JP2003053700A - シリコン結晶異方性エッチング方法、インク流路板製造方法、インク流路板、インクジェットプリントヘッドおよびインクジェットプリンタ - Google Patents

シリコン結晶異方性エッチング方法、インク流路板製造方法、インク流路板、インクジェットプリントヘッドおよびインクジェットプリンタ

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JP2003053700A
JP2003053700A JP2001248172A JP2001248172A JP2003053700A JP 2003053700 A JP2003053700 A JP 2003053700A JP 2001248172 A JP2001248172 A JP 2001248172A JP 2001248172 A JP2001248172 A JP 2001248172A JP 2003053700 A JP2003053700 A JP 2003053700A
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JP
Japan
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thin film
mask pattern
ink
single crystal
silicon substrate
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JP2001248172A
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English (en)
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Takashi Yagi
孝 八木
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクプール底面のエッチングを良好に行
い、かつ、インクプール開口部の微細形状薄膜マスクパ
ターンを塞ぐことを可能とする。 【解決手段】 単結晶シリコン基板2に犠牲層5となる
層を形成する工程と、犠牲層5の上に数μmオーダ幅の
開口を持つ薄膜マスクパターン4を形成する工程と、シ
リコン結晶異方性ケミカルエッチング液6にて犠牲層5
を除去して薄膜マスクパターン4と単結晶シリコン基板
2との間に空洞を形成するとともに単結晶シリコン基板
2にケミカルエッチングを行う工程と、薄膜マスクパタ
ーン4を塞ぐ保護膜12を形成する工程とを有する。犠
牲層5は、シリコン結晶異方性ケミカルエッチング液6
により、単結晶シリコン基板2をエッチングする速度よ
りも速い速度で選択的にエッチング可能な材料で構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン結晶異方性
エッチング方法、インク流路板製造方法、インク流路
板、インクジェットプリントヘッドおよびインクジェッ
トプリンタに関し、特にシリコン結晶異方性エッチング
方法、インク流路板製造方法、インク流路板、インクジ
ェットプリントヘッドおよびインクジェットプリンタに
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリントヘッドのインク
プールを形成するインク流路板の主要部断面図を図1に
示す。このインク流路板1は<100>面単結晶シリコ
ン基板2を用いて、薄膜形成やフォトリソグラフィ等、
周知された半導体プロセスにより所望の薄膜パターンを
構成した後、シリコン結晶異方性ケミカルエッチングを
行うことにより、単結晶シリコン基板のみを用いたプロ
セスにより一体形成される。
【0003】インク流路板内に形成されるインクプール
形成方法の一例を説明する。インクプール7が形成され
る単結晶シリコン基板2にはインク吐出に携わるノズル
も一体形成され、ノズル形成される側の面にインクプー
ル7が形成される為、インク吐出の安定を図る為に行う
ワイピングや周知のダンパ機能を持たせる必要性がある
等の理由により、インクプール7はその開口面を物理的
に蓋をする構造とすることが必須となる。一方、インク
プール7は最終的にはシリコン結晶異方性ケミカルエッ
チングにより形成される為、エッチング液により良好な
