JP2003058254A - 位置・姿勢制御装置 - Google Patents

位置・姿勢制御装置

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JP2003058254A
JP2003058254A JP2001245122A JP2001245122A JP2003058254A JP 2003058254 A JP2003058254 A JP 2003058254A JP 2001245122 A JP2001245122 A JP 2001245122A JP 2001245122 A JP2001245122 A JP 2001245122A JP 2003058254 A JP2003058254 A JP 2003058254A
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displacement
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Takehiko Mayama
武彦 間山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体露光装置を搭載する定盤の位置・姿勢
制御装置において、定盤の基準位置に対する変位量を検
出する変位検出手段の検出精度を高めて、非常に高い位
置・姿勢制御精度を実現する。 【解決手段】 半導体露光装置を搭載する定盤の基準位
置に対する変位量を変位検出手段で検出し、該検出信号
に適切な補償演算を施して得られる補償信号に基づいて
前記定盤に制御力を加えるアクチュエータを制御するこ
とで、前記定盤を所定の位置・姿勢に維持する位置・姿
勢制御装置において、前記変位検出手段を、所定温度範
囲内に温度が調節された空気の流れの中に配置する。ま
たは、これに加えて、変位検出手段やそれが配置された
空間の空気の温度を検出し、該温度検出信号を補償して
得られた信号に基づき、加熱手段、送風温度調節手段な
どを用いて、その温度調節を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体露光装置等
の精密機器を搭載する定盤を防振支持する位置・姿勢制
御装置に係り、特に、定盤の振動を検出する振動検出手
段の検出精度を高めて、非常に高い位置・姿勢制御精度
を実現する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体露光装置の高精度化に伴い、より
高性能な除振装置が求められている。半導体露光装置に
おいては、露光に悪影響を及ぼす振動が露光用ステージ
や露光装置本体を構成する構造体に発生しないようにす
る必要がある。そのためには、露光装置本体を床などの
装置設置基礎からの振動をはじめとする外部振動から極
力絶縁するとともに、装置本体に搭載されたXYステー
ジなどの駆動手段を有する機器の動作によって発生する
振動を速やかに低減する必要がある。
【0003】特に半導体露光装置では、露光用XYステ
ージのステップ・アンド・リピートという間欠的な繰り
返し動作、あるいは、スキャニング露光のためのスキャ
ン動作が、装置本体の振動を励起する。XYステージの
駆動反力、および、XYステージの荷重移動が装置本体
を構成する機器や構造物を励振してしまうのである。従
ってこの分野における除振装置には、床などの装置設置
基礎からの振動をはじめとする外部振動から装置本体を
振動的に絶縁するとともに、装置本体に搭載された機器
の動作によって発生する装置本体の振動を効果的に低減
・抑制することが必須条件として求められている。特に
スキャン露光装置では、露光用ステージがスキャン動作
をしている状態で露光を行なうため、振動の低減・抑制
性能への要求は厳しく、一段と高性能な除振装置が不可
欠となっている。
【0004】また、半導体露光装置には、除振装置の上
に搭載された、有害振動から保護すべき機器と、除振装
置には搭載されずにその周辺に配置されている機器とが
あるが、必要な露光性能を確保するためには、それら相
互の位置関係を、常にある一定の範囲内に、精度よく、
維持しておく必要がある。
【0005】さらに、半導体露光装置のなかには、2つ
以上の構造体をそれぞれ別々の防振支持手段で支持する
構成のものもある。例えば、特登録02583120「露光装
置」で開示されている半導体露光装置では、露光する回
路パターンの原版であるレチクルおよびこれを投影露光
するための光学レンズシステムを搭載する構造体と、該
パターンの被露光体であるシリコンウエハを載置するウ
エハステージを搭載する定盤とを、別々の除振装置で防
振支持している。この種の装置では、高精度の露光を実
現するために、別々の除振装置によって防振支持された
レチクル、光学レンズシステム、およびシリコンウエハ
などの位置関係を高い精度で維持する必要がある。つま
り、この種の装置では、除振装置に搭載された機器と、
周辺に配置された機器との相互位置関係を精度よく維持
するとともに、別々に防振支持された2つ以上の構造体
相互の位置関係をミクロンオーダ、あるいはサブミクロ
ンオーダで維持することが求められるのである。
【0006】特に、このような2つ以上の構造体を別々
に防振支持する構造を採用した、走査露光型の半導体露
光装置では、2つ以上の構造体や定盤の、相互の位置・
姿勢を、特に高い精度で制御しなければならない。走査
露光型の半導体露光装置は、露光する回路パターンなど
の原版であるレチクルと、該パターンの被露光体である
シリコンウエハを高い精度で同期スキャンさせ、露光を
行なうものである。そのために、レチクルおよびシリコ
ンウエハのそれぞれを載置する構造体を別々に防振支持
する構成とした場合、相互の構造体の位置・姿勢の関係
を非常に高い精度で、所望の状態に維持しなればならな
いのである。
【0007】このような要求に対応すべく、半導体露光
装置においては、露光装置本体を搭載する定盤の振動お
よび位置を加速度センサ、速度センサ、および位置セン
サなどのセンサで検出し、その検出信号を補償して、定
盤に制御力を加えるアクチュエータにフィードバックす
ることにより能動的に、定盤の振動と位置・姿勢の制御
を行なう、各種の能動除振装置が開発され、広く適用さ
れている。
【0008】半導体露光装置用の除振装置としては、従
来から、定盤を装置設置基礎上で支持する空気ばね、あ
るいは、そのような空気ばね、および、これと力学的に
並列に配置され、定盤と装置設置基礎の間に制御力を作
用させる電磁アクチュエータなどを併用したものをアク
チュエータとして用いて、定盤の振動と位置・姿勢を制
御する構成の装置が広く用いられてきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
半導体露光装置用の除振装置では、露光装置を搭載する
定盤の位置・姿勢制御性能向上への要求が益々高まって
いる。半導体露光装置などの精密機器用の除振装置に対
しては、数ミリメートル程度の動作ストロークで、数ミ
クロンからサブミクロンレベルの位置・姿勢制御動作を
要求されるようになってきている。動作レンジの1/1
000(0.1%)以下の変位を安定かつ確実に検出
し、制御しなければならないのである。そのために、位
置・姿勢制御を行なうために用いる変位検出手段自体
に、非常に高い検出精度が要求される。
【0010】通常、位置・姿勢制御系においては、必要
な位置・姿勢制御精度の1/10以下の変位検出精度
(分解能)を確保しておくことが望ましい。例えば、動
作ストローク5mmの位置・姿勢制御装置において、1
μmの制御精度を得るためには、0.1μm以下の変位
検出精度が望まれる。動作ストロークの0.002%の
検出分解能が変位検出手段に要求されるのである。
【0011】しかしながら、従来の精密機器搭載用の位
置・姿勢制御装置において広く用いられている、非接触
型の発振型近接センサ等を用いた場合、動作ストローク
の0.002%という高い検出分解能を実現すること
は、困難である。
【0012】勿論、より変位検出精度の高い変位計を用
いれば、高い検出精度を得ることはできるが、これには
コストアップが伴う。除振装置では、防振支持対象であ
る精密機器を所定姿勢に保つために、少なくとも、防振
支持対象の6自由度の運動自由度に対して、制御を施す
必要がある。従って、除振装置では、複数の、望ましく
は、6台以上の変位検出手段を用いる必要があり、高価
な測長器をこの種の分野に用いることは、できる限り回
