記の組成のフッ
素含有シリコーンゴム層を、乾燥後の膜厚が2μmにな
るように塗布して、120℃×2分間乾燥硬化した。 [フッ素含有シリコーンゴム層組成] (1)両末端水酸基のポリジメチルシロキサン(平均分子
量50,000) 100重量部 (2)(3,3,3-トリフロロプロピル)メチルジメトキシシラ
ン 10重量部 (3)メチルトリアセトキシシラン 9.9重量部 (4)ジブチル錫ジオクテート 0.1重量部 (5)ヘキサン 190重量部 (6)キシレン 50重量部。
【0037】さらに、上記フッ素含有シリコーンゴム層
の上層に、厚み9μmの電解銅箔(三井金属鉱山
(株):TQC−VLP)を重ね合わせラミネートして
配線基板用転写シートを得た。次に、該配線基板転写用
シートの銅箔の上全面に、フォトレジストをスピンコー
トによって形成し、線幅30μm、配線ピッチ30μm
を有する配線回路マスクを重ね、ポジフィルムを30秒
真空密着させ、28℃の温度で3kWの超高圧水銀灯
(オーク製作所製)を用いUVメーター(オーク製作所
ライトメジャータイプUV365)で24mW/cm2
の照度で3分間露光した。露光後、マスクを外し、アル
カリ現像し、不要なレジストを除去し水洗・乾燥した。
次いで、塩化第2鉄溶液で非パターン部の銅をエッチン
グ除去・水洗・乾燥し、線幅30μm、配線ピッチ30
μmの配線回路パターンを形成し配線基板形成用転写シ
ートとした。また、別途、有機樹脂として下記組成の絶
縁スラリーをドクターブレード法により塗布、乾燥し、
乾燥後の厚みが100μmの絶縁シートを作成した。 [絶縁スラリー組成] (1)BTレジン 30容量% (2)球状シリカ 70容量%(3)溶剤:酢酸ブチル 20
重量部 該絶縁シートを上記した配線基板形成用転写シートの配
線回路側に重ね合わせ、下記の真空加熱プレス条件で導
体回路を絶縁シートに転写し、完全に埋め込ませた。 [真空加熱プレス条件] (1)圧力 30kg/cm2 (2)加圧時間 2分 (3)温度 130℃ 次に、フッ素含有シリコーンゴム層付きポリエステルフ
ィルムを剥がし、該絶縁シートを、200℃、4時間加
熱し硬化させた。この配線回路を埋め込んだ絶縁シート
を10枚作成し、実体顕微鏡により、位置ずれ不良、断
線の有無および転写不良について観察した。結果を表1
に示す。
【0038】(実施例2)実施例1において、プライマ
ー層を以下に示す組成に変更し、光硬化の代わりに20
0℃×2分間加熱硬化させたこと以外は、全て実施例1
と同様にして、配線回路を埋め込んだ絶縁シートを作製
した。実施例1と同様の評価を行なった。結果を表1に
示す。 [プライマー層組成] (1)”ミラクトン”P22S(日本ポリウレタン(株)
製ポリウレタン樹脂)180重量部 (2)ヘキサメチレンジイソシアネート 15重量部 (3)エポキシ・フェノール・尿素樹脂”SJ9372”
(関西ペイント(株)製) 40重量部 (4)グリセリン1モルとエピクロロヒドリン3モルとを
反応させたもの 25重量部 (5)白色顔料(FINEX−25、堺化学(株)製)
20重量部 (6)N,N−ジメチルホルムアミド 250重量部 (7)テトラヒドロフラン 20重量部。
【0039】(実施例3)厚さ50μmのポリエステル
フィルム(東レ(株)製:”ルミラー”)表面を、下記
条件で低温プラズマ処理した。 (1)ガス Ar (2)圧力 50pa (3)E値 1000w・min/m2 次いで、該処理表面に、フッ素含有シリコーンゴム層を
下記に示す組成に変更した以外は全て実施例1と同様に
して原版を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結
果を表1に示す。 [フッ素含有シリコーンゴム層組成] (1)両末端ビニル基のポリジメチルシロキサン 100
重量部 (2)1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルメタクリレ
ート 10重量部 (3)(CH3)3SiO(SiO(Si(CH3)2O)30-(SiH(CH3)O)10Si(CH3)
3 9.7重量部 (4)塩化白金酸/メチルビニルサイクリック錯体 0.
