JP2003053061A - 理容鋏 - Google Patents

理容鋏

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JP2003053061A
JP2003053061A JP2001241660A JP2001241660A JP2003053061A JP 2003053061 A JP2003053061 A JP 2003053061A JP 2001241660 A JP2001241660 A JP 2001241660A JP 2001241660 A JP2001241660 A JP 2001241660A JP 2003053061 A JP2003053061 A JP 2003053061A
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JP
Japan
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blade
hair
scissors
barber
roundness
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Application number
JP2001241660A
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English (en)
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Takashi Saiki
孝至 齊木
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SAIKI KK
Original Assignee
SAIKI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来にない新しい切断性能を有する理容鋏の
提供であって、具体的な目的例としては、スライドカッ
トが容易に行うことのできる理容鋏を提供することであ
り、切断する際の挟んだ髪の滑りが良好で毛先が不揃い
に仕上がる理容鋏を提供することであり、梳鋏において
は梳き切った後の髪の抜けが良好に行える梳鋏を提供す
ることである。 【解決手段】 2本の刃体を枢着してなる理容鋏におい
て、一方の刃体20は、刃の刃裏側の角を取って円味を
付けてあり、且つこの円味は、刃付けのされた他方の刃
体10との閉じ操作により髪が良好に切断できる程度の
円味である様にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、理容鋏の刃の設
け方の改良に関し、詳しくは、鋏の切断性能を従来と違
えることにより、例えばスライドカットなどと呼ばれる
カット技術が良好に行える理容鋏に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】[鋏の製
造方法の従来技術]理容鋏は2本の刃体を枢着してあ
り、鋏製造の仕上げ行程では、刃体の粗形状が形成され
たて刃体の半製品にまで仕上がると、この半製品の刃先
を研いで仕上げをし、髪が良好に切断できる様にしてあ
る。理容鋏の業界では、この様な仕上げでの刃先を研ぐ
ことを、「刃を付ける」、「刃付けをする」などと称し
ている。
【0003】刃付けはまず、刃先を刃表側から研ぐ「表
研ぎ」を行う。後述の実施例で用いる図を流用して説明
するが、図9(a)の一点鎖線Aが研いで形成される面で
ある。鋏の半製品は、その刃が見た目には完成品の鋏と
同様に刃が有る様に見えるが、詳細に見れば先は平たく
なっているなどして、実際には刃がなく、切断機能は有
していない。この半製品に対し、細かい砥粒による研磨
機により、刃先を刃表側から研磨するである。研磨は、
円盤砥石の円盤面に刃体を宛って研磨する方法があり、
或いは、ベルトグラインダーのベルト面に宛って研磨す
る方法もある。いずれも人手で1本々々、職人芸的に研
磨作業を行っている。
【0004】刃表からの表研ぎの後に、刃裏から研ぐ
「裏研ぎ」を行う。図9(a)の一点鎖線Bが研いで形成
される面である。裏研ぎは砥石で研ぐのであり、作業台
に設置してある砥石に水を浸し、手で持った刃体の刃裏
側を砥石に当てて慎重に研ぐのである。作業は外見上、
家庭で包丁を研ぐのと似た形態である。この裏研ぎによ
り刃の切断機能が生まれるのであり、表研ぎと同様にベ
テランの職人が刃付け加工を受け持っている。以上の表
