JP2003055260A - 皮膚の黒化防止方法およびメラニン化抑制方法 - Google Patents

皮膚の黒化防止方法およびメラニン化抑制方法

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JP2003055260A
JP2003055260A JP2002167035A JP2002167035A JP2003055260A JP 2003055260 A JP2003055260 A JP 2003055260A JP 2002167035 A JP2002167035 A JP 2002167035A JP 2002167035 A JP2002167035 A JP 2002167035A JP 2003055260 A JP2003055260 A JP 2003055260A
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melanization
skin
melanin
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Noritoshi Maeda
憲寿 前田
Masato Hatao
正人 畑尾
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 UVA由来の皮膚の黒化を有効に防止するこ
とのできる皮膚の黒化防止方法を提供する。 【解決手段】 表皮基底層に存在するメラノサイトが生
成した無色透明なメラニンモノマーに直接UVAがあた
ることにより生成されるメラニンに起因するUVA由来
の皮膚の黒化現象を見出した。このことにより、メラニ
ンモノマーに320〜400nmの長波長紫外線が照射
されることによって起こるメラニンモノマーのメラニン
化を抑制することにより皮膚の黒化を防止する。またそ
のメラニン化抑制方法およびメラニン化抑制剤を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は皮膚の黒化防止方法
およびメラニン化抑制方法に関し、さらに詳しくは紫外
線によるメラニンモノマーの黒褐色メラニン化を防止す
ることによる皮膚の黒化防止方法およびメラニン化抑制
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、紫外線による皮膚の黒化は、紫外線照射後に表皮基
底層に存在するメラノサイトにおいて酵素チロシナーゼ
の活性が高まり、チロシンから生成されるメラニンがメ
ラノサイト内で増加し、周囲のケラチノサイトがメラニ
ンを受け取ることによって生じると説明されてきた。そ
のため、紫外線による皮膚の黒化を防止する方法として
は、紫外線を吸収あるいは散乱する紫外線遮蔽剤の他
に、チロシナーゼの活性や合成を抑制するいわゆる美白
剤と称されるコウジ酸やアルブチン等が用いられてき
た。上記の過程にはチロシナーゼ蛋白の生合成が関与し
ているので、チロシナーゼの活性が高まるには少なくと
も数日かかり、さらに周囲のケラチノサイトがメラニン
を受け取って皮膚が黒く見えるまでには、3〜5日程度
かかる。
【0003】しかしながら、レジャーや海水浴で過度に
太陽光線を浴びて生じる皮膚の黒化現象は1日以内とい
う短い時間で起こることから、本発明者らは従来考えら
れているチロシナーゼが関与する酵素反応によるメラニ
ン生成とは異なる作用機序が存在するのではないかと考
えた。そこで、この1日以内で起こる皮膚の黒化を実験
的に再現することを目的にソーラーシミュレーターを用
いて検討を行い、我々が日常浴びる紫外線のうち中波長
紫外線(UVB;280〜320nm)と長波長紫外線
(UVA;320〜400nm)の二種類に分けてヒト
の前腕に照射して黒化の経時変化を調べた。その結果、
UVBの300mJ/cm2の照射では照射後1日以内
に皮膚が赤くなり、それが数日続いた後、5日後から徐
々に黒くなり、7日をピークに徐々に退色していった。
一方、UVAの5〜15J/cm2の照射では照射終了
後に黒くなる、いわゆる即時型黒化が生じ3時間後に退
色したが、UVAの16〜45J/cm2の照射では照
射終了後に即時型黒化が生じ、この黒化が一週間以上持
続することを見い出した。このUVAによる持続する黒
化現象を生物化学的、組織化学的に解明した結果、表皮
基底層に存在するメラノサイトが生成した比較的安定で
ある無色透明な化合物ジヒドロキシインドールカルボン
酸やその関連化合物等のメラニンモノマーに直接UVA
があたってメラニンが生成されることがわかった。
【0004】本発明はかかる知見に基づいてなされたも
ので、新しい作用機序に基づく皮膚の黒化防止方法およ
びメラニン化抑制方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の第1は、メ
