JP2003055872A - 不織布用組成物、スパンボンド不織布および皮膚貼布材用基布 - Google Patents

不織布用組成物、スパンボンド不織布および皮膚貼布材用基布

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JP2003055872A
JP2003055872A JP2001245631A JP2001245631A JP2003055872A JP 2003055872 A JP2003055872 A JP 2003055872A JP 2001245631 A JP2001245631 A JP 2001245631A JP 2001245631 A JP2001245631 A JP 2001245631A JP 2003055872 A JP2003055872 A JP 2003055872A
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linear low
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density
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Akihiko Kurahashi
明彦 倉橋
Kazunori Sakai
一則 酒井
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Idemitsu Unitech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不織布製造時に、エンボスロールに巻き付か
ず、さらに、一定のモジュラス値を有し、引張り強度が
強い不織布用組成物、スパンボンド不織布および皮膚貼
布材用基布を提供することにある。 【解決手段】皮膚貼布材1は、皮膚貼布材用基布となる
スパンボンド不織布10と、その表面上に積層される粘
着層12と、から構成される。スパンボンド不織布10
は、直鎖状低密度ポリエチレンと、ポリプロピレン系樹
脂と、を含んで構成される不織布用組成物を用いてな
り、前記直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が、0.8
6〜0.90g/cm3、メルトインデックスが、10
〜100g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A)
と、密度が、0.92〜0.95g/cm3、メルトイ
ンデックスが、5〜60g/10分の直鎖状低密度ポリ
エチレン(B)と、を含んで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不織布用組成物、
スパンボンド不織布および皮膚貼布材用基布に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、不織布を製造する方法として、
材料から紡糸したウェブを形成し、ついでボンディング
(エンボスにより熱接着する)というスパンボンド法が
あるが、この方法では、1ラインにて一貫生産すること
が可能であり、生産性が高いことから、スパンボンド法
は、一般的に広く行われている方法である。
【0003】この紡糸される樹脂としては、種々のもの
が挙げられるが、中でも不織布における柔らかさと風合
いの点から、エチレン−α−オレフィン共重合体である
直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLDPEとい
う。)を用いることが提案されている。このLLDPE
は、柔らかさ、熱接着性に優れるが、特に長繊維で一般
的に用いられているポリプロピレン樹脂(以下、PPと
いう。)と比較し、紡糸性に劣るため、LLDPEにP
Pをブレンドすることが行われている。
【0004】例えば、特定の密度、メルトインデック
ス、融解熱を持つLLDPEに、低メルトインデックス
(20以下)のPPをブレンドする(特開昭63−30
3109号、特許2533289号)。特定の密度、メ
ルトインデックス、分子量を持つLLDPEに、ランダ
ムPPをブレンドする(特開平2000−45165
号)等が挙げられる。
【0005】上記の検討の目的は、特に紙オムツ等の衛
生材向けの不織布であり、樹脂の押し出し紡糸時のし易
さや、また、延伸の際の糸切れ、断糸といった紡糸のト
ラブル回避により、強い単糸強度を持つ不織布繊維を得
ることができる。よって、紙オムツ等の衛生材向けに好
適な高強度の不織布を得ることができるが皮膚貼布材に
基布として使用するには、20%モジュラス値が高く、
皮膚追従性に劣るという問題があった。
【0006】低モジュラス値を重要視したLLDPE不
織布については、特表平8−503525、特開平11
−350323等の特定の密度、分子量分布を持つLL
