JP2003051718A - 発振器および電子機器 - Google Patents

発振器および電子機器

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JP2003051718A
JP2003051718A JP2001239598A JP2001239598A JP2003051718A JP 2003051718 A JP2003051718 A JP 2003051718A JP 2001239598 A JP2001239598 A JP 2001239598A JP 2001239598 A JP2001239598 A JP 2001239598A JP 2003051718 A JP2003051718 A JP 2003051718A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動子に負荷する容量を大きくとる必要があ
っても、短時間で安定発振することが可能な発振器およ
び電子機器を提供する。 【解決手段】 圧電発振器10は、起動時は、振動子X
に容量Cd0とCg0だけを負荷した状態で発振を開始
し、分周回路12の分周信号を入力する毎に、制御部1
3がメモリ14に記憶された制御データDd、Dgに基
づいて、可変容量部11d、11gのスイッチSW1〜
SW10を段階的にオン制御することによって少ない容
量変化で可変容量部11dおよび11gの容量を予め定
めた容量になるまで上げていく。従って、常に容量の変
化量が少ない状態で発振を開始することができるので、
電源電圧のリンギングがなくなり、その後可変容量部1
1dおよび11gの容量を段階的に上げていくことによ
って、容量変化による電源電圧の変動が低く抑えられ、
短時間で安定起動することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短時間で起動する
ことができる発振器および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の圧電発振器は、図8に基本回路を
示すように、水晶振動子またはセラミック振動子などの
振動子Xと、振動子Xを動作させるための帰還増幅回路
(インバータIV、帰還抵抗Rf)Aと、帰還増幅回路
Aの入出力端子に接続される容量CgおよびCdから構
成される。容量CgおよびCdは、振動子Xの動作条件
における周波数偏差の合わせ込みなどを行うための負荷
容量であり、設計によって決められた固定容量の容量素
子である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の携帯
電話においては、図9に示すように、受信待ち受け時
は、レシーバ、温度補償型発振器(TCXO)などの斜
線部分については、一定時間間隔で駆動して間欠受信を
行うようになっている。これは、実質的な駆動時間を減
らして消費電力を低減するためである。
【0004】しかしながら、この種の電子機器は、TC
XOや各種クロック生成用の様々な回路を有しており、
これらの発振器の発振周波数や振幅が安定するまでは、
機器が正常に動作しない。このため、実際の間欠時の駆
動時間は、発振器の起動時間を見越して長めにとってお
く必要があった。また、携帯電話に限らず、コンピュー
タなどの各種電子機器においても、消費電力低減の観点
から、操作されなくなって一定期間経過すると、表示装
置やHDD(hard disk drive)の駆動を停止し、何ら
かの操作があると、これら装置の駆動を再び開始する機
能を具備したものが広く提供されている。この場合も、
起動に時間がかかると、消費電力低減の観点から望まし
くないだけでなく、すぐに操作できないため使い勝手が
悪くなってしまう。このような事情から、消費電力の低
減を図るという観点および使い勝手を向上させるという
観点から発振器の起動時間の短縮化が要望されている。
【0005】一般的に発振器の起動時間を短縮するに
は、振動子の直列抵抗を下げる、電源電圧を上げる、イ
ンバータIVのトランジスタ駆動能力を上げる、といっ
た方法が考えられるが、発振器自体の低消費電力化と広
い汎用性を考えると振動子Xの負荷容量を小さくする方
法が最も簡易である。
【0006】しかしながら、振動子Xの負荷容量を小さ
