JP2003050322A - スラント型短周期光ファイバグレーティング、光増幅器モジュール及び光通信システム - Google Patents

スラント型短周期光ファイバグレーティング、光増幅器モジュール及び光通信システム

Info

Publication number
JP2003050322A
JP2003050322A JP2001238170A JP2001238170A JP2003050322A JP 2003050322 A JP2003050322 A JP 2003050322A JP 2001238170 A JP2001238170 A JP 2001238170A JP 2001238170 A JP2001238170 A JP 2001238170A JP 2003050322 A JP2003050322 A JP 2003050322A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
fiber grating
optical
period
type short
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001238170A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Sakamoto
明 坂元
Satoshi Okude
聡 奥出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2001238170A priority Critical patent/JP2003050322A/ja
Publication of JP2003050322A publication Critical patent/JP2003050322A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】クラッドモードへの結合が離散的になることに
起因する透過スペクトルのリップルの発生を防止して、
滑らかな透過特性を有するスラント型短周期光ファイバ
グレーティングを提供する。 【解決手段】高屈折率部3は、コア1を横切るように、
かつコア1の中心軸Bに直交せず、斜めに形成され、複
数の高屈折率部3は、光ファイバの長手方向にそって互
いに平行に配置されている。このスラント型短周期光フ
ァイバグレーティングは、クラッド直径aを通常の光フ
ァイバの外径である125μmより大きくしてクラッド
2が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバグレー
ティングに関し、特に、短周期光ファイバグレーティン
グにおいて、反射光の多重反射を防止することを目的と
したスラント型短周期光ファイバグレーティングに関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ファイバを用いて作製される光フィル
タの一例として、光ファイバグレーティングがある。通
常この光ファイバグレーティングとは、光ファイバの光
が伝搬する領域に所定の周期で屈折率変化を形成したも
のである。この屈折率変化の周期をグレーティング周期
という。この光ファイバグレーティングは、グレーティ
ング周期によって2つに分類することができる。その1
つは、グレーティング周期が数百μm程度の長周期光フ
ァイバグレーティング(以下「LPG」と略記する)で
ある。LPGでは、屈折率が変化しているグレーティン
グ部において、入射光のうち所定の波長帯域の光が、入
射光と同じ方向に進行する前進クラッドモードと結合す
るため、LPGを用いると、この波長帯域について透過
損失を有する透過光が得られる。もう一つは、グレーテ
ィング周期が、使用波長帯の1/3程度である短周期光
ファイバグレーティング(以下「SPG」と略記する)
である。SPGでは、入射光のうち所定の波長帯域の光
が、入射光と逆方向に進行する導波モード(以下「反射
モード」と略記する)、及び入射光と逆方向に進行する
後進クラッドモードと結合するため、SPGを用いる
と、この波長帯域について透過損失を有する透過光が得
られる。