DPEを用いた不織布が提案されている。
【0007】皮膚貼布材の基布に好適な低モジュラスで
あり、強度がある素材としては、塩化ビニルフィルム、
ウレタンフィルム等があるが、通気性がなかったり、厚
み感がない等、風合いに劣る。そのため、エンボス加工
や孔開け加工を別途施しているが、不織布のような風合
いになりえない。また、風合いを重視した皮膚貼布材の
基布には、布やウレタン不織布等があるが、いずれも高
価である。そのため、コストを安く、風合いを重視した
場合には、LLDPEを用いた不織布が要望されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、LLD
PEを用いた不織布製造時においては、柔らかさ、熱接
着性に優れるゆえにエンボスロールに巻き付く場合が多
いという問題がある。一方、これを回避するために、エ
ンボスロールの温度を下げると、固定化(ボンディン
グ)があまくなり、不織布として強度が発現しないとい
う問題があった。
【0009】本発明の目的は、不織布製造時に、エンボ
スロールに巻き付かず、さらに、一定のモジュラス値を
有し、引張り強度が強い不織布用組成物、スパンボンド
不織布および皮膚貼布材用基布を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の好
ましい性質を有する不織布を開発すべく、鋭意検討を重
ねた結果、特定の密度、メルトインデックスを有する直
鎖状低密度ポリエチレンが、不織布製造時に、エンボス
ロールに巻き付かず、さらに、引張り強度が強いことを
見いだした。本発明は、かかる知見に基づいて完成した
ものである。
【0011】すなわち、本発明の不織布用組成物は、直
鎖状低密度ポリエチレンと、ポリプロピレン系樹脂と、
を含んで構成される不織布用組成物であって、前記直鎖
状低密度ポリエチレンは、密度が、0.86〜0.90
g/cm3、メルトインデックスが、10〜100g/
10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A)と、密度が、
0.92〜0.95g/cm3、メルトインデックス
が、5〜60g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン
(B)と、を含んで構成され、前記直鎖状低密度ポリエ
チレン(A)と前記直鎖状低密度ポリエチレン(B)の
組成比は、95:5〜60:40(質量比)の範囲内で
あることを特徴とする。
【0012】直鎖状低密度ポリエチレンとしては、エチ
レン−炭素数4〜18のα−オレフィン共重合体が好ま
しい。直鎖状低密度ポリエチレンにおいて、共重合体の
コモノマーとして通常用いられる炭素数4〜18のα−
オレフィンとしては、例えば、ブテン−1;ペンテン−
1;ヘキセン−1;オクテン−1;ノネン−1;デセン
−1;ドデセン−1などの直鎖状α−オレフィン、3−
メチルブテン−1;4−メチルペンテン−1などの分岐
状α−オレフィンが挙げられるが、これらの中で、特に
炭素数4〜10の直鎖状α−オレフィンが好ましく、さ
らにはブテン−1が好ましい。これらのα−オレフィン
は単独で用いてもよく、二種以上を組合わせて用いても
よい。また、少量のジエン成分、例えばジシクロペンタ
ジエン;エチルデンノルボルネン;1,4−ヘキサジエ
ン;1,9−デカジエン;ビニルノルボルネンなどを併
用してもよい。このエチレン−α−オレフィン共重合体
におけるα−オレフィン単位の含有量は、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選べばよい。
【0013】本発明の直鎖状低密度ポリエチレン(A)
は、上記直鎖状低密度ポリエチレンから任意に選ぶこと
ができるが、密度が、0.86〜0.90g/cm3
メルトインデックスが、10〜100g/10分である
ことが必要である。直鎖状低密度ポリエチレン(A)
は、密度が0.86g/cm3未満ならば、不織布製造
時の紡糸性が劣り、0.90g/cm3を越えるなら
ば、モジュラス値が上がる場合がある。
【0014】ここで、密度は、JIS K−7112に
準拠した方法で測定できる。メルトインデックスとは、
樹脂の溶融時の流動性を示し、JIS K−7210に
準拠した方法で測定できる。メルトインデックスは、こ
の範囲内になければ、紡糸性に劣る場合がある。さら
に、直鎖状低密度ポリエチレン(A)の構成炭素数は、
4〜8が、紡糸性向上の観点から好ましく、構成炭素数
が、8であるとモジュラス値を下げることができ、より
好ましい。
【0015】具体的な直鎖状低密度ポリエチレン(A)
としては、エチレン・1−オクテン共重合体が好まし
い。
【0016】また、本発明の直鎖状低密度ポリエチレン
(B)も、上記直鎖状低密度ポリエチレンから任意に選
ぶことができるが、密度が、0.92〜0.95g/c
3、メルトインデックスが、5〜60g/10分であ