くすると、起動時間は短縮されるものの発振周波数が規
定の偏差値内に入らなくなってしまう場合が生じ、起動
時間をあまり短縮することはできない。一方、発振器の
負荷容量は、目的とする発振周波数(設定周波数)に応
じてほぼ決まってしまうため、容量を大きくとる必要が
ある場合には、図10に起動時の発振器の信号Sと電源
電圧Vの波形を示すように、電源電圧Vにリンギングが
発生する場合が生じる。この場合、発振器に電源を供給
する電源電圧Vが大きく変動するため、発振器の安定度
が悪くなり、この結果、信号Sの周波数および振幅が安
定するまでの時間(起動時間)Tが長くなってしまうと
いう問題が生じてしまう。
【0007】そこで本発明の目的は、振動子に負荷する
容量を大きくとる必要があっても、短時間で安定発振す
ることが可能な発振器および電子機器を提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、発振器において、振動子と、前記振動子を発
振させる帰還増幅回路と、前記帰還増幅回路の入力側若
しくは出力側の少なくともいずれかに接続される可変容
量手段とを有する発振回路と、前記発振回路が安定動作
していることを検出する動作検出手段と、前記可変容量
手段の制御データを記憶する記憶手段と、前記制御デー
タに基づいて、前記安定動作検出手段の検出結果に基づ
く時間間隔で、前記可変容量手段の容量値を予め定めた
最小容量値から予め定めた設定容量値になるまで段階的
に増やしていく制御手段とを備えることを特徴としてい
る。
【0009】上記構成によれば、この発振器は、記憶手
段に記憶された制御データに基づいて、振動子に負荷す
る可変容量手段の容量値を設定容量値になるまで段階的
に増やしていくので、常に容量の変化量が少ない状態で
発振を開始することができる。このため、容量が大きい
ことに起因して発生する電源電圧のリンギングを回避し
て起動時間を短縮することができる。
【0010】また、前記可変容量手段は、容量値が前記
最小容量値であって、前記振動子に常に接続された第1
の容量素子と、複数の第2の容量素子と、前記制御手段
の制御の下、前記複数の第2の容量素子を前記第1の容
量素子にそれぞれ並列接続する複数のスイッチ手段とを
有することを特徴としている。
【0011】上記構成によれば、最小容量値の第1の容
量素子は振動子に常に接続されているので、制御手段
は、安定動作検出手段の検出結果に基づく時間間隔で複
数の第2の容量素子を接続することによって、可変容量
手段の容量値を段階的に増やすことができる。これによ
り、常に容量の変化量が少ない状態で発振を開始するこ
とができ、起動時間を短縮することができる。
【0012】また、前記制御データは、前記可変容量手
段の容量値を設定容量値にするためにオン制御するスイ
ッチ手段の数、またはオン制御するスイッチ手段を特定
するためのデータであればよい。これにより、制御手段
は、この制御データに基づいて予め定めた接続順でスイ
ッチ手段をオン状態に制御することによって、可変容量
手段の容量値を設定容量値になるまで段階的に増やすこ
とができる。
【0013】また、前記制御データは、前記可変容量手
段の容量値を最小容量値から設定容量値まで段階的に増
やしていくために接続するスイッチ手段の接続順を特定
するためのデータであってもよい。この場合、制御手段
は、この制御データに基づく接続順でスイッチ手段をオ
ン状態に制御することによって、可変容量手段の容量値
を設定容量値になるまで段階的に増やすことができる。
【0014】また、前記最小容量値は、当該発振器の発
振条件を満たす範囲で最も小さい容量値であることを特
徴としている。これにより、この発振器は、負荷容量が
最も小さい状態から発振を開始するので、発振周波数お
よび振幅を短時間で安定させることができる。
【0015】また、前記制御手段は、前記制御データを
外部から入力する入力手段と、前記記憶手段に記憶され
た制御データを、前記入力手段を介して入力した新たな
制御データに書き換える制御データ書き換え手段とをさ
らに有することを特徴としている。これにより、この発
振器は、制御データを書き換えることによって、発振周
波数の変更や周波数偏差の微調整を後で簡易に行うこと
ができる。
【0016】また、本発明は、電子機器において、上記
発振器を内蔵し、この発振器の出力信号に基づいて動作