【0003】LPGにおいては、信号光波形の劣化の原
因となる、透過スペクトルのリップルが存在しないとい
う利点がある。この透過スペクトルのリップルとは、透
過光の波長を横軸に、透過率を縦軸にとったときの、透
過光の波長スペクトルにおける透過率の微小な変動をい
う。そのため、LPGは、滑らかな透過特性が得られ
る。また、前進クラッドモードとの結合を用いるため、
反射光が殆んど存在しないことも利点の一つである。し
かし、透過特性の調整が困難で、所望の透過特性を得が
たいという欠点がある。これに対し、SPGでは、反射
モードとの結合を利用しているため、グレーティング周
期やグレーティング部の屈折率変動量などを調整するこ
との他、グレーティング周期を光ファイバの長手方向に
そって徐々に拡大又は縮小させて変化させたチャープ型
光ファイバグレーティングを用いることによって、損失
光の波長帯域を広くしたり、損失光の強度を調整するこ
とができ、比較的自由に所望の透過特性を実現すること
ができる。
【0004】しかし、反射モードを利用すると、反射光
が再びグレーティング部を通るため多重反射が生じ、そ
の結果、透過スペクトルのリップルを生じ、滑らかな特
性が得られないという問題がある。また、反射光が大き
いことも問題となる。そこで、SPGの利点である設計
の自由度を生かし、かつ透過スペクトルのリップルを生
じにくいスラント型短周期光ファイバグレーティングが
開発されている。このスラント型短周期光ファイバグレ
ーティングとは、コアの中心軸に対して斜めにグレーテ
ィングが形成された光ファイバグレーティングである。
通常のSPGでは、光の進行方向に対して垂直にグレー
ティングが形成されているため、図12に示すように、
反射モードへの結合に比べて後進クラッドモードへの結
合が小さいのに対して、スラント型短周期光ファイバグ
レーティングでは、グレーティング部において反射され
た光の一部はクラッドに放射され、後進クラッドモード
と結合する。また、スラント型にすることで、反射モー
ドとの結合が小さくなり、多重反射が生じにくくなる。
従って、透過スペクトルのリップルの強度を小さくする
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スラント型短
周期光ファイバグレーティングにおいて、透過スペクト
ルのリップルが生じる原因は、上述した多重反射のみで
はなく、クラッドモードが離散的な値をとることも原因
の一つであることがわかっている。図13に、クラッド
直径が125μmの光ファイバを用いて光ファイバグレ
ーティングを形成したときの導波モードと、クラッドモ
ードとの結合定数を示している。ただし、値は最大値で
規格化してある。ここで、結合定数とは、グレーティン
グの存在により、あるモードから異なるモードへ結合す
る割合を示した量であり、ここでは入射光である導波モ
ードと後進クラッドモードとの結合度合いとなる。図1
3において、プロットAは、クラッドモードのうち奇モ
ードと結合する場合であり、プロットBは偶モードと結
合する場合である。奇モードと偶モードへの結合は、光
ファイバ中で同時に起こるので、ここでは奇モードと偶
モードをわけて考える必要はない。グレーティング周期
が一定であっても、ファイバグレーティング長が短いと
きは、個々のクラッドモードへの結合帯域が広いため、
その重ね合わせである全体の透過スペクトルは滑らかと
なる。しかし、ファイバグレーティング長が長くなるに
伴って、各クラッドモードへの結合がより選択的となる
ため、各クラッドモードへの結合が分離し、その結果透
過スペクトルにリップルが生じる。
【0006】図14に、クラッドの直径が125μmの
光ファイバを用いた均一周期スラント型短周期光ファイ
バグレーティングを、ファイバグレーティング長が1m
m、2mm、4mmとなるように作製した場合の透過ス
ペクトルを示している。ファイバグレーティング長が1
mmの場合は透過スペクトルのリップルはなく、滑らか
な特性であるのに対し、ファイバグレーティング長が2
mm、4mmと長くなるにつれて、各クラッドモードへ
の結合帯域が狭くなり、透過スペクトルのリップルが大
きくなる。透過損失を大きくするためには、ファイバグ