ラニンモノマーに紫外線が照射されることによって起こ
るメラニンモノマーのメラニン化を抑制することにより
皮膚の黒化を防止することを特徴とする皮膚の黒化防止
方法である。
【0006】本発明の第2は、メラニンモノマーに紫外
線が照射されることによって起こるメラニン化を、メラ
ニンモノマーのメラニン化抑制剤により抑制することを
特徴とするメラニン化抑制方法である。
【0007】本発明の第3は、メラニンモノマーと被測
定試料を含む溶液に紫外線を照射し、照射後のメラニン
生成の程度を前記被測定試料のメラニン化抑制作用の指
標として用いることを特徴とする紫外線由来メラニン化
の抑制作用の評価方法である。
【0008】本発明の第4は、メラニンモノマーに紫外
線が照射されることによって起こるメラニンモノマーの
メラニン化を抑制することを特徴とするメラニン化抑制
剤である。メラニン化抑制剤としては、ビタミンCまた
はその誘導体が挙げられる。
【0009】本発明の第5は、メラニンモノマーに紫外
線が照射されることによって起こるメラニンモノマーの
メラニン化を抑制するメラニン化抑制剤を配合したこと
を特徴とする皮膚外用剤である。
【0010】本発明による皮膚の黒化防止方法、メラニ
ン化抑制方法、紫外線由来メラニン化の抑制作用の評価
方法、メラニン化抑制剤ならびにこれを配合することに
より紫外線によるメラニンモノマーの黒褐色メラニン化
に対する抑制を訴求した皮膚外用剤はこれまでに全く知
られていない。
【0011】以下、本発明の構成について詳述する。本
発明によれば、メラニンモノマーに紫外線が照射される
ことによって起こるメラニンモノマーのメラニン化を抑
制することにより皮膚の黒化を防止することができる。
【0012】本発明の方法で適用可能な、あるいは用い
られ得る紫外線は蛍光ランプやソーラーシミュレータ
ー、モノクロメーター等の290〜400nmの連続ま
たは単波長紫外線である。好ましくは320〜400n
mのUVA領域の紫外線である。
【0013】本発明で用いられるメラニンモノマーとし
ては、DHICA(5,6−ジヒドロキシインドール−
2−カルボン酸)やその塩、DHI(5,6−ジヒドロ
キシインドール)、6H5MICA(6−ヒドロキシ−
5−メトキシインドール−2−カルボン酸)、5H6M
ICA(5−ヒドロキシ−6−メトキシインドール−2
−カルボン酸)、6H5MI(6−ヒドロキシ−5−メ
トキシインドール)、5H6MI(5−ヒドロキシ−6
−メトキシインドール)等が挙げられる。このうち特
に、DHICA(5,6−ジヒドロキシインドール−2
−カルボン酸)やその塩が好ましい。メラニンモノマー
の黒褐色メラニン化の評価は肉眼、写真判定、吸光度
(250〜700nm)、ESR(electron spin reso
nance)等を用いて評価することができる。紫外線によ
るメラニンモノマーの黒褐色メラニン化に対する抑制剤
の評価法も同様の基質、評価法で可能である。
【0014】本発明によれば、上記したメラニンモノマ
ーに紫外線が照射されることによって起こるメラニン化
は、メラニンモノマーのメラニン化抑制剤により抑制す
ることが可能である。ここで、メラニン化抑制剤として
は、ビタミンCまたはその誘導体が挙げられる。
【0015】ビタミンCおよびその誘導体としてはアス
コルビン酸ナトリウム塩、アスコルビン酸リン酸エステ
ルマグネシウム塩(APM)、リン酸アスコルビルアミ
ノプロピル、アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウ
ム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩(AP
N)、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコル
ビン酸パルミチン酸エステル、アスコルビン酸ジパルミ
チン酸エステル等のアスコルビン酸エステル類やアスコ
ルビン酸−2−O−α−グルコシド(AA−2G)等の
アスコルビン酸エーテル類、エトキシ化アスコルビン
酸、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、アスコ
ルビルグルコサミン等が挙げられる。
【0016】本発明の紫外線によるメラニンモノマーの
黒褐色メラニン化に対するメラニン化抑制剤は、美白剤
としての応用の他に、紫外線、特にUVAの関与する皮
膚症状の改善や防止に応用が可能である。
【0017】さらに本発明によれば、上記メラニン化抑
制剤を配合した皮膚外用剤が提供される。
【0018】本発明の皮膚外用剤におけるメラニン化抑
制剤の配合量は、外用剤全量中、0.001〜50.0
重量%、好ましくは0.01〜10.0重量%である。
0.001重量%未満であると、本発明でいう効果が十
