JP2003053374A - 排水処理方法及び装置 - Google Patents

排水処理方法及び装置

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JP2003053374A
JP2003053374A JP2001248208A JP2001248208A JP2003053374A JP 2003053374 A JP2003053374 A JP 2003053374A JP 2001248208 A JP2001248208 A JP 2001248208A JP 2001248208 A JP2001248208 A JP 2001248208A JP 2003053374 A JP2003053374 A JP 2003053374A
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anaerobic fermentation
fermentation tank
tank
concentration
membrane separation
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JP2001248208A
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Masato Noguchi
真人 野口
Yoshiyasu Okaniwa
良安 岡庭
Takashi Ikumura
隆司 生村
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な膜透過流束を得ることができ且つラン
ニングコストを低減できる排水処理方法及び装置を提供
することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、被処理排水を嫌気性発酵槽1
で嫌気性発酵処理し、嫌気性発酵槽1で得られる余剰汚
泥を膜分離して処理排水を得る排水処理方法において、
嫌気性発酵槽1の下流側で膜分離装置9の上流側に鉄系
凝集剤を添加し、嫌気性発酵槽1の槽内液中のT−Fe
濃度を500mg/L以上に調整する工程、膜分離で得
られる濃縮汚泥を嫌気性発酵槽1に返送する工程を含
む。本発明では、嫌気性発酵槽1の槽内液中のT−Fe
濃度を500mg/L以上に調整することで膜分離にお
いて十分な透過流束を得ることができる。しかも、膜分
離処理で得られる濃縮汚泥は鉄分を含有しており、これ
が嫌気性発酵槽に返送されるため、鉄系凝集剤の添加量
を低減することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水処理方法及び
装置に係り、より詳細には、被処理排水を嫌気性発酵処
理し、嫌気性発酵処理により得られる余剰汚泥を膜分離
する排水処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】廃棄物処理装置等においては、有機性廃棄
物の処理の過程で得られる被処理排水を嫌気性発酵処理
した後、膜分離処理する排水処理方法がよく用いられて
いる(例えば特開平10−286591号公報)。
【0003】図4は、上記公報に記載の排水処理方法を
示すフロー図である。図4に示すように、この排水処理
方法は、有機性廃棄物を破砕して得られる固形分を含有
する排水をメタン発酵槽100にてメタン発酵処理し、
メタン発酵処理後の発酵処理物と、屎尿処理等の過程で
得られた凝集汚泥と、鉄系凝集剤とを混合手段101に
てpH5〜5.5で攪拌混合し、膜分離手段102で固
液分離する。膜分離手段102で得られる固形分は、ペ
レット状に成形して固形燃料化されたり、焼却処分され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の排水処理方法は、以下に示す課題を有する。
【0005】即ち上記従来の排水処理方法によれば、膜
分離手段102において十分な膜透過流束を得ることが
できない場合があり、このような場合には、膜を大型化
する必要が生じる。
【0006】また、上記排水処理方法では、膜分離手段
102で得られる固形分が、ペレット状に成形されて固
形燃料化されたり焼却処分されたりする。このため、混
合手段101に鉄系凝集剤を添加し続ける必要があり、
ランニングコストがかかる。