避したい。
【0013】また、動的または過渡的な位置および姿勢
制御性能である除振および防振性能を考慮した場合、加
速度センサや速度センサの検出精度の確保も重要であ
り、ここに説明した変位検出手段と同様の課題が発生し
ている。
【0014】本発明は、このような課題を解決するため
のものであり、半導体露光装置本体等の精密機器を搭載
する位置・姿勢制御装置において、比較的廉価な振動検
出手段を用いて、その検出精度を高め、従来にはない非
常に高精度の位置・姿勢制御性能を有する装置を提供す
ることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
すべく、本発明では、半導体露光装置本体等の精密機器
を搭載する定盤の位置・姿勢制御に用いる振動検出手
段、またはそれが配置された空間の空気の温度を迅速か
つ高精度で所定値に維持することで、振動検出手段の検
出精度を高めるようにしている。つまり、本発明の装置
は、その防振支持対象である精密機器を搭載する定盤
と、この定盤の振動を検出する振動検出手段とを備えた
位置・姿勢制御装置であって、前記振動検出手段を所定
温度範囲内に温度調節する温調手段を具備することを特
徴とする。
【0016】ここで、防振支持対象である精密機器は、
例えば、半導体露光装置の全体または一部である。ま
た、温調手段は、例えば、振動検出手段を所定温度範囲
内に温度が調節された空気の流れの中に配置することに
より、その振動検出手段の温度を調節する。温調手段と
しては空冷と液冷とがあるが、空冷の場合は、液冷の場
合に比較して被冷却体である振動検出手段に振動を与え
ず、測定に有利である。さらに、液冷の場合は、被冷却
体の中または周囲に冷却液の流路を管などで形成する必
要があり、その点でも空冷の方が有利である。振動検出
手段は、例えば、前記定盤の基準位置に対する変位量を
検出して出力する変位検出手段である。
【0017】振動検出手段が変位検出手段である場合、
この位置・姿勢制御装置は、前記定盤が位置すべき所定
目標位置を表わす信号と前記変位検出手段の検出信号と
の差信号である位置偏差信号に適切な補償演算を施す位
置偏差補償演算手段と、前記位置偏差補償演算手段で得
られる補償信号に基づいて前記定盤に制御力を加えるア
クチュエータとを備え、前記定盤を所定の位置・姿勢に
維持する機能を備えたものであることが望ましい。この
装置における前記変位検出手段は、所定温度範囲内に温
度が調節された空気が流されている送風路の中に配置さ
れたものであることが望ましい。
【0018】また、この装置は、前記変位検出手段の温
度、または、前記変位検出手段が配置された空間の空気
の温度を検出して出力する温度検出手段と、所定の温度
目標値信号と前記温度検出手段の検出信号との差信号で
ある温度偏差信号に適切な補償演算を施す温度偏差補償
演算手段と、該温度偏差補償演算手段で得られる補償信
号に基づいて、前記変位検出手段が配置された空間に流
される空気の温度を調節する送風温度調節手段とを備
え、前記変位検出手段、および、該変位検出手段が配置
された空間の空気の温度を所定値に維持する機能を備え
たものであることが望ましい。
【0019】または、この装置は、前記変位検出手段の
温度を検出して出力する温度検出手段と、前記変位検出
手段に熱を加える加熱手段と、所定の温度目標値信号と
該温度検出手段の検出信号との差信号である温度偏差信
号に適切な補償演算を施す温度偏差補償演算手段とを備
え、前記温度偏差補償演算手段で得られる補償信号に基
づいて該加熱手段による加熱量を調節して、前記変位検
出手段の温度を所定値に維持する機能を備えたものであ
ってもよい。この場合、前記加熱手段は、電気抵抗によ
る発熱効果を利用して前記変位検出手段に熱を加える電
気ヒータを用いることができる。
【0020】前記変位検出手段には、電気コイルを備え
た検出ヘッドと、検出対象たる金属面と、前記電気コイ
ルのインピーダンス変動を検知して変位信号を出力する
アンプ回路とを備え、該電気コイルから発せられる磁力
線の作用により検出対象たる金属面に渦電流を発生さ
せ、その磁界の影響により生じる該電気コイルのインピ
ーダンス変動をもとに、該検出ヘッドと該検出対象との
距離の変位量を検出する、発振型近接センサを好適に用
いることができる。
【0021】このような、半導体露光装置用の位置・姿
勢制御装置においては、前記定盤は、防振支持手段で支
持されたものであることが望ましい。また、前記定盤に
制御力を加えるアクチュエータとしては、空気ばねと、
前記空気ばねの内部圧力を電気指令信号によって調整す
る制御弁とからなる空気圧駆動式アクチュエータを好適
に用いることができ、該空気ばねは前記定盤を支持する
防振支持手段を兼ねたものとすることができる。
【0022】また、前記変位検出手段は、前記定盤の各
部に複数台数配置されたものであり、前記定盤が位置す
べき所定目標位置を表わす信号と前記の複数台数配置さ
れた変位検出手段の検出信号とから前記定盤の並進・回
転の各運動モードごとの位置偏差信号を抽出して出力す
るモード偏差抽出手段と、モード偏差抽出手段の出力信
号に適切な補償演算を施すモード偏差補償演算手段と、
モード偏差補償演算手段で得られた補償信号を複数台数
配置された前記定盤に制御力を加えるアクチュエータに
対応させて分配する演算処理を施すモード分配演算手段
とを備え、前記定盤を所定の位置・姿勢に維持するよう
に動作する装置も本発明の範囲に含まれる。
【0023】
【作用】変位検出手段、特に、精密機器において広く用
いられている、非接触型の発振型近接センサやレーザ測
長器は、それらが配置されている環境などの影響を受け
て、検出誤差を発生する。これらの変位検出手段は、特
に、それが存在する空間や変位検出手段自体の温度変化
により、検出誤差を発生しやすく、精密機器における変
位検出の用途でこれらを適用する場合には、この点に十
分に配慮する必要がある。
【0024】この種の課題に対応するために、変位検出
手段のアンプ回路に温度補償回路を設けるなどして、変
位検出手段やそれが配置される空間の温度変化の影響を
その検出信号に与えないようにする技術が開発され、適
用されている。しかし、この技術を適用しても、変位検
出手段が配置される環境の温度が適切な状態に管理され
ていなければ、変位検出手段の検出信号に温度変動の影
響を及ぼしてしまう。
【0025】半導体露光装置においては、露光装置本体
は、精密に温度・湿度が制御されたチャンバの中に設置
されているため、装置の温度環境は、通常の産業機器に
比較して非常に高い精度で管理・維持されている。しか
し、実際には装置電源投入後のウオーミングアップによ
る温度変動や、装置を構成するアクチュエータや露光光
の経路上などで発生する熱などにより、局所的な温度変
化が生じてしまう場合がある。また、変位検出手段自身
のもつ電気回路が発生する熱やそれによる空気対流など
によっても、変位検出手段自体、および、その周辺の温
度変動や温度むらが生じ、その検出信号に外乱を与えて
しまうことがある。
【0026】通常、位置・姿勢制御系においては、必要
な位置・姿勢制御精度の1/10以下の変位検出精度
(分解能)を確保しておくことが望ましい。例えば、動
作ストローク5mmの位置・姿勢制御装置において、1
μmの制御精度を得るためには、0.1μm以下の変位
検出精度が望まれる。動作ストロークの0.002%の
検出分解能が変位検出手段に要求されるのである。変位
計の温度補償回路だけでは対応しきれない、非常に高い
検出精度が要求されているのである。
【0027】半導体露光装置では、露光に特に大きな影
響を及ぼす、光学レンズシステムや露光用シリコンウエ
ハの存在する空間などに関して、重点的に温度調節がな
されている。例えば、特開平09-082626「投影露光装
置」では、ウエハステージの精密位置決め制御に用いる
測長手段であるレーザ干渉計の空間温度を適切な状態に
調節して、この空間の空気の温度を均質にし、温度むら
などに起因した空気の温度ゆらぎを防止してレーザ干渉
計の検出精度を高める技術が開示されている。また、特
開平11-166991「ステージ装置、露光装置およびデバイ
ス製造方法」では、同様の目的で、レーザ干渉計の一部
をなす干渉計ミラーを温度調節する技術が開示されてい
る。
【0028】しかし、装置全体に対して高精度の温度管
理を行なうことは難しく、また、露光装置本体を支持す
る、除振装置の周辺に関しては、除振装置に構成される
アクチュエータの冷却系の他には、特に、その部位の温
