JP2003043011A - 酸素センサ - Google Patents

酸素センサ

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JP2003043011A
JP2003043011A JP2001225322A JP2001225322A JP2003043011A JP 2003043011 A JP2003043011 A JP 2003043011A JP 2001225322 A JP2001225322 A JP 2001225322A JP 2001225322 A JP2001225322 A JP 2001225322A JP 2003043011 A JP2003043011 A JP 2003043011A
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oxygen
measurement
oxygen sensor
cell
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Yoshihiko Mizutani
吉彦 水谷
Akihiro Muroguchi
昭宏 室口
Minoru Yokota
稔 横田
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高酸素濃度域における酸素濃度を精度良く測
定し得る酸素センサを提供すること。 【解決手段】 酸素センサ10は、測定セル本体21と
測定電極21b1と基準電極21a1とを含む測定セル
と、ポンプセル本体23とポンプ陽極23b1とポンプ
陰極23a1とを含むポンプセルとを備えている。前記
基準電極と、及び前記ポンプ陽極は、測定ガス中に露呈
される。前記測定電極、及び前記ポンプ陰極は、キャビ
ティC内に露呈される。ポンプ陽極とポンプ陰極間にポ
ンプ電流が流され、キャビティC内の酸素が測定ガス中
に排出されるとともに、測定ガスが所定の拡散抵抗の下
で同キャビティC内に導入される。この結果、キャビテ
ィC内の酸素分圧は測定ガス中の酸素分圧と一定の関係
を有する圧力となる。そして、測定電極と基準電極との
間の起電力が酸素センサの出力として取り出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素イオン伝導性
固体電解質からなる測定セル、及び酸素イオン伝導性固
体電解質からなるポンプセルを含んでなる酸素センサに
係り、特に、高酸素濃度の測定ガス中に含まれる酸素の
濃度を精度よく検出することができる酸素センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、濃淡起電力式の酸素センサが
広く知られている。この濃淡起電力式の酸素センサは、
ジルコニア等の酸素イオン伝導性固体電解質からなる素
子の一側及び他側を、測定ガス中及び既知の濃度の基準
ガス(例えば、大気)中にそれぞれ露呈させ、下記数1
のネルンストの式により表される起電力EMFをセンサ
の出力Vsとして測定することで酸素濃度を検出するよ
うになっている。なお、下記数1において、Rは気体定
数(R=22.4(l・atm/K・mol))、Tは絶対温度(K)、F
はファラデー定数、PO21は基準ガスの酸素分圧、及び
PO22は測定ガスの酸素分圧である。
【0003】
【数1】Vs=(RT/4F)ln(PO21/PO22)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の濃淡起電力式の酸素センサにおいては、図1の破線
により示したように、酸素濃度が例えば98〜100%
という極めて大きい領域で変化する場合、起電力EMF
の変化ΔE0が極めて小さくなるため、酸素濃度を精度
良く測定できないという問題がある。従って、本発明の
目的は、高酸素濃度領域における酸素濃度を精度よく測
定し得る酸素センサ(酸素濃度センサとも云う。)を提
供することにある。
【0005】
【本発明の概要】上記目的を達成するための本発明の特
徴は、酸素イオン伝導性固体電解質からなる測定セル本
体と同測定セル本体に接して設けられた測定電極及び基
準電極とを含む測定セルと、酸素イオン伝導性固体電解
質からなるポンプセル本体と同ポンプセル本体に接して
設けられたポンプ陽極及びポンプ陰極とを含むポンプセ
ルと、を備えた酸素センサであって、前記測定セルの測
定電極と前記ポンプセルのポンプ陰極とが測定ガスを所
定の拡散抵抗の下に導入するキャビティに露呈され、前
記測定セルの基準電極と前記ポンプセルのポンプ陽極と
が前記測定ガス中に露呈されるように構成されたことに
ある。
【0006】この場合において、前記キャビティ内の酸
素を排出するために前記ポンプ陽極と前記ポンプ陰極と
の間に電位差を与えて前記ポンプセルに一定のポンプ電