することを特徴としている。上述したように、この発振
器は常に容量の変化量が少ない状態で発振を開始するの
で、電子機器の安定起動化および起動時間の短縮化を図
ることができる。
【0017】また、前記電子機器は、予め定めた条件に
従って少なくとも前記発振器の一時停止と駆動とを行う
動作モードを有する電子機器であることが好ましい。こ
れにより、発振器の起動時間を短縮できる分だけ電子機
器の実質的な駆動時間を短縮でき、さらに低消費電力化
を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本
発明の実施形態について説明する。
【0019】(1) 実施形態 (1−1) 実施形態の構成 図1は、本発明の実施形態に係る圧電発振器のブロック
図である。この圧電発振器10は、帰還増幅回路Aの入
出力端子に接続される容量が可変容量部(可変容量手
段)11dおよび11gである点と、分周回路12、制
御部(制御手段)13およびメモリ(記憶手段)14を
有する点を除いて従来の圧電発振器とほぼ同様であるた
め、同一の部分は同一の符号を付して示している。ま
た、メモリ14には、PROM(Programable Read Onl
y Memory)、EPROM(Erasable PROM)などの書き
込みや書き換え可能なメモリが使用される。
【0020】同図に示すように、帰還増幅回路Aの出力
側に接続される可変容量部11dは、帰還増幅回路Aの
出力側に常に接続される容量素子(第1の容量素子)C
d0と、トランジスタによる各スイッチ(複数のスイッ
チ手段)SW1、SW2、SW3、SW4、SW5によ
って容量素子Cd0と並列接続される容量素子(第2の
容量素子)Cd1、Cd2、Cd3、Cd4およびCd
5とから構成されている。なお、これらの容量素子およ
びスイッチは説明上それぞれ5個から構成されるが、所
定の条件に応じて任意の個数が選択できる。
【0021】同様に、帰還増幅回路Aの入力側に接続さ
れる可変容量部11gは、帰還増幅回路Aの入力側に常
に接続される容量素子Cg0と、トランジスタによるス
イッチSW6、SW7、SW8、SW9およびSW10
によって容量素子Cg0と並列接続される容量素子Cg
1、Cg2、Cg3、Cg4およびCg5とから構成さ
れている。上記したと同様に、これらの容量素子および
スイッチは説明上それぞれ5個から構成されるが、所定
の条件に応じて任意の個数が選択できる。
【0022】ここで、帰還増幅回路Aの入出力側に接続
される容量素子Cd0およびCg0は、振動子Xを発振
させるのに最低限必要な容量値であり、言い換えると、
この圧電発振器10の発振回路が発振条件を満たす範囲
で最も小さい容量値のものが選定されている。
【0023】そして、可変容量部11dおよび11g
は、各スイッチSW1〜SW10が制御されることによ
って全体の容量が変化する。具体的には、可変容量部1
1d、11gは同様の構成なので、可変容量部11dに
ついて説明すると、各容量素子Cd1〜Cd5はスイッ
チSW1〜SW5によって並列接続されるので、容量素
子Cd1側のスイッチSW1から順にオン状態に切り替
えると、可変容量部11dの容量は、(Cd0)の容量
→(Cd0+Cd1)の容量→……→(Cd0+Cd1
+Cd2+Cd3+Cd4+Cd5)の容量へと変化す
る。同様に、ゲート側の可変容量部11gの容量も、
(Cg0)の容量〜(Cg0+Cg1+Cg2+Cg3
+Cg4+Cg5)の容量の範囲で変化する。なお、圧
電発振器10に電力が供給されていない場合は、これら
スイッチSW1〜SW10は全てオフ状態であって、可
変容量部11dの容量は容量素子Cd0の容量のみであ
り、可変容量部11gは容量素子Cg0の容量のみにな
る。
【0024】分周回路12は、発振回路の出力信号を分
周して制御部13に出力する。この分周回路(動作検出
手段)12は、発振回路が安定に起動したことを検出す
るために用いられ、言い換えると、電源電圧のリンギン
グが収まって安定した状態になったことを検出するため
に用いられる。
【0025】制御部13は、メモリ14の予め定めたア
ドレスに記憶されている可変容量部11dおよび11g
の制御データDdおよびDgに基づいて、各可変容量部
11d、11gのスイッチSW1〜SW10の制御を行
う。本実施形態では、制御部13は、発振起動時におい
