JP2003049182A - 乳化状燃料およびその製造方法 - Google Patents

乳化状燃料およびその製造方法

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JP2003049182A JP2002163558A JP2002163558A JP2003049182A JP 2003049182 A JP2003049182 A JP 2003049182A JP 2002163558 A JP2002163558 A JP 2002163558A JP 2002163558 A JP2002163558 A JP 2002163558A JP 2003049182 A JP2003049182 A JP 2003049182A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水分含有量が多くて長期の保存に耐える安定
した乳化状燃料を提供する。 【解決手段】二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン化
物鉱物及びこれらの鉱物のうちのいずれか1種または岩
石の粉体の成型体を熱処理して得たセラミックスを浸漬
した20〜70容量部の疎水性液体燃料Fと80〜30
容量部の水Wとを、共に混合装置Mに導入して、5マイ
クロメートル以下の大きさのクラスターの状態で互いに
混ざり合わせて、この混合物を高周波発生装置Hに通し
て乳化状の燃料EFとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水を含有する乳化状
の燃料およびその製造方法、詳しくは疎水性液体燃料と
水とが共に微細なクラスターを形成して互いに乳化状に
混合されている燃料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、燃焼炉のような外燃機関で石油や
石炭を燃焼させる場合、大気汚染の防止および経済性向
上のために水をその外燃機関内に吹き込んでいたが、こ
の水の量は石油や石炭の量の10〜30容量%程度と少
なく、また、界面活性剤が使用されると、火炎温度が1
300℃という高温になる結果、ボイラーやバーナーチ
ップ等の燃焼機器や燃焼部材が損傷されて、それらの寿
命が著しく短縮するという問題があった。
【0003】また、ガソリンまたは軽油等を燃焼させる
内燃機関においても、燃焼シリンダー内に水を霧状に噴
射させて水をガソリンまたは軽油等と共に燃焼させるこ
とが試みられてきたけれども、未だそれが一般に実用化
されるほどの技術は確立されていない。
【0004】これらの方法では、水を燃料と共に燃焼さ
せるに当たって、両者を別々に燃焼機関に導入するか、
あるいはその導入の直前にその場で混合して燃焼機関に
導入するので、いずれも、そのための特別な装置や設備
を必要とするという問題もあった。
【0005】一方、石油等の疎水性の液体燃料に予め水
を混合させておくやり方として、界面活性剤を使用する
方法も試みられたが、この界面活性剤の作用によって両
者は一時的には互いに混ざり合っても、長期間安定な混
合状態を保持できる燃料を得ることはできず、また、界
面活性剤を使用して水と混合させた重油等の液体燃料を
燃焼させた場合には、重油だけを燃焼させる一般の場合
の1000℃前後という火炎温度が1200〜1300
℃に上昇する結果、前述のように、ボイラーやバーナー
チップ等の燃焼機器や燃焼部材が損傷して、それらの寿
命が著しく短縮されるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】それで、液体燃料およ
び水を別々に燃焼機関内に導入するための機器や部材を
必要としないで、従来の燃焼機関にそのまま適用でき
る、水分含有量が多く、しかも安定した乳化状の混合状
態を長期間保持できる液体燃料と水との混合燃料の開発
が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の状況
に鑑みて種々研究を重ねた結果、二酸化珪素鉱物、珪酸
塩鉱物、ハロゲン化物鉱物およびこれらの鉱物のうちの
いずれか1種または2種以上を含む岩石から選ばれる1
種または2種以上の鉱物および/または岩石の粉体の粒
度分布における中央値が2マイクロメートル以下、特に
1マイクロメートル以下である前記粉体の成形体に熱処
理が施されて生成したセラミックスを疎水性液体燃料の
中に浸漬し、一方、前記粉体と炭素質材料の微粉末との
混合物の粒度分布における中央値が2マイクロメートル
以下、特に1マイクロメートル以下である前記混合物の
成形体に熱処理が施されて生成したセラミックスを水の
中に浸漬し、ついでこれらの浸漬後の疎水性液体燃料お
よび水をそれぞれ20〜70容量部および80〜30容
量部の割合で混合装置に導入して両者を互いに混合し、
そしてこの混合物を高周波発生装置に通すと、疎水性液
体燃料と水とが共に5マイクロメートル以下の大きさの
クラスターまで微細化されて両者が互いに親密に混ざり
合う結果、均質で極めて安定な乳化状燃料が得られ、そ
してこの乳化状燃料は空気の供給を少なくしても、ある
いは空気の供給を遮断しても完全な燃焼を示すこと、を
見い出した。
【0008】本発明はこのような知見に基づいて発明さ