流を流す電流源を備え、前記測定電極と前記基準電極と
の間の前記測定セルの起電力により生じる電位差を出力
するように構成することが好適である。
【0007】上記構成によれば、前記ポンプ陽極と前記
ポンプ陰極との間に電位差を与えて前記ポンプセルにポ
ンプ電流を流すことにより、キャビティ内の酸素が測定
ガス中に排出され、同時に測定ガスが所定の拡散抵抗の
下でキャビティ内に導入される。これにより、キャビテ
ィ内の酸素分圧PO22は測定ガスの酸素分圧PO21より小
さい値で平衡に達する。このとき、キャビティ内の酸素
分圧PO22と測定ガスの酸素分圧PO21との関係は、下記
数2で表される。数2において、値A,Bは定数であ
る。
【0008】
【数2】PO22=A・PO21+B
【0009】この結果、図1の実線で示したように、ネ
ルンストの式により表される濃度−起電力の曲線が酸素
濃度の高濃度側に見かけ上シフトされるので、高酸素濃
度領域における酸素濃度の僅かな変化(例えば、98%
〜100%)に対する測定セルの起電力の変化ΔE1を
極めて大きくすることができる。従って、高酸素濃度を
精度良く測定することが可能となる。
【0010】この場合において、前記基準電極及び前記
ポンプ陽極の少なく一方を多孔質のアルミナにより被覆
することが好適である。
【0011】これによれば、高酸素濃度下で飛散する傾
向のある材料(例えば、白金)を基準電極、及びポンプ
電極に使用しても、これらの電極の耐久性を高めること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による酸素センサの
一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図
2に全体構成の概略を示した酸素センサ10は、酸素セ
ンサ素子20と、酸素センサ素子20を保持する円筒状
の封止パイプ30と、封止パイプ30を収容して保持す
る外筒40と、酸素センサ素子20の先端部を保護する
ための内筒保護カバー50、及び同内筒保護カバー50
の外側であって同内筒保護カバー50と同心円状に配設
された外筒保護カバー51とを備えている。外筒40
は、基部側外筒40aと、先端部側外筒40bとからな
っていて、これらが袋ナット40cにより連結されるよ
うになっている。内筒保護カバー50、及び外筒保護カ
バー51は、同外筒保護カバー51の外側の測定ガスを
酸素センサ素子20の先端部に到達させるための複数の
通気孔をそれぞれ備えている。
【0013】酸素センサ素子20は、酸素イオン伝導性
固体電解質である安定化ジルコニア(ZrO2)又は部分安
定化ジルコニアからなり、長方形の薄板状に形成され、
先端部(図2において下方端部)が酸素濃度測定部を構
成している。なお、安定化又は部分安定化ジルコニア
は、高温(例えば、約700℃)において酸素イオン伝
導性を示す。この酸素センサ素子20は、封止パイプ3
0の両端部内側に支持されたガイシ31,32の中央部
に設けられた貫通孔を貫通することにより、同封止パイ
プ30に保持されるようになっている。また、封止パイ
プ30と酸素センサ素子20との間は、ガイシ31とガ
イシ32との間に形成されたガラス33により封止され
ていて、酸素濃度測定部側の測定ガスが酸素センサ10
の基端部側(図1において上方)に漏洩しないようにな
っている。
【0014】封止パイプ30は、SUSからなり、袋ナ
ット40cと同封止パイプ30との間に介在されたフェ
ラル41とにより、外筒40に固定・支持されるように
なっている。酸素センサ素子20に接続されたリード線
Lは、酸素センサ素子20に沿って配設されていて、外
筒40の基端部に圧入されたゴム栓42を介して外部に
取り出されるようになっている。
【0015】次に、上記酸素センサ素子20の酸素濃度
測定部の詳細について、酸素センサ素子20の層構造を
示した図3、及び酸素センサ素子20の先端部(酸素濃
度測定部)の縦断面図である図4、及び図4に示した酸
素濃度測定部を同図4の1−1線に沿った平面で切断し
た断面図を示した図5を参照しながら説明する。
【0016】図3〜図5において、最も上部に位置する
第1層は、安定化又は部分安定化ジルコニアからなる長
方形の板体21と、前記板体21の上面に接する(密着
する)ように印刷により形成された薄膜の基準電極層2
1aと、前記板体21の下面に接する(密着する)よう
に印刷により形成された薄膜の測定電極層21bと、多
孔質のアルミナ(ポーラスAl203)層21cとを含んで
いる。
【0017】基準電極層21aは、多孔質白金(Pt)か
らなり、板体21の先端部において幅広の長方形状を有
する基準電極21a1と、この基準電極21a1から板
体21の基端部に向けて延びる幅狭帯状のリード部21
a2とを有している。多孔質のアルミナ層21cは、基
準電極21a1より大きい長方形状を有し、同基準電極
