JP2003045698A - プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置 - Google Patents
プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置Info
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Abstract
良く形成することが可能なプラズマ発生装置及びこれを
備えたプラズマ処理装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 大気よりも減圧された雰囲気を維持可能
な真空チャンバ(2)と、ループ状共振器(1)と、ル
ープ状共振器の管路の全周に亘って連続的に設けられた
開口(3)を備え、方向性結合器(7)を介して供給導
波管(5)から前記ループ状共振器(1)を励振するこ
とによって前記ループ状共振器にマイクロ波の進行波を
共振させ、前記共振したマイクロ波を前記開口(3)を
介して前記真空チャンバに導入してプラズマを生成する
ことを特徴とするプラズマ発生装置を提供する。
Description
及びプラズマ処理装置に関し、特に、真空チャンバ内で
大面積且つ均一なプラズマを発生させることができるプ
ラズマ発生装置及びこれを備えたエッチング装置などの
プラズマ処理装置に関する。
アッシング、薄膜堆積あるいは表面改質などのプラズマ
処理は、半導体製造装置や液晶ディスプレイ製造装置な
ど、電子産業をはじめとした各種の産業分野において広
く利用されている。
的なものして、マイクロ波によりプラズマを励起する
「マイクロ波励起型」のプラズマ処理装置がある。
は、いくつかの種類があり、その一例として、真空チャ
ンバ内にプロセスガスを導入し、マイクロ波導波管から
導かれたマイクロ波をマイクロ波透過窓や同軸アンテナ
などを介してプロセスガスに照射することにより真空チ
ャンバ内にプラズマを発生させるものがある。このよう
にしてプロセスガスから活性種を生成し、これを真空チ
ャンバ内に配置された被処理物の表面に供給することに
よって、ドライエッチングやアッシングなどのプラズマ
処理を施すことができる。
レイ用ガラス基板は、年々大面積化が進められているた
め、これらをプラズマ処理するために大面積にわたって
密度が高く且つ均一なプラズマ発生装置が必要とされて
いる。
752号公報や特開平9−306900号公報には、真
空チャンバの周囲に環状の導波管を配置した構成が開示
されている。
00号公報に開示された環状導波管を表す模式図であ
る。同図の構成において、図示しない真空チャンバは、
環状導波管503の中央に配置される。マイクロ波電源
から導入されたマイクロ波523は、分配ブロック52
1で左右に2分配され、自由空間よりも長い管内波長を
もって伝搬する。このように伝搬するマイクロ波は、管
内波長の1/2または1/4毎に設置されたスロット5
22から漏れ波525として放出される。そして、この
環状導波管の内側に配置された真空チャンバ内に、誘電
体透過窓などを介して導入される。
開示されているマイクロ波導入装置の要部を表す模式図
である。すなわち、同図において101は円筒状導波
管、102はマイクロ波を円筒状導波管101からプラ
ズマ処理室へ導入するために該円筒状導波管101の内
側側壁に形成された複数のスロット、103はマイクロ
波を円筒状導波管101に導入するためのマイクロ波導
入部である。
ず)は、この円筒状導波管の中央に設置され、導波管の
内側側壁に設けられたスロット102からマイクロ波が
導入される。
波管を用いると、従来のアンテナ式のプラズマ発生装置
などと比較して、より大面積に亘ってプラズマを生成で
きる点で有利である。
乃至図12に例示したいずれのプラズマ発生装置も、環
状導波管の中に形成されるマイクロ波は定在的な波動場
を有し、この波動場からの漏れ波を取り出すという発想
に基づいている。これは、所定の間隔で設けられた複数
の狭いスロット102、522からマイクロ波を取り出
すという構成からも明らかである。
状導波管内に形成されるマイクロ波に定在波(standing
wave)の強度分布に応じてプラズマの分布に不均一が
生ずるという本質的な問題がある。
の場合には、そのスロット102、522の位置に応じ