研ぎ、裏研ぎにより刃付けされた刃先は、図9(b)に示
す断面形状になる。
【0005】[鋏の使う際の従来技術]理容鋏で髪を切
るときは図14で示す様な、髪に直角な切り方が一般で
ある。しかしヘアー・デザインの多様化で、様々なカッ
ト技術があみ出されており、例えばスライドカットなる
カット技術がある。これは図15に示した様に髪に対し
て斜め方向に鋏を構え、鋏を閉じながら毛先の方向に滑
らしてゆく技術である。この様なカット技術によれば、
髪の長さが不揃いになって自然な感じを出すことができ
るので、好まれている。
【0006】ただ鋏を滑らす時に、鋏が挟んだ髪に引っ
かかり、途中で鋏を滑らす動きが止まってしまう。その
ため途中で引っかかる都度に、閉じかかった鋏を再度開
いて挟んでいた髪を放し、もう一度閉じながら滑らすと
いうことを、1回のスライドカットで(図15の線Cの
1本分で)数回行っている。しかし、この様な引っかか
りを起こすことなく滑らしながら切れてゆくのが好まし
い。つまり、1回のスライドカットで鋏を数回閉じ操作
しなければならないのが現状だが、1回のスライドカッ
ト中で1回の閉じ操作だけですむ方が、大変便利であ
る。
【0007】また図14に示した様な横一直線の切り方
をしても、鋏で挟んだ髪は滑って逃げるので、髪の切れ
目は実際には図16の様に曲がって、完全な横一直線に
はならない。これに対し、理容業界では髪が滑らない様
にして、髪の切れ目が横一直線に近づく様な工夫を鋏に
施そうとする要望がある。しかし他方では、鋏で切る時
には髪の滑る方が長さが不揃いになって、ヘアー・デザ
イン的には好ましいとする場合もある。従って、この様
な不揃いを積極的に取り入れたヘアーカットをする場合
には、髪の滑りやすい鋏である方が好ましい。
【0008】[梳鋏に関する従来技術]梳鋏200は、
実施例で用いられている図12に示す様に、棒刃220
の刃体と櫛刃210の刃体とを有している。櫛刃210
は櫛状歯体211が連設され、櫛状歯体211同士の間
には隙間が髪溜まり部212として設けられている。梳
鋏で髪を切ると、髪の一部が切断され、他の髪は髪溜ま
り部212に溜まる。実際に髪を梳いたときには、図1
3に示す様に鋏が閉じられているので、髪Hは棒刃22
0で閉じられた髪溜まり部212の底部に溜まった状態
となる。一旦髪を梳き切り、次の切る動作に移る時は、
梳鋏200を開いて梳鋏220を頭髪から離し、この
時、髪溜まり部212の髪Hも櫛刃210から解き放た
れる。しかし、この時に梳鋏200を開いて頭髪から離
すのではなく、梳鋏200を閉じたまま髪溜まり部21
2から髪を抜く操作をして、鋏を頭髪から離ことができ
ると都合がよい。その理由は、髪を梳き切ると、切られ
た髪(切り離された髪)が頭髪上に残っており、よって
閉じたままの梳鋏200を髪から抜く操作をすると、切
られた髪を、梳鋏で頭髪上から掻き落とすことができる
からである。ただ実際に髪を梳き切った梳鋏は、閉じた
ままで髪から抜こうとすると、棒刃の刃先が抜く髪に引
っかかり、結局は抜くことはできない。従って、梳鋏と
しての機能は維持しながらも、髪を梳いて閉じた状態の
梳鋏から、髪を抜く操作のできることが求められてい
る。
【0009】以上の問題を鑑み、本願発明の目的とする
ところは、従来にない新しい切断性能を有する理容鋏の
提供であって、具体的な目的例としては、スライドカッ
トが容易に行うことのできる理容鋏を提供することであ
り、切断する際の挟んだ髪の滑りが良好で毛先が不揃い
に仕上がる理容鋏を提供することであり、梳鋏において
は梳き切った後の髪の抜けが良好に行える梳鋏を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段と発明の効果】以上の課題
を解決するため、本願では2本の刃体を枢着してなる理
容鋏において、以下の手段を提供する。即ち、請求項1
記載の発明においては、一方の刃体は、刃の刃裏側の角
を取って円味を付けてあり、且つこの円味は、刃付けの
された他方の刃体との閉じ操作により髪が良好に切断で
きる程度の円味であるようにした。円味を付けるのは、
動刃と静刃のいずれであってもよい。この様にすると、
円味の付けてある刃体側の刃は、切断時に髪を挟んでも
その円味により髪にひっかかることがなく、しかも髪の
切断は従来どおり良好に行うことができる。
【0011】この様に、本願においては、鋏のいずれか
一方の刃に円味を付けることにより、この刃だけは髪に
引っかからない様にした。無論、円味はその円が大きす
