JP2003055297A - 新規化合物 - Google Patents

新規化合物

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JP2003055297A
JP2003055297A JP2001238407A JP2001238407A JP2003055297A JP 2003055297 A JP2003055297 A JP 2003055297A JP 2001238407 A JP2001238407 A JP 2001238407A JP 2001238407 A JP2001238407 A JP 2001238407A JP 2003055297 A JP2003055297 A JP 2003055297A
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methyl
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JP2001238407A
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Hideo Yamada
英生 山田
Hiroyuki Sugimoto
広之 杉本
Yukimasa Doi
志真 土井
Ryuichi Higuchi
隆一 樋口
Tomofumi Miyamoto
智文 宮本
Shunei Kusumoto
俊英 楠本
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Yamada Bee Farm Corp
Original Assignee
Yamada Bee Farm Corp
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗腫瘍作用を有する新規な物質を提供す
る。 【解決手段】式 【化1】 で示される3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(3−
メチル−2−ブテニル)フェニル]−2−(Z)−プロ
ペン酸(1)化合物又はその塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規化合物及びそ
の塩とそれらを含有する医薬組成物、経口組成物及びト
イレタリー品に関し、より詳細には、新規な化合物及び
その塩とそれらが有する抗腫瘍活性等の性質を利用する
医薬組成物、経口組成物及びトイレタリー品に関する。
本発明の新規化合物(以下、「本化合物」という。)及
びその塩は、抗腫瘍活性を有するので、本化合物及びそ
の塩を含有する医薬組成物、経口組成物及びトイレタリ
ー品は腫瘍治療、腫瘍発生防止(予防)、腫瘍の改善等
に極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】現在、疾病の中でも癌は死亡原因の大き
な割合を占め、癌の治療、改善及び予防等を目的とする
研究が盛んに行われている。そのような癌の治療、改善
及び予防に用いることができる抗腫瘍薬も開発されてい
るが、薬効の問題や副作用の問題などで、必ずしも十分
なものとは言えない。医薬品ばかりだけでなく、健康食
品や機能性食品、サプリメントなどにおいても同様であ
る。近年、生活習慣病にならない為に日々の食生活の改
善・充実がさけばれている。食による健康管理は基本の
一つであるが、さらに健康食品や機能性食品、サプリメ
ントを補助的に上手く取り入れ活用することで日頃から
体調を整え、癌をはじめ生活習慣病にならないように心
がける予防医学的な考えが非常に大切になってきた。し
かし、健康維持の目的の他、腫瘍発生予防や改善を意図
した健康食品や機能性食品等が多数市場で販売されてい
るが、未だ十分なものとは言えないのが現状であり、さ
らにより良い機能性食品等が待望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、抗腫瘍作
用を有する新規な物質を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】プロポリスは、ミツバチ
により集められた樹木の樹液や植物の新芽や浸出物、花
粉等がミツロウ等と混ざり合ってできた膠状の物質であ
り、ミツバチはプロポリスで巣の補修等を行う。天然の
抗菌成分としてプロポリスが古代エジプトでミイラ作り
に用いられた事は有名であるが、それ以外にも抗炎症
剤、鎮痛剤等幅広い用途でヨーロッパをはじめ養蜂の盛
んな地域を中心として外用や内服で民間薬として長い間
用いられてきた。近年、その様々な生理作用等を解明す
る研究が進み、生活習慣病やその他疾病の予防・改善・
治療等を意図した健康食品や機能性食品の原料として注
目されるようになった。プロポリスは、経口的に摂取す
ることで様々な効果を発揮するといわれており、例え
ば、抗菌、抗酸化、抗腫瘍、免疫賦活等の効果が期待さ
れ、経験的に様々な疾病の治療、改善及び予防につなが
ると言われている。このプロポリスに含まれている物質
のうち、アルテピリンC(Artepillin C、
3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(3−メチル−2
−ブテニル)フェニル]−2−プロペン酸、構造式は式
【化4】 )は、抗腫瘍活性等を有すると言われており、健康食品
や機能性食品等さまざまな用途に用いられている。
【0005】そこで、本発明者らは、かかるアルテピリ
ンCに着目した。そして本発明者らは、鋭意検討を重ね
ていたところ、アルテピリンCのうち一般的に知られ利
用されているE体(3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビ
ス(3−メチル−2−ブテニル)フェニル]−2−
(E)−プロペン酸)、即ち、上記式(2)によって示
されるもののの異性体であるZ体(3−[4−ヒドロキ
シ−3,5−ビス(3−メチル−2−ブテニル)フェニ
ル]−2−(Z)−プロペン酸)、即ち、
【化5】 が、E体よりも強力な抗腫瘍活性を有することを見いだ
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、Z体
アルテピリンC(1)又はその塩である。なお、かかる
アルテピリンCのZ体及びその塩はいずれも新規物質で
ある。
【0006】そして、本発明は、アルテピリンCのZ体
又はその薬学的に許容しうる塩を含有する医薬組成物