21a1を被覆するように同基準電極21a1の上面と
板体21の上面に接する(密着する)ように印刷により
形成されている。多孔質のアルミナ層21cにより被覆
された基準電極21a1は、酸素濃度の測定時におい
て、測定ガス中に露呈されるようになっている。
【0018】測定電極層21bは、多孔質白金からな
り、板体21の先端部において幅広の長方形状を有する
とともに同板体21を挟んで前記基準電極21a1と対
向する測定電極21b1と、この測定電極21b1から
板体21の基端部に向けて延びる幅狭帯状のリード部2
1b2とを有している。測定電極21b1、及び同測定
電極21b1が形成された板体21の面(下面)の一部
は、酸素濃度の測定時において、所定の拡散抵抗の下に
測定ガスを導き入れるキャビティC(拡散律速機能を有
する空隙C、ガス検出室Cとも称呼する。)に露呈され
るようになっている。また、基準電極21a1と測定電
極21b1の間の電位は、それぞれのリード部21a
2,21b2、及び前述したリード線Lを介して酸素セ
ンサ10の外部に取り出され、これらの電極間の電位差
Vsが計測されるようになっている。
【0019】以上の構成により、ジルコニアの板体21
は、その先端部において、測定ガス中の酸素濃度とキャ
ビティC内のガス中の酸素濃度との差に応じた上記数1
に示すネルンストの式にしたがう起電力EMFを出力V
sとして発生する濃淡起電力式酸素センサとして機能す
る。従って、板体21の先端部は、測定セル21dと称
呼される。
【0020】第2層は、安定化又は部分安定化ジルコニ
アからなる印刷で形成された薄いフィルム状のスペーサ
22であって第1層の板体21の下面に設けられてい
る。このスペーサ22は、先端部がコの字状に削除され
ていて、同コの字状に削除された部分に前記測定セル2
1dの測定電極21b1が収容されるように配設され
る。
【0021】第3層は、安定化又は部分安定化ジルコニ
アからなり板体21と同一の長方形状を有する板体23
と、板体23の上面に接する(密着する)ように印刷に
より形成されたポンプ陰極層23aと、板体23の下面
に接する(密着する)ように印刷により形成されたポン
プ陽極層23bと、多孔質のアルミナ層23cとを含ん
でいる。
【0022】ポンプ陰極層23aは、多孔質白金からな
り、板体23の先端部において幅広の長方形状を有する
ポンプ陰極23a1と、ポンプ陰極23a1から板体2
3の基端部に向けて延びる幅狭帯状のリード部23a2
とを有している。ポンプ陰極23a1は、前記測定電極
21b1の直下に同測定電極21b1と対向するように
配置される。即ち、ポンプ陰極23a1は、板体21と
の下面、測定電極21b1の下面、スペーサ22のコの
字状削除部の側壁、板体23の上面、及びポンプ陰極2
3a1の上面とにより画定される前記キャビティC内に
露呈されている。
【0023】ポンプ陽極層23bは、多孔質白金からな
り、板体23の先端部において幅広の長方形状を有する
とともに同板体23を挟んで前記ポンプ陰極23a1と
対向するポンプ陽極23b1と、このポンプ陽極23b
1から板体23の基端部に向けて延びる幅狭帯状のリー
ド部23b2とを有している。多孔質のアルミナ層23
cは、ポンプ陽極23b1より大きい長方形状を有し、
同ポンプ陽極23b1を被覆するように同ポンプ陽極2
3b1の下面と板体23の下面に接する(密着する)よ
うに印刷により形成されている。ポンプ陽極23b1、
及び同ポンプ陽極23b1が形成された板体23の面
(下面)は、酸素濃度の測定時において、測定ガス中に
露呈されるようになっている。また、ポンプ陽極23b
1、及びポンプ陰極23a1は、それぞれのリード部2
3a2,23b2、及び前述したリード線Lを介して図
4に示した定電流源60に接続されて電位差が与えら
れ、一定のポンプ電流Ipが同ポンプ陽極23b1と同
ポンプ陰極23a1との間に流されるようになってい
る。
【0024】以上の構成により、ジルコニアの板体23
は、その先端部において前記キャビティC内のガスに含
まれる酸素を同キャビティC外の測定ガス中に排出する
酸素ポンプとして機能する。従って、板体23の先端部
は、ポンプセル23dと称呼される。
【0025】第4層は、第2層のスペーサ22と同様の
平面形状を有していて同スペーサ22よりも大きい厚み
を有する安定化又は部分安定化ジルコニアからなるテー
プ状のスペーサ24であって、第3層の板体23の下面
に設けられている。このスペーサ24は、先端部がコの
字状に削除されていて、同コの字状に削除された部分に
前記ポンプセル23dのポンプ陽極23b1が収容され
るようになっている
【0026】第5層は、安定化又は部分安定化ジルコニ
アからなり、平面視で第1層の板体21、及び第3層の
板体23と同様な長方形の板体25であり、第4層のス
ペーサ24の下面に設けられている。第6層は、安定化