ぎると鋏は切れなくなる。しかし、本願出願人は、2本
の刃体の閉じ操作により髪が良好に切断できる程度の切
断性能を失わない範囲での円味であって、しかも髪が刃
に引っかからなくなる程度の円味があり得ることを確認
しており、その試作品において良好な結果が得られてい
る。
【0012】なお以上の記載により、理容鋏製造の当業
者であれば上記手段は実施可能であるが、本願発明は、
理容鋏の刃の微細な形状、即ち「刃付けされた刃」の断
面形状なり、或いは「円味を付けた刃」の断面形状なり
の直接には視認し難い微細な刃の断面形状に関するもの
であるために、本願発明を遺漏なきよう多面的に捉える
べく、本願発明の別の記載方法として請求項2〜4を挙
げた。
【0013】即ち、当業者請求項2記載の発明において
は、刃体の粗形状が形成された刃体の半製品に対し、従
来であれば2本の刃体に対して刃付け加工をする段階に
おいて、一方の前記刃体の半製品に対しては、刃表から
研ぐ表研ぎと、この表研ぎの後に刃裏から研ぐ裏研ぎと
を主な行程とした刃付け加工が成される。しかし他方の
前記刃体の半製品に対しては、刃表から研ぐ表研ぎと、
この表研ぎの後に刃の刃裏側の角を取って円味を付ける
こととを主な行程とした円味加工が成される。且つ前記
円味は、前記2本の刃体の閉じ操作により髪が良好に切
断できる程度の円味である様にした。一方の刃体に半製
品に対する「表研ぎ」は、従来技術で説明した内容と同
じである。
【0014】請求項3記載の発明においては、請求項2
における円味加工を、図10(a)に示す様な刃体の半製
品に対する表研ぎの後に、刃裏面を何らかの研磨材の研
磨面に立てる状態で研磨することにより刃裏面に略直角
を成す微少幅な被研磨面を刃線(刃が刃渡りに沿って形
成する線)に沿って形成し、布などによる軟質な研磨材
の研磨材面に刃を立てた状態で、且つ研磨方向が刃裏か
ら刃表側となる研磨により刃裏側から角を取って円味を
付けることを主な内容としている。即ち、半製品の刃体
は、その刃先が図10(a)に示す様になっており、表研
ぎにより図10(b)に示す様になり、刃裏面Saを研磨
面に立てる状態で研磨すると図10(c)に示す様に刃裏
面Saに略直角を成す微少幅な被研磨面Sbを刃線に沿
って形成し、図10(d)に示す様に刃は刃裏から角を取
って円味が付けられる。なお、「布などによる軟質の研
磨材」とは、図10(d)に示す様に、刃体の刃をその研
磨材に宛い、その際には刃裏面がこの研磨材の研磨面に
立てた状態と成る様にして宛い、この状態で研磨材を刃
体に対して刃裏側から刃表側へと相対的に移動する動き
をするときに、研磨材が凹んで、刃裏の角を形成する刃
裏面25から被研磨面26へと研磨材の面が押圧されな
がら移動できる様なものをいう。つまり刃裏の角を形成
する刃裏面25から被研磨面26へと研磨材面が跨った
状態で押圧されて研磨することにより、刃裏面25と被
研磨面26との間にある「刃裏の角Q」を取って円味R
を付けることのできる研磨材をいう。
【0015】請求項4記載の発明においては、2本の刃
体を枢着してなる理容鋏であって、一方の刃体の刃は、
髪に前記刃を立てた状態で前記刃体を刃裏方向に摺動さ
せると、髪に対して引っかかりが生ずる様に形成され、
他方の刃体の刃は、髪に前記刃を立てた状態で前記刃体
を刃裏方向に摺動させると、髪に引っかかりが生じずに
滑らせることができる程度の円味を付けて形成した。図
17は刃体40の断面と1本の髪Hを示したものであ
り、即ち、髪Hに対し図17に示す様な位置関係にして
刃を宛い、矢印の方向に動かした場合に、2本の刃体に
おいて、一方の刃体は引っかかり、他方の刃体は引っか
からないという違いを設けたのである。
【0016】以下の請求項5〜6は、櫛刃の刃体と棒刃
の刃体を枢着した梳鋏に上記各手段を適用したものであ
る。即ち、請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいず
れか記載の理容鋏が梳鋏であって、棒刃側に円味を付け
たものである。これによれば、梳鋏で髪を梳き切った時
に、閉じた状態の梳鋏を髪から抜くと、つまり切れずに
残った髪溜まり部の髪を梳鋏を閉じたままの状態で抜く
と、棒刃の刃にこすれながら抜くこととなる。しかしこ
の場合も、髪は刃に円味の付いた棒刃に引っかかること
がなく、容易に抜くことができる。
【0017】また請求項6記載の発明においては、請求
項4記載の理容鋏が梳鋏であって、棒刃の刃は、髪に前
記刃を立てた状態で前記刃体を刃裏方向に摺動させる
