JP2003056495A - ポンプ冷却装置 - Google Patents

ポンプ冷却装置

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JP2003056495A
JP2003056495A JP2001242231A JP2001242231A JP2003056495A JP 2003056495 A JP2003056495 A JP 2003056495A JP 2001242231 A JP2001242231 A JP 2001242231A JP 2001242231 A JP2001242231 A JP 2001242231A JP 2003056495 A JP2003056495 A JP 2003056495A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で余分の装置や電力や水等が不要
で通常のポンプの大きさや構造を変更することなく、循
環される熱媒体への侵入熱を効果的に防止する。 【解決手段】 冷却装置は、ブライン循環させて水晶発
信器等のを冷却にする液媒回路7に設けられたポンプ1
のケーシングを冷却するように、ポンプ1に装着された
冷却管3と、これに冷凍機5のカスケードコンデンサ6
0から出た冷媒を供給する入口/出口管41/42を有
する。冷凍機5はこの例では二元冷凍回路のものであ
る。 【効果】 冷媒の入口/出口管と冷却管が追加されただ
けの簡単な構造で、蒸発器を出た冷媒を使用することに
よって余分の水や電力を消費せず、効率の良い冷却方式
の下にポンプケーシングを十分冷却し、循環される熱媒
体の温度上昇を防止して目的物に精度の良い温度環境を
与えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機で冷却され
る熱媒体を循環させて目的物を冷却可能にする熱媒体循
環系に設けられたポンプのケーシングを冷却するポンプ
冷却装置に関する。
【0002】
【従来技術】水晶発振器やウエハや液晶ガラス基板等の
電気・電子部品からなる試料は、温度制御装置により、
低温条件を含み複数の温度条件で試験されたり温度補正
される。このときの温度条件は、熱媒体を冷凍機で冷却
すると共に通常加熱器で加熱して循環させる熱媒体循環
系によって試料に付与される。そして、この熱媒体を循
環させるためにポンプが使用される。
【0003】このポンプは、上記のような試料の冷却又
は加熱に必要なだけの流量と、循環系を構成する機器や
弁類や配管等によって生ずる熱媒体の流れ抵抗より大き
いだけの揚程とを持つものであればよいので、一般に
は、低揚程、小容量のものであり、例えば試料が水晶発
振器の場合には200〜300W程度までの小出力のモ
ータで駆動される。従って、従来では、このようなポン
プの発熱は問題にされず、特別な対策は講じられていな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このポ
ンプは、一般に50%程度以下という低効率の小出力モ
ータで駆動されるため、モータの発熱が大きく、そのケ
ーシングやポンプ側端面のフレーム温度が50℃以上に
もなると共に、通常、ポンプとモータとが一体的なケー
シング構造のものになっていて、モータとポンプ間の断
熱が難しいため、モータの発熱がポンプの吐出する熱媒
体への侵入熱になるという問題が生ずる。そしてこの場
合、熱媒体が冷凍機で冷却されて低温になるときには、
モータの発熱温度と低温熱媒体の温度との差が相当大き
くなり、熱媒体への入熱量が多くなり、熱媒体循環系に
おける熱媒体の温度制御性に影響を与えることになる。
又、このような発熱は、モータやポンプ構造部分の耐久
性にも影響する。
【0005】更に、ポンプが−40℃もしくはそれより
低い低温の熱媒体を扱うことがあるため、通常のシール