ることが必要である。直鎖状低密度ポリエチレン(B)
は、密度が0.92g/cm3未満ならば、不織布製造
時の紡糸性が劣り、0.95g/cm3を越えるなら
ば、不織布製造時の強度向上に効果がない場合がある。
メルトインデックスは、この範囲内になければ、紡糸性
に問題が生じる場合がある。また、直鎖状低密度ポリエ
チレン(B)の構成炭素数は、4〜8が、紡糸性向上の
観点から好ましく、構成炭素数が、4であると不織布製
造時の強度の向上を図ることができ、より好ましい。
【0017】具体的な直鎖状低密度ポリエチレン(B)
としては、エチレン・1−ブテン共重合体が好ましい。
【0018】直鎖状低密度ポリエチレンは、直鎖状低密
度ポリエチレン(A)と直鎖状低密度ポリエチレン
(B)の組成比が95:5〜60:40の範囲内であ
る。直鎖状低密度ポリエチレン(A)が95質量%を越
える場合には、紡糸性に劣り、熱接着による固定化(ボ
ンディング)が困難となり、生産性に問題が生じる。直
鎖状低密度ポリエチレン(A)が60質量%未満の場合
には、目的とする製品、例えば、皮膚貼布材基布に使用
するには、固くなる場合がある。また、直鎖状低密度ポ
リエチレン(B)が5質量%未満の場合には、紡糸性に
劣る場合がある。直鎖状低密度ポリエチレン(B)が4
0質量%を越える場合には、紡糸性に劣り、不織布製造
中の断糸が増え、また、モジュラス値が大きくなる場合
がある。
【0019】本発明の不織布用組成物では、前記直鎖状
低密度ポリエチレンは、99〜90質量%であり、前記
直鎖状低密度ポリエチレンの他に、1〜10質量%のポ
リプロピレン系樹脂が含まれていることが好ましい。
【0020】ここで、ポリプロピレン系樹脂は、密度、
メルトインデックス等に特に制限はなく、また、ランダ
ムポリプロピレン、ホモポリプロピレン等の限定もな
く、目的に応じて、適宜選択できる。また、その中で
も、ポリプロピレン系樹脂は、ホモポリプロピレンが良
く、メルトインデックスが20以上が好ましく、30以
上がより好ましい。このようにすれば、不織布製造時の
不織布のエンボスロールへの巻き付きの回避や、モジュ
ラス値の低下等の効果が発現する。さらに、着色された
不織布を製造する場合に、ポリプロピレン樹脂(ホモポ
リプロピレンが一般的)のカラーマスターバッチを使用
すれば、直色とポリプロピレン系樹脂添加が同時にで
き、好適である。
【0021】不織布用組成物中のポリプロピレン系樹脂
が、1質量%未満だと、エンボスロールへの巻き付きを
回避する効果が弱くなり、10質量%を越えると、本発
明の不織布用組成物では、断糸が増える場合がある。
【0022】本発明のスパンボンド不織布は、前述の不
織布用組成物を紡糸し、熱接着してなることを特徴とす
る。
【0023】ここで、不織布の製造方法としては、スパ
ンボンド法の他に、メルトブロー法、カード法等がある
が、長繊維の不織布を得るということ、紡糸工程と、延
伸工程と、開繊工程と、捕集工程と、ボンディング工程
の各工程を一貫して行うことができるという観点から、
スパンボンド法がより、好ましい。
【0024】また、スパンボンド法による紡糸、延伸、
開繊の工程では、エアサッカー方式と密閉導風路方式
(ライコフィルモデル)が、一般的であるが、ポリプロ
ピレン系樹脂に比べ、延伸の際の糸切れ(断糸)が発生
しやすい直鎖状低密度ポリエチレンを用いる場合には、
圧縮空気を用い、狭いスリット状のエジェクターで糸を
飛ばすエアサッカー方式より、密閉された導風路の幅を
徐々に狭くしていく密閉導風路方式(ライコフィルモデ
ル)が好ましい。
【0025】さらに、不織布を製造する際には、必要に
応じて、適宜、繊維や不織布に通常用いられる酸化防止
剤、紫外線吸収剤、着色剤、耐電防止剤、耐候剤等が添
加されたものであっても良い。
【0026】さらに、柔らかい不織布を効率良く得るた
めには、ボンディング工程の際に、全面接着よりも、エ
ンボスロールにて部分的に熱接着させたほうがよい。エ
ンボスの面積の比率は、一般的に3〜40%が好まし
く、5〜30%がより好ましい。エンボスの面積の比率
が3%未満であると、接着面積不足で、不織布の強度が
得られない場合がある。40%を越えると、不織布が固
くなりすぎる場合がある。
【0027】これによれば、前述の不織布用組成物を紡
糸し、熱接着してなることにより、不織布用組成物は、
不織布製造時の紡糸性が良く、モジュラス値を低く抑え
ることができるので、不織布製造時に、エンボスロール
に巻き付かず、さらに、引張り強度が強いスパンボンド
不織布とすることができる。
【0028】本発明のスパンボンド不織布では、該スパ
ンボンド不織布の繊維径が、10〜30μmであること
が好ましい。
【0029】スパンボンド不織布の繊維径が、10μm
未満ならば、繊維が小さくなるので、十分な強度が得ら
れない場合がある。また、スパンボンド不織布の繊維径
が、30μmより大きいならば、繊維が太くなるので、
