JPS5932711B2 - 自己封鎖性管継手 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ニップルとカプラーより成り、その各々に弁
体を備え、何れか一方に内圧が加わっていても両者の接
続が容易に可能な自己封鎖性の管継手を供給するのが目
的である。

従来の自己封鎖型のニップルおよびカプラーよりなる管
継手においては、何れか一方に内圧が加わっていると、
両者を接続するときにはその内圧に抗して内部の弁体を
押し開かねばならなかったので、事実上人力による接続
は不可能なものが殆んどであった。

このようなことに鑑み、これを解決するものとして第１
図に示すような管継手が提案されている。

しかし、この管継手は、 ■ 弁体がニップルにしかなく、従って両者の接続解除
後は弁体のない方の側から流体の漏洩が発生する。

■ ニップル内に二つの弁体が前後に連設されている構
成であるため、圧力流体の主たる流路が挟まり、そのた
め作動流体の通過時に圧力低下が生じる。

また後方の弁体と前方の弁体とをシールするためのシー
ル材が圧力流体の主たる流路中におかれるため、圧力流
体によって流され易く、それによって漏洩が生じるおそ
れがある。

という欠点を有している。

本発明はかかる欠点を解決した自己封鎖性管継手を提供
することを目的としたものである。

すなわち、本発明は前述■の点については第１図の管継
手において、カプラーにも同様に弁体を設け、また前述
■の点についてはニップル内の二つの弁体のうち、一方
の弁体を他方の弁体の内側に設け、また弁体間をシール
するシール材を弁体に内装することにより、かかる目的
を充分に達成する自己側鎖性管継手を提供したのである
。

図示した実施例に基づいて本発明を説明する第２図にお
いて、１はニップル、２はカプラーで前者は圧力流体を
搬送する本管側に後端をネジなどにより固着される。

（なお、本明細書では接続の本管側、すなわち第１図の
左側を後部右側を前部として、以後規定する）。

カプラー２はその前端をネジなどにより分岐管あるいは
接続管の後端に固着する。

まず、ニップル１の方から詳述すると、ニップル１は内
壁に第１弁座５を有する第１管状体６に第１弁体３を挿
入し、その後方に位置した第１カラー１との間に押圧ば
ね８を配置して第１弁体３を善時第１弁座に向けて付勢
させた構造で、第１弁体３は第３図に示す構造を有して
いる。

すなわち、第１管状体６の小口径部よりさらに小径の柱
状部９とその後部に前記第１弁座５と接合して流体通路
を閉塞し得る環状の突部１０を有し、前記押圧ばね８は
この突部１０の後部に形成された段部に係合されている
。

１１は突部頂部に設けられたシールリングである。

この第１弁体３の中央には軸線に沿って中間に拡大室１
２を有する貫通孔１３が穿設され、拡大室１２の前端は
小口径部となり前壁は第２弁座１４となっている。

この貫通孔１３には、全体としてスプール状で前記拡大
室１２の小口径部に相当する長さの突部１５が形成され
て、その前部が第２弁座１４に適合する形状のブリーダ
ー１６が挿入されている。

なお、ブリーダー１６は、どの部分でもその部分の貫通
孔１３の口径より小径で周囲に流体通路が開放される寸
法である。

そして、前者ブリーダー１６は突部１５の後部と０リン
グ１７を嵌挿し、このＯリング１７は拡大室１２内にお
いてその後壁との間にスプリング押えを介して内装され
た押圧ばね１８にて常に前方に付勢されている。

すなわち、通常状態（不使用時）でブリーダー１６は常
に前方に押され、その前端が第１弁体３の前端より所定
長さ突出する構造である。

本実施例のニップル１では第１管状体６の前記第１弁座
５より前方部を小口径部とし外周には環状溝１９を設け
ている。

（第２図）次にカプラー２について詳述する。

カプラー２は内壁に第３弁座２０を有する第２管状体２
１に第２弁体４を挿入し、その後方に位置した第２カラ
ー２２との間に抑圧はね２３を配置して第２弁体４を常
時第３弁座２０に向けて付勢させた構造で、第２弁体４
はこの実施例では第１弁体３に同一の外形を有している
。