れたもので、 1.20〜70容量部の割合の疎水性液体燃料と80〜
30容量部の割合の水とが共に5マイクロメートル以下
の大きさのクラスターの状態で互いに混ざり合っている
乳化状燃料、および
【0009】2.二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲ
ン化物鉱物およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種ま
たは2種以上を含む岩石から選ばれる1種または2種以
上の鉱物および/または岩石の粉体の粒度分布における
中央値が2マイクロメートル以下である前記粉体の成形
体に熱処理が施されて生成したセラミックスを疎水性液
体燃料の中に浸漬し、一方、前記粉体と炭素質材料の微
粉末との混合物の粒度分布における中央値が2マイクロ
メートル以下である前記混合物の成形体に熱処理が施さ
れて生成したセラミックスを水の中に浸漬し、ついでこ
れらの浸漬後の疎水性液体燃料および水をそれぞれ20
〜70容量部および80〜30容量部の割合で混合装置
に導入して両者を混合し、そしてこの混合物を高周波発
生装置に通すことを特徴とする上記1記載の乳化状燃料
の製造方法、に係わるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で原料として用いられる疎
水性の液体燃料としてはガソリン、灯油、軽油および重
油、あるいは原油のような石油系の液体燃料ばかりでな
く、例えば、コールタールから分離された液体留分や石
炭の液化から得られた留分のような石炭系液体燃料およ
び動植物に由来する油脂や様々な合成方法によって生成
したアルコールのような有機物質を包含する可燃性物質
であってよい。また、この液体燃料は、低温または常温
においてペースト状ないしグリース状を呈するものであ
ってもよく、そして本発明の乳化状燃料もこのような状
態になっているものであってもよい。
【0011】本発明で原料として用いられる水は、軟水
および硬水等の一般に入手できるどのような水でも原則
として採用できるが、勿論、格別の不純物を含まない水
が好ましく、入手し易いという点から、例えば水道水が
好ましく使用される。
【0012】本発明の乳化状燃料では上記の疎水性液体
燃料と水とが共に5マイクロメートル以下という極めて
微細なクラスターとなって互いに混ざり合っており、こ
のような範囲のクラスターの大きさのうち、特に安定し
た混合状態を長期間持続させるという観点から、3マイ
クロメートル以下という範囲が好ましく選択され、この
クラスターが可能な限り小さくなればなるほど本発明燃
料の均質な乳化状態は長期間保持される。
【0013】また、互いに混ざり合っている疎水性液体
燃料と水とのクラスターの大きさの間に大きな隔たりが
なく、上記の範囲内でクラスターの大きさが互いに同程
度であればあるほど、すなわちそれらの大きさの違いが
小さくなればなるほど乳化状燃料の均質な乳化状態は長
期間保持され、本発明では一般に前記の大きさの範囲内
で両者のクラスターの大きさが揃った乳化状燃料が提供
される。
【0014】このクラスターの大きさは、例えば、従来
使われている酸化還元電位計、オシロスコープまたは核
磁気共鳴装置等によって測定される。
【0015】本発明の乳化状燃料においては、疎水性液
体燃料として軽油が使われる場合を例に挙げれば、軽油
の種類(組成)にもよるが、一般に28〜66容量部の
軽油と72〜34容量部の水、好ましくは38〜60容
量部の軽油と62〜40容量部の水とが混合され、この
場合、一般に軽油のクラスターは3〜1マイクロメート
ルであり、そして水のクラスターは3〜1マイクロメー
トルである。
【0016】本発明の燃料において水の割合を30容量
部未満にしても、すなわち疎水性液体燃料の割合が70
容量部を超えても、両者の混合状態に変わりはないもの
の、水を混入させたことによる前述および後述の技術的
効果並びに経済的な効果は低くなり、一方、水の割合を
80容量部より多くしても、すなわち疎水性液体燃料の
割合を20容量部未満にしてもその混合状態に変わりは
ないものの、燃焼温度(火炎温度)が低くなるところか
ら、疎水性液体燃料および水の割合をそれぞれ20〜7
0容量部および80〜30容量部と定めた。好ましく選
択される疎水性液体燃料および水の割合はそれぞれ35
〜60容量部および65〜40容量部である。
【0017】本発明の燃料は、添付図面の図1のブロッ
ク図に示されるように、水Wおよび疎水性液体燃料Fの
中に前記セラミックスをそれぞれ浸漬し、ついでこの浸
漬後の疎水性液体燃料および水を混合装置Mに導入して
両者を互いに混合し、そしてこの混合物を高周波発生装
置Hに通すという一連の工程を経て製造されるが、これ
のセラミックスは、前述の通り、二酸化珪素鉱物、珪酸
塩鉱物、ハロゲン化物鉱物およびこれらの鉱物のうちの
いずれか1種または2種以上を含む岩石から選ばれる1
種または2種以上の鉱物および/または岩石の粉体の粒
度分布における中央値が2マイクロメートル以下、特に
2マイクロメートル以下である前記粉体の成形体に熱処
理が施されて生成したセラミックス(以下、セラミック
ス・ホワイトともいう。)および前記粉体と炭素質材料
の微粉末との混合物の粒度分布における中央値が2マイ
クロメートル以下、特に2マイクロメートル以下である
前記混合物の成形体に熱処理が施されて生成したセラミ
