JP2003046099A - 集積型光起電力装置及びその製造方法 - Google Patents

集積型光起電力装置及びその製造方法

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JP2003046099A
JP2003046099A JP2001230124A JP2001230124A JP2003046099A JP 2003046099 A JP2003046099 A JP 2003046099A JP 2001230124 A JP2001230124 A JP 2001230124A JP 2001230124 A JP2001230124 A JP 2001230124A JP 2003046099 A JP2003046099 A JP 2003046099A
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amorphous
electrode film
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metal electrode
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Keisho Yamamoto
恵章 山本
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Sanyo Electric Co Ltd
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非晶質半導体層が薄膜化しても、裏面金属電
極膜の加工不良の発生を防止する集積型光起電力装置及
びその製造方法を提供することをその目的とする。 【解決手段】 この発明の集積型光起電力装置は、透光
性絶縁基板1上の一主面上に複数の光電変換素子領域毎
に分割形成された透明導電膜2と、前記透光性絶縁基板
1上に形成された透明導電膜2上に設けられ、複数の光
電変換素子領域毎に分割された非晶質半導体層3と、前
記透光性絶縁基板1の他主面側からレーザビームの照射
により分割された前記非晶質半導体層3上に設けられた
金属電極膜42を含む裏面電極膜4と、を備えた集積型
光起電力装置において、前記裏面電極膜4は、前記金属
電極膜42上に当該金属電極膜42より融点が高い非晶
質シリコン半導体膜5が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、非晶質半導体を
用いた集積型光起電力装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、非晶質シリコン(a−Si)系半
導体を光活性層に用いた光起電力装置がいろいろな用途
に使用されている。これは一枚の基板上に多数の光電変
換素子をカスケード接続することにより、高電圧を取り
出されるようにした集積型a−Si光起電力装置の開発
に負うところが大きい。
【0003】一般的なa−Si光起電力装置は、ガラス
基板の上に透明導電膜、p型、i型、n型a−Si膜、
裏面電極膜をこの順序で積層して形成される。そして、
集積型a−Si光起電力装置は、全体として1枚の基板
から高い電圧を取り出すように、多数の光電変換素子を
カスケード接続している。
【0004】集積型構造を形成するためには、ガラス基
板上の透明導電膜、a−Si膜、裏面電極膜を分離する
必要がある。各々の膜を分離する方法としては、主にレ
ーザを用いたレーザパターニング法が用いられている
(例えば、特公平4−64473号公報参照)。
【0005】従来のレーザパターニング法を用いた集積
型光起電力装置の製造方法につき図5に従い説明する。
図5は、従来の集積型光起電力装置の製造方法を工程別
に示す要部拡大断面図であって、2つの光電変換素子を
電気的に直列接続する隣接間隔部を中心に示している。
【0006】ガラスなどの透光性絶縁基板1の一主面上
にITO(インジウム錫酸化物)やSnO2(酸化錫)
などからなる透明導電膜2を形成し、例えば、レーザビ
ームの照射により透明導電膜2を任意の段数に短冊状に
分割する(図5(a)参照)。
【0007】そして、この分割された透明導電膜2上に
内部にpin接合を有するa−Si膜からなる非晶質半
導体層3を堆積する(図5)(b)参照)。その後、基
板1の他主面側(透光性絶縁基板1側)から、透明導電
膜2の分割ラインに沿って、この分割ラインと重ならな
いようにしてレーザビームを照射し、非晶質半導体層3
内の水素を急激に放出させ、この水素の放出により非晶
質半導体層を除去して、非晶質半導体層3を分割する
(図5(c)参照)。
【0008】続いて、非晶質半導体層3上にITOなど
の酸化導電膜41を積層した後、アルミニウム(A
l)、銀(Ag)などの裏面金属膜42を積層して裏面
電極膜4を形成し、透明導電膜2と裏面電極膜4とを接
続する(図5(d)参照)。
【0009】その後、透明導電膜2及び非晶質半導体層
3の分割ラインに沿って、両分割ラインと重ならないよ