エッチングが行えることが必須となる。そこで、これら
を両立し、且つ単結晶シリコン基板2のみで一体形成を
行う為、図1に示すように、インクプール7の異方性エ
ッチング開始面の薄膜マスクパターンを図3に示すよう
な数μmオーダ以下の微細形状にして、この数μmオー
ダの微細形状部分からエッチング液が入り込み、薄膜マ
スクパターン下の単結晶シリコンを除去できるような構
造とし、異方性エッチング終了後に微細形状の薄膜マス
クパターンをめっき法や半導体プロセスで周知されてい
る熱酸化法やCVD法、スパッタリング法等により塞ぐ
手法が提案されている。一例をあげると、めっき法によ
り塞ぐ方法は特開平11−170548号公報に記載さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法には
次の2点の問題点があった。
【0005】第1点は、インクプール開口部の微細形状
の薄膜マスクパターンを物理的に塞ぐ為には、微細形状
の幅が数μmオーダレベルが限界であり、微細形状薄膜
マスクパターン幅を広くすると、これを物理的に塞ぐこ
とができなくなることが挙げられる。我々の実験・評価
では、最大でも幅5μm程までは塞ぐことができたが、
これ以上の幅になると、インクジェットヘッドとして十
分レベルに塞ぐことが不可能であった。
【0006】第2点は、微細形状薄膜マスクパターン幅
が小さい程、シリコン結晶異方性ケミカルエッチング時
のエッチング液が微細形状薄膜マスクパターン内部に入
り込みにくく、下層の単結晶シリコンを十分にエッチン
グ出来ず、エッチング不良を起こしやすい傾向があるこ
とが挙げられる。本来、インクプールの薄膜マスクパタ
ーンが十分な大きさを持っていれば、エッチング液が十
分に入り込む為、インクプール底面となるエッチング面
(シリコン<100>面)が綺麗にフラットな平面がで
るはずであるが、薄膜マスクパターンが数μmオーダの
場合では、十分にエッチング液が入り込まず、インクプ
ール底面の平面度はおおよそ平面とは言いがたい程、凹
凸の大きい形状となってしまい、又、十分な大きさを持
った薄膜マスクパターンの場合のシリコンエッチングレ
ートに比べても、数分の1レベルのエッチングレートし
か出ず、十分に深いエッチングができない等、良好なシ
リコン結晶異方性エッチングができないという問題があ
った。特にこの問題は、シリコン結晶異方性ケミカルエ
ッチング液の中でも一般に知られるエチレンジアミンピ
ロカテコールウォーター(EPW又はEDP)において
顕著であった。EPWは、或る一定量のEPW中に溶解
(エッチング)させることが可能なシリコン量に制限が
あり、これを超えた状態では、エッチング面にEPWに
溶解されない堆積物が生成され、良好なエッチングがで
きなくなるという現象が知られている。又、或る微小領
域におけるエッチングにおいても、その微小領域におい
て局所的にシリコン溶解限度量を超える状態になると、
その微小領域においてEPWに溶解されない堆積物がエ
ッチング溝各所に生成され、良好なエッチングができな
くなることも知られている。
【0007】本発明の目的は、上記課題を解決し、イン
クプール底面のエッチングを良好に行い、かつ、インク
プール開口部の微細形状薄膜マスクパターンを塞ぐこと
を可能とするシリコン結晶異方性エッチング方法、イン
ク流路板製造方法、インク流路板、インクジェットプリ
ントヘッドおよびインクジェットプリンタを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のシリコン結晶異
方性エッチング方法は、単結晶シリコン基板に犠牲層と
なる層を形成する工程と、前記犠牲層の上に数μmオー
ダ幅の開口を持つ薄膜マスクパターンを形成する工程
と、シリコン結晶異方性ケミカルエッチング液にて前記
犠牲層を除去して前記薄膜マスクパターンと前記単結晶
シリコン基板との間に空洞を形成するとともに前記単結
晶シリコン基板にケミカルエッチングを行う工程と、前
記薄膜マスクパターンを塞ぐ保護膜を形成する工程とを
有することを特徴とする。
【0009】本発明のシリコン結晶異方性エッチング方
法は、前記犠牲層を、前記シリコン結晶異方性ケミカル
エッチング液により、前記単結晶シリコン基板をエッチ
ングする速度よりも速い速度で選択的にエッチング可能
な材料で構成することを特徴としてもよい。
【0010】本発明のシリコン結晶異方性エッチング方
法は、単結晶シリコン基板に犠牲層となる層を形成する
