JP2003057225A - バナジウムの分析方法、分析装置および分析キット - Google Patents

バナジウムの分析方法、分析装置および分析キット

Info

Publication number
JP2003057225A
JP2003057225A JP2001249810A JP2001249810A JP2003057225A JP 2003057225 A JP2003057225 A JP 2003057225A JP 2001249810 A JP2001249810 A JP 2001249810A JP 2001249810 A JP2001249810 A JP 2001249810A JP 2003057225 A JP2003057225 A JP 2003057225A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vanadium
cation exchange
exchange resin
column
sample water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001249810A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiro Oda
信博 織田
Nobuhiro Matsushita
聿宏 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP2001249810A priority Critical patent/JP2003057225A/ja
Publication of JP2003057225A publication Critical patent/JP2003057225A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊で高価な装置を使用することなく、分析
したい場所で短時間で簡単に、かつ高精度で微量レベル
までバナジウムを分析することができる分析方法、装置
およびキットを提供することである。 【解決手段】 バナジウムを分析したい場所まで分析キ
ット1を携帯し、その場所でカラム2の両端部を切断し
て開口して反応器6とする。試料水導入路11から試料
水を反応器6に導入して下向流で通水する。このように
して試料水とカチオン交換樹脂3とを接触させると、バ
ナジウムとカチオン交換樹脂3が反応し、樹脂層4の上
層13はカチオン交換樹脂3の色が変化して変色層14
が形成される。変色開始点16から変色終点17までの
長さを、カラム2に設けられた目盛りから読み取ること
により変色層14の長さを求め、次に変色層14の長さ
に対するバナジウム濃度を予め作成した標準曲線から求
め、バナジウムを定量する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有用金属であるバナ
ジウムの分析方法、分析装置および分析キットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】バナジウムは有用金属であり、バナジウ
ムを回収利用するために試料水中にバナジウムが含まれ
ているかどうかを知ることは重要である。また一部の地
下水、井戸水、天然水には、μg/L濃度のレベルでは
あるがバナジウムが比較的多量に含まれていることが知
られている。
【0003】従来、水中のバナジウムをμg/L濃度の
レベルで分析する方法として、 1)溶媒抽出やキレート樹脂で濃縮した後、原子吸光測
定装置で測定する方法、 2)微量分析用ICP/MS装置(高周波誘導結合プラ
ズマ/質量分析装置)、または液体クロマトグラフィー
で測定する方法などが知られている。
【0004】しかし、上記従来の分析方法では次のよう
な問題点がある。 1)濃縮操作が必要なため、短時間で分析結果が出せな
い。 2)原子吸光測定装置、ICP/MS装置、液体クロマ
トグラフィーのような高価で大型の装置が必要であり、
また熟練した装置オペレーションが必要である。 3)試料を持ち帰って測定する必要があるため、測定場
所が限定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来の問題点を解決するため、特殊で高価な装置を使用
することなく、分析したい場所で短時間で簡単に、かつ
高精度で微量レベルまでバナジウムを分析することがで
きるバナジウムの分析方法、分析装置および分析キット
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次のバナジウム
の分析方法、分析装置および分析キットである。 (1) 試料水とカチオン交換樹脂とを接触させて反応
させる反応工程と、試料水と接触させたカチオン交換樹
脂の色の変化を指標にしてバナジウムを検出する検出工
程とを含むバナジウムの分析方法。 (2) 試料水とカチオン交換樹脂とを接触させて反応
させる反応工程と、試料水と接触させたカチオン交換樹