(以下、「本医薬組成物」という。)である。本医薬組
成物には、抗腫瘍剤として使用されるものが包含され
る。さらに、本発明は、アルテピリンCのZ体又はその
経口的に摂取可能な塩を含有する経口組成物(以下、
「本経口組成物」という。)である。本経口組成物に
は、抗腫瘍目的として使用されるものが包含される。ま
た、本発明は、アルテピリンCのZ体又はその塩を含有
するトイレタリー品(以下、「本トイレタリー品」とい
う。)である。本トイレタリー品には、抗腫瘍目的とし
て使用されるものが包含される。
【0007】加えて、本発明は、アルテピリンCの前述
のE体又はその塩に紫外線を照射する工程を含む、Z体
(3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(3−メチル−
2−ブテニル)フェニル]−2−(Z)−プロペン酸
(1)化合物)又はその塩を含有する組成物を製造する
製造方法である。こうすることによって容易に入手可能
なアルテピリンCのE体又はその塩を原料とし紫外線照
射という容易になし得る操作によってアルテピリンCの
前述のZ体又はその塩を含有する組成物(以下、「Z体
含有組成物」という。)を製造することができる。ま
た、Z体含有組成物には、アルテピリンCのZ体又はそ
の塩が含有されているので、Z体含有組成物そのままで
利用(例えば、本医薬組成物、本経口組成物及び本トイ
レタリー品を調製するために用いられることができ
る。)されることができる。そして、Z体含有組成物に
は、アルテピリンCのZ体又はその塩が含有されている
ので、Z体含有組成物からアルテピリンCのZ体又はそ
の塩を単離するようにすれば、アルテピリンCのZ体又
はその塩を効率的に製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】(アルテピリンCのZ体又はその
塩)本発明の化合物たるアルテピリンCのZ体は、上記
式(1)で示される構造を有する。そしてアルテピリン
CのZ体は塩を形成し得るものであり、かかる塩も本発
明に包含される。かかる塩としては、アルテピリンCの
Z体の塩であれば特に限定されるものではなくいかなる
ものであっても良いが、ナトリウム塩やカリウム塩等を
例示的に挙げることができる。また、かかるアルテピリ
ンCのZ体又はその塩は、種々の目的に使用できる。例
えば、アルテピリンCのZ体及びその塩は、抗腫瘍活性
を有することから、かかる抗腫瘍活性を目的として用い
ることができる。なお、アルテピリンCのZ体又はその
塩は、様々な腫瘍細胞に対する抗腫瘍活性を有している
が、とりわけヒト急性骨髄性白血病細胞HL−60、ヒ
ト扁平上皮細胞KBに対する強力な抗腫瘍活性を有して
いる。
【0009】このアルテピリンCのZ体又はその塩の取
得方法は特に制限されず、化学的に合成してもよいし、
また前述のようにアルテピリンCのE体(例えば、プロ
ポリスやカワラヨモギなどから抽出して得たものを用い
ることができる。)又はその塩を異性化させて得られる
アルテピリンCのZ体又はその塩を含む組成物から単離
することもできる。かかる異性化は、様々な方法によっ
て行うことができるが、例えば、紫外線等の光線を照射
したり、昇温することによって行うことができる。とり
わけ紫外線を照射することによってアルテピリンCのE
体又はその塩を異性化させてアルテピリンCのZ体又は
その塩を製造する方法によれば、アルテピリンCのE体
はプロポリスに含まれる成分であることから、得られる
アルテピリンCのZ体又はその塩を天然物由来の安全な
ものとすることができ好ましい。なお、アルテピリンC
のE体又はその塩をアルテピリンCのZ体又はその塩に
異性化させる際に照射する紫外線の波長は、この異性化
が起きるものであればいかなるものであってもよく特に
限定されるものではないが、通常、あまり小さいと目的
以外の化学反応が起こり逆にあまり大きいと異性化の効
率が悪くなるのでこれら両方を満たすものとされること
が好ましく、かかる点からは、200nm以上のものが
好ましく、より好ましくは215nm以上であり、最も
好ましくは280nm以上であり、通常、400nm以
下のものが好ましく、より好ましくは350nm以下で
あり、最も好ましくは320nm以下である。
【0010】(Z体含有組成物)本発明は、上記のよう
にして得られるアルテピリンCのZ体又はその塩そのも
のであってもよいが、それらを含む粗精製物(組成物)
であってもよい。かかる粗精製物(組成物)として、前
述したアルテピリンCのE体又はその塩に紫外線を照射
することによって得られる、アルテピリンCのZ体又は
その塩を含有する組成物(Z体含有組成物)を好適に挙
げることができる。該組成物(Z体含有組成物)は、ア
ルテピリンCのZ体又はその塩に主として基づく抗腫瘍
活性を有しており(残留するアルテピリンCのE体又は
その塩もやや抗腫瘍活性を有している。)、このため抗
腫瘍目的に用いられることができる。
【0011】このようにして得られる前記組成物(Z体
含有組成物)は、後述の実施例で示すように、アルテピ
リンCのZ体又はその塩を含んでいる。従って、前記組
成物(Z体含有組成物)は、そのままの状態で癌の治
療、改善又は予防に用いられる医薬組成物、経口組成物
又はトイレタリー品の有効成分として有効に用いること
ができる。なお、前記組成物(Z体含有組成物)は、更
に高速液体クロマトグラフィ等の各種クロマトグラフィ
等に供してアルテピリンCのZ体の濃度を上昇させるよ
うに精製されてもよく、本発明はかかる組成物を全て含
むものである。
【0012】(本医薬組成物)本医薬組成物は、アルテ
ピリンCのZ体又はその薬学的に許容しうる塩を含有す
るものである。また、本医薬組成物としては、単離され
たアルテピリンCのZ体又はその薬学的に許容しうる塩
が配合されて製造されるもののみならず、アルテピリン
CのZ体又はその薬学的に許容しうる塩を含む混合物
(例えば、前記のZ体含有組成物)を配合して製造され
るものであってもよい。アルテピリンCのZ体又はその
薬学的に許容しうる塩はいずれも抗腫瘍の活性を有して
いるので、これらを含有する本医薬組成物は、癌の治
療、改善及び予防に使用することができる。なお、本医
薬組成物は、様々な腫瘍細胞を治療、改善及び予防する
ために用いることができるが、とりわけヒト急性骨髄性
白血病細胞HL−60、ヒト扁平上皮細胞KBに対する
強力な抗腫瘍活性を有しておりこれらを治療、改善及び
予防するために好適に用いられることができる。アルテ
ピリンCのZ体又はその薬学的に許容しうる塩を含む本