ックス(以下、セラミックス・ブラックともいう。)で
あって、前者のセラミックス・ホワイトは疎水性液体燃
料に浸漬するために用いられ、そして後者のセラミック
ス・ブラックは水に浸漬するために用いられる。
【0018】これらのセラミックスはそれぞれ疎水性液
体燃料および水のクラスターを5マイクロメートル以下
という極めて微細なクラスターになるまで微細化するの
に特に効果的に作用し、このようなセラミックスを使用
することは本発明にとって必須であって、その使用は本
発明にとって重要な特徴となっている。
【0019】前記セラミックスおよびそれの製造方法は
本発明者が開発したものであって、本出願前の平成13
年2月23日既に特許出願された発明であり、これにつ
いてはその特許出願明細書に詳しく述べられているが、
本明細書中でこれらのセラミックスについて説明するの
に必要な事項を述べると、次の通りである。
【0020】セラミックスの原料となる鉱物または岩石
としては、二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン化物
鉱物およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種または2
種以上を含む岩石から選ばれる1種または2種以上の鉱
物または岩石が用いられ、例えば、石英、珪砂、珪石、
珪岩のような二酸化珪素鉱物;珪酸アルミニウム鉱物、
含水珪酸アルミニウム鉱物、珪酸マグネシウム鉱物、蛇
紋石、石綿、金属珪酸塩鉱物のような珪酸塩鉱物;螢石
のようなハロゲン化物鉱物;およびこれらの二酸化珪素
鉱物、珪酸塩鉱物およびハロゲン化物鉱物のうちのいず
れか1種または2種以上を含む岩石が用いられる。これ
らのうち電子の回転速度が非常に早くてエネルギーの大
きい鉱物または岩石、例えば螢石が特に好ましく用いら
れる。
【0021】したがって、本発明で用いられるセラミッ
クスは、珪素、酸素およびフッ素のようなハロゲン元素
を主成分として、原料の鉱物または岩石に由来する様々
な元素、すなわち、例えばアルミニウム、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム、カルシウム、水素、銅、亜
鉛、炭素、錫、鉛、チタン、窒素、燐、酸素、硫黄、ク
ロム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルトのような比較
的多く存在する元素ばかりでなく、例えばリチウム、ベ
リリウム、バリウム、砒素、カドミウム、水銀、銀、
金、セレン、モリブデン、タングステン、パラジウムお
よび種々の希土類金属のような微量元素までの多種類の
元素を含み、そして原料として鉱物および/または岩石
以外に炭素質材料も使用して造られたセラミックス、す
なわちセラミックス・ブラックでは、かなりの量の炭素
を含んでいる。
【0022】炭素質材料が使用されるセラミックス、す
なわちセラミックス・ブラックにおいては、この炭素質
材料としては、例えば、カーボンブラックまたは備長炭
のような木炭が好ましく使用され、特にカーボンブラッ
クおよび備長炭が好ましく使用される。
【0023】セラミックスの原料として用いられる鉱物
および/または岩石および炭素質材料は、焼結される前
に微細に粉砕される。炭素質材料を用いる場合、この炭
素質材料は鉱物および/または岩石と一緒に粉砕される
ことによって、その炭素質材料の微粉末は鉱物および/
または岩石の粉体と均一に混合される。鉱物および/ま
たは岩石の粉体並びに、場合によりこの粉体に混合され
る炭素質材料の微粉末と粉体との混合物は、それらの粒
度分布における中央値が2マイクロメートル以下である
ことが必要であり、この中央値が2マイクロメートルを
超えると、これらのセラミックスに特有のクラスターを
微細化するという前述の作用が十分に発揮されなくなっ
て、本発明に特有の所望の効果が得られなくなる。この
中央値としては1マイクロメートル以下が好ましく選択
される。このような粒度分布は、例えば図6のように表
される。
【0024】炭素質材料は鉱物または岩石の粉体に対し
一般に重量比で0.1〜0.5倍の量で、好ましくは
0.2〜0.3倍の量で配合される。
【0025】鉱物または岩石の粉体、あるいはこの粉体
と炭素質材料の微粉末との混合物には、シリカ、アルミ
ナ、珪藻土または粘土のような材料を、例えば1〜8重
量%添加してもよい。
【0026】原料の鉱物または岩石、あるいは更に炭素
質材料を上記のような微細な粒子からなる粉体または微
粉末にするには、一般にどのような粉砕装置を用いても
よいが、高速で旋回する空気の流れ、すなわち所謂空気
刃による粉砕が遂行される粉砕装置を利用するのが便利
である。この空気刃による粉砕は、例えば、図2の縦断
側面図に示されるような粉砕装置1によって遂行され
る。
【0027】この粉砕装置1には、図示されるように、
それのドラム状本体2の上部左端側には原料Gを供給す
るための原料供給用ホッパー3が、そして上部右側にフ
ィルター5を備えた製品取り出し管4がそれぞれ設けら
れており、この本体2は支柱7を介して基板6の上に固
定されている。
【0028】本体2には、それの中心線に沿って回転軸
8が本体2の左側端面2aから右側端面2bにわたって
回転自在に挿入されていて、この回転軸8の左側には.