部材を用いたシール構造のポンプにするときには、シー
ル部材の材料の耐久性に問題があることや、使用対象液
がブラインであるため液漏れを確実に防止する必要があ
ることから、シールの不要な電磁カップリング式のポン
プが採用されることも多い。
【0006】その場合には、電磁カップリング部分の電
気的発熱や、この部分及び閉鎖された軸受部分の冷却の
ために、これらの部分に取り扱う熱媒体の一部を循環供
給するときに、発熱した一部の熱媒体の熱が吐出される
熱媒体に持ち込まれることになる。この場合、熱媒体は
ある程度粘性が大きいので、電磁カップリングや軸受部
分を循環冷却中に摩擦と共に回転や攪拌も伴って自己発
熱する。そのため、このようなポンプでは全体的に発熱
量が多くなり、ポンプで吐出される熱媒体への持ち込み
熱量が多くなるという問題がある。
【0007】このような発熱を防止する装置としては、
送風によってモータ及びポンプの表面を空冷したり、冷
却管を取り付けて水道水等の冷却水で水冷するような装
置が考えられる。しかしながら、このような装置では、
送風機等の送風装置が必要になったり、冷却水が消費さ
れることになる。又、低温条件を含む熱媒体に対して、
空気や通常の冷却水では温度が高く、冷却効果が不十分
であるという問題もある。
【0008】更に、モータの駆動軸とポンプの従動軸と
を通常の開放された構造のカップリングで接続し、モー
タからの熱がほぼ遮断された構造のポンプを用いること
も考えられる。しかしながら、このようなポンプは、小
出力ポンプとしては汎用品でなくなり、コストが高くな
ると共に形状が大きくなり、冷凍機を含めた装置ユニッ
トを形成する場合の障害になる。又、熱媒体を低温にす
る使用条件があるため、ポンプのシール部分の耐久性等
の問題も生ずる。
【0009】そこで本発明は、以上の諸問題を解決し、
簡単な構造で余分の装置や電力や水等の資源の消費がな
く、通常のポンプの大きさや構造を変更することなく、
循環される熱媒体への侵入熱を効果的に防止できるポン
プ冷却装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、冷凍機で冷却される熱
媒体を循環させて目的物を冷却可能にする熱媒体循環系
に設けられたポンプであって該ポンプのケーシングが前
記ポンプを駆動するモータと一体的に形成されたポンプ
を冷却可能にするように前記ポンプに装着された冷却部
材と、該冷却部材に前記冷凍機の冷媒のうち前記冷凍機
を構成する蒸発器から出た冷媒を供給する冷媒供給配管
と、を有することを特徴とする。
【0011】請求項2の発明は、上記に加えて、前記ポ
ンプの揚水部は前記モータの軸から相互間が仕切られた
外側電磁カップリングと内側電磁カップリングとからな
る電磁カップリングを介して回転駆動されることを特徴
とする。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用したポンプ
冷却装置の概略構成を一部分に示すと共にこの装置を備
えたポンプを含む熱媒回路の一部分及びこれに冷媒を送
る冷凍機の構成例を示す。又、図2及び図3はポンプ及
びその冷却装置部分の構造例を示し、図4は熱媒回路の
構成例を示す。以下では、主として図1に基づいて説明
し、他の図を参照するときにはその図番を付して説明す
る。
【0013】ポンプ冷却装置は、主要構成部分として、
ポンプ1に装着された冷却部材である冷却管3、及び、
冷媒を供給する入口管41び出口管42からなる冷媒供
給管4を有する。
【0014】ポンプ1は、本例では二元冷凍サイクルで
構成される冷凍機5で冷却される熱媒体として例えば−
50℃から100℃程度までの使用条件に適合するブラ
インを循環させる熱媒体循環系としての液媒回路7に設
けられる。このポンプ1は、図2に示す如く、ポンプ1
のケーシング11がポンプ1を駆動するモータ12と一
体的に形成されている。
【0015】そして本例のポンプ1は、揚水部である羽