又は部分安定化ジルコニアからなり、平面視で第1層の
板体21、第3層の板体23、及び第5層の板体25と
同様な長方形の板体26であって、同第5層の板体25
の下面に設けられ、その上面には図示しないヒータ電源
に接続されて電力が供給されるヒータエレメント26a
が印刷により形成されている。このように、第5層及び
第6層はヒータ部を構成し、従って、同第5層の板体2
5はヒータカバー25、第6層の板体26はヒータ層2
6と称呼される。なお、板体23の下面、スペーサ24
のコの字状削除部の側壁、及びヒータカバー25の上面
により画定される空間は、測定ガスが自由に侵入できる
(拡散抵抗を有していない)空間である。
【0027】この酸素センサ10においては、キャビテ
ィC内の酸素がポンプセル23dの機能により同キャビ
ティCの外部(測定ガス中)に放出される。このとき、
排出される酸素流量(O流量)Qは、ポンプ電流をI
pとすると、下記の数3により表される。
【0028】
【数3】Q=Ip×R×60/(e×n×A)
【0029】上記数3において、Rは気体定数(R=2
2.4(l・atm/K・mol))、eは電子の電荷量(e=
1.602×10-19(c))、nは反応にあずかる電
荷数(反応はO+4e→2Oであるからn=4)、
Aはアボガドロ数(A=6.23×1023)である。
【0030】このように、キャビティCから酸素が強制
的に排出されるので、外部の測定ガスがキャビティC内
に侵入する。このとき、スペーサ22の厚さが極めて小
さく、キャビティCは極めて狭い空隙であるため、測定
ガスは所定の拡散抵抗の下で同キャビティC内に導入さ
れる。この結果、キャビティC内の酸素分圧PO22は測
定ガスの酸素分圧PO21より小さい値で平衡に達する。
【0031】図6は、前記ポンプ電流Ipを変化させた
場合における、全圧が1気圧である測定ガスの酸素分圧
PO21とキャビティC内の酸素分圧PO22との関係を実験
により調べた結果を示している。なお、この実験に供し
た酸素センサ10の各寸法は、下記表1に示すとおりで
あり、酸素センサ素子20の測定セル21d、及びポン
プセル23dの温度は700℃であった。
【0032】
【表1】
【0033】図6から明らかなように、ポンプ電流Ip
が一定であれば、キャビティC内の酸素分圧PO22は、
測定ガス中の酸素分圧PO21の一次式により表されるこ
とが確認できた。即ち、酸素分圧PO21と酸素分圧PO22
との関係は、上記数2により表される。また、ポンプ電
流Ipが大きいほど、キャビティCから測定ガス中に排
出される酸素量は多くなるから、同一の測定ガスの酸素
分圧PO21に対するキャビティC内の酸素分圧PO22は小
さくなることも確認された。換言すると、ポンプ電流I
pを適切に選ぶことにより、キャビティC内の酸素分圧
PO22を、測定ガス中の酸素分圧PO21より小さい値であ
って同酸素分圧PO21に応じた値とすることができるこ
とが判明した。また、このような酸素分圧PO21、酸素
分圧PO22、及びポンプ電流Ipの関係は、キャビティ
Cが拡散抵抗を有して測定ガスを同キャビティCの内部
に導入する限りにおいて、他の寸法を有する酸素センサ
についても同様に成立することが確認された。
【0034】一方、測定セル21dは濃淡電池式の酸素
センサとして機能するから、基準電極21a1と測定電
極21b1の間の起電力Vsは上記数1のネルンストの
式により表される。この結果、上記実施形態の酸素セン
サ10においては、図1に示したように、ネルンストの
式により表される濃度−起電力の曲線が酸素濃度の高濃
度側に見かけ上シフトされる。この結果、酸素センサ1
0は、高酸素濃度領域での酸素濃度の変化に対して出力
Vsの変化を大きくとることができる。
【0035】図7は、上記実施形態に係る酸素センサ1
0による酸素濃度(酸素分圧PO21が0.98〜1(at
m))の実際の測定結果(酸素センサ10の出力Vs(m
V))を示している。図7から理解されるように、酸素濃
度が例えば98%〜100%の範囲で変化するとき、ポ
ンプ電流Ipを26.25mAとすると、起電力差ΔE
1は約18mV、ポンプ電流Ipを16.70mAとし
たときでも、起電力差ΔE1は約4mVとなる。一方、
従来の酸素センサ(上記ポンプ電流Ipを「0」にした
場合)によれば、酸素濃度が例えば98%〜100%の
範囲で変化するときの起電力差ΔE0は約0.45mV
であった。従って、本発明による酸素センサ10は、従
来の酸素センサに対して約10〜40倍の起電力差ΔE
1を発生することができるので、高酸素濃度領域におけ
る酸素濃度を精度良く検出することができる。
【0036】また、酸素センサ10は、基準電極21a
1が測定ガス中に露呈されているとともに、測定電極2
1b1がキャビティC内に所定の律速抵抗の下で導入さ
れた測定ガス中に露呈されているので、同測定ガスの圧
