JP2003052167A - 電源回路、およびこれを用いた電源システム、電子装置 - Google Patents

電源回路、およびこれを用いた電源システム、電子装置

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JP2003052167A JP2001239093A JP2001239093A JP2003052167A JP 2003052167 A JP2003052167 A JP 2003052167A JP 2001239093 A JP2001239093 A JP 2001239093A JP 2001239093 A JP2001239093 A JP 2001239093A JP 2003052167 A JP2003052167 A JP 2003052167A
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英穂 山村
Naoki Maru
直樹 丸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過電圧故障の発生時に誤って正常な電源を停
止させる可能性を排除し、電源の故障モード全てで冗長
が成功するようにして、冗長並列構成による信頼性の向
上を理想値とすることができる技術を提供する。 【解決手段】 電源400と500の出力端子にオア・
ダイオード403,503のアノード端子が直列に接続
され、このカソード端子が共通に出力端子600に接続
されて冗長並列構成が実現される電源システムであっ
て、並列運転のための電流比較回路409の出力を上昇
量制限回路414で制限して、電源400の出力電圧を
過電圧検出回路412の設定電圧未満に制限することに
より、この電源400が過電圧故障となった場合以外で
は過電圧検出回路412が動作することを抑制し、誤っ
た電源停止を防止する。これにより、冗長並列構成用の
電源、電源システム、および電子装置の信頼性を400
0倍から2万倍に改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冗長並列構成され
た電源、およびこれを用いた電源システム、電子装置に
適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者が検討した技術として、電源、
およびこれを用いた電源システム、電子装置に関して
は、以下のような技術が考えられる。たとえば、電子装
置等に用いられる電源は、信頼性向上のために、電源を
冗長並列構成にすることがある。複数の電源を並列接続
し、並列運転し、並列構成の電源システムを構築するこ
とがあるが、このとき、必要台数Nに対してより多くの
電源を並列接続・運転して、電源が故障しても、電源シ
ステムは停止せずに運転を継続するようにして、すなわ
ち冗長並列構成にして、電源システムの信頼性を向上さ
せることがある。冗長並列構成には、N+1台の電源を
並列運転した場合や、それ以上の電源を並列運転した場
合などがある。
【0003】この冗長並列構成を実現する従来の技術と
して並列用ダイオード(オア・ダイオード)を使った技
術があり、例えば、各電源の出力端子の片方(例えば高
電位側)に直列にダイオードの第1の端子側(例えばア
ノード端子)を接続し、複数のダイオードの第2の端子
側(例えばカソード端子)を共通に接続して、並列運転
を実現している。また、並列運転を実現する技術は既に
広く知られており、例えば、複数台ある電源の負荷電流
を観測し、負荷電流の少ない電源の出力電圧を上昇させ
て、負荷電流をバランスさせる技術がある。この並列運
転技術は、冗長並列構成であっても、なくても、電源を
並列運転する場合に用いられている。
【0004】図5に、一般的な従来技術の一例の電源シ
ステムの機能ブロック図を示す。図5は電源100と2
00とが冗長並列構成されている例である。各電源10
0,200の出力端子102,202にそれぞれ直列に
オア・ダイオード103,203のアノード端子が接続
され、このオア・ダイオードのカソード端子が共通に接
続されて電源システムの出力端子300となっており、
並列冗長構成の技術を実現している。並列運転技術は電
源内部の回路にある。電源100内では、入力端子10
1からの電力がパワー回路104を介して出力端子10
2に出力される。このパワー回路104が電圧変換、出
力電圧の安定化制御などの電源の基本機能を果たす。出
力端子102への電流は抵抗105で検出され、電流検
出回路106で電流検出出力電圧になり、抵抗107を
介して、並列運転制御端子108に出力され、電源20
0の並列運転制御端子208と接続される。両並列運転