たプラズマの強弱が生じ、強度分布は不均一なものとな
る。
れる場合、その波動場の強度分布には、建設的干渉(co
nstructive interference)及び相殺的干渉(destructi
ve interference)による極大と極小とが形成される。
そして、これに対応して、プラズマのイオン化率に極大
と極小の分布が生ずるために、電子、イオンあるいは活
性種(radical)を含むプラズマの密度あるいはフラッ
クスにも、極大と極小とを有する空間分布が生ずること
となる。つまり、マイクロ波の伝搬方向に沿って、プラ
ズマの強度が周期的に変化する不均一が生ずる。
部的な吸収手段を設けて、マイクロ波が境界(boundar
y)に到達する前に吸収するという方法も考えられる。
すなわち、進行波に対して反射波が重畳されると定在波
が形成されるので、この反射波を吸収除去することによ
り定在波の発生を抑制することが可能である。
するためには、マイクロ波を非常に高い効率で吸収する
電磁波吸収手段が必要とされ、このような吸収手段を設
けると、その部分において、マイクロ波が形成する波動
場の強度は漸減する。その結果として、結局、十分な強
度のマイクロ波が得られず、また同時に、イオン化率あ
るいはプラズマの密度に不均一が生ずることとなる。
イクロ波の伝搬方向に沿って均一な強度分布を有し、強
度的にみても効率的なマイクロ波励起型のプラズマ発生
装置は実現されていない。
れたものであり、その目的は、大面積に亘って均一性の
高いプラズマを効率良く形成することが可能なプラズマ
発生装置及びこれを備えたプラズマ処理装置を提供する
ことにある。
め、本発明のプラズマ発生装置は、大気よりも減圧され
た雰囲気を維持可能な真空チャンバと、ループ状共振器
と、を備え、前記ループ状共振器においてマイクロ波の
進行波を共振させ、前記共振したマイクロ波の一部を前
記真空チャンバに導入してプラズマを生成することを特
徴とする。
て均一な分布を有するマイクロ波の進行波を共振させ、
その均一で強力なマイクロ波を真空チャンバに導入する
ことにより、均一で且つ密度の高い大面積のプラズマを
生成することができる。
前記ループ状共振器とを結合する方向性結合器と、をさ
らに備え、前記供給導波管から前記方向性結合器を介し
て前記ループ状共振器を励振することにより、前記ルー
プ状共振器において前記マイクロ波の進行波を形成する
ものとしてもよい。
状共振器に進行波を確実に励起させることができる。
の内部を伝搬する前記進行波の波長の整数倍と実質的に
等しいものとすれば、ループ状共振器に励起された進行
波を確実に共振させることができる。
ンバとの間に、前記マイクロ波の進行波を前記真空チャ
ンバ内に導入する開口が前記ループ状共振器の管路全周
に亘って連続的に設ければ、ループ状共振器において共
振形成した進行波の波動場が有する均一且つ強力なマイ
クロ波を均一に真空チャンバ内に導入することができ、
均一で密度が高い大面積のプラズマを生成することがで
きる。
すれば、マイクロ波の透過率も高く、真空と大気圧との
間の圧力差にも十分に耐えうる点で有利である。
のいずれかに記載のプラズマ発生装置を備えたことを特
徴とし、均一で密度が高い大面積のプラズマが得られる
ために、大面積の半導体ウェーハや液晶ディスプレイ用
基板などに対して、均一且つ迅速にエッチング、アッシ
ング、薄膜堆積、表面改質あるいはプラズマドーピング
などのプラズマ処理を実施することができる。
収するための外部的な吸収手段を設けることななく、効
率的にマイクロ波の進行波を形成することができる。そ
の結果として、マイクロ波の伝搬方向に沿った強度分布
を均一にでき、さらには、イオン化率、電子、イオンあ
るいは活性種の密度の分布の均一性が改善された大面積
の非磁化プラズマを形成することができる。
て、具体例を参照しつつ詳細に説明する。
ズマ発生装置の要部を概念的に表す模式図である。
結合器7によって結合されたループ状共振器1と供給導
波管5とを有する。方向性結合器7は、入力ポート6と
出力ポート8とを有する。入力ポート6から共振器1に
マイクロ波成分12が入力され、共振器1から出力ポー
ト8にマイクロ波成分11が出力される。
環して伝搬しうる相反する2方向のうちのいずれかの方
向の伝搬成分のみが励起されるように、供給導波管5と
ループ状共振器1とを結合する。つまり、マイクロ波パ
ワーは、供給導波管5から方向性結合器7の入力ポート