て、各可変容量部11d、11gに対応する制御データ
Dd、Dgによって指定される値に達するまで、可変容
量部11d、11gの各スイッチSW1〜SW10を予
め定めた順でオン状態に切り替え制御するように構成さ
れている。なお、メモリ14に記憶された制御データ
は、可変容量部11d、11gの容量値を設定容量値に
するためにオン制御するスイッチの数、またはオン制御
するスイッチSW1からSW5のいずれかを特定するた
めのデータ、若しくは、可変容量部11d、11gの容
量値を最小容量値から設定容量値まで段階的に増やして
いくために接続するスイッチSW1〜SW5の接続順を
特定するためのデータである。
【0026】具体的には、制御部13は、分周回路12
から入力した分周信号の立ち上がりを検出する毎に、可
変容量部11dについてはスイッチSW1側から順にス
イッチを1個ずつオン状態に制御すると同時に、可変容
量部11gについてはスイッチSW6側から順にスイッ
チを1個ずつオン状態に制御していく。そして、制御部
13は、各可変容量部11d、11g毎にオン制御した
スイッチの数が制御データDd、Dgの値と一致したと
判断すると、スイッチの制御状態をその状態に維持す
る。すなわち、この圧電発振器10においては、制御デ
ータDd、Dgによって各可変容量部11d、11gの
最終的な容量が定められ、これによって、圧電発振器1
0の発振周波数が設定されるようになっている。なお、
本実施形態では各可変容量部11d、11gにスイッチ
が5個ずつあるから、各可変容量部11d、11gの制
御データDd、Dgは3ビット以上のデータを用いれば
よい。
【0027】また、制御部13は、図示しない入力端子
を介して書き込み装置20との間でデータ通信を行う機
能を有しており、書き込み装置20の制御の下、メモリ
14に記憶されている制御データDd、Dgを読み出し
て書き込み装置20に送信したり、メモリ14に記憶さ
れた制御データDd、Dgを図示しない入力手段を介し
て入力し、また、図示しない制御データ書き換え手段に
より、書き込み装置20から送信された新たな制御デー
タDd、Dgに書き換えて更新するようになっている。
【0028】次に、書き込み装置20について説明す
る。図2は書き込み装置20の概略構成を示す図であ
る。書き込み装置20は、従来のプログラマブル発振器
の設定を行うものと同様の装置が適用され、所定のアプ
リケーションプログラムがインストールされたパーソナ
ルコンピュータ(以下、「PC」という)21と、圧電
発振器10と電気的に接続するための接続ユニット22
とから構成される。接続ユニット22は、PC21の制
御の下、圧電発振器10を駆動させて発振周波数を測定
したり、圧電発振器10の制御部13に対してメモリ1
4に記憶された制御データDd、Dgの読み出し指示や
制御データDd、Dgの書き込み指示を行う。従って、
PC21の操作者は、圧電発振器10毎に発振周波数を
測定し、測定結果に応じてメモリ14に書き込む制御デ
ータDd、Dgを書き換えることによって、実測の発振
周波数を確認しながら圧電発振器10の周波数を希望の
周波数に変更でき、圧電発振器10のばらつきを修正す
ることができる。
【0029】次に、この圧電発振器10の起動時の動作
について説明する。図3は、制御部13の発振起動処理
を示すフローチャートである。まず、圧電発振器10に
おいて、図示しない電源端子に電力が供給されると、制
御部13は、メモリ14から制御データDd、Dgを読
み出す(ステップS1)。このとき、各可変容量部11
d、11gのスイッチSW1〜SW10は初期状態では
オフ状態であるから、圧電発振器10の発振回路は、振
動子Xに容量素子Cd0と容量素子Cg0の容量が負荷
された状態で起動を開始する。このため、振動子Xを発
振させるのに最低限必要な容量値で起動を開始するの
で、電源電圧にリンギングが発生する場合が回避され、
短時間で発振周波数および振幅が安定することとなる。
【0030】そして、発振回路が発振を開始して振幅が
所定レベルに成長すると、分周回路12からその信号を
分周した分周信号が出力される。制御部13は、分周信
号の立ち上がりを検出すると(ステップS2:YES)、
制御データDd、Dgに基づいて可変容量部11d、1
1gのスイッチSW1〜SW10の制御を開始する(ス