脂の色の濃淡を指標にしてバナジウムを定量する定量工
程とを含むバナジウムの分析方法。 (3) カチオン交換樹脂が充填されたカラムに試料水
を通水し、試料水とカチオン交換樹脂とを接触させて反
応させる反応工程と、カラム中で色が変化したカチオン
交換樹脂の樹脂層の長さを指標にしてバナジウムを定量
する定量工程とを含むバナジウムの分析方法。 (4) カチオン交換樹脂が、架橋度が8%以下のカチ
オン交換樹脂である上記(1)ないし(3)のいずれか
に記載の分析方法。 (5) 試料水とカチオン交換樹脂とを接触させて反応
させる反応器を備え、この反応器は反応器中のカチオン
交換樹脂の色の変化が目視または色彩計により判定でき
るものであるバナジウムの分析装置。 (6) カラムにカチオン交換樹脂が充填された反応器
を備え、前記カラムは充填したカチオン交換樹脂の色の
変化が目視または色彩計により判定できるように透明で
あるバナジウムの分析装置。 (7) 色が変化したカチオン交換樹脂の樹脂層の長さ
を測定する目盛りがカラムに設けられている上記(6)
記載の分析装置。 (8) カラムにカチオン交換樹脂が充填された反応器
からなる分析キットであって、前記カラムは充填したカ
チオン交換樹脂の色の変化が目視または色彩計により判
定できるように透明であり、かつ両端部が塞がれている
バナジウムの分析キット。
【0007】本発明で分析の対象となるバナジウムは酸
化数が+V価のバナジウムであり、通常VO3+またはV
2 +の形態で水中でイオン化しているバナジウムであ
る。酸化数が+V価以外のバナジウムは、オゾンによる
酸化またはpHを調整することにより、+V価に変換し
て本発明の分析に供することができる。本発明で分析に
供する試料水の具体的なものとしては、地下水、井戸
水、天然水、用水、バナジウム触媒を使用する系から排
出される排水などがあげられる。バナジウム触媒として
使用されるバナジウム化合物にはpHに応じてカチオン
に解離するもの、およびアニオンに解離するものがあ
り、このようなバナジウム化合物を含む試料はpHを酸
性に調整してバナジン酸の形に変換後、本発明の分析に
供するのが好ましい。
【0008】本発明で使用するカチオン交換樹脂は、化
学分析、水処理などの分野において一般的に使用されて
いる粒状やゲル状のカチオン交換樹脂を使用することが
できる。カチオン交換樹脂の具体的なものとしてはスチ
レンとジビニルベンゼンとの共重合体を基体樹脂とし、
スチレンにカチオン交換基を付けたカチオン交換樹脂な
どがあげられる。このようなカチオン交換樹脂は通常淡
黄色である。カチオン交換樹脂には、カチオン交換基と
してスルホン基を付けた強酸性カチオン交換樹脂、カル
ボン酸基を付けた弱酸性カチオン交換樹脂などがあり、
いずれも使用可能である。分析に使用する場合はH形で
使用するのが好ましい。カチオン交換樹脂は市販品を使
用することもできる。
【0009】前記の基体樹脂はジビニルベンゼンが架橋
剤となって、鎖状構造が架橋されて網目構造の樹脂が形
成される。ジビニルベンゼンが多いほど鎖の分岐が多
く、密な構造になり、ジビニルベンゼンが少ないと分枝
の少ない網目の大きい樹脂が得られる。全仕込モノマー
に対するジビニルベンゼンの仕込量の割合(重量%)が
架橋度と表示されている。通常の水処理に使用する樹脂
は架橋度が8%程度で標準架橋樹脂と呼ばれている。本
発明で使用するカチオン交換樹脂は上記架橋度が8%以
下、好ましくは2〜8%のカチオン交換樹脂を使用する
のが望ましい。このような架橋度の場合、カチオン交換
樹脂がバナジウムと接触した際に反応しやすく、このた
め着色(変色)しやすいので、より高感度の分析が可能
である。
【0010】本発明の分析方法では、反応工程の前処理
として酸化工程を設け、試料水にオゾンを吹き込むなど
の方法により試料水とオゾンとを接触させ、試料水中の
+II〜+IV価のバナジウム等を+V価のバナジウムに酸
化するのが好ましい。次に反応工程として、試料水とカ
チオン交換樹脂とを接触させて反応させる。試料水とカ
チオン交換樹脂との接触方法は特に制限されず、1)反
応器中の試料水にカチオン交換樹脂を浸漬させ攪拌する
方法、2)カラムにカチオン交換樹脂を充填した反応器
に試料水を通水して接触させる方法などがあげられる。
上記1)の方法の場合、カチオン交換樹脂の色の変化を
判定できる反応器、例えば透明な反応器中で試料水にカ
チオン交換樹脂を浸漬させるだけで、バナジウムの有無
を容易に検出することができる。またカチオン交換樹脂
の色の濃淡を指標にして、バナジウムを容易に定量する
こともできる。上記2)の方法の場合、色が変化したカ
チオン交換樹脂の樹脂層の長さを指標にして、バナジウ
ムを容易に定量することができる。
【0011】カチオン交換樹脂を充填するカラムは内径
1〜50mm、好ましくは1〜8mmであるのが望まし
い。カラムは一方または両方の端部付近の内径または外
径を小さくすることもできる。カラムに充填したカチオ
ン交換樹脂の樹脂層の長さ(厚さ)は20〜300m
