JP2003053865A - ハニカムサンドイッチパネルの製造方法 - Google Patents

ハニカムサンドイッチパネルの製造方法

Info

Publication number
JP2003053865A
JP2003053865A JP2001244209A JP2001244209A JP2003053865A JP 2003053865 A JP2003053865 A JP 2003053865A JP 2001244209 A JP2001244209 A JP 2001244209A JP 2001244209 A JP2001244209 A JP 2001244209A JP 2003053865 A JP2003053865 A JP 2003053865A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
honeycomb core
honeycomb
jig
thermoplastic resin
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001244209A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Kuwa
克己 久和
Kazunobu Umeki
一信 梅木
Hiroyuki Nakamura
裕之 中村
Atsushi Rihei
敦 理塀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001244209A priority Critical patent/JP2003053865A/ja
Publication of JP2003053865A publication Critical patent/JP2003053865A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動積層装置を用いて高品質・高強度な製品
を得ることができるハニカムサンドイッチパネルの製造
方法を提供すること。 【解決手段】 加熱手段と排気通路とを有する下型治具
10を配置し、下型治具10上にハニカムコア20を配
置し、ハニカムコア20の側面の周囲にハニカムコア2
0とほぼ同一高さの側面治具30を配置し、ハニカムコ
ア20の上面に熱可塑性樹脂板を配置し、Tg以上でハ
ニカムコア20を加熱し、排気通路に接続した真空ポン
プの吸引操作により下型治具10にハニカムコア20を
固定し、加熱手段によりTg以下でハニカムコア20を
加熱しながら自動積層装置を用いてハニカムコア20お
よび側面治具30上に熱可塑型複合材料を加熱・加圧し
つつ積層して外被を成形して、ハニカムサンドイッチパ
ネルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハニカムサンドイ
ッチパネルの製造方法に関し、特に、熱可塑型複合材料
を自動積層して外被としたハニカムサンドイッチパネル
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、曲げ応力、せん断応力などに対し
て優れた強度を発揮するサンドイッチパネルが、航空機
の主翼、補助翼、胴体などの一次構造材として好適に使
用されている。このサンドイッチパネルは、芯材を二枚
の外被で挟んだ構造とされており、この芯材として代表
的なものが、金属材料や合成樹脂などで製作した蜂の巣
状の芯材(以下、「ハニカムコア」という)である。
【0003】前記したハニカムコアを有するサンドイッ
チパネル(以下、「ハニカムサンドイッチパネル」とい
う)を製造する際には、従来は、別々に製作した外被と
ハニカムコアとを接着剤によって接着する手法(以下、
「従来法」という)が採用されていた。
【0004】近年では、自動積層技術の発展により、成
形材料の搬送速度と加熱温度とを適宜制御可能な自動積
層装置を用いて、外被成形用の熱可塑型複合材料を、高
温窒素ガスで加熱溶融させローラで加圧しながらハニカ
ムコアに自動積層するという方法が提案されている。こ
のような自動積層装置を用いた製造方法によると、外被
成形用の熱可塑型複合材料の裁断から外被成形までの工
程を連続的に行うことができるため、製造上のコストを
低減することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記したよう