うにして、基板1の他主面側からレーザビームを照射
し、非晶質半導体層3内の水素を急激に放出させて、非
晶質半導体層3及びその上の裏面電極膜4を除去し、隣
接するセル間を分離する(図5(e)参照)。
【0010】上記した裏面電極膜4は、電極としての機
能の他に裏面反射光の有効利用のために十分な反射率が
要求されている。十分な反射率を得るためには、100
0Å程度の膜厚を必要とする。
【0011】また、集積構造を形成する際に、上記した
ように、透光性絶縁基板1側から入射したレーザ光によ
り半導体層の飛散除去の力を利用して裏面電極膜4を分
離する手法を用いる場合、裏面電極膜4は、レーザ加工
時の熱を効果的に逃して半導体層3への熱ダメージを抑
制する役割を担う。このため、裏面電極の裏面金属膜4
2の膜厚は少なくとも3000Å以上必要であり、望ま
しくは6000Åの膜厚を必要としている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光劣化対策
や変換効率向上に伴う非晶質半導体層の膜厚の最適化及
びナローバンドギャップ材料を用いた積層型光起電力装
置の開発が進むにつれ、非晶質半導体層の薄膜化が進ん
でいる。非晶質半導体層の薄膜化に伴い、裏面金属電極
膜のパターニングの際に、非晶質半導体層内の水素の絶
対量が不足し、裏面金属電極膜が完全に除去されないと
いう問題があった。特に、非晶質半導体層の膜厚が30
00Å以下になると、非晶質半導体層内の水素の絶対量
不足による加工不良が顕著になる。
【0013】すなわち、図6に示すように、裏面金属膜
42の膜厚が厚いと除去部に残留部8が発生し、十分な
特性を得ることができないという問題があった。尚、図
6はセル間の分離部を示す要部断面図である。これに対
しては、小さい力学的作用でも非晶質半導体層3と裏面
電極膜4とを除去できるべく裏面金属膜42の膜厚を薄
くする方法が考えられる。
【0014】しかし、裏面金属膜41の膜厚を薄くすれ
ば、レーザビーム照射の際の熱伝導による放熱効果が減
少し、裏面金属膜41の端部の熱変形及び溶融飛散物の
再付着などによる短絡が発生する。
【0015】例えば、裏面金属膜41の材料にアルミニ
ウム(Al)を用い、半導体層側からNd:YAGレー
ザを5×107W/cm2のエネルギー密度で照射した場
合の深さ方向の温度分布シミュレーション結果を図7及
び図8に示す。なお、非晶質半導体層3上に形成する酸
化導電膜41として、膜厚1000ÅのITOを用い
て、裏面金属膜42の膜厚を変化させてシミュレーショ
ンを行った。
【0016】図7は裏面金属膜42の膜厚が6000Å
の場合の深さ方向の温度分布シミュレーション結果を、
図8は裏面金属膜42の膜厚が3000Åの場合の深さ
方向温度分布シミュレーション結果をそれぞれ示す図で
ある。これらの図から裏面金属膜42の膜厚を6000
Åから3000Åに薄くすると、裏面電極全体が融点を
超え完全に溶融してしまうことがわかる。
【0017】その結果、図9に示すように、裏面金属電
極42端部の溶融だれ8a、及び分離溝内部への溶融飛
散物9の再付着が発生した。尚、図9は膜厚3000Å
の裏面金属膜42を用いた場合のセル間の分離部を示す
要部断面図である。
【0018】その結果、図10に示すように、裏面金属
電極のセル間分離部の信頼性が低下し、12段の集積型
光起電力装置を形成した場合、レーザビームによる分離
形成を必要としないリファレンスの1cm角シングルセ
ルの開放電圧に比べ、ばらつきの大きい開放電圧となっ
た。これは、裏面金属膜42の分離部端部の溶融だれ等
が透明電極2と接触することにより、短絡が発生した結
果である。
【0019】また、この非晶質半導体層の薄膜化におけ
る裏面金属電極膜のセル間分離不良を防止する方法とし
て、これまでに特開平11−103079号公報に示す
ように、裏面金属電極膜上に少なくとも溶融状態で裏面
金属電極膜より硬度が高い脆性膜を設け、前記透光性基
板の他主面側からエネルギービームを照射し、前記非晶
質半導体層、裏面金属電極膜及び脆性膜を除去すること
により、裏面金属電極より硬度が高く熱変形量が小さ
く、もろく、除去の妨げにならない脆性材料で裏面金属
電極を覆い一緒に除去することで溶融だれによるショー
トを防止することが提案されている。
【0020】しかしながら、この方法を用いても非晶質
半導体層3の膜厚が3000Åより薄くなり、非晶質半
導体層内の水素の絶対量がさらに不足すると、硬度が高
い膜43を裏面金属膜42上に形成するため、裏面金属
膜42の膜厚が厚い場合と同様、図11に示すように、
除去部に残留物44が発生し、十分な特性を得ることが
できなくなる等の問題があった。
【0021】この発明は、上述した従来の問題点に鑑み
なされたものにして、非晶質半導体層が薄膜化しても、
裏面金属電極膜の加工不良の発生を防止する集積型光起
電力装置及びその製造方法を提供することをその目的と
する。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明の集積型光起電
力装置は、透光性絶縁基板上の一主面上に複数の光電変