m、好ましくは50〜150mmであるのが望ましい。
カラムは充填したカチオン交換樹脂の色の変化が確認で
きる透明なものを使用する。このような透明なカラムを
使用することにより、充填された状態のカチオン交換樹
脂の色の変化を目視または色彩計により判定することが
できる。具体的には透明なガラスまたは樹脂製のカラム
を使用するのが好ましい。またカラムには、色が変化し
たカチオン交換樹脂の樹脂層の長さを測定する目盛りを
設けるのが好ましい。
【0012】カラムに充填したカチオン交換樹脂の樹脂
層の乱れを防止したり、カチオン交換樹脂の流出を防止
するため、ガラスウールなどの繊維状物を充填したり、
目皿を設けることもできる。またカラムはカチオン交換
樹脂を充填した状態で両端部を塞ぎ、ガス検知管のよう
に使用時まで封入しておくこともできる。この場合、持
ち運び可能な分析キットとして好適に使用でき、分析に
使用する際に両方の端部を切断して開口し、一方の開口
部を試料水導入用の導入口、他方の開口部を排出用の排
出口として分析に使用することができる。
【0013】カラムに通水する場合の通水速度は、空間
速度(SV)として通常0.5〜50L/L−Resi
n/hr、好ましくは2〜20L/L−Resin/h
rとするのが望ましい。
【0014】カチオン交換樹脂に接触させる試料水のp
Hは3以下、好ましくは2〜3に調整しておくのが望ま
しい。pHは通常塩酸、硫酸、硝酸などの酸により調整
することができるが、場合によってはアルカリを使用す
ることもできる。またH形カチオン交換樹脂通水後のp
Hが3以下、好ましくは2〜3であるのが望ましい。試
料水のpHがこのようなpHである場合、カチオン交換
樹脂がバナジウムと接触した際に反応しやすく、このた
め着色(変色)しやすいので、より高感度の分析が可能
である。試料水の温度は0〜60℃、好ましくは20〜
40℃であるのが望ましい。
【0015】上記のような方法により試料水とカチオン
交換樹脂とを接触させることにより、試料中のバナジウ
ムとカチオン交換樹脂とが反応し、カチオン交換樹脂の
色が変化する(変色する)。酸性の試料水を通水する
と、通水後に樹脂の色が赤紫色ないし赤褐色に変化す
る。通水終了後に、NaCl、NaHCO3、NaOH
水溶液などの塩またはアルカリ化合物の水溶液を通水す
ると、より発色が明瞭となるので、塩またはアルカリ化
合物の水溶液を通水するが好ましい。塩またはアルカリ
化合物の濃度は制限されないが、1重量%程度が好まし
い。樹脂の色の変化は目視により容易に判定または確認
することができる。また色彩計により容易に判定するこ
とができる。試料水中にバナジウムが含まれていない場
合はカチオン交換樹脂に色の変化はない。従って、検出
工程ではカチオン交換樹脂の色の変化によりバナジウム
を検出することができ、カチオン交換樹脂の色が変化し
た場合、試料水中にはバナジウムが含まれていると分析
することができる。
【0016】また定量工程では、試料水と接触させたカ
チオン交換樹脂の色の濃淡を色彩計で測定することによ
りバナジウムを定量することができる。すなわち、バナ
ジウム濃度とカチオン交換樹脂の色の濃淡とは比例する
ので、濃度既知のバナジウム含有水を用いてカチオン交
換樹脂を変色させ、この色を色彩計で測定することによ
りバナジウム濃度と色の濃淡との関係を示す標準曲線を
予め作成しておき、試料水を通水した場合のカチオン交
換樹脂の色を色彩計で測定し、この計測値に対応するバ
ナジウム濃度を標準曲線から求めることにより、バナジ
ウムの定量が可能である。
【0017】またカラムにカチオン交換樹脂を充填した
反応器を使用した場合、色が変化したカチオン交換樹脂
の樹脂層の長さを求めることにより、バナジウムの定量
が可能である。すなわち、バナジウム濃度と変色した樹
脂層の長さとは比例するので、濃度既知のバナジウム含
有水を用いてカチオン交換樹脂を変色させ、バナジウム
濃度と変色したカチオン交換樹脂の樹脂層の長さとの関
係を示す標準曲線を予め作成しておき、試料水を通水し
た場合の樹脂層の長さを測定し、この長さに対応するバ
ナジウム濃度を標準曲線から求めることにより、バナジ
ウムの定量が可能である。
【0018】上記方法でバナジウムを定量する場合、目
盛りが設けられたカラムを用いると、色が変化した樹脂
層の長さを簡単に測定することができる。例えば、試料
水を下向流で通水すると、樹脂層の上部の色が変化する
ので、この色の変化した樹脂層の長さを、目盛りを読み
取って測定し、標準曲線からバナジウム濃度を求める。
樹脂層全体の色が変化する場合は試料水を希釈するか、
充填した樹脂量の多い反応器を使用する。また試料水中
のバナジウムが少なかったり、試料水の通水速度が速い
等の理由で樹脂層の色が薄い場合がある。このような場
合は色彩計を利用して色の濃淡を計測し、予め作成した
バナジウム濃度と色の濃淡との関係を示す標準曲線を利
用してバナジウムの定量が可能である。上記のような分
析方法により、バナジウムをppb(μg/L)濃度の
微量のレベルまで簡単に高感度で定性または定量するこ