な自動積層装置を用いた製造方法においては、外被成形
用の熱可塑型複合材料を所定の温度に加熱してハニカム
コアの上面に積層するが、この加熱されて積層される熱
可塑型複合材料と、それよりも前に積層され自然冷却さ
れた熱可塑型複合材料との温度差が大きくなるため、熱
可塑性樹脂の層間で歪みが生じ、成形後の外被に反りや
内部歪みが生じる。この結果、製造されたハニカムサン
ドイッチパネルの品質や強度が低下してしまうことがあ
った。
【0006】また、前記したような自動積層装置を用い
た製造方法においては、ハニカムコアの上面に熱可塑型
複合材料を積層する際にローラによって成形圧力を加え
るが、このローラの成形圧力によって、ハニカムコア端
の角部が破損してしまうことがあった。
【0007】一方、前記した従来法によってハニカムサ
ンドイッチパネルを製造する場合には、外被とハニカム
コアとの間に接着剤を介在させるので、この接着剤の表
面張力によって外被とハニカムコアとの間にフィレット
が形成され、このフィレットによって比較的高い接着強
度を得ることができた。しかし、前記したような自動積
層装置を用いた製造方法においては、ハニカムコアに熱
可塑型複合材料を直接積層するため、成形後の外被とハ
ニカムコアとの間にフィレットが形成されず、外被とハ
ニカムコアとの接着強度が低くなっていた。
【0008】本発明の課題は、自動積層装置を用いて高
品質・高強度な製品を得ることができる熱可塑型複合材
料を用いたハニカムサンドイッチパネルの製造方法を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、例えば図1から図4に示
したように、自動積層装置を用いるハニカムサンドイッ
チパネルの製造方法において、加熱手段と固定手段とを
有する下型治具の上にハニカムコアを配置するハニカム
コア配置工程と、前記ハニカムコアの側面に近接させて
その周囲に前記ハニカムコアとほぼ同一高さの側面治具
を配置する側面治具配置工程と、前記ハニカムコアの上
面に熱可塑性樹脂板を配置する熱可塑板配置工程と、前
記熱可塑性樹脂板のガラス遷移温度以上の温度で前記ハ
ニカムコアを加熱するハニカムコア加熱工程と、前記固
定手段により前記下型治具に前記ハニカムコアおよび前
記側面治具を固定する固定工程と、前記加熱手段により
前記熱可塑性樹脂板のガラス遷移温度より低い温度で前
記ハニカムコアを加熱しながら前記ハニカムコアおよび
前記側面治具の上に自動積層装置を用いて熱可塑型複合
材料を加熱・加圧しつつ積層して外被を成形する外被成
形工程とを備えることを特徴とする。
【0010】請求項1記載の発明によれば、熱可塑性樹
脂板のガラス遷移温度以上の温度でハニカムコアを加熱
する工程を備えるため、熱可塑性樹脂板を溶融させてハ
ニカムコアの表面近傍のセル内壁にフィレットを形成す
ると同時に、熱可塑性樹脂板をハニカムコアに接着する
ことができ、この熱可塑性樹脂板を介してハニカムコア
の上に熱可塑型複合材料を積層して外被を成形すること
ができる。従って、外被とハニカムコアとの接着強度を
高めることができる。この結果、高品質・高強度なハニ
カムサンドイッチパネルを得ることができる。
【0011】また、請求項1記載の発明によれば、加熱
手段を有する下型治具を採用し、この加熱手段によって
熱可塑性樹脂板のガラス遷移温度より低い温度でハニカ
ムコアを加熱する工程を備えるため、自動積層装置によ
って加熱された熱可塑型複合材料をハニカムコアの上面
に積層する際に、ハニカムコアおよび既に積層されてい
る熱可塑性樹脂板を加熱することができる。従って、自
動積層装置によって熱可塑型複合材料をハニカムコアの
上面に積層する際に、既に積層されている熱可塑性樹脂
板が自然冷却されて収縮し、その上に加熱された熱可塑
型複合材料が積層されることがなく、成形後の外被に反
りや内部歪みが生じることがない。この結果、高品質・
高強度なハニカムサンドイッチパネルを得ることができ
る。
【0012】さらに、請求項1記載の発明によれば、ハ
ニカムコアの側面に近接させてその周囲にハニカムコア
とほぼ同一高さの側面治具を配置する工程を備えるた
め、自動積層装置によってハニカムコアの上面に熱可塑
型複合材料を積層する際、自動積層装置のローラによっ
てハニカムコア端の角部に横方向(ハニカムコアのセル
の軸と直角方向)の力が加えられることがなく、ハニカ
ムコア端の角部が押し潰されることがない。この結果、
高品質なハニカムサンドイッチパネルを得ることができ
