JP2003055004A - 紫外線伝送用光ファイバおよびその製造方法 - Google Patents

紫外線伝送用光ファイバおよびその製造方法

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JP2003055004A
JP2003055004A JP2001248284A JP2001248284A JP2003055004A JP 2003055004 A JP2003055004 A JP 2003055004A JP 2001248284 A JP2001248284 A JP 2001248284A JP 2001248284 A JP2001248284 A JP 2001248284A JP 2003055004 A JP2003055004 A JP 2003055004A
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coating layer
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forming
temperature
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JP2001248284A
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Kazuo Imamura
一雄 今村
Masahisa Sugihara
正久 杉原
Tetsuji Funabashi
徹至 船橋
Takeshi Satake
武史 佐竹
Tatsuya Nishioki
達也 西沖
Kunihiro Hattori
邦裕 服部
Kenzo Semimoto
憲三 蝉本
Tokuji Hayashi
徳治 林
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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  • Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線劣化の進行をより高度に抑制した紫外
線伝送用の光ファイバおよびその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 耐紫外線性を有するよう形成された石英
系光ファイバ母材1を加熱して光ファイバ本体2へと線
引きし(図のA)、少なくとも室温となった該光ファイ
バ本体(図のCの2a)に、熱膨張係数の差による10
MPa以上の応力を生じさせるように、室温よりも高い
温度で該光ファイバ本体2の外周面に被覆層3を形成す
る(図のB)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線を伝送する
ために耐紫外線性を付与した石英系光ファイバに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】集積回路の高密度化に伴い、その回路パ
ターンを形成するためのステッパなどには、より高い解
像度でより微細な描画を行なうことが求められている。
そのため、より短い波長の紫外線レーザー光を照射する
ことが必要となり、レーザー光源として、KrFエキシ
マレーザー装置(波長248nm)、ArFエキシマレ
ーザー装置(波長193nm)などが用いられている。
【0003】これら光源装置から出射された紫外線レー
ザー光を、光ファイバを通して加工対象物に照射する場
合がある。また、加工対象物が照射光に励起されて発す
る紫外線を解析し、エッチングがどの層まで達したかな
どをモニターする場合にも、加工対象物から光検出素子
までの伝送経路として光ファイバを用いる場合がある。
このように、紫外線のなかでも高エネルギーの紫外線を
好ましく伝送し得る光ファイバの重要性は高まってい
る。
【0004】しかし、石英系光ファイバを用いて高エネ
ルギーの紫外線を伝送する場合、可視光線や赤外線を伝
送する場合とは異なり、伝送される紫外線自体によって
石英系ガラスに構造欠陥が発生し、該欠陥が特定波長の
光を吸収して伝送特性を劣化させる現象(紫外線劣化)
が顕著となる。特に、E’センターと呼ばれる欠陥は、
波長215nm付近をピークとして比較的広い波長域で
の吸収を示すので、波長248nm、193nmといっ