とができる。
【0019】バナジウムとカチオン交換樹脂とが接触す
ることによりこれらが反応してカチオン交換樹脂の色が
変化する理由は明らかではないが、バナジウムとカチオ
ン交換樹脂とが接触するとバナジウムにより樹脂母体ま
たは交換基の一部が切断され、この切断された位置にバ
ナジウムが結合して樹脂が着色(変色)するのではない
かと推測される。
【0020】
【発明の効果】本発明のバナジウムの分析方法は、試料
水とカチオン交換樹脂とを接触させ、カチオン交換樹脂
の色の変化を指標にしてバナジウムを分析するので、特
殊で高価な装置を使用することなく、分析したい場所で
短時間で簡単に、かつ高精度で微量レベルまでバナジウ
ムを分析することができる。本発明のバナジウムの分析
装置は、試料水とカチオン交換樹脂とを接触させて反応
させる反応器を備え、この反応器はカチオン交換樹脂の
色の変化が判定できるものであるので、特殊で高価な装
置を使用することなく、分析したい場所で短時間で簡単
に、かつ高精度で微量レベルまでバナジウムを分析する
ことができる。本発明のバナジウムの分析キットは、透
明なカラムにカチオン交換樹脂が充填された反応器から
なり、カラムの両端部は塞がれているので、持ち運び可
能であり、分析したい場所でカラムの両端を開口して使
用することにより、特殊で高価な装置を使用することな
く、分析したい場所で短時間で簡単に、かつ高精度で微
量レベルまでバナジウムを分析することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に図面により本発明のバナジウ
ムの分析方法、分析装置および分析キットを説明する。
図1は本発明のバナジウムの分析キットを示す正面図、
図2は図1の分析キットを用いてバナジウムの分析を行
っているときの正面図である。
【0022】図1において、1は分析キット、2はカラ
ムであり、カラム2にはカチオン交換樹脂3が充填さ
れ、樹脂層4が形成されている。カラム2は透明なガラ
ス製で内部が目視できる。またカラム2には目盛りが設
けられているが、図示は省略されている。樹脂層4の上
部および下部にはガラスウール5が充填されている。カ
ラム2の上部および下部付近の内径は小さくなってお
り、両方の端部は塞がれ、カチオン交換樹脂3は封入さ
れた状態にある。この分析キット1は小型で持ち運び可
能である。
【0023】図1の分析キット1を用いてバナジウムを
分析するには、測定したい場所まで分析キット1を携帯
し、その場所で図2に示すようにカラム2の両端部を切
断して開口する。開口した分析キット1を反応器6とし
て用いる。次に試料水導入路11からpH3以下、好ま
しくは2〜3に調整した試料水を反応器6に導入して下
向流で通水し、通過水排出路12から排出する。この場
合、pH調整する前に試料水とオゾンとを接触させ、バ
ナジウムを+V価に変換しておくのが好ましい。
【0024】このようにして試料水とカチオン交換樹脂
3とを接触させると、樹脂層4の上層13はカチオン交
換樹脂3の色が変化して変色層14が形成される。下層
15の色は変化しない。通水終了後に、NaCl、Na
HCO3、NaOH水溶液などの塩またはアルカリ化合
物の水溶液をさらに通水し、より明瞭に発色させる。続
いて、変色開始点16から変色終点17までの長さを、
カラム2に設けられた目盛りから読み取ることにより変
色層14の長さを求める。次に変色層14の長さに対す
るバナジウム濃度を予め作成した標準曲線から求め、バ
ナジウムを定量する。
【0025】このようにしてバナジウムを分析すること
により、特殊で高価な装置を使用することなく、分析し
たい場所で短時間で簡単に、かつ高精度で微量レベルま
でバナジウムを分析することができる。
【0026】図3は実施形態のバナジウムの分析装置の
系統図であり、図2の反応器6に、吸引装置を用いて試
料水を上向流で通水する場合の例である。図3の場合、
吸引装置21で吸引することにより、試料槽22中の試
料水11aを試料水導入路11から反応器6に導入し、
上向流で通水する以外、図2の場合と同じ方法で分析す
ることができる。
【0027】図4は別の実施形態の分析装置の系統図で
あり、図2の反応器6に、ポンプを用いて試料水を注入
する場合の例である。図4の場合も、ポンプ23により
試料槽22中の試料水11aを試料水導入路11から反
応器6に注入し、横向流で通水する以外、図2の場合と
同じ方法で分析することができる。
【0028】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 実施例1 試料水として富士山麓の地下水を用いた。この地下水中
のバナジウム濃度を液体クロマトグラフィーで別途定量
しところ8μg/Lであった。この地下水を純水で希釈
するか、またはメタバナジン酸カリウム(試薬)を添加
して、バナジウム濃度が2、5、10または20μg/
Lの4種類の試料水を調製した。なおバナジウムを含ま
ない純水をコントロールとして用いた。次に、図2の反