工程と、前記犠牲層の上に数μmオーダ幅の開口を持つ
薄膜マスクパターンを形成する工程と、前記犠牲層をエ
ッチングにより除去して前記薄膜マスクパターンと前記
単結晶シリコン基板との間に空洞を形成する工程と、前
記薄膜マスクパターンからシリコン結晶異方性ケミカル
エッチング液を導入することにより前記単結晶シリコン
基板をエッチングする工程と、前記薄膜マスクパターン
を塞ぐ保護膜を形成する工程とを有することを特徴とし
てもよい。
【0011】本発明のシリコン結晶異方性エッチング方
法は、前記犠牲層を、前記シリコン結晶異方性ケミカル
エッチング液にエッチングされない材料であって、且
つ、前記薄膜マスクパターンを形成する材料とは異なっ
た材料で形成することを特徴としてもよい。
【0012】本発明のシリコン結晶異方性エッチング方
法は、熱酸化法、CVD法、スパッタリング法、めっき
法の内いずれか1つまたは複数の組み合わせにより前記
保護膜を形成することを特徴としてもよい。
【0013】本発明のインク流路板製造方法は、請求項
1〜5の何れか1項に記載のシリコン結晶異方性エッチ
ング方法を用いてインクプールを形成することを特徴と
する。
【0014】本発明のインク流路板は、単結晶シリコン
基板にインクプールを形成したインク流路板であって、
前記単結晶シリコン基板に犠牲層となる層を形成し、前
記犠牲層の上に数μmオーダ幅の開口を持つ薄膜マスク
パターンを形成し、シリコン結晶異方性ケミカルエッチ
ング液にて前記犠牲層を除去して前記薄膜マスクパター
ンと前記単結晶シリコン基板との間に空洞を形成すると
ともに前記単結晶シリコン基板にケミカルエッチングを
行い、前記薄膜マスクパターンを塞ぐ保護膜を形成した
ことを特徴とする。
【0015】本発明のインク流路板は、前記犠牲層を、
前記シリコン結晶異方性ケミカルエッチング液により、
前記単結晶シリコン基板をエッチングする速度よりも速
い速度で選択的にエッチング可能な材料で構成したこと
を特徴としてもよい。
【0016】本発明のインク流路板は、単結晶シリコン
基板にインクプールを形成したインク流路板であって、
前記単結晶シリコン基板に犠牲層となる層を形成し、前
記犠牲層の上に数μmオーダ幅の開口を持つ薄膜マスク
パターンを形成し、前記犠牲層をエッチングにより除去
して前記薄膜マスクパターンと前記単結晶シリコン基板
との間に空洞を形成し、前記薄膜マスクパターンからシ
リコン結晶異方性ケミカルエッチング液を導入すること
により前記単結晶シリコン基板をエッチングし、前記薄
膜マスクパターンを塞ぐ保護膜を形成したことを特徴と
してもよい。
【0017】本発明のインク流路板は、前記犠牲層を、
前記シリコン結晶異方性ケミカルエッチング液にエッチ
ングされない材料であって、且つ、前記薄膜マスクパタ
ーンを形成する材料とは異なった材料で形成したことを
特徴としてもよい。
【0018】本発明のインク流路板は、熱酸化法、CV
D法、スパッタリング法、めっき法の内いずれか1つま
たは複数の組み合わせにより前記保護膜を形成したこと
を特徴としてもよい。
【0019】本発明のインクジェットプリントヘッド
は、請求項7〜11のいずれか1項記載のインク流路板
を備えたことを特徴とする。
【0020】本発明のインクジェットプリンタは、請求
項7〜11のいずれか1項記載のインク流路板を備えた
ことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。インクジェットプリ
ンタでは、インクジェットプリントヘッドのノズルから
インクを吐出させて記録媒体に画像を形成する。圧電素
子を使用するインクジェットプリントヘッドでは、圧力
室にインクを供給するインクプールを有する。
【0022】本実施の形態では、インクプールを形成す
る単結晶シリコン基板にインク吐出に携わるノズルも一
体形成し、ノズルを形成する側の面にインクプールを形
成する。この場合、インク吐出の安定を図る為に行うワ
イピングや周知のダンパ機能を持たせる必要性がある等
の理由により、インクプールはその開口面を物理的に蓋
をする構造とすることが必須となる。
【0023】図1はインク流路板主要部の断面図であ
る。インク流路板1は、インクプール7を有し、インク
プール7の開口部3にシリコン酸化膜10とシリコン窒
化膜11とからなる薄膜マスクパターンを有し、さらに
薄膜マスクパターンに保護膜12を有する。