6を介してループ状共振器1に供給され、ループ状共振
器1を一方向に循環する伝搬成分を励起する。そして、
方向性結合器7の出力ポート8からの出力は、整合(マ
ッチング)されたダミーロード(dummy load)9により
吸収される。
おいては、供給導波管5を伝搬するマイクロ波成分10
と共振器1から出力されたマイクロ波成分11との振幅
が同じで位相が反転しており、同時に、供給導波管5か
ら共振器1に入力されるマイクロ波成分12と共振器1
を伝搬するマイクロ波成分13の位相が同一となるよう
に位相条件が調節されている。このようなマッチングが
形成されている場合、マイクロ波成分10と11とは逆
相となり打ち消し合うため、ダミーロード9におけるマ
イクロ波のパワーは最低となり、供給導波管5における
反射波は実質的に存在しない。
して共振器1を励起することにより、共振器1に一方向
のマイクロ波成分のみが供給されて、進行波による波動
場が形成される。換言すると、共振器1において、反射
波の導入による定在波の形成を防ぐことができる。
て導入された進行波が共振器1において共振する条件が
満たされている。具体的には、ループ状共振器1は、そ
の中を伝搬するマイクロ波進行波の管内波長の整数倍の
長さを有する。この管内波長は、真空チャンバ2にマイ
クロ波を導入するための開口3や、放電空間において生
成されるプラズマなどの条件に応じて適宜決定すること
ができる。すなわち、共振器1は、真空チャンバ2に接
続された状態でマイクロ波が共振する際の管内波長の整
数倍の経路長を有し、マイクロ波が共振器1内を一周し
てその波の位相が変わらないようにすればよい。
1の内をマイクロ波が進行波として伝搬すると、共振が
生じてその強度が高くなる。このような共振状態の進行
波から真空チャンバ2内にマイクロ波を導入することよ
り、均一で高い強度のプラズマを形成することができ
る。
10乃至図12に例示したような従来の環状導波管を用
いたプラズマ発生装置では得られないものである。例え
ば、図10及び図11に表した環状導波管503の場
合、導波管に導入されたマイクロ波523は、入り口に
設けられた分配ブロック521により左右に2分配さ
れ、互いに反対方向に進行する。従って、これら分配さ
れた波どうしが干渉して定在波が形成される。定在波が
形成されるとその振幅の強弱に対応して、プラズマの強
度にも不均一が生じてしまう。
の場合も、導入部103から導入されたマイクロ波は、
左右に分かれてそれぞれ反対方向に伝搬するため、進行
波とはならない。より詳しく説明すると、この導波管1
01の場合、導入部103から導入されて左右に分かれ
たマイクロ波のうちで、図面に向かって左側(左回り)
に進む波のほうが強度は高くなる。しかし、同図の構造
であっても、左右に分かれる波の強度の差は僅かに過ぎ
ない。
503の場合には、マイクロ波は、分配ブロック521
によって左右にほぼ50%:50%の強度比で分配され
る。これに対して、図12の導波管101の場合、導入
部103から導入されたマイクロ波の左右の分配比はせ
いぜい60%:40%程度である。その結果として、環
状導波管101内に定在波が形成され、マイクロ波の強
度に不均一が生ずることとなる。つまり、本発明のよう
に方向性結合器7を環状導波管の導入部に配置しないか
ぎり、環状導波管の中にマイクロ波の進行波の波動場を
形成することは困難である。
て、整合がとれた方向性結合器7を介してマイクロ波を
供給することにより、反射波の影響を排除して、共振器
1中に進行波によるマイクロ波の波動場を形成すること
ができる。さらに、このようにして形成されるマイクロ
波の進行波が共振するように、共振器1が構成されてい
る。
れるマイクロ波成分12は、いわば振り子式時計の「ば
ね」の役割を有する。すなわち、共振器1を伝搬する進
行波のうちで真空チャンバに放出されてプラズマの形成
に寄与した損失成分を補償する役割を有する。かくし
て、共振器1においては、常に一定の強度のマイクロ波
の進行波による波動場が形成される。
ズマ発生装置の共振器の断面構造を例示する斜視図であ
る。
真空チャンバ2の上面に共振器1が付設されている。そ
して、共振器1の内部に導波空間4が形成され、ここを
マイクロ波の進行波が共振条件で伝搬する。そして、こ
のマイクロ波の一部が開口3を介して真空チャンバ2に
導入され、プラズマPが生成され維持される。
