JP2003049057A - 放射線治療患者固定具作成用熱可塑性樹脂シートおよびその製造方法 - Google Patents

放射線治療患者固定具作成用熱可塑性樹脂シートおよびその製造方法

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JP2003049057A
JP2003049057A JP2001241167A JP2001241167A JP2003049057A JP 2003049057 A JP2003049057 A JP 2003049057A JP 2001241167 A JP2001241167 A JP 2001241167A JP 2001241167 A JP2001241167 A JP 2001241167A JP 2003049057 A JP2003049057 A JP 2003049057A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明で、かつ放射線透過性であって、診断時
に、容易かつ正確に患者の病巣部を同定でき、かつ、治
療中は、病巣部のみに正確に放射線ビームを集中照射で
き、しかも、熱成形が容易な放射線治療患者固定具作成
用熱可塑性樹脂シートを提供する。 【解決手段】 患者の身体の一部を嵌合保持する形態に
熱成形されて使用される放射線治療患者固定具作成用熱
可塑性樹脂シートであって、不飽和ポリエステル樹脂8
5〜99重量%と熱可塑性ポリスチレン樹脂15〜1重
量%とを含む組成物の架橋生成物からなり、透明で、か
つ放射線透過性である熱可塑性樹脂シート。このシート
は、不飽和ポリエステル樹脂85〜99重量%と、熱可
塑性ポリスチレン樹脂15〜1重量%の有機溶剤溶液と
を混合し、混合液を架橋処理するとともにシート状に成
形することにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線治療患者固
定具作成用熱可塑性樹脂シートおよびその製造方法に関
する。さらに詳しくは、放射線治療を受ける患者の治療
部位の運動ブレを抑制するために、患者の身体の一部を
嵌合保持する形態に熱成形されて使用される熱可塑性樹
脂シートであって、透明で、かつ放射線透過性であるた
め、患者の治療部位近傍を嵌合保持した形態で、診断時
に、容易かつ正確に病巣部を同定でき、かつ、治療中
は、病巣部のみに正確に放射線ビームを集中照射でき
る、放射線治療患者固定具として用いられる熱可塑性樹
脂シート、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】放射線治療を受ける患者は、通常、治療
台上に載置された状態で治療を受けるが、治療に先立つ
診断時に、先ず、病巣部の位置を正確に同定する必要が
あり、また、治療中は、病巣部のみに正確に放射線の細
いビームを集中照射する必要がある。そのため、治療台
上に載置された患者の病巣部の運動ブレを抑制しなけれ
ばならない。治療部位の運動ブレを抑制するための種々
の固定手段が提案されている。
【0003】例えば、特開平5−25311号公報に
は、(イ)患者胸腹部固定具と、(ロ)診断時の患者病
巣部の位置決めのための胸腹部用位置決め部とを固定す
る第一の固定手段と、診察台および治療台の所定位置
に、上記(イ)患者胸腹部固定具と(ロ)胸腹部用位置
決め部とを固定する第二の固定手段を具えた位置決め装
置が提案されている。しかしながら、治療台上に載置さ
れた患者の病巣部の運動ブレを実質的に完全に抑制する
ことは至難である。
【0004】特に、患者病巣部の位置決めするために、
病巣部近くの体表面を不透明なプラスチック固定具が覆
った状態で固定することが試みられたが、正確な病巣部
位置の同定および細いビームの病巣部位置への正確な照
射は困難であった。また、病巣部が頭部にあるときは、
不透明なプラスチック固定具で眼が覆われるため、患者
に不安感が増幅し、心拍数の増大および血圧の上昇を生
じることがしばしばであった。加えて、プラスチック固
定具は、高温軟化状態から冷却状態にしたときの収縮量
が比較的大きく、精密な型取りが困難であった。また、