テップS3)。すなわち、制御部13は、分周信号の立
ち上がりを検出する毎に、各可変容量部11d、11g
のスイッチSW1〜SW10をそれぞれ1個ずつオン制
御して容量素子Cd1〜Cd5および容量素子Cg1〜
Cg5を接続していく制御を行う。
【0031】具体的には、制御部13は、分周信号の立
ち上がりを検出すると、スイッチSW1およびSW6を
オン制御し、次に分周信号の立ち上がりを検出すると、
さらにスイッチSW2およびSW7をオン制御し、次に
検出すると、スイッチSW3およびSW4をオン制御す
る、といった具合に発振容量を段階的に増やしていく。
また、スイッチをオン制御する度に、制御部13は、各
可変容量部11dおよび11gのオン制御したスイッチ
の数が制御データDdおよびDgの値とそれぞれ一致す
るか否かを判定し(ステップS4)、一致しないとき
は、ステップS2に戻ってステップS2〜ステップS4
までの処理を繰り返す。
【0032】そして、制御部11は、ステップS4にお
いて、可変容量部11dおよび11gのオン状態に制御
したスイッチの数が制御データDdおよびDgの値と一
致したと判定すると、スイッチの制御状態を保持したま
ま発振起動処理を終了する。
【0033】これにより、本実施形態の圧電発振器10
は、振動子Xに負荷する容量を発振を開始するのに最低
限必要な最小容量にした状態で発振を開始した後、発振
が安定したことを検出する毎に、圧電発振器10の発振
周波数を設定周波数にするために必要な容量値になるま
で段階的に増やしていくので、常に容量の変化量が少な
い状態で発振を開始することができる。このため、容量
が大きいことに起因して発生する電源電圧のリンギング
が回避され、リンギングの影響による圧電発振器10を
駆動する電源の電源電圧の変動が抑えられる。
【0034】さらに、負荷容量が最も小さい状態で振動
子Xが発振を開始するので、振動子Xの発振周波数およ
び振幅が短時間で安定し、その後の容量変化も小さいの
で、容量変化による電源電圧の変動が低く抑えられ、振
動子Xの発振周波数を短時間で目的の設定周波数に変化
させることが可能となる。この技術を適用することによ
って、発明者らの実験によると、従来発振が安定するま
で3秒かかっていた圧電発振器を約1秒の起動時間に短
縮できることを確認することができた。
【0035】また、この圧電発振器10は、書き込み装
置20によって制御データDdおよびDgを書き換える
ことによって、振動子Xに負荷する容量を変更すること
ができるので、発振周波数を変更したり、周波数偏差を
微調整するといったことを製品状態でいつでも簡易に行
うことができる。
【0036】(2) 変形例 本願発明は、上述した実施形態に限らず種々の態様にて
実施することができる。例えば、以下のような変形実施
が可能である。 (2−1) 第1変形例 上述の実施形態においては、制御データDdおよびDg
がオン制御するスイッチの数を指定するデータの場合に
ついて述べたが、図4に他の例を示すように、制御デー
タDdおよびDgに最終的にオン制御するスイッチを特
定する情報(「状態」のフィールド)を記述するように
し、制御部13がこれらスイッチを所定順でオン制御す
るようにしてもよい。なお、図4において、[1]がオ
ン制御するスイッチを示し、[0]がオフ制御するスイ
ッチを示している。
【0037】また、図5に制御データDdおよびDgの
他の例を示すように、制御データDdおよびDgに接続
順を示す情報(「接続順」のフィールド)を記述し、制
御部13がこの接続順でスイッチをオン制御するように
してもよい。なお、図5においては、3回目は、スイッ
チSW3、SW4およびSW8をほぼ同時にオン制御す
る場合を示している。このようにオン制御するスイッチ
の接続順や接続回数を選択できるようにすれば、ユーザ
の設定に応じて起動時間を所望の時間に調整したり、可
変容量部11dおよび11gの容量値が、所望の容量値
に至るまでのスイッチの接続回数を減らして起動時間を
さらに短くしてみる、といった設定が可能となる。この
場合、接続する容量素子をユーザが任意に設定できるの
で、容量素子Cd1〜Cd5の容量や、容量素子Cg1
〜Cg5の容量をそれぞれ異なる値にしておけば、これ
ら容量素子の組み合わせに応じて負荷容量を様々な値に
設定でき、発振周波数を細かく調整することが可能とな
る。