レーティング長を長くすることが必要があるが、ファイ
バグレーティング長を長くするに伴って、上述した透過
スペクトルのリップルを生じることが問題となってい
た。また、グレーティング周期が徐々に変化するチャー
プ型短周期光ファイバグレーティングにおいても、ファ
イバグレーティング長を長くするに伴って、透過スペク
トルのリップルを生じることは同様であった。本発明
は、このような問題点を考慮してなされたもので、クラ
ッドモードへの結合が離散的になることに起因する透過
スペクトルのリップルの発生を防止して、滑らかな透過
特性を有するスラント型短周期光ファイバグレーティン
グを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、光ファイバの長手方向に
そって周期的に屈折率変化を持たせて回折格子を形成
し、この回折格子の格子ベクトルが光ファイバの長手方
向に対して傾斜角度を持つようにしてファイバグレーテ
ィング部が形成されたスラント型短周期光ファイバグレ
ーティングにおいて、クラッドの最外郭直径を125μ
mより大きくすることにより、透過スペクトルのリップ
ルの発生を抑制したことを特徴とするスラント型短周期
光ファイバグレーティングである。請求項2記載の発明
は、請求項1記載の発明において、前記ファイバグレー
ティング部の長さを1.2mm以上として、ファイバグレ
ーティング部の長さを長くしても透過スペクトルのリッ
プルの発生を抑制できることを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、光ファイバのコア及びクラッドが石
英系ガラスにより形成されていることを特徴とする。請
求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明におい
て、前記クラッドの最外層が樹脂によって形成され、使
用波長帯域での該樹脂の屈折率が、石英系ガラスの屈折
率よりも大きいことを特徴とする。
【0009】請求項5記載の発明は、請求項1、2、3
又は4記載の発明において、前記ファイバグレーティン
グ部の屈折率変化の周期が均一であることを特徴とす
る。請求項6記載の発明は、請求項1、2、3又は4記
載の発明において、前記ファイバグレーティング部の屈
折率変化の周期が光ファイバの長手方向にそって徐々に
変化するチャープ型光ファイバグレーティングであるこ
とを特徴とする。
【0010】請求項7記載の発明は、請求項1から6記
載のスラント型短周期光ファイバグレーティングと光増
幅器とからなることを特徴とする光増幅器モジュールで
ある。請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明にお
いて、前記光増幅器はエルビウム添加光ファイバ増幅器
であることを特徴とする。請求項9記載の発明は、請求
項7又は8記載の光増幅器モジュールを組み込んだこと
を特徴とする光通信システムである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1に、本発明のスラント型短周期光ファイバグレーテ
ィングの例を示している。図1は、この例のスラント型
短周期光ファイバグレーティングの側断面図である。図
1中、符号1はコアであり、このコア1の周囲にコア1
よりも屈折率の小さいクラッド2が設けられている。コ
ア1とクラッド2とは石英系ガラスからなり、コア1に
は特定波長の紫外光を照射することによって石英系ガラ
スの屈折率を上昇させるために、光感受性のドーパント
が添加され、このドーパントとして通常ゲルマニウムが
用いられる。このゲルマニウムを添加した石英系ガラス
に、位相マスクを介してコア1の長手方向にそって所定
の周期で波長240nm付近の紫外光を照射して、紫外
光が照射された部分のコア1の屈折率を上昇させ、複数
の高屈折率部3が配列されたグレーティング部4が形成
されている。この高屈折率部3は、コア1を横切るよう
に、かつコア1の中心軸Bに直交せず、斜めに形成さ
れ、複数の高屈折率部3は、長手方向にそって互いに平
行に配置されている。
【0012】この高屈折率部3に直交する線Aの方向を
