JP2003042893A - 超音速ノズル - Google Patents

超音速ノズル

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JP2003042893A
JP2003042893A JP2001231835A JP2001231835A JP2003042893A JP 2003042893 A JP2003042893 A JP 2003042893A JP 2001231835 A JP2001231835 A JP 2001231835A JP 2001231835 A JP2001231835 A JP 2001231835A JP 2003042893 A JP2003042893 A JP 2003042893A
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Koichi Ishizaka
浩一 石坂
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の超音速ノズルの課題は、ノズル本体
に形成される境界層全体に亘って減少させて境界層形成
範囲全体に対応する気流の主流部の断面積を増大させて
出口から吹き出す気流に対する制御能力を高めることに
ある。 【解決手段】 気体が吹き込まれる入口12と気体が吹
き出される出口14との間に入口12から吹き込まれた
気体の流れを絞るスロート13を有するノズル本体11
を備え、スロート13の出口側湾曲点N1を通る直径線
T1と、出口14の直径寸法Dと出口14での気体のマ
ッハ数Mにより規定される特性線Pとノズル本体11の
中心軸線Oとの交点N2を通る直径線T2に挟まれる範
囲Lにおけるノズル本体11の周壁に、ノズル本体11
の内周面に沿って生じる境界層Bの気体を吸い出す吸い
出し管31〜34が設けられ、この吸い出し管31〜3
4には気体吸い出し用の送風機P1〜P4が接続されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は風洞に用いる超音速
ノズルに関する。 【0002】 【従来の技術】風洞において超音速の速度で気流を流す
ために用いられる超音速ノズルは、入口から吹き込んだ
気体をスロートで絞って音速を超える速度に高めて出口
から所定のマッハ数の速度で吹き出すものである。 【0003】ところで、この超音速ノズルにおけるスロ
ートから出口に到る部分では、気体が流れる際に気体の
粘性の影響を受けて周壁内面に接近した領域に境界層が
発生し、この境界層はスロートの最小直径点を起点とし
て周壁内面に沿い下流側(出口側)へ行くに従い発達し
て厚さを増してゆく。このような境界層はその厚さに相
当する分だけノズル断面積を狭めることになり、この結
果ノズル内部を流れる気流の主流部(境界層を除いた部
分)の断面積を縮小してその速度(マッハ数)を制限し
ている。そして、気流のマッハ数を大きくすると境界層
の厚さも増大するので、ノズルの断面積も大きくする必
要がある。 【0004】そこで、従来超音速ノズルでは、境界層を
吸込んで減少または除去することにより気流のマッハ数
を制御することが提案されている(特開平9−1455
34号)。この内容は、図3に示すように入口2、スロ
ート3および出口4を有するノズル本体1における気体
流れ方向下流側端である出口4付近の周壁に隙間5を形
成し、ポンプ7の駆動によりノズル本体1の内部を流れ
る気体の一部を隙間5を通してノズル本体1の外側を囲
んで設けた外ケース6に流出させることにより、ノズル
本体1の周壁内面に沿って発生する境界層の発達を抑え
てノズル本体1を流れる気体の主流部の断面積を拡大す
るものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】この従来の超音速ノズ
ルは、ノズル本体1の気体流れ方向下流側端部である出
口4付近でノズル本体1内部における境界層の気体を吸
い出して境界層の発達を制限するようにしている。とこ
ろが、ノズル本体1では境界層はスロート3の最小直径
点を起点として周壁内面に沿い気体流れ方向下流側(出
口側)へ行くに従い厚さを増して発達する。このため、
ノズル本体1の出口4付近で境界層の気体を吸い出すと
いうことは、ノズル本体1のスロート3の最小直径点か
ら気体流れ方向下流側端の出口4までに亘って周壁内面
に沿って形成される境界層のうち、最も発達して厚くな
った下流側端部分のみの気体を吸い出して、それよりノ
ズル本体における気体流れ方向上流部であるスロート3
の最小直径点から出口4付近の手前までに形成される大
部分は吸い出さずそのままである。すなわち、ノズル本
体1で形成される境界層のうち気体流れ方向下流側端部