と、髪に引っかかりが生じずに滑らせることができる程
度の円味を付けて形成した。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本願発明の理容鋏を説明す
る。この理容鋏は、図1に示す様に2本の刃体10,2
0、即ち静刃10と動刃20を枢着したカット鋏100
であり、図2に示す様に静刃10には刃付けがなされ、
動刃20には刃裏側の角を取って円味を付けてある。こ
のカット鋏100の製造方法は以下の通りである。
【0019】(刃体の母材の製造)まず原材料の図示し
ないステンレス鋼板から刃体の平面形状を打ち抜き、板
状であって平面形状だけが刃体の形状となった状態の母
材1が作られる。一般には、鋏の刃体は図3に示すよう
に刃部2と柄部3とから構成されている。例えば理容
用、美容用の鋏の場合、切断性能を重んずる刃部2には
硬度が必要であるためこれに適したマルテンサイト系ス
テンレス鋼が用いられ、柄部3については耐食性に優れ
るオーステナイト系ステンレス鋼が用いられている。従
って、これら刃部2と柄部3とは、それぞれの材質によ
るステンレス鋼板から打ち抜きにより、刃部2或いは柄
部3の平面形状となった部材2a,3aが図4に示す様
に準備される。そして、これら刃部と柄部の部材2a,
3aを溶接により接合するのである。
【0020】(刃表の粗形状)図5は母材1の刃部2部
分における断面図である。以上の様にしてできた刃体形
状の母材1は、刃部2を図5(a)の破線に沿った形状に
研削して、図5(b)に示す様な断面円弧状の刃表4の形
状を形成する。刃表4の円弧形状の形成には、多くの場
合は円環砥石が用いられており、刃体形状の母材を図6
に示す様に円環砥石Kの内側面に宛うことにより刃表4
が形成される。
【0021】(刃体の反り)次に、母材1の刃部2に反
りを付ける。この反りは刃部2を叩いて反らせている。
この様な反りを付ける理由であるが、2本の刃体10,
20は枢着されたときにその刃先同士が押圧合う触圧と
いうものが必要であり、これがないと切断機能が得られ
ないからである。そのために図7に示す様に刃体10,
20の長手を刃裏側に反らせ、枢着させる際のネジ30
で締めることにより、刃先同士が押圧合って触圧を得て
いる。
【0022】(刃裏の裏スキ)更に、刃部断面を示す図
8で分かる様に、刃裏を研磨して凹曲させた裏スキとい
うものが形成される。これは、鋏100が閉じ操作され
るときには刃先同士のみが接触する必要があり、刃裏5
が他方の刃体の刃先や刃裏に接触すると、刃先同士の接
触を邪魔するので、これを避けるためである。
【0023】以上で、刃体の粗形状が形成された刃体1
0,20の半製品ができた状態である。柄部3や柄部3
に形成されている指環などの仕上げ加工などは省略し
た。ここからが鋏の仕上げ行程に入ってくるのであり、
もっとも大事な「刃付け」になる。
【0024】(刃付け)まず静刃側の刃体10の半製品
に対して刃付けをする。刃付けはまず、刃先を刃表側か
ら研ぐ「表研ぎ」を行うが、これは図9(a)の一点鎖線
Aにそって研がれるのである。つまり、鋏の半製品は、
その刃が見た目には完成品の鋏と同様に刃が有る様に見
えるが、詳細に見れば先は平たくなっているなどして、
いずれにしても刃がなく、切断機能は有していない。こ
の半製品に対し、細かい砥粒による研磨機により、刃先
を刃表側から研磨するである。この研磨は、円盤砥石の
円盤面に刃体を宛って研磨する方法があり、或いは、ベ
ルトグラインダーのベルト面に宛って研磨する方法もあ
る。いずれも人手で1本々々、職人芸的に研磨作業を行
っている。
【0025】刃表からの表研ぎの後に、刃裏から研ぐ
「裏研ぎ」を行うが、これは図9(a)の一点鎖線Bに沿
って研がれる。裏研ぎは砥石で研ぐのであり、作業台に
設置してある砥石に水を浸し、手で持った刃体の刃裏側
を砥石に当てて慎重に研ぐのである。この裏研ぎにより
刃の切断機能が生まれるのであり、表研ぎと共にベテラ
ンの職人が刃付け加工を受け持っている。以上の表研
ぎ、裏研ぎにより刃付けされた刃先は、図9(b)に示す
形状になる。
【0026】(円味加工)次に図10(a)に示す動刃側
の刃体20の半製品に対して円味加工をおこなう。円味
加工は、まず静刃10と同様にまず表研ぎを行い図10
(b)に示す様な形状にする。次に刃体の刃裏面25を研
磨機の研磨面に立てる状態で宛って研磨することによ
り、図10(c)に示す様な刃裏面25に略直角を成す微
少幅な被研磨面26を刃線に沿って形成する。さらに、
図10(d)に示す様に布による研磨材Dに刃裏面を立て