グレーティングの格子ベクトル方向という。この格子ベ
クトル方向とコア1の中心軸との角度θをスラント角と
いい、このスラント角によって高屈折率部3の傾きの大
きさを表す。このスラント型短周期光ファイバグレーテ
ィングにおいては、入射光5のうち、グレーティング部
4で反射された光の一部はクラッド2への放射光6とな
り、後進クラッドモードと結合する。また、スラント角
を適切に設定することにより、コア1を逆行する反射モ
ードとの結合が小さくなり、多重反射が生じにくくな
る。本発明のスラント型短周期光ファイバグレーティン
グのこの例では、クラッドの最外郭直径dを通常の光フ
ァイバの外径である125μmより大きくしてクラッド
2が形成されている。このようにクラッド直径を大きく
してクラッド2を形成する理由について、以下に説明す
る。
【0013】図2に、同一構造のコアを有する光ファイ
バを用いたスラント型短周期光ファイバグレーティング
について、クラッド直径を変化させた場合のクラッドモ
ードへの結合定数を示している。図2(a)はクラッド
直径が125μm、図2(b)はクラッド外径が250
μm、図2(c)はクラッド直径が400μmの場合で
ある。図2中、各○印が一つのクラッドモードを表して
いる。図2からわかるように、クラッド直径を大きくす
ることで、結合の形状は変えないでモード結合の間隔を
狭くすることができる。このように、クラッドモードへ
の結合の間隔を狭くすることにより、クラッドモードが
離散的であることに起因する透過損失スペクトルのリッ
プルの発生を抑制することができる。図3、4、5に
は、クラッド直径が異なる光ファイバを用いて、単一周
期のスラント型短周期光ファイバグレーティングを作製
し、ファイバグレーティング長を変化させたときの光フ
ァイバグレーティングの透過損失スペクトルを示してい
る。
【0014】図3は、クラッド直径を125μmとし、
ファイバグレーティング長を(a)は1mm、(b)は
2mm、(c)は3mm、(d)は4mmとしたときの
透過損失スペクトルを示している。同様に、図4は、ク
ラッド直径を250μmとし、ファイバグレーティング
長を(a)は1mm、(b)は2mm、(c)は3m
m、(d)は4mmとしたときの透過損失スペクトルを
示し、図5は、クラッド直径を400μmとし、ファイ
バグレーティング長を(a)は1mm、(b)は2m
m、(c)は3mm、(d)は4mmとしたときの透過
損失スペクトルを示している。図3からわかるように、
クラッド直径が125μmでは、ファイバグレーティン
グ長が1mmのときにはリップルを生じないが、クラッ
ド直径が2mmより大きいときはリップルを生じてい
る。また、図4から、クラッド直径が250μmでは、
ファイバグレーティング長が2mmより小さいときには
リップルを生じないが、クラッド直径が3mmより大き
いときはリップルを生じていることがわかる。さらに、
図5から、クラッド直径が400μmでは、ファイバグ
レーティング長が3mmより小さいときにはリップルを
生じず、クラッド直径が4mmになってはじめてリップ
ルを生じていることがわかる。
【0015】図6には、図3、4、5に示したファイバ
グレーティング長と透過スペクトルのリップルとの関係
について、横軸をファイバグレーティング長、縦軸をリ
ップルの大きさとし、クラッド直径(図中dで示す)を
変化させたときの関係を示している。ここで、リップル
の大きさとは、透過スペクトルを滑らかな曲線で近似
し、この近似曲線からの透過率のずれ量の振幅の最大値
を最大透過損失で規格化したものを意味する。そのた
め、リップルの大きさが0とは、各クラッドモードへの
結合が重なってリップルを生じない状態であるのに対し
て、リップルの大きさが1とは、各クラッドモードへの
結合が完全に分離してリップルが最大となっている状態
である。図6より、ファイバグレーティング長を長くし
てもリップルの発生を抑制するためには、クラッド直径
を大きくすることが効果的であることがわかる。実質的
にリップルの影響を受けないで光ファイバグレーティン
グを使用できるためには、リップルの大きさが0.05以下
であることが必要であるとして、リップルの大きさが0.