得られる不織布の風合いが悪くなる場合がある。
【0030】本発明のスパンボンド不織布では、該スパ
ンボンド不織布のMD方向の20%モジュラスが、6〜
20N/5cmであり、該スパンボンド不織布のMD方
向の引張り強度が、20N/5cm以上であることが好
ましい。
【0031】ここで、MD方向とは、シート状の不織布
等を製造する際の、シートの移動方向のことをいう。ま
た、モジュラスとは、特定のひずみを与えたときの応力
をいい、その20%モジュラスは、JIS L1906
に準拠した方法で測定できる。さらに、引張り強度は、
JIS L1906に準拠した方法で測定できる。
【0032】スパンボンド不織布のMD方向の20%モ
ジュラスが、6N/5cm未満では、柔らかすぎるの
で、粘着加工等の二次加工性に劣る場合がある。スパン
ボンド不織布のMD方向の20%モジュラスが、20N
/5cmを越えると、硬いので、皮膚追従性に劣る場合
がある。また、スパンボンド不織布のMD方向の引張り
強度が、20N/5cm未満では、不織布を製品として
用いる場合の十分な強度が得られない場合がある。
【0033】本発明の皮膚貼布材用基布は、前述のスパ
ンボンド不織布を用いてなることを特徴とする。
【0034】ここで、皮膚貼布材用基布は、一般的に
は、首や肘等に貼る貼布材のことをいい、ある程度の伸
縮が可能である。また、この皮膚貼布材用基布は、スパ
ンボンド不織布からなり、肌触り感などの皮膚追従性の
優れた特性を有するので、例えば、使い捨ておむつ、生
理用ナプキンや医療用シートなどの人体に直接触れる用
途等にも好適である。
【0035】これによれば、前述のスパンボンド不織布
を用いてなることにより、柔軟性、風合い、強度を備え
ているので、柔軟性、風合い、強度を備えた皮膚貼布材
用基布とすることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に
係る皮膚貼布材1が示されている。皮膚貼布材1は、皮
膚貼布材用基布となるスパンボンド不織布10と、その
表面上に積層される粘着層12と、から構成される。
【0037】このスパンボンド不織布10は、本発明に
かかる不織布用組成物をスパンボンド法によって紡糸
し、熱接着して製造される。また、その表面上に、図示
は略すが、格子状のエンボスパターンが形成されてい
る。不織布用組成物は、99〜90質量%の直鎖状低密
度ポリエチレンと、1〜10質量%のポリピレン系樹脂
から構成されている。
【0038】前記直鎖状低密度ポリエチレンは、さら
に、密度が、0.86〜0.90g/cm3、メルトイ
ンデックスが、10〜100g/10分の直鎖状低密度
ポリエチレン(A)と、密度が、0.92〜0.95g
/cm3、メルトインデックスが、5〜60g/10分
の直鎖状低密度ポリエチレン(B)とから構成され、直
鎖状低密度ポリエチレン(A)と直鎖状低密度ポリエチ
レン(B)の組成比は、95:5〜60:40の範囲内
である。
【0039】直鎖状低密度ポリエチレン(A)として
は、エチレン・1−オクテン共重合体が用いられる。直
鎖状低密度ポリエチレン(B)としては、エチレン・1
−ブテン共重合体が用いられる。
【0040】スパンボンド不織布10の製造方法として
は、紡糸、延伸、開繊の工程では、密閉された導風路の
幅を徐々に狭くしていく密閉導風路方式(ライコフィル
モデル)を採用している。その後の捕集工程において
は、ネットコンベア、ネットドラム等を使用する方法を
採用している。さらに、その後のボンディング工程とし
ては、エンボスロールを用いた熱接着法を採用してい
る。
【0041】また、完成したスパンボンド不織布10の
繊維径が、10〜30μmである。スパンボンド不織布
10のMD方向の20%モジュラスが、6〜20N/5
cmであり、スパンボンド不織布10のMD方向の引張
り強度が、20N/5cm以上である。20%モジュラ
スおよび引張り強度は、JIS L1906に準拠した
方法で測定される。
【0042】粘着層12は、サリチル酸メチルや、サリ
チル酸グリコール、インドメタシン、ケトプロフェン等
の消炎効果のある公知の物質を主成分とし、スパンボン
ド不織布10上に、積層して構成される。
【0043】皮膚貼布材1は、図2(A)に示すよう
に、首の後ろの部分に貼り付けたり、図2(B)に示す
ように、肘の内側の部分に貼り付けたりして使用され
る。上述のような本実施形態によれば、次のような効果
がある。
【0044】上述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。 (1)皮膚貼布材1は、スパンボンド不織布10のMD
方向の20%モジュラスが、6〜20N/5cmであ
り、スパンボンド不織布10のMD方向の引張り強度
が、20N/5cm以上であることにより、柔軟性、風
合い、強度、皮膚追従性を備えた皮膚貼布材1とするこ
とができる。 (2)特定の密度、メルトインデックスを有する直鎖状