状が略矩形状のものを例示したが、本発明はこれには限
定されず、導波空間4の断面形状は、真空チャンバとの
配置関係や、供給導波管5との接続関係あるいは、プラ
ズマの分布などを考慮して円形、楕円形、半円形、多角
形、その他対称あるいは非対称な不定形などとすること
ができる。
に共振進行波によるマイクロ波の均一な強度分布が形成
される。そこで、このような均一なマイクロ波を放電空
間に取り出すための開口(aperture)3が、共振器1の
長手方向に連続的に設けられている。同図に例示した構
造の場合、開口3の幅Wは共振器1の全周に亘って略均
一とされている。このようにすれば、共振器1において
形成される均一なマイクロ波の波動場を、その均一性を
維持したまま真空チャンバ2内に取り込むことが容易と
なる。
ば、真空チャンバ2内におけるガス流や圧力分布などに
応じて、導入するマイクロ波の強度に分布を設けたいよ
うな場合には、開口3の幅Wを場所毎に適宜変化させて
もよい。
失に透過し、且つ、導波空間4と真空チャンバ2とを区
画しつつチャンバ2の気密を維持できるものとする必要
がある。このような材料としては、例えば、石英やアル
ミナあるいはサファイアなどの誘電体を挙げることがで
きる。これらの誘電体は、マイクロ波に対する力率が低
く、真空と大気圧との圧力差にも耐えうる機械的強度を
有し、耐熱性も良好で、さらに、プラズマによりスパッ
タやエッチングされても、チャンバ内の被処理物を汚染
する虞も低い。
は、共振器1内を伝搬する進行波の減衰係数(attenuat
ion coefficient)を決定する要素となる。つまり、マ
イクロ波の進行波が共振器1を一周すると、その強度は
n%だけ減衰する。この減衰した分は、真空チャンバ2
内に導入されてプラズマの生成に寄与することとなる。
本発明においては、開口3の幅Wを広くしたり狭くする
ことによって、この減衰量nを制御できる。本発明者の
検討によれば、減衰量の最適値は、数%程度である。そ
して、共振器1を一周する間に吸収されたマイクロ波パ
ワーは、方向性結合器7を介して外部から補充されるこ
ととなる。
要な数値として、方向性結合器7の結合係数(coupling
coefficient)Cを挙げることができる。これは、簡単
に言うと、供給導波管5内を方向性結合器7に向けて伝
搬してくるマイクロ波の強度に対する、方向性結合器7
から共振器1の進行波方向に導入されるマイクロ波の強
度の比に対応する。従って、結合係数Cが大きいほど、
共振器1内における進行方向に高い効率でマイクロ波が
導入されることとなる。
ば、後述する各種の方向性結合器の形態のうちで、開口
を有するものの場合、その開口のサイズや位置を調節す
る方法がある。もちろん、これ以外にも方向性結合器の
形態に応じて各種の方法により結合係数Cを最適に調節
することができる。
造や、共振器1からマイクロ波をチャンバ2内に導入す
る開口3の幅Wを調節することによって、結合係数Cや
減衰係数nを制御し、マイクロ波が共振器1を一周する
間に生ずる損失分が、方向性結合器7を介してちょうど
補充されるように構成することができる。
振条件を満たしたループ状の共振器1に対して方向性結
合器7を介してマイクロ波を供給することにより、共振
器1内において定在波の生成を抑制し、進行波による均
一なマイクロ波分布を形成することができる。そして、
これを連続的に形成された開口3を介して真空チャンバ
2に導入することにより、均一な強度の大面積のプラズ
マを形成することが可能となる。
ことができる方向性結合器7の具体例のいくつかを紹介
する。
合器を表す模式図である。すなわち、同図に例示したよ
うに、供給導波管5とループ状共振器1とがH面で重な
って比較的小さい単一孔Aにより結合されている構造を
挙げることができる。このような場合、この単一孔Aを
介して供給導波管5から共振器1に漏れ出る電界によっ
て共振器1が励振され、単一孔Aの中心点に電気双極子
が存在するのと同様の分布が形成される。一方、供給導
波管5から共振器1に漏れ出る磁界によっても、単一孔
Aの中心点に磁気双極子が存在するのと同様の磁力線分
布が形成される。これら電気双極子と磁気双極子とを重
畳させた効果として、共振器1に沿って一方向のみに伝
搬するマイクロ波が励起される。
結合器を表す模式図である。同図に例示したように、供
給導波管5とループ状共振器1とがベーテ孔Aを介して