図3に示されるような粉砕羽根9が、そして右側には仕
切り円盤10が回転軸8の回転に伴って回転するように
それぞれ回転軸8に取り付けられていて、本体2の内部
はこれらの粉砕羽根9および仕切り円盤10によって左
から右に向かって順にD域、E域およびF域に区分けさ
れている。
【0029】本体2の右側端面2bには仕切り円盤10
の中央部に圧入空気PAを吹き付けるための空気ノズル
11が、この右側端面2bから本体2の内部に向かって
挿入されており、本体2の底部には、循環パイプ12が
循環ポンプ13と共に備えられている。
【0030】回転軸8の左側端部には、この回転軸8に
回転力を与えるためのモーター14がジョイント15を
介して取り付けられており、このモーター14はモータ
ー台座16の上に設置されている。
【0031】粉砕羽根9は、図3の斜視図に示されるよ
うに、中空の円錐部9aと環状の円筒部9bとが接合し
て一体になった形状となっており、その円錐部9aと円
筒部9bには、図4(但し、図4では円筒部9bについ
て図示されており、9aについても同様)の拡大斜視図
に示されるように、コ字状の切れ目9dで区画された部
分が屈曲線9eから斜め下方(内側)に向かって押し曲
げられるようにして形成された、空気流案内用の多数の
舌片状粉砕刃9cが三角状の2枚の支持片9fと一体に
なって設けられている。
【0032】粉砕羽根9が矢印のX方向に向かって回転
すると、その回転に伴って、空気が矢印のY方向に向か
って粉砕羽根9の外側から、前記切れ目9cで区画され
る開口を通り粉砕刃9eに沿って粉砕羽根9の内側へと
勢い良く流入する。
【0033】仕切り円盤10には、図5の平面図に示さ
れるように、ノズル11から吹き込まれる圧入空気を受
け入れるための空気流案内用の舌片状粉砕刃(図示せ
ず)が前記粉砕刃9dと同様に設けられており、この粉
砕刃は扇型コ字状の切れ目10aに区画された部分が斜
め下方に押し曲げられるようにして形成されている。
【0034】このように構成された粉砕装置1によれ
ば、ホッパー3から本体2のD域内に投入された適度の
大きさの塊状の鉱物および/または岩石、あるいは更に
炭素質材料からなる原料Gは先ず、回転する粉砕羽根8
に当たって粗い粉状ないし粒状に砕かれた後、粉砕羽根
8の内部に吸引されてE域内に取り込まれる。このE域
では、仕切り円盤10の切り欠き部10aを通過して外
部から流入してくる空気と、粉砕羽根9の回転によって
生ずる空気の流れによって空気圧が高まると同時に激し
い乱流が起こる。この空気の乱流によって粗い粒子は互
いに衝突を繰り返すことによって次第に粒度が小さくな
り、その一部は前記粉体または前記混合物の粒度分布に
おける中央値が2マイクロメートル以下、あるいは更に
それ以下の微粒子になるまで各粒子は微粉砕される。
【0035】E域で微粉砕された粒子は、仕切り円盤1
0と本体2との間の0.2mm程度の隙間を通ってE域
からF域に移動し、それによってF域内は煙状の微粒子
によって満たされる。ノズル11から圧入される空気で
高められているF域内の圧力によって煙状の微粒子が製
品取り出し管4に向かって押し出され、フィルター5を
通過することによって、微粒子の粒度分布における中央
値が2マイクロメートル以下になるまで微粉砕された微
粒子が取り出し管4から製品Qとして集められる。
【0036】フィルター5を通過しなかった2マイクロ
メートルよりも大きい粒度の一部または全部の粒子、お
よび取り出し管4に向かわないでF域内の本体2の底部
に沈降した粗い粒子は、循環ポンプ13により循環パイ
プ12を経てD域内に戻されて、再び微粉砕処理を受け
る。
【0037】鉱物および/または岩石、あるいは更に炭
素質材料が上記のような粉砕装置で一緒に処理される場
合には、これらの原料は微粉砕されると同時に互いに均
一に混合されるので、均質な混合物が生ずる。
【0038】粉体は、セラミックスの用途に応じて、例
えば円盤状、方形板状(煉瓦状)または棒状等の適当な
形状および大きさに成形される。この成形には、従来セ
ラミックスの成形に利用されてきたどのような成形方法
でも、例えばろくろ法、鋳込法、あるいは加圧成形、テ
ープ成形、加圧鋳込、押し出し成形または射出成形など
のいずれの成形方法も採用できるが、本発明では一般
に、ろくろ法のような成形方法が好ましく利用される。
【0039】この成形に当たっては種々のバインダー、
例えば珪酸ナトリウム、種々の粘土類またはCMC、の
ようなバインダー、あるいは溶液型、熱可塑性または熱
硬化性のような高分子系の有機質バインダーのようなバ
インダーが使用される。
【0040】ついで、成形体は焼結炉において窒素雰囲
気または水素雰囲気のような還元雰囲気の下に1000
〜1800℃、好ましくは1200〜1700℃の温
度、特に1450〜1550℃の温度に10〜26時
間、好ましくは16〜20時間の間曝される熱処理を受
けることによって焼結される。
【0041】このようにして製造されるセラミックスは
一般にどのような形状および寸法であってもよいが、例
えば、様々な大きさの団子状、円盤状または煉瓦状に造
られる。
【0042】セラミックスは、容器内に入れられた疎水
性液体燃料(以下、単に液体燃料ともいう。)および水
の中に、その容器の底にセラミックスが接触しないよう
に配置するのが好都合であり、例えば、円盤状のセラミ
ックスの場合には、その中心にステンレス鋼製の棒を通
して容器内に吊るすか、あるいは団子状および煉瓦状の
セラミックスの場合には、ステンレス鋼製のバスケット
またはトレイにセラミックスを入れて容器内に吊るす等
の方法によって、これらのセラミックスは容器内の液体
燃料および水の中に浸される。
【0043】水に浸漬されるセラミックスは、水1リッ
