JP2003056779A - 平型急速継ぎ手 - Google Patents

平型急速継ぎ手

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 連結ラインの損傷及び油圧流体の漏れを生じ
る危険を招くことなく、雌型構成部品と雄型構成部品を
分離することが可能な急速継ぎ手を提供する。 【解決手段】 雌型構成部品1と雄型構成部品20とを
含み、該雌型構成部品1の径方向外側に設けられた筒状
部材が筒状スリーブ25の前部に連結され、該筒状スリ
ーブ25の反対側端部が、油圧流体のコレクタに連結さ
れた端部連結片26に連結され、該筒状スリーブ25に
より画成された室内には、バルブピン38を備えたバル
ブ本体34が軸方向に変移可能に配設され、該バルブ本
体34は第2筒状部材22に固着され、該第2筒状部材
22は長手方向に延びるとともに、拘束ボールを受容す
るための周方向溝をその端部に設けた第1筒状部材21
の内部で終端することを特徴とする平型急速継ぎ手。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平型急速継ぎ手に
関する。
【0002】
【従来の技術】平型急速継ぎ手は、雄型構成部品が連結
可能な雌型構成部品を実質的に含む。このタイプの急速
継ぎ手は、現在平型が普通であり、即ち、接合すべき連
結部分が接合されていない時、これら連結部分の端部が
完全に閉鎖されている。平型急速継ぎ手は、継ぎ手の構
成部品が連結或いは分離される際、油圧オイルの漏れに
よる損失が避けられるという最も重要な特性の故に、油
圧分野でますます用いられるようになっている。
【0003】この有利な特性の故に、事実、連結部分の
接合または分離の際に油圧流体の確認できるほどの漏れ
損失がないため、平型急速継ぎ手は農業機械や建設機械
の分野でも用いられることが可能になった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の急速継ぎ手の1
つの欠点として、油圧流体を供給するための個々の小組
立体と設備の各種部材の被駆動装置が高い作動圧を受け
ると、相互連結或いは解除が実行出来ないということが
注目される。
【0005】上記タイプの急速継ぎ手の場合、雌型構成
部品の端部に、該構成部品を取り巻くはめ輪が通常設け
られている。
【0006】急速継ぎ手の構成部品を相互分離しようと
する都度、上記はめ輪は手動で変位させることが出来、
該はめ輪を駆動することにより、既知の拘束ボールが半
径方向外側に移動し、変位可能な該はめ輪の円周方向溝
に入るという動作を達成する。その後雄型構成部品を取
り外すことが可能である。
【0007】上述のはめ輪の手動による駆動は、追加的
作業ステップを意味し、特に平型急速継ぎ手が例えば農
業機械または建設機械と組み合わせて使用される時いつ
でも、容易に迅速に行われるとは限らない。
【0008】既に市場で入手可能な上記平型急速継ぎ手
のさらに別の欠点は、雌型の連結部品が車両の油圧コレ
クタに可撓性のパイプラインを介在させて連結され、こ
れらパイプラインがコレクタと急速継ぎ手の各雌型構成
部品の間に設けられているということである。
【0009】しかし、これらパイプラインは極めて厄介
であり、正確な固定位置で車両に取り付けなければなら
ないため、可撓性パイプラインを使用する上記部材間の
連結は技術的に困難である。さらに、連結ラインが損傷
して油圧流体の望ましからざる漏れにつながる可能性を
除くことは不可能である。
【0010】直接引っ張り力がかかると、可撓性パイプ
ラインが裂けたり全く破壊されてその結果、油圧流体が
管系統から漏れるという危険もある。
【0011】本発明の目的は、従来技術の欠点を除き、
連結ラインの損傷及び油圧流体の漏れを生じる危険を招
くことなく、雌型構成部品と雄型構成部品を分離するこ
とが可能な急速継ぎ手を提供することである。
【0012】さらにまた、急速継ぎ手の接合された部材
を拘束するためのボールの溝と協動する変位可能なはめ
輪に手で作用することなく、急速継ぎ手の部品の分離を
可能にすることを目的とする。そして最後に、パイプラ
イン中の高い油圧の下で急速継ぎ手の構成部品の連結あ
るいはこれら構成部品の接合を可能とすることを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、雌
型構成部品と雄型構成部品とを含む平型急速継ぎ手にお
いて、上記雌型構成部品の径方向外側に設けた筒状部材