熱成形(加熱軟化状態から冷却硬化するまで)に比較的
長時間を要した。さらに、プラスチック固定具が硬いと
身体を嵌合保持するのに患者に痛みを与え、逆に、柔軟
であると温度環境の影響を受け易く、形態安定性が低下
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
で、かつ放射線透過性であって、診断時に、患者の病巣
部位近くを嵌合保持した形態で容易かつ正確に病巣部を
同定でき、かつ、治療中は、病巣部のみに正確に放射線
ビームを集中照射でき、しかも、熱成形が容易な放射線
治療患者固定具作成用熱可塑性樹脂シートを提供するこ
とにある。さらに他の目的は、そのような放射線治療患
者固定具作成用熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、患者の治療部位の運動ブレを抑制するために患者の
身体の一部を嵌合保持する形態に熱成形されて使用され
る熱可塑性樹脂シートであって、該シートは不飽和ポリ
エステル樹脂85〜99重量%と熱可塑性ポリスチレン
樹脂15〜1重量%とを含む組成物の架橋生成物からな
り、透明で、かつ放射線透過性であることを特徴とする
放射線治療患者固定具作成用熱可塑性樹脂シートが提供
される。
【0007】さらに、本発明によれば、不飽和ポリエス
テル樹脂85〜99重量%と、該不飽和ポリエステル樹
脂との合計量に基づき15〜1重量%の熱可塑性ポリス
チレン樹脂を有機溶剤に溶解せる溶液とを混合し、得ら
れた混合液を架橋処理するとともにシート状に成形する
ことを特徴とする、透明で、かつ放射線透過性である放
射線治療患者固定具作成用熱可塑性樹脂シートの製造方
法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の放射線治療患者固定具作
成用熱可塑性樹脂シートは、不飽和ポリエステル樹脂8
5〜99重量%と熱可塑性ポリスチレン樹脂15〜1重
量%とを含む樹脂組成物の架橋生成物からなり、透明
で、かつ放射線透過性である。本発明に使用される不飽
和ポリエステルとしては、一般に硬化ポリエステルの製
造に常用されるものが使用でき、不飽和二塩基酸、飽和
二塩基酸などの酸成分およびそれらの無水物と、グリコ
ール成分と、共重合可能なエチレン系不飽和単量体成分
とからなる液状未硬化ポリエステル樹脂である。
【0009】酸成分の具体例としては、無水フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロ無水フタル
酸、ヘット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無
水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、アジピン酸、
セバチン酸などが挙げられる。中でも、無水フタル酸は
多くの物理的性質が良好であって、とりわけ剛性の高い
成形品を与えるので好ましい。グリコール成分の具体例
としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
水素化ビスフェノールAなどが挙げられる。なかでも、
エチレングリコールおよびプロピレングリコールが好ま
しく用いられる。
【0010】共重合可能なエチレン系不飽和単量体成分
には、スチレン、メチルメタクリレート、ビニルトルエ
ンなどのモノエチレン系不飽和単量体、ジアリルフタレ
ート、トリアリルシアヌレートなどの多官能性単量体が
含まれる。中でも、スチレンを含む不飽和ポリエステル
樹脂は、ポリスチレンとの相溶性が大きく、透明度の高
い樹脂成形品を与えるとともに、熱可塑性の大きい樹脂
成形品を与えるので、スチレンは特に好ましい。ジアリ
ルフタレート、トリアリルシアヌレートなどの多官能性
単量体は架橋剤として作用し、これを多量に含む不飽和
ポリエステル樹脂は熱可塑性が低下する傾向があるの
で、不飽和ポリエステル樹脂中には、一般の硬化性ポリ
エステル樹脂と比較して少割合で含まれることが望まし
い。本発明に使用される熱可塑性ポリスチレン樹脂に
は、一般に広く用いられている分子量5万〜25万程度
