JP2003059349A - 二層シールド構造の同軸ケーブル - Google Patents

二層シールド構造の同軸ケーブル

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JP2003059349A
JP2003059349A JP2001241173A JP2001241173A JP2003059349A JP 2003059349 A JP2003059349 A JP 2003059349A JP 2001241173 A JP2001241173 A JP 2001241173A JP 2001241173 A JP2001241173 A JP 2001241173A JP 2003059349 A JP2003059349 A JP 2003059349A
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outer conductor
coaxial cable
shield structure
conductor
layer shield
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JP2001241173A
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Minoru Taguchi
実 田口
Manabu Sakakibara
学 榊原
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Mazda Motor Corp
Harada Industry Co Ltd
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Harada Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シールド効果その他の特性を十分に保有し、ま
たケーブル本体の外径を所定の値以下に設定することが
可能な二層シールド構造の同軸ケーブルを提供。 【解決手段】本発明の二層シールド構造の同軸ケーブル
は、中心導体10の外周に第1の絶縁体21を介して第
1の外部導体31を設け、この第1の外部導体31の外
周に第2の絶縁体22を介して第2の外部導体32を設
けた二層シールド構造の同軸ケーブルであって、前記第
1の外部導体31は、長手方向に垂直な断面が円形をな
す軟銅線で編んだ丸編組線からなり、前記第2の外部導
体32は、長手方向に垂直な断面が矩形をなす帯状の軟
銅線で編んだ平編組線からなることを主たる特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車載用アン
テナのフィーダ等として好適な同軸ケーブルに係り、特
に中心導体の外周に第1の外部導体および第2の外部導
体を、絶縁体を介して二層に設けた二層シールド構造の
同軸ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、車載用アンテナと共に各種の情報
機器を車両に搭載し、且つこれらを例えば車内LAN等
を介して相互に接続し、車内はもちろん車外との情報の
交換等を必要に応じて随時行なえるようにした情報交換
システムを備えた自動車が増えてきている。
【0003】上記情報交換システムを車体内に実装する
に当たっては、各種情報機器相互間を接続するための多
数本の信号伝送ケーブルは、運転制御用コード、更には
電源コード等と共に、所謂ワイヤ・ハーネスとして一括
して束ねられて運転席近傍のインストルメント・パネル
に装着される。
【0004】車載用アンテナのフィーダが、上記ワイヤ
・ハーネスと共に一括して束ねられた場合、上記ワイヤ
・ハーネスから当該フィーダへ、コンピュータノイズ等
の雑音が電磁誘導作用等により介入するおそれがある。
車載用アンテナのフィーダに流れる信号電流は、通常の
場合、自動車の走行状況に応じて信号レベルが変動する
比較的微弱なアナログ送受信信号である。このため上記
フィーダに上述した雑音が介入すると、フィーダに流れ
る送受信信号のSN比が著しく悪化し、良好な送受信を
行なうことが困難となる。
【0005】このような雑音の介入を回避する手段の一
つとして、例えば特開平11−339570号公報等に
示されているように、中心導体の外周に絶縁体を介して