【0007】なお、膜分離手段102で得られる固形分
をメタン発酵槽100に返送することで、混合手段10
1への鉄系凝集剤の添加量を減らすことも考えられる
が、混合手段101においては、発酵処理物、凝集汚泥
及び鉄系凝集剤がpH5〜5.5で攪拌混合される。こ
のため、膜分離手段102で分離される固形分をメタン
発酵槽100に返送することとすると、メタン発酵槽1
00の槽内液のpHが低下し、メタン発酵が阻害され、
排水処理効率が低下する。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、十分な膜透過流束を得ることができ且つランニ
ングコストを低減できる排水処理方法及び装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、被処理排水を嫌気性発酵槽で嫌気性発酵
処理する嫌気性発酵処理工程と、嫌気性発酵槽で得られ
る余剰汚泥を膜分離して処理排水を得る膜分離工程とを
含む排水処理方法において、嫌気性発酵槽若しくはその
上流側、又は嫌気性発酵槽の下流側に鉄系凝集剤を添加
し、嫌気性発酵槽の槽内液中のT−Fe濃度を500m
g/L以上に調整するT−Fe濃度調整工程と、膜分離
工程で得られる濃縮汚泥を嫌気性発酵槽に返送する返送
工程とを含むことを特徴とする。
【0010】この発明によれば、被処理排水が嫌気性発
酵槽で嫌気性発酵処理され、嫌気性発酵槽で得られる余
剰汚泥が膜分離処理され、膜分離処理で得られる濃縮汚
泥が嫌気性発酵槽に返送される。このとき、本発明で
は、嫌気性発酵槽の槽内液中のT−Fe濃度が500m
g/L以上となるように鉄系凝集剤が添加されており、
これにより膜分離工程において十分な透過流束を得るこ
とができる。しかも、膜分離処理で得られる濃縮汚泥は
鉄分を含有しており、これが嫌気性発酵槽に返送され
る。このため、嫌気性発酵槽には鉄分が補充され、嫌気
性発酵槽におけるT−Fe濃度の低下を十分に防止する
ことが可能となる。このため、鉄系凝集剤の添加量を低
減することが可能となる。
【0011】また、本発明は、被処理排水を嫌気性発酵
槽で嫌気性発酵処理し、嫌気性発酵槽で得られる余剰汚
泥を膜分離装置で膜分離して処理排水を得る排水処理装
置において、嫌気性発酵槽若しくはその上流側、又は前
記嫌気性発酵槽の下流側に鉄系凝集剤を添加する凝集剤
添加手段と、膜分離装置で得られる濃縮汚泥を嫌気性発
酵槽に返送する返送手段と、前記嫌気性発酵槽の槽内液
中のT−Fe濃度を測定する濃度測定手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0012】この発明によれば、上記方法の発明を有効
に実施することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の排水処理装置の一実施形
態を示すフロー図である。図1に示すように、排水処理
装置10は、原水(被処理排水)を嫌気性発酵処理する
嫌気性発酵槽1を備えており、原水は、原水導入ライン
L1を経て、槽内液として嫌気性発酵槽1に導入され
る。嫌気性発酵槽1の槽内液中には汚泥が含まれてい
る。また、嫌気性発酵槽1の槽内液は攪拌機2により攪
拌混合される。更に、嫌気性発酵槽1にはpH計3が設
けられ、pH計3で測定されたpH値に基づき、酸供給
源から酸が、アルカリ供給源からアルカリがそれぞれ嫌
気性発酵槽1に添加される。更に、嫌気性発酵槽1に
は、槽内液中のT−Fe濃度を測定する濃度測定装置
(濃度測定手段)4が設けられている。ここで、「T−
Fe濃度」とは、槽内液中の様々な形態の鉄の合計濃度
を言う。
【0015】なお、嫌気性発酵槽1には、嫌気性発酵処
理により発生したメタンガス等がガス排出ラインL2を
経てガス貯留タンク等(図示せず)へと排出される。
【0016】嫌気性発酵槽1は、第1汚泥排出ラインL
3を経て調整槽7に接続され、第1汚泥排出ラインL3
には、移送バルブ5、移送ポンプ6が設置されている。
そして、移送バルブ5を開き、移送ポンプ6を作動する
ことにより、嫌気性発酵槽1で得られる余剰汚泥が第1
汚泥排出ラインL3を経て調整槽7に導入される。な
お、第1汚泥排出ラインL3には、嫌気性発酵槽1と移
送バルブ5との間の部分から分岐する分岐ラインL4が
接続され、分岐ラインL4には、分岐バルブ8が設置さ
れている。分岐バルブ8の開閉により、調整槽7への余
剰汚泥の導入量を調整可能となっている。