根車13がモータ12の軸14から相互間が仕切られた
外側電磁カップリング15及び内側電磁カップリング1
6からなる電磁カップリングを介して回転駆動されるよ
うに構成されている。内外電磁カップリング16、15
は電磁コイル16a、15aを備えている。羽根車13
は内側電磁カップリング16と結合されている。モータ
12は例えば150Wの出力のものである。
【0016】符号17乃至24は、それぞれ、吸入口1
7aの形成された前部ケーシング17、ポンプ1が取り
扱うブラインを内側電磁カップリング16側に封入する
ようにケーシング11、17間に介装され内外の電磁カ
ップリング16、15間を完全に仕切るように延長され
た内部ケーシング18、軸支持ブラケット19、これら
で支持された内部の軸20、軸20に回転可能に嵌めら
れ内側電磁カップリング16と結合されたブッシュ2
1、前部ケーシング17に取り付けられた吐出口22、
据付台23、等によって構成されている。
【0017】本例のポンプ1では、吸入口17aから吸
入されて羽根車13から吐出されたブラインのうちのご
く少量のブラインが、内外の電磁カップリング間で内部
ケーシング18の内側に沿って流れ、更に軸20とブッ
シュ21との間を通過し、羽根車13の吸入側に戻る内
部循環系が形成されている。従って、自己潤滑式でシー
ル不要のポンプ構造になっている。但し、このようなシ
ールレスのポンプでなく、モータ軸14に羽根車13が
直接装着されシール構造部分を備えた通常のモータ軸直
結式のポンプ等に対しても、本発明を適用することがで
きる。
【0018】冷却管3は、ポンプ1を冷却可能にするよ
うにポンプ1に装着されるが、本例のものは、図3に示
す如く、銅管等からなる管31をU 字型に曲げて3回折
返してチューブパネル状に形成し、これをポンプ1のケ
ーシング11とほぼ同じ曲率に曲げてその先端を同図
(c)の二点鎖線で示すように直線状に延ばした形状に
製作し、これをポンプ1の上から被せて、実線で示すよ
うにポンプ1の据付台23の手前までケーシング11に
沿わせて曲げることにより、ポンプ1に装着されてい
る。装着後図示しない保温材によって覆われる。
【0019】なお、冷却管3としては、上記のような構
造のものの他に、例えばケーシング11をジャケット状
に二重にして、その中に冷媒を流す等、他の適当な構造
のものを用いることができる。
【0020】冷却管3を備えたポンプ1は、図4に示す
如く、目的物として本例では水晶発振器からなる試料W
を冷却可能にする熱媒回路7に設けられる。この熱媒回
路7は、ポンプ1、ポンプ1で循環されるブラインを冷
却可能にするように冷凍機5を構成する冷媒管71から
冷媒が供給されると共に本例では加熱もできるように加
熱ヒータ72を備えた熱交換器73、試料Wを冷却する
と共に本例では加熱も可能な伝熱プレート74、図示を
省略している弁やセンサ類やブライン補充タンク等を備
えた配管75、等で構成されている。
【0021】伝熱プレート74は、図4(b)に示す如
く、多数の試料Wを処理できるようにそれぞれ独立した
多数のソケット74aを備えていて、その中には、プラ
インを流す液路74bが形成されていて、これからの熱
伝達によって乗せられた試料Wを冷却又は加熱するよう
に接触台74cを備えている。
【0022】冷媒供給管4は、本例では、冷凍機5の冷
媒のうち冷凍機を構成する蒸発器である二元冷凍サイク
ルのカスケードコンデンサ60から出た冷媒として、高
温側圧縮機51に至る管系である図において実線で示す
高温側ガス戻り管系55から高温側戻り冷媒を冷却管3
に供給する。この冷媒は、図において点線で示す管系の
低温側冷媒を冷却して凝縮させた後の冷媒である。
【0023】このような冷凍機5は、前述の如く高温側
冷凍回路及び低温側冷凍回路からなる二元冷凍サイクル
で構成されていて、主要構成部分として、高温側の蒸発