の無定形ポリスチレン樹脂および結晶性ポリスチレン樹
脂が含まれる。少量の合成ゴムを含む耐衝撃性ポリスチ
レン樹脂であってもよいが、不飽和ポリエステル樹脂と
の混合物の架橋物の透明性が劣るので好ましくない。
【0011】本発明の放射線治療患者固定具作成用熱可
塑性樹脂シートは、不飽和ポリエステル樹脂85〜99
重量%、好ましくは90〜98重量%と熱可塑性ポリス
チレン樹脂15〜1重量%、好ましくは10〜2重量%
とを含む樹脂組成物の架橋生成物からなり、透明で、か
つ放射線透過性である。樹脂組成物中の不飽和ポリエス
テル樹脂の量が99重量%を超えると熱可塑性が低下
し、熱成形性のよい樹脂シートが得難くなる。逆に、組
成物中の不飽和ポリエステル樹脂の量が85重量%未満
では熱可塑性が大きくなり、熱成形に際し冷却したとき
硬く剛性の高い成形品となるのに長時間を要するか、ま
たは、硬く剛性の高い成形品となり難い。
【0012】本発明の放射線治療患者固定具作成用熱可
塑性樹脂シートを製造するには、不飽和ポリエステル樹
脂85〜99重量%、好ましくは90〜98重量%と、
該不飽和ポリエステル樹脂との合計量に基づき、15〜
1重量%、好ましくは10〜2重量%の熱可塑性ポリス
チレン樹脂を有機溶剤に溶解せる溶液とを混合し、得ら
れた混合液を架橋処理するとともにシート状に成形する
方法が採られる。より詳細に説明すると、先ず、熱可塑
性ポリスチレン樹脂を有機溶剤に溶解して、溶液を調製
し、この溶液と液状不飽和ポリエステル樹脂とを混合す
る。有機溶剤としては、熱可塑性ポリスチレン樹脂と不
飽和ポリエステル樹脂の両者を溶解し得るものが用いら
れ、通常、ケトン;エステル;キシレンなどの芳香族炭
化水素;および塩化メチレンおよびトリクロロエチレン
などの塩素化炭化水素などの中から選ばれる。中でも、
塩化メチレン約70重量%とキシレン約30重量%との
混合溶剤は上記両樹脂に対する溶解性が高く最も好まし
い。熱可塑性ポリスチレン樹脂と有機溶剤との配合割合
は、均一な溶液を形成すれば格別限定されないが、一般
に、熱可塑性ポリスチレン樹脂100重量部に対し有機
溶剤70〜250重量部の範囲で選ばれる。
【0013】不飽和ポリエステル樹脂と熱可塑性ポリス
チレン樹脂の有機溶剤溶液との配合割合は、混合液中の
両樹脂の合計量に基づき、不飽和ポリエステル樹脂の量
が85〜99重量%、熱可塑性ポリスチレン樹脂の量が
15〜1重量%となるようにする。液状不飽和ポリエス
テル樹脂と熱可塑性ポリスチレン樹脂の有機溶剤溶液と
の混合に際し、所望により、両液の少なくともいずれか
一方または両液の混合液に、例えばヒマシ油のような可
塑剤、および相溶化剤を適当量配合することができる。
可塑剤の配合によって、得られる樹脂シートに柔軟性を
することができる。
【0014】液状不飽和ポリエステル樹脂と熱可塑性ポ
リスチレン樹脂の有機溶剤溶液との混合液は、加熱また
は光照射によってキュアー(架橋)できるが、触媒(硬
化剤)と硬化促進剤を加えて、常温または昇温下に架橋
処理することが好ましい。触媒としては一般に有機過酸
化物が用いられ、その具体例としては、過酸化ベンゾイ
ル、メチルエチルケトンぺルオキシド、シクロへキサノ
ンぺルオキシド、ラウリルぺルオキシドなどが挙げられ
る。有機過酸化物触媒に組み合わせて用いられる硬化促
進剤の具体例としてはナフテン酸コバルト、ジメチルア
ニリンなどが挙げられる。有機過酸化物触媒と硬化促進
剤の使用量は、一般の不飽和ポリエステル樹脂の硬化成
形に用いられるのと同量または少量でよい。通常、有機
過酸化物触媒と硬化促進剤は、それぞれ不飽和ポリエス
テル樹脂に基づき0.5〜2重量%程度用いられる。
【0015】液状不飽和ポリエステル樹脂と熱可塑性ポ
リスチレン樹脂の有機溶剤溶液との混合液は、キャリヤ
ー上に注ぐかまたは塗布し、または型内に流延して、常
温または昇温下に有機溶剤を蒸発除去するとともに硬化
させ、キャリヤーまたは型から硬化したシートを剥離す
る。かくして得られる熱可塑性樹脂シートの厚さは1m
m〜4mm程度であることが好ましい。シートが厚すぎ
ると透視性が低下し、また、放射線照射効率が低下す