トルに付き一般に40g以上使用すれば、その効果を発
揮させるのに十分であり、また液体燃料に浸漬されるセ
ラミックスは、例えばその液体燃料が軽油である場合に
は、軽油1リットルに付き一般に40g以上使用すれ
ば、そのセラミックスの効果を発揮させるのに十分であ
る。
【0044】上記のような割合で使われるセラミックス
は、その使用量(液体燃料および水の量に対する使用割
合)にもよるが、液体燃料および水の中に一般に5〜1
5時間浸せば十分であり、通常7〜9時間の浸漬時間が
選択される。このようなセラミックスの浸漬によって、
後続の混合処理および高周波発生装置による処理だけで
は達成できない5マイクロメートル以下という極めて微
細なクラスターを液体燃料および水において生じさせる
ことができる。
【0045】図1に示されるように、所定の時間セラミ
ックスが浸漬された水および液体燃料はいずれもポンプ
Pによって混合装置Mに送り込まれて、両者は互いに親
密に混合され、この混合装置Mとしては、従来液体の混
合に慣用されている液体混合装置を使用することができ
る。
【0046】混合装置Mから排出された混合物はその
後、高周波の、例えば電磁波、超音波、電流、電波また
は音波等、特に電磁波または超音波を発生する装置Hに
送られて、例えば電磁波、超音波、電流、電波または音
波等の、好ましくは電磁波の一般に10〜100KHz
程度の照射を受ける。この高周波の照射は液体燃料およ
び水のクラスターをそれぞれ小さくするのに役立つばか
りでなく、その小さなクラスターを安定化させるのにも
役立つ。照射が済んで均質になった乳化状燃料、すなわ
ち本発明の製品Pは製品タンクTに送られて、そこに貯
蔵される。
【0047】また、必要な場合には、例えば、水が硬水
であるか、あるいは液体燃料が重質であったり、粘性が
高かったり、あるいは周囲温度が低かったりするような
場合には、天然または合成の界面活性剤、例えば陰イオ
ン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性
剤または両性界面活性剤が用いられ、この場合、界面活
性剤Sは、例えば図示のように、開閉コックCが備えら
れている導管を経て、水Wおよび液体燃料Fと共に混合
装置Mに送られる。
【0048】界面活性剤が使用される場合、界面活性剤
Sは水Wおよび液体燃料Fの合計量1lに対して一般に
0.1ml〜2ml(但し、通常濃厚な液状で市販され
ているものについての容量)添加すれば十分であり、界
面活性剤が添加された場合でも、その量は極く少量のた
め、本発明の燃料は、燃焼時に火炎温度を不都合な程上
昇させることがない。
【0049】本発明の燃料を製造するための混合および
高周波発生装置による処理という一連の工程を、最後の
高周波発生装置による処理が済んだ生成物に1回以上繰
り返して施してもよく、すなわち合計2回以上施しても
よく、特に、原料の液体燃料が重質であるか、または粘
度が高かったり、あるいは周囲温度が低かったりするよ
うな場合に、この繰り返しが一般に1回ないし数回採用
され、このような繰り返しによって燃料の一層の長期安
定化が達成される。
【0050】本発明の燃料は良好な混合状態を長期間安
定に保持することができ、また、容量比で半分近くか、
あるいはそれ以上の水分を含んで外燃機関および内燃機
関のどちらでも従来の燃料と同様に燃焼させることがで
きるばかりでなく、この燃料を燃焼させる場合に供給さ
れる空気の量を少なくしても、あるいは空気の供給を遮
断しても不完全燃焼を起こさずに実質的に完全な燃焼を
示すので、本発明によれば、従来の燃料の消費量を50
%近くも低減できる結果、その燃料の消費量を低下させ
て、ひいては燃料に含まれる不純物の燃焼に由来する硫
黄酸化物や窒素酸化物の発生を低く抑えることができる
ばかりでなく、燃焼に関与する空気の量を著しく減らす
こともできるか、あるいはその空気量を殆ど不要とする
こともできるので、空気中の窒素等の成分に由来する燃
焼生成物、例えば窒素酸化物の発生量を低減させること
もできる。また、その燃焼時には不完全燃焼に基づく煤
や一酸化炭素等の発生も抑えられるので、大気汚染の防
止の面でも有利な燃料が提供される。
【0051】本発明によれば、界面活性剤を使用しなく
ても、あるいは界面活性剤の使用量が少なくても、疎水
性液体燃料と水とのクラスターの大きさを超微粒子状に
揃えることによって、安定した乳化状態を長期間保持で
きる燃料が提供される。したがって、本発明によれば、
種々の容器によって運ばれる流通経路を利用して、生産
者から消費者に配られる便利な燃料が提供される。
【0052】本発明の燃料は多量の水分を構成成分とし
て含んでいるために、従来の液体燃料に比べて生態系に
対する毒性が低く、そして微生物による生分解を受け易
いという特徴も有する。したがって、本発明の燃料は、
それ自体でも、従来の石油系燃料等と比べて環境汚染防
止の上で優れているという利点も具えている。また、原
料として使用される原料の液体燃料が引火点を示すもの
であっても、本発明の燃料は多量の水分が混入されるた
めに引火点を示さない燃料となるので、本発明の燃料は
危険物取締法でいう危険物には当たらない安全性の高い
燃料になり得るという利点がある。
【0053】本発明の燃料は多量の水分を含んでいるに
も拘かわらず、液体燃料と水とが超微粒子の形で互いに
密に、かつ安定した還元状態で混合されているので、本
発明の燃料を使用する場合にはタンクや配管および燃焼
機器に錆が生じ難いという利点を生ずる。
【0054】また、航行中の船舶内に淡水化装置を設置
しておけば、それによって造られた淡水を本発明の乳化
状燃料の原料として使うことができるので、比較的少量
の原料燃料によって、すなわち燃料を節約しながら航行
を続けることができる。