が筒状スリーブの前部に連結され、該筒状スリーブの反
対側端部が、油圧流体のコレクタまたはバルブに連結さ
れた端部連結片に連結され、該筒状スリーブにより画成
された室内には、バルブピンを備えたバルブ本体が軸方
向に変移可能に配設され、該バルブ本体は第2筒状部材
に固着され、該第2筒状部材は長手方向に延びるととも
に、既知の拘束ボールを受容するための周方向開口をそ
の端部に設けた第1筒状部材の内部で終端することを特
徴とする上記平型急速継ぎ手により達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照して本発
明の特徴並びに効果を詳細に説明する。全体を1で表す
雌型構成部品は、内部に、油圧流体が通過する通路33
内に配置されたリング3に取り付けられた既知の棒状成
形品2を有する。
【0015】雌型構成部品1の内部には、環状体5と協
動する筒状変位部材4がさらに配置されている。環状体
5に支持されて、筒状変位部材4に作用するばね6が設
けられ、該筒状変位部材4は外側の既知の変位部材8に
作用的に連結され、該変位部材8は1部がばね9で押圧
されている。
【0016】雌型構成部品1の前方には、ばね11に押
圧され内側にボール13に作用する環状突起を有するは
め輪或いは環状変位部材10がある。ボール13は環状
変位部材10の特定位置で、該変位部材10に形成され
た円周溝14に収容される。
【0017】雄型構成部品20は従来技術から既知の筒
状設計の突出部を有し、これは筒状変位部材4と第1筒
状部材21の内壁の間に導入される。ここまで記載した
急速継ぎ手の部材は従来技術から既知である。
【0018】本発明によれば、第1筒状部材21は第2
筒状部材22と接合されている。第2筒状部材22は径
方向外側に外側筒状部材24を支持する。外側筒状部材
24は、第1筒状部材21から径方向に突出するストッ
パ手段60間にブロックされたばね23により押圧され
ている。
【0019】ここまで述べた部材はすべて外側筒状部材
24内に装備され、該筒状部材24は支持体として機能
する外側の筒状スリーブ25内に配置されている。
【0020】筒状スリーブ25は端部連結片26に螺着
され、該端部連結片26はその1部が、コレクタまたは
バルブ群の本体27に形成されたねじ孔に螺入されてい
る。
【0021】ねじ付き連結片26を設けたことにより、
筒状スリーブ25並びに全体として1で表す雌型構成部
品全体を、特にパイプラインを設ける必要なく直接コレ
クタ27の本体に連結出来、面倒な可撓性連結管なしで
済ますことが出来るので有利である。
【0022】筒状スリーブ25は放出孔30を有し、こ
れにより油圧流体が細い管31を介して室32から放出
される。室32は貫通孔50を介して雌型構成部品1の
長手方向通路33と連通している。
【0023】室32はバルブ本体34を収容し、これは
ねじ連結を介して支持体として機能する第2筒状部材2
2に連結され、該第2筒状部材22は1部で第1筒状部
材21に連結されている。
【0024】筒状スリーブ25と外側筒状部材24との
間に、35で示すシールリングが設けられている。第2
筒状部材22と環状体5との間にも、シールリング36
が設けられている。
【0025】さらに、第2筒状部材22と外側筒状部材
24との間に、シールリング51が設けられている。バ
ルブ本体34と筒状スリーブ25との間にシールリング
52が設けられている。さらにバルブ本体34と筒状ス
リーブ25との間に、別のシールリング37が設けられ
ている。
【0026】流体静力学的圧力が生じる区画を画成する
シールリング37、51、52を設けたことにより、平
衡状態が達成され、外側筒状部材24の内部に配置され
た機械部材が軸方向に変位可能となる。
【0027】特に、シールリング51、52により定ま
る流体静水学圧力の総計が、シールリング37により定
まる流体静水圧力と、逆向きではあるが、同じ値である
場合がある。
【0028】上記平衡状態により、油圧回路に存在する
圧力とは無関係に、各筒状の内部部材を含む小組立体全
体が容易に軸方向に変位することが出来る。
【0029】バルブ本体34はまた、ばね39によりブ
ロック位置に変位されるバルブピン38を有する。バル
ブピン38はストッパとして機能する壁40に当接する
ようになっている。
【0030】本発明による平型急速継ぎ手は以下のよう
に作用する。接合作業の始めに、雌型構成部品1が圧力
下にある間に、雄型構成部品20が雌型構成部品に押し
込まれ、雄型構成部品が軸方向に進むにつれ、変位部材