制御端子108,208が接続されているので、抵抗1
07の両端に発生する電圧は各電源の出力電流の差分に
なるので、これを電流比較回路109で検出して、加算
器110により基準電圧111に加算されてパワー回路
104の出力電圧を調節して、電流バランスを取ること
により、並列運転が実現される。過電圧検出回路112
は電源100が故障して出力電圧が異常に高くなった場
合に、負荷あるいは電源自身の保護のために、電源の動
作を停止させる。図示していないが、出力電圧が低下し
た場合の停止回路や報告回路が付くこともある。また、
過電圧検出回路112は、本回路ではオア・ダイオード
103のアノード端子に接続されているが、カソード端
子に接続されることもある。また、図5にはないが、リ
モート・センス技術などを使って、出力電圧の精度向上
を図ることもある。
【0005】この冗長並列構成の従来の技術によれば、
電源が1台故障して出力電圧が低下した場合に、オア・
ダイオードが逆バイアスされるので、故障した電源は他
の正常な電源から切り離されて、電源システムとしては
所定の出力電圧の出力を継続でき、負荷の電子回路など
は正常運転を続けることができる。たとえこの故障が半
導体やコンデンサ等の短絡等によるものであって、電源
の出力端子間が短絡しても、オア・ダイオードの作用に
より、他の電源の出力電流を短絡することなく、電源シ
ステムとしては所定の出力電圧の出力を継続できる。
【0006】ここで、上記の場合の冗長並列構成の電源
の信頼性を試算してみる。N+1の構成を想定し、N=
1と仮定し、2台の電源が並列接続されているとする。
また、個々の電源の信頼性λは1000フィット(fi
t)と仮定し、電源故障時の修理時間(MTTF)を2
4時間と仮定する。1000フィットの電源の平均故障
時間間隔(MTBF)は100万時間(114年)なの
で、2台ある電源は平均的に50万時間(57年)毎に
どちらかが故障し、修理時間24時間の間に新品(正常
品)に修理・交換される。この修理時間の間は冗長構成
が崩れているので、この間にもう一つ電源が故障すると
電源システムが停止するが、この確率は24/100万
≒1/4万なので、電源の故障と修理を4万回行うと、
すなわち50万時間×4万回=200億時間(2,28
3,105年)に1回は電源システムが停止することに
なる。従って、この電源システムの信頼性は0.05フ
ィット(MTBF=200億時間)となる。一方で、冗
長並列構成でない場合、すなわち1台の電源の信頼性は
1000フィットである。このように、冗長並列構成の
技術により、電源システムの信頼性を1000フィット
から0.05フィットに改善でき、理想値として100
0/0.05=2万倍の信頼性向上を得ることができ
る。
【0007】また、N=4の場合は、5台の電源を冗長
並列接続させることにより0.48フィットになり、冗
長並列構成なしの場合は1000フィット×4=400
0フィットだから、理想値として4000/0.48=
8333倍の信頼性向上を得ることができる。このよう
に、冗長並列運転は、冗長が成功すれば、信頼性向上に
大変大きな効果がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電源の
故障モードによっては、信頼性向上が期待した効果を生
まない場合がある。電源の故障モードは、大別して、出
力電圧が低下する故障モードと、出力電圧が上昇する故
障モード(過電圧故障モード)に分けられる。出力電圧
が低下する故障モードの場合には従来技術が期待どおり
に働いて信頼性が向上するが、過電圧故障モードの場合
では従来技術では電源システムの信頼性が向上しない場
合がある。
【0009】過電圧故障モードでは、オア・ダイオード
が順方向バイアスされるために切り離し作用がなく、故
障した電源が出力電圧を出し続ける。このとき、並列運
転の機構により出力電流のバランスを取るために他の正
常な電源の出力電圧も同じ値になるように制御されて上
昇するので、電源システム全体の電圧が上昇する。更に
出力電圧が上昇すると、通常具備されている過電圧検出
機構が動作して異常と判断して電源を停止させるが、各
電源は同じ出力電圧に制御されているため、過電圧検出
回路が最初に動作する電源がどれになるかは製造ばらつ
き等によって決まり、故障電源が最初であるとは限ら
ず、正常電源であることもある。更に故障電源の出力電
圧が上昇すると、更に1台の電源が過電圧検出回路の動
作により停止するが、このときには電源システムは、出
力電流能力が不足になり、機能を成さないか、停止する
事態となる。この可能性は、N+1の冗長並列構成で、
N=1で電源が2台の場合は50%であるが、N=4で