【0017】調整槽7には、凝集剤収容タンク9から凝
集剤添加ラインL5を経て鉄系凝集剤が添加されると共
に、酸供給源から酸が、アルカリ供給源からアルカリが
添加される。また、調整槽7の槽内液は攪拌機11によ
り攪拌混合される。
【0018】調整槽7で調整された余剰汚泥は、第2汚
泥排出ラインL6を経て膜分離装置12に導入される。
【0019】ここで、膜分離装置12について図2を参
照して詳細に説明する。図2は、膜分離装置12の基本
構成を概略的に示す平面図である。図2に示すように、
膜分離装置12は、並設される2本の中空状回転軸1
6、回転軸17を有しており、回転軸16,17にはそ
れぞれモータ18,19が接続され、モータ18,19
の作動により回転軸16,17が回転自在となってい
る。回転軸16には複数の回転平膜20aが回転軸16
に直交するように固定され、回転軸17には複数の回転
平膜20bが回転軸17に直交するように固定されてい
る。回転平膜20a,20bは、円板の両側にそれぞれ
スペーサを介して膜を貼り付けた構成となっており、ス
ペーサは回転軸16,17の内部空間と連通している。
膜としては、例えば限外ろ過膜、精密ろ過膜等が用いら
れる。
【0020】回転平膜20aと回転平膜20bとの間隔
tは、15〜30mmである。間隔tが15mm未満で
は、膜が早期に損傷し、処理装置を長期間にわたって安
定して運転できなくなる傾向があり、30mmを超える
と、膜面に働く剪断力が小さくなり、膜面洗浄効果が弱
まって処理装置の長期安定運転が困難となると同時に膜
分離装置が過大となる傾向がある。
【0021】回転軸16,17には、処理排水排出ライ
ンL7が接続され、処理排水排出ラインL7には排出ポ
ンプ13が設置されている。従って、排出ポンプ13を
作動することにより、余剰汚泥から処理排水が吸引さ
れ、この処理排水は、処理排水排出ラインL7を経て排
出される。排出ポンプ13、回転軸16,17、モータ
18,19、回転平膜20a,20b、処理排水排出ラ
インL7により膜分離装置12が構成されている。
【0022】一方、膜分離装置12には返送ラインL8
が接続され、膜分離により得られる濃縮汚泥は、返送ラ
インL8を経て嫌気性発酵槽1に返送される。返送ライ
ンL8、返送ポンプ14により返送手段が構成されてい
る。
【0023】また、上述した濃度測定装置4及び凝集剤
収容タンク9には制御装置15が接続されており、濃度
測定装置4で測定されたT−Fe濃度に基づき、制御装
置15により、凝集剤収容タンク9からの凝集剤添加量
が制御される。
【0024】次に、前述した排水処理装置10における
排水処理方法について説明する。
【0025】まず原水導入ラインL1を経て嫌気性発酵
槽1に原水を導入し、原水を攪拌機2で攪判する。これ
により原水のメタン発酵処理が行われ、原水中の有機物
が分解される(嫌気性発酵処理工程)。メタン発酵処理
に伴って、メタンガス等が発生し、このガスは、ガス排
出ラインL2を経てガス貯留槽(図示せず)等に送られ
る。
【0026】次に、移送バルブ5を開き、移送ポンプ6
を作動し、第1汚泥排出ラインL3を経て、嫌気性発酵
槽1で得られる余剰汚泥を調整槽7に導入する。このと
き、必要に応じて分岐バルブ8を開閉し、調整槽7に導
入する余剰汚泥を量を調整する。
【0027】そして、凝集剤収容タンク9から凝集剤導
入ラインL5を経て鉄系凝集剤を調整槽7に添加する。
このとき、鉄系凝集剤は、嫌気性発酵槽1の槽内液にお
けるT−Fe濃度が500mg/L以上になる量だけ調
整槽7に添加する(濃度調整工程)。T−Fe濃度が5
00mg/L未満では、後述する膜分離装置12におい
て膜透過流束が小さくなり、排水処理装置10における
排水処理効率が低下する。鉄系凝集剤の添加量の下限
は、好ましくは、嫌気性発酵槽1の槽内液におけるT−
Fe濃度が2000mg/Lとなる量である。T−Fe
濃度が2000mg/L未満では、膜透過流束が小さく
なる傾向がある。また、鉄系凝集剤の添加量の上限は、
好ましくはT−Fe濃度が5000mg/Lとなる量で
ある。T−Fe濃度が5000mg/Lを超えると、鉄
系凝集剤の添加量の割に、膜透過流束が十分向上しなく
なる傾向がある。なお、鉄系凝集剤としては、例えば塩
化第一鉄、塩化第二鉄等が用いられる。
【0028】一方、酸供給源から調整槽7に酸を添加す
る。酸の添加量は通常、調整槽7の槽内液のpHが5.
