JP2003047379A - 漁業用重り - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 魚を捕まえる際に用いられる釣り針や網を水
中に沈ませるための漁業用重りであって、釣り針または
網に付着される重りの水中での引掛りを防ぎ、紛失を減
らして経済的利益は勿論、万一紛失しても水質環境汚染
を予防できる漁業用重りを提供することにある。 【解決手段】 重り体に貫通ホールが形成され、重り体
の外面および貫通ホール内面は被覆材により被覆されて
いるが、被覆された外側面には放射状に多数の弾性突起
を一体型に成形したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、魚を捕まえる際に
用いられる釣り針や網を水中に沈ませる漁業用重りに関
するものであり、さらに詳しくは、重り体の内外側表面
はゴム材で完全被覆するが、外側面には一体に多数の弾
性突起を放射状に形成した漁業用重りに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】一般的に重りは、釣り糸につるす大きさ
が小さい釣り用の重りと、網の下端につるす大きさが大
きい網用の重りに区分され、水中で抵抗を受けにくいよ
うに大きさに比べて重い、鉛素材からなるものが大部分
である。

【０００３】上記重りは、図６のように一体型重り体１
からなるものであり、外形が楕円形のものが普通で、長
さ方向中央部に貫通ホール２を形成し、糸を通してつる
し易いようになっている。

【０００４】このような重りを釣り糸につるし、水中に
投げ入れると、表面的に小さいため、沈む時に小さな岩
の隙間や砂利に容易く引っ掛り、これにより釣り糸を引
上げる際に重りが引っ掛って落ちる場合があった。

【０００５】特に、多くの魚が生息する岩盤のような障
害物が多い所ではさらに頻繁に引っ掛り重りを紛失する
ことが多く、このとき重りと連結していた他の装備類も
一緒になくしてしまっていた。

【０００６】また、網用に使う際は重りが水中の岩や砂
利に引っ掛り、網が切れたり重りをなくしてしまう場合
も頻繁にあった。

【０００７】上記のように、重りの紛失時には経済的損
失をもたらすのは勿論、新しいものを再度連結する作業
が煩わしく、また水中に残るため重金属である鉛からな
る重りが水質環境汚染を引き起こし、水中生態系を破壊
するという大きな原因になっている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の問題点を勘案し発明されたものであり、その目
的は、釣り針または網に付ける重りの水中での引っ掛り
を防ぎ、紛失の数を減らして経済的利益は勿論、万一紛
失しても水質環境汚染を予防できる漁業用重りを提供す
ることにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、重り体に貫通
ホールが形成された漁業用重りにおいて、重り体の外面
および貫通ホール内面、即ち、重り体の内外側表面を完
全に密閉して覆えるように被覆材で被覆するが、被覆さ
れた外側面には放射状に多数の弾性突起を一体型に形成
したことを特徴とする。

【００１０】この時、上記重り体は水質環境汚染の害が
少ない、重金属ではない大きな比重の金属からなること
が望ましい。

【００１１】上記のような本発明は、大きさによって釣
り針用重り及び網用重りとして用いられ、外面に所定長
さを有する弾性突起が放射状に形成され、水中の岩や砂
利等に引掛って落ちる恐れがなく、紛失時にも表面全体
が天然ゴムで被覆されているため、水質環境汚染が全く
ない。以下、本発明の具体的な実施例を図面により詳し
く説明する。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は本考案に係る漁業用重りの
斜視図であり、図２は図１の断面図を各各図示してい
る。

【００１３】本発明の実施例で貫通ホール２が形成され
た重り体１からなる構成は、従来と同様である。しか
し、本発明では上記重り体１の内外側表面全体が天然ゴ
ムで薄く被覆されており、外側面には多数の弾性突起３
が放射状に所定長さが突出形成されている。

【００１４】上記重り体１は、大きさに比べて重い大き
な比重を有する成形化された金属または粉末や粒子状の
金属材を使用し、できるだけ重金属である鉛は使わない
ことが望ましい。

【００１５】これは重りの使用時、水中で紛失して被覆
が剥がれても重金属の鉛とは違い、深刻な水質環境汚染
を防ぐためである。

【００１６】重り体１の外面および貫通ホール２全体
面、即ち、重り体１の内外側表面には重り体１が完全密
閉され、露出しないよう射出成形によって天然ゴムから
なる被覆材３が被覆されているのである。

【００１７】この時、重りの外形は既存のもののように
楕円形を成すものが望ましく、天然ゴムからなる被覆材
３の外側面には多数の弾性突起４が放射方向に一体に成
形されている。

【００１８】弾性突起４は円筒形状で所定長さを有し、
図１に図示したように重りの上、下側に各各３個、中間
に４個を放射方向に形成することが望ましい。また、材
質の特性上、成形時には重りの重さを変えることなく持
ちこたえることができる弾性を維持し、外力の作用時に
は曲げられるのである。

【００１９】上記のような構成からなる本考案の漁業用
重りは、釣り用重りとして使用する時には図３に図示し
たように、放射状に設けられた弾性突起４の役割は、小
さな岩の間に容易く入り込んではまる恐れがなく、また
大きな岩間に入り込んでしまっても、図４のように重り
がつるされている釣り糸を引っ張れば、弾性突起４の弾
性および曲がることにより、重りが引っ掛ることなく簡
単に脱出が可能である。

【００２０】また、図５に図示したように網用としての
使用時にも、水中底の砂利等による引っ掛りがなくな
り、網が切れたり重りが落ちて紛失することを防ぐこと
ができるようになる。

【００２１】上記本発明の実施例では、本発明の望まし
い実施例を説明しているに過ぎなく、本発明の技術範囲
を限定するものではない。即ち、本発明は重りの素材を
水質汚染に害がない他の素材の使用が可能で、被覆材ま
たは天然ゴム材だけでなく、弾性力を有する合成樹脂で
も可能である。このような変形が本発明の権利範囲に属
することは当然である。

【００２２】

【発明の効果】上記のような本考案は、放射状に弾性突
起が形成され、岩間にたやすく入り込むことを防げ、ま
た、入り込んでも簡単に脱出でき、水中の砂利等による
引っ掛りを防いで重りの紛失を減らし、経済的にも効果
がある。また、重りの紛失時にも重り体が被覆されてい
るため、重金属や酸化作用による水質汚染の環境問題を
予防できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る漁業用重りの斜視図である。

【図２】図１の断面図である。

【図３】本考案に係る漁業用重りの使用状態図である。

【図４】本考案に係る漁業用重りの使用状態図である。

【図５】本考案に係る漁業用重りの使用状態図である。

【図６】従来の漁業用重りの斜視図である。

【符号の説明】

１−重り体 ２−貫通ホール ３−被覆材 ４−弾性突起

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 重り体に貫通ホールが形成された漁業
   用重りにおいて、重り体の外面および貫通ホール内面は
   被覆材によって被覆されているが、被覆された外側面に
   は放射状に多数の弾性突起を一体型に成形したことを特
   徴とする漁業用重り。
2. 【請求項２】 上記重り体は、大きな比重を有する金
   属からなることを特徴とする請求項１記載の漁業用重
   り。