器及び低温側の凝縮器として作動する前記カスケードコ
ンデンサ60、高温側冷凍回路を構成しカスケードコン
デンサ60から出た冷媒を圧縮する高温側圧縮機51、
高温側凝縮器52、電子膨張弁からなる高温側膨張機構
53、低温側冷凍回路を構成しカスケードコンデンサ6
0へ圧縮された冷媒ガスを供給する低温側圧縮機61、
カスケードコンデンサ60で凝縮された冷媒液を膨張さ
せるキャピラリーチューブからなる低温側膨張機構6
3、及び低温側蒸発器でありポンプ1で循環されるブラ
インを冷却する前記熱交換器73を備えている。
【0024】本例の高温側凝縮器52は空冷式になって
いて、矢印で示すように冷却用の風を送る送風機54が
設けられている。又、本例では圧縮機を出た低温側冷媒
を予冷する予冷器64が設けられていて、予冷器64も
同じ送風機54で空冷されるようになっている。
【0025】図5は本発明のポンプ冷却装置を含む関連
設備の配置例を示す。ポンプ冷却装置関連設備は、図1
乃至図4に示す機器の主要部分をユニット化したもので
あり、共通の床面100上に配設されたポンプ1、高温
側及び低温側圧縮機51、61、予冷器64、送風機5
4、高温側凝縮器52、図示しない配管や弁等と共に、
床面100から支持されて中間高さ位置に配置された断
熱ボックス200内に入れられたカスケードコンデンサ
60や液媒回路7を構成する熱交換器73、等によって
構成されている。
【0026】又図示していないが、このユニットは操作
制御盤等も備えていると共にキャスターの付いた可搬式
になっていて、冷凍機を使用してブラインを供給できる
完成された冷却装置となっている。なお、図4に示す伝
熱プレート74は、試料Wである水晶発信器の温度補正
試験のための諸装置と共に別のユニットに組み込まれて
いる。このユニットでは、冷媒の入口、出口管41、4
2はそれぞれ、ポンプ1の近くに配置されたカスケード
コンデンサ60及び高温側圧縮機51とポンプ1との間
に導設される。従って、ポンプまわりの管系は短い距離
に合理的に配設される。又、ポンプ1のブライン吐出口
は真上に配置された熱交換器73に接続される。
【0027】以上のようなポンプ冷却装置を備えたポン
プ及び関連設備は次のように運転されその作用効果を発
揮する。図4に示す水晶発信器からなる試料Wは、通常
−40℃程度から50℃程度までの温度範囲の例えば4
種類の温度で温度補正試験をされる。そのため、伝熱プ
レート74を含む図示しない試験設備が4種類準備され
ていて、試料Wはロボット等で搬送されつつ順次4種類
の試験設備で試験される。この場合、本発明は−40℃
の低温試験を行うときに特に効果的に適用される。
【0028】なお、50℃程度以上の高温試験では、冷
凍機5は運転されず従ってポンプ冷却装置は使用されな
い。又、0℃近傍の温度以上の温度で試験を行うための
専用の設備にするときには、図1に示すように冷凍機を
二元冷凍サイクル式のものにする必要はなく、更に、常
温以上の温度で試験をする専用設備にするときには、冷
凍機そのものも設けられない。なお、−40℃位までの
低温では、一元冷凍回路も使用可能である。
【0029】以下では、二元冷凍回路の冷凍機1を用い
て試料Wを−40℃で試験する場合について説明する。
このときには、図5に示すユニット化された設備と伝熱
プレート74を備えた図示しない−40℃の温度補正試
験設備とが組み合わせられ、伝熱プレート74には図4
に示すようにブラインを流す液媒回路7の配管75が接
続される。
【0030】このような条件の下に、まず冷凍機5が運
転され、高温側及び低温側の使用冷媒の種類や回路特性
等によって定まる回路内の各部の冷媒温度として、高温
側冷媒蒸発温度が−25℃、カスケードコンデンサ60
の高温側出口冷媒の蒸発温度が−30℃、低温側冷媒蒸
発温度が−60℃、程度の温度に運転制御される。
【0031】冷凍機5と並行してポンプ1を含む液媒回