【0038】(2−2) 第2変形例 また、上述の実施形態においては、制御部13がスイッ
チSW1およびSW6から順にオン制御していく場合を
例に示したが、要は、発振起動時の振動子に負荷される
容量およびその変化量が電源電圧にリンギングが生じな
い程度に小さければよく、例えば一方の可変容量部のス
イッチを全てオン制御した後に他方の可変容量部のスイ
ッチをオン制御する、といった方法や、各可変容量部の
スイッチSWを交互にオン制御する、といった方法など
の様々な接続方法を適用することが可能である。また、
電源電圧にリンギングを生じさせない範囲で、一回に複
数のスイッチをオン制御するようにしてもよい。
【0039】また、本実施形態の容量素子Cd1〜Cd
5およびCg1〜Cg5の容量値は、同一の容量値でも
異なる容量値のものでもよいが、起動時の接続順として
は、容量値の少ないものから順に接続することが望まし
い。
【0040】(2−3) 第3変形例 上述の実施形態においては、制御部13が可変容量部1
1dおよび11gの容量を制御することによって、発振
起動時における振動子Xの負荷を小さくするとともに、
負荷が大きく変動する場合を回避している。ところで、
実際の発振器には、外部負荷の変動の影響が発振器に及
ばないようにしたり、大きな電力の信号を得るために緩
衝増幅器が置かれることが多い。しかしながら、発振起
動時においては、この緩衝増幅器の負荷が発振回路に悪
影響を及ぼし、発振器の起動時間を長くしてしまう一要
因となってしまうことがある。このため、図6に示すよ
うに、発振起動時は制御部13が緩衝増幅器30の動作
を停止制御し、発振が安定した後、つまり、スイッチS
W1〜SW10のうち指定されたスイッチを全てオン制
御した後に緩衝増幅器30を駆動させるようにすること
が望ましい。なお、緩衝増幅器30の前段にスイッチを
設け、発振起動時はこのスイッチによって緩衝増幅器3
0を振動子Xと切り離すようにしてもよい。
【0041】(2−4) 第4変形例 また、上述の実施形態においては、制御部13が分周信
号の立ち上がりを検出する毎にスイッチをオン制御する
場合について述べたが、本発明はこれに限らず、分周信
号の立ち下がり、または、分周信号の信号レベルが所定
レベルを越えた(または下回った)ことを検出する毎に
スイッチの制御を行うようにしてもよい。また、分周信
号または発振回路の出力信号をカウントするカウンタを
設け、カウント値が所定値に達する毎にスイッチをオン
制御するようにしてもよい。また、他の方法として、図
7に示すように、分周回路12に代えて、ローパスフィ
ルタ(LPF)31とコンパレータ32を設け、発振回
路の出力信号の平均信号レベルが所定レベル以上になっ
たことを検出することによって、安定に起動したことを
検出するようにしてもよい。この場合、ローパスフィル
タおよびコンパレータが請求項に示す動作検出手段に相
当する。
【0042】(2−5) 第5変形例 また、上述の実施形態においては、振動子Xの入出力側
に接続する容量を両方可変する場合について述べたが、
いずれか一方の容量だけを可変するようにしても同様の
効果を有する。また、複数の容量素子を選択的に接続す
ることによって容量を可変するようにしたが、可変容量
ダイオード(バリキャップ)を用いて容量を可変するよ
うにしてもよい。この場合、制御部13は、分周信号か
ら計測される時間間隔で可変容量ダイオードの制御電圧
を段階的に低くする制御を行うようにすればよい。
【0043】(2−6) 第6変形例 上述の実施形態においては、携帯電話、コンピュータ、
表示装置、リモートコントローラ、計測装置などの電子
機器に内蔵される圧電発振器に限定されず、リアルタイ
ムクロック、温度補償型発振器(TCXO)および電圧
制御型発振器(VCXO)に広く適用され、これらの出
力信号に基づいて動作する電子機器の起動時間の短縮化
を図ることができる。特に消費電力を低減するために、
受信動作を間欠的に行う間欠受信モードや、一部の機能
を一時的に停止させる節電モード、といった予め定めた
条件に従って発振器の一時停止と駆動とを行う動作モー
ドを有する携帯電話やPCなどの電子機器に本発明に係
る圧電発振器を用いれば、起動時間を短縮できる分だけ
実質的な駆動時間を短くでき、さらに低消費電力化を図
ることが可能となる。
【0044】
【発明の効果】上述したように本発明の圧電発振器は、