電源が5台の場合には80%の確率で電源システムが停
止するから、むしろ、冗長機能は失敗し、信頼性の向上
は期待できないと考えた方が実態に近くなる。
【0010】また、上記の過程で、電源システムの出力
電圧が上昇して、負荷となる回路の許容電圧範囲を逸脱
して、負荷の電子回路などが誤動作すれば、電源システ
ムが所望の性能を維持できなかったのだから、やはり、
冗長機能は失敗したと見なさざるを得ない。
【0011】実際、電源の故障モードは、故障した内部
部品の位置、種類、故障モードによって決まり、一般的
には出力電圧が低下する故障モードが多いが、本発明者
らの調査によれば、出力電圧が上昇する過電圧故障モー
ドも1割から2割程度あって、このために、冗長並列構
成による信頼性向上の効果が著しく阻害されることが判
明した。
【0012】ここで、この場合の冗長並列構成の電源の
信頼性を試算してみる。仮定する条件は前述と同じと
し、冗長機能が成功する成分を8割とすると、この成分
の電源システムの信頼性は前述と同じ0.05フィット
である。冗長機能が失敗する成分は2割だが、このと
き、1000フィットの電源が2台あるので故障率は2
000フィットで、この故障のうち50%は正常な電源
が停止して電源システムが停止するから、この成分の電
源システムの信頼性は半分の1000フィットとなる。
総合の信頼性は、冗長機能が成功する成分と失敗する成
分の荷重平均だから、0.05フィット×0.8+10
00フィット×0.2=200.04フィットとなり、
冗長並列構成なしの1000フィットと比べて、信頼性
の向上は5倍にとどまる。なお、冗長機能が100%成
功すると仮定した場合の信頼性の向上は2万倍であった
から、信頼性向上が著しく低下している。
【0013】同様に、N=4で電源が5台の場合、冗長
機能が成功する成分の電源システムの信頼性は前述と同
じ0.48フィットであり、失敗する成分は、5台の電
源のうち4台ある正常電源を停止させるかもしれないの
で、1000フィット×5×4/5=4000フィット
となるので、荷重平均をとって800.38フィットと
なる。よって、冗長並列構成なしの4000フィットと
比べて、信頼性の向上は5倍にとどまる。なお、冗長が
機能全て成功すると仮定した場合の信頼性の向上は83
33倍であったから、信頼性向上が著しく低下してい
る。
【0014】また、前述のとおり、出力電圧が許容値を
越えて負荷の電子回路などが誤動作して電源システムが
所望の性能を維持できなくなる場合があり、故障の2割
で発生するのだから、N+1の構成でN=1で電源が2
台の場合は、信頼性は1000フィット×2×0.2=
400フィットとなり、冗長構成なしの1台の電源の信
頼性1000フィットと比べると、0.4倍となる。す
なわち、冗長並列構成の採用により信頼性はむしろ低下
する。
【0015】以上、説明したように、従来の冗長並列構
成の技術によれば、過電圧などの場合に冗長機能が失敗
する場合があるので、信頼性の向上が著しく阻害される
場合がある。
【0016】そこで、本発明の目的は、かかる状況を解
決するために、冗長成功の阻害要因である過電圧故障に
対し、各電源において、各電源が正常であれば過電圧検
出回路が動作することのないようにすることにより、過
電圧故障の発生時に誤って正常な電源を停止させる可能
性を排除し、電源の故障モード全てで冗長が成功するよ
うにして、冗長並列構成による信頼性の向上を理想値と
することができる技術を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の電源回路は、電源の並列運転のために設け
られた電流比較回路の出力を制限する上昇量制限回路を
備えることを特徴とするものである。さらに、前記上昇
量制限回路によって制限された電源の出力電圧の限界値
が、過電圧検出回路の出力電圧検出値より小さいことを
特徴とするものである。あるいは、並列運転する電源回
路において、並列運転のための出力電圧調整範囲の限界
値が、過電圧検出回路の検出値よりも小さいことを特徴
とするものである。さらに、前記電源回路を用い、複数
の電源回路からなる並列運転構成で構成された電源シス
テム、この電源システムを用いた電子装置に適用するこ
とを特徴とするものである。
【0018】具体的には、電源の回路の中で、並列運転
の電流バランスを取る回路には自電源が他電源に追従し
て出力電圧を上昇させる機能があるが、この上昇量を、
過電圧検出回路の動作電圧未満になるように制限する手
段を具備することによって、該当電源が正常で過電圧故
障でない場合には過電圧検出回路が動作することがな
く、また過電圧故障が発生した場合には過電圧検出回路