換素子領域毎に分割形成された透明導電膜と、前記透光
性絶縁基板上に形成された透明導電膜上に設けられ、複
数の光電変換素子領域毎に分割された非晶質半導体層
と、前記透光性絶縁基板の他主面側からレーザビームの
照射により分割された前記非晶質半導体層上に設けられ
た金属電極膜を含む裏面電極膜と、を備えた集積型光起
電力装置において、前記裏面電極膜は、前記金属電極膜
上に当該金属電極膜より融点が高い非晶質薄膜若しくは
微結晶薄膜が設けられていることを特徴とする。
【0023】前記非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜は、真
性の半導体膜で構成することができる。
【0024】また、前記非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜
は、非晶質シリコン半導体膜、非晶質ゲルマニウム半導
体膜、非晶質シリコン系合金半導体膜及び非晶質カーボ
ン膜の群から選択された膜で構成することができる。
【0025】また、前記非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜
は、膜厚が1000Å以下に構成するとよい。
【0026】また、前記裏面電極膜の金属電極膜は、膜
厚1000Å以上3000Å以下でに構成するとよい。
【0027】また、この発明の集積型光起電力装置の製
造方法は、透光性絶縁基板の一主面上に、透明導電膜、
非晶質半導体層及び金属電極膜を含む裏面電極膜をこの
順序で積層形成した集積型光起電力装置の製造方法であ
って、前記非晶質半導体層上に、金属電極膜を含む裏面
電極膜を設けるとともに、前記金属電極膜上に当該金属
電極膜より融点が高い非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜を
設けた後、透光性絶縁基板の他主面側からレーザビーム
を照射し、前記非晶質半導体層及び裏面電極膜を除去す
ることを特徴とする。
【0028】上記したこの発明によれば、裏面金属電極
膜上にこの裏面金属電極膜より融点が高く、非晶質薄膜
若しくは微結晶薄膜を設けることにより、裏面金属電極
膜の放熱性を向上し、昇温を抑え溶けにくくするととも
に、裏面金属電極膜が溶融しても、自身は溶融しにくく
且つ絶縁性があり、表面張力で溶融した裏面電極膜を付
着させるため溶融短絡を抑制することが可能である。さ
らに、非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜は、堅い脆性膜と
異なり、硬度が低いため、非晶質半導体層の膜厚が30
00Åより薄くなり、非晶質半導体層内の水素の絶対量
が不足する場合でも問題なく裏面電極膜を飛散させるこ
とができ、裏面電極膜の分離部端部の溶融だれや分離溝
内部への溶融飛散物の再付着がなく裏面電極膜を分離で
きる。この結果、非晶質半導体層が極薄膜化しても裏面
電極膜の加工不良の発生を抑制できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態に係
る集積型光起電力装置の製造方法につき図1及び図2に
従い説明する。この発明の実施の形態は、非晶質半導体
層として、非晶質シリコン(a−Si)と非晶質シリコ
ン・ゲルマニウム(a−SiGe)を多層化したいわゆ
るタンデム構造の集積型光起電力装置に適用したもので
ある。尚、従来例と同一部分には同一符号を付す。
【0030】図1は、この発明の集積型光起電力装置の
製造方法を工程別に示す要部拡大断面図であって、2つ
の光電変換素子を電気的に直列接続する隣接間隔部を中
心に示している。また、図2は、この発明の集積型光起
電力装置を示す要部拡大断面図である。
【0031】ガラスからなる絶縁性透光性基板1の一主
面上に膜厚0.2μmから1μm、この実施の形態では
約1μmの膜厚のSnO2からなる透明導電膜2を熱C
VD法などにより形成する。その後、例えば、レーザビ
ームの照射により透明導電膜2を任意の段数に短冊状に
分割する(図1(a)参照)。そして、透明導電膜2上
に内部にpin接合を有するフロントのa−Si膜とボ
トムのa−SiGeとを積層したトータル膜厚が0.2
から0.4μm程度の非晶質半導体層3を堆積する。こ
の実施の形態においては、トータル膜厚が約0.3μm
の非晶質半導体層3をプラズマCVD法により形成した
(図1(b)参照)。
【0032】この非晶質半導体層3は、図2に示すよう
に、a−SiCからなる膜厚200Åのフロントp型非
晶質半導体層31とa−Siからなる膜厚1300〜1
800Åのフロントi型非晶質半導体層32と微結晶シ
リコンからなる膜厚300Åのフロントn型非晶質半導
体層33、非晶質シリコンカーバイト(a−SiC)か
らなる膜厚200Åのボトムp型非晶質半導体層34と
a−SiGeからなる膜厚1000〜1500Åのボト
ムi型非晶質半導体層35と微結晶シリコンからなる膜
厚300Åのボトムn型非晶質半導体層36とで構成さ
れている。
【0033】その後、基板1の他主面側から、透明導電