路7が運転され、この回路7を循環するブラインは、−
60℃の冷媒で冷却されて伝熱プレート74で−40℃
の温度になるように冷却制御される。一方、ポンプ1の
冷却管3には、カスケードコンデンサ60で蒸発した−
30℃の高温側出口冷媒が供給され、これによってポン
プ1が冷却される。
【0032】ポンプ1を冷却する蒸発器から出た冷媒は
ある程度過熱されていることも多いが、二元冷凍回路の
カスケードコンデンサ60では、通常、少量の液を含ん
だ状態になっている。即ち、この冷媒は、入口の−25
℃の状態から更に圧力が下がって冷媒液が残存するため
飽和温度も下がり、−30℃程度の温度になり、入口よ
りも過冷された如き状態になっている。
【0033】一方、モータ12が回転駆動され、外側及
び内側の電磁カップリングが結合され、羽根車13が回
転してブラインを吸入/吐出して循環させる負荷運転に
入ると、モータ12が発熱し、そのハウジング、ポンプ
側端面及びモータ軸14からポンプ側に熱が侵入すると
共に、電磁カップリングやブッシュ18の潤滑摺動面等
も発熱し、放置すればポンプケーシング11の外面でも
50℃を越える温度になる。
【0034】これに対して本発明を適用した本例のポン
プ冷却装置によれば、冷却管3を形成する管31がポン
プケーシング11に沿って設けられていて、これに上記
の如く−30℃の冷媒が流されるので、十分大きい温度
差によってポンプケーシング11が冷却され、それに伴
ってケーシング内部の空間部分や外側電磁カップリング
15も冷却され、モータ12等の発熱が極めて効果的に
除去される。
【0035】発明者等の実験によれば、この冷却によっ
てポンプケーシング11の表面温度を約10℃にするこ
とができた。その結果、ケーシング内の熱がケーシング
から冷却管3に吸収され、ポンプ1が吸入/吐出するブ
ラインへの侵入熱が大幅に低減されることになった。そ
して、ポンプ1の入口/出口間でのブラインの温度上昇
が少なくなり、伝熱プレート74へ供給するブラインの
温度制御性を向上させることができた。
【0036】一方、本例のポンプ1では、ブラインが電
磁カップリング間や軸受ブッシュ部分を通過するように
内部循環しているので、このブラインが吸収した熱がポ
ンプが吐出する循環系に持ち込まれるが、内部循環する
ブライン量はごく微量であるから、その熱量は僅かであ
り、吐出ブラインの温度上昇は僅かな程度に止まる。そ
の結果、特に低温環境を含み耐久性に問題があり交換部
品にもなるゴム等の摺動シール部材を不要にした本例の
ポンプにおいて、ポンプ吐出液への熱の持ち込みを大幅
に低減させ、ポンプの耐久性や保守性とブラインの温度
制御性との両方を向上させることができた。又、低温冷
媒用として汎用されているポンプを使用し、大きなコス
ト上昇を伴うことなく上記の効果を得ることができた。
更に、ポンプ1に冷却装置を設けても、冷却管3及びそ
の外側を覆う断熱材が追加されるだけで、ポンプ1の基
本的構造、形状及び大きさは変わらないので、冷凍機を
含めた装置ユニットを容易に形成することができた。
【0037】なお、ポンプ1をカスケードコンデンサ等
の蒸発器の出口冷媒で冷却する場合には、ポンプケーシ
ングの温度の異常低下や冷媒が過度に過熱するおそれが
あるが、実験によれば、前記の如くポンプケーシングの
温度は10℃程度になり、通常の水冷や空冷では得られ
ない十分な低温になるが、異常な低温にまでは降下せ
ず、又、冷媒の温度上昇は5℃程度に止まり、全く問題
のないことが確認された。
【0038】又、以上のようなポンプ冷却装置において
は、ポンプの冷却用としてポンプが取り扱うブラインを
冷却するための冷凍機の冷媒を使用するので、冷却のた
めの余分の装置がなく、電力や水等の消費もない。従っ
て、本例のポンプ冷却装置は、省資源、省エネの図られ
た装置である。
【0039】ポンプ1から送出され−40℃の温度に精
度良く制御されたブラインは、伝熱プレート74に供給