る。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載のハ
ニカムサンドイッチパネルの製造方法において、例えば
図1および図4に示したように、前記外被成形工程に先
立ち、前記側面治具の上面を熱可塑性樹脂で被覆する側
面治具被覆工程を備えることを特徴とする。
【0014】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の奏する作用効果に加え、自動積層装置を用い
てハニカムコアおよび側面治具の上に熱可塑型複合材料
を加熱・加圧しつつ積層して外被を成形する外被成形工
程に先立ち、側面治具の上面を熱可塑性樹脂で被覆する
工程を備えるため、側面治具上に積層した熱可塑型複合
材料の端部を接着して固定することができるので、自動
積層装置を用いてハニカムコアおよび側面治具の上面に
熱可塑型複合材料を積層する作業を容易に行うことがで
きる。従って、ハニカムサンドイッチパネルを製造する
上での作業効率を向上させることができる。
【0015】請求項3記載の発明は、自動積層装置を用
いるハニカムサンドイッチパネルの製造方法において、
ハニカムコアの表面を熱可塑性樹脂板で被覆して加熱
し、前記ハニカムコアの表面近傍のセル内壁にフィレッ
トを形成しつつ前記ハニカムコアの表面に前記熱可塑性
樹脂板を接着させる接着工程と、加熱手段と固定手段と
を有する下型治具の上に、前記熱可塑性樹脂板を接着さ
せた前記ハニカムコアを配置するハニカムコア配置工程
と、前記ハニカムコアの側面に近接させてその周囲に前
記ハニカムコアとほぼ同一高さの側面治具を配置する側
面治具配置工程と、前記側面治具の上面を熱可塑性樹脂
で被覆する側面治具被覆工程と、前記固定手段により前
記下型治具に前記ハニカムコアおよび前記側面治具を固
定する固定工程と、前記加熱手段により前記ハニカムコ
アを加熱しながら前記ハニカムコアおよび前記側面治具
の上に自動積層装置を用いて熱可塑型複合材料を加熱・
加圧しつつ積層して外被を成形する外被成形工程とを備
えることを特徴とする。
【0016】請求項3記載の発明によれば、下型治具上
にハニカムコアを配置する前に、ハニカムコアの表面近
傍のセル内壁にフィレットを形成しつつハニカムコアの
表面に熱可塑性樹脂板を接着させる工程を備えるため、
下型治具上でフィレット形成を行う必要がない。従っ
て、大掛かりな加熱設備を要しない上に作業の簡素化を
図ることができる。
【0017】すなわち、フィレットを形成するためには
熱可塑性樹脂板をガラス遷移温度以上の温度で加熱する
必要があり、ハニカムコアを下型治具上に配置したまま
この温度での加熱を行う場合には、大掛かりな設備が必
要となり搬送作業などが煩雑となるが、下型治具上にハ
ニカムコアを配置する前にフィレット形成を行うため、
このような大掛かりな加熱設備が不要となり、かつ、搬
送作業などを格段に簡素化することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態では、航空
機の補助翼の一次構造材として使用されるハニカムサン
ドイッチパネルを、自動積層装置を使用して製造する方
法について説明することとする。
【0019】まず、図1に示すように、加熱手段11と
排気通路12とを有する下型治具10を配置する。この
下側治具10は、ほぼ水平な載置面13を有し、後述す
るハニカムコア20および側面治具30をその載置面1
3に配置するように機能する。
【0020】加熱手段11は、後述するハニカムコア2
0や積層される熱可塑性樹脂板50を所定の温度(例え
ば、100℃〜400℃)に加熱するためのものであ
り、電熱線などで構成することができる。また、排気通
路12は、図示されていない真空ポンプに接続されてお
り、この真空ポンプの吸引操作によって、下側治具10
と後述するハニカムコア20との間の空気を排出して、
ハニカムコア20を一時的に下側治具10に固定するこ
とができる。すなわち、排気通路12および真空ポンプ
は固定手段である。
【0021】次いで、下型治具10の上にハニカムコア
20を配置する(ハニカムコア配置工程:図1参照)。
このハニカムコア20は、本実施の形態に係る製造方法
で製造されるハニカムサンドイッチパネルの芯材として
機能するものである。ハニカムコア20は、アルミニウ
ム、チタン、ステンレス鋼などの金属材料のほか、合成
樹脂、発泡合成樹脂、繊維強化樹脂複合材、バルサ材な