3重量部 (5)ヘキサン 180重量部 (6)キシレン 50重量部。
【0040】(実施例4)実施例3において、フッ素含
有シリコーンゴム層を、下記に示す組成に変更したこと
以外は、全て実施例3と同様にしてサンプルを作成し、
実施例3と同様の評価を行った。結果を表1に示す。 [フッ素含有シリコーンゴム層組成] (1)両末端水酸基のポリジメチルシロキサン(平均分子
量50,000) 100重量部 (2)(ヘプタデカフロロ-1,1,2,2,-テトラヒドロデシル)
-1-トリエトキシシラン10重量部 (3)メチルトリアセトキシシラン 9.9重量部 (4)ジブチル錫ジオクテート 0.1重量部 (5)ヘキサン 190重量部 (6)キシレン 50重量部。
【0041】(比較例1)実施例1と同じ厚み50μm
のポリエステルフィルムの表面に、フッ素含有シリコー
ンゴム層の替わりに紫外線硬化型のアクリル樹脂を使用
したこと以外は、全て実施例1と同様にしてサンプルを
作製した。銅箔との接着力を測定したところ、150g
/10mmであった。該基板を実施例1と同様の評価を
行なった。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から、本発明の実施例1〜4で得られ
た配線基板形成用転写シートを使用した配線回路を埋め
込んだ絶縁シートは、位置ずれ不良、断線、転写不良の
全くない良好な回路基板であった。これに対し、フッ素
含有シリコーンゴムの替わりにアクリル樹脂を用いた比
較例1の配線回路を埋め込んだ絶縁シートは、位置ずれ
不良、断線、転写不良が発生し実用性に欠ける回路基板
となった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、回路パターンの転写不
良、断線がなく寸法精度に優れた配線基板形成用転写シ
ートが得られ、特に50μm以下の微細配線回路を有す
る基板の製造や平坦性に高精度が要求されるフリップ実
装や高密度多層配線基板に適用できる配線基板用転写シ
ートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の配線基板用転写シートに形成された
配線回路を絶縁基板に転写する転写方法を例示説明する
ための断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 配線回路 3 樹脂フィルム 4 フッ素含有シリコーンゴム層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB33C AK01A AK42A AK52B AN02B BA03 BA07 EJ61A GB43 HB40C JA20A JA20C JK06 JL13 YY00 YY00A YY00C 5E343 AA02 AA23 BB24 BB67 DD56 ER18 ER32 ER35 GG08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂フィルム上にフッ素含有シリコーン
    ゴム層、金属箔をこの順に積層したことを特徴とする配
    線基板形成用転写シート。
  2. 【請求項2】該フッ素含有シリコーンゴム層と金属箔が
    0.2g/10mm以上200g/10mm以下(18
    0度ピール強度)の接着力で粘着保持されていることを
    特徴とする請求項1記載の配線基板形成用転写シート。
  3. 【請求項3】 樹脂フィルムの厚みが5μm〜400μ
    mであることを特徴とする請求項1または2に記載の配
    線基板形成用転写シート。
  4. 【請求項4】 金属箔の厚みが1μm以上50μm以下
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の配線基板形成用転写シート。
  5. 【請求項5】 樹脂フィルム表面が低温プラズマ処理さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の配線基板形成用転写シート。
  6. 【請求項6】 金属箔が回路パターンを形成したもので
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    配線基板形成用転写シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005064311A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Toray Ind Inc 回路基板形成用転写シート
JP2011091304A (ja) * 2009-10-26 2011-05-06 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 立体的回路基板の製造方法
JP2013116577A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Shin Etsu Polymer Co Ltd 転写印刷用転写シートおよびその製造方法

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