分のみが部分的に減少して、それより気体流れ方向上流
側の部分は減少しない。 【0006】従って、ノズル本体1における境界層形成
範囲の一部を占める気体流れ方向下流側端部の範囲では
気体の主流部の断面積が増大するが、境界層形成範囲の
大部分を占めるスロート2の最小直径点から出口4付近
の手前までの気体流れ方向上流側の範囲では気体の主流
部の断面積を増大させることができず、この結果出口4
から吹き出す気流のマッハ数を増大する上で限界がある
とともに、マッハ数の制御が困難でノズル本体1の出口
から吹き出す気流に対する制御能力が低いという問題が
ある。 【0007】本発明は、ノズル本体に形成される境界層
全体に亘って効果的に減少させて境界層形成範囲全体に
対応する気流の主流部の断面積を増大させて、ノズル本
体の出口から吹き出す気流に対する制御能力を高めた超
音速ノズルを提供する。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明の超音速
ノズルは、気体が吹き込まれる入口と気体が吹き出され
る出口との間に前記入口から吹き込まれた気体の流れを
絞るスロートを有するノズル本体を備え、前記スロート
の出口側湾曲点を通る前記ノズル本体の直径線と、前記
出口の直径寸法と前記出口での気体の速度のマッハ数に
より規定される特性線と前記ノズル本体の中心軸線との
交点を通る前記ノズル本体の直径線とに挟まれる範囲に
おける前記ノズル本体の周壁に、前記ノズル本体の内部
の気体を吸い出す吸い出し部が設けられ、この吸い出し
部には気体吸い出し手段が接続されていることを特徴と
する。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
1および図2を参照して説明する。図1はこの実施の形
態における超音速ノズルを模式的に示す断面図である。
図1において11はノズル本体で、このノズル本体11
は一端(気体流れ方向上流側端)開口が気体が吹き込ま
れる入口12とされ、この入口12から気体流れ方向下
流側に位置して吹き込まれた気体を絞る鼓形をなすスロ
ート13が形成され、他端(気体流れ方向下流側端)開
口は気体を吹き出す出口14として形成されている。ノ
ズル本体11の周壁は、スロート13の出口側端(気体
流れ方向下流側端)からは外側へ膨らむようにして下流
側へ向かうに従い直径寸法が拡大するテーパ部として形
成され、さらにテーパ部として気体流れ方向下流側に連
続して軸線方向に沿い平行な直線部として出口14まで
形成されている。 【0010】このノズル本体11には、スロート13の
出口側湾曲点N1を通るノズル本体11の直径線T1
と、出口14の直径寸法Dと出口14での気体の速度の
マッハ数Mにより規定される特性線Pとノズル本体11
の中心軸線Oとの交点N2を通るノズル本体11の直径
線T2とに挟まれる範囲Lにおけるノズル本体11の周
壁に、ノズル本体11の内部の気体、すなわちノズル本
体11の周壁内周面に沿って生じる境界層Bの気体を吸
い出す吸い出し部が形成されており、この実施の形態で
は吸い出し部の一例として例えば4個の吸い出し管31
〜34がノズル本体軸線方向(気体流れ方向)に間隔を
存して設けられている。 【0011】ここで、スロート13の出口側湾曲点N1
は次に述べることである。スロート13は鼓形をなすも
ので、軸線方向中央が最も小径で軸線方向両方の端部が
大径となるように凹入する円弧を描く周壁をもって形成
されている。このスロート13における凹入する円弧を
なす周壁の出口側(気体流れ方向下流側)の端が、ノズ
ル本体11の周壁において外周側へ向けて膨らむ円弧を
もって気体流れ方向下流側へゆくに従って直径を拡大す
るテーパ部に移行する点をスロート13の出口側湾曲点
N1という。 【0012】特性線Pは次のように表される。ノズル本
体11の出口14から吹き出される気体の速度における
最大のマッハ数Mと、このマッハ数Mに対応した大きさ
の出口14の直径寸法Dを設定する。出口14の周縁と
ノズル本体11の周壁との交点を基点としてノズル本体
11の周壁に対して角度θ=sin―1(1/M)をも
って気体流れ方向上流側へ向けて描かれる線が特性線P
である。ノズル本体11の出口14と、特性線Pとノズ
ル本体11の中心軸線Oとの交点N2を通過する直径線
T2との間の距離Sは、S=r/tan[sin
―1(1/M)]で表される。なお、rは出口14の半
径寸法2/Dである。 【0013】ここで、吸い出し管31〜34を設ける範
囲Lの気体流れ方向上流側端をスロート13の出口側湾
曲点N1とするのは、吸い出し管31〜34からノズル
本体11の内部の気体を吸い出すことにより境界層Bを
減少させることが可能である気体流れ方向の上流側端で