0〜5.5となる量とする。調整槽7の槽内液のpHが
上記範囲を外れると、凝集汚泥が十分に生成されなくな
る傾向がある。
【0029】そして、攪拌機11により、鉄系凝集剤と
酸とを攪拌混合する。調整した余剰汚泥は第2汚泥排出
ラインL6を経て膜分離装置12に導入する。膜分離装
置12においては、先ずモータ18,19を作動し、2
本の回転軸16,17を同方向に回転させる。回転平膜
20a,20bを回転させつつ、回転軸16,17から
排出ポンプ13で吸引することによって、メタン発酵処
理水が処理排水と濃縮汚泥とに分離される。このとき、
膜分離装置12では回転平膜20a,20bが設けられ
ている。回転平膜20a,20bの回転による剪断流を
利用して膜表面の洗浄が効果的に行われる。このため、
排水処理装置10を長期間にわたって安定して運転する
ことが可能となる。
【0030】ここで、回転平膜20a,20bの周速
は、2〜5m/sであることが好ましい。周速が2m/
s未満では、膜面積あたりの透過流束(フラックス)を
低くしないとろ過に必要な吸引圧力が上昇してしまう傾
向があり、5m/sを超えると、メタン発酵処理水が高
粘性であるため、膜面が破れる可能性が高く、回転平膜
を回転させるモータのトルクが大きくなる傾向がある。
【0031】処理排水は、処理排水排出ラインL7を経
て排出され、膜分離装置12には濃縮汚泥が残留する
(膜分離工程)。この濃縮汚泥は、返送ポンプ14を作
動し、返送ラインL8を経て嫌気性発酵槽1に返送する
(返送工程)。
【0032】このとき、濃縮汚泥は酸性となっているた
め、嫌気性発酵槽1の槽内液のpHは低くなり、メタン
発酵が阻害され、メタン発酵効率が低くなる。そこで、
このような場合には、pH計3で測定されたpHに基づ
き、アルカリ源からアルカリを適宜供給して嫌気性発酵
槽1の槽内液のpHを6.5〜7.5に維持する。これ
により酸性の濃縮汚泥が嫌気性発酵槽1に返送されて
も、嫌気性発酵槽1においてメタン発酵処理を効率よく
行うことができる。
【0033】また、排水処理装置10においては、嫌気
性発酵槽1の槽内液中のT−Fe濃度が500mg/L
以上となるように、調整槽7に添加する鉄系凝集剤の量
を調整することとしており、これにより膜分離装置12
において十分な透過流束を得ることができる。このた
め、膜の小型化、ひいては膜分離装置12の小型化を図
ることができる。なお、濃度測定装置4において嫌気性
発酵槽1の槽内液中のT−Fe濃度を測定し、測定され
たT−Fe濃度に基づき、制御装置15により、凝集剤
収容タンク9からの凝集剤添加量を調節することが好ま
しい。このようにすることで、作業者の監視負担が軽減
され、作業効率が向上する。
【0034】更に、排水処理装置10においては、膜分
離装置12に残留する濃縮汚泥は鉄分を含有しており、
これが嫌気性発酵槽1に返送される。このため、嫌気性
発酵槽1には鉄分が補充され、嫌気性発酵槽1における
T−Fe濃度の低下を十分に防止することが可能とな
る。よって、鉄系凝集剤の添加量を低減することが可能
となり、ランニングコストを大幅に低減することができ
る。
【0035】本発明は、前述した実施形態に限定される
ものではない。例えば、調整槽7は、嫌気性発酵槽1と
膜分離装置12との間に設けられているが、嫌気性発酵
槽1の上流側に設けられても良い。この場合でも、嫌気
性発酵槽1の槽内液中のT−Fe濃度を500mg/L
以上に維持することができ、また、膜分離装置12にお