【0055】
【実施例】ついで、実施例を参照して本発明を説明する
が、本発明は勿論このような実施例に限定されない。
【0056】実施例1 図1に示されるような工程に従って、軽油を原料とする
乳化状燃料を次のようにして製造した。それぞれ水洗後
乾燥させて水が除かれた、Si:85重量%を含有する
アフリカ産の堆積岩600g、中国産のモリブデンに富
む岩石200g、中国産のニッケルに富む岩石180g
を前述の粉砕機にかけて、これらの岩石の粉体の粒度分
布における中央値が1マイクロメートル以下である粉体
940gを製造した。
【0057】ついで、この粉体に940gの水ガラス
(SiO分80重量%)を混合してペースト状にして
から、ろくろ成形によって、直径32mm、厚さ10m
mの円柱状に成形した。
【0058】上記成形体を焼結炉で窒素雰囲気の下に1
100〜1500℃の温度に18時間曝す焼結処理によ
って円盤状のセラミックス、すなわちセラミックス・ホ
ワイトを製造した。
【0059】一方、それぞれ水洗後乾燥させて水が除か
れた、山梨県産の石英720g、微粉末状のアルミナ8
0gおよび和歌山産の備長炭200gを前述の粉砕機に
かけて、これらの岩石の粉体と備長炭の微粉末との混合
物の粒度分布における中央値が1マイクロメートル以下
である前記混合物950gを製造した。
【0060】ついで、この粉体950gに水ガラス(S
iO分;80重量%)950gを混合してペースト状
にしたものをほぼ球形に成形し、その成形体を焼結炉で
窒素雰囲気の下に1100〜1500℃の温度に18時
間曝すことにより焼結して、それぞれが直径0.5〜
1.0cmの範囲にある団子状のセラミックス、すなわ
ちセラミックス・ブラック300個を製造した。
【0061】上記のようにして製造されたセラミックス
・ホワイト10枚の中心に太さ(直径5mmのステンレ
ス鋼製の棒が貫いてそれぞれの円盤状セラミックスを一
体に連結したものをタンク内のディーゼルエンジン用軽
油40リットル中に8時間浸した。
【0062】一方、上記の浸漬と同時に、上記のように
して製造されたセラミックス・ブラック300個をステ
ンレス鋼製のバスケットの中に入れて、これらをタンク
内の水道水40リットル中に8時間浸した。
【0063】このように浸漬された軽油および水を装入
ポンプを通してそれぞれ50容量部対50容量部の割合
で液体混合装置に流入させて両者を互いに混合し、その
混合物を高周波発生装置に送って、それに30KHz前
後の電磁波を照射し、ついでその排出物をもう一度上記
の液体混合装置と高周波発生装置に繰り返し通して乳化
状燃料を生成さることによって本発明燃料1を製造し
た。
【0064】また、上記の軽油対水の容量比だけをそれ
ぞれ60容量部対40容量部の割合に替えた点だけを除
いて上述の方法と同じ方法を繰り返すことによって、本
発明燃料2を製造した。これらの本発明燃料1および2
の製造では界面活性剤を使用しなかった。
【0065】更に、軽油と水からなる本発明燃料の製造
において界面活性剤を使用し、そしてこれらの軽油対水
対界面活性剤の混合割合を容量比で69.3:30:
0.7とした点だけを変えて、上記の方法と同じ方法を
繰り返すことにより、本発明燃料3を製造した。
【0066】上記のようにして製造された本発明燃料1
および2を燃焼炉において、従来どおり空気取り入れ口
が全開に近い空気量で燃焼させて、その時の火炎温度を
測定したところ、下記の表1に示されるようになった。
また、比較のため、上記の軽油だけを燃焼させた場合の
火炎温度も表1に示した。
【0067】
【0068】この燃焼試験においては、本発明燃料1お
よび2を燃焼させた場合には火炎温度は低いものの、通
常の燃焼加熱には何ら問題はなかった。また、本発明燃
料1および2では、原料の軽油をそのまま燃焼させた場
合よりも燃焼の進行は緩やかで、軽油単独の場合よりも
燃料の消費速度が遅く、したがって軽油の消費量が著し
く低減した。
【0069】また、空気量を従来の1/20に絞って本
発明燃料1を同じ燃焼炉で燃焼させたところ、経過時間
15分後に火炎温度は1003℃を示し、そして燃焼中
は煤も臭いも発生しないで、燃焼音は低く、完全燃焼し
ていることが分かった。したがって、本発明燃料1およ
び2を燃焼させる場合には、空気量を調節することによ
って火炎温度を自由に調節できることが判った。
【0070】また、空気の供給を完全に遮断できるバー
ナーを具えた燃焼炉で本発明燃料1を燃焼させ、点火し
てから約10分後に空気の供給を完全に遮断したとこ
ろ、燃焼はそのまま持続して火炎温度は1048℃を示
し、煙は全く発生しなかった。これと同様な条件で本発
明燃料1を翌日再び燃焼させたところ、火炎温度は10
61℃を示し、煙の発生も前回と同様に全く観察されな
かった。
【0071】上記の本発明燃料1および2はいずれも、
界面活性剤が使用されていなかったにも拘かわらず、2
0℃前後の常温で6か月保存しても軽油と水との分離を
起こさないで、十分均質な乳化状態を保持した。また、
気温が35℃前後に上がる熱帯地方の炎天下に置いて3
か月保存しても軽油と水との分離はなく、良好な混合状
態が保持された。
【0072】実施例2 ディーゼルエンジンを搭載したトラックのエンジン用燃
料として前記本発明燃料2を用いる実車試験を実施した
ところ、通常のディーゼルエンジン用軽油を用いた場合
と同様な走行性能を示すことが分かった。
【0073】実施例3 BMW社製ディーゼルエンジンを搭載した乗用車のエン
ジンに前記本発明燃料1を給油してジャガーレーシング
チームにより走行試験を実施した。運転者が燃料噴射タ
イミングを調節したところ、車は通常の走行性能を示し
て、運転者に不安を抱かせる状況は発生しなかった。