05となるときのファイバグレーティングの長さを、各ク
ラッド直径の大きさについてプロットした結果を図7に
示す。図7に示すように、リップルの影響を受けないス
ラント型短周期光ファイバグレーティングの、ファイバ
グレーティング長とクラッド直径との関係は、ほぼ線形
となり、クラッド外径を大きくすることにより、リップ
ルを発生させることなくファイバグレーティング長を長
くすることができる。図7からわかるように、クラッド
直径を125μm以上とすることで、ファイバグレーテ
ィング長を1.2mm以上としてもリップルの発生を抑え
て滑らかな透過特性を持つスラント型短周期光ファイバ
グレーティングを実現することができる。
【0016】次に、チャープ型光ファイバグレーティン
グの場合について説明する。図8に、グレーティング部
の屈折率変化の周期が線形に変化するチャープ型光ファ
イバグレーティングについて、屈折率変化の周期の変化
率(以下「チャープ率」と略記する)に対するリップル
の大きさを、クラッド直径(図中dで示す)を変えた場
合について示している。ファイバグレーティング長はす
べて10mmとしている。図8からわかるように、リッ
プルの大きさはチャープ率には殆んど依存せず、クラッ
ド直径に依存している。図9に、クラッド直径と図8に
示したリップルの大きさの平均値を示している。図9か
らわかるように、チャープ型光ファイバグレーティング
においても、クラッド直径を125μmより大きくする
ことでリップルの発生を抑制することができる。この例
のスラント型短周期光ファイバグレーティングによる
と、クラッド直径を125μmより大きくすることによ
り、ファイバグレーティング長を長くして透過損失量を
大きくしても、透過スペクトルのリップルの発生を抑制
して滑らかな透過特性を有し、信号光波形の劣化を防止
することができるスラント型短周期光ファイバグレーテ
ィングを実現することができる。
【0017】次に、本発明のスラント型短周期光ファイ
バグレーティングの製造方法について説明する。本発明
のスラント型短周期光ファイバグレーティングは、クラ
ッド直径を、通常の光ファイバのクラッド直径である1
25μmより大きくするものであるが、その方法とし
て、例えば、以下の方法がある。まず、第1の方法は、
光ファイバの線引き工程において、光ファイバの線引き
速度や引っ張り張力を調整し、125μmより大きいク
ラッド直径を形成する方法である。この製造方法による
と、特定のクラッド直径の光ファイバを大量に生産する
ことができ、既存の装置を用いて作製できるため、製品
価格を低く抑えることができる。この製造方法で製造さ
れた光ファイバを用いてスラント型短周期光ファイバグ
レーティングを製造すると、コア及びクラッドがすべて
石英系ガラスで形成される。次に、第2の方法は、既に
線引きされたクラッド直径125μmの光ファイバのク
ラッドの周囲に、例えば樹脂により新たにクラッド層を
設ける方法である。この新たに設けられるクラッド層の
材料は、樹脂に限定されるものではなく、使用波長にお
ける屈折率が、すでに設けられている石英ガラスからな
るクラッド層の屈折率よりも大きいものであれば、他の
ものであってもよい。以上、2つの製造方法について説
明したが、これらの製造方法に限定されるものではな
く、実質的に上述した透過特性が得られる光ファイバグ
レーティングが製造できれば、他の製造方法によっても
よい。
【0018】次に、本発明の光増幅器モジュールの例に
ついて説明する。この例は、上述したスラント型短周期
光ファイバグレーティングを、例えばエルビウム添加光
ファイバ増幅器等の光増幅器による増幅光の波長依存性
を平坦化するための利得等化器として用い、この光増幅
器とスラント型短周期光ファイバグレーティングとを組
み合わせて光増幅器モジュールを形成したものである。
図10に、光増幅器としてエルビウム添加光ファイバ増
幅器を用いた場合の、本発明の光増幅器モジュールの例
の構成を示す。図10中、符号11は信号光を伝送する
光伝送路を示す。この光伝送路11は、WDMカプラ1
2の入力ポートに接続されている。このWDMカプラ1
2の他の入力ポートには、励起光源13が接続され、W
DMカプラ12の出力ポートは、利得媒体であるエルビ
ウム添加光ファイバ(以下「EDF」と略記する)14
の一端に接続されている。このEDF14の他端は、ス
ラント型短周期光ファイバグレーティング15に接続さ
れている。この例において、各光部品間の接続は融着接
続によって行われている。光伝送路11から送られる信
号光は、WDMカプラ12において励起光源13からの
励起光と合波され、EDF14の一端に入力されて光増
幅される。この増幅光は、スラント型短周期光ファイバ
グレーティング15によって利得等化され、光伝送路1
1に出力される。本発明のスラント型短周期光ファイバ
グレーティングは、上述したように、透過スペクトルの
リップルの発生を抑制して滑らかな透過特性を有してい
ることに加え、光の反射量が少なく、設計自由度が大き
いため、所望の透過特性が得られやすいことから、光増