応器6に上記試料水を次の条件で通水し、バナジウムの
分析を行った。結果を表1に示す。
【0029】充填カチオン交換樹脂:バイエル社製、Le
watit monopulus S100(商標)、スチレンとジビニルベ
ンゼンとの共重合体を基体樹脂とし、スチレンにカチオ
ン交換基が付いたもの、架橋度=6%、H形 充填樹脂量:2.5ml カラム寸法:内径4mm、長さ20mm 通水量:1000ml 通水速度:0.5ml/min(SV=12L/L−樹
脂/hr) 試料水のバナジウム濃度:0、2、5、10または20
μg/L 試料水の電気伝導率:200μS/m 試料水のpH:2.8〜3.0 試料水の温度:18〜22℃ 通水後の試料水のpH:2.3〜3.0 通水方向:下向流 充填樹脂の色の変化の判定:目視
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果からわかるように、バナジウム
濃度がゼロのコントロールは変色しなかったが、バナジ
ウムを含む試料水ではバナジウム濃度と変色したカチオ
ン交換樹脂の長さとは比例していた。従って、バナジウ
ム濃度と変色したカチオン交換樹脂の長さとをプロット
した標準曲線を作成することにより、バナジウムの定量
が可能である。また持ち運び可能な簡単な装置により、
バナジウムの分析ができることがわかる。なお、変色し
たカチオン交換樹脂と変色していないカチオン交換樹脂
との境界は明確であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のバナジウムの分析キットを
示す正面図である。
【図2】図1の分析キットを用いてバナジウムの分析を
行っているときの正面図である。
【図3】本発明の実施形態のバナジウムの分析装置を示
す系統図である。
【図4】本発明の別の実施形態のバナジウムの分析装置
を示す系統図である。
【符号の説明】
1 分析キット 2 カラム 3 カチオン交換樹脂 4 樹脂層 5 ガラスウール 6 反応器 11 試料水導入路 12 通過水排出路 13 上層 14 変色層 15 下層 16 変色開始点 17 変色終点 21 吸引装置 22 試料槽 23 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G042 AA01 BC05 CA02 DA08 EA20 FA20 FB06 GA01 GA05 GA10 2G054 AA02 AB07 BB04 CA10 EA06 GB04 GB10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料水とカチオン交換樹脂とを接触させ
    て反応させる反応工程と、 試料水と接触させたカチオン交換樹脂の色の変化を指標
    にしてバナジウムを検出する検出工程とを含むバナジウ
    ムの分析方法。
  2. 【請求項2】 試料水とカチオン交換樹脂とを接触させ
    て反応させる反応工程と、 試料水と接触させたカチオン交換樹脂の色の濃淡を指標
    にしてバナジウムを定量する定量工程とを含むバナジウ
    ムの分析方法。
  3. 【請求項3】 カチオン交換樹脂が充填されたカラムに
    試料水を通水し、試料水とカチオン交換樹脂とを接触さ
    せて反応させる反応工程と、 カラム中で色が変化したカチオン交換樹脂の樹脂層の長
    さを指標にしてバナジウムを定量する定量工程とを含む
    バナジウムの分析方法。
  4. 【請求項4】 カチオン交換樹脂が、架橋度が8%以下
    のカチオン交換樹脂である請求項1ないし3のいずれか
    に記載の分析方法。
  5. 【請求項5】 試料水とカチオン交換樹脂とを接触させ
    て反応させる反応器を備え、この反応器は反応器中のカ
    チオン交換樹脂の色の変化が目視または色彩計により判
    定できるものであるバナジウムの分析装置。
  6. 【請求項6】 カラムにカチオン交換樹脂が充填された
    反応器を備え、前記カラムは充填したカチオン交換樹脂
    の色の変化が目視または色彩計により判定できるように
    透明であるバナジウムの分析装置。
  7. 【請求項7】 色が変化したカチオン交換樹脂の樹脂層
    の長さを測定する目盛りがカラムに設けられている請求
    項6記載の分析装置。
  8. 【請求項8】 カラムにカチオン交換樹脂が充填された
    反応器からなる分析キットであって、前記カラムは充填
    したカチオン交換樹脂の色の変化が目視または色彩計に
    より判定できるように透明であり、かつ両端部が塞がれ
    ているバナジウムの分析キット。