る。逆に、薄すぎると強度が低く、固定具としての機能
が低下する。
【0016】かくして得られる本発明の熱可塑性樹脂シ
ートは、熱成形性に優れており、熱成形によって容易に
放射線治療患者の身体の一部を嵌合保持する形態とする
ことができる。使用する不飽和ポリエステル樹脂の種
類、不飽和ポリエステル樹脂と熱可塑性ポリスチレン樹
脂との割合などに依存して相異するが、好ましいもの
は、50℃〜60℃に加温すると容易に軟化し、それを
40℃程度またはそれ以下に冷却すると容易に硬化して
形態保持安定性に優れた透明シートとなる。
【0017】本発明の熱可塑性樹脂シートを、放射線治
療患者の診断または治療に際し病巣部位の運動ブレを抑
制するための固定具とするには、患者の病巣部近くの身
体の一部を嵌合保持する形態に熱成形する。すなわち、
樹脂シートを50℃〜60℃またはそれより高温に加温
して十分に軟化し、患者に触れても暑すぎることがない
程度、通常42〜45℃程度に冷却したとき、診断用ま
たは治療用台上に寝かせた状態(仰向け、うつ伏せ)の
患者または座位の患者の病巣部近くの身体治療部位近傍
の上に、熱軟化した熱可塑性シートを載せ、身体治療部
位近傍の体型に添わせた状態で冷却硬化せしめる。な
お、治療台の固定ピン部分の位置決めをしておく。体型
に合うよう賦形されたシートが型崩れしない程度(通常
30℃前後)に冷却したとき、患者からシートを取り外
し、十分に冷却して、剛性の高い固定具を得る。
【0018】放射線治療患者の診断または治療に際して
は、患者を座位または治療台上に寝かせた状態(仰向
け、うつ伏せ)で、病巣部位の近傍を上記固定具が覆う
ように固定する。本発明の熱可塑性樹脂シートから熱成
形された固定具は、透視可能な程度に透明であり、ま
た、γ線、X線および重粒子線などの放射線を透過す
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例について、本発明の放射線治療
患者固定具作成用熱可塑性樹脂シートを具体的に説明す
る。実施例において「部」および「%」は特に断らない
限り重量基準である。 熱可塑性樹脂シートの製造 無定形ポリスチレン(発泡スチロール用ポリスチレンビ
ーズ)100部を攪拌下に塩化メチレンとキシレンとの
混合溶剤(混合比=7:3容量比)120部に少量ずつ
加えて溶解した。混合液に対し可塑剤として0.75%
のヒマシ油を加えた。不飽和ポリエステル樹脂(商品名
ポリライトTP−100;大日本インキ化学工業製)1
00部に対し上記ポリスチレン樹脂溶液8部(ポリスチ
レン樹脂量として3.62部)を攪拌下に加え透明液を
得た。得られた透明混合液に1%のメチルエチルケトン
ぺルオキシドと1%のナフテン酸コバルトを加えた。混
合液をガラスシート上に流延し、25℃下に15〜20
分間放置し、溶剤を蒸発せしめるとともに不飽和ポリエ
ステル樹脂を硬化した。生成した樹脂シートを剥離し
て、厚さ3mmの透明な熱可塑性樹脂シートを得た。
【0020】固定具の作成および放射線治療 上記熱可塑性樹脂シートを予め50〜55℃に加熱して
十分に軟化した。樹脂シートが42〜45℃まで冷却し
たとき、肺に腫瘍病巣部を有する患者を治療台上に仰向
けに寝かせた状態で、樹脂シートを胸腹部の上に載せ、
身体治療部位近傍の体型に添わせた状態で冷却硬化せし
めた。賦形されたシートが約30℃になったとき、患者
からシートを取り外し、十分に冷却して、剛性の高い固
定具を得た。患者を治療台上に仰向けに寝かせた状態
で、上記固定具が患者の胸腹部を覆うように固定した。
肺部分の深さ12cmにある腫瘍病巣部に重粒子線のビ
ームを、固定具を透過せしめて集中照射した。毎回放射
線ビームを照射する角度を変えながら、1日1回2グレ
イの線量を与える治療を合計20回行なった。上記固定
具を用いる放射線治療は、効率よく行なうことができ、
全く支障はなかった。
【0021】
【発明の効果】本発明の放射線治療患者固定具作成用熱
可塑性樹脂シートは、以下の特徴を有している。 (1)透明であるため、診断時に、患者の病巣部位近く
を嵌合保持した形態で容易かつ正確に病巣部を同定で
き、かつ、治療中は、病巣部のみに正確に放射線ビーム