【0024】図2はインク流路板1の製造プロセスを示
す工程図である。第1の実施の形態を説明する。
【0025】まず、<100>単結晶シリコン基板2に
熱酸化膜層8を形成し、インクプールに相当する部分の
熱酸化膜層8のみをフォトリソグラフィ法により除去す
る(工程1)。
【0026】次に、工程1で形成した熱酸化膜マスクパ
ターンを用いて、シリコン結晶異方性ケミカルエッチン
グにより、適当な深さまでエッチングし、エッチング溝
9を形成する(工程2)。
【0027】次に、シリコン結晶異方性エッチングに用
いられるエッチング液に容易にエッチングされるような
材料、即ち犠牲層5をCVD法(chemical vapor depos
ition、化学的気相成長法)やスパッタリング法等によ
り、工程2で形成したエッチング溝9を埋め込むように
単結晶シリコン基板2全面に形成し、フォトリソグラフ
ィ法によりエッチング溝9以外の部分に形成された犠牲
層材料を除去する(工程3)。シリコン結晶異方性ケミ
カルエッチング液6に容易に或いは等方的にエッチング
される材料として、ポリシリコンや金属系材料(チタ
ン、アルミ等)、有機系材料(ポリイミド等)が選定可
能であり、後述する工程4において、どのような膜を、
どのような方法で形成するかによって選択する材料が異
なる。又、工程3では、リフトオフ法による犠牲層形成
・パターニングも可能である。
【0028】次に、熱酸化或いは、CVD法等によりシ
リコン酸化膜10を形成し、更にシリコン窒化膜11を
形成した後、フォトリソグラフィ法により、工程2で形
成したエッチング溝9及び工程3で形成した犠牲層5上
にシリコン酸化膜10及びシリコン窒化膜11の複合膜
による微細形状薄膜マスクパターン4を形成する(工程
4)。微細形状薄膜マスクパターン4は、図3に示すよ
うに数μmオーダ幅の開口を持つ。
【0029】次に、工程4で形成した微細形状薄膜マス
クパターン4をマスクとしてシリコン結晶異方性ケミカ
ルエッチングを行う。この際、従来の技術とは異なり、
微細形状薄膜マスクパターン4の下層に上記犠牲層5が
存在する為、工程2で形成したエッチング溝9部に形成
された犠牲層5が短時間でエッチングされ、微細形状薄
膜マスクパターン4とエッチング溝9間でシリコン結晶
異方性ケミカルエッチング液6の循環が相対的に良くな
り、エッチング溝9は更に深く、良好にエッチングが進
行するようになった(工程5)。
【0030】所望の深さまで、或いはシリコン基板2を
貫通するレベルまで結晶異方性ケミカルエッチングを行
った後、微細形状薄膜マスクパターン4を形成したシリ
コン酸化膜10及びシリコン窒化膜11の複合膜上に、
めっき法によりめっき薄膜を形成するか、又は、熱酸化
膜を形成するか、或いは、CVD法等の薄膜形成法によ
り薄膜を形成するか、これらの薄膜形成法を複数使用し
た方法により薄膜形成するか等の方法により、微細形状
薄膜マスクパターン4を物理的に塞ぐ為の保護膜12を
形成する(工程6)。前述したように、薄膜マスクパタ
ーン4の開口が幅5μm程までは保護膜12で塞ぐこと
ができる。
【0031】以上、説明したように、インクプール部を
形成する部分のシリコン結晶異方性ケミカルエッチング
用のマスクとしての薄膜(シリコン酸化膜やシリコン窒
化膜)を微細形状のパターンとし、この微細形状の薄膜
層の下層に犠牲層となる層を設けることにより、シリコ
ン結晶異方性ケミカルエッチング液をエッチングする領
域に十分に循環させることが可能となり、インクプール
部のエッチング不良を改善することができ、且つ、シリ
コン結晶異方性ケミカルエッチング後の微細形状薄膜マ
スクパターンを熱酸化法及びCVD法、スパッタリング
法、めっき法、及びこれらの薄膜形成法を複数使用した
方法等により物理的に塞ぐことも可能となり、インク飛
翔安定性を高めた、形状精度の良いインク流路板を製造
することができるようになった。
【0032】次に、第2の実施の形態について説明す
る。上記第1の実施の形態は、犠牲層5として、シリコ
ン結晶異方性ケミカルエッチング液6により容易にエッ
チングされる材料を選定する方法であるが、第2の実施
の形態は、例えばシリコン酸化膜等、シリコン結晶異方
性ケミカルエッチング液に容易にエッチングされない材
料を犠牲層として用い、図2の工程4と工程5の間で、
予め犠牲層5を弗酸等を利用してエッチング等により除
去しておいて、微細形状薄膜マスクパターン4とその下