度を維持することを意図した温度調節系は設けられてい
ないのが現状である。
【0029】本発明によれば、半導体露光装置本体を搭
載する定盤の位置・姿勢制御に用いる振動検出手段の検
出精度を悪化させる、振動検出手段自体、および/また
は、それが配置された空間の空気の温度を迅速かつ高精
度で所定値に維持することで、振動検出精度を高め、従
来にはない非常に高精度の位置・姿勢制御性能を有する
除振装置である位置・姿勢制御装置を提供することが可
能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例を挙げて説明する。 [実施例1]本実施例では、従来の装置に比較して非常
に高い精度で、安定的に半導体露光装置の位置・姿勢を
維持する、半導体露光装置用の位置・姿勢制御装置を開
示する。
【0031】図2に、半導体露光装置の構成の一例を示
す。この装置は、回路パターンを露光するシリコンウエ
ハを載置したウエハステージ94と、レチクルと呼ばれ
る回路パターンの原版を搭載するレチクルステージ95
およびパターンの投影露光に用いる光学レンズシステム
96とを、それぞれ、別々に防振支持する構成のもので
ある。
【0032】図2に示す装置では、装置設置基礎100
の上に、防振支持マウント92aを介して、回路パター
ンを露光するシリコンウエハを載置したウエハステージ
94と、ウエハステージ94を搭載するステージ定盤9
3とが設置され、また、防振支持マウント92bを介し
て、レチクルステージ95と、レチクルステージ95に
載置されたレチクルと呼ばれる回路パターンの原版をシ
リコンウエハに投影露光するために用いる光学レンズシ
ステム96を搭載した鏡筒定盤97とが設置されてい
る。
【0033】防振支持マウント92a、92bは、装置
設置基礎100に直接設置するのではなく、パレットや
ベースプレートなどと称される基礎構造物91の上に固
定されている。基礎構造物91は、防振支持マウント9
2a、92bそれぞれの上に搭載された機器相互、およ
び、図2では図示を省略した、防振支持マウント92
a、92bの上には搭載されていない、半導体露光装置
を構成する他の機器との相対位置関係を維持するための
基準として機能する。また、基礎構造物91は、半導体
露光装置全体を載置して、一括して輸送するための基礎
部材としても機能することもある。図2では図示を省略
したが、基礎構造物91の下には、高剛性の高さ調整機
構が設けられており、装置設置基礎100の状況に応じ
てこれを調整することで、半導体露光装置全体の基礎と
なる基礎構造物91を所定の姿勢に設置できるようにな
っている。
【0034】光学レンズシステム96は、レチクルステ
ージ95とウエハステージ94の間に配置される。そし
て、照明光学系98から照射される露光光をレチクルに
当て、レチクル上の回路パターンを光学レンズシステム
96を介してシリコンウエハに投影露光する。
【0035】半導体露光装置は、その露光方式により一
括露光型(ステッパ)および走査露光型(スキャナ)な
どに分類される。一括露光型の装置の場合は、ウエハス
テージ94をステップ・アンド・リピートとよばれる間
欠的な動作方式で逐次駆動しながら、ある一定の露光エ
リア、例えば、ICなどの集積回路1個分のエリアを一
括して露光する。一方、走査露光型の装置の場合は、ウ
エハステージ94とレチクルステージ95を同期動作さ
せ、レチクル上の回路パターンをウエハ上に走査露光す
る。走査露光型の装置の場合、レチクルステージ95
は、一括露光型の装置で必要とされるものに比較して、
大きな動作ストロークを、比較的大きな駆動力で、駆動
させられる。
【0036】半導体露光装置では、防振支持マウントの
上に搭載された、有害振動から保護すべき機器と、防振
支持マウントには搭載されていない機器とがあり、か
つ、それら相互の位置関係を、常に、ある一定の範囲内
に維持する必要がある。図2では図示を省略したが、防
振支持マウントに搭載されていない機器としては、ウエ
ハフィーダや、レチクルチェンジャや、光源などがあ
る。
【0037】また、図2の半導体露光装置のように防振
支持マウントに支持された構造体が2つ以上存在する半
導体露光装置においては、それらの構造体相互の位置関
係をミクロンオーダ、あるいは、サブミクロンオーダで
維持することが求められる。特に、走査露光型の半導体
露光装置の場合、これら2つの構造体の位置関係をミク
ロンオーダ、あるいは、サブミクロンオーダで、常時維
持することが、所定露光性能を確保するための前提条件
として要求される。
【0038】本実施例では、このような厳しい要求に対
応すべく、以下に詳細に説明する、半導体露光装置用の
高精度の位置・姿勢制御装置を開示する。図1は、図2
の構成の半導体露光装置に構成される、半導体露光装置
の位置・姿勢制御装置を模式的に表した図面である。以
降、図1を用いて、本発明の第1の実施例を説明する。
【0039】なお、図1では、防振支持手段で支持され
た構造体を1つだけ図示している。これは、図2におい
ては、防振支持マウント92aで支持された構造体、ま
たは、防振支持マウント92bで支持された構造体のい
ずれかに対応する。ここでは、説明を容易にするため
に、1つの構造体を対象にした図1を用いて、説明を行
なう。
【0040】また、本発明の適用範囲は、図2に示した
ような、2つ以上の構造体を別々に防振支持する半導体
露光装置に限定されない。つまり、有害振動から保護す
べき精密機器を一括してひとつの構造体に搭載し、これ
を防振支持する構成の半導体露光装置における、該構造
体の精密位置・姿勢制御手段への適用も、本発明の範囲
に含まれる。
【0041】図1の装置は、半導体露光装置を構成する
機器6、機器6を搭載する定盤1、定盤1を装置設置基
礎7の上で防振支持する防振支持マウント2、定盤1の
基準位置に対する変位量を検出する変位検出手段3、変
位検出手段3の検出信号に基づき適切な補償演算を施す
位置補償演算手段4、位置補償演算手段4で得られた補
償信号をもとに、防振支持マウント2に構成された、定
盤1に制御力を加えるアクチュエータを駆動する駆動回
路5などから構成される。
【0042】また、変位検出手段3が配置された空間に
所定温度範囲内に温度が調節された空気を流すための送
風ダクト11、13、および、変位検出手段3やそれが
配置された空間の空気の温度を適切な状態に維持すべ
く、送風ダクト11、13を経由して送られてきた空気
の流れを整えて変位検出手段3を温度調節された空気の
流れのなかに適切な状態に配置させるための覆いである
外装12、14が備えられている。変位検出手段3は、
外装12、14の内部に配置されている。送風ダクト1
1、13を経由して送られてくる空気は、送風温度調節
手段15を用いて、適切な温度に、必要な精度で、調整
・維持される。
【0043】ここでは、後で詳細に説明するように、検
出ヘッド30およびアンプ回路31などから構成される
変位検出手段3を適用する場合を例に説明を行なうこと
とし、送風ダクト11および外装12は、検出ヘッド3
0の配置されている空間に、送風ダクト13および外装
14は、アンプ回路31の配置されている空間に、それ
ぞれ、適切に温度調節された空気を流すために用いる。
【0044】定盤1は、図2において、ウエハステージ
94を搭載するステージ定盤93、または、レチクルス
テージ95と光学レンズシステム96を搭載する鏡筒定
盤97などに相当する。図1では、定盤1に搭載される
機器は、機器6として、簡略的に示している。
【0045】図3は、防振支持マウント2の一構成例を
示したものである。定盤1を鉛直支持する場合を例に示
してある。この防振支持マウント2は、空気ばね21、
空気タンク22、空気配管23および制御弁24などか
らなる。空気ばね21は、空気タンク22と連通して構
成されており、空気ばね21および空気タンク22には
空気が充填される。空気ばね21および空気タンク22
には、空気配管23を介して制御弁24が接続されてい
る。制御弁24は、空気ばね21および空気タンク22
への空気の給気・排気量を調整して、空気ばね21およ
び空気タンク22内の圧力を制御する弁である。この弁
は、電気的信号に従って制御されるもので、一般に、サ
ーボバルブ、電空比例弁などと呼ばれるものである。
【0046】この防振支持マウント2は、制御弁24を
調整して空気ばね21の内部圧力を制御することによ
り、定盤1に制御力を加えるアクチュエータとして機能
する。また、空気ばね21は、装置設置基礎7上で定盤