どで製作することができ、中でも、軽量で剛性の高いア
ルミニウム製のものが好適である。また、ハニカムコア
20のセルの形状は、特に限定されるものではなく、通
常用いられている六角形や四角形などとすることができ
る。
【0022】次いで、ハニカムコア20の側面の周囲
に、ハニカムコア20と同一高さの側面治具30を配置
する(側面治具配置工程:図1参照)。この側面治具3
0は、後述する外被成形工程において自動積層装置を用
いてハニカムコア20の上面に熱可塑型複合材料を積層
する際に、自動積層装置のローラによってハニカムコア
端の角部に横方向(ハニカムコアのセルの軸と直角方
向)の力が加えられるのを防ぎ、ハニカムコア端の角部
が押し潰されるのを阻止するものである。側面治具30
は、前記した機能を果たす程度の剛性を備えるものであ
ればその材料に限定はなく、金属材料、合成樹脂、繊維
強化樹脂複合材料などで製作することができる。
【0023】本実施の形態においては、側面治具30の
上面を、熱可塑性樹脂製の薄膜40を接着させて被覆し
ておく(側面治具被覆工程:図1および図4参照)。こ
のように、側面治具30の上面を熱可塑性樹脂製の薄膜
40で被覆しておくことにより、側面治具30上に積層
した熱可塑型複合材料の端部を接着して固定することが
できるので、後述する自動積層装置を用いてハニカムコ
ア20および側面治具30の上面に熱可塑型複合材料を
積層する作業を、容易に行うことができる。
【0024】熱可塑性樹脂製の薄膜40の材料となる熱
可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリイミドなど
を挙げることができる。なお、熱可塑性樹脂製の薄膜4
0の材料となる熱可塑性樹脂を、後述する熱可塑型複合
材料の母材となる熱可塑性樹脂と同一とすると、自動積
層装置を用いた熱可塑型複合材料の積層作業が一層容易
となるので好ましい。
【0025】次いで、ハニカムコア20の上面に、熱可
塑性樹脂板50を配置する(熱可塑板配置工程:図3参
照)。この熱可塑性樹脂板50は、ハニカムコア20と
熱可塑型複合材料によって成形される外被とを接着する
接着剤としての機能を果たす。すなわち、熱可塑性樹脂
板50は、後述するように、ガラス遷移温度以上の温度
で加熱されて溶融し、ハニカムコア20の表面近傍のセ
ル内壁にフィレット51を形成しつつハニカムコア20
に接着され、この熱可塑性樹脂板50を介してハニカム
コア20の上に熱可塑型複合材料を積層して外被を成形
することができる。このフィレット51の形成により、
高い接着強度で外被とハニカムコア20とを接着するこ
とができる。
【0026】熱可塑性樹脂板50の材料としては、アク
リル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂、合成ゴムなどを挙げることができる。また、熱
可塑性樹脂板50の厚さは、製造するハニカムサンドイ
ッチパネルのサイズに応じて適宜決めることができる。
【0027】次いで、熱可塑性樹脂板50のガラス遷移
温度以上の温度でハニカムコア20を加熱する(ハニカ
ムコア加熱工程)。この加熱は、下型治具10、ハニカ
ムコア20、熱可塑性樹脂板50および側面治具30を
一体的に加熱炉に搬入することによって行うことができ
る。本実施の形態で用いた熱可塑型樹脂板のガラス遷移
温度(Tg)は240℃であるので、このハニカムコア
加熱工程における加熱温度は400℃としている。
【0028】次いで、下型治具10の排気通路12に接
続した真空ポンプの吸引操作により、下型治具10にハ
ニカムコア20および側面治具30を固定する(固定工
程:図4参照)。このように下型治具10にハニカムコ
ア20および側面治具30を一時的に固定することによ
り、自動積層装置を用いてハニカムコア20の上面に熱
可塑型複合材料を積層する際に、ハニカムコア20が初
期位置から移動することがなく、確実に熱可塑型複合材
料の積層を行うことができる。
【0029】次いで、下型治具10の加熱手段11によ
って、熱可塑性樹脂板50のガラス遷移温度より低い温
度でハニカムコア20を加熱しながら、自動積層装置を
用いて、ハニカムコア20および側面治具30の上に熱
可塑型複合材料を加熱・加圧しつつ積層して外被を成形
する(外被成形工程)。自動積層装置としては、例え
ば、成形材料の搬送速度や加熱温度とを適宜制御可能な
自動積層装置を挙げることができる。
【0030】加熱手段11によって熱可塑性樹脂板50