の単結晶シリコン基板2の間にエッチング溝9領域を形
成することにより、単結晶シリコン基板2と微細形状薄
膜マスクパターン4から入り込むシリコン結晶異方性ケ
ミカルエッチング液6との接触をより効果的に行うこと
により、深く、良好なエッチングを行うという方法であ
る。勿論、この例では犠牲層5にシリコン酸化膜を選定
した為、その上の微細形状薄膜マスクパターン4を形成
する薄膜についてはシリコン酸化膜を利用できないの
で、別の材料にて、例えば既述したシリコン窒化膜で形
成することとなる。
【0033】以上、記載したように、数μmオーダの開
口をもつ微細形状薄膜マスクパターン下の単結晶シリコ
ンの結晶異方性ケミカルエッチングを良好に行う為に、
犠牲層を設けることが有効である。ここでは、実施形態
としてインクジェットヘッド用のインク流路への適用に
ついて述べたが、これに限るものではなく、数μmオー
ダ幅の薄膜パターンが存在し、これを用いてシリコン結
晶異方性ケミカルエッチングを行う全ての場合におい
て、本工法が有効であることは明白である。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、下記の効果が得られ
る。
【0035】第1の効果は、従来、数μmオーダの微細
形状薄膜パターンをマスクとしてシリコン結晶異方性ケ
ミカルエッチングを行うと、微細形状薄膜パターンから
エッチング液が十分に入り込まない為、エッチング溝底
面は本来、<100>結晶面が綺麗に出るはずのところ
が実際には凹凸が大きなエッチング不良を起こしていた
が、本発明の構成及び製造方法により、微細形状薄膜パ
ターンをマスクとして使用した場合においても良好な結
晶異方性ケミカルエッチングができるようになったこと
が挙げられる。
【0036】第2の効果は、第1の効果で説明したよう
に、微細形状薄膜パターンでもシリコン結晶異方性ケミ
カルエッチングができるようになったことで、シリコン
結晶異方性ケミカルエッチングによるエッチング溝形成
後にその上面となる微細形状薄膜パターンを物理的に塞
ぐ方法が、適用できるようになったことであり、これに
よって、インクジェットプリントヘッドのインク流路板
の製造が可能となったことである。
【0037】第3の効果は、数μmオーダの微細形状薄
膜マスクパターンをマスクとしてシリコン結晶異方性ケ
ミカルエッチングを行う場合、特にEPWを使用する場
合において顕著にエッチング不良が発生していたが、E
PWの記述していない大きな利点の1つとして、シリコ
ン結晶異方性ケミカルエッチングを行うシリコン基板に
ボロン等ドープ(拡散)層が形成されていた場合に、E
PWは概ドープ層をエッチングしない(ドープ層エッチ
ングレートが他のシリコン結晶異方性ケミカルエッチン
グ液に比べて極めて遅い)という点があり、このような
観点から、ドープ層が形成されたシリコン基板に対して
も、本工法を使用することが可能であるということであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インク流路板主要部の断面図である。
【図2】インク流路板の製造工程図である。
【図3】微細形状薄膜マスクパターン図である。
【符号の説明】
1 インク流路板 2 単結晶シリコン基板 3 開口部 4 薄膜マスクパターン 5 犠牲層 6 シリコン結晶異方性ケミカルエッチング液 7 インクプール 8 熱酸化膜層 9 エッチング溝 10 シリコン酸化膜 11 シリコン窒化膜 12 保護膜

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶シリコン基板に犠牲層となる層を
    形成する工程と、前記犠牲層の上に数μmオーダ幅の開
    口を持つ薄膜マスクパターンを形成する工程と、シリコ
    ン結晶異方性ケミカルエッチング液にて前記犠牲層を除
    去して前記薄膜マスクパターンと前記単結晶シリコン基
    板との間に空洞を形成するとともに前記単結晶シリコン
    基板にケミカルエッチングを行う工程と、前記薄膜マス
    クパターンを塞ぐ保護膜を形成する工程とを有すること
    を特徴とするシリコン結晶異方性エッチング方法。
  2. 【請求項2】 前記犠牲層を、前記シリコン結晶異方性
    ケミカルエッチング液により、前記単結晶シリコン基板
    をエッチングする速度よりも速い速度で選択的にエッチ