力変動、同測定ガス中に含まれる微量不純ガス等の影響
が基準電極21a1、及び測定電極21b1の両方に現
われる。従って、これらの影響は両電極21a1,21
b1の電位差をとることにより相殺されるので、酸素セ
ンサ10は、そのS/N比が良好なものとなり、酸素濃
度を精度良く測定できる。
【0037】更に、上記酸素センサ10においては、多
孔質白金からなる基準電極21a1、及び多孔質白金か
らなるポンプ陽極23b1が、多孔質のアルミナ層21
c,23cにより被覆されているので、高酸素濃度の測
定ガス中におかれた場合であっても、これらの電極を構
成する白金が飛散(劣化)することが防止されるので、
その耐久性を高めることができる。
【0038】以上、説明したように、上記実施形態に係
る酸素センサ10は、高酸素濃度領域における酸素濃度
を高精度に安定して測定することができる。なお、本発
明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範
囲内において種々の変形例を採用することができる。例
えば、上記キャビティCは測定ガスの導入孔面積を小さ
くすることにより、所定の拡散抵抗下で測定ガスをキャ
ビティ内に導入するように構成されていたが、測定ガス
の導入孔に従来より知られる拡散抵抗を有する物質を設
けることにより構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による酸素センサ、及び従来の酸素セ
ンサの測定ガス濃度に対する起電力を示すグラフであ
る。
【図2】 酸素センサの全体概略図である。
【図3】 酸素センサ素子の層構造を示した概略斜視図
である。
【図4】 酸素センサ素子の先端部(酸素濃度測定部)
の縦断面図である。
【図5】 図4に示した酸素濃度測定部を同図4の1−
1線に沿った平面で切断した断面図である。
【図6】 図2〜図5に示した本発明による酸素センサ
のポンプ電流Ipを変化させた場合における、測定ガス
の酸素分圧とキャビティ内の酸素分圧との関係を実験に
より調べた結果を示すグラフである。
【図7】 図2〜図5に示した本発明による酸素センサ
のポンプ電流Ipを変化させた場合における、酸素濃度
の実際の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10…酸素センサ、20…酸素センサ素子、21…板
体、21a…基準電極層、21a1…基準電極、21a
2…リード部、21b…測定電極層、21b1…測定電
極、21b2…リード部、21c…ポーラスアルミナ
層、21d…測定セル、22…スペーサ、23…板体、
23a…ポンプ陰極層、23a1…ポンプ陰極、23a
2…リード部、23b…ポンプ陽極層、23b1…ポン
プ陽極、23b2…リード部、23c…ポーラスアルミ
ナ層、23d…ポンプセル、24…スペーサ、25…ヒ
ータカバー(板体)、26…ヒータ層(板体)、26a
…ヒータエレメント、30…封止パイプ、31,32…
ガイシ、33…ガラス、40…外筒、50…内筒保護カ
バー、51…外筒保護カバー、60…定電流源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田 稔 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素イオン伝導性固体電解質からなる測定
    セル本体と同測定セル本体に接して設けられた測定電極
    及び基準電極とを含む測定セルと、 酸素イオン伝導性固体電解質からなるポンプセル本体と
    同ポンプセル本体に接して設けられたポンプ陽極及びポ
    ンプ陰極とを含むポンプセルと、 を備えた酸素センサであって、 前記測定セルの測定電極と前記ポンプセルのポンプ陰極
    とが測定ガスを所定の拡散抵抗の下に導入するキャビテ
    ィに露呈され、 前記測定セルの基準電極と前記ポンプセルのポンプ陽極
    とが前記測定ガス中に露呈されるように構成された酸素
    センサ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の酸素センサにおいて、 前記キャビティ内の酸素を排出するために前記ポンプ陽
    極と前記ポンプ陰極との間に電位差を与えて前記ポンプ
    セルに一定のポンプ電流を流す電流源を備えるととも
    に、前記測定電極と前記基準電極との間の前記測定セル
    の起電力により生じる電位差を出力するように構成して
    なる酸素センサ。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の酸素センサ
    において、 前記基準電極及び前記ポンプ陽極の少なく一方を多孔質
    のアルミナにより被覆した酸素センサ。
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