医薬組成物は、その抗腫瘍活性等の投与目的に対する各
種の製薬形態で使用可能である。本医薬組成物は、アル
テピリンCのZ体又はその薬学的に許容しうる塩に加え
て、投与目的に応じて、薬学的に許容される各種の担体
や添加剤等を適宜配合して、各種の製剤形態とすること
ができる。薬学的に許容される担体としては製剤の使用
形態に応じて、通常使用される充填剤、増量剤、結合
剤、付湿剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あ
るいは賦形剤を例示でき、これらは製剤の投与単位形態
に応じて適宜選択使用される。本発明医薬の投与形態と
しては、特に制限されないが、その代表的なものとして
は錠剤、丸剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、シ
ロップ剤、液剤、懸濁剤、乳剤等の経口剤や、坐剤や、
注射剤や、舌下錠や、皮膚外用剤(軟膏やハップ剤を含
む。)等を挙げることができる。
【0013】例えば、錠剤の形態に成形するに際して
は、上記製剤担体として例えば乳糖、白糖、塩化ナトリ
ウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カ
オリン、結晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウム等の
賦形剤:水、エタノール、プロパノール、単シロップ、
ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤:カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチル
セルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセ
ルロース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カン
テン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カル
シウム等の崩壊剤:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸
モノグリセリド等の界面活性剤:白糖、ステアリン、カ
カオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤:グリセリン、
デンプン等の保湿剤:デンプン、乳糖、カオリン、ベン
トナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤:精製タルク、
ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等
の滑沢剤等を使用することができる。例えば、丸剤の形
態に成形するに際しては、製剤担体として例えばブドウ
糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリ
ン、タルク等の賦形剤:アラビアゴム末、トラガント
末、ゼラチン、エタノール等の結合剤:ラミナラン、カ
ンテン等の崩壊剤等を使用できる。更に、本医薬組成物
の中には、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味
剤、甘味剤等の各種添加剤や他の医薬を含有させること
もできる。そして、坐剤、注射剤、舌下錠及び皮膚外用
剤については、従来の調製方法と同様に行われればよ
く、例えば、注射剤であれば、塩溶液、グルコース溶
液、又は塩水とグルコース溶液との混合物を含む坦体を
用いて調製してもよい。また、薬学的に許容しうる塩と
しては、例えば、ナトリウム塩やカリウム塩等を挙げる
ことができる。
【0014】本医薬組成物中のアルテピリンCのZ体又
はその薬学的に許容しうる塩の配合割合は、特に限定さ
れず広範囲より適宜選択されるが、アルテピリンCのZ
体の量として、通常医薬組成物100重量%中1×10
−4〜95重量%程度の範囲を挙げることができる。本
医薬組成物の投与量は、所望の治療効果、改善効果又は
予防効果が得られるような量であれば特に制限されず、
通常その用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の
種類並びにその程度等に応じて適宜選択される。通常、
有効成分であるアルテピリンCのZ体の量(乾燥重量)
として、1日当たり約0.5〜20mg/kg程度とす
るのがよく、これを1日に1〜4回に分けて投与するこ
とができる。
【0015】(本経口組成物)さらに本発明は、アルテ
ピリンCのZ体又はその経口的に摂取可能な塩を含有す
る経口組成物(本経口組成物)を提供する。また、本経
口組成物は、単離されたアルテピリンCのZ体又はその
経口的に摂取可能な塩が配合されて製造されるもののみ
ならず、アルテピリンCのZ体又はその経口的に摂取可
能な塩を含む混合物(例えば、前記のZ体含有組成物)
を配合して製造されるものであってもよい。アルテピリ
ンCのZ体又はその経口的に摂取可能な塩は、いずれも
抗腫瘍の活性を有しているので、これらを含有する本経
口組成物は、癌の治療、改善及び予防に使用することが
できる。なお、本経口組成物は、様々な腫瘍細胞を治
療、改善及び予防するために用いることができるが、と
りわけヒト急性骨髄性白血病細胞HL−60、ヒト扁平
上皮細胞KBに対する強力な抗腫瘍活性を有しておりこ
れらを治療、改善及び予防するために好適に用いられる
ことができる。本経口組成物は、アルテピリンCのZ体
又はその経口的に摂取可能な塩を、経口組成物として許
容される増量剤や賦形剤等の担体と混合して錠剤や丸剤
等の固形状、またはシロップ等の液状に調製したもので
あってもよいし、またアルテピリンCのZ体又はその経
口的に摂取可能な塩を、例えば、飲料類(清涼飲料(コ
ーヒー、ココア、ジュース、ミネラル飲料、茶飲料、緑
茶、紅茶、烏龍茶等)、乳飲料、乳酸菌飲料、ヨーグル
ト飲料、炭酸飲料、酒類(日本酒、洋酒、はちみつ酒
(ミード)、果実酒等)等)、スプレッド(カスタード
クリーム、バタークリーム、ピーナツクリーム、チョコ
レートクリーム、チーズクリーム等)、ペースト(フル
ーツペースト、野菜ペースト、ゴマペースト、海藻ペー
スト等)、洋菓子(チョコレート、ドーナツ、パイ、シ
ュークリーム、エクレア、マフィン、ワッフル、ガム、
グミ、ゼリー、キャンデー、クッキー、クラッカー、ビ
スケット、スナック菓子、ケーキ、プリン等)、和菓子