1を支持するための防振支持機構としても機能する。な
お、図3では図示しない、空気ばね21以外の防振支持
機構を併用して、防振支持マウント2を構成してもよ
い。
【0047】図1の変位検出手段3としては、電気コイ
ルを備えた検出ヘッド30と、検出対象たる金属面と、
前記電気コイルのインピーダンス変動を検知して変位信
号を出力するアンプ回路31とを備え、検出ヘッド30
に備えられた電気コイルから発せられる磁力線の作用に
より検出対象たる金属面に渦電流を発生させ、その磁界
の影響により生じる該電気コイルのインピーダンス変動
をもとに、検出ヘッド30と該検出対象との変位量を検
出する、発振型近接センサを好適に用いることができ
る。半導体露光装置を搭載する除振装置または位置・姿
勢制御装置で必要とされる変位検出分解能は、数ミクロ
ンからサブミクロン程度であることが一般的で、この種
の用途では、発振型近接センサを好適に用いることがで
きる。
【0048】図4は、検出ヘッド30周辺の構成を示
す。検出ヘッド30は、検出対象となる金属面30aと
対向して配置される。検出ヘッド30には図示を省略し
た電気コイルが備えられ、この電気コイルから発せられ
る磁力線の作用により検出対象たる金属面30aに渦電
流を発生させ、その磁界の影響により生じる該電気コイ
ルのインピーダンス変動をもとに、検出ヘッド30と金
属面30aとの間の、図4においてdで示された部分の
距離を検出する。変位に相当する信号は、検出ヘッド3
0に備えられた電気コイルのインピーダンス変動をもと
に、アンプ回路31で生成・出力される。
【0049】図4の構成では、金属面30aは、定盤1
またはそれに剛に締結された部材に、検出ヘッド30
は、変位測定基準、例えば、防振支持マウント2のうち
の装置設置基礎7に剛に締結されている部分に取付けら
れている。このような構成にすることによって、変位測
定基準位置に対する定盤1の変位量を検出することがで
きる。
【0050】本実施例の装置は、このような変位検出手
段が配置された空間に、前述の送風ダクト11、13お
よび外装12、14を用いて、所定温度範囲内に温度が
調節された空気を流し、変位検出手段が温度調節された
空気の流れのなかに適切な状態に配置されるようにす
る。
【0051】次に、図1の装置の動作を説明する。図1
の装置は、定盤1の所定基準位置に対する変位量を高い
精度で維持すべく、前述のように構成・配置した変位検
出手段3を用いて、定盤1の所定基準位置に対する変位
量を検出し、位置・姿勢制御を行なう。
【0052】変位検出手段3は、検出ヘッド30および
アンプ回路31などからなるが、検出ヘッド30は、送
風ダクト11および外装12を用いて、また、アンプ回
路31は、送風ダクト13および外装14を用いて、そ
れぞれ、適切に温度調節された空気が流されている空間
に配置されている。つまり、検出ヘッド30やアンプ回
路31自体や、それらが配置された空間には、変位検出
精度に悪影響を及ぼす温度変動や温度むらなどが発生し
にくい状態にある。従って、定盤1の所定基準位置に対
する変位量を非常に高い精度で検出できる。
【0053】このように構成された変位検出手段3にお
いて、非常に高い精度で検出された定盤1の基準位置に
対する変位の検出信号は、位置補償演算手段4に送られ
る。位置補償演算手段4では、定盤1を所定の目標位置
維持すべく、所定の位置目標値信号Rpと変位検出手段
3で検出された定盤1の基準位置に対する変位の検出信
号との差信号である位置偏差信号を算出し、この信号に
対して、位置偏差補償演算手段41にて、適切な補償演
算を施す。位置偏差補償演算手段41では、PID補償
器などの補償演算手段を適用することができる。本実施
例において、定盤1の位置を精密に制御するためには、
定盤1を維持すべき所定の目標位置に対して偏差なく位
置させるべく、積分演算を含む補償演算を実施すること
が必須である。
【0054】位置補償演算手段4は、この位置偏差補償
演算手段41で得た補償信号を出力し、これを駆動回路
5へ送る。駆動回路5は、位置補償演算手段4で得た補
償信号をもとに、防振支持マウント2に構成された、定
盤1に制御力を加えるアクチュエータを駆動する。この
ような動作により、定盤1は、所定位置に、高精度で維
持・制御される。
【0055】このように本実施例の装置では、変位検出
手段3やそれが配置されている空間の空気の温度が適切
な状態に調節・管理されている。そのため、変位検出手
段の配置されている空間の周辺に発熱体の作用や温度変
動があっても、変位検出手段3自体、および、それが配
置されている空間の温度変動を非常に小さいものにする
ことができる。
【0056】つまり、本実施例の装置では、変位検出手
段自体、および、それが配置されている空間の空気の温
度の変動を可能な限り抑制することによって非常に高い
変位検出精度を実現した変位検出手段を、半導体露光装
置本体を搭載する定盤の位置・姿勢制御に用いている。
従って、半導体露光装置本体の位置・姿勢を非常に高い
精度で制御することができる。
【0057】変位検出原理の異なる、より高い検出精度
を有する変位検出手段を用いれば、位置・姿勢の制御精
度を高めることは可能であるが、これにはコストアップ
がともなう。一方、本実施例の装置によれば、半導体露
光装置のなかで容易に確保することができる、温度調節
された空気を用いて、変位検出手段の検出精度を低下さ
せる大きな要因となる、温度変動を抑制するため、発振
型近接センサなど、既に利用されているタイプの変位検
出手段を用いても、従来よりも、変位検出精度を高める
ことができ、より精密な位置・姿勢制御を行なうことが
できる。
【0058】なお、ここでは、1台の防振支持マウント
2を対象として、制御構成の一例を説明したが、定盤1
は、通常、3台以上の防振支持マウント2で支持され
る。その場合は、ここに説明したような制御構成・動作
を、各防振支持マウント2で実現すればよいことはいう
までもない。
【0059】また、半導体露光装置用の防振支持マウン
トは、本実施例で説明した位置・姿勢制御のための構成
に加えて、加速度センサや、電磁アクチュエータなどを
用いて、能動的に振動制御を行なう構成を備えているこ
とが多い。このような装置における位置・姿勢制御系に
おいて、ここで説明した装置と同様の構成を採用した場
合も、本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
【0060】[実施例2]本発明の第2の実施例とし
て、ここでは、変位検出手段に、変位検出手段自体の温
度を検出する温度検出手段と、変位検出手段を加熱する
手段を備え、これらを利用して、より高精度に変位検出
手段の温度を調節して、変位検出精度を高めた例を説明
する。
【0061】本実施例は、図5を用いて説明する。な
お、本実施例で説明する装置と、実施例1で説明した装
置との相違点は、本実施例における変位検出手段は、変
位検出手段自体の温度を検出する温度検出手段と変位検
出手段に熱を加える加熱手段とを備え、これらを利用し
て、変位検出手段の温度を調節する機能を備えている点
である。これ以外の構成要素やその動作は、本実施例と
実施例1とで同じであるので説明を省略する。以下、実
施例1とは構成・動作の異なる変位検出手段について説
明を行なう。
【0062】本実施例で開示する装置では、実施例1で
説明した変位検出手段3の代わりに、変位検出手段3b
を用いている。変位検出手段3bは、実施例1における
変位検出手段3と同様、送風ダクト11、13、外装1
2、14、および、送風温度調節手段15を用いて、変
位検出手段3bやそれが配置された空間の空気の温度を
適切な状態に維持するように構成している。変位検出手
段3bには、実施例1で説明した装置と同様、発振型近
接センサを基本としたものを用いることとして、説明を
行なう。つまり、変位検出手段3bは、電気コイルを備
えた検出ヘッド30bと、検出対象たる金属面と、前記
電気コイルのインピーダンス変動を検知して変位信号を
出力するアンプ回路31bとを備え、検出ヘッド30b
に備えられた電気コイルから発せられる磁力線の作用に
より検出対象たる金属面に渦電流を発生させ、その磁界
の影響により生じる該電気コイルのインピーダンス変動
をもとに、該検出ヘッドと該検出対象との変位量を検出
する構成のものとして説明する。
【0063】本実施例で開示する装置では、変位検出手
段3bを構成する、検出ヘッド30bおよびアンプ回路
31bのそれぞれに対して温度調節系を構成して、変位
検出精度を高めるようにしている。以下、検出ヘッド3