され、ソケット74a内に穿孔されている液路74bを
流れて接触台74cを同じ温度に冷却し、ロボット等で
その上に乗せられる試料Wを精度良く且つ迅速に目的と
する温度に到達させる。そして、温度補正試験では、−
40℃の低温時の試料Wの振動周波数が測定され、基準
温度に対する補正値が得られることになる。この温度で
の試験が終了すると、試料Wは−10℃乃至0℃の次の
試験に回される。
【0040】なお、以上では試料Wが水晶発信器の場合
について説明したが、本発明のポンプ冷却装置は他の電
気電子機器等の温度環境試験に適用可能であることは勿
論である。
【0041】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、請求項1の
発明においては、ポンプ冷却装置は、ポンプを冷却可能
にするようにポンプに装着された冷却部材と、この冷却
部材に冷凍機の冷媒を供給する冷媒供給管とを備えてい
るので、冷媒供給管から冷却部材に冷媒を供給すること
により、ポンプを効果的に冷却することができる。
【0042】即ち、冷却装置が装備されるポンプは、そ
のケーシングがポンプを駆動するモータと一体的に形成
されたポンプであるため、モータの発生する熱がポンプ
側に伝わり、ポンプケーシングの温度が常温以上の温度
になるが、供給される冷凍機の冷媒は少なくとも−20
℃程度の温度より低い温度であるため、又、冷却される
べきポンプケーシングとの間で十分大きい温度差が得ら
れるので、大きな冷却効果を得て、ポンプケーシングを
例えば10℃程度の適当な低温まで冷却することができ
る。なお、ポンプケーシングは50℃程度の温度になる
ことがあるが、その場合でも、例えば20℃程度の温度
の冷却水や冷却風では、十分な低温冷却効果を得ること
はできない。
【0043】又、冷却部材に供給する冷媒を冷凍機の蒸
発器を出た冷媒にしているので、この冷媒がポンプケー
シングを冷却して熱を吸収したとしても、この冷媒は、
続いて冷凍回路中の圧縮機で圧縮されて昇温・昇圧され
るので、直接的には冷凍機の冷凍能力に影響しない。
又、ポンプケーシングからの除去熱量は、主たる冷凍回
路の冷凍能力に比べると十分小さいので、仮に蒸発器に
供給する冷媒量を多くし、蒸発器から出る冷媒を液の存
在する過冷却状態にするとしても、通常、冷凍機の冷凍
能力の余裕の範囲においてこのような状態を実現でき
る。従って、ポンプ冷却のための電力消費量は基本的に
は増加せず、又、冷却水や冷却風を送る場合のように余
分の装置やエネルギー消費がない。
【0044】更に、ポンプ冷却装置が装備されるポンプ
は、冷凍機で冷却される熱媒体を循環させて目的物を冷
却可能にする熱媒体循環系に設けられたポンプであるた
め、熱媒体が低温になるので、ポンプが送出する熱媒体
にポンプを駆動するモータから発生した熱が侵入する
と、それによる熱媒体の温度上昇が目的物を冷却するた
めの熱媒体循環系の温度制御に影響を与えるが、上記の
ようにポンプケーシングを効果的に冷却することによ
り、温度制御性を良くし、目的物を精度の良い温度条件
で冷却することができる。
【0045】そして更に、ポンプ冷却のために供給され
る冷媒用の冷凍機を、冷凍機で冷却される熱媒体を循環
させて目的物を冷却可能にする熱媒体循環系の冷却用の
冷凍機にしているので、冷凍機と熱媒体循環系とが関連
した設備となり、従って、熱媒体循環系を構成するポン
プが通常冷凍機と近い位置に配設されることになる。そ
の結果、冷却部材に冷媒を供給する冷媒供給配管が十分
短い長さで簡単に装備できるものとなる。
【0046】そして、冷却装置はこの冷媒供給配管に接
続される冷却部材を設けただけの構造のものであるか
ら、簡単で低コストのものである。更に、ポンプ自体に
は、冷却部材が追加されただけであるから、通常のポン
プの大きさや構造を変更する必要がない。その結果、熱