分に発揮されず、50.0重量%を超えると製剤化が難
しいので好ましくない。また、10.0重量%以上配合
してもさほど大きな効果の向上はみられない。
【0019】また、本発明の皮膚外用剤には、上記必須
成分以外に、下記に示されるような化粧品、医薬部外
品、医薬品において通常用いられる各種成分や添加剤の
中から必要に応じて適宜配合することができる。
【0020】即ち、任意添加成分として、グリセリン、
ワセリン、尿素、ヒアルロン酸、ヘパリン等の保湿剤、
PABA誘導体(パラアミノ安息香酸、エスカロール5
07等)、桂皮酸誘導体(ネオヘリオパン、パルソール
MCX、サンガードB等)、サリチル酸誘導体(オクチ
ルサリチレート等)、ベンゾフェノン誘導体(ASL−
24、ASL−24S等)、ジベンゾイルメタン誘導体
(パルソールA、パルソールDAM等)、複素環誘導体
(チヌビン系等)、ピリダジン誘導体(モルホリノピリ
ダジノン等)、酸化チタン等の紫外線吸収剤・散乱剤、
エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン
酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、
乳酸、リンゴ酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナ
トリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤、サリチル酸、イ
オウ、カフェイン、タンニン等の皮脂抑制剤、塩化ベン
ザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロル
ヘキシジン等の殺菌・消毒剤、塩酸ジフェンヒドラミ
ン、トラネキサム酸、グアイアズレン、アズレン、アラ
ントイン、ヒノキチオール、グリチルリチン酸及びその
塩、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸等の抗
炎症剤、ビタミンA、ビタミンB群(B1,B2,B
6,B12,B15)、葉酸、ニコチン酸類、パントテ
ン酸類、ビオチン、ビタミンD群(D2,D3)、ビタ
ミンE、ユビキノン類、ビタミンK(K1,K2,K
3,K4)等のビタミン類、アスパラギン酸、グルタミ
ン酸、アラニン、リジン、グリシン、グルタミン、セリ
ン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、アル
ギニン、ピロリドンカルボン酸、タウリン、チオタウリ
ン、グルタチオン等のアミノ酸及びその誘導体、レチノ
ール、酢酸トコフェロール、アルブチン、コウジ酸、エ
ラグ酸、胎盤抽出液等の美白剤、ブチルヒドロキシトル
エン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル
等の抗酸化剤、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、石炭酸亜鉛、酸化
亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の収斂剤、グルコー
ス、フルクトース、マルトース、ショ糖、トレハロー
ス、エリスリトール、マルトース、キシリトール、ラク
チトール等の糖類、甘草、カミツレ、マロニエ、ユキノ
シタ、芍薬、カリン、オウゴン、オウバク、オウレン、
ジュウヤク、イチョウ葉等の各種植物エキスなどの他、
油性成分、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成
分、色材等を適宜配合することができる。
【0021】本発明の皮膚外用剤とは、例えば軟膏、ク
リーム、乳液、ローション、パック、ジェル、浴用剤、
日焼け止めクリーム、ファンデーション等、皮膚に用い
るものであればいずれでもよく、剤型は特に問わない。
また、本発明の皮膚外用剤は、化粧料としてのみでな
く、医薬品,医薬部外品としても有用である。
【0022】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。なお、本発明はこれにより限定されるものでは
ない。配合量は質量%である。実施例に先立ち、本発明
のビタミンCおよびその誘導体の紫外線によるDHIC
A(5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン
酸)の黒褐色メラニン化に対する抑制効果に関する試験
方法とその結果について説明する。
【0023】(1) 紫外線によるDHICAの黒褐色メラ
ニン化の評価法 DHICAは既知の方法で合成することができる。DH
ICAまたはそのナトリウム塩の0.01〜1.0mg
/mlを水またはリン酸緩衝液等の緩衝液に溶解し、マ