のガラス遷移温度より低い温度でハニカムコア20を加
熱することにより、自動積層装置によって熱可塑型複合
材料をハニカムコア20の上面に複数回にわたって積層
する際に、熱可塑型複合材料が冷却されて収縮すること
がなく、成形後の外被に反りや内部歪みが生じることが
ない。本実施の形態では、この加熱温度を200℃とし
ている。
【0031】本発明において、「熱可塑型複合材料」と
は、強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させて構成した成形
材料を意味し、所定の温度で加熱して熱可塑性樹脂を溶
融させた後、加圧しつつ冷却することにより、ハニカム
サンドイッチパネルの外被を成形するものである。この
熱可塑型複合材料の形態は、マット状、フェルト状、テ
ープ状など、自動積層装置の仕様に応じて適宜決めるこ
とができ、本実施の形態では、一方向に延在させた強化
繊維を熱可塑性樹脂で被覆したテープ状の熱可塑型複合
材料を採用している。
【0032】熱可塑型複合材料を構成する熱可塑性樹脂
の種類としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリイミドなどを挙
げることができる。また、熱可塑型複合材料を構成する
強化繊維の種類としては、ガラス繊維、カーボン繊維、
アラミド繊維、アルミナ繊維などを挙げることができ
る。
【0033】熱可塑型複合材料を構成する熱可塑性樹脂
を加熱溶融させるために、本実施の形態においては、高
温の窒素ガスを吹き付ける手法を採用している。この窒
素ガスの温度は、熱可塑型複合材料を構成する熱可塑性
樹脂の種類によって適宜決めることができ、例えば50
0℃程度とすることができる。また、加熱溶融させた熱
可塑型複合材料を加圧する手段として、本実施の形態に
おいては、ローラを採用している。ローラは、加熱溶融
させた熱可塑性複合材料を加圧するとともに、熱可塑性
複合材料を構成する熱可塑性樹脂を冷却して硬化させる
機能をも果たす。
【0034】以上の工程により、ハニカムコア20の一
方の面に外被を成形することができる。この後、前記と
同様の工程で、ハニカムコア20の他方の面に外被を成
形し、ハニカムサンドイッチパネルの製造を終了する。
【0035】本実施の形態に係るハニカムサンドイッチ
パネルの製造方法によれば、加熱手段11を有する下型
治具10を採用し、この加熱手段11によってハニカム
コア20を加熱する工程を備えるため、自動積層装置に
よって熱可塑型複合材料をハニカムコア20の上面に積
層する際に、ハニカムコア20や既に積層した熱可塑性
樹脂板50を加熱することができる。従って、自動積層
装置によって熱可塑型複合材料をハニカムコア20の上
面に複数回にわたって積層する際に、温度差が大きい熱
可塑型複合材料を上下に隣接させて積層することがな
く、成形後の外被に反りや内部歪みが生じることがな
い。
【0036】また、本実施の形態に係るハニカムサンド
イッチパネルの製造方法によれば、ハニカムコア20の
側面の周囲にハニカムコア20と同一高さを有する側面
治具30を配置する工程を備えるため、自動積層装置に
よってハニカムコア20の上面に熱可塑型複合材料を積
層する際、自動積層装置のローラによりハニカムコア2
0端の角部に横方向の力が加えられることがなく、ハニ
カムコア20端の角部が押し潰されることがない。
【0037】さらに、本実施の形態に係るハニカムサン
ドイッチパネルの製造方法によれば、側面治具30の上
面を熱可塑性樹脂製の薄膜40で被覆しているため、熱
可塑型複合材料の端部を側面治具30上に接着して固定
することができる。従って、自動積層装置を用いてハニ
カムコア20および側面治具30の上面に熱可塑型複合
材料を積層する作業を容易に行うことができる。この結
果、製造上の作業効率がきわめて高い。
【0038】さらにまた、本実施の形態に係るハニカム
サンドイッチパネルの製造方法によれば、ハニカムコア
20の上面に、熱可塑性樹脂板50を配置する工程を備
え、自動積層装置によってハニカムコア20の上面に熱
可塑型複合材料を積層する際に、この熱可塑性樹脂板5
0が溶融するため、成形後の外被とハニカムコア20と
の間にフィレット51を形成することができ、外被とハ
ニカムコア20との接着強度を高めることができる。
【0039】また、本実施の形態に係るハニカムサンド
イッチパネルの製造方法によれば、下型治具10の排気