第1の外部導体と第2の外部導体とを二層に設けた、い
わゆる二層シールド構造の同軸ケーブルを採用すること
が考えられる。しかしこの二層シールド構造の同軸ケー
ブルには、以下述べるような問題点が有る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】二層シールド構造の同
軸ケーブルは、シールド効果の点では、一層シールド構
造の同軸ケーブルに比べて優れている。しかしシールド
層が二層に形成されていることから、その分だけ同軸ケ
ーブルの外径が大きくなる。車載用アンテナのフィーダ
においては、その外径ができる限り細径であることが要
求される。したがって、二層シールド構造の同軸ケーブ
ルを車載用アンテナのフィーダに適用するためには、シ
ールド効果等の特性を損なわない範囲で、二層シールド
構造の同軸ケーブルの外径を所定の値以下に制限するこ
とが必要になる。
【0007】本発明の目的は、下記のような利点を有す
る二層シールド構造の同軸ケーブルを提供することにあ
る。
【0008】(a)シールド効果その他の必要な特性を
十分に発揮できる。
【0009】(b)ケーブル本体の外径を所定の値以下
に設定することが可能である。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明の二層シールド構造の同軸ケー
ブルは下記のような特徴ある構成を有している。なお下
記以外の特徴ある構成については実施形態の中で明らか
にする。
【0011】本発明の二層シールド構造の同軸ケーブル
は、中心導体の外周に第1の絶縁体を介して第1の外部
導体を設け、この第1の外部導体の外周に第2の絶縁体
を介して第2の外部導体を設けた二層シールド構造の同
軸ケーブルであって、前記第1の外部導体は、長手方向
に垂直な断面が円形をなす軟銅線で編んだ丸編組線から
なり、前記第2の外部導体は、長手方向に垂直な断面が
矩形をなす帯状の軟銅線で編んだ平編組線からなること
を特徴としている。
【0012】上記の二層シールド構造の同軸ケーブルに
おいては、中心導体、第1の絶縁体、丸編組線からなる
第1の外部導体で構成される情報送受信回路の外側に、
第2の絶縁体を介して電磁波遮蔽効果に優れた平編組線
からなる第2の外部導体が設けられているので、この第
2の外部導体を例えば車体等の大地相当部に対し接地す
ることにより、外部から介入しようとする雑音が上記第
2の外部導体によって遮ぎられることになる。これによ
り、上記第2の外部導体よりも内側に位置する前記情報
送受信回路への雑音介入が阻止され、外部からの雑音の
影響を低減できる。
【0013】また第2の外部導体は帯状の軟銅線で編ん
だ平編組線で形成されているため、通常の丸軟胴線で編
んだ編組線に比べてかなり薄いものとなる。その結果、
第1の外部導体と第2の外部導体とが二層に設けられた
二層シールド構造の同軸ケーブルでありながら、同軸ケ
ーブル外径を、既存の一層シールド構造の同軸ケーブル
外径と同等の大きさにすることが可能となる。この結
果、同軸ケーブルに付設される既存の各種部品、たとえ
ば差し込みプラグその他の接続機構等をそのまま利用す
ることが可能であり、コストアップを避けることができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】(一実施形態)図1の(a)
(b)(c)は本発明の一実施形態に係る二層シールド
構造の同軸ケーブルの構成を示す図で、(a)は同軸ケ
ーブルの主要部の構成を示す斜視図であり、(b)は第
2の外部導体の一部を切欠いて平編組線の構造を示す斜
視図であり、(c)は(b)のC−C線矢視断面図であ
る。
【0015】図1の(a)において、10は0.4φの
錫メッキ軟銅線などで形成された中心導体である。21
は発泡ポリエチレンなどで形成された厚みが約1.4m
mの第1の絶縁体である。31は長手方向に垂直な断面
が円形をなす軟銅線で編んだ厚みが約0.25mmの丸
編組線からなる第1の外部導体である。22は非発泡ポ
リエチレンなどで形成された厚みが約0.15mmの絶
縁フィルムからなる第2の絶縁体である。32は長手方
向に垂直な断面が矩形をなす帯状の軟銅線で編んだ厚み
が約0.3mmの平編組線からなる第2の外部導体であ
る。40は耐熱塩化ビニール等で形成された厚みが約
0.3mmの外部被覆である。50は第2の外部導体3