イクロプレートウェルに100〜200μl分注する。
蛍光ランプまたはソーラーシミュレーター、モノクロメ
ーターを用いて紫外線を10分から3時間照射し、マイ
クロプレートリーダーで405nmの吸光度を測定し
て、黒褐色メラニン化の程度を評価する。
【0024】(2) 紫外線によるDHICAの黒褐色メラ
ニン化に対する抑制剤の評価法 DHICAまたはそのナトリウム塩の0.01〜1.0
mg/mlを水またはリン酸緩衝液等の緩衝液に溶解
し、マイクロプレートウェルに100〜200μl分注
する。各濃度に調製した化合物または植物抽出物を1〜
100μl添加して、あるいは添加する前に蛍光ランプ
またはソーラーシミュレーター、モノクロメーターを用
いて紫外線を10分から3時間照射し、マイクロプレー
トリーダーで405nmの吸光度を測定して、黒褐色メ
ラニン化の程度を評価し、化合物または植物抽出物の効
果を評価する。
【0025】(3) ビタミンCおよびその誘導体を有効成
分とする紫外線によるDHICAの黒褐色メラニン化に
対する抑制剤の測定 ビタミンCおよびその誘導体を有効成分とする紫外線に
よるDHICAの黒褐色メラニン化に対する抑制作用
は、次に示すような紫外線によるDHICAの黒褐色メ
ラニン化に対する抑制効果で評価した。DHICAまた
はそのナトリウム塩の0.01〜1.0mg/mlを水
に溶解し、マイクロプレートウェルに100μl分注す
る。各濃度に調整したアスコルビン酸やその誘導体を1
00μl添加してFL−20BLB蛍光ランプを用いて
長波長紫外線を1時間照射し、マイクロプレートリーダ
ーで405nmの吸光度を測定して、黒褐色メラニン化
の程度を評価し、化合物の効果を評価した。その結果を
表1に示した。
【0026】
【表1】 ───────────────────────────────── 被験物質 試料濃度 DHICAのUVメラニン化 (%) 抑制率(%) ───────────────────────────────── アスコルビン酸 0.1 70 APM*1 0.1 20 AA−2G*2 0.1 20 ─────────────────────────────────
【0027】*1:アスコルビン酸リン酸エステルマグネ
シウム塩 *2:アスコルビン酸−2−O−α−グルコシド
【0028】(4) UVAによる皮膚黒化に対する抑制効
果を調べる実使用試験 本発明に係わる外用剤の外皮適用による効果を、UVA
による皮膚色の黒化の程度に対する防止率および改善率
から評価した。試験には健常な30名の男女パネルの腕
を用いた。腕に任意の2部位を設け被験部位とした。パ
ネルを10名ずつ3群に分け、表2に示す組成(重量
%)の乳液のうち、どちらか一方の部位に試料を、他方
の部位に対照を適量塗布した。1日3回、21日間塗布
した。被験部位に紫外線を紫外線シミュレーター(Sola
r light Company社にWG335nmのフィルターを設
置し、UVBをカットした。)を用いて照射した。用い
た装置のUVA照射量は20J/cm2で夏の晴天下1
日の平均UVA量は40〜60J/cm2なので、夏の
晴天下1日に浴びるUVA量の約半分から1/3量に相
当する。照射後、適量を3回/日で21日間毎日塗布す
る。皮膚色の測定は、Mexameter MX16 を用いて照射前
と照射直後、20分後、3時間後、1日後、7日後、1
4日後、21日後に行った。有効性の評価は各測定時に
おける2部位間の黒化の程度を目視により5段階で優劣
比較した結果と機器測定の結果により有効性を評価し
た。試料としては、本発明品として、5%ビタミンC配
合乳液、5%AA−2G配合乳液、また比較品として水
置換乳液を用いた。その結果を表2に示す。
【0029】
【表2】 ────────────────────────── 本発明品 比較品 試料 ───── ───── 1 2 1 ────────────────────────── ビタミンC 5.0 − − AA−2G − 5.0 − 水 − − 5.0 グリセリン 10.0 10.0 10.0 1,3−ブチレングリコール 4.0 4.0 4.0 エタノール 7.0 7.0 7.0 ポリオキシエチレン(20モル) オレイルアルコール 0.5 0.5 0.5 精製水 残余 残余 残余 ────────────────────────── UVA黒化抑制効果 ◎ ◎ △ ──────────────────────────
【0030】表2から明らかなように、ビタミンCやA
A−2Gを配合した本発明品の試料は、比較品の試料よ
りもUVAによる皮膚の黒化に対して優れた抑制効果を
示した。次に、本発明による皮膚外用剤の処方例を示
す。