幅器の利得を等化するための利得等化器として有効であ
る。なお、以上の説明においては、光増幅器としてエル
ビウム添加光ファイバ増幅器を用いた場合について説明
したが、光増幅器の種類はこれに限定されるものではな
く、必要に応じて他の光増幅器であってもよい。この例
の光増幅器モジュールによると、透過スペクトルのリッ
プルを抑制して滑らかな透過特性が得られるスラント型
短周期光ファイバグレーティングで利得等化を行うた
め、利得の平坦化を有効に行うことができ、長周期光フ
ァイバグレーティングやエタロンに比べて設計自由度が
高いため、利得等化時の利得残差の小さい光増幅器モジ
ュールを実現することができる。
【0019】次に、本発明の光通信システムの例につい
て説明する。この例の光通信システムは、光送信部と光
受信部とが光伝送路で接続され、この光伝送路途中に、
上述の光増幅器モジュールが設けられている。図11に
本発明の光通信システムの例の構成を示す。図11中、
符号20は光通信システムであり、符号21は光送信
部、符号22は光受信部である。この光送信部21と光
受信部22とは、光伝送路11で接続されている。光伝
送路11の途中には、本発明の光増幅器モジュール10
が多段に直列接続されている。長距離光通信システムに
おいては、一定の中継間隔でエルビウム添加光ファイバ
増幅器等の光増幅器が多段に直列に接続され、送信側か
らの光を繰り返し増幅して受信側に送るため、光通信シ
ステム全体の利得残差は、個々の光増幅器モジュールの
利得残差が蓄積されたものとなる。長周期光ファイバグ
レーティングやエタロンを利得等化器として光増幅器モ
ジュールを構成した場合、スラント型短周期光ファイバ
グレーティングを用いた場合よりも利得残差が大きく、
かつ利得残差の形状は個々の光増幅器モジュールで同じ
となるため、光増幅器モジュールを多段に接続した場
合、光通信システム全体の利得残差は光増幅器モジュー
ルの接続の個数分だけ蓄積されてしまう。そのため、個
々の光増幅器用の利得等化器の他に、10〜20個の光
増幅器ごとに、蓄積された利得残差を平坦化するための
集中利得等化器が必要であった。これに対し、この例の
光通信システムによると、本発明のスラント型短周期光
ファイバグレーティングを利得等化器として用いた光増
幅器モジュールを光通信システムに組み込むことによ
り、利得残差を低減し、集中利得等化器を設ける数を大
幅に減らすことができるため、信号光強度が均等で、部
品点数を低減した光通信システムを実現することができ
る。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
クラッド直径を125μmより大きくすることにより、
ファイバグレーティング長を長くして透過損失量を大き
くしても、透過スペクトルのリップルの発生を抑制して
滑らかな透過特性を有し、信号光波形の劣化を防止する
ことができるスラント型短周期光ファイバグレーティン
グを実現することができる。また、透過スペクトルのリ
ップルを抑制して滑らかな透過特性が得られるスラント
型短周期光ファイバグレーティングで利得等化を行うた
め、利得の平坦化を有効に行うことができ、利得等化時
の利得残差の小さい光増幅器モジュールを実現すること
ができる。さらに、スラント型短周期光ファイバグレー
ティングを利得等化器として用いた光増幅器モジュール
を光通信システムに組み込むことにより、利得残差を低
減し、集中利得等化器を設ける数を大幅に減らすことが
でき、信号光強度が均等で、部品点数を低減した光通信
システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスラント型短周期光ファイバグレーテ
ィングの側断面図である。
【図2】同一構造のコアを有する光ファイバを用いたス
ラント型短周期光ファイバグレーティングについて、ク
ラッド直径を変化させた場合のクラッドモードへの結合
定数を示した図である。
【図3】クラッド直径が125μmの単一周期のスラン
ト型短周期光ファイバグレーティングについて、ファイ
バグレーティング長を変化させたときの光ファイバグレ
ーティングの透過損失スペクトルを示す図である。
【図4】クラッド直径が250μmの単一周期のスラン
ト型短周期光ファイバグレーティングについて、ファイ
バグレーティング長を変化させたときの光ファイバグレ
ーティングの透過損失スペクトルを示す図である。
【図5】クラッド直径が400μmの単一周期のスラン
ト型短周期光ファイバグレーティングについて、ファイ
バグレーティング長を変化させたときの光ファイバグレ
ーティングの透過損失スペクトルを示す図である。
【図6】ファイバグレーティング長と透過スペクトルの
リップルの大きさとの関係を示す図である。
【図7】リップルの大きさが0.05以下となるときの、ク
ラッド直径とファイバグレーティング長との関係を示す
図である。
【図8】チャープ型光ファイバグレーティングについ
て、チャープ率に対するリップルの大きさを、クラッド
直径を変えた場合について示した図である。