ける濃縮汚泥は嫌気性発酵槽1に返送されるため、鉄系
凝集剤の添加によるランニングコストを大幅に低減する
ことができる。
【0036】また、上記実施形態においては、嫌気性発
酵槽1を調整槽7の代わりとして用いることができる。
この場合は、嫌気性発酵槽1に鉄系凝集剤が添加され
る。
【0037】更に、上記実施形態においては、制御装置
15により、T−Fe濃度に基づき凝集剤収容タンク9
からの凝集剤添加量が制御されているが、制御装置15
は本発明において必ずしも必要なものではなく、制御装
置15に代えて作業者が凝集剤の添加量を制御するよう
にしてもよい。
【0038】更にまた、上記実施形態では、膜分離装置
12における膜として、回転平膜20a,20bが用い
られているが、回転平膜20a,20bに代えて、浸漬
平膜、中空糸膜が用いられてもよい。この場合でも、膜
分離装置12において十分な透過流束を得ることがで
き、また、排水処理装置10における鉄系凝集剤の添加
量を低減できる。
【0039】次に、実施例を用いて、本発明の内容をよ
り具体的に説明する。
【実施例】(実施例1)図1に示す装置を用いて、原水
に対して嫌気性発酵処理と膜分離処理を行った。原水と
しては、牛糞尿の脱水分離液と生ごみの混合液(TS濃
度:60,000mg/L、CODcr濃度:53,80
0mg/L)を用いた。また嫌気性発酵槽の容積は0.
1m3とし、膜分離槽における膜モジュールに用いた膜
としては、チューブラー型の限外ろ過膜膜を用いた。
【0040】凝集剤収容タンク6から調整槽7に鉄系凝
集剤(塩化第二鉄)を添加し、嫌気性発酵槽1の槽内液
中のT−Fe濃度が500、1000、2000、30
00、5000、7000、10000mg/Lになる
ように馴養した。ここで、T−Fe濃度は、手分析にて
測定した。一方、調整槽7に酸又はアルカリを添加し、
嫌気性発酵槽1の槽内液のpHが6.8程度になるよう
にした。そして、膜分離装置12において吸引ポンプ1
3により平均圧力100kPaの圧力で膜ろ過を行い、
各T−Fe濃度における透過流束を測定した。その結果
を図2の黒丸(●)で示す。
【0041】図2に示す結果から分かるように、嫌気性
発酵槽1の槽内液中のT−Fe濃度が500mg/L以
上、特に2000mg/L以上になると、安定透過流束
が大きくなることが分かった。一方、T−Fe濃度が5
000mg/Lを超えると、T−Fe濃度が高くなるほ
ど、安定透過流束が減少していくことが分かった。
【0042】(比較例1)鉄系凝集剤の添加量を変え、
嫌気性発酵槽1の槽内液中のT−Fe濃度を200mg
/Lとした以外は実施例1と同様にして、原水に対して
嫌気性発酵処理と膜分離処理を行い、膜分離槽における
膜透過流束を測定した。結果を図2の白丸(○)で示
す。図2に示すように、T−Fe濃度が200mg/L
では、安定透過流束はかなり低くなることが分かった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明の排水処理方
法及び装置によれば、嫌気性発酵槽の槽内液中のT−F
e濃度を500mg/L以上に調整することで、膜分離
工程において十分な透過流束を得ることができる。しか
も、膜分離処理で得られる濃縮汚泥は鉄分を含有してお
り、これが嫌気性発酵槽に返送されるため、鉄系凝集剤
の添加量を低減でき、ランニングコストを大幅に低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水処理装置の一実施形態を示すフロ