が動作する、という所望の機能を実現することを可能と
する。
【0019】このような電源を用いて冗長並列構成する
ことにより、電源システムの信頼性を向上することを可
能とする。また、このような電源システムを用いて電子
装置を構成することにより、電源に起因する電子装置の
動作停止を大幅に低減して信頼性を向上することを可能
とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明す
るための全図において、同一部材には同一の符号を付
し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】図1は、本発明の第1と第2の実施の形態
を示す電源システムの機能ブロック図である。第1の実
施の形態は、図1内の電源400,500である。ま
た、第2の実施の形態は、図1全体の電源システムであ
る。図1において、電源システムは、電源400と50
0の出力端子にそれぞれオア・ダイオード403,50
3のアノード端子が直列に接続され、このオア・ダイオ
ード403,503のカソード端子が共通に出力端子6
00に接続されて冗長並列構成が実現されている。本発
明になる技術は、電源400,500において、それぞ
れパワー回路404,504、抵抗405,505、電
流検出回路406,506、抵抗407,507、電流
比較回路409,509、加算器410,510、基準
電圧源411,511、過電圧検出回路412,512
による従来技術(図5)の回路に加えて、上昇量制限回
路414,514が具備されていることにある。すなわ
ち、電源400,500を構成する各回路は、従来技術
と同様の機能を有し、入力端子401,501、出力端
子402,502、並列運転制御端子408,508の
間に従来技術と同様に接続されているので、ここでの詳
細な説明は省略するが、本実施の形態では各上昇量制限
回路414,514が電流比較回路409,509と加
算器410,510との間に追加されて接続された構成
となっている。
【0022】ここで、電源400の内部の動作を説明す
る。まず、並列運転技術の説明を行う。並列運転技術の
要点は電流比較回路409にある。電流比較回路409
は、抵抗407の両端に発生する電源出力電流の差の情
報により、もし差が負であれば、すなわち自電源の出力
電流が他電源の出力電流よりも小さければ、出力信号を
出して、加算器410により、基準電圧源411に電圧
を加算し、電源の出力電圧を上昇させる。この上昇量
は、並列運転される電源間の出力電流の差がなくなる、
あるいは十分小さくなるのに必要な量で、実質的に並列
運転される全電源の出力電圧は等しい値となる。
【0023】次に、本発明になる動作の説明を行う。も
し、並列運転される電源500が過電圧故障を起して出
力電圧がわずかに上昇すると、この故障電源の出力電流
が増え、他の正常な電源400の出力電流が減るから、
電流比較回路409の作用により出力電圧は上昇して、
過電圧を起した故障の電源500の出力電圧に、正常な
電源400の出力電圧が追従する。更に故障の電源50
0の出力電圧が上昇すると、上昇量制限回路414の作
用によって、正常な電源400の出力電圧は上昇しなく
なる。すなわち、正常な電源400の出力電圧は、過電
圧を起した故障の電源500の出力電圧に追従しなくな
る。このとき、各電源間の電流バランスは崩れ、過電圧
で故障した電源500が最大の電流を出力し、他の正常
な電源400の出力電流はより少ない状態になる。そし
て更に故障の電源500の出力電圧が上昇すると、この
故障の電源500内の過電圧検出回路512もしくは過
電流検出回路(図示せず)が動作して、故障の電源50
0の動作を停止する。すると、過剰な電圧を発生する電
源500がなくなるので、残った正常な電源400で、
電源システムとしての正規の出力電圧での正常な動作が
復活する。
【0024】この第1の実施の形態の電源を用いた、第
2の実施の形態である電源システムの信頼性を計算す
る。各条件は従来の電源と同じとする。本発明になる電
源回路による電源システムにおいては、電源の故障モー
ドの全てに対して冗長機能は成功するから、すなわち出
力電圧が低下する故障モードでも出力電圧が上昇する過
電圧の故障モードでも冗長機能は成功するから、各電源
の信頼性が1000フィットの場合、電源システムの信
頼性は理想状態と同じ値の0.05フィットになる。す
なわち、冗長並列構成による信頼性の向上は2万倍にな
る。従来技術の信頼性の向上は5倍だったから、400
0倍の信頼性の改善の効果がある。
【0025】この第2の実施の形態では、並列台数が2
台、すなわち、N+1の冗長並列構成の電源システムに