【図9】チャープ型光ファイバグレーティングについ
て、クラッド直径とリップルの大きさの平均値との関係
を示した図である。
【図10】本発明の光増幅器モジュールの例を示す図で
ある。
【図11】本発明の光通信システムの例を示す図であ
る。
【図12】スラント角が0°の場合のスラント型短周期
光ファイバグレーティングのモード結合の様子を示す図
である。
【図13】クラッド直径が125μmのスラント型短周
期光ファイバグレーティングのクラッドモードへの結合
定数を示す図である。
【図14】クラッド直径が125μmのスラント型短周
期光ファイバグレーティングについて、ファイバグレー
ティング長が変化したときの透過損失を示す図である。
【符号の説明】
1…コア、2…クラッド、3…高屈折率部、4…ファイ
バグレーティング部、10…光増幅器モジュール、15
…スラント型短周期光ファイバグレーティング、20…
光通信システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA02 AA06 AA44 AA45 AA50 AA52 AA59 AA62 2H050 AB03Y AB05X AB42Y AC14 AC82 AC84 AD00 5F072 AB09 AK06 JJ20 KK30 PP07 YY17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバの長手方向にそって周期的に
    屈折率変化を持たせて回折格子を形成し、この回折格子
    の格子ベクトルが光ファイバの長手方向に対して傾斜角
    度を持つようにしてファイバグレーティング部が形成さ
    れたスラント型短周期光ファイバグレーティングにおい
    て、 クラッドの最外郭直径を125μmより大きくすること
    により、透過スペクトルのリップルの発生を抑制したこ
    とを特徴とするスラント型短周期光ファイバグレーティ
    ング。
  2. 【請求項2】 前記ファイバグレーティング部の長さが
    1.2mm以上であることを特徴とする請求項1記載のス
    ラント型短周期光ファイバグレーティング。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバのコア及びクラッドが石
    英系ガラスにより形成されていることを特徴とする請求
    項1又は2記載のスラント型短周期光ファイバグレーテ
    ィング。
  4. 【請求項4】 前記クラッドの最外層が樹脂によって形
    成され、使用波長帯域での該樹脂の屈折率が、石英系ガ
    ラスの屈折率よりも大きいことを特徴とする請求項1又
    は2記載のスラント型短周期光ファイバグレーティン
    グ。
  5. 【請求項5】 前記ファイバグレーティング部の屈折率
    変化の周期が均一であることを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載のスラント型短周期光ファイバグレー
    ティング。
  6. 【請求項6】 前記ファイバグレーティング部の屈折率
    変化の周期が光ファイバの長手方向にそって徐々に変化
    するチャープ型光ファイバグレーティングであることを
    特徴とする請求項1、2、3又は4記載のスラント型短
    周期光ファイバグレーティング。
  7. 【請求項7】 請求項1から6記載のスラント型短周期
    光ファイバグレーティングと光増幅器とからなることを
    特徴とする光増幅器モジュール。
  8. 【請求項8】 前記光増幅器はエルビウム添加光ファイ
    バ増幅器であることを特徴とする請求項7記載の光増幅
    器モジュール。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の光増幅器モジュー
    ルを組み込んだことを特徴とする光通信システム。
JP2001238170A 2001-08-06 2001-08-06 スラント型短周期光ファイバグレーティング、光増幅器モジュール及び光通信システム Withdrawn JP2003050322A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001238170A JP2003050322A (ja) 2001-08-06 2001-08-06 スラント型短周期光ファイバグレーティング、光増幅器モジュール及び光通信システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001238170A JP2003050322A (ja) 2001-08-06 2001-08-06 スラント型短周期光ファイバグレーティング、光増幅器モジュール及び光通信システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003050322A true JP2003050322A (ja) 2003-02-21

Family