通路12に接続した真空ポンプの吸引操作により、下型
治具10にハニカムコア20を一時的に固定することが
できるので、自動積層装置を用いてハニカムコア20の
上面に熱可塑型複合材料を積層する際に、ハニカムコア
20が初期位置から移動することがなく、確実に熱可塑
型複合材料の積層を行うことができる。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、熱可塑性
樹脂板を溶融させてハニカムコアの表面近傍のセル内壁
にフィレットを形成すると同時に、熱可塑性樹脂板をハ
ニカムコアに接着することができ、この熱可塑性樹脂板
を介してハニカムコアの上に熱可塑型複合材料を積層し
て外被を成形することができる。従って、外被とハニカ
ムコアとの接着強度を高めることができる。この結果、
高品質・高強度なハニカムサンドイッチパネルを得るこ
とができる。
【0041】また、請求項1記載の発明によれば、自動
積層装置によって加熱された熱可塑型複合材料をハニカ
ムコアの上面に積層する際に、ハニカムコアおよび既に
積層されている熱可塑性樹脂板を加熱することができ
る。従って、自動積層装置によって熱可塑型複合材料を
ハニカムコアの上面に積層する際に、既に積層されてい
る熱可塑性樹脂板が自然冷却されて収縮し、その上に加
熱された熱可塑型複合材料が積層されることがなく、成
形後の外被に反りや内部歪みが生じることがない。この
結果、高品質・高強度なハニカムサンドイッチパネルを
得ることができる。
【0042】さらに、請求項1記載の発明によれば、自
動積層装置によってハニカムコアの上面に熱可塑型複合
材料を積層する際、自動積層装置のローラによってハニ
カムコア端の角部に横方向(ハニカムコアのセルの軸と
直角方向)の力が加えられることがなく、ハニカムコア
端の角部が押し潰されることがない。この結果、高品質
なハニカムサンドイッチパネルを得ることができる。
【0043】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果を奏するのは勿論のこと、側面治具上に
積層した熱可塑型複合材料の端部を接着して固定するこ
とができるので、自動積層装置を用いてハニカムコアお
よび側面治具の上面に熱可塑型複合材料を積層する作業
を容易に行うことができる。従って、ハニカムサンドイ
ッチパネルを製造する上での作業効率を向上させること
ができる。
【0044】請求項3記載の発明によれば、下型治具上
にハニカムコアを配置する前に、ハニカムコアの表面近
傍のセル内壁にフィレットを形成しつつハニカムコアの
表面に熱可塑性樹脂板を接着させる工程を備えるため、
下型治具上でフィレット形成を行う必要がない。従っ
て、大掛かりな加熱設備を要しない上に作業の簡素化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るハニカムサンドイッ
チパネルの製造方法を説明するためのものであり、下型
治具の上にハニカムコアおよび側面治具を配置した状態
を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II部分の断面図である。
【図3】図2のIII部分において、熱可塑性樹脂板が溶
融してフィレットが形成された状態を示す拡大図であ
る。
【図4】図2のIV部分の拡大図である。
【符号の説明】
10 下型治具 11 加熱手段 12 排気通路 13 載置面 20 ハニカムコア 30 側面治具 40 熱可塑性樹脂製の薄膜 50 熱可塑性樹脂板 51 フィレット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 裕之 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 理塀 敦 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AB04 AB10 AB12 AK01B AK01C AK22 AK25 AK68 AN02 AT00B AT00C BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C BA13 DC02A EC032 EJ172 EJ422 GB31 JB16B JB16C JK01 JL02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動積層装置を用いるハニカムサンドイッ