すな４つも、第２弁体４は第１管状体６の小口径部より
さらに小径の柱状部２４とその前部に前記第３弁座２０
と接合して流体通路を閉塞し得る環状の突部２８を有し
、前記押圧ばね２３は、この突部２４の前部に形成され
た段部に係合される。

２５は突部２４の頂部に環状に嵌め込まれたシールリン
グである。

結局、第１弁体３と第２弁体４は外形的には同一形状で
第１管状体１、第２管状体２１に対する関係も第２図上
では対称的に位置しているが形状は同一であることは明
らかであろう。

ただし、第２弁体４には第１弁体３の如く中央にブリー
ダー１６を嵌挿する構造とはなっておらず、その後端面
は単に垂直面として閉鎖されている。

なお、実施例においてカプラー２の第２管状体２１の後
端はニップル１の小口径部の外径に合致する口径を有し
、この部分には数個の孔が穿設されて鋼球２６が内方へ
の脱落を防止されて嵌めこまれ、かつこの部分の外周に
、後方へ移動したとき前記鋼球２６の内方への後退を許
すスリーブ２１が、第２管状体２１に対して前後摺動可
能に嵌挿されている。

以上の構造であるが、上記説明に用いた第１、第２、第
３なる語は同一の部品名を区別するためにのみ用いたも
のである。

ニップル１は本管に接続されているから、第１管状体６
内には本管からの流体圧（内圧）が加わわるが、これは
第１弁体３の後向に作用し第１弁体３は前方に押圧され
て第２図のように第１弁体３は第１管状体６の第１弁座
５に接合し、シールリング１１の作用と共にこの部分で
第１弁体３外周の流体通路を閉塞する。

もつとも、第１弁体３は内圧が無くとも押圧ばね８の作
用で流体通路を閉塞しているが、この作用が内圧により
より確固たるものとされる。

また、第１弁体３内のブリーダー１６部分にも内圧が作
用するがここでもブリーダー１６の突部１５の前部と第
１弁体３の拡大室１２の前壁に設けた第２弁座１４との
接合を押圧ばね１８の作用と共に、より強固にする如く
働き、ブリーダー１６の外周の流体通路を確実に閉塞す
る。

したがって、ニップル１を本管に取りつけたままでもニ
ップル１の前端から圧力流体が漏洩することはない。

ニップル１に分岐管を接続するときは、分岐管後端にカ
プラー２の前端を固着し、このカプラー２のスリーブ２
７を前方に引いて鋼球２６の外方への移動を自在とした
後、その後端開口部をニップル１の小径部に嵌挿して鋼
球２６をニップル１の環状溝１９に落とし込んだ上でス
リーブ２７を後方に移動して鋼球２６の上方移動を阻止
して両者を固定する。

このようにして、ニップル１とカプラー２は結合される
が、この際第４図に見るように、両者の接合の当初にお
いて、まずカプラー２の第２弁体４の後端がニップル１
の第１弁体３に設けたブリーダー１６の突出部を押圧す
るため、ブリーダー１６は押圧ばね１８に抗して後方に
移動される。

そのため、ブリーダー１６の突部１５と第２弁座１４と
の接合は隔離され、ブリーダ−１６外周、すなイつちブ
リーダー１６と第１弁体３の貫通孔１３間に本管側と通
じる流体通路が開放されて第４図に矢印で示したように
流体が流れる。

したがって、第１弁体３後方の強力な内圧は瞬時に低下
される。

つづく第２弁体４の後方移動は第１弁体３そのものを後
方に移動させ第１弁座５と第１弁体３突部１０との接合
を隔離し、同時に第２弁体４自体も前方に移動し第３弁
座２０と第２弁体４の突部２８との接合が隔離し、結局
、第５図に見るように第１弁体３、第２弁体４外周に本
管と分岐管に連通する流体通路を形成する。