を集中照射できる。透視可能なため、患者の体表面にあ
るほくろや乳頭など、治療部位の遺著を決めるポイント
を出すことが容易である。病巣部が頭部にあるときに、
固定具で眼を覆っても、患者に不安感が増幅し、心拍数
の増大および血圧の上昇を生じることがない。また、診
断時、治療前および治療中の患者の表情を読み取ること
ができる。
【0022】(2)治療用放射線が透過可能なため、固
定具の上から固定具を透過せしめて病巣部のみに正確に
放射線ビームを集中照射できる。 (3)熱成形性に優れており、熱成形によって容易に放
射線治療患者の身体の一部を嵌合保持する形態とするこ
とができる。不飽和ポリエステル樹脂と熱可塑性ポリス
チレン樹脂との配合割合を変えることによって、熱可塑
性樹脂シートの軟化温度を設計することができる。通
常、樹脂シートを50℃〜60℃に加温すれば十分に軟
化することができ、42〜45℃程度に冷却したとき患
者の体型に添わせて型取りでき、30℃前後に冷却した
とき、剛性が高く、形態保持安定性に優れた透明シート
となる。これらのレベルの温度領域は、樹脂シートから
熱成形により患者の体型手に合う固定具を作成するうえ
で、扱い易く好適な温度である。
【0023】(4)硬化ポリエステルと熱可塑性ポリス
チレン樹脂との組成物の架橋物からなる本発明の熱可塑
性樹脂シートは、高温軟化時から低温に冷却したときの
収縮が小さい(通常約0.5%程度)ため、精密な型取
りができる。 (5)硬化ポリエステルと熱可塑性ポリスチレン樹脂と
の組成物の架橋物からなる本発明の熱可塑性樹脂シート
は、比重が比較的小さいため、固定具を透過して放射線
治療をする際、比較的低い照射線量で治療できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 67/06 B29K 67:00 25:04) B29L 7:00 B29K 67:00 A61G 13/00 M B29L 7:00 Fターム(参考) 4C093 CA08 CA33 ED11 4C341 MM01 MM20 MN11 MS02 4F071 AA22 AA49 AC02A AC03A AC08 AC08A AE02A AE03A AE19A AF26 AF30 AF53 AH19 BA02 BB02 BC01 4F205 AA13 AA41 AB03 AB19 AC05 AG01 AH63 GA07 GB01 GC10 GE22 GE30 GF03 GF24 GN22 GW26 GW41 4J002 BC032 CF221 EA056 EB026 EE036 EF088 EH006 EK077 FD020 FD147 FD158 GB00 HA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者の治療部位の運動ブレを抑制するた
    めに患者の身体の一部を嵌合保持する形態に熱成形され
    て使用される熱可塑性樹脂シートであって、該シートは
    不飽和ポリエステル樹脂85〜99重量%と熱可塑性ポ
    リスチレン樹脂15〜1重量%とを含む組成物の架橋生
    成物からなり、透明で、かつ放射線透過性であることを
    特徴とする放射線治療患者固定具作成用熱可塑性樹脂シ
    ート。
  2. 【請求項2】 不飽和ポリエステル樹脂85〜99重量
    %と、該不飽和ポリエステル樹脂との合計量に基づき1
    5〜1重量%の熱可塑性ポリスチレン樹脂を有機溶剤に
    溶解せる溶液とを混合し、得られた混合液を架橋処理す
    るとともにシート状に成形することを特徴とする、透明
    で、かつ放射線透過性である放射線治療患者固定具作成
    用熱可塑性樹脂シートの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007503865A (ja) * 2003-08-28 2007-03-01 オンコログ メディカル キューエイ エイビー 患者を再位置決めする装置と方法

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