膜2の分割ラインに沿って、この分割ラインと重ならな
いようにしてレーザビームを照射し、非晶質半導体層3
内の水素を急激に放出させ、この水素の放出により非晶
質半導体層を除去して、非晶質半導体層3を分割する
(図1(c)参照)。尚、このレーザパターニングの
際、非晶質半導体層3中の水素の絶対量が不足して、非
晶質半導体層3の分離が十分でなくても、透明導電膜2
の一部が露出していれば、次の行程で形成される裏面電
極膜4との電気的接続が行えるので、問題にはならな
い。
【0034】続いて、非晶質半導体層3上に、膜厚10
00Å程度のITOなどの酸化導電膜41を積層した
後、Au、Ag、Al、Cu、Ti、W、Ni等の常温
(300K)の電気抵抗率が50.0μΩ・cm以下の
材料から選択される膜厚3000Åの裏面金属膜42を
スパッタ法により形成して、透明導電膜2と裏面電極膜
4とを接続する。この裏面電極膜4は、金属単膜又は透
明導電膜/金属膜又は金属膜/透明導電膜又は透明導電
膜/金属膜/透明導電膜のような金属を中心とした複合
構造の場合もあるが、この実施の形態においては、IT
Oをスパッタ法により形成した後、Agをスパッタ法に
より形成し、裏面電極膜4を構成している。
【0035】そして、この裏面金属膜42上に裏面金属
膜42より融点が高く、硬度の低い非晶質薄膜若しくは
微結晶薄膜5を裏面金属膜42上に設ける(図1(d)
参照)。非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜5を設けること
により、裏面金属電極4の放熱性を向上し、昇温を抑え
溶けにくくする。そして、更に、裏面金属膜42が溶融
しても、自身は溶融しにくく且つ絶縁性があり、表面張
力で溶融した裏面電極4を付着させるため溶融短絡を抑
制することが可能であると共に、除去時の妨げとなりに
くいように、硬度の低い非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜
5をプラズマCVD法、スパッタ法等により形成してい
る。この融点が高く、硬度の低い非晶質薄膜若しくは微
結晶薄膜5としては、真性の半導体膜、例えば、非晶質
シリコン半導体膜、非晶質ゲルマニウム半導体膜、非晶
質シリコン系合金半導体膜で形成するとよい。また、前
記非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜5は、絶縁性を有する
膜、例えば、非晶質カーボン膜で形成してもよい。
【0036】この実施の形態では、膜厚400Åの真性
アモルファスシリコン膜(a−Si(i))により非晶
質薄膜若しくは微結晶薄膜5を形成した。このa−Si
(i)からなる非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜5のビッ
カース硬度は400kg/mm 2であった。これは、前述
した従来発明で発電層が薄い場合の分離不良を抑制する
ため裏面金属電極膜上に形成する金属酸化膜、金属窒化
膜、金属炭化膜等の脆性膜の硬度がビッカース硬度90
0kg/mm2以上であることと比較すると、非晶質半導
体層内の水素の絶対量が不足する場合でも堅い脆性膜と
異なり高度がはるかに低いため、問題なく裏面電極膜4
を飛散させることができる。
【0037】その後、透明導電膜2及び非晶質半導体層
3の分割ラインに沿って、基板1の他主面側から裏面金
属電極加工部分にレーザビームを照射し、非晶質半導体
層3内の水素を急激に放出させると共に、裏面電極膜4
を溶融させ非晶質半導体及びその上の裏面金属電極膜を
除去し、隣接するセル間を分離する(図1(e)参
照)。
【0038】この時、裏面電極4は融点が高く、硬度の
低い真性アモルファスシリコン膜(a−Si(i))か
らなる非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜5で挟み込んだ状
態で飛散させることになり、裏面金属膜42の分離部端
部の溶融だれや分離溝内部への溶融飛散物の再付着はな
く裏面電極4を分離できる。分離した結果を電子顕微鏡
で確認したところ、図3に示すように、端部の溶融だれ
は見られなかった。
【0039】次に、この発明の集積型光起電力装置にお
ける裏面金属電極膜のパターニングの評価を行うため、
40cm×30cmサイズ37段の集積型a−Si/a
−SiGeタンデム構造の光起電力装置を作成し、それ
ぞれの格段の低照度Voc測定を行った。この測定は、
1万ルクス蛍光灯下にて行った。
【0040】そのときのVoc(開放電圧)測定結果を
図4に示す。図4に示すように、開放電圧も1.2V/
段となり、リファレンスの1cm角セルと同等の結果が
得られた。ここで前記非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜5
を膜厚1000Åより厚く、あるいは前記裏面電極膜4
2を膜厚3000Åより厚くすると、非晶質半導体層3
の膜厚が3000Åより薄く非晶質半導体層3内の水素
の絶対量が不足すると、裏面電極4、あるいは非晶質薄
膜若しくは微結晶薄膜5の膜厚が厚い場合、除去部に残