【0074】実施例4 ディーゼルエンジンを搭載した車両で空気量を減らした
走行試験を本発明燃料3について実施した。この車両
は、排気量2800cc、走行距離26万kmのいすず
自動車(株)1995年製の乗用車であった。空気量を
通常の20%に削減して実施したこの走行試験において
軽油のみを使用した場合には最高速度は130km/h
を越えることはできなかったが、本発明燃料3を使用し
た場合、最高速度は160km/hに達し、本発明燃料
3によれば、最高速度において23%の向上が観察され
た。この走行試験で本発明燃料3を使用した場合には、
著しい出力向上感が得られ、運転操作性(ドライバビリ
ティ)も改善された。このように、本発明燃料3を使用
する場合に、空気量を通常の20%に減らしても、ま
た、この空気量が通常の20%まで削減された範囲内に
おいても、車両は平常どおりの走行性能を示した。この
ように、空気量が削減された走行試験では、本発明燃料
1および2についても似たような結果が得られた。
【0075】本発明燃料3を用いた場合には、走行中、
排気管から黒煙は全く排出されず、登坂性能の低下も感
じられなかった。また、この場合、車の動力(出力)性
能に起因するストレスは全く感じられなかった。このよ
うに、本発明燃料3を用いることによって、軽油を使用
した場合よりも最高速度と出力が向上したのは、本発明
におけるセラミックスが、これに接触した軽油と水に電
子を供与したためである。
【0076】実施例5 本発明燃料2をバーナー燃料として使用した場合の自己
着火試験を実施した。本発明燃料2をバーナー燃料とし
て使用した場合、バーナーノズルが冷えていた時でも本
発明燃料2は圧電素子による火花で点火して平常通りの
燃焼状態を示した。したがって、軽油を可燃性成分とす
る燃料中に容量比で40%という多量の水が混合された
本発明燃料でも、この水がバーナー燃料としての自己着
火性を阻害しないことが判った。
【0077】実施例6 本発明燃料2および3を自動車燃料として使用した場合
の自己着火試験を実施した。ディーゼル車両において本
発明燃料2および3を用いた場合、エンジンが冷えてい
た時でも、セルモーターによって容易にこのエンジンを
始動させることができた。したがって、軽油を可燃性成
分とする燃料中に容量比でそれぞれ40%および30%
の水が混合された本発明燃料でも、この水がディーゼル
エンジン燃料としての自己着火性を阻害しないことが判
った。
【0078】実施例7 前記本発明燃料1についてJIS・K・2265に準拠
する(ISO準拠)ペンスキーマルテンス法によって引
火点を測定したところ、次の表2に示される結果が得ら
れた。
【0079】 試験終了後試料の温度が28℃に下がった時点で燃料を
観察すると、その乳化状態には変化が見られなかった。
【0080】次に、同じく前記本発明燃料1についてJ
IS・K・2265に準拠するクリーブランド・オープ
ン・カップ法によって引火点を測定したところ、次の表
3に示される結果が得られた。
【0081】
【0082】以上の結果から、本発明燃料1は、それら
の原料である軽油が引火性であるにも拘かわらず、本発
明燃料1は引火点のない燃料として、したがって危険物
取扱法で規定される燃料とは関係のない燃料として取り
扱えることが判った。
【0083】実施例8 上記の本発明燃料1ないし3を製造する場合の水として
はいずれも軟水を使用したが、この水を硬度が343p
pmというような300ppmを超える硬水に替えて
も、本発明燃料1ないし3と同様に安定した本発明燃料
が得られた。疎水性液体燃料と水とを混合して乳化する
場合に、その水が硬水であると、その乳化は、水が軟水
である場合と比べて一層困難になって、たとえ乳化でき
てもその状態を3か月以上のような長期間維持すること
は一般に容易でない。
【0084】しかし、本発明によれば、燃料を製造する
場合の水が上記のような高度の硬水であっても、安定し
た乳化状態を長期間維持できる乳化燃料が提供される。
これは、本発明で用いられるセラミックスが水に対して
電子を供与するという作用が顕著であって、このセラミ
ックスと接触した硬水が軟水に変わるためである。この
ようなセラミックスの作用は、このセラミックスを上記
の343ppmの硬度を有する井戸水に7時間浸した
後、この硬度が221ppmに低下したことによって証
明された。このような結果は、水中のイオンがセラミッ
クスに吸着されたことによるものである。
【0085】
【発明の効果】以上述べた説明から明らかなように、本
発明によれば、良好な混合状態を長期間保持することが
でき、また、容量比で半分近くか、あるいはそれ以上の
水分を含んで外燃機関および内燃機関のどちらでも従来
の燃料と同様に燃焼させることができる安定な燃料が提
供される。そして従来の燃料の消費率を50%近くも低
下させることができる結果、従来の燃料の消費量を低減
させて、燃焼による二酸化炭素の発生量を減らすと同時
に、燃焼に必要な酸素量、すなわち空気量を減らすこと
もでき、その燃焼時には不完全燃焼によって生ずる煤や
一酸化炭素あるいは燃焼に関与する燃料または空気に由
来する窒素酸化物の量を著しく低減させ、更に燃料に由
来する硫黄酸化物および窒素酸化物の発生も低く抑え
て、大気汚染の防止に有利な燃料が提供される。
【0086】また、界面活性剤を使用しなくても、ある
いは界面活性剤の使用量が少なくても、疎水性液体燃料
と水とのクラスターの大きさを超微粒子状に揃えること
によって安定した乳化状態を長期間保持できる燃料が提
供されので、種々の容器によって運ばれる流通経路を利
用して、生産者から消費者に配ることができる便利な燃
料が提供される。
【0087】本発明の燃料は多量の水分を構成成分とし
て含んでいるために、従来の液体燃料に比べて生態系に