なお、この場合第１弁体３の後方移動は、ブリーダー１
６の後方移動によりすでに本管側からの内圧が低下され
ているのできわめて容易に行なわれる。

また、カプラー２側の押圧ばね２３の強さはニップル１
側の押圧ばね８，１８の合力に相当するものとされる。

本管から分岐管を取外す場合は、カプラー２のスリーブ
２７を前方に引き、カプラ−２全体の前方に引けば、カ
プラー２がニップル１から外れる。

そして、この場合分離されたニップル１とカプラー２の
開口部は第１弁体３、ブリーダー１６、お３ｊ１よび第
２弁体４によりそれぞれ自動的に閉塞される。

したがって、本管側からはもちろん分岐管側からの流体
漏洩が自動的に阻止される。

本発明は以上のように従来の管継手において、弁体をニ
ップル側のみでなく、カプラー側にも設けた構成である
ので、ニップルからカプラーを分離するとカプラー側も
ただち自己封鎖され、カプラー側である分岐管に供給し
た流体の残存性がある場合であってもその流体が漏洩す
るというおそれがないという効果を有する。

才た、本発明はニップルにおけるブリーダーを、これに
付随する０リング、押圧ばねと共に第１弁体の拡大室を
設けた貫通孔内に装着することで、第１弁体に内装した
構成であるので、ニップルとカプラーの連結構成におい
て、圧力流体の主たる通路となる第１弁体の周縁領域か
らブリーダーやその関連部材など、流体の流路阻害物を
除去しており、そのため前記連結構成個所における流体
圧力低下を防止できるという効果を有する。

また、本発明は前述効果に関連し、ニップルとブリータ
ーとをシールするためのＯリングが圧力流体の主たる通
路下におかれないので、０リングが圧力流体によって流
出し、ニップルとカプラーの分離時等においてニップル
側より流体が漏出するというおそれが除去できるという
効果をも有する。

なお、上記実施例の説明においては、本管取付側をニッ
プル１の雄型とし、分岐管側をカプラー２の雌型とした
が、これは逆でも良い。

しかし、この場合はカプラー２の第２弁体４にブリーダ
ー１６を装備し、前後についての規定も説明上進になる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の一部縦断面図、第２図は本発明の一部
縦断面図、第３図は弁体の一部縦断面図、第４，５図は
作動を説明するための一部縦断面図である。 主要な記号の説明、１・・・・・・ニップル、２・・・
・・・カプラー、３・・・・・・第１弁体、４・・・・
・・第２弁体、５・・・・・・第１弁座、６・・・・・
・第１管状体、１２・・・・・・拡大室、１３・・・・
・・貫通孔、１４・・・・・・第２弁座、１５・・・・
・・突部、１６・・・・・・ブリーダー、２０・・・・
・・第３弁座、２１・・・・・・第２管状体、２７・・
・・・・スリーブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ニップル１とカプラー２とから成る自己封鎖性管継
   手において、 ニップル１は、第１管状体６とその内部に挿入されかつ
   その内壁に設けた第１弁座５に常時押圧されて常時は流
   体通路を閉塞する第１弁体３と、第１弁体３の内部に穿
   設され、一部を拡大室１２とし前端に第２弁座１４を形
   成した貫通孔１３と、該貫通孔１３内に挿入され前端が
   第１弁体３前端より突出し中間に前記第２弁座１４に接
   合する突部１５をもち後端が貫通孔１３内に位置するブ
   リーダー１６と、該ブリーダー１６の突部後部に嵌挿し
   た０リング１７と、該Ｏリング１７を常時前方に押圧し
   て常時は流体通路を閉塞するための拡大室１２内に内装
   した押圧ばね１８とから成り、カプラー２は、第２管状
   体２１とその内部に挿入されかつその内壁に設けた第３
   弁座２０にはね２３で常時押圧され常時は流体通路を閉
   鎖するが、前記ニップル１の嵌着時にその後端が前記ブ
   リーダ１６の突部前端面に押圧されて流体通路を開放す
   る第２弁体４とから成り、 ニップル１とカプラー２との接続時に第２弁体４が前記
   ブリーダー１６、ついで第１弁体３を後方へ押圧してそ
   れぞれの流体通路を開放すると共に第２弁体４自らが前
   方に移動してその流体通路を開放するようにした自己封
   鎖性管継手。