    チパネルの製造方法において、 加熱手段と固定手段とを有する下型治具の上にハニカム
    コアを配置するハニカムコア配置工程と、 前記ハニカムコアの側面に近接させてその周囲に前記ハ
    ニカムコアとほぼ同一高さの側面治具を配置する側面治
    具配置工程と、 前記ハニカムコアの上面に熱可塑性樹脂板を配置する熱
    可塑板配置工程と、 前記熱可塑性樹脂板のガラス遷移温度以上の温度で前記
    ハニカムコアを加熱するハニカムコア加熱工程と、 前記固定手段により前記下型治具に前記ハニカムコアお
    よび前記側面治具を固定する固定工程と、 前記加熱手段により前記熱可塑性樹脂板のガラス遷移温
    度より低い温度で前記ハニカムコアを加熱しながら前記
    ハニカムコアおよび前記側面治具の上に自動積層装置を
    用いて熱可塑型複合材料を加熱・加圧しつつ積層して外
    被を成形する外被成形工程とを備えることを特徴とする
    ハニカムサンドイッチパネルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記外被成形工程に先立ち、 前記側面治具の上面を熱可塑性樹脂で被覆する側面治具
    被覆工程を備えることを特徴とする請求項1記載のハニ
    カムサンドイッチパネルの製造方法。
  3. 【請求項3】自動積層装置を用いるハニカムサンドイッ
    チパネルの製造方法において、 ハニカムコアの表面を熱可塑性樹脂板で被覆して加熱
    し、前記ハニカムコアの表面近傍のセル内壁にフィレッ
    トを形成しつつ前記ハニカムコアの表面に前記熱可塑性
    樹脂板を接着させる接着工程と、 加熱手段と固定手段とを有する下型治具の上に、前記熱
    可塑性樹脂板を接着させた前記ハニカムコアを配置する
    ハニカムコア配置工程と、 前記ハニカムコアの側面に近接させてその周囲に前記ハ
    ニカムコアとほぼ同一高さの側面治具を配置する側面治
    具配置工程と、 前記側面治具の上面を熱可塑性樹脂で被覆する側面治具
    被覆工程と、 前記固定手段により前記下型治具に前記ハニカムコアお
    よび前記側面治具を固定する固定工程と、 前記加熱手段により前記ハニカムコアを加熱しながら前
    記ハニカムコアおよび前記側面治具の上に自動積層装置
    を用いて熱可塑型複合材料を加熱・加圧しつつ積層して
    外被を成形する外被成形工程とを備えることを特徴とす
    るハニカムサンドイッチパネルの製造方法。
JP2001244209A 2001-08-10 2001-08-10 ハニカムサンドイッチパネルの製造方法 Pending JP2003053865A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001244209A JP2003053865A (ja) 2001-08-10 2001-08-10 ハニカムサンドイッチパネルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001244209A JP2003053865A (ja) 2001-08-10 2001-08-10 ハニカムサンドイッチパネルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003053865A true JP2003053865A (ja) 2003-02-26

Family

ID=19074182

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001244209A Pending JP2003053865A (ja) 2001-08-10 2001-08-10 ハニカムサンドイッチパネルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003053865A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102975464A (zh) * 2012-11-27 2013-03-20 常州悦诚新材料有限公司 连续玻纤布增强热塑性塑料蜂窝夹芯板材的生产方法
JP2014104975A (ja) * 2012-11-26 2014-06-09 Boeing Co マルチボックス翼スパーおよび外板