(飴、煎餅、かりんとう、あられ、団子、おはぎ、大
福、豆もち、餅、餡、饅頭、カステラ、あんみつ、羊か
ん等)、氷菓(アイスクリーム、アイスキャンディ、シ
ャーベット、かき氷等)、レトルト食品(カレー、牛
丼、中華丼、雑炊、おかゆ、味噌汁、スープ、ミートソ
ース、デミグラスソース、ミートボール、ハンバーグ、
おでん種、赤飯、焼き鳥、茶碗蒸し等)、即席食品(即
席ラーメン、即席うどん、即席そば、即席焼きそば、即
席スパゲティ、即席ワンタン麺、即席しるこ、味噌汁の
素、粉末スープの素、粉末ジュースの素、ホットケーキ
ミックス等)、瓶詰・缶詰、ゼリー状食品(ゼリー、寒
天、テリーヌ、ゼリー状飲料等)、調味料(食塩、天然
塩、醤油、みりん、酢、砂糖、蜂蜜、蜂蜜酢、味噌、ド
レッシング、旨味調味料、複合調味料、ソース、マヨネ
ーズ、ケチャップ、ふりかけ、天つゆ、麺つゆ、だしの
素、中華スープの素、中華の素(麻婆豆腐の素、チンジ
ャオロースの素)、ブイヨン、焼肉のたれ、冷しゃぶの
たれ、カレールー、シチューのルー等)、養蜂産品(は
ちみつ、ローヤルゼリー、プロポリス、花粉荷(花粉だ
んご)、蜂の子等)、乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグル
ト、生クリーム等)、加工果実(ジャム、マーマレー
ド、シロップ漬、干し果実等)、加工野菜(野菜ジャム
等)、穀類加工食品(麺、パスタ、パン、ビーフン
等)、漬物(たくあん、奈良漬、キムチ漬、福神漬、ら
っきょう漬、白菜漬、からし漬、しば漬、浅漬け、ピク
ルス等)、漬物の素(即席漬けのもと、キムチ漬のもと
等)、魚肉製品(かまぼこ、ちくわ、はんぺん等)、畜
肉製品(ハム、ソーセージ、サラミ、ベーコン等)、珍
味(さきするめ、さきタラ、ウニの塩辛、イカの塩辛、
タコの塩辛、カワハギのみりんぼし、フグのみりんぼ
し、イカの薫製、コノワタの塩漬等)、乾物(味付け海
苔等)、惣菜類(あえもの、揚げ物、炒め物、焼き物、
煮物、酢の物等)、冷凍食品(エビフライ、コロッケ、
春巻き、とんかつ、シューマイ、餃子、ハンバーグ、た
こ焼き、今川焼き(回転焼き)、肉まん、あんまん
等)、油脂食品(サラダオイル、マーガリン、バター)
等に添加配合したものであってもよいし、さらにアルテ
ピリンCのZ体又はその経口的に摂取可能な塩を含む、
食品(飲料水を含む。)に添加するための食品添加用組
成物であってもよい。そして本経口組成物は、いわゆる
健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、
特定保健用食品(厚生労働省、保健機能食品の1種)、
栄養機能食品(厚生労働省、保健機能食品の1種)、病
者用食品・病者用組合わせ食品(厚生労働省、特別用途
食品の1種)又は高齢者用食品(厚生労働省、特別用途
食品の1種)としてもよく、その場合であれば、素錠、
糖衣錠、顆粒、粉末、タブレット、カプセル(ハードカ
プセルとソフトカプセルとのいずれも含む。)、チュア
ブルタイプ、シロップタイプ等とすることもできる。ま
た、経口的に摂取可能な塩としては、例えば、ナトリウ
ム塩やカリウム塩等を挙げることができる。
【0016】本経口組成物中のアルテピリンCのZ体又
はその経口的に摂取可能な塩の配合割合は、特に限定さ
れず広範囲より適宜選択されるが、アルテピリンCのZ
体の量として、通常本経口組成物100重量%中1×1
−4〜95重量%程度の範囲を挙げることができる。
本経口組成物の経口摂取量は、所望の腫瘍の改善、治療
又は予防効果が得られるような量であれば特に制限され
ず、通常その態様、患者の年齢、性別その他の条件、疾
患の種類並びにその程度等に応じて適宜選択される。通
常、有効成分であるアルテピリンCのZ体(乾燥重量)
として、1日当たり約1×10−2μg/kg〜20m
g/kg程度とするのがよく、これを1日に1〜4回に
分けて摂取することができる。なお、本経口組成物は、
機能性食品、健康食品、健康志向食品等として使用して
もよい。
【0017】(本トイレタリー品)また、本発明は、ア
ルテピリンCのZ体又はその塩を含有するトイレタリー
品(本トイレタリー品)を提供する。なお、本トイレタ
リー品は、単離されたアルテピリンCのZ体又はその塩
が配合されて製造されるもののみならず、アルテピリン
CのZ体又はその塩を含む混合物(例えば、前記のZ体
含有組成物)を配合して製造されるものであってもよ
い。アルテピリンCのZ体又はその塩は、いずれも抗腫
瘍の活性を有しているので、これらを含有する本トイレ
タリー品は、癌の治療、改善及び予防に使用することが
できる。なお、本トイレタリー品は、様々な腫瘍細胞を
治療、改善及び予防するために用いることができるが、
とりわけヒト急性骨髄性白血病細胞HL−60、ヒト扁
平上皮細胞KBに対する強力な抗腫瘍活性を有しており
これらを治療、改善及び予防するために好適に用いられ
ることができる。
【0018】かかる本トイレタリー品としては、特に限
定されるものではないが、化粧品を含む。ここにいう本
トイレタリー品に含まれる該化粧品には、例えば、
(1)クリーム、乳液、化粧水、美容液、美白剤、美容
パック剤、化粧下地クリーム、ファンデーション(下地
用化粧剤、例えば、パウダータイプ、リキッドタイ
プ)、コントロールカラー、コンシーラー、チークカラ
ー、アイカラー、アイライナー、アイブロウ、マスカ
ラ、ハイライトカラー、シャドウカラー、アイマスク、
アイクリーム、口紅(リップカラー)、リップクリー
ム、リップグロス、リップラッカー、リップライナー、
日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、カーミングロー
ション、ボディローション、ボディ乳液、髭剃り用化粧
水、髭剃り用クリーム、ピーリング剤、角質除去パック
剤、角栓除去パック剤、ボディスリミングジェル、アイ
メイクアップリムーバー、リップカラーリムーバー、拭
き取り化粧水、ベビーパウダー等を含む皮膚用化粧品、
(2)ヘア(毛髪用)ジェル、ヘア(毛髪用)スプレ
ー、ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアムース、ポマー
ド、チック、ヘアクリーム、ヘアワックス、ヘアオイ
ル、ヘア(毛髪用)リンス剤、ヘアコンディショナー
剤、ヘア(毛髪用)トリートメント剤、毛髪補修剤、ヘ
ア(毛髪)パーマ剤、ヘア(毛髪)マニキュア剤、毛髪
染色剤、毛髪脱色剤、養毛剤、育毛剤等を含む毛髪用化
粧品、(3)毛髪用シャンプー、ボディシャンプー、ハ