【0031】実施例1 クリーム (処方) ステアリン酸 5.0 重量% ステアリルアルコール 4.0 イソプロピルミリステート 18.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0 プロピレングリコール 10.0 ビタミンC 0.01 苛性カリ 0.2 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 防腐剤 適量 香料 適量 イオン交換水 残余 (製法)イオン交換水にプロピレングリコールとビタミ
ンCと苛性カリを加え溶解し、加熱して70℃に保つ
(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ
(油相)。水相に油相を徐々に加え、全部加え終わって
からしばらくその温度に保ち反応を起こさせる。その
後、ホモミキサーで均一に乳化し、よくかきまぜながら
30℃まで冷却する。
【0032】 実施例2 クリーム (処方) ステアリン酸 2.0 重量% ステアリルアルコール 7.0 水添ラノリン 2.0 スクワラン 5.0 2−オクチルドデシルアルコール 6.0 ポリオキシエチレン(25モル) セチルアルコールエーテル 3.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0 プロピレングリコール 5.0 AA−2G 0.05 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 エチルパラベン 0.3 香料 適量 イオン交換水 残余 (製法)イオン交換水にプロピレングリコールを加え、
加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱
融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え予備
乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくか
きまぜながら30℃まで冷却する。
【0033】 実施例3 クリーム (処方) 固形パラフィン 5.0 重量% ミツロウ 10.0 ワセリン 15.0 流動パラフィン 41.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0 ポリオキシエチレン(20モル) ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0 石けん粉末 0.1 硼砂 0.2 AA−2G 0.05 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 エチルパラベン 0.3 香料 適量 イオン交換水 残余 (製法)イオン交換水に石けん粉末と硼砂を加え、加熱
溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱
融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相をかきまぜ
ながら徐々に加え反応を行う。反応終了後、ホモミキサ
ーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃ま
で冷却する。
【0034】 実施例4 乳液 (処方) ステアリン酸 2.5 重量% ワセリン 5.0 流動パラフィン 10.0 ポリオキシエチレン(10モル) モノオレイン酸エステル 2.0 ポリエチレングリコール1500 3.0 トリエタノールアミン 1.0 カルボキシビニルポリマー 0.05 (商品名:カーボポール941,B.F.Goodrich Chemical company) APM 0.01 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 エチルパラベン 0.3 香料 適量 イオン交換水 残余 (製法)少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマ
ーを溶解する(A相)。残りのイオン交換水にポリエチ
レングリコール1500とトリエタノールアミンを加
え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混
合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を
加え予備乳化を行い、A相を加えホモミキサーで均一乳