おいて、Nが1であったが、より多数の並列台数の構成
においても、第2の実施の形態と同様な動作が実現され
る。すなわち、過電圧故障の発生により、正常な電源の
出力電圧が追従して上昇する過程で、全ての正常な電源
内で上昇量制限回路が働いて追従しなくなり、故障の電
源だけが過電圧検出回路あるいは過電流検出回路の動作
により停止して、電源システムは正常な動作を復活す
る。すなわち、電源の故障モードの全てに対して冗長機
能は成功し、従来技術に比べて大幅な信頼性の改善の効
果がある。
【0026】図2は、本発明の第3の実施の形態を示す
電源の機能ブロック図である。図2の電源400におい
て、電流比較回路409、上昇量制限回路414と加算
器410は回路図形式で詳細に書いてある。本実施の形
態では、上昇量制限回路414はツェナー・ダイオード
420で実現している。簡単で安価な手段であるが、上
記第1の実施の形態と同様の動作が実現され、電源の信
頼性は大幅に改善する。この電源を用いて、N+1の冗
長並列構成でNが1の電源システムを構成した場合、従
来の技術に比べて4000倍の信頼性の改善の効果があ
る。また、電流比較回路409は演算増幅器430と抵
抗431〜434、加算器410は抵抗450,451
を用いて構成されている。
【0027】図3は、本発明の第4の実施の形態を示す
電源の機能ブロック図である。図3の電源400におい
て、電流比較回路409と上昇量制限回路414はほと
んど一体化されている。電流比較回路409は演算増幅
器430を用いて構成されているが、演算増幅器430
の出力電圧はその電源電圧以上の電圧を出力できないこ
とに着目し、演算増幅器430の電源440を上昇量制
限回路414としている。別の表現をすれば、上記第3
の実施の形態のツェナー・ダイオード420を電源44
0で置換えた形態である。この電源440の電圧値、お
よび加算用抵抗450,451等の値を適切に選ぶこと
によって、所望の動作が実現する。また、この所望の動
作、すなわち本発明になる動作が実現されているか否か
は、同種の複数台の電源を並列運転し、1台の電源の電
圧を上昇させ、いずれの電源の過電圧検出回路や過電流
検出回路等も動作せずに、停止しない範囲において、他
の電源の出力電流あるいは出力電圧が、電圧を上昇させ
た電源に比べて小さくなることを観測、検出することに
よって確認できる。この電源を用いて、N+1の冗長並
列構成でNが1の電源システムを構成した場合、従来の
技術に比べて4000倍の信頼性の改善の効果がある。
【0028】図4は、本発明の第5の実施の形態を示す
電子装置の機能ブロック図である。上記第1の実施の形
態の電源400,500を用いて冗長並列構成の電源シ
ステム650が構成され、この電源システム650を用
いて、電子回路700に電源電力を供給しており、全体
で電子装置800を成している。本実施の形態の電源シ
ステム650では、電源400,500はDC/DC型
電源回路で、前置電源回路900は整流機能を持つAC
/DC型電源回路であり、電源入力端子950から商用
電源の電力を受けて動作する。この電子装置800の電
源の信頼性は高く、上記第2の実施の形態と同じである
から、電源が原因となる信頼性は従来の技術に比べて4
000倍改善される。
【0029】以上のいずれの実施の形態においても、過
電圧検出回路の検出電圧を任意の電圧に設定することが
できる。例えば、負荷の回路等が要求する電圧の許容範
囲が±5%ならば、過電圧検出回路の検出電圧を5%以
下に設定しておき、上昇量制限回路の設定を過電圧検出
回路の検出電圧以下になるようにしておけば、電源に過
電圧故障が発生しても、電源システムの出力電圧は5%
以下で、故障電源が停止する。このようにして、電源シ
ステムは、電源が故障する瞬間、あるいは故障する過程
でも要求性能を維持することができ、負荷の電子回路な
どは誤動作を起こすことはなく、冗長機能は成功する。
この場合、電源システムの信頼性の向上は2万倍とな
り、従来の技術では0.8倍だったから、本技術は2万
倍以上の信頼性の改善の効果がある。
【0030】以上、実施の形態を用いて詳細に説明した
ように、本発明になる技術によれば、冗長構成における
電源、電源システム、および冗長構成の電源システムを
用いた電子装置の信頼性を、従来技術の4000倍から
2万倍と大幅に改善することができる。すなわち、並列
運転のための電流比較回路の出力を上昇量制限回路で制
限して、電源の出力電圧を過電圧検出回路の設定電圧未
満に制限することにより、電源が過電圧故障となった場
合以外では過電圧検出回路が動作することを抑制し、誤
った電源停止を防止できる。
【0031】本発明は、本発明者らが過電圧故障モード