結合されている場合、供給導波管5のTE10モードの
電界に比例し孔に垂直な電気双極子と、供給導波管5の
磁界に比例し逆方向の磁気双極子が共振器1に形成され
る。これら電気双極子による波と磁気双極子による波と
は、共振器1の一方向においては同位相であり相加わる
が、逆方向においては逆位相となり差し引かれる。従っ
て、孔の位置を調節することにより逆方向の波を零とす
ることができる。
結合器を表す模式図である。すなわち、側壁またはH面
においてλg/4だけ離れた2つの小孔A、Bによっ
て、供給導波管5と共振器1とが結合されている。供給
導波管5を進行する波が、これら2つの小孔を介して共
振器1を励振する。このときに、2つの小孔を介してそ
れぞれ励振された波は、供給導波管5における波の進行
方向と同方向においては同振幅、同位相で進むが、反対
方向においては同振幅、逆位相となり、打ち消し合う。
従って、共振器1には、一方向の波だけが励振される。
方向性結合器を表す模式図である。すなわち、供給導波
管5とループ状共振器1とを直交させ、その重なり合う
面の対角線上に1つあるいは複数の十字形のスリットS
が形成されている。このようにスリットSを設けると、
電界による結合は無視できるほど小さく、磁界による結
合が支配的となる。すると、供給導波管5のHt、Hz
によりスリットの長軸上に磁気双極子が形成され、これ
による共振器1の励振によって方向性が生ずる。
合器を表す模式図である。すなわち、供給導波管5の導
波管内に共振器1の同軸線路をループで結合したもの
で、導波管5から同軸線路1への結合は電界およびルー
プを通過する磁界によって行われる。電界により励起さ
れた波は共振器1の両方向に同振幅、同位相で進む。一
方、磁界よって誘起される電流はファラデーの電磁感応
則により与えられ、共振器1の両方向に進む波は、同振
幅だが逆位相となる。従って、これら電界による波と磁
界よる波との結合が適当に行われると、共振器1を進む
一方の波の出力は零となり、方向性が得られる。
おいて用いることができる方向性結合器の具体例を挙げ
た。しかし、本発明は、これら具体例を用いたものに限
定されるものではない。例えば、これらの他にも供給導
波管5と共振器1とを結合させてその共通壁にスロット
を設けたものや、さらにそのスロットにモード調整用の
導体棒(ポスト)を設けたもの、あるいはその他の各種
の方向性結合器を用いても良く、共振器1の励振に方向
性が得られるいずれのものを利用しても本発明の範囲に
包含される。
について説明する。
の具体例を表す模式図である。すなわち、同図に例示し
た具体例の場合、略円筒状の真空チャンバ2の円周側壁
にループ状共振器1が付設され、その管側壁に供給導波
管5が方向性結合器7によって結合されている。図示し
ないマイクロ波電源から、例えば、2.45GHzのマ
イクロ波が供給導波管5に導入され、方向性結合器7に
よって、共振器1に一方向の進行波が励振され、且つこ
の進行波が共振される。その結果として、共振器1に
は、均一且つ連続的な進行波によるマイクロ波の波動場
が形成される。
度のマイクロ波は、誘電体などからなる開口3を介して
真空チャンバ2に導入される。共振器1からマイクロ波
を均一に真空チャンバ2に導入するため、開口3は、真
空チャンバ2の周囲側壁に亘って連続的に形成されてい
る。
たマイクロ波は、図示しない真空排気系及びガス導入系
によりチャンバ内に形成されたガス雰囲気を活性化さ
せ、電子、イオン、活性種などを含んだプラズマPを生
成する。
チャンバ2の下方あるいはチャンバ2と連結された処理
室(図示せず)に設置された被処理物(図示せず)に与
えられ、エッチング、アッシング、薄膜堆積、表面改
質、プラズマドーピングなどのプラズマ処理を行うこと
ができる。
共振進行波による連続的かつ高い強度のマイクロ波を連
続的に形成された開口3からチャンバ2内に導入するこ
とにより、チャンバ2内において大面積で均一且つ密度
の高いプラズマを形成するこが可能となる。その結果と
して、大面積の被処理物を均一で高速にプラズマ処理す
ることが可能となる。
の具体例を表す模式図である。同図については、図1乃
至図8に関して前述したものと同様の要素には同一の符
号を付して詳細な説明は省略する。
2の上面にループ状共振器1が付設され、その管上壁に
供給導波管5が方向性結合器7によって結合されてい