0b、アンプ回路31b、それぞれの温度調節系につい
て説明を行なう。
【0064】まず、検出ヘッド30bの温度調節系につ
いて説明する。図6は、検出ヘッド30b周辺の構成を
示す。検出ヘッド30bは、検出対象となる金属面30
aと対向して配置されている。検出ヘッド30bには図
示を省略した電気コイルが備えられ、この電気コイルか
ら発せられる磁力線の作用により検出対象たる金属面に
渦電流を発生させ、その磁界の影響により生じる該電気
コイルのインピーダンス変動をもとに、検出ヘッド30
bと金属面30aとの間の、図6においてdで示された
部分の距離を検出する。変位に相当する信号は、検出ヘ
ッド30bに備えられた電気コイルのインピーダンス変
動をもとに、アンプ回路31bで生成・出力される。
【0065】図6の構成では、金属面30aは定盤1、
または、それに剛に締結された部材に、検出ヘッド30
bは、変位測定基準、例えば、防振支持マウント2のう
ちの装置設置基礎7に剛に締結されている部分に取付け
られている。このような構成にすることによって、変位
測定基準位置に対する定盤1の変位量を検出することが
できる。
【0066】また、検出ヘッド30bは、図6に示すよ
うに、検出ヘッド30bの温度を検出するヘッド温度検
出手段32a、および、検出ヘッド30bを加熱するヘ
ッド加熱手段33aを備えている。ヘッド温度検出手段
32a、ヘッド加熱手段33aは、以下に詳細に説明す
る、検出ヘッド30bの温度調節に用いる。
【0067】ヘッド温度検出手段32aの検出信号は、
図5に示す、温度補償演算手段35aに送られる。温度
補償演算手段35aでは、検出ヘッド30bの所定温度
目標値に相当する信号Rtaとヘッド温度検出手段32
aで得られた検出ヘッド30bの温度検出信号との差信
号、つまり、温度偏差信号を算出し、温度偏差補償演算
手段36aにて、この信号に適切な補償演算を施す。温
度目標値信号Rtaは、検出ヘッド30bやその設置環
境の熱的条件、特に、検出ヘッド内の電気回路からの発
熱を考慮し、平衡状態における温度として適切な値を予
め確定して設定する。温度偏差補償演算手段36bとし
ては、通常、PID調節器、あるいは、PI調節器が用
いられる。ここでは、温度調節対象である検出ヘッド3
0bの温度を一定の値に高精度で維持するために、積分
(I)補償を備えた調節器を用いることが望ましい。
【0068】温度補償演算手段35aは、温度偏差補償
演算手段36aで得られた補償信号を出力する。この補
償信号は、ヘッド加熱手段33aを制御する加熱アンプ
回路34aに送られる。加熱アンプ回路34aは、温度
補償演算手段35aで得られた補償信号に基づいて、ヘ
ッド加熱手段33aの発熱量を調節し、検出ヘッド30
bの温度を所定値に維持するように作用する。
【0069】なお、このような検出ヘッドの温度調節系
を構成するにあたっては、温度目標値Rtaを、ダクト
11および外装12を介して送られる空気の温度よりや
や高めに設定しておくとよい。検出ヘッド30bには電
気コイルが構成されているため、ヘッド加熱手段33a
を動作させなくても、該電気コイルの発熱により、検出
ヘッド30bの温度は周辺の空気の温度よりやや高い温
度で平衡状態に達するためである。また、このような設
定にしておけば、検出ヘッド30bの温度が温度目標値
Rtaより高くなっても、ヘッド加熱手段33aの発熱
量を小さく抑えることでこの部位の温度を下げることが
できる。温度調節された空気の温度が、温度目標値Rt
aより低いためである。検出ヘッド30bの温度調節系
は、以上のようにして構成し、動作させる。
【0070】次に、アンプ回路31bの温度調節系につ
いて説明する。図7は、アンプ回路31b周辺の構成を
示す。アンプ回路31bは、図7に示すように、アンプ
回路31bの温度を検出するアンプ温度検出手段32
b、および、アンプ回路31bを加熱するアンプ加熱手
段33bを備える。
【0071】アンプ温度検出手段32bの検出信号は、
図5に示す温度補償演算手段35bに送られる。温度補
償演算手段35bでは、アンプ回路31bの所定温度目
標値に相当する信号Rtbとアンプ温度検出手段32b
で得られたアンプ回路31bの温度検出信号との差信
号、つまり、温度偏差信号を算出し、温度偏差補償演算
手段36bにて、この信号に適切な補償演算を施す。温
度目標値信号Rtbは、アンプ回路31bやその配置環
境の熱的条件、特に、アンプ回路からの電気的発熱を考
慮し、平衡状態における温度として適切な値を予め確定
して設定する。温度偏差補償演算手段36bとしては、
通常、PID調節器、あるいは、PI調節器が用いられ
る。ここでは、温度調節対象であるアンプ回路31bの
温度を一定の値に高精度で維持するために、積分(I)
補償を備えた調節器を用いることが望ましい。
【0072】温度補償演算手段35bは、温度偏差補償
演算手段36bで得られた信号を出力し、この信号は、
アンプ加熱手段33bを制御する加熱アンプ回路34b
に送られる。加熱アンプ回路34bは、温度補償演算手
段35bで得られた補償信号に基づいて、アンプ加熱手
段33bの発熱量を調節し、アンプ回路31bの温度を
所定値に維持するように作用する。
【0073】アンプ回路の温度目標値Rtbの設定に関
しても、検出ヘッドの温度調節系と同様に、ダクト13
および外装14を介して送られる空気の温度よりやや高
めに設定しておくとよい。アンプ回路31bの温度調節
系は、以上のようにして構成し、動作させる。
【0074】なお、以上に説明した温度調節系で用いる
ヘッド加熱手段33a、アンプ加熱手段33bには、電
気抵抗による発熱効果を利用した電気ヒータなどを用い
ることができる。また、ここでは、検出ヘッド30bと
アンプ回路31bの双方の温度調節系を個別に説明した
が、これらを両方適用した構成にしてもよいし、もちろ
ん、検出ヘッドとアンプ回路のいずれか一方にのみ温度
調節系を構成してもよい。
【0075】以上、説明したように、本実施例で開示し
た装置は、変位検出手段自体の温度を検出し、その検出
信号に基づいて、変位検出手段の温度を精度よく維持す
る機能を有する。そのために、変位検出手段の温度を、
従来の半導体露光装置搭載用の精密位置・姿勢制御装置
よりも、また、実施例1で説明した装置よりも、精密に
調節・維持することができ、よって、このような変位検
出手段を用いて位置・姿勢制御を行なうことにより、温
度変動による変位検出値の変動も小さく抑制できて、非
常に高い変位検出精度、および、位置・姿勢制御性能を
実現することが可能となる。
【0076】また、変位検出手段は、電源投入後に電気
的な発熱によって温度上昇が発生し、変位検出手段が配
置された空間の空気の温度より若干高い温度で熱的な平
衡状態に達して、温度が安定するが、本実施例が開示す
る装置において、所定温度目標値Rta、Rtbを、こ
のような平衡状態における温度に設定すれば、温度調節
系の動作によって、より迅速に熱的な平衡状態に達する
ようにすることができる。つまり、変位検出手段のウオ
ーミングアップ時間の短縮にも効果的である。
【0077】なお、ここでは、図5を用いて、1台の防
振支持マウント2の対象として、制御構成の例を説明し
たが、定盤1は、通常、3台以上の防振支持マウント2
で支持される。その場合は、ここに説明したような制御
構成・動作を、各防振支持マウント2で実現すればよい
ことはいうまでもない。
【0078】また、半導体露光装置用の防振支持マウン
トは、本実施例で説明した位置・姿勢制御のための構成
に加えて、加速度センサや、電磁アクチュエータなどを
用いて、能動的に振動制御を行なう構成を備えているこ
とが多い。このような装置における位置・姿勢制御系に
おいて、ここで説明した装置と同様の構成を採用した場
合も、本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
【0079】[実施例3]実施例2では、変位検出手段
自体の温度を検出し、この検出信号をもとに、変位検出
手段を加熱する手段を用いて、その温度を調節する装置
を開示した。本実施例では、この実施例2の変形例とし
て、変位検出手段を加熱する手段の代わりに、該変位検
出手段の存在する空間に流される空気の温度を調節する
ことで、変位検出手段、および、それが存在する空間の
空気の温度を所定値に維持する装置の構成例を開示す
る。
【0080】本実施例は図8を用いて説明する。なお、
本実施例で説明する装置と、実施例2で説明した装置と