ンドソープ、石鹸(固形、液体、粉末のいずれも含
む。)、化粧クレンジングジェル、化粧クレンジングク
リーム、化粧クレンジングオイル、コールドクリーム、
洗顔剤(洗顔フォーム、洗顔ジェル、クレンジングウオ
ッシュ等)、歯磨き(練り歯磨き、固形歯磨き、粉歯磨
き、水歯磨き、潤製歯磨き、薬用歯磨き)、マウスウオ
ッシュ、うがい液等を含む身体洗浄剤、(4)入浴剤、
バスオイル、バスソルト、温泉のもと等を含む浴用化粧
品、(5)爪用栄養クリーム、マニキュア(ベースコー
ト、トップコート、ネイルカラー等を含む。)、除光
液、ソルベント(マニキュア薄め液)等を含む爪用化粧
品、(6)マッサージオイル(身体をマッサージする際
に身体に塗布する油)、(7)香水(パルファム)、オ
ードトワレ(パルファンドドワレ)、オーデコロン、デ
オドラントコロン、デオドラントスプレー、デオドラン
トジェル、コロンスプレー、コロンローション、固形香
水、練り香、粉末香水、芳香スプレー、等が含まれる。
本トイレタリー品のうち皮膚に接触させるもの(例え
ば、前記化粧品)ではアルテピリンCのZ体又はその塩
を皮膚の表面に継続的に保持又は付着させることができ
るので、アルテピリンCのZ体又はその塩が有する抗腫
瘍活性を長期にわたり発揮させることができる。
【0019】かかる本トイレタリー品に配合されるアル
テピリンCのZ体又はその塩の量としては、本トイレタ
リー品の種類や使用方法及び目的等に応じて適宜定めら
れてよく、特に限定されるものではないが、通常、本ト
イレタリー品に含有されるアルテピリンCのZ体の量に
換算して、1×10−4〜95重量%の範囲とされる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するために、実
施例及び試験例を挙げる。しかしながら、本発明は、か
かる実施例等によって何ら制限されるものではない。
【0021】(実施例1:製造例(異性化及び単離))
上記式(2)によって示されるアルテピリンCのE体
(3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(3−メチル−
2−ブテニル)フェニル]−2−(E)−プロペン酸)
(次に示す文献に記載された方法により調製した。(文
献1)Hajime AGA,et.al. Isol
ation and Identification
of Antimicrobial Compound
s inBrazilian Propolis. B
iosci.Biotech.Biochem.,58
(5),945−946,1994、(文献2)Tet
suya Matsuno.et.al. Prefe
rential Cytotoxicity to T
umor Cells of 3,5−Dipreny
l−4−Hydroxycinnamic Acid
(Artepillin C) Isolated f
rom Propolis. ANTICANCER
RESEARCH 17:3565−3568,199
7)37.3mgを、メチルアルコール(ナカライテス
ク株式会社製特級試薬)5mlに溶解させて、E体のメ
チルアルコール溶液(以下、「E体溶液」という。)を
調製した。次いで、E体溶液をサンプル管(No.3、
胴径21mm×全長45mm、株式会社マルエム製)に
入れ、光化学用高圧水銀灯(理工科学産業株式会社製、
型式UVL−100P)をE体溶液から略1cm離れた
ところに配置し、該水銀灯からE体溶液に紫外線を5時
間照射した。該水銀灯から紫外線を5時間照射された溶
液を「照射液」(Z体含有組成物)という。
【0022】Z体含有組成物たる照射液をメチルアルコ
ール(関東化学株式会社製高速液体クロマトグラフィー
用)765μlに溶解させたものを、高速液体カラムク
ロマトグラフィーに供する試料とした。高速液体カラム
クロマトグラフィーには、ポンプにPU−980(JA
SCO(日本分光株式会社)製)を、検出器にUV検出
器875−UV(JASCO(日本分光株式会社)製)
を、カラムにCosmosil(ナカライテスク株式会
社)製5C−C18−AR−II.TypeWater
s(φ10×250mm)をそれぞれ用いた。展開溶媒
は、メチルアルコールと水との混合溶媒(メチルアルコ
ール:水=75体積%:25体積%)を用いた。UV検
出器は、波長254nmで検出した。また、流速は、
0.7ml/分とした。アプライ(カラムへの注入)に
は15μlずつ用いて行った結果、次の2の画分を得
た。
【0023】画分1:溶出時間(カラム保持時間)2
8.7分 画分2:溶出時間(カラム保持時間)38.4分
【0024】これら画分1及び画分2に含まれる物質
を、H−NMR(プロトン核磁気共鳴分光法)、13
C−NMR(炭素−13核磁気共鳴分光法)、UV分析
(紫外分光法)、IR分析(赤外分光法)及びHR(H
igh Resolution:高分解能)−FAB−
MS(高速原子衝撃質量分析法)によってそれぞれ分析
同定した。なお、これら分析同定に用いた機器は次の通
りである。H−NMRと13C−NMRのいずれも、
Varian(バリアン)社製のUnity−500
(500MHz)を用いた。H−NMRスペクトル
は、500MHzでCDCl(重クロロホルム)中に
おいて測定された。化学シフトδ(ppm)はCDCl
(δH7.24)に比較して与えられた。13C−N
MRスペクトルは、125MHzでCDCl中におい
て測定された。内部標準としてTMS(テトラメチルシ
ラン)を用い、化学シフトδ(ppm)は、CDCl
(δC77.0)に比較して与えられた。
【0025】UV分析は、JASCO(日本分光株式会
社)製UBEST−30を用いた。IR分析は、JAS
CO(日本分光株式会社)製のFT/IR−410を用
いた。HR−FAB−MSは、JEOL(日本電子株式
会社)製JMS−SX102A/JMA−DA6000
を用い(質量分析の測定をJMS−SX102Aで行
い、得られたデータをJMA−DA6000で解析処理
した。)、イオン源:Xe atom beam(キセ
ノン原子線)、加速電圧:10KV、マトリックス:m
−nitrobenzylalcohol(m−ニトロ
ベンジルアルコール)、polyethylenegl
ycol(ポリエチレングリコール) 200によって
分析した。
【0026】以上のようにして、画分1と画分2とに含
まれていた物質を分析した結果を図1に示す。図1に示
したように、画分1に含有されていた物質は、上記式
(1)に示されるアルテピリンCのZ体(3−[4−ヒ