2を例えば自動車の車体のような大地相当物に対し、ダ
イレクトに接地するためのダイレクト接地手段である。
【0016】このダイレクト接地手段50は、絶縁被覆
されたダイレクト接地用のアース線51と、このアース
線51の被覆を剥離した導体部の一端51aを、予め絶
縁被覆を剥離されて露出状態にされた前記第2の外部導
体32の外周面に対し、カシメ加工により圧着する例え
ばコンタクト部52aが錫メッキ銅などで形成された圧
着部材52と、前記アース線51の導体部の他端51b
を、車体の一部に例えばねじ止め等の手段により接続す
るための接続端子53とを備えている。このダイレクト
接地手段50によるダイレクト接地効果については、後
述する実験例の説明の中で明らかにする。
【0017】図1の(b)に示すように、第2の外部導
体32は、平行に並ぶ複数の帯状導体A1,A2…と、
同じく平行に並ぶ複数の帯状導体B1,B2…とが、各
導体相互が互いに交差する如く網目状に編まれた平編組
線である。上記各帯状導体の単体は、各々の長手方向と
垂直な断面が、幅方向の両端部にナイフエッジのような
エッジ部eを有する扁平な矩形状を呈している。そし
て、その厚み方向が編組線の厚み方向と一致する如く編
み込まれている。換言すれば、上記各帯状導体の単体
は、各々の軸心と直交する断面が、幅方向の両端部に近
付くに従って厚み寸法が小さくなるように偏平化された
形状となっている。
【0018】上記平編組線からなる第2の外部導体32
においては、その構成要素である各帯状導体単体の軸心
と直交する断面が偏平化されているため、軸心と直交す
る断面が円形をなす同一断面積を有する丸線導体を使用
したものに比べると、その厚み寸法が著しく小さくな
る。したがって平編組線の厚みは大幅に薄型化される。
しかも編組線の厚み寸法を小さくするために小径な丸線
導体を使用する場合に比べると、導体単体の機械的強度
の低下が殆どないために、平編組線の機械的強度は丸線
導体を使用した編組線に比べて何ら遜色がない。
【0019】図1の(c)に示すように、一方の帯状導
体A1、A2…と、これに交差する別の帯状導体B1、
B2…との互いに重なり合う部分に着目すると、一方の
帯状導体A1,A2…における厚み寸法が小さくなって
いる幅方向の両端部位が、他方の帯状導体B1,B2…
における長手方向に沿って厚み方向へ「うねり」を呈し
ている傾斜部Kに適合するような態様が自然につくり出
される。つまり隣接する導体相互間に柔軟な「馴染み状
態」が生じる。このため導体単体どうしが互いに重なり
合う部分の段差によって生じる隙間Gは極く僅かなもの
となる。その結果、平編組線32は複数の帯状導体A
1,A2…と、複数の帯状導体B1,B2…とが各導体
相互が互いに交差する如く網目状に編まれたものであり
ながら、その両面が凹凸の殆どない略平坦な状態を呈す
るものとなる。したがって同一断面積を有する丸線を使
用した丸編組線に比べると非常に薄く、しかも一定の厚
み寸法T(各帯状導体の厚み寸法の約2倍となる)を有
する単一の板状導体と略同様の外観を有するものとな
る。従って平編組線32は、シールド機能が高く、機械
的強度が大きく、且つ柔軟性もある程度保有するものと
なる。
【0020】図2は、本実施形態に係る二層シールド構
造の同軸ケーブル本体100の製造方法を示す図で、
(a)は製造の工程を示すブロック図、(b)は製造さ
れた同軸ケーブル本体100の軸心と直交する断面を示
す断面図である。
【0021】次に図2の(a)に示す同軸ケーブル本体
100の製造工程につき説明する。
【0022】ステップST1:直径d0が約0.4φの
錫メッキ軟銅線で形成された中心導体10の外周に、発
泡ポリエチレンなどの絶縁材料を押出し成形加工する。
これにより外径d1が約3.2mm(厚みが約1.4m
m)の第1の絶縁体21が得られる。
【0023】ステップST2:第1の絶縁体21の外周
に、長手方向に垂直な断面が円形をなす軟銅線で編んだ
丸編組線を巻き付ける。これにより外径d2が約3.7
mm(厚みが約0.25mm)の第1の外部導体31が
形成される。
【0024】ステップST3:非発泡ポリエチレンなど
の絶縁材料を押出し成形加工する。これにより外径d3
が約4.0mm(厚みが約0.15mm)の絶縁フィル
ムからなる第2の絶縁体22が得られる。
【0025】ステップST4:長手方向に垂直な断面が
矩形をなす帯状の軟銅線で編んだ平編組線からなる第2