の相違点は、本実施例における変位検出手段は、変位検
出手段を加熱する手段を、それ自身に備えていない点で
ある。変位検出手段の温度を検出する手段をはじめ、こ
れ以外の構成要素やその動作は、本実施例と実施例1お
よび実施例2と、基本的には同じであるので説明を省略
する。
【0081】本実施例で開示する装置は、実施例2で説
明した変位検出手段3bの代わりに、変位検出手段3c
を用いている。変位検出手段3cには、実施例2と同
様、発振型近接センサを基本としたものを用いることと
して、説明を行なう。
【0082】つまり、変位検出手段3cは、電気コイル
を備えた検出ヘッド30cと、検出対象たる金属面と、
前記電気コイルのインピーダンス変動を検知して変位信
号を出力するアンプ回路31cとを備え、検出ヘッド3
0cに備えられた電気コイルから発せられる磁力線の作
用により検出対象たる金属面に渦電流を発生させ、その
磁界の影響により生じる該電気コイルのインピーダンス
変動をもとに、該検出ヘッドと該検出対象との変位量を
検出する構成のものとして説明する。
【0083】本実施例で開示する装置では、変位検出手
段3cを構成する、検出ヘッド30cおよびアンプ回路
31cのそれぞれに対して温度調節系を構成して、変位
検出精度を高めるようにしている。以下、検出ヘッド3
0c、アンプ回路31c、それぞれの温度調節系につい
て説明を行なう。
【0084】まず、検出ヘッド30cの温度調節系につ
いて説明する。図9には、検出ヘッド30c周辺の構成
を示す。図9において、検出ヘッド30cは、検出対象
となる金属面30aと対向して配置されている。検出ヘ
ッド30cが、実施例2で説明した検出ヘッド30bと
異なる点は、検出ヘッド30cには、その温度を検出す
るヘッド温度検出手段32cを備えているが、検出ヘッ
ド30cを加熱する手段は備えていないことである。
【0085】本実施例で開示する装置においては、ヘッ
ド温度検出手段32cの検出信号は、図8に示す温度補
償演算手段35cに送られる。温度補償演算手段35c
では、検出ヘッド30cの所定温度目標値に相当する信
号Rtcとヘッド温度検出手段32cで得られた検出ヘ
ッド30cの温度検出信号との差信号、つまり、温度偏
差信号を算出し、温度偏差補償演算手段36cにて、こ
の信号に適切な補償演算を施す。温度偏差補償演算手段
36cとしては、実施例2の検出ヘッドの温度調節制御
系と同様、PID調節器、あるいは、PI調節器が用い
ることができる。
【0086】温度補償演算手段35cは、温度偏差補償
演算手段36cで得られた補償信号を出力する。この補
償信号は、ダクト11および外装12を通して、検出ヘ
ッド30cが存在する空間に流される空気の温度を調節
する、送風温度調節手段15に送られる。送風温度調節
手段15は、温度補償演算手段35cで得られた補償信
号に基づき、ダクト11および外装12を通して、検出
ヘッド30cが存在する空間に流される空気の温度を調
節し、検出ヘッド30c、およびそれが配置された空間
の空気の温度を所定値に維持するように作用する。検出
ヘッド30cの温度調節系は、以上のようにして構成
し、動作させる。
【0087】次に、アンプ回路31cの温度調節系につ
いて説明する。図10には、アンプ回路31c周辺の構
成を示す。図10において、アンプ回路31cは、アン
プ回路31cの温度を検出するアンプ温度検出手段32
dを備える。但し、実施例2で説明したアンプ回路31
bと異なり、アンプ回路31cは、アンプ回路自体を加
熱する手段は備えていない。
【0088】アンプ温度検出手段32dの検出信号は、
図8に示す温度補償演算手段35dに送られる。温度補
償演算手段35dでは、アンプ回路31cの所定温度目
標値に相当する信号Rtdとアンプ温度検出手段32d
で得られたアンプ回路31cの温度検出信号との差信
号、つまり、温度偏差信号を算出し、温度偏差補償演算
手段36dにて、この信号に適切な補償演算を施す。温
度偏差補償演算手段36dとしては、PID調節器、あ
るいは、PI調節器が用いることができる。
【0089】温度補償演算手段35dは、温度偏差補償
演算手段36dで得られた補償信号を出力する。この補
償信号は、ダクト13および外装14を通して、アンプ
回路31cが存在する空間に流される空気の温度を調節
する、送風温度調節手段15に送られる。送風温度調節
手段15は、温度補償演算手段35dで得られた補償信
号に基づき、ダクト13および外装14を通して、アン
プ回路31cが存在する空間に流される空気の温度を調
節し、アンプ回路31c、およびそれが配置された空間
の空気の温度を所定値に維持するように作用する。アン
プ回路31cの温度調節系は、以上のようにして構成
し、動作させる。
【0090】以上の説明では、ヘッド温度検出手段32
c、アンプ温度検出手段32dを、それぞれ検出ヘッド
30c、アンプ回路31cに取付け、その温度を検出す
るようにしたが、これに代わって、ヘッド温度検出手段
32c、アンプ温度検出手段32dを、それぞれ検出ヘ
ッド30c、アンプ回路31cの配置された空間の空気
の温度を検出するようにし、該空間に流される空気の温
度を調節するように制御系を構成してもよい。
【0091】また、ここでは、検出ヘッド30c周辺と
アンプ回路31c周辺との双方の温度調節系を個別に説
明したが、これらを両方適用した構成にしてもよいし、
もちろん、検出ヘッド周辺とアンプ回路周辺のいずれか
一方にのみ温度調節系を構成してもよい。
【0092】以上、説明したように、本実施例で開示す
る装置は、変位検出手段、または、それが配置されてい
る空間の空気の温度を検出し、その検出信号に基づい
て、変位検出手段やそれが配置された空間の空気の温度
を精度よく維持する機能を有する。そのために、変位検
出手段の温度を、従来の半導体露光装置搭載用の精密位
置・姿勢制御装置よりも、また、実施例1で説明した装
置よりも、精密に調節・維持することができ、よってこ
のような変位検出手段を用いて位置・姿勢制御を行なう
ことにより、温度変動による変位検出値の変動も小さく
抑制できて、非常に高い変位検出精度、および、位置・
姿勢制御性能を実現することが可能となる。
【0093】また、その上に、変位検出手段の温度を変
化させる手段として、送風温度調節手段を用いているた
め、実施例2で開示した装置のように加熱手段を変位検
出手段に備える必要がなく、実施例2の装置に比較し
て、より簡単な構成の装置とすることができる。もちろ
ん、本実施例で開示した装置に、実施例2で開示したよ
うな、検出ヘッド、アンプ回路の温度検出手段、加熱手
段を構成して、それらの温度調節を行なう構成をあわせ
て適用することも可能であることはいうまでもない。
【0094】[実施例4]実施例1〜3では、変位検出
手段の検出信号に基づいた定盤の位置・姿勢制御を、個
別の防振支持マウントごとに行なうような構成として説
明を行なったが、定盤の位置・姿勢制御系は、定盤の並
進・回転などの運動モードに対応させて構成することが
望ましい。
【0095】この場合の位置・姿勢制御装置の構成例
を、図11を参照して、以下に説明する。なお、図11
では、鉛直方向の変位検出手段39a、39b、39c
を用いて、定盤1の鉛直方向並進(Z)、および、水平
軸まわり回転方向(θX、θY)の3自由度の位置・姿
勢の制御を行なう装置を説明するが、水平面内の3自由
度運動(X、Y、θZ)、あるいは、定盤1の剛体6自
由度運動モードの制御も同様に行なうことができること
は、いうまでもない。
【0096】さて、本実施例で開示する装置は、図11
に示すように、定盤1各部に配置された複数の変位検出
手段39a、39b、39cの検出信号に基づき、モー
ド偏差抽出手段81で、定盤1の並進・回転などの運動
モード、例えば、Z、θX、θY、各方向ごとの位置偏
差に相当する信号を抽出し、抽出した各運動モードごと
の信号に対して、モード別補償演算手段82で、各運動
モードごとに補償演算を施すような構成とする。
【0097】変位検出手段39a、39b、39cは、
実施例1〜3と同様の構成とする。つまり、これらの変
位検出手段を、所定温度範囲内に温度が調節された空気
の流れの中に配置する、あるいは、それに加えて、変位
検出手段自体、または、それが配置された空間の空気の
温度を能動的に、所定値に調節するような構成とする。
【0098】モード偏差抽出手段81は、変位検出手段
39a、39b、39cの検出方向や幾何配置に基づい
て決定される変換式などに従って、定盤1の並進・回転
などの運動モードごとの変位目標値と、変位検出手段3