対する毒性が低く、そして微生物による生分解を受け易
いという特徴も有する。したがって、本発明の燃料は、
それ自体でも、従来の石油系燃料等と比べて環境汚染防
止の上で優れているという利点も具えている。また、原
料として使用される従来の液体燃料が引火点を示すもの
であっても、多量の水分が混入されるために引火点を示
さないような安全な燃料となるので、本発明の燃料は危
険物取締法でいう危険物には当たらない安全性に優れた
燃料になり得るという利点を備えている。
【0088】本発明の燃料は多量の水分を含んでいるに
も拘かわらず、液体燃料と水とが超微粒子の形で互いに
密に、かつ安定した還元状態で混合されているので、本
発明の燃料を使用する場合にはタンクや配管および燃焼
機器に錆が生じ難いという利点も得られる。
【0089】本発明においては、軟水ばかりでなく、或
る程度の硬度を有する天然の硬水でも、燃料中に混合さ
れる水として使用できるという利点があるので、例え
ば、航行中の船舶内に淡水化装置を設置しておけば、そ
れによって造られた淡水を本発明の燃料の原料として使
うことができる。したがって、このような場合は、比較
的少量の原料燃料によって、すなわち燃料を節約しなが
ら航行を続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乳化状液体燃料の製造方法を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明で用いられる粉砕装置の概要を示す縦断
側面図である。
【図3】上記粉砕装置における粉砕羽根の斜視図であ
る。
【図4】上記粉砕羽根における粉砕刃の拡大斜視図であ
る。
【図5】上記粉砕装置における仕切り円盤の平面図であ
る。
【図6】本発明で用いられる鉱物または岩石の粉体、あ
るいは、場合によりこの粉体と混合されて用いられる炭
素質材料微粉末と粉体との混合物の粒度分布の一例を示
す粒度分布図である。
【符号の説明】
1・・・・・・粉砕装置 2・・・・・・本体 3・・・・・・ホッパー 4・・・・・・製品取り出し管 5・・・・・・フィルター 8・・・・・・回転軸 9・・・・・・粉砕羽根 9a・・・・・円錐部 9b・・・・・円筒部 9c・・・・・粉砕刃 10・・・・・仕切り円盤 10a・・・・切り欠き部 11・・・・・ノズル 12・・・・・循環パイプ 13・・・・・循環ポンプ 14・・・・・モーター W・・・・・・水 F・・・・・・疎水性液体燃料 S・・・・・・界面活性剤 P・・・・・・ポンプ M・・・・・・混合装置 H・・・・・・高周波電磁波照射装置 T・・・・・・製品タンク C・・・・・・コック G・・・・・・鉱物および/または岩石、あるいはこれ
らと共に装入される炭素質材料 Q・・・・・・鉱物および/または岩石の粉体、または
これに炭素質材料の微粉末が混ざり合った混合物 EF・・・・・乳化状液体燃料 PA・・・・・圧入空気

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20〜70容量部の割合の疎水性液体燃
    料と80〜30容量部の割合の水とが共に5マイクロメ
    ートル以下の大きさのクラスターの状態で互いに混ざり
    合っている乳化状燃料。
  2. 【請求項2】 疎水性液体燃料の割合が35〜60容量
    部であり、そして水の割合が65〜40容量部である請
    求項1記載の乳化状燃料。
  3. 【請求項3】 疎水性液体燃料および水のクラスターの
    大きさが共に3マイクロメートル以下である請求項1ま
    たは2記載の乳化状燃料。
  4. 【請求項4】 更に界面活性剤を含む請求項1ないし3
    のいずれかに記載の乳化状燃料。
  5. 【請求項5】 二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン
    化物鉱物およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種また
    は2種以上を含む岩石から選ばれる1種または2種以上
    の鉱物および/または岩石の粉体の粒度分布における中
    央値が2マイクロメートル以下である前記粉体の成形体
    に熱処理が施されて生成したセラミックスを疎水性液体
    燃料の中に浸漬し、一方、前記粉体と炭素質材料の微粉
    末との混合物の粒度分布における中央値が2マイクロメ
    ートル以下である前記混合物の成形体に熱処理が施され
    て生成したセラミックスを水の中に浸漬し、ついでこれ
    らの浸漬後の疎水性液体燃料および水をそれぞれ20〜
    70容量部および80〜30容量部の割合で混合装置に
    導入して両者を混合し、そしてこの混合物を高周波発生
    装置に通すことを特徴とする請求項1記載の乳化状燃料
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記粉体または混合物の粒度分布におけ
    る中央値が1マイクロメートル以下である請求項5記載
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 炭素質材料がカーボンブラックまたは備
    長炭である請求項5または6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記高周波発生装置に通した後の前記混
    合物に、更に前記混合処理および高周波発生装置による
    処理を繰り返してそれぞれ1回以上施す請求項5ないし
    7のいずれかに記載の乳化状燃料の製造方法。
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