    ング可能な材料で構成することを特徴とする請求項1記
    載のシリコン結晶異方性エッチング方法。
  3. 【請求項3】 単結晶シリコン基板に犠牲層となる層を
    形成する工程と、前記犠牲層の上に数μmオーダ幅の開
    口を持つ薄膜マスクパターンを形成する工程と、前記犠
    牲層をエッチングにより除去して前記薄膜マスクパター
    ンと前記単結晶シリコン基板との間に空洞を形成する工
    程と、前記薄膜マスクパターンからシリコン結晶異方性
    ケミカルエッチング液を導入することにより前記単結晶
    シリコン基板をエッチングする工程と、前記薄膜マスク
    パターンを塞ぐ保護膜を形成する工程とを有することを
    特徴とするシリコン結晶異方性エッチング方法。
  4. 【請求項4】 前記犠牲層を、前記シリコン結晶異方性
    ケミカルエッチング液にエッチングされない材料であっ
    て、且つ、前記薄膜マスクパターンを形成する材料とは
    異なった材料で形成することを特徴とする請求項3記載
    のシリコン結晶異方性エッチング方法。
  5. 【請求項5】 熱酸化法、CVD法、スパッタリング
    法、めっき法の内いずれか1つまたは複数の組み合わせ
    により前記保護膜を形成することを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載のシリコン結晶異方性エッチン
    グ方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載のシリ
    コン結晶異方性エッチング方法を用いてインクプールを
    形成することを特徴とするインク流路板製造方法。
  7. 【請求項7】 単結晶シリコン基板にインクプールを形
    成したインク流路板であって、前記単結晶シリコン基板
    に犠牲層となる層を形成し、前記犠牲層の上に数μmオ
    ーダ幅の開口を持つ薄膜マスクパターンを形成し、シリ
    コン結晶異方性ケミカルエッチング液にて前記犠牲層を
    除去して前記薄膜マスクパターンと前記単結晶シリコン
    基板との間に空洞を形成するとともに前記単結晶シリコ
    ン基板にケミカルエッチングを行い、前記薄膜マスクパ
    ターンを塞ぐ保護膜を形成したことを特徴とするインク
    流路板。
  8. 【請求項8】 前記犠牲層を、前記シリコン結晶異方性
    ケミカルエッチング液により、前記単結晶シリコン基板
    をエッチングする速度よりも速い速度で選択的にエッチ
    ング可能な材料で構成したことを特徴とする請求項7記
    載のインク流路板。
  9. 【請求項9】 単結晶シリコン基板にインクプールを形
    成したインク流路板であって、前記単結晶シリコン基板
    に犠牲層となる層を形成し、前記犠牲層の上に数μmオ
    ーダ幅の開口を持つ薄膜マスクパターンを形成し、前記
    犠牲層をエッチングにより除去して前記薄膜マスクパタ
    ーンと前記単結晶シリコン基板との間に空洞を形成し、
    前記薄膜マスクパターンからシリコン結晶異方性ケミカ
    ルエッチング液を導入することにより前記単結晶シリコ
    ン基板をエッチングし、前記薄膜マスクパターンを塞ぐ
    保護膜を形成したことを特徴とするインク流路板。
  10. 【請求項10】 前記犠牲層を、前記シリコン結晶異方
    性ケミカルエッチング液にエッチングされない材料であ
    って、且つ、前記薄膜マスクパターンを形成する材料と
    は異なった材料で形成したことを特徴とする請求項9記
    載のインク流路板。
  11. 【請求項11】 熱酸化法、CVD法、スパッタリング
    法、めっき法の内いずれか1つまたは複数の組み合わせ
    により前記保護膜を形成したことを特徴とする請求項
    7、8、9または10記載のインク流路板。
  12. 【請求項12】 請求項7〜11のいずれか1項記載の
    インク流路板を備えたことを特徴とするインクジェット
    プリントヘッド。
  13. 【請求項13】 請求項7〜11のいずれか1項記載の
    インク流路板を備えたことを特徴とするインクジェット
    プリンタ。
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