9a、39b、39cの検出信号とから、各運動モード
ごとの位置偏差を算出するように構成する。
【0099】そして、モード別補償演算手段82で得た
各運動モードごとの位置偏差の補償信号を、モード分配
演算手段83を介して定盤各部に配置された複数の防振
支持マウント29a、29b、29cに構成されるアク
チュエータに分配して、定盤1の並進・回転などの運動
モードごとの作用力を発生させ、定盤を所定の位置・姿
勢に精度よく維持するように作用させる。
【0100】このような構成にすると、定盤の位置・姿
勢制御を、定盤の運動自由度ごとに行なうことができる
ため、位置・姿勢制御系における位置偏差補償演算手段
での制御パラメータの設計を見通しよく行なうことがで
き、良好な位置・姿勢制御性能を容易に実現できる。そ
の上、この装置では、実施例1〜3で説明したような構
成の変位検出手段を用いている。つまり、変位検出手段
やそれが配置されている空間の空気の温度が、所望の状
態に、非常に高い精度で維持される。そのために、変位
検出精度を、従来のこの種の装置よりも高くすることが
でき、非常に高い精度の制御精度を有する位置・姿勢制
御装置を実現することができる。
【0101】なお、上述においては、主に、振動検出手
段が変位検出手段である場合について説明したが、振動
検出手段が加速度センサや速度センサである場合も本発
明を適用することができ、その場合も、位置・姿勢制御
の精度を従来のものより向上させることができる。
【0102】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明が開示す
る装置では、変位検出手段等の振動検出手段やそれが配
置されている空間の空気の温度が適切な状態に調節・管
理されている。そのため、振動検出手段の配置されてい
る空間の周辺に発熱体の作用や温度変動があっても、振
動検出手段自体、および/または、それが配置されてい
る空間の空気の温度変動を非常に小さいものにすること
ができる。
【0103】つまり、本発明が開示する装置では、振動
検出手段自体、および/または、それが配置されている
空間の空気の温度の変動を可能な限り抑制することによ
って非常に高い検出精度を実現した振動検出手段を、精
密機器、例えば半導体露光装置本体を搭載する定盤の位
置・姿勢制御に用いている。従って、半導体露光装置本
体の位置・姿勢を非常に高い精度で制御することができ
る。
【0104】変位検出原理の異なる、より高い検出精度
を有する変位検出手段を用いれば、位置・姿勢の制御精
度を高めることは可能であるが、これにはコストアップ
がともなう。一方、本発明が開示した装置によれば、半
導体露光装置のなかで容易に確保できる、温度調節され
た空気を用いて、変位検出手段のような振動検出手段の
検出精度を低下させる大きな要因となる、温度変動を抑
制できる。そのため、発振型近接センサなど、既に利用
されているタイプの変位検出手段を用いても、従来より
も、変位検出精度を高めることができ、より精密な位置
・姿勢制御を行なうことができる。
【0105】また、実施例2や3で開示した装置のよう
に、変位検出手段、または、それが配置されている空間
の空気の温度を検出し、その検出信号に基づいて、変位
検出手段やそれが配置された空間の空気の温度を精度よ
く維持するような構成にすれば、変位検出手段の温度
を、さらに精密に調節・維持することができ、よって、
温度変動による変位検出値の変動も小さく抑制できて、
非常に高い変位検出精度、および、位置・姿勢制御性能
を実現することが可能となる。また、変位検出手段は、
電源投入後に電気的な発熱によって温度上昇が発生し、
変位検出手段が配置された空間の空気の温度より若干高
い温度で熱的な平衡状態に達して、温度が安定するが、
変位検出手段自体が温度調節機能を備えていれば、より
迅速に熱的な平衡状態に達するようにすることができ
る。つまり、変位検出手段のウオーミングアップ時間の
短縮にも効果的である。
【0106】さらに、振動検出手段、例えば変位検出手
段の検出信号に基づいた定盤の位置・姿勢制御系を、定
盤の並進・回転などの運動モードに対応させて構成すれ
ば、位置・姿勢制御系における位置偏差補償演算手段で
の制御パラメータの設計を見通しよく行なうことがで
き、良好な位置・姿勢制御性能を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る位置・姿勢制御
装置の構成を表わす図面である。
【図2】 半導体露光装置の一構成例を表わす図面であ
る。
【図3】 図1における防振支持マウントの構成例を表
わす図面である。
【図4】 図1における検出ヘッド部分の構成を説明す
る図面である。
【図5】 本発明の第2の実施例の構成を表わす図面で
ある。
【図6】 図5における検出ヘッド部分の構成を説明す
る図面である。
【図7】 図5におけるアンプ回路部分の構成を説明す
る図面である。
【図8】 本発明の第3の実施例の構成を表わす図面で
ある。
【図9】 図8における検出ヘッド部分の構成を説明す
る図面である。
【図10】 図8におけるアンプ回路部分の構成を説明
する図面である。
【図11】 本発明の第4の実施例の構成を表わす図面
である。
【符号の説明】
1:定盤、2:防振支持マウント、3,3b,3c:変
位検出手段、4:位置補償演算手段、41:位置偏差補
償演算手段、5:駆動回路、6:機器、7:装置設置基
礎、11,13:ダクト、12,14:外装、15:送
風温度調節手段、21:空気ばね、22:空気タンク、
23:空気配管、24:制御弁、29a,29b,29
c:防振支持マウント、30,30b,30c:検出ヘ
ッド、30a:検出対象金属面、31,31b,31
c:アンプ回路、32a,32c:ヘッド温度検出手
段、32b,32d:アンプ温度検出手段、33a:ヘ
ッド加熱手段、33b:アンプ加熱手段、34a,34
b:加熱アンプ回路、35a,35b,35c,35
d:温度補償演算手段、36a,36b,36c,36
d:温度偏差補償演算手段、39a,39b,39c:
変位検出手段、81:モード偏差抽出手段、82:モー
ド別補償演算手段、83:モード分配演算手段、91:
基礎構造物、92a,92b:防振支持マウント、9
3:ステージ定盤、94:ウエハステージ、95:レチ
クルステージ、96:光学レンズシステム、97:鏡筒
定盤、98:照明光学系、99:定盤、100:装置設
置基礎。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05D 23/00 G05D 23/00 D 5H323 H01L 21/027 H01L 21/68 K 21/68 21/30 503F Fターム(参考) 2F063 AA02 BA00 CA26 DA01 DC08 DD02 GA03 GA33 KA01 NA06 3J048 AA06 AB08 AD01 BE02 DA01 EA13 5F031 CA02 HA53 HA55 JA01 JA17 JA45 JA46 KA07 KA08 LA06 MA27 NA01 5F046 AA23 DB04 5H303 AA06 BB03 BB09 BB12 BB20 CC10 DD01 DD08 DD21 EE04 FF04 GG07 HH02 JJ08 KK02 KK03 KK04 QQ06 5H323 AA05 BB01 CA08 CB25 CB35 DA07 DB09 EE01 FF06 GG04 JJ07 KK07 LL01 LL02 LL03 LL11 MM06 NN03

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精密機器を搭載する定盤と、該定盤の振
    動を検出する振動検出手段とを備えた位置・姿勢制御装
    置であって、前記振動検出手段を所定温度範囲内に温度
    調節する温調手段を具備することを特徴とする位置・姿
    勢制御装置。
  2. 【請求項2】 前記温調手段は、前記振動検出手段を中
    に配置した送風路を備え、所定温度範囲内に温度が調節
    された空気を該送風路に流すものであることを特徴とす
    る請求項1に記載の位置・姿勢制御装置。
  3. 【請求項3】 前記振動検出手段は、前記定盤の基準位
    置に対する変位量を検出して出力する変位検出手段であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の位置・姿
    勢制御装置。