る。供給導波管5と共振器1とをこのような配置関係に
結合しても、本発明の作用効果が得られる。
強度のマイクロ波は、誘電体などからなる開口3を介し
て上方から真空チャンバ2に導入される。共振器1から
マイクロ波を均一に真空チャンバ2に導入するため、開
口3は、真空チャンバ2の上面に略円周状に連続的に形
成されている。すなわち、真空チャンバ2には、上方か
ら均一な略ドーナツ状のマイクロ波が導入され、これに
よりプラズマPが形成される。
態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体
例に限定されるものではない。
やループ状共振器、あるいは方向性結合器などの要素
は、図示した形状、サイズのものには限定されず、その
断面形状、壁面厚、開口の形状やサイズなどは適宜変更
して同様の作用効果が得られ、本発明の範囲に包含され
る。
たループ状共振器も完全な円環状である必要はない。
いは共振器との配置関係についても、図示したものには
限定されず、プラズマ処理の内容や条件などを考慮して
適宜決定することができる。また、共振器は真空チャン
バの上面や側面でなく、下面に付設してもよく、また
は、これらを組み合わせてもよい。つまり、真空チャン
バに複数の共振器を付設してもよい。このようにすれ
ば、被処理物の形状やサイズに合わせて均一あるいは所
定の密度分布を有する大面積のプラズマを形成すること
が可能となる。
プラズマ生成部の要部構成のみ説明したが、本発明は、
このようなプラズマ生成部を有する全てのプラズマ処理
装置も包含し、例えば、エッチング装置、アッシング装
置、薄膜堆積装置、表面処理装置、プラズマドーピング
装置などとして実現したプラズマ処理装置のいずれもが
本発明の範囲に包含される。
ループ状共振器においてマイクロ波の進行波を共振さ
せ、そのマイクロ波の一部を前記真空チャンバに導入し
てプラズマを生成し、その均一で強力なマイクロ波をル
ープ状共振器の管路の全周に亘って設けられた開口を介
して真空チャンバに導入することにより、均一で且つ密
度の高い大面積のプラズマを生成することができる。
のプラズマが得られ、大面積の半導体ウェーハや液晶デ
ィスプレイ用基板などに対して、均一且つ迅速にエッチ
ング、アッシング、薄膜堆積、表面改質あるいはプラズ
マドーピングなどのプラズマ処理を実施することがで
き、産業上のメリットは多大である。
の要部を概念的に表す模式図である。
の共振器の断面構造を例示する斜視図である。
式図である。
模式図である。
模式図である。
を表す模式図である。
式図である。
す模式図である。
す模式図である。
を表す模式図である。
を表す模式図である。
を表す模式図である。
Claims (6)
- 【請求項1】大気よりも減圧された雰囲気を維持可能な
真空チャンバと、 ループ状共振器と、 を備え、 前記ループ状共振器においてマイクロ波の進行波を共振
させ、 前記共振したマイクロ波の一部を前記真空チャンバに導
入してプラズマを生成することを特徴とするプラズマ発
生装置。 - 【請求項2】供給導波管と、 前記供給導波管と前記ループ状共振器とを結合する方向
性結合器と、 をさらに備え、 前記供給導波管から前記方向性結合器を介して前記ルー
プ状共振器を励振することにより、前記ループ状共振器
において前記マイクロ波の進行波を形成することを特徴
とする請求項1記載のプラズマ発生装置。 - 【請求項3】前記ループ状共振器の管路長は、その内部
を伝搬する前記進行波の波長の整数倍と実質的に等しい
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ発
生装置。 - 【請求項4】前記ループ状共振器と前記真空チャンバと
の間に、前記マイクロ波の進行波を前記真空チャンバ内
に導入する開口が前記ループ状共振器の管路全周に亘っ
て連続的に設けられたことを特徴とする請求項1〜3の
いずれか1つに記載のプラズマ発生装置。 - 【請求項5】前記開口は、誘電体からなることを特徴と
する請求項4記載のプラズマ発生装置。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1つに記載のプラ
ズマ発生装置を備えたことを特徴とするプラズマ処理装
置。
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