振動子に負荷する容量を大きくとる必要があっても、短
時間で起動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る圧電発振器の回路図
である。
【図2】 書き込み装置の概略構成を示す図である。
【図3】 制御部の発振起動処理を示すフローチャート
である。
【図4】 第1変形例に係る制御データを示す図であ
る。
【図5】 第1変形例に係る制御データを示す図であ
る。
【図6】 第3変形例に係る圧電発振器の回路図であ
る。
【図7】 第4変形例に係る圧電発振器の回路図であ
る。
【図8】 従来の圧電発振器の回路図である。
【図9】 携帯電話のブロック図である。
【図10】 圧電発振器の起動時における信号と電源電
圧の波形図である。
【符号の説明】
10……圧電発振器、 11d、11g……可変容量部、 12……分周回路(動作検出手段)、 13……制御部、 14……メモリ、 20……書き込み装置、 21……PC、 22……接続ユニット、 30……緩衝増幅器、 31……LPF、 32……コンパレータ、 A……帰還増幅回路、 T……起動時間、 X……振動子、 Dd、Dg……制御データ、 Rf……帰還抵抗、 IV……インバータ、 Cd0〜Cd5、Cg0〜Cg5……容量素子、 SW1〜SW10……スイッチ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子と、前記振動子を発振させる帰還
    増幅回路と、前記帰還増幅回路の入力側若しくは出力側
    の少なくともいずれかに接続される可変容量手段とを有
    する発振回路と、 前記発振回路が安定動作していることを検出する動作検
    出手段と、 前記可変容量手段の制御データを記憶する記憶手段と、 前記制御データに基づいて、前記安定動作検出手段の検
    出結果に基づく時間間隔で、前記可変容量手段の容量値
    を予め定めた最小容量値から予め定めた設定容量値にな
    るまで段階的に増やしていく制御手段とを備えることを
    特徴とする発振器。
  2. 【請求項2】 前記可変容量手段は、 容量値が前記最小容量値であって、前記振動子に常に接
    続された第1の容量素子と、 複数の第2の容量素子と、 前記制御手段の制御の下、前記複数の第2の容量素子を
    前記第1の容量素子にそれぞれ並列接続する複数のスイ
    ッチ手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の
    発振器。
  3. 【請求項3】 前記制御データは、 前記可変容量手段の容量値を設定容量値にするためにオ
    ン制御するスイッチ手段の数、またはオン制御するスイ
    ッチ手段を特定するためのデータであることを特徴とす
    る請求項2に記載の発振器。
  4. 【請求項4】 前記制御データは、前記可変容量手段の
    容量値を最小容量値から設定容量値まで段階的に増やし
    ていくために接続するスイッチ手段の接続順を特定する
    ためのデータであることを特徴とする請求項2に記載の
    発振器。
  5. 【請求項5】 前記最小容量値は、当該発振器の発振条
    件を満たす範囲で最も小さい容量値であることを特徴と
    する請求項1に記載の発振器。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、 前記制御データを外部から入力する入力手段と、 前記記憶手段に記憶された制御データを、前記入力手段
    を介して入力した新たな制御データに書き換える制御デ
    ータ書き換え手段とをさらに有することを特徴とする請
    求項1に記載の発振器。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の発振
    器を内蔵し、前記発振器の出力信号に基づいて動作する
    ことを特徴とする電子機器。
  8. 【請求項8】 前記電子機器は、予め定めた条件に従っ
    て少なくとも前記発振器の一時停止と駆動とを行う動作
    モードを有する電子機器であることを特徴とする請求項
    7に記載の電子機器。
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