た高エネルギーの紫外線の伝送には大きな障害となる。
【0005】E’センターとはケイ素の欠陥結合であ
り、該E’センタの生じる要因は、ファイバ中に生じた
ケイ素と水素との結合が高エネルギーの紫外線によって
切断されて生じる欠陥であると言われている。このケイ
素と水素との結合は、水素が多量に存在するコアガラス
母材を線引きした場合に多く生じることが知られてい
る。
【0006】E’センターの発生を低減させるために、
特開平7−35733号公報には、水素含有量を低くし
たコアガラス母材を用いて線引きする技術が開示され、
さらに、ダメージ改善のために、線引き後に水素チャー
ジを行なうことが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような水素含有量を低くしたコアガラス母材を用いた光
ファイバについて、本発明者等が紫外線劣化の程度を検
討したところ、そのようなファイバであっても、線引き
後の水素チャージがなければ充分には紫外線劣化(特
に、波長215nm付近の吸収増大)を抑制できていな
いことがわかった。また、水素チャージを行なったもの
は、紫外線劣化の抑制効果は一時的であって、長期間
(3ヶ月程度)放置しておくとチャージした水素の「抜
け」が生じ、やはり波長215nm付近の吸収が増大す
ることが知られている。
【0008】本発明の課題は、上記問題を解決し、紫外
線劣化の進行をより高度に抑制した紫外線伝送用の光フ
ァイバおよびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の特徴を有
するものである。 (1)耐紫外線性を有するよう形成された石英系光ファ
イバ母材から線引きされた光ファイバ本体と、その外周
面に形成された被覆層とを有し、該被覆層は、室温より
も高い温度で光ファイバ本体に形成された層であり、少
なくとも室温となった該光ファイバ本体に熱膨張係数の
差による10MPa以上の応力を生じさせていることを
特徴とする紫外線伝送用光ファイバ。
【0010】(2)上記石英系光ファイバ母材が、水素
含有量1018分子/cm3以下の石英系ガラスからなる
コア母材を少なくとも有する光ファイバ母材である上記
(1)記載の紫外線伝送用光ファイバ。
【0011】(3)上記被覆層が、220℃以上の融点
を有する金属からなる層であって、該金属が溶融状態で
光ファイバ本体表面に接触して該被覆層となったもので
ある上記(1)または(2)記載の紫外線伝送用光ファ
イバ。
【0012】(4)上記金属がアルミニウムである上記
(3)記載の紫外線伝送用光ファイバ。
【0013】(5)上記被覆層が1000℃以上の温度
での成膜にて形成されたカーボン層である上記(1)ま
たは(2)記載の紫外線伝送用光ファイバ。
【0014】(6)耐紫外線性を有するよう形成された
石英系光ファイバ母材を加熱し光ファイバ本体へと線引
きする工程と、少なくとも室温となった該光ファイバ本
体に熱膨張係数の差による10MPa以上の応力を生じ
させるように、室温よりも高い温度で該光ファイバ本体
の外周面に被覆層を形成する工程とを、有することを特
徴とする紫外線伝送用光ファイバの製造方法。
【0015】(7)上記石英系光ファイバ母材が、水素
含有量1018分子/cm3以下の石英系ガラスからなる
コア母材を少なくとも有する光ファイバ母材である上記
(6)記載の製造方法。
【0016】(8)上記被覆層の材料が220℃以上の
融点を有する金属であって、該被覆層を形成する工程
が、溶融した前記金属中を、線引き直後の光ファイバ本
体を通過させて該被覆層とする加工を含むものである上
記(6)または(7)記載の製造方法。
【0017】(9)上記金属がアルミニウムである上記
(8)記載の製造方法。
【0018】(10)上記被覆層がカーボン層であっ
て、該被覆層を形成する工程が、線引き直後の光ファイ
バ本体に1000℃以上の温度にてカーボンを成膜する
加工を含むものである上記(6)または(7)記載の製
造方法。
【0019】(11)上記線引きする工程が、上記石英
系光ファイバ母材を2000℃〜2400℃に加熱し、
線引き速度1m/分〜300m/分にて線引きする工程
であって、被覆層を形成する工程が、該石英系光ファイ
バ母材の端部から100mm〜5000mmの位置にお
いて、220℃以上の温度にて被覆層を形成する工程で
ある上記(6)〜(10)のいずれかに記載の製造方