ドロキシ−3,5−ビス(3−メチル−2−ブテニル)
フェニル]−2−(Z)−プロペン酸)であることが判
明した。なお、画分1にはZ体が11.0mg含有され
ていた。一方、画分2に含有されていた物質は、上記式
(2)に示される上述したE体であることが判明した。
なお、画分2にはE体が16.2mg含有されていた。
また、図1中、UVλmaxの欄における吸収波長(メ
チルアルコール中)の後に存する括弧内の数値はモル吸
光係数を示している。以上のことから、37.3mgの
E体をメチルアルコールに溶解させた溶液に、紫外線を
照射することで、この溶解されたE体が異性化すること
で11.0mgのZ体が生じたことが明らかになった。
【0027】(実施例2:製造例(照射時間に伴う異性
化率変化))紫外線の照射時間によって、E体がZ体に
異性化する割合がどのように変化するかを確認した。ま
ず、実施例1と同じE体5.5mgを、メチルアルコー
ル(ナカライテスク株式会社製特級試薬)1094μl
に溶解させて、E体のメチルアルコール溶液を調製し
た。次いで、このE体のアルコール溶液をミクロチュー
ブポリキャップ付き(No.1、胴径8mm×全長50
mm、株式会社マルエム製)に入れ、光化学用高圧水銀
灯(理工科学産業株式会社製、型式UVL−100P)
を該溶液から略1cm離れたところに配置し、該水銀灯
から該溶液に紫外線を照射した。照射開始から5分、1
0分、15分、30分、45分、60分、120分、2
40分、360分のそれぞれにおいて、紫外線が照射さ
れている該溶液から100μlずつサンプルを採取し
て、それぞれ採取されたサンプルに含まれるZ体とE体
とを高速液体カラムクロマトグラフィーにより分析し
た。その結果を表1に示す。
【0028】 (表1)紫外線照射時間によるZ体への異性化割合変化 E体(重量%) Z体(重量%) 紫外線照射時間 5分 84.2 15.8 10分 71.0 29.0 15分 64.1 35.9 30分 63.9 36.1 45分 64.0 36.0 60分 64.7 35.3 120分 64.1 35.9 240分 64.4 35.6 360分 64.2 35.8
【0029】なお、上記したZ体への異性化割合変化
は、採取したサンプルをそのまま5μlずつ高速液体カ
ラムクロマトグラフィーに注入し分析した。高速液体カ
ラムクロマトグラフィーには、ポンプにPU−980
(JASCO(日本分光株式会社)製)を、検出器にU
V検出器875−UV(JASCO(日本分光株式会
社)製)を、クロマトパックにC−R6A(JASCO
(日本分光株式会社)製)を、カラムにChromol
ith Performance(MERCK)製RP
−18e(100×4.6mm)をそれぞれ用いた。展
開溶媒は、1体積%trifluoroacetic
acid(TFA:トリフルオロ酢酸/ナカライテスク
株式会社製)含有60体積%メチルアルコールの混合溶
媒(なお、残分は水を含有する。)を用いた。UV検出
器は、波長300nmで検出した。また、流速は、1.
0ml/分とした。アプライ(カラムへの注入)には5
μlずつ用いた。
【0030】上記した表1の結果から、15分程度紫外
線を照射することで、Z体:E体=35:65程度の割
合になり、その後、さらに紫外線を照射してもZ体への
異性化は促進されないことが明らかになった。
【0031】(実施例3:細胞増殖阻害活性試験)ヒト
急性骨髄性白血病細胞たる腫瘍細胞HL−60(ヒュー
マンサイエンス振興事業団)に対する細胞増殖抑制効果
をMTTアッセイ法(日本生化学会編基礎生化学実験法
第2巻生体試料106頁〜109頁、Cancer R
esearch 48,589−601,Februa
ry 1,1988)を用いて評価した。96穴マイク
ロプレート中に、各濃度(100μg/ml、33.3
μg/ml、10μg/ml、3.3μg/ml、1.
0μg/mlの5種類)に調製した試料(E体とZ体
(実施例1のようにして得たもの))を20μl添加
し、又は対照(コントロール)としてE体もZ体も含ま
ないものも実験した。なお、この詳細は、E体の濃度が
100μg/ml、33.3μg/ml、10μg/m
l、3.3μg/ml、1.0μg/mlである5種類
のE体の試験穴(各濃度それぞれに穴数n=8としたの
で、E体の試験穴全部では8×5=40個であった。)
と、Z体の濃度が100μg/ml、33.3μg/m
l、10μg/ml、3.3μg/ml、1.0μg/
mlである5種類のZ体の試験穴(各濃度それぞれに穴
数n=8としたので、Z体の試験穴全部では8×5=4
0個であった。)と、E体もZ体も含まない対照(コン
トロール)の試験穴(穴数n=8とした。)と、によっ
て試験した。
【0032】これらE体の試験穴40個とZ体の試験穴
40個と対照(コントロール)の試験穴8個とのそれぞ
れに、ヒト急性骨髄性白血病細胞たる腫瘍細胞HL−6
0を2.0×10細胞/mlを180μlずつ加え、
5(容積)%二酸化炭素インキュベーター中、37℃で
3日間培養後、MTT法にて細胞増殖阻害効果を評価し
た。即ち、各濃度のE体及びZ体の試料の細胞増殖阻害
効果を、PBS(−)(phosphatebuffe
r saline(リン酸塩緩衝食塩水))で調製した
2mg/mlのMTT試薬(SIGMA社製、米国)を
200μl用いた吸光度測定により求めた。なお、この
結果は下式により、増殖阻害率(百分率)として評価し
た。各濃度のE体及びZ体の試料の結果を図2に示す。
図2は、縦軸に増殖阻害率(%)をとり、横軸に濃度
(μg/ml)をとった。また、図2は、「E体」及び
「Z体」それぞれ単独のものと、「E体とZ体との混合
物(混合重量割合は、E体/Z体=1/1)」のものと
の結果を示している。そして、図2に示すグラフから、
増殖阻害率=50%となるそれぞれの試料濃度を読み取
り、その値をそれぞれの試薬のIC50値(50%細胞
増殖阻害濃度)とした。
【0033】 増殖阻害率(%)=(1−T/C)×100 なお、式中、Cは対照(コントロール)のOD540の
平均値であり、Tはサンプル処置群のOD540の平均
値である。また、「OD540」とは、540nmの吸
光度を意味している。
【0034】なお、96穴マイクロプレート中の培地に
は岩城硝子株式会社製の品番RPMI−1640を用
い、各試薬の調製にはPBS(−):phosphat
ebuffer saline(リン酸塩緩衝食塩水)
を用いた。アッセイに用いる試料はエチルアルコール