の外部導体32を、第2の絶縁体22の外周に巻き付け
る。
【0026】これにより外径d4が約4.6mm(厚み
が約0.3mm)の第2の外部導体32が形成される。
【0027】ステップST5:耐熱塩化ビニール等絶縁
材料を押出し成形加工する。これにより外径d5が約
5.2mm(厚みが約0.3mm)の外部被覆40が得
られる。
【0028】(実験例)図3の(a)(b)は本実施形
態に係る二層シールド構造の同軸ケーブルに関する実験
の概要説明図である。図4の(a)〜(c)及び図5の
(a)〜(c)は同実験におけるノイズレベル測定結果
を示す図である。
【0029】「実験の目的」この実験の目的は、図3の
(a)に示すように、自動車のインストルメント・パネ
ル・ハーネス200から、所定距離Lだけ離して装着し
た車載用アンテナ・フィーダとしての「一層シールド構
造の同軸ケーブル110」に対する当該インストルメン
ト・パネル・ハーネス200からのノイズの介入状況
と、図3の(b)に示すように、自動車のインストルメ
ント・パネル・ハーネス200と抱き合わせて装着した
車載用アンテナ・フィーダとしての「二層シールド構造
の同軸ケーブル120」に対するインストルメント・パ
ネル・ハーネス200からのノイズの介入状況との比較
を行なうこと、図3の(b)に示す二層シールド構造の
同軸ケーブル120についてアースの取り方によるノイ
ズの介入状況の変化について検知すること、の二つであ
る。
【0030】「測定条件」 1.実験に供した対象車:車体の窓枠にロッドアンテナ
を装着するようにした所謂ピラーアンテナ300及びラ
ジオ受信機400を装備した自動車。
【0031】2.エンジン状態:自動車のエンジンは停
止状態。
【0032】3.ノイズ発生源:25dB増幅器を使用
し、コンピュータノイズ(0〜500MHz)をインスト
ルメント・パネル・ハーネス200に連続的に供給。
【0033】「測定結果」図4の(a)は図3の(a)
に示す状態において、キー位置がACC状態での「周波
数に対する介入ノイズのレベル」を示す。全周波数帯域
でノイズレベルは小さい。
【0034】図4の(b)は図3の(a)に示す状態に
おいて、キー位置がIG状態での「周波数に対する介入
ノイズのレベル」を示す。50〜130MHzの帯域でノ
イズレベルが高くなっている。
【0035】図4の(c)は図3の(b)に示す状態に
おいて、キー位置がIG状態で、第2の外部導体のアー
スは取らない状態での「周波数に対する介入ノイズのレ
ベル」を示す。二層シールド構造の同軸ケーブル120
であっても第2の外部導体のアースを取らない場合に
は、図3の(a)に示す状態の「一層シールド構造の同
軸ケーブル110」に対するノイズ介入と略同じ結果と
なる。
【0036】図5の(a)は図3の(b)に示す状態に
おいて、キー位置がIG状態で、第2の外部導体の両端
を第1の外部導体の両端とそれぞれ短絡接続してアース
した状態での「周波数に対する介入ノイズのレベル」を
示す。第2の外部導体を第1の外部導体と共にアースし
ても、図4の(c)に示す第2の外部導体をアースしな
い場合や、図4の(b)に示す一層シールド構造の同軸
ケーブルの場合と略同じ結果となる。これは第1の外部
導体と第2の外部導体とが短絡される結果、実質的に単
一の外部導体をアースした単層シールド構造の同軸ケー
ブルと同等になる事を示している。
【0037】図5の(b)は図3の(b)に示す状態に
おいて、キー位置がIG状態で、第2の外部導体のアン
テナ側の一端ATを車体に対しダイレクトにアースした
状態での「周波数に対する介入ノイズのレベル」を示
す。全周波数帯域でノイズレベルは0〜−10dBに収
まっている。
【0038】図5の(c)は図3の(b)に示す状態に
おいて、キー位置がIG状態で、第2の外部導体のラジ
オ側の一端RTを車体に対しダイレクトにアースした状
態での「周波数に対する介入ノイズのレベル」を示す。
全周波数帯域でノイズレベルは0〜−10dBに収まっ
ている。
【0039】上記測定結果から、二層シールド構造の同
軸ケーブル120の第2の外部導体をダイレクトにアー
スすれば、図3の(b)に示すように自動車のインスト
ルメント・パネル・ハーネス200と抱き合わせて装着
した場合でも、インストルメント・パネル・ハーネス2
00からのノイズの介入は殆ど阻止される。この結果、
一層シールド構造の同軸ケーブル110を用いた場合の