法。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の製造方法を説明
しながら、それによって得られる本発明の紫外線伝送用
光ファイバの構成を説明する。図1は、本発明の製造方
法に従った紫外線伝送用光ファイバの加工工程を概略的
に示す図である。当該製造方法は、同図中にAで概略的
に示すように、耐紫外線性を有するよう形成された石英
系光ファイバ母材(以下、「耐紫外線性光ファイバ母
材」ともいう)1を加熱し光ファイバ本体2へと線引き
する工程(以下、単に「線引き工程」ともいう)と、同
図中にBで概略的に示すように、線引きされて細く延び
て行く光ファイバ本体2の外周面に被覆層3を形成する
工程(以下、「被覆工程」ともいう)とを有する。ここ
で、該被覆工程は、次の条件を満たすように被覆層を形
成することが重要である。即ち、光ファイバ本体の温度
が少なくとも室温まで降下したときに(同図中のCの段
階)、光ファイバ本体と被覆層との熱膨張係数の差によ
って10MPa以上の応力が光ファイバ本体2aに生じ
て存続(残留)するように、被覆層の材料と厚さを選択
し、室温よりも高い温度にて(同図中のBの段階)、光
ファイバ本体2の外周面に被覆層3を形成する。同図中
のBで示す被覆工程は、室温よりも高い温度の段階を示
しており、線引き直後の高温の段階であってもよい。以
下、光ファイバ本体と被覆層との間の熱膨張係数差によ
って、室温における光ファイバ本体に生じている10M
Pa以上の応力を「当該応力」ともいう。
【0021】当該製造方法によって得られる光ファイバ
が、本発明による紫外線伝送用光ファイバであって、図
1に室温まで温度降下した状態としてCに示すように、
耐紫外線性光ファイバ母材1から線引きされた光ファイ
バ本体2aと、該光ファイバ本体2aの外周面に室温よ
りも高い温度で形成された被覆層3aとを有する。この
被覆層3aは、材料と厚さを選択されており、この被覆
層3aの存在によって、少なくとも室温となった該光フ
ァイバ本体には、光ファイバ本体と被覆層との熱膨張係
数の差による10MPa以上の応力が生じ存続してい
る。
【0022】被覆層を形成することによって、高エネル
ギーの紫外線を伝送しても、劣化(特にE’センターの
発生に起因する215nm付近での吸収が増大する劣
化)が抑制された紫外線伝送用光ファイバが得られる。
被覆層によって当該応力が光ファイバ本体に残留する
が、それがガラス構造に欠陥を発生させ難くするため
に、紫外線劣化が抑制されると考えられる。
【0023】本発明でいう室温とは、JIS K 00
50に規定されているとおり5〜35℃である。
【0024】本発明において線引き用の材料として用い
られる石英系光ファイバ母材(プリフォーム)は、紫外
線伝送用として耐紫外線性を有するよう形成された石英
系ガラスからなるコア母材を有するものであればよい。
耐紫外線性を有するよう形成された石英系ガラスとし
て、粒子状のSiO2の堆積および合成石英ガラス形成
過程において、OH、F、B、Cl含有量を制御したも
のが知られているが、水素含有量を低下させたものが、
E’センター発生に係る紫外線劣化を抑制するには特に
効果的である。
【0025】水素含有量を低下させた石英系ガラスを用
いる場合、水素含有量は、1018分子/cm3以下、特
に1015〜1018分子/cm3が好ましい。水素含有量
を低下させた石英系ガラスからなる光ファイバ母材を用
いるときに、本発明における被覆層形成とあいまって、
E’センター発生を抑制する効果が顕著となり、215
nm付近での吸収増加が高度に抑制された好ましい紫外
線伝送用光ファイバを得ることができる。
【0026】耐紫外線性光ファイバ母材の形成法は、例
えば、VAD法やプラズマ法等の公知の方法を用いてよ
い。また、石英系光ファイバ母材を低水素化するための
方法も、例えば、特開2000−159545号公報な
ど、公知技術を参照してよい。
【0027】耐紫外線性石英系光ファイバ母材は、コア
部分だけのものであっても、コア部分とクラッド部分と
を有するものであってもよい。コア部分だけの場合、ク
ラッド部分は線引き時に被覆される。クラッド部分の材
料は、コア部分よりも低屈折率の石英系ガラスが用いら
れるが、水素含有量についてはコア部分と同様であるこ
とが好ましい。
【0028】被覆層によって紫外線劣化を従来よりも高
度に抑制するには、被覆層の材料として、光ファイバ本
体の熱膨張係数(1×10-6/℃)を大きく上回る熱膨