(試料溶解用)の最終濃度が1(重量)%になるように
調製した。各濃度段階の希釈には、大塚製薬株式会社製
の注射用蒸留水を用いた。インキュベータには、For
ma Scientific社製のCOWATER
JAKETED INCUBATERを用いた。MT
T法は、System Instruments C
O.,LTD.社製の品番Immuno Mini N
J−2300を用いて540nmの吸収を測定すること
によった。
【0035】上述したように、図2に示したグラフから
E体とZ体とのそれぞれのIC50値を読み取ると、E
体はIC50値=55.0μg/ml程度であり、Z体
はIC50値=2.7μg/ml程度であることから、
Z体はE体に比して約20倍程度(即ち、増殖阻害率=
50%とするためのZ体濃度はE体濃度の約1/20で
よい。)の細胞増殖阻害効果を有することが明らかにな
った。
【0036】 (実施例4:本医薬組成物たるカプセル剤の処方) カプセル剤; (1カプセル中の組成) アルテピリンCのZ体(実施例1) 0.5mg 乳糖 103mg トウモロコシデンプン 75mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 計180.5mg 上記処方の粉末を均一に混合し、60メッシュの篩いを
通した後、この粉末180.5mgを3号ゼラチンカプ
セルに入れてカプセル剤とした。なお、「アルテピリン
CのZ体(実施例1)」とは、上記した実施例1に記載
した手順によって得たアルテピリンCのZ体を用いたこ
とを示している(以下、処方中の同様の記載も同じ意味
である。)。
【0037】 (実施例5:本医薬組成物たる錠剤の処方) 錠剤; (1錠中の組成) アルテピリンCのZ体(実施例1) 0.5mg 微結晶セルロース 49mg トウモロコシデンプン 48mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 計 98.5mg アルテピリンCのZ体0.5mgと、微結晶セルロース
49mgと、トウモロコシデンプンの一部を混合し、常
法により粒状化した。得られた粒状物を篩いに通した
後、残りのトウモロコシデンプン及びステアリン酸マグ
ネシウムを加えて混合した。次いで、得られた粒状物を
打錠機を用いて98.5mgの錠剤とした。
【0038】 (実施例6:本経口組成物たるクッキーの処方) クッキー; (クッキー1個分の生地中の組成) アルテピリンCのZ体(実施例1) 0.05mg 薄力粉 3500mg バター 1750mg 砂糖 1500mg 溶き卵 750mg 計 7500.05mg バター1750mgと、砂糖1500mgを練り合わせ
たものに溶き卵750mgを加え、アルテピリンCのZ
体0.05mgと、薄力粉3500mgを混合したもの
を加えてクッキー生地とした。クッキー生地を170℃
のオーブンで焼いてクッキーとした。
【0039】 (実施例7:本経口組成物たる飴の処方) 飴; (飴1個分の組成) アルテピリンCのZ体(実施例1) 0.05mg 水飴 600mg 砂糖 5000mg 計5600.05mg 上記各原料を用いて、常法に従い飴を作成した。
【0040】 (実施例8:本経口組成物たる煎餅の処方) 煎餅; (煎餅1枚分の生地中の組成) アルテピリンCのZ体(実施例1) 0.05mg 米粉 5000mg 水 5000mg 計10000.05mg 上記各原料を用いて、常法に従い煎餅を作成した。
【0041】 (実施例9:本経口組成物たるドリンク剤の処方) ドリンク剤; (ドリンク剤1本分の組成) アルテピリンCのZ体(実施例1) 0.05mg レモン果汁 20ml ローヤルゼリー 0.5g プロポリス 0.3g ビタミンC 0.2g はちみつ 13g 上記の6成分を水に溶解させ、全量を100mlとし
た。
【0042】 (実施例10:本経口組成物たるドレッシングの処方) ドレッシング; (ドレッシング1人分量の組成) アルテピリンCのZ体(実施例1) 0.05mg 醤油 2.5g 酢 2.0g サラダ油 2.5g 味噌 0.1g はちみつ 1.0g 野菜エキス 1.4g 旨味調味料 0.5g 香辛料 適量 計 10g 上記の各成分を常法に従い充分に混合し、使用前にも充
分攪拌して用いる。
【0043】 (実施例11:本医薬組成物たる坐剤の処方) 坐剤; (1回分量の組成) アルテピリンCのZ体(実施例1) 0.5mg カカオ脂 705mg コレステロール 45mg グリセリン 750mg サラシミツロウ 50mg 計 1550.5mg 常法に従ってこれらの成分を混合し、坐剤に成型した。
【0044】 (実施例12:本医薬組成物たる舌下錠の処方) 舌下錠; (1錠分の組成) アルテピリンCのZ体(実施例1) 0.5mg 微結晶セルロース 40mg マンニトール 33.5mg アスパルテーム 6mg 計 80mg これらの成分を混和し、錠剤に成型した。
【0045】 (実施例13:本トイレタリー品たるマッサージオイルの処方) アルテピリンCのZ体(実施例1) 1mg グレープフルーツ精油 100μl ホホバ油 10ml 上記アルテピリンCのZ体、グレープフルーツ精油及び
ホホバ油を混合し、全身マッサージ用オイル(本トイレ
タリー品)とした。なお、アルテピリンCのZ体は抗腫
瘍活性(腫瘍発生防止)を目的として、グレープフルー
ツ精油はマッサージを全体的に整調させる目的として、
そしてホホバ油は取り扱いやすい希釈用ベースオイルと
して高い浸透力と皮膚保護効果とを発揮させる目的とし
て、それぞれ配合した。
【0046】 (実施例14:本トイレタリー品たる入浴剤の処方) アルテピリンCのZ体(実施例1) 1mg 炭酸水素ナトリウム 20.0g 硫酸ナトリウム 2.5g はちみつ 3.0g ローヤルゼリー 0.5g ベルガモット精油 100μl 上記6種類の原料を常法に従って混合し、湯200lに
溶解させる入浴剤(本トイレタリー品)とした。なお、
アルテピリンCのZ体は抗腫瘍活性(腫瘍発生防止)を
目的として、炭酸水素ナトリウムは血行促進効果を目的
として、硫酸ナトリウムは血行促進効果を目的として、
はちみつは保湿効果を目的として、ローヤルゼリーは保
湿効果及び美肌効果を目的として、そしてベルガモット
精油は賦香(香料)、神経衰弱回復、神経疲労回復、湿
疹や背中の吹き出物の予防、殺菌効果を目的として、そ
れぞれ配合した。
【0047】実施例4、5、11及び12の医薬組成物
と、実施例6、7、8、9及び10の経口組成物と、実
施例13及び14のトイレタリー品と、のそれぞれにお