媒体供給用として汎用されているポンプをそのまま使用
することができ、この点でのコストアップは生じない。
【0047】又、冷却効果の高い冷媒でポンプケーシン
グを十分冷却することにより、ポンプ内部の温度の異常
な上昇を防止し、シール部材等を備えた構造を含みポン
プ部品の耐久性を基本的に良くすることができる。
【0048】請求項2の発明においては、ポンプの揚水
部がモータの軸から相互間が仕切られた外側電磁カップ
リングと内側電磁カップリングからなる電磁カップリン
グを介して回転駆動されるようにしているので、ポンプ
揚水部がモータ側から閉鎖されていてシール部材の不要
な構造になる。一方、このような構造によれば、内側電
磁カップリング部分を含むポンプ揚水部はポンプが吸入
/吐出する熱媒体で満たされているので、モータの発熱
が熱媒体中に持ち込まれやすくなるが、本発明によれ
ば、ポンプケーシングを十分冷却することによってこの
熱を大幅に除去することができる。その結果、特に低温
環境を含み耐久性に問題があり交換部品にもなるゴム等
の摺動シール部材を不要にした本例のポンプにおいて、
ポンプの吐出する熱媒体への熱の持ち込みを大幅に低減
し、ポンプの耐久性や保守性と熱媒体の温度制御性との
両方を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したポンプ冷却装置を含む関連設
備の構成例を示す説明図である。
【図2】本発明のポンプ冷却装置が装備されるポンプの
概略構造の一例を示す断面図である。
【図3】ポンプ冷却装置を装備したポンプの外形を示
し、(a)は正面図で(b)は背面図で(c)は側面図
である。
【図4】(a)はブライン循環系の全体構成を示す説明
図で、(b)はブライン循環系に含まれる伝熱プレート
のソケット部分の説明図である。
【図5】(a)及び(b)は上記ポンプ冷却装置を含む
関連設備の概略配置の一例を示す平面図及び正面図であ
る。
【符号の説明】
1 ポンプ 3 冷却管(冷却部材) 4 冷媒供給管 5 冷凍機 7 液媒回路(熱媒体循環系) 11 ケーシング 12 モータ 15 外側電磁カップリング 16 内側電磁カップリング 31 管(冷却管、冷却部材) 41 入口管(冷媒供給管) 42 出口管(冷媒供給管) 60 カスケードコンデンサ(蒸発器) W 試料、水晶発振器(目的物)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F25B 1/04 F25B 1/04 J 7/00 7/00 D

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍機で冷却される熱媒体を循環させて
    目的物を冷却可能にする熱媒体循環系に設けられたポン
    プであって該ポンプのケーシングが前記ポンプを駆動す
    るモータと一体的に形成されたポンプを冷却可能にする
    ように前記ポンプに装着された冷却部材と、該冷却部材
    に前記冷凍機の冷媒のうち前記冷凍機を構成する蒸発器
    から出た冷媒を供給する冷媒供給配管と、を有すること
    を特徴とするポンプ冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記ポンプの揚水部は前記モータの軸か
    ら相互間が仕切られた外側電磁カップリングと内側電磁
    カップリングとからなる電磁カップリングを介して回転
    駆動されることを特徴とする請求項1に記載のポンプ冷
    却装置。
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JP2017133728A (ja) * 2016-01-26 2017-08-03 伸和コントロールズ株式会社 温度制御装置
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