ー図である。
【図2】図1の膜分離装置の内部構成を概略的に示す平
面図である。
【図3】実施例1及び比較例1に係る発酵槽の槽内液中
のT−Fe濃度と透過流束との関係を示すグラフであ
る。
【図4】従来の排水処理装置の一例を示すフロー図であ
る。
【符号の説明】
1…嫌気性発酵槽、4…濃度測定装置(濃度測定手
段)、6…凝集剤収容タンク(凝集剤添加手段)、12
…膜分離装置、13…排出ポンプ(膜分離装置)、14
…返送ポンプ(返送手段)、16,17…回転軸(膜分
離装置)、18,19…モータ(膜分離装置)、20
a,20b…回転平膜(膜分離装置)、L5…凝集剤添
加ライン(凝集剤添加手段)、L7…処理排水排出ライ
ン(膜分離装置)、L8…返送ライン(返送手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生村 隆司 神奈川県平塚市夕陽ヶ丘63番30号 住友重 機械工業株式会社平塚事業所内 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA41 HA83 KA01 KA02 KB13 KB23 PB20 PB24 4D015 BA19 BA22 BB05 CA02 DA12 EA03 EA04 EA14 EA37 FA01 FA26 4D040 AA24 AA25 AA26 AA27 AA42 AA61

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理排水を嫌気性発酵槽で嫌気性発酵
    処理する嫌気性発酵処理工程と、 前記嫌気性発酵槽で得られる余剰汚泥を膜分離して処理
    排水を得る膜分離工程とを含む排水処理方法において、 前記嫌気性発酵槽若しくはその上流側、又は前記嫌気性
    発酵槽の下流側に鉄系凝集剤を添加し、前記嫌気性発酵
    槽の槽内液中のT−Fe濃度を500mg/L以上に調
    整する濃度調整工程と、 前記膜分離工程で得られる濃縮汚泥を前記嫌気性発酵槽
    に返送する返送工程と、を含むことを特徴とする排水処
    理方法。
  2. 【請求項2】 前記濃度調整工程において、前記嫌気性
    発酵槽の槽内液中のT−Fe濃度を2000〜5000
    mg/Lに調整することを特徴とする請求項1に記載の
    排水処理方法。
  3. 【請求項3】 被処理排水を嫌気性発酵槽で嫌気性発酵
    処理し、前記嫌気性発酵槽で得られる余剰汚泥を膜分離
    装置で膜分離して処理排水を得る排水処理装置におい
    て、 前記嫌気性発酵槽若しくはその上流側、又は前記嫌気性
    発酵槽の下流側に鉄系凝集剤を添加する凝集剤添加手段
    と、 前記膜分離装置で得られる濃縮汚泥を前記嫌気性発酵槽
    に返送する返送手段と、 前記嫌気性発酵槽の槽内液中のT−Fe濃度を測定する
    濃度測定手段と、を備えることを特徴とする排水処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記濃度測定手段により測定されたT−
    Fe濃度に基づいて、前記凝集剤添加手段による鉄系凝
    集剤の添加量を制御する制御手段を更に備えることを特
    徴とする請求項3に記載の排水処理装置。
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