低密度ポリエチレンからなる不織布用組成物を原料とし
ているから、不織布製造時に、エンボスロールに巻き付
かず、さらに、引張り強度が強いスパンボンド不織布1
0とすることができるので、製造コストが安く、使用時
の強度も十分な皮膚貼布材1とすることができる。 (3)皮膚貼布材1は、スパンボンド不織布10のMD
方向の20%モジュラスが、6〜20N/5cmであ
り、スパンボンド不織布10のMD方向の引張り強度
が、20N/5cm以上であることにより、柔らかく、
引っ張った場合の応力が高くないので、人体の屈曲する
部分、例えば、首や肘等の部位に貼り付けることができ
る。
【0045】なお、本発明は前記各実施形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。皮膚貼布材
1は、前記実施形態では、首や肘に貼られていたが、こ
れに限られず、膝、足首、ふくらはぎ、手首等、他の部
位にも貼ることができる。また、皮膚貼布材2として、
図3に示すように、図1の皮膚貼布剤1の粘着層12の
上に薬剤を染み込ませたガーゼ等の薬剤担持層13をさ
らに有する構成としても良い。その他、本発明を実施す
る際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達
成できる範囲内で他の構造等としてもよい。
【0046】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をより具体的に説明する。なお、本発明は実施例の内容
に限定されるものではない。スパンボンド不織布10
は、以下のような条件で、製造される。まず、スパンボ
ンド不織布10の製造に用いた装置は、45mmΦ単軸
押出機、スパンボンド用ダイ、紡糸索引装置(冷却塔、
フィランメント索引部、開繊部を備えて構成される、ラ
イコフィルモデルの装置である。)、プレスロール付き
コンベア、エンボスロール、巻き取りロール等を備えて
構成される。
【0047】ノズルが、紡糸索引装置に設けられ、ノズ
ルの本数は、452本、ノズルの孔径は、0.4mm
Φ、ノズル1本当たりの吐出量を0.42g/分、紡糸
索引装置である0.4m幅のウエブを形成した。そのウ
エブの目付は125g/m2である。
【0048】プレスロール付きコンベアでウエブの捕集
を行い、その後、エンボスロールにより、ウエブの加熱
圧着が行われる。エンボスロールは、トクデン(株)社
製の誘電発熱ローラ(ロール径 300mmΦ、面積圧
着率13%の0.6mm角の格子柄)を用い、エンボス
線圧は、30kg/cmで行った。
【0049】 [使用樹脂] 直鎖状低密度ポリエチレン(A):エチレン・1ーオクテン共重合体 (ダウ(株)社製、アフィニフィSM8400) 密度 0.87g/cm3 メルトインデックス 30g/10分 (以下の表1中、樹脂(A)という。) 直鎖状低密度ポリエチレン(B):エチレン・1ーブテン共重合体 (出光石油化学(株)社製、出光LL2074G) 密度 0.94g/cm3 メルトインデックス 40g/10分 (以下の表1中、樹脂(B)という。) ポリプロピレン系樹脂 :ポリプロピレン (出光石油化学(株)社製、出光PPY6005G) 密度 0.90g/cm3 メルトインデックス 60g/10分 (以下の表1中、PPという。)
【0050】前記樹脂のドライブレンドを実施し、スパ
ンボンド不織布10を製造した。なお、上記密度は、J
IS K7112に準拠した方法で測定し、メルトイン
デックスは,メルトフローインデックスの略で、JIS
K7210に準拠した方法で測定した。
【0051】以下、実施例および比較例を挙げて、本発
明をより具体的に説明する。 [実施例1] 直鎖状低密度ポリエチレン(A):60質量% 直鎖状低密度ポリエチレン(B):30質量% ポリプロピレン系樹脂 :10質量%
【0052】[実施例2] 直鎖状低密度ポリエチレン(A):60質量% 直鎖状低密度ポリエチレン(B):35質量% ポリプロピレン系樹脂 : 5質量%
【0053】[比較例1] 直鎖状低密度ポリエチレン(A):65質量% 直鎖状低密度ポリエチレン(B):35質量% ポリプロピレン系樹脂 :なし
【0054】[比較例2] 直鎖状低密度ポリエチレン(A):45質量% 直鎖状低密度ポリエチレン(B):40質量% ポリプロピレン系樹脂 :15質量%
【0055】[比較例3] 直鎖状低密度ポリエチレン(A):95質量% 直鎖状低密度ポリエチレン(B):なし ポリプロピレン系樹脂 : 5質量%
【0056】[比較例4] 直鎖状低密度ポリエチレン(A):なし 直鎖状低密度ポリエチレン(B):95質量% ポリプロピレン系樹脂 : 5質量%
【0057】以上の実施例1、2、比較例1〜4の評価
を以下のようにして行った。 1.紡糸性:1時間の成形中の糸切れ(断糸)の回数を