た状態で且つ研磨方向Pが刃裏から刃表側となるように
研磨する。これにより図10(e)に示す様に刃裏から角
(図10(d)のQ)を取って円味Rが付けられる。
【0027】以上により、刃付け加工のされた静刃10
側の刃は一般的なカット鋏の刃と同様であり、つまり髪
に刃を立てた状態で前記刃体を刃裏方向に摺動させる
と、髪に対して引っかかりが生ずる状態である。しか
し、円味加工のされた動刃20側の刃は、髪に刃を立て
た状態で同様に摺動させると、髪に引っかかりが生じず
に滑らせることができる程度の円味が付いた状態であ
る。
【0028】次に、このカット鋏100の使い方を説明
する。このカット鋏を用いてスライドカットするときに
は、図11に示す様に、頭髪の束の中に鋏100を直接
差し入れて、斜め下に方向に滑らせながらカットするの
である。このとき、刃に円味が付けてある動刃20を髪
の中に入れ、静刃10を髪の外にする。この状態で、カ
ット鋏100の閉じ操作と、斜め下への滑らし移動を同
時に行うと、従来のカット鋏であれば髪の中に挿し入れ
た動刃に髪が引っかかり、十分には滑らすことができな
かった。しかしこのカット鋏100によれば、髪が引っ
かかることはないので1回の閉じ操作中に斜め下まで下
ろしきることができる。なお以上の例では動刃の刃に円
味を付けたが、静刃の刃に円味を付けてもよく、カット
技術者の用いるカット技術により、どのようにしてもよ
い。
【0029】なお一般に、動刃と静刃はその指環の形状
が異なる。これにより、親指を通す指環と中指を通す指
環とが決まり、また動刃とは親指を通す側の刃体をいう
ので、動刃と静刃が固定される。これに対し、いわゆる
メガネ型と称される2つの指環が同じ形状の鋏がある。
これによれば、どちらの指環にも親指・中指を通すこと
ができ、よって動刃、静刃を入れ替えることができる。
この様な形態の鋏に、本願発明を適用すると、円味の付
いた刃を、動刃としても、静刃としても用いることがで
きる。つまり、上記実施例では、静刃を髪の中に差し込
む例を説明したが、カット技術者によっては動刃を差し
込むケースもあり、これのカット技術の多様化により様
々である。しかし、メガネ型鋏に本願発明を適用する
と、この様な問題に対応できるのである。また刃付け加
工と円味加工を行う際には、本願発明の趣旨に添ってい
る範囲において、どのような他の加工処理などを付加さ
せてもよい。
【0030】次に本願に係る梳鋏の実施例を説明する。
図12に示す梳鋏200は、櫛刃210と棒刃220が
枢着してある。210櫛刃には櫛状歯体211が連設さ
れ、櫛状歯体211同士の間には隙間が髪溜まり部21
2として設けられている。この櫛刃210には、従来と
同様に刃付けがしてある。これに対し、棒刃220側は
刃221に円味が付けてある。従って、棒刃220の刃
は、髪にこの刃を立てた状態で棒刃を刃裏方向に摺動さ
せると、引っかかりが生ぜずに滑らせることができる。
この梳鋏200で髪を梳き切ると、切り終わって閉じた
状態では図13に示す様に髪溜まり部212に、切られ
なかった髪Hが溜まった状態である。髪溜まり部212
に溜まった髪Hは、見かけは、梳鋏200で挟んだ様に
見える状態である。この状態で梳鋏200を引くと、挟
んでいる様に見える髪溜まり部212の髪Hが抜けるの
であるが、このとき、髪Hは棒刃220にこすれながら
抜かれることとなる。しかし、棒刃220の刃は、円味
がつけてあり、髪に引っかかりが生じずに滑らすことが
できる程度の円味を付けて形成されているので、容易に
鋏200から抜くことができ、言い換えれば、梳鋏は容
易に髪から抜くことができる。そして、この様に抜くこ
とができると、梳き切られて頭髪の上に残存している髪
をかき落とすことができ、理髪作業の面では大変便利で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、実施例に示すカット鋏の図であ
る。
【図2】 この図は、図1におけるA−A断面図であ
る。
【図3】 この図は、材料から刃体形状に打ち抜かれた
母材の図である。
【図4】 この図は、図3の前行程である刃部と柄部と
なる部材の図である。
【図5】 この図は、母材を研削して刃表を形成する様
子の説明図である。
【図6】 この図は、母材を研削する様子の説明図であ
る。
【図7】 この図は、鋏は刃体が刃裏側に反っているこ
とを説明する図である。
【図8】 この図は、刃裏の裏スキを示す図である。
【図9】 この図は、刃付けを説明する図であり、併せ