JP2001249810A 2001-08-21 2001-08-21 バナジウムの分析方法、分析装置および分析キット Pending JP2003057225A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001249810A JP2003057225A (ja) 2001-08-21 2001-08-21 バナジウムの分析方法、分析装置および分析キット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001249810A JP2003057225A (ja) 2001-08-21 2001-08-21 バナジウムの分析方法、分析装置および分析キット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003057225A true JP2003057225A (ja) 2003-02-26

Family

ID=19078752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001249810A Pending JP2003057225A (ja) 2001-08-21 2001-08-21 バナジウムの分析方法、分析装置および分析キット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003057225A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004111640A1 (ja) * 2003-06-12 2004-12-23 Rohm Co., Ltd 対象物質の定量方法及び定量チップ
JP2007316001A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Sumitomo Titanium Corp TiCl4中の金属不純物の分析方法及び高純度チタンの製造方法
JP2008014858A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Gastec:Kk 吸光光度法用の発色カラム及びこれを用いた測定方法
JP2009281740A (ja) * 2008-05-19 2009-12-03 Hitachi High-Technologies Corp 6価クロムの分析方法および分析装置
JP2018512579A (ja) * 2015-03-05 2018-05-17 ネクストテック エルエルシー ガス検知管テンプレート、およびガス検知管を読み取る方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004111640A1 (ja) * 2003-06-12 2004-12-23 Rohm Co., Ltd 対象物質の定量方法及び定量チップ
US7184894B2 (en) 2003-06-12 2007-02-27 Rohm Co., Ltd Quantitative measurement method and quantitative measurement chip for target substance
JP2007316001A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Sumitomo Titanium Corp TiCl4中の金属不純物の分析方法及び高純度チタンの製造方法
JP4704958B2 (ja) * 2006-05-29 2011-06-22 株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ TiCl4中の金属不純物の分析方法及び高純度チタンの製造方法
JP2008014858A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Gastec:Kk 吸光光度法用の発色カラム及びこれを用いた測定方法
JP2009281740A (ja) * 2008-05-19 2009-12-03 Hitachi High-Technologies Corp 6価クロムの分析方法および分析装置
JP2018512579A (ja) * 2015-03-05 2018-05-17 ネクストテック エルエルシー ガス検知管テンプレート、およびガス検知管を読み取る方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Guo et al. Determination of mercury in urine by flow-injection cold vapour atomic absorption spectrometry
Guo et al. Determination of mercury in saliva with a flow-injection system
Pei et al. Flame atomic absorption spectrometric determination of silver in geological materials using a flow-injection system with on-line preconcentration by coprecipitation with diethyldithiocarbamate