8が後退し筒状変位部材4に当接する。筒状変位部材4
は雌型構成部品の内部に存在する内部圧により拘束され
ている。
【0031】連結作業が継続すると、内部部材全体がさ
らに後退し、ばね23を押す。同時にバルブピン38が
筒状スリーブ25の壁40と接触し、その結果ばね39
の作用に抗してバルブピン38が開く。バルブが開くこ
とにより、回路の油圧流体の1部が孔30を介して脱出
可能となり、細い管31を介して流出する結果、内部圧
が減少する。脱出した油圧流体は、細い管31を介して
機械の油圧系の主タンクに戻される。
【0032】急速継ぎ手の雌型構成部品の内部圧力が減
少すると、筒状変位部材4の拘束が解除され、雄型構成
部品20が雌型構成部品1の内部に進入可能となる。そ
の結果、雄型構成部品の突出部の前端に設けた通路によ
りボール13が溝14に転がり込み、雄型構成部品が完
全に挿入されることが可能になる。
【0033】
【発明の効果】上記構成によれば、連結ラインの損傷及
び油圧流体の漏れを生じる危険を招くことなく、雌型構
成部品と雄型構成部品とを分離することが可能となる。
【0034】さらにまた、急速継ぎ手の接合された構成
部品を拘束するためボールの溝と協動する変位可能なは
め輪に手で作用することなく、急速継ぎ手の構成部品の
分離が可能となる。さらに、パイプライン中の高い油圧
の下で急速継ぎ手の構成部品の連結あるいはこれら部品
の接合が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による急速継ぎ手の接合状態を示す上半
部の長手方向断面図である。
【図2】分離作業中の急速継ぎ手を示す同じく上半部の
長手方向断面図である。
【図3】分離作業終了後の急速継ぎ手を示す同じく上半
部の長手方向断面図である。
【符号の説明】
1 雌型構成部品 4 筒状変位部材 8 変位部材 10 環状変位部材 13 ボール 14 円周溝 20 雄型構成部品 21 第1筒状部材 22 第2筒状部材 24 外側筒状部材 25 筒状スリーブ 26 端部連結片 27 コレクタ 30 放出孔 32 室 33 中央通路 34 バルブ本体 38 バルブピン 40 筒状スリーブの壁 35、36、37、51、52 シールリング

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雌型構成部品と雄型構成部品とを含む平
    型急速継ぎ手において、上記雌型構成部品の径方向外側
    に設けられた外側筒状部材が筒状スリーブの前部に連結
    され、該筒状スリーブの反対側端部が、油圧流体のコレ
    クタまたはバルブに連結された端部連結片に連結され、
    該筒状スリーブにより画成された室内には、バルブピン
    を備えたバルブ本体が軸方向に変移可能に配設され、該
    バルブ本体は第2筒状部材に固着され、該第2筒状部材
    は長手方向に延びるとともに、既知の拘束ボールを受容
    するための周方向開口をその端部に設けた第1筒状部材
    の内部で終端することを特徴とする上記平型急速継ぎ
    手。
  2. 【請求項2】 上記第1筒状部材が第2筒状部材に連結
    され、その径方向外側にばねを収容し、該ばねが該第1
    筒状部材から径方向に突出した拘束手段の間で拘束され
    ていることを特徴とする請求項1記載の急速継ぎ手。
  3. 【請求項3】 上記外側筒状部材が内部に、筒状変位部
    材、環状体、第1及び第2筒状部材を収容し、該外側筒
    状部材が、支持体として機能する上記筒状スリーブに螺
    着されていることを特徴とする請求項1記載の急速継ぎ
    手。
  4. 【請求項4】 上記筒状スリーブが放出孔を有し、上記
    バルブピンが作動されると、貫通孔を介して油圧流体の
    中央通路と連通する室内に存在する油圧流体を、細い管
    により放出せしめることを特徴とする請求項1記載の急
    速継ぎ手。
  5. 【請求項5】 上記筒状スリーブと外側筒状部材との間
    にシールリングが設けられ、第2筒状部材と外側筒状部
    材との間にもシールリングが設けられ、筒状スリーブと
    バルブ本体との間にもシールリングが設けられ、筒状ス
    リーブとバルブ本体との間にさらに別のシールリングが
    設けられたことを特徴とする請求項1記載の急速継ぎ
    手。
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