あるからである。吸い出し管31〜34を設ける範囲L
の下流側端を特性線Pとノズル本体11の中心軸線Oと
の交点N2とするのは、吸い出し管31〜34からノズ
ル本体11の内部の気体を吸い出すことにより、交点N
2より下流側において形成される境界層Bを効果的に減
少できる気体流れ方向の下流側端であるからである。 【0014】すなわち、吸い出し管31〜34を設ける
範囲Lは、境界層Bを吸い出すことによりノズル本体1
1に形成される境界層B全体を効果的に減少させて発達
を抑制できる範囲であるからである。 【0015】図1に示すようにノズル本体11の周壁に
4個の吸い出し管31〜34をノズル本体軸線方向(気
体流れ方向)に間隔を存して設ける構成の一例について
説明する。ノズル本体11は上流部21と、下流部25
と、これら各部21、25で挟まれる複数の中流部2
2、23、24に分割され、これら各部21〜25は両
端が開口した円筒体をなすもので、互いに接続してノズ
ル本体11が構成されている。上流部21は入口12お
よびスロート13を構成するもので、その下流側端開口
はスロート13の出口側湾曲点N1を通過する直径線T
1よりやや下流側に寄った位置である。下流部25は周
壁が軸線方向に沿い平行な直線部分と出口14とを含ん
でおり、上流側端開口は特性線Pとノズル本体11の中
心軸線Oとの交点N2を通過する直径線T2より上流側
へ寄っている。複数の中流部22、23、24は直径線
T1と直径線T2との間においてノズル本体11の周壁
が下流側へ向かうに従い直径寸法が拡大するテーパ部を
形成するものである。 【0016】これら各部21〜25の互いに対向する開
口端の縁部は例えば溶接が施されて気密に接合され、こ
れら各部21〜25の接合部には夫々複数個の連通孔2
6がノズル本体周方向に並べて形成されている。これら
連通孔26はノズル本体11の周壁を半径方向を貫通し
て形成され、ノズル本体11の外部と内部とを互いに連
通している。ノズル本体11の外側には、各部21〜2
5の接合部に夫々対応して吸い出し部の一例である吸い
出し管31〜34が設けられている。これら吸い出し管
31〜34はノズル本体11の周壁の外側周囲を囲む直
径を有する円形をなすもので、夫々例えば溶接が施され
てノズル本体11の周壁の外周面に固着されている。 【0017】そして、各部21〜25の接合部に対応し
て設けられた各吸い出し管31〜34は夫々に内周部に
周方向全体にわたりスリットが形成され、この各吸い出
し管31〜34の内周部のスリットが各部21〜25の
接合部に周方向に並べて形成された複数個の連通孔26
を囲んでいる。すなわち、各吸い出し管31〜34のス
リットはノズル本体11の各連通孔26と連通してい
る。 【0018】これにより各吸い出し管31〜34の内部
は連通孔26を介してノズル本体11の内部と連通して
いる。このため、各吸い出し管31〜34の内部に吸い
出し力を作用させると、この吸い出し力はノズル本体1
1の内部に作用して、ノズル本体11の内部の流体(気
体および液体)を連通孔26を介して各吸い出し管31
〜34の内部に吸い出すことができる。 【0019】これら各吸い出し管31〜34は夫々バル
ブV1〜V4を介して対応する気体吸い出し手段の一例
である送風機P1〜P4に個別に接続されている。これ
ら送風機P1〜P4は制御回路Cにより個別に制御され
て駆動されるようになっている。 【0020】また、ノズル本体11の出口14に対して
流体流れ方向下流側の個所にはノズル本体11の中心軸
線上に位置して気体流速計41が設けられている。この
気体流速計41の計測信号は制御回路Cに出力されるよ
うになっている。 【0021】このように構成された超音速ノズルの作用
について説明する。図示しない送風機により気体を加圧
して入口12からノズル本体11の内部へ吹き込む。吹
き込まれた気体はノズル本体11のスロート13を通過
した後その速度を音速を超えて所定のマッハ数の大きさ
まで高めて流れて出口14から吹き出される。すなわ
ち、図2の線図に示すように気体がスロート13の最小
直径点を通過すると速度が音速すなわちマッハ1に達
し、それ以降気体がノズル本体1のテーパ部に沿って流
れるのに従い速度が高まりノズル本体11における出口
14手前の直線部で目標のマッハ数に達して出口14か
ら吹き出される。図2はノズル本体軸線方向長さとマッ
ハ数との関係を示す線図である。 【0022】ノズル本体11の内部では、スロート13
の最小直径点を起点として気体流れ方向下流側(出口1
4側)へ向けて周壁内面に沿って境界層Bが形成され、
この境界層Bは下流側に向かうに従って発達して厚さを
増大する。 【0023】ここで、制御回路Cにより各送風機P1〜
P4を駆動してノズル本体11に設けた4個の吸い出し
管31〜