いて、アルテピリンCのZ体に代えて実施例1にて得た
Z体含有組成物たる照射液を用い同様にして医薬組成
物、経口組成物、トイレタリー品を調製した。なお、実
施例1にて得たZ体含有組成物を配合して医薬組成物、
経口組成物、トイレタリー品を調製するに先立ち、該照
射液が含有するメチルアルコールを留去したもの(以
下、「留去後組成物」という。)を用いた。留去後組成
物は、実施例4の医薬組成物には1.5mgを、実施例
5の医薬組成物には1.5mgを、実施例11の医薬組
成物には1.5mgを、実施例12の医薬組成物には
1.5mgを、実施例6の経口組成物には0.15mg
を、実施例7の経口組成物には0.15mgを、実施例
8の経口組成物には0.15mgを、実施例9の経口組
成物には0.15mgを、実施例10の経口組成物には
0.15mgを、実施例13のトイレタリー品には3m
gを、実施例14のトイレタリー品には3mgを、それ
ぞれアルテピリンCのZ体に代えて配合した。
【0048】以上のように、アルテピリンCのZ体及び
その塩は、新規物質であり、容易に製造することができ
る。さらに、アルテピリンCのZ体及びその塩のいずれ
もが、腫瘍細胞に対する細胞増殖阻害活性を有すること
から、これらは抗腫瘍(腫瘍治療、腫瘍発生防止(予
防)、腫瘍の改善等)を目的として用いることができ、
アルテピリンCのZ体及びその塩を用いることで、癌の
治療、改善及び予防を効率よくかつ安全に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画分1と画分2との分析結果を示す図である。
【図2】濃度と増殖阻害率との関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/50 A61K 7/50 31/192 31/192 A61P 35/00 A61P 35/00 35/02 35/02 C07C 51/353 C07C 51/353 (72)発明者 樋口 隆一 福岡県福岡市城南区神松寺1−9−20 (72)発明者 宮本 智文 福岡県宗像市青葉台1−11−2 (72)発明者 楠本 俊英 福岡県福岡市東区箱崎4−13−8−203 Fターム(参考) 4B018 LB01 LB08 MD09 ME08 4C083 AA072 AA082 AA112 AA122 AB322 AB352 AC311 AC312 CC01 CC02 CC22 CC25 DD17 DD23 DD30 EE05 EE11 EE42 FF01 FF05 4C206 AA01 AA02 AA03 AA04 DA21 KA01 KA17 MA01 MA04 MA72 NA14 ZB26 ZB27 4H006 AA01 AA02 AA03 AB12 AB28 AC27 BJ50 BN30 BS10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 で示される3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(3−
    メチル−2−ブテニル)フェニル]−2−(Z)−プロ
    ペン酸(1)化合物又はその塩。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の3−[4−ヒドロキシ−
    3,5−ビス(3−メチル−2−ブテニル)フェニル]
    −2−(Z)−プロペン酸(1)化合物又はその薬学的
    に許容しうる塩を含有する、医薬組成物。
  3. 【請求項3】前記医薬組成物が抗腫瘍剤である、請求項
    2に記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の3−[4−ヒドロキシ−
    3,5−ビス(3−メチル−2−ブテニル)フェニル]
    −2−(Z)−プロペン酸(1)化合物又はその経口的
    に摂取可能な塩を含有する、経口組成物。
  5. 【請求項5】抗腫瘍目的で用いられるものである、請求
    項4に記載の経口組成物。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の3−[4−ヒドロキシ−
    3,5−ビス(3−メチル−2−ブテニル)フェニル]
    −2−(Z)−プロペン酸(1)化合物又はその塩を含
    有する、トイレタリー品。
  7. 【請求項7】抗腫瘍目的で用いられるものである、請求
    項6に記載のトイレタリー品。
  8. 【請求項8】式 【化2】 で示される3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(3−
    メチル−2−ブテニル)フェニル]−2−(E)−プロ
    ペン酸(2)化合物又はその塩に紫外線を照射する工程
    を含む、式 【化3】 で示される3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(3−
    メチル−2−ブテニル)フェニル]−2−(Z)−プロ
    ペン酸(1)化合物又はその塩を含有する組成物を製造
    する製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の方法で製造される前記組
    成物から3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(3−メ
    チル−2−ブテニル)フェニル]−2−(Z)−プロペ
    ン酸(1)化合物又はその塩を単離することからなる、
    3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(3−メチル−2
    −ブテニル)フェニル]−2−(Z)−プロペン酸
    (1)化合物又はその塩の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項8に記載の方法によって得られ
    る、3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(3−メチル
    −2−ブテニル)フェニル]−2−(Z)−プロペン酸
    (1)化合物又はその塩を含有する組成物。
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Cited By (3)

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