て表研ぎと裏研ぎとを説明している。
【図10】 この図は、円味加工の工程図である。
【図11】 この図は、スライドカットを説明する図で
ある。
【図12】 この図は、実施例に示す梳鋏の図である。
【図13】 この図は、梳鋏を閉じ操作して髪を梳き切
ったときの部分拡大図である。
【図14】 この図は、髪の直角方向に髪を切ることを
説明する図である。
【図15】 この図は、スライドカットの鋏の摺動方向
の説明図である。
【図16】 この図は、図14に説明した切り方によっ
ても、毛先が横一直線には揃わないことを説明する図で
ある。
【図17】 この図は、髪に刃体の刃を立てて引っかか
りの有無を確認するときの確認方法を説明する図であ
る。
【符号の説明】
100 カット鋏 1 母材 2 刃部 3 柄部 10 動刃としての刃体 20 静刃としての刃体 4、14、24 刃表 5、15、25 刃裏 26 被研磨面 200 梳鋏 210 櫛刃としての刃体 211 櫛状歯体 212 髪溜まり部 220 棒刃としての刃体 Q 刃裏側の角 R 円味 H 髪

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の刃体を枢着してなる理容鋏であっ
    て、 一方の刃体は、刃の刃裏側の角を取って円味を付けてあ
    り、 且つこの円味は、刃付けのされた他方の刃体との閉じ操
    作により髪が良好に切断できる程度の円味であることを
    特徴とした理容鋏。
  2. 【請求項2】 2本の刃体を枢着してなる理容鋏であっ
    て、 刃体の粗形状が形成された刃体の半製品に対する加工
    が、 一方の前記刃体の半製品に対しては、刃表から研ぐ表研
    ぎと、この表研ぎの後に刃裏から研ぐ裏研ぎとを主な行
    程とした刃付け加工として成され、 他方の前記刃体の半製品に対しては、刃表から研ぐ表研
    ぎと、この表研ぎの後に刃の刃裏側の角を取って円味を
    付けることとを主な行程とした円味加工として成され、 且つ前記円味は、前記2本の刃体の閉じ操作により髪が
    良好に切断できる程度の円味であることを特徴とする理
    容鋏。
  3. 【請求項3】 円味加工は、刃体の半製品に対する表研
    ぎの後に、刃裏面を研磨材の研磨面に立てる状態で研磨
    することにより刃裏面に略直角を成す微少幅な被研磨面
    を刃線に沿って形成し、次に布などによる軟質な研磨材
    の研磨材面に刃裏面を立てた状態で且つ研磨方向が刃裏
    から刃表側となる研磨により刃裏側の角を取って円味を
    付けることを主な行程としたことを特徴とする請求項2
    記載の理容鋏。
  4. 【請求項4】 2本の刃体を枢着してなる理容鋏であっ
    て、 一方の刃体の刃は、髪に前記刃を立てた状態で前記刃体
    を刃裏方向に摺動させると髪に対して引っかかりが生ず
    る様に形成され、 他方の刃体の刃は、髪に前記刃を立てた状態で前記刃体
    を刃裏方向に摺動させると髪に引っかかりが生じずに滑
    らせることができる程度の円味を付けて形成されたこと
    を特徴とする理容鋏。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか記載の理容鋏
    が、櫛刃の刃体と棒刃の刃体を枢着した梳鋏であって、
    棒刃に円味を付けたことを特徴とする梳鋏。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の理容鋏が、櫛刃の刃体と
    棒刃の刃体を枢着した梳鋏であって、棒刃の刃は、髪に
    前記刃を立てた状態で前記刃体を刃裏方向に摺動させる
    と髪に引っかかりが生じずに滑らせることができる程度
    の円味を付けて形成されたことを特徴とする梳鋏。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008272141A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Saiki:Kk 理容鋏の製造方法
JP2016006244A (ja) * 2014-05-29 2016-01-14 Tmtマシナリー株式会社 糸切断装置
WO2021057682A1 (zh) * 2019-09-23 2021-04-01 黄健亮 一种安全剪刀

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