ように、図3の(a)に示す如く、自動車のインストル
メント・パネル・ハーネス200から、所定距離Lだけ
離した状態で装着する等の配慮を行なう必要がなくな
る。したがって車載用アンテナのフィーダとして、自動
車のインストルメント・パネル等にコンパクトに実装す
ることが可能となる。
【0040】(実施形態における特徴点) [1]実施形態に示された二層シールド構造の同軸ケー
ブルは、中心導体10の外周に第1の絶縁体21を介し
て第1の外部導体31を設け、この第1の外部導体31
の外周に第2の絶縁体22を介して第2の外部導体32
を設けた二層シールド構造の同軸ケーブルであって、前
記第1の外部導体31は、長手方向に垂直な断面が円形
をなす軟銅線で編んだ丸編組線からなり、前記第2の外
部導体32は、長手方向に垂直な断面が矩形をなす帯状
の軟銅線で編んだ平編組線からなることを特徴としてい
る。
【0041】上記の二層シールド構造の同軸ケーブルに
おいては、中心導体10、第1の絶縁体21、丸編組線
からなる第1の外部導体31で構成される情報送受信回
路の外側に、第2の絶縁体22を介して電磁波遮蔽効果
に優れた平編組線からなる第2の外部導体32が設けら
れているので、この第2の外部導体32を例えば車体等
の大地相当部に対し接地することにより、外部から介入
しようとする雑音が上記第2の外部導体32によって遮
ぎられることになる。これにより上記第2の外部導体3
2よりも内側に位置する前記情報送受信回路への雑音介
入が阻止され、外部からの雑音の影響を低減できる。
【0042】また第2の外部導体32は帯状の軟銅線で
編んだ平編組線で形成されているため、通常の丸軟胴線
で編んだ編組線に比べてかなり薄いものとなる。その結
果、第1の外部導体31と第2の外部導体32とが二層
に設けられた二層シールド構造の同軸ケーブルでありな
がら、同軸ケーブル外径を、既存の一層シールド構造の
同軸ケーブル外径と同等の大きさにすることが可能とな
る。この結果、同軸ケーブルに付設される既存の各種部
品、たとえば差し込みプラグその他の接続機構等をその
まま利用することが可能であり、コストアップを避ける
ことができる。
【0043】[2]実施形態に示された二層シールド構
造の同軸ケーブルは、前記[1]に記載の同軸ケーブル
であって、前記第1の外部導体31と第2の外部導体3
2との間に介在している第2の絶縁体22は、非発泡ポ
リエチレンを押出し成形加工することにより形成された
絶縁フィルムであることを特徴としている。
【0044】上記の二層シールド構造の同軸ケーブルに
おいては、第2の絶縁体22が非発泡ポリエチレン製の
絶縁フィルムで形成されているため、その厚みは極めて
薄いものとなる。このため前記第2の外部導体32が、
帯状の軟銅線で編まれた平編組線であることと相俟っ
て、同軸ケーブル外径を更に小径化することが可能であ
り、規定の外径以下の二層シールド構造の同軸ケーブル
を容易且つ的確に得ることが可能となる。
【0045】[3]実施形態に示された二層シールド構
造の同軸ケーブルは、前記[1]または[2]に記載の
同軸ケーブルであって、前記第2の外部導体32をダイ
レクトに接地するためのダイレクト接地手段50を更に
備えていることを特徴としている。
【0046】上記の二層シールド構造の同軸ケーブルに
おいては、第2の外部導体32を、第1の外部導体31
等とは別個に、車体などの大地相当物へ直接的に接地す
ることが可能となる。したがって組み付け作業等の単純
化がはかられ、実装作業の作業性が向上する。また第2
の外部導体32によるシールド機能が確実に発揮され得
るものとなる。
【0047】[4]実施形態に示された二層シールド構
造の同軸ケーブルは、前記[3]に記載の同軸ケーブル
であって、前記ダイレクト接地手段50は、アース線5
1と、このアース線51の一端51aを、露出状態にさ
れた前記第2の外部導体32の外周面に対し、カシメ手
段により圧着する圧着部材52と、前記アース線51の
他端を、大地ないし大地相当部に接続する接続端子53
とを備えたことを特徴としている。
【0048】上記の二層シールド構造の同軸ケーブルに
おいては、[3]と同様の作用効果を奏する上、同軸ケ
ーブル本体の任意な個所において、端末処理が比較的困
難な帯状の軟銅線で編まれた平編組線を、容易且つ的確
にダイレクト接地することが可能となる。
【0049】(変形例)実施形態に示された二層シール