化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0035】 実施例5 乳液 (処方) マイクロクリスタリンワックス 1.0 重量% 密ロウ 2.0 ラノリン 20.0 流動パラフィン 10.0 スクワラン 5.0 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0 ポリオキシエチレン(20モル) ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0 プロピレングリコール 7.0 ビタミンC 10.0 アルブチン 5.0 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 エチルパラベン 0.3 香料 適量 イオン交換水 残余 (製法)イオン交換水にプロピレングリコールを加え、
加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加
熱融解して70℃に保つ(油相)。油相をかきまぜなが
らこれに水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に乳化
する。乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0036】 実施例6 ゼリー (処方) 95%エチルアルコール 10.0 重量% ジプロピレングリコール 15.0 ポリオキシエチレン(50モル) オレイルアルコールエーテル 2.0 カルボキシビニルポリマー 1.0 (商品名:カーボポール940,B.F.Goodrich Chemical company) 苛性ソーダ 0.15 L−アルギニン 0.1 ビタミンC 7.0 2−ヒドロキシ−4−メトキシ ベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム 0.05 エチレンジアミンテトラアセテート・ 3ナトリウム・2水 0.05 メチルパラベン 0.2 香料 適量 イオン交換水 残余 (製法)イオン交換水にカーボポール940を均一に溶
解し、一方、95%エタノールにビタミンC、ポリオキ
シエチレン(50モル)オレイルアルコールエーテルを
溶解し、水相に添加する。次いで、その他の成分を加え
たのち苛性ソーダ、L−アルギニンで中和させ増粘す
る。
【0037】 実施例7 美容液 (処方) (A相) エチルアルコール(95%) 10.0 重量% ポリオキシエチレン(20モル) オクチルドデカノール 1.0 パントテニールエチルエーテル 0.1 ビタミンC 1.5 AA−2G 2.0 メチルパラベン 0.15 (B相) 水酸化カリウム 0.1 (C相) グリセリン 5.0 ジプロピレングリコール 10.0 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 カルボキシビニルポリマー 0.2 (商品名:カーボポール940,B.F.Goodrich Chemical company) 精製水 残余 (製法)A相、C相をそれぞれ均一に溶解し、C相にA
相を加えて可溶化する。次いでB相を加えたのち充填を
行う。
【0038】 実施例8 パック (処方) (A相) ジプロピレングリコール 5.0 重量% ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 5.0 (B相) ビタミンC 0.01 オリーブ油 5.0 酢酸トコフェロール 0.2 エチルパラベン 0.2 香料 0.2 (C相) 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 ポリビニルアルコール 13.0 (ケン化度90、重合度2,000) エタノール 7.0 精製水 残余 (製法)A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A
相にB相を加えて可溶化する。次いでこれをC相に加え
たのち充填を行う。
【0039】実施例9 固形ファンデーション (処方) タルク 43.1 重量% カオリン 15.0 セリサイト 10.0 亜鉛華 7.0 二酸化チタン 3.8 黄色酸化鉄 2.9 黒色酸化鉄 0.2 スクワラン 8.0 イソステアリン酸 4.0 モノオレイン酸POEソルビタン 3.0 オクタン酸イソセチル 2.0 ビタミンC 0.5 防腐剤 適量 香料 適量 (製法)タルク〜黒色酸化鉄の粉末成分をブレンダーで
十分混合し、これにスクワラン〜オクタン酸イソセチル
の油性成分、ビタミンC、防腐剤、香料を加え良く混練
した後、容器に充填、成型する。
【0040】 実施例10 乳化型ファンデーション(クリームタイプ) (処方) (粉体部) 二酸化チタン 10.3 重量% セリサイト 5.4 カオリン 3.0 黄色酸化鉄 0.8 ベンガラ 0.3 黒色酸化鉄 0.2 (油相) デカメチルシクロペンタシロキサン 11.5 流動パラフィン 4.5 ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 4.0 (水相) 精製水 50.0 1,3−ブチレングルコール 3.0 ビタミンC 1.0 トラネキサム酸 2.0 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 3.0 防腐剤 適量 香料 適量 (製法)水相を加熱撹拌後、十分に混合粉砕した粉体部