WO2005080963A1 (ja) サンプル中の元素を定量又は半定量的に測定可能なフロー分析システム
CN107340355A (zh) 一种直接检测高盐及复杂水体中氨氮的方法
CN104792852A (zh) 一种藻毒素分子印迹化学受体传感器及其制备方法和应用
Růžička et al. Flow injection analysis: Part IX. A New Approach to Continuous Flow Titrations
Goulden et al. Chemical speciation of mercury in natural waters
Ensafi et al. Flow-injection simultaneous determination of iodate and periodate by spectrophotometric and spectrofluorometric detection
CN105910881B (zh) 一种用于表面增强拉曼光谱检测的微型化热辅助样品前处理装置及应用
Kang et al. Simultaneous spectrophotometric determination of iron and copper in serum with 2-(5-bromo-2-pyridylazo)-5-(N-propyl-N-sulphopropylamino) aniline by flow-injection analysis
JP2003057225A (ja) バナジウムの分析方法、分析装置および分析キット
US4412006A (en) Method for determination of nitrate and/or nitrite
Itabashi et al. A novel flow injection technique: All injection analysis
Butler Determination of inorganic arsenic species in aqueous samples by ion-exclusion chromatography with electro-chemical detection
US20120149122A1 (en) Device and method for determining the concentration of a compound in an aqueous or gaseous phase
Wuilloud et al. Preconcentration and speciation of Cr (III) and Cr (VI) in water samples using amberlite XAD-16 resin and determination by flow injection-flame AAS
JP4326207B2 (ja) 金属の検出方法、およびその装置
Esmadi et al. Sequential atomic absorption spectrometric determination of chloride and iodide in a flow system using an on-line preconcentration technique
SE452510B (sv) Sett att meta en halt av en forening, t ex en gas, i luft, fast adsorbent for utovande av settet samt anvendning av adsorbenten
JP3538957B2 (ja) 水中の3態窒素の分析方法及び分析装置
Gürkan et al. The investigation of a novel indicator system for trace determination and speciation of selenium in natural water samples by kinetic spectrophotometric detection
JPS6025740B2 (ja) クメンハイドロパ−オキサイドの連続自動定量分析法
Krenželok et al. The Use of a Membrane GasLiquid Separator for Flow Injection Hydride Generation Atomic Absorption Spectrometry On-Line Speciation and Determination of As (III) and As (V)
Uraisin et al. Determination of trace amounts of bromide by flow injection/stopped-flow detection technique using kinetic-spectrophotometric method