の重要性に着目したことによって実現した。すなわち、
電源の故障モードには出力電圧低下モードと過電圧モー
ドがあることは周知であったが、本発明者らが、過去の
故障事例の調査分析により、過電圧故障モードが無視で
きない率で発生することを発見し、更に、この過電圧故
障モードが冗長電源システムの信頼性を著しく低下させ
ることを見出したことが発端となって、本発明の技術に
至ったものである。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、冗長並列構成における
電源、電源システム、および冗長並列構成の電源システ
ムを用いた電子装置の信頼性を、従来技術に比べて大幅
に改善することが可能となる。すなわち、過電圧故障の
発生時に誤って正常な電源を停止させる可能性を排除
し、電源の故障モード全てで冗長が成功するようにし
て、冗長並列構成による信頼性の向上を理想値とするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1と第2の実施の形態を示す電源シ
ステムの機能ブロック図である。
【図2】本発明の第3の実施の形態を示す電源の機能ブ
ロック図である。
【図3】本発明の第4の実施の形態を示す電源の機能ブ
ロック図である。
【図4】本発明の第5の実施の形態を示す電子装置の機
能ブロック図である。
【図5】本発明に対する、一般的な電源システムの機能
ブロック図である。
【符号の説明】
100,200,400,500…電源、101,20
1,401,501…入力端子、102,202,40
2,502…出力端子、103,203,403,50
3…オア・ダイオード、104,204,404,50
4…パワー回路、105,205,405,505…抵
抗、106,206,406,506…電流検出回路、
107,207,407,507…抵抗、108,20
8,408,508…並列運転制御端子、109,20
9,409,509…電流比較回路、110,210,
410,510…加算器、111,211,411,5
11…基準電圧源、112,212,412,512…
過電圧検出回路、414,514…上昇量制限回路、4
20…ツェナー・ダイオード、430…演算増幅器、4
31〜434…抵抗、440…電源、450,451…
抵抗、300,600…出力端子、650…電源システ
ム、700…電子回路、800…電子装置、900…前
置電源回路、950…電源入力端子。
フロントページの続き Fターム(参考) 5G065 AA00 DA01 LA01 LA02 MA09 5H730 AA07 AS22 EE01 FD01 FD31 FF01 XX04 XX12 XX23 XX32 XX42

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源の並列運転において、自電源と他電
    源の出力電流を比較して両電源の電流バランスを取るた
    めに設けられた電流比較回路と、 前記電流比較回路の出力を制限する上昇量制限回路と、
    を備えることを特徴とする電源回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電源回路において、前記
    上昇量制限回路によって制限された電源の出力電圧の限
    界値が、前記電源の出力電圧の過電圧を検出する過電圧
    検出回路の出力電圧検出値より小さいことを特徴とする
    電源回路。
  3. 【請求項3】 並列運転する電源回路において、並列運
    転のための出力電圧調整範囲の限界値が、出力電圧の過
    電圧を検出する過電圧検出回路の検出値よりも小さいこ
    とを特徴とする電源回路。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の電源回路を
    用い、この電源回路が複数台並列接続され、並列運転構
    成で構成されたことを特徴とする電源システム。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電源システムを用い、こ
    の電源システムから供給される電源電力により動作する
    回路を備えたことを特徴とする電子装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018096730A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 日立オートモティブシステムズ株式会社 診断回路

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