ID=19069134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001238170A Withdrawn JP2003050322A (ja) 2001-08-06 2001-08-06 スラント型短周期光ファイバグレーティング、光増幅器モジュール及び光通信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003050322A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011122566A1 (ja) * 2010-03-30 2011-10-06 株式会社フジクラ 光強度モニタ回路、およびファイバレーザシステム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011122566A1 (ja) * 2010-03-30 2011-10-06 株式会社フジクラ 光強度モニタ回路、およびファイバレーザシステム
CN102844942A (zh) * 2010-03-30 2012-12-26 株式会社藤仓 光强度监控电路以及光纤激光器系统
JP5276749B2 (ja) * 2010-03-30 2013-08-28 株式会社フジクラ 光強度モニタ回路、およびファイバレーザシステム
US9234792B2 (en) 2010-03-30 2016-01-12 Fujikura Ltd. Light intensity monitor capable of detecting light intensity and fiber breaking

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3593246B2 (ja) 光導波路を含む物品
EP1569020B1 (en) Optical multiplexing method and optical multiplexer, and optical amplifier using the same
JP3912009B2 (ja) 分散補償ファイバ
KR20040047871A (ko) 다중모드 섬유 레이저 격자
US6327403B1 (en) Reducing mode interference in transmission of LP02 Mode in optical fibers
EP1489444A2 (en) Higher order mode dispersion compensating fiber and mode converter for higher order fiber
JPH0580230A (ja) フアイバオプテイツク・フイルタ構造
US11402585B2 (en) Optical connection structure
US20120219301A1 (en) Low-loss, low-latency, hollow core fiber communication system
EP1113314A1 (en) Optical fiber
US6574393B2 (en) Compact optical fiber amplifier module
JPH11344620A (ja) 広帯域長周期格子
CN210518339U (zh) 一种光纤传输模式控制装置
US6724964B2 (en) Optical waveguide exhibiting strongly positive dispersion, and system utilizing same
CN111769872A (zh) 一种全光纤色散调节方法及全光纤色散管理器件
Mukasa et al. Hollow core fiber cable technologies
JP2003050322A (ja) スラント型短周期光ファイバグレーティング、光増幅器モジュール及び光通信システム
EP1087548B1 (en) Use of mode-coupled optical fiber in communications systems
JP3271886B2 (ja) 光減衰性光ファイバ
KR20050092286A (ko) 고차 모드 제거 필터링 기능을 갖는 단일모드 광섬유 구조
Mukasa Hollow Core Fiber Cable
JP4421143B2 (ja) 偏波面保持型光ファイバグレーティング、光モジュール及び光通信システム
WO2001098803A1 (fr) Selecteur de mode oblique a courte periode
JP7387149B2 (ja) 傾斜利得等化器
JP2003302547A (ja) 光ファイバ、スラント型光ファイバグレーティング、帯域阻止光フィルタ、光増幅器用利得等化光フィルタおよび光増幅器モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081007