留物が発生し、十分な特性を得ることができなくなる等
の問題が起こった。また、前述したように、裏面反射光
の有効利用のために十分な反射。十分な反射率を得るた
めには、裏面電極膜は1000Å程度の膜厚を必要とす
る。従って、前記非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜5は、
膜厚が1000Å以下、前記裏面金属膜42は、膜厚が
1000Å以上3000Å以下であることが望ましい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、薄膜化により非晶質半導体層中の水素が不足しても
確実に裏面電極を加工することができ、集積型光起電力
装置の出力特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の集積型光起電力装置の製造方法を工
程別に示す要部拡大断面図である。
【図2】この発明の集積型光起電力装置を示す要部拡大
断面図である。
【図3】この発明のセル間分離部を示す要部断面図であ
る。
【図4】この発明にかかる集積型光起電力装置における
各段の低照度Voc測定結果を示す図である。
【図5】従来の集積型光起電力装置の製造方法を工程別
に示す要部拡大断面図である。
【図6】裏面金属電極膜厚が6000Åと厚い場合の従
来セル間分離部を示す要部断面図である。
【図7】従来の裏面金属電極膜厚が6000Åと厚い場
合の深さ方向の温度分布シミュレーション結果を示す図
である。
【図8】従来の裏面金属電極膜厚が3000Åの場合の
深さ方向の温度分布シミュレーション結果を示す図であ
る。
【図9】従来の裏面金属電極膜厚が3000Åと薄い場
合の従来セル間分離部を示す要部断面図である。
【図10】従来の集積型光起電力装置における各段の低
照度Voc測定結果を示す図である。
【図11】従来の裏面金属電極膜上に脆性材料膜を積層
した構造のセル間分離部を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性透光性基板 2 透明導電膜 3 非晶質半導体層 4 裏面電極膜 41 酸化導電膜 42 裏面金属膜 5 非晶質薄膜(微結晶薄膜)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性絶縁基板上の一主面上に複数の光
    電変換素子領域毎に分割形成された透明導電膜と、前記
    透光性絶縁基板上に形成された透明導電膜上に設けら
    れ、複数の光電変換素子領域毎に分割された非晶質半導
    体層と、前記透光性絶縁基板の他主面側からレーザビー
    ムの照射により分割された前記非晶質半導体層上に設け
    られた金属電極膜を含む裏面電極膜と、を備えた集積型
    光起電力装置において、前記裏面電極膜は、前記金属電
    極膜上に当該金属電極膜より融点が高い非晶質薄膜若し
    くは微結晶薄膜が設けられていることを特徴とする集積
    型光起電力装置。
  2. 【請求項2】 前記非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜は、
    真性の半導体膜であることを特徴とする集積型光起電力
    装置。
  3. 【請求項3】 前記非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜は、
    非晶質シリコン半導体膜、非晶質ゲルマニウム半導体
    膜、非晶質シリコン系合金半導体膜及び非晶質カーボン
    膜の群から選択された膜であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の集積型光起電力装置。
  4. 【請求項4】 前記非晶質薄膜若しくは微結晶薄膜は、
    膜厚が1000Å以下であることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれかに記載の集積型光起電力装置。
  5. 【請求項5】 前記裏面電極膜の金属電極膜は、膜厚1
    000Å以上3000Å以下であることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれかに記載の集積型光起電力装
    置。
  6. 【請求項6】 透光性絶縁基板の一主面上に、透明導電
    膜、非晶質半導体層及び金属電極膜を含む裏面電極膜を
    この順序で積層形成した集積型光起電力装置の製造方法
    であって、前記非晶質半導体層上に、金属電極膜を含む
    裏面電極膜を設けるとともに、前記金属電極膜上に当該
    金属電極膜より融点が高い非晶質薄膜若しくは微結晶薄
    膜を設けた後、透光性絶縁基板の他主面側からレーザビ
    ームを照射し、前記非晶質半導体層及び裏面電極膜を除
    去することを特徴とする集積型光起電力装置の製造方
    法。
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