  4. 【請求項4】 前記温調手段は、 前記振動検出手段の温度または該振動検出手段が配置さ
    れた空間の空気の温度を検出して出力する温度検出手段
    と、 所定の温度目標値信号と前記温度検出手段の検出信号と
    の差信号である温度偏差信号に適切な補償演算を施す温
    度偏差補償演算手段と、 前記振動検出手段が配置された空間に流される空気の温
    度を前記温度偏差補償演算手段で得られる補償信号に基
    づいて調節する送風温度調節手段とを備え、 前記振動検出手段の温度または該振動検出手段が配置さ
    れた空間の空気の温度を所定値に維持するものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の位
    置・姿勢制御装置。
  5. 【請求項5】 前記温調手段は、 前記振動検出手段に熱を加える加熱手段と、 所定の温度目標値信号と前記温度検出手段の検出信号と
    の差信号である温度偏差信号に適切な補償演算を施す第
    2の温度偏差補償演算手段と、 前記振動検出手段の温度を所定値に維持するために前記
    第2の温度偏差補償演算手段で得られる補償信号に基づ
    いて前記加熱手段による加熱量を調節する加熱量調節手
    段とをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の
    位置・姿勢制御装置。
  6. 【請求項6】 前記温調手段は、 前記振動検出手段の温度を検出して出力する温度検出手
    段と、 前記振動検出手段に熱を加える加熱手段と、 所定の温度目標値信号と該温度検出手段の検出信号との
    差信号である温度偏差信号に適切な補償演算を施す温度
    偏差補償演算手段と、 前記温度偏差補償演算手段で得られる補償信号に基づい
    て前記加熱手段による加熱量を調節する加熱量調節手段
    とを備え、 前記振動検出手段の温度を所定値に維持するものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の
    位置・姿勢制御装置。
  7. 【請求項7】 前記変位検出手段は、電気コイルを備え
    た検出ヘッドと、検出対象たる金属面と、前記電気コイ
    ルのインピーダンス変動を検知して変位信号を出力する
    アンプ回路とを備え、該電気コイルから発せられる磁力
    線の作用により検出対象たる金属面に渦電流を発生さ
    せ、その磁界の影響により生じる該電気コイルのインピ
    ーダンス変動をもとに、該検出ヘッドと該検出対象との
    距離の変位量を検出する、発振型近接センサであること
    を特徴とする請求項3に記載の位置・姿勢制御装置。
  8. 【請求項8】 前記温調手段は、 前記発振型近接センサの検出ヘッドと検出対象たる金属
    面、またはそれらが配置された空間の空気の温度を検出
    して出力する温度検出手段と、 所定の温度目標値信号と該温度検出手段の検出信号との
    差信号である温度偏差信号に適切な補償演算を施す温度
    偏差補償演算手段と、 該温度偏差補償演算手段で得られる補償信号に基づい
    て、前記発振型近接センサの検出ヘッドと検出対象たる
    金属面が配置された空間に流される空気の温度を調節す
    る送風温度調節手段とを備え、 前記発振型近接センサの検出ヘッドと検出対象たる金属
    面、またはそれらが配置された空間の空気の温度を所定
    値に維持するものであることを特徴とする請求項7に記
    載の位置・姿勢制御装置。
  9. 【請求項9】 前記温調手段は、 前記発振型近接センサのアンプ回路、または該アンプ回
    路が配置された空間の空気の温度を検出して出力する温
    度検出手段と、 所定の温度目標値信号と該温度検出手段の検出信号との
    差信号である温度偏差信号に適切な補償演算を施す温度
    偏差補償演算手段と、 該温度偏差補償演算手段で得られる補償信号に基づい
    て、前記発振型近接センサのアンプ回路が配置された空
    間に流される空気の温度を調節する送風温度調節手段と
    を備え、 前記発振型近接センサのアンプ回路または該アンプ回路
    が配置された空間の空気の温度を所定値に維持するもの
    であることを特徴とする請求項7または8に記載の位置
    ・姿勢制御装置。
  10. 【請求項10】 前記発振型近接センサの検出ヘッドの
    温度を検出して出力する温度検出手段と、 前記発振型近接センサの検出ヘッドに熱を加える加熱手
    段と、 所定の温度目標値信号と該温度検出手段の検出信号との
    差信号である温度偏差信号に適切な補償演算を施す温度
    偏差補償演算手段と、 前記温度偏差補償演算手段で得られる補償信号に基づい
    て前記加熱手段による加熱量を調節する加熱量調節手段
    とを備え、 前記検出ヘッドの温度を所定値に維持するものであるこ
    とを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の位
    置・姿勢制御装置。
  11. 【請求項11】 前記発振型近接センサのアンプ回路の
    温度を検出して出力する温度検出手段と、 前記発振型近接センサのアンプ回路に熱を加える加熱手
    段と、 所定の温度目標値信号と該温度検出手段の検出信号との
    差信号である温度偏差信号に適切な補償演算を施す温度
    偏差補償演算手段と、 該温度偏差補償演算手段で得られる補償信号に基づいて
    該加熱手段による加熱量を調節する加熱量調節手段とを
    備え、 前記アンプ回路の温度を所定値に維持するものであるこ
    とを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の
    位置・姿勢制御装置。
  12. 【請求項12】 前記加熱手段は、電気抵抗による発熱
    効果を利用して前記変位検出手段に熱を加える電気ヒー
    タであることを特徴とする請求項5、6、10または1
    1に記載の位置・姿勢制御装置。
  13. 【請求項13】 前記位置・姿勢制御装置は、前記定盤
    が位置すべき所定目標位置を表わす信号と前記変位検出
    手段の検出信号との差信号である位置偏差信号に適切な
    補償演算を施す位置偏差補償演算手段と、前記位置偏差
    補償演算手段で得られる補償信号に基づいて前記定盤に
    制御力を加えるアクチュエータとを備え、前記定盤を所
    定の位置および姿勢に維持するものであることを特徴と
    する請求項3〜12のいずれか1つに記載の位置・姿勢
    制御装置。
  14. 【請求項14】 前記変位検出手段は、前記定盤の各部
    に複数台数配置されたものであり、 前記位置・姿勢制御装置は、前記定盤が位置すべき所定
    目標位置を表わす信号と前記の複数台数配置された変位
    検出手段の検出信号とから前記定盤の並進および回転の
    各運動モードごとの位置偏差信号を抽出して出力するモ
    ード偏差抽出手段と、モード偏差抽出手段の出力信号に
    適切な補償演算を施すモード偏差補償演算手段と、モー
    ド偏差補償演算手段で得られた補償信号を複数台数配置
    された前記定盤に制御力を加えるアクチュエータに対応
    させて分配する演算処理を施すモード分配演算手段とを
    備え、 前記定盤を所定の位置および姿勢に維持するものである
    ことを特徴とする請求項3〜12のいずれか1つに記載
    の位置・姿勢制御装置。
  15. 【請求項15】 前記定盤は、防振支持手段で支持され
    たものであることを特徴とする請求項1〜14のいずれ
    か1つに記載の位置・姿勢制御装置。
  16. 【請求項16】 前記アクチュエータは、空気ばねと該
    空気ばねの内部圧力を電気指令信号によって調整する制
    御弁とからなる空気圧駆動式アクチュエータであり、該
    空気ばねは前記定盤を支持する防振支持手段を兼ねたも
    のであることを特徴とする請求項13または14に記載
    の位置・姿勢制御装置。
  17. 【請求項17】 前記精密機器が、半導体露光装置また
    はその一部であることを特徴とする請求項1〜16のい
    ずれか1つに記載の位置・姿勢制御装置。
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