を添加してホモミキサー処理する。更に加熱混合した油
相を加えてホモミキサー処理した後、撹拌しながら香料
を添加して室温まで冷却する。
【0041】 実施例11 ジェル (処方) 95%エタノール 10.0 重量% ジプロピレングリコール 15.0 POE(50)オレイルエーテル 2.0 ビタミンC 1.5 カルボキシビニルポリマー 1.0 水酸化ナトリウム 0.15 3,6−ジモルホリノピリダジノン 2.0 メチルパラベン 0.2 香料 適量 イオン交換水 残余 (製法)イオン交換水にカルボキシビニルポリマーを均
一に溶解した(A相)。95%エタノールに3,6−ジ
モルホリノピリダジノン及びPOE(50)オレイルエ
ーテルを溶解し、A相に添加した。水酸化ナトリウム以
外の成分を添加後、水酸化ナトリウムを添加して中和、
増粘させた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、表皮基
底層に存在するメラノサイトが生成した無色透明なメラ
ニンモノマーに直接UVAがあたることにより生成され
るメラニンに起因するUVA由来の皮膚の黒化現象を初
めて見出したことにより、UVAによる皮膚の黒化を有
効に防止することを可能とするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/48 A61K 7/48 31/375 31/375 A61P 17/16 A61P 17/16 43/00 43/00 C07D 307/62 C07D 307/62 (72)発明者 畑尾 正人 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 Fターム(参考) 4C037 LA03 4C083 AA082 AA112 AB032 AB212 AB232 AB242 AB352 AB432 AB442 AC022 AC072 AC102 AC122 AC182 AC242 AC352 AC422 AC442 AC482 AC532 AC542 AC582 AC642 AC792 AC852 AD042 AD092 AD112 AD172 AD392 AD512 AD641 AD642 AD662 CC02 CC05 CC07 CC12 CC19 DD22 DD23 DD27 DD31 EE16 4C084 AA17 MA63 NA14 ZA89 ZC21 ZC51 4C086 AA01 AA02 BA03 MA01 MA04 MA63 NA14 ZA89 ZC21 ZC41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メラニンモノマーに紫外線が照射される
    ことによって起こるメラニンモノマーのメラニン化を抑
    制することにより皮膚の黒化を防止することを特徴とす
    る皮膚の黒化防止方法。
  2. 【請求項2】 照射紫外線が波長320〜400nmの
    長波長紫外線である請求項1記載の皮膚の黒化防止方
    法。
  3. 【請求項3】 メラニンモノマーに紫外線が照射される
    ことによって起こるメラニン化を、メラニンモノマーの
    メラニン化抑制剤により抑制することを特徴とするメラ
    ニン化抑制方法。
  4. 【請求項4】 メラニンモノマーと被測定試料を含む溶
    液に紫外線を照射し、照射後のメラニン生成の程度を前
    記被測定試料のメラニン化抑制作用の指標として用いる
    ことを特徴とする紫外線由来メラニン化の抑制作用の評
    価方法。
  5. 【請求項5】 メラニンモノマーに紫外線が照射される
    ことによって起こるメラニンモノマーのメラニン化を抑
    制することを特徴とするメラニン化抑制剤。
  6. 【請求項6】 前記メラニン化抑制剤がビタミンCまた
    はその誘導体からなることを特徴とする請求項5記載の
    メラニン化抑制剤。
  7. 【請求項7】 メラニンモノマーに紫外線が照射される
    ことによって起こるメラニンモノマーのメラニン化を抑
    制するメラニン化抑制剤を配合したことを特徴とする皮
    膚外用剤。
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JP4514516B2 (ja) * 2004-05-26 2010-07-28 株式会社資生堂 メラニンモノマーの測定方法

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