目視評価した。 ○:糸切れ1回以下 △:糸切れ2〜5回 ×:糸切れ6回以上 2.連続生産性:6時間連続生産し、評価した。 プレスロール、エンボスロールへの巻き付き 3.スパンボンド不織布のMD方向の引張り強度、20
%モジュラスをJISL1906に準拠して測定した。
但し、測定距離を50mm、引張り速度を300mm/
分で実施した。樹脂の組成、成形性および物性を表1に
示した。
【0058】
【表1】
【0059】実施例1、2は、紡糸性も良く、ロールへ
の巻き付きもなく、20%モジュラスが低く引張り強度
が大きいが、比較例1〜4では、紡糸性も悪く、20%
モジュラスが大きく、引張り強度が小さくなることがわ
かった。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、不織布製造時に、エン
ボスロールに巻き付かず、さらに、引張り強度が強い不
織布用組成物、スパンボンド不織布および皮膚貼布材用
基布を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の皮膚貼布材を示す平面斜
視図である。
【図2】図1の実施形態における皮膚貼布材の使用例を
示す図(A)、(B)である。
【図3】本発明の皮膚貼布材の変形例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 1 皮膚貼布材 10 スパンボンド不織布 12 粘着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 23/06 A61L 15/06 23:12) Fターム(参考) 4C081 AA03 CA02 DA05 DB01 4J002 BB051 BB052 BB123 BB143 GK01 4L035 BB31 FF01 FF04 FF05 HH05 LA02 4L047 AA14 AB07 AB10 BA08 BA23 CB01 CB10 CC03 CC13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直鎖状低密度ポリエチレンと、ポリプロピ
    レン系樹脂と、を含んで構成される不織布用組成物であ
    って、 前記直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が、0.86〜
    0.90g/cm3、メルトインデックスが、10〜1
    00g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A)と、 密度が、0.92〜0.95g/cm3、メルトインデ
    ックスが、5〜60g/10分の直鎖状低密度ポリエチ
    レン(B)と、を含んで構成され、 前記直鎖状低密度ポリエチレン(A)と前記直鎖状低密
    度ポリエチレン(B)の組成比は、質量比で、95:5
    〜60:40の範囲内であることを特徴とする不織布用
    組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の不織布用組成物におい
    て、 前記直鎖状低密度ポリエチレンは、99〜90質量%で
    あり、前記直鎖状低密度ポリエチレンの他に、1〜10
    質量%のポリプロピレン系樹脂が含まれていることを特
    徴とする不織布用組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の不織布用
    組成物を紡糸し、熱接着してなることを特徴とするスパ
    ンボンド不織布。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のスパンボンド不織布にお
    いて、 該スパンボンド不織布の繊維径が、10〜30μmであ
    ることを特徴とするスパンボンド不織布。
  5. 【請求項5】請求項3または請求項4に記載のスパンボ
    ンド不織布において、 該スパンボンド不織布のMD方向の20%モジュラス
    が、6〜20N/5cmであり、該スパンボンド不織布
    のMD方向の引張り強度が、20N/5cm以上である
    ことを特徴とするスパンボンド不織布。
  6. 【請求項6】請求項3から請求項5のいずれかに記載の
    スパンボンド不織布を用いてなることを特徴とする皮膚
    貼布材用基布。
JP2001245631A 2001-08-13 2001-08-13 不織布用組成物、スパンボンド不織布および皮膚貼布材用基布 Withdrawn JP2003055872A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110938891A (zh) * 2019-10-25 2020-03-31 广州市骏钱无纺布有限公司 无纺布

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