CN111628223A (zh) * 2020-04-30 2020-09-04 东莞汇洋动力科技有限公司 一种软包电池的制备方法
US11104085B2 (en) 2018-11-20 2021-08-31 The Boeing Company Composite laminate structure having a cellular core formed using a continuous compression molding process

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014104975A (ja) * 2012-11-26 2014-06-09 Boeing Co マルチボックス翼スパーおよび外板
CN102975464A (zh) * 2012-11-27 2013-03-20 常州悦诚新材料有限公司 连续玻纤布增强热塑性塑料蜂窝夹芯板材的生产方法
CN102975464B (zh) * 2012-11-27 2014-12-17 常州悦诚新材料有限公司 连续玻纤布增强热塑性塑料蜂窝夹芯板材的生产方法
US11104085B2 (en) 2018-11-20 2021-08-31 The Boeing Company Composite laminate structure having a cellular core formed using a continuous compression molding process
CN111628223A (zh) * 2020-04-30 2020-09-04 东莞汇洋动力科技有限公司 一种软包电池的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU651652B2 (en) A method for forming structural panels and panels so made
JP4191343B2 (ja) ハニカムサンドイッチパネルの製造方法
JP5158647B2 (ja) 複合パネル
US8016970B2 (en) Method for applying a pre-cured composite strip to a composite component to minimize inconsistencies appearing on a surface of the composite component
US7097731B2 (en) Method of manufacturing a hollow section, grid stiffened panel
EP2569142B1 (en) Method of making a composite sandwich structure
JPH0586914B2 (ja)
KR20030069113A (ko) 항공기 스킨 패널용 강성 부재 및 그 강성 부재에 제공된스킨 패널의 제조 방법
JP2010503549A (ja) 熱可塑性複合材で形成されるパネルを製造する方法
EP1418046B1 (en) Composite sheet material
US7138031B2 (en) Mandrel and method for manufacturing composite structures
JP4328579B2 (ja) ハニカムサンドイッチパネルの製造方法
JP2003053865A (ja) ハニカムサンドイッチパネルの製造方法
JPS63170423A (ja) 鏡面を有する多層複合パネルの成形方法
JP4213443B2 (ja) 複合材補強パネルの製造方法
JPH03292131A (ja) 繊維強化樹脂積層体の製造方法
JP2001315228A (ja) 複合材を用いたハニカムサンドイッチ構造の製造方法及び該ハニカムサンドイッチ構造の製造に使用する成形治具
JP3326541B2 (ja) 繊維強化樹脂材の成形方法
JP2003062961A (ja) 複合材補強パネルの製造方法
JP2003071865A (ja) 熱防護パネルの製造方法
CN115195250A (zh) 一种轻量化复合板材及其制造方法
JP4510586B2 (ja) ハニカムサンドイッチパネルの製造方法
JPH01259912A (ja) 熱硬化樹脂系複合材の成形方法
JPS63126742A (ja) 自動車用成形内装材およびその製造方法
JP2016210096A (ja) サンドイッチパネル及びその製造方法