ド構造の同軸ケーブルは、下記の変形例を含んでいる。
【0050】・第1の外部導体31及び第2の外部導体
32の双方とも、長手方向に垂直な断面が矩形をなす帯
状軟銅線で編んだ編組線で形成されているもの。
【0051】・第2の外部導体32の複数箇所を同時に
ダイレクト接地するようにしたもの。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、下記のような作用効果
を有する二層シールド構造の同軸ケーブルを提供でき
る。
【0053】(a)シールド機能に優れている平編組線
で形成された第2の外部導体が、ダイレクト接地可能な
如く設けられているため、シールド効果その他の必要な
特性を十分に発揮できる。
【0054】(b)第2の外部導体が平編組線で形成さ
れていること等から、ケーブル本体の外径を所定の値以
下に設定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る二層シールド構造の
同軸ケーブルの構成を示す図で、(a)は同軸ケーブル
の主要部の構成を示す斜視図であり、(b)は第2の外
部導体の一部を切欠いて平編組線の構造を示す斜視図で
あり、(c)は(b)のC−C線矢視断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る二層シールド構造の
同軸ケーブルにおけるケーブル本体の製造方法を示す図
で、(a)は製造の工程を示すブロック図、(b)は製
造された同軸ケーブル本体の軸心と直交する断面を示す
断面図である。
【図3】(a)(b)は本発明の一実施形態に係る二層
シールド構造の同軸ケーブルに関する実験の概要説明
図。
【図4】(a)〜(c)は本発明の一実施形態に係る二
層シールド構造の同軸ケーブルに関する実験結果(ノイ
ズレベル測定結果)を示す図。
【図5】(a)〜(c)は本発明の一実施形態に係る二
層シールド構造の同軸ケーブルに関する実験結果(ノイ
ズレベル測定結果)を示す図。
【符号の説明】
10…中心導体 21…第1の絶縁体 31…丸編組線からなる第1の外部導体 22…絶縁フィルムからなる第2の絶縁体 32…平編組線からなる第2の外部導体 40…外部被覆 50…ダイレクト接地手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01R 17/04 J (72)発明者 榊原 学 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 5G355 AA10 BA04 BA08 CA06 5G375 AA10 CA03 CA13 CC07 DA08 DA36 DB11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心導体の外周に第1の絶縁体を介して第
    1の外部導体を設け、この第1の外部導体の外周に第2
    の絶縁体を介して第2の外部導体を設けた二層シールド
    構造の同軸ケーブルであって、 前記第1の外部導体は、長手方向に垂直な断面が円形を
    なす軟銅線で編んだ丸編組線からなり、前記第2の外部
    導体は、長手方向に垂直な断面が矩形をなす帯状の軟銅
    線で編んだ平編組線からなることを特徴とする二層シー
    ルド構造の同軸ケーブル。
  2. 【請求項2】前記第1の外部導体と第2の外部導体との
    間に介在している第2の絶縁体は、非発泡ポリエチレン
    を押出し成形加工することにより形成された絶縁フィル
    ムであることを特徴とする請求項1に記載の二層シール
    ド構造の同軸ケーブル。
  3. 【請求項3】前記第2の外部導体をダイレクトに接地す
    るためのダイレクト接地手段を、更に備えていることを
    特徴とする請求項1または2に記載の二層シールド構造
    の同軸ケーブル。
  4. 【請求項4】前記ダイレクト接地手段は、アース線と、
    このアース線の一端を、露出状態にされた前記第2の外
    部導体の外周面に対し、カシメ手段により圧着する圧着
    部材と、前記アース線の他端を、大地ないし大地相当部
    に接続する接続端子とを備えたことを特徴とする請求項
    3に記載の二層シールド構造の同軸ケーブル。
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