張係数(1×10-5/℃〜5×10-5/℃)と、大きな
縦弾性係数(50MPa以上、好ましくは100MPa
以上)を有するものを用いることが好ましい。また、被
覆層の材料によっても異なるが、応力を光ファイバ本体
に十分に発生させるには、被覆層を十分に厚く形成すべ
きである。被覆層の厚さについては後述する。このよう
な被覆層とすることによって、該被覆層から光ファイバ
本体へは、中心軸に向かう半径方向の圧縮力と、長手方
向に圧縮しようとする圧縮力とが作用し、これらに応じ
た圧縮応力が光ファイバ本体に生じ存続する。
【0029】被覆層を形成するタイミングは、光ファイ
バ本体が線引き直後の高温の段階から、室温まで自然冷
却した段階までの中から自由に選択してよいが、線引き
直後の高温の段階で被覆しておく方が、紫外線劣化を抑
制する点ではより好ましい結果が得られる。これは、ガ
ラス冷却過程における構造緩和時間を良好に制御できる
ためであると考えられる。以下、被覆層の形成を線引き
直後の高温の段階で行なう場合の態様について説明す
る。
【0030】被覆層の形成は、線引き温度(通常200
0℃〜2400℃程度)から700℃まで、特に800
℃まで降下する間に行なうことが好ましい。また、その
ときの被覆層の形成温度は220℃〜1500℃、特に
600℃〜800℃が好ましい。被覆層を形成する時点
での光ファイバ本体の温度と、被覆層形成の条件温度と
は、必ずしも同じである必要はないが、ガラスに急激な
温度変化を与えないためには、両者の温度は近い方が好
ましい。
【0031】上記のような線引き後の高温において被覆
層として形成でき、かつ、光ファイバ本体に当該応力を
発生させ得る上記熱膨張係数、縦弾性係数を有する材料
としては、カーボン(形成温度1000℃〜1800
℃、熱膨張係数2×10-6/℃〜10×10-6/℃、縦
弾性係数400MPa〜10GPa)や、220℃以上
の融点を有する金属などが挙げられる。前記金属として
は、アルミニウム(融点660℃、熱膨張係数1×10
-5/℃〜5×10-5/℃、縦弾性係数50GPa〜10
0GPa)などが好ましいものとして挙げられる。
【0032】被覆層の材料を金属とする場合、被覆層の
形成方法は、溶融した前記金属中を、線引き直後の光フ
ァイバ本体を通過させて被覆層とする加工が挙げられ
る。具体的な装置としては、金属を溶融した状態で溜め
る溶融槽を有しその底部に通過孔が設けられてなるダイ
スが挙げられる。アルミニウムの融点は660℃である
が、被覆するための溶融温度は、660℃〜750℃が
程度が好ましい。高温での金属被覆技術自体について
は、赤外線・可視光線伝送のための一般的な光ファイバ
における、耐熱性・機械的強度付与のための金属被覆技
術を参照してもよい。
【0033】被覆層をカーボン層とする場合、被覆層の
形成工程は、線引き直後の光ファイバ本体に、1000
℃以上、好ましくは1000℃〜1800℃にて原料の
炭化水素を分解しカーボンを堆積させ成膜する加工(例
えば、化学分解法など)が挙げられる。カーボン層の被
覆技術自体については、赤外線・可視光線伝送のための
光ファイバにおける、従来公知の被覆技術を参照しても
よい。
【0034】線引き速度は、製造すべき紫外線伝送用光
ファイバの外経によって異なるが、例えば、耐紫外線用
の石英系光ファイバ母材、特に上記したように水素含有
量の低いコア母材を用い、クラッド層外径70μm〜2
500μmの光ファイバ本体を形成する場合、母材を2
000℃〜2400℃に加熱し、線引き速度を1m/分
〜300m/分とすることが好ましい。またその場合、
石英系光ファイバ母材の端部(線引き開始端部)から5
000mmまでの領域、特に100mm〜5000mm
の位置に、上記被覆工程を配置することが好ましい。
【0035】上記したように、被覆層の厚さは、光ファ
イバ本体に当該応力を発生させるのに十分な厚さとすべ
きであり、金属からなる被覆層の厚さは10μm以上、
特に15μm〜30μm程度が好ましく、カーボンから
なる被覆層の厚さは1nm以上、特に1nm〜50nm
程度が好ましい。被覆層の厚さは、線引き速度(ダイス
部分へのファイバ突入温度)、溶融金属温度(粘度管
理)、被覆用ダイスサイズから値を選択し、これらを組
み合わせることによって制御することができる。
【0036】
【実施例】本実施例では、図1に示す製造工程に従っ
て、本発明の紫外線伝送用光ファイバを実際に製造し
た。耐紫外線性光ファイバ母材としては、水素含有量約
1018分子/cm3の石英ガラスからなるものを用い
た。該母材は、コア部分とフッ素ドープされたクラッド
部分とを有するものである。被覆層材料はアルミニウム
とした。
【0037】図1に示すように、線引き工程Aとして、
耐紫外線性光ファイバ母材1の下端部から線引きがなさ
れるよう、該母材1を2200℃の線引き炉S1にセッ
トした。線引き速度は、約60m/分である。また、被
覆工程Bとして、アルミニウム被覆用ダイスS2を線引
き工程の直下に配置した。線引き直後の高温の状態で被
覆がなされるよう、該母材の下端部1a(線引き開始端
部)から、アルミニウムの溶融液面までの距離を、約3
000mmに設定した。
【0038】アルミニウム被覆用ダイスS2は、ヒータ
(図示せず)によって加熱可能な溶融槽S20を有し、
該溶融槽には、720℃〜730℃に維持された溶融ア
ルミニウムS21が収容されている。線引き直後の光フ
ァイバ本体2を、溶融したアルミニウムS21中を通過
させ、溶融槽底部の貫通孔を通して下方へ出し、アルミ
ニウム被覆層3が形成された紫外線伝送用光ファイバF
とした。被覆層形成の後は、室温まで自然降下させた。
光ファイバ本体が溶融アルミニウム中に突入する際の温
度は約400℃〜600℃程度であった。
【0039】室温まで温度降下した当該光ファイバFの
光ファイバ本体には、被覆層との熱膨張係数との差によ
って、約25MPaの応力が生じていた。
【0040】比較例 被覆工程を設けなかったこと以外は、上記実施例と同様
の耐紫外線性光ファイバ母材、同様の加工工程により、
従来の紫外線伝送用光ファイバ(被覆なし)を製作し
た。
【0041】(評価)実施例と比較例によって製作した
各紫外線伝送用光ファイバに、波長400nm以下の紫
外線を連続的に伝送し、経時的にどの波長域にどのよう
な吸収が生じるかを、紫外線光源と紫外線分光装置とを
用いて測定することによって紫外線劣化の程度を調べ
た。
【0042】実施例品の測定結果を図2に、比較例品の
測定結果を図3に、各々グラフとして示す。図2、3の
グラフは、共に、「波長」(横軸)と、紫外線を13時
間伝送した後の「透過率変化」(縦軸)との関係を示し
ている。「透過率変化」とは、初期の透過率(紫外線伝
送0時間時点で測定した場合の透過率)に対する、紫外
線をある時間(本実施例では13時間)だけ伝送した後
の透過率の割合(%)である。初期の透過率は、全ての
波長にわたって100%としているから、グラフに示し
たとすると完全にフラットな直線となる。
【0043】先ず、従来品である比較例の紫外線伝送用
光ファイバは、図3のグラフから明らかなとおり、紫外
線の13時間伝送によって、波長215nm付近をピー
クとする強い吸収が現れており、吸収ピークの頂点での
透過率変化は初期値の10%〜50%となっており、初
期状態から大きく劣化している。これに対して実施例の
紫外線伝送用光ファイバは、伝送開始後13時間を経過
した時点でも、波長215nm付近をピークとする吸収
は微量であって、吸収ピークの頂点での透過率変化は9
0%以上と、従来の劣化度に比べて十分に抑制された値
を示している。
【0044】以上のことから、同じ低水素化を施した光
ファイバ母材を用いても、応力が実質的に生じていない
状態では、紫外線伝送によってE’センターなどの欠陥
が発生し紫外線劣化が生じるが、本発明に従って被覆層
を形成し応力を生じさせ存続させることによって紫外線
劣化を抑制し得ることがわかった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したとおり、光ファイバ本体に
応力を生じさせるよう被覆層を形成することによって、
紫外線劣化の進行をより高度に抑制した紫外線伝送用光
ファイバが得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に従った紫外線伝送用光ファ
イバの加工工程を概略的に示す図である。
【図2】実施例によって得られた紫外線伝送用光ファイ
バの評価を示すグラフである。
【図3】比較例によって得られた紫外線伝送用光ファイ
バの評価を示すグラフである。
【符号の説明】
1 耐紫外線性光ファイバ母材 2 光ファイバ本体 3 被覆層 A 線引き工程 B 被覆工程 C 室温となっている状態 F 紫外線伝送用光ファイバ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月12日(2001.12.
12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】E’センターの発生を低減させるために
素含有量を低くしたコアガラス母材を用いて線引きす
る技術が開示され、さらに、ダメージ改善のために、線
引き後に水素チャージを行なうことが開示されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船橋 徹至 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 佐竹 武史 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 西沖 達也 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 服部 邦裕 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 蝉本 憲三 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 林 徳治 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 4G060 AA01 AB00 AC01 AC03 AD12 AD22 AD30 AD53 CA16 CA20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐紫外線性を有するよう形成された石英
    系光ファイバ母材から線引きされた光ファイバ本体と、
    その外周面に形成された被覆層とを有し、 該被覆層は、室温よりも高い温度で光ファイバ本体に形
    成された層であり、少なくとも室温となった該光ファイ
    バ本体に熱膨張係数の差による10MPa以上の応力を
    生じさせていることを特徴とする紫外線伝送用光ファイ
    バ。
  2. 【請求項2】 上記石英系光ファイバ母材が、水素含有
    量1018分子/cm 3以下の石英系ガラスからなるコア
    母材を少なくとも有する光ファイバ母材である請求項1
    記載の紫外線伝送用光ファイバ。
  3. 【請求項3】 上記被覆層が、220℃以上の融点を有
    する金属からなる層であって、該金属が溶融状態で光フ
    ァイバ本体表面に接触して該被覆層となったものである
    請求項1または2記載の紫外線伝送用光ファイバ。
  4. 【請求項4】 上記金属がアルミニウムである請求項3
    記載の紫外線伝送用光ファイバ。
  5. 【請求項5】 上記被覆層が1000℃以上の温度での
    成膜にて形成されたカーボン層である請求項1または2
    記載の紫外線伝送用光ファイバ。
  6. 【請求項6】 耐紫外線性を有するよう形成された石英
    系光ファイバ母材を加熱し光ファイバ本体へと線引きす
    る工程と、 少なくとも室温となった該光ファイバ本体に熱膨張係数
    の差による10MPa以上の応力を生じさせるように、
    室温よりも高い温度で該光ファイバ本体の外周面に被覆
    層を形成する工程とを、有することを特徴とする紫外線
    伝送用光ファイバの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記石英系光ファイバ母材が、水素含有
    量1018分子/cm 3以下の石英系ガラスからなるコア
    母材を少なくとも有する光ファイバ母材である請求項6
    記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記被覆層の材料が220℃以上の融点
    を有する金属であって、該被覆層を形成する工程が、溶
    融した前記金属中を、線引き直後の光ファイバ本体を通
    過させて該被覆層とする加工を含むものである請求項6
    または7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記金属がアルミニウムである請求項8
    記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記被覆層がカーボン層であって、該
    被覆層を形成する工程が、線引き直後の光ファイバ本体
    に1000℃以上の温度にてカーボンを成膜する加工を
    含むものである請求項6または7記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記線引きする工程が、上記石英系光
    ファイバ母材を2000℃〜2400℃に加熱し、線引
    き速度1m/分〜300m/分にて線引きする工程であ
    って、被覆層を形成する工程が、該石英系光ファイバ母
    材の端部から100mm〜5000mmの位置におい
    て、220℃以上の温度にて被覆層を形成する工程であ
    る請求項6〜10のいずれかに記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014178347A1 (ja) * 2013-05-02 2017-02-23 三菱レイヨン株式会社 プラスチック光ファイバ及びその製造方法、並びにセンサ及びプラスチック光ファイバ巻取用ボビン
EP3400467A4 (en) * 2016-01-08 2019-07-17 North Carolina State University IMPROVED OPTICAL FIBERS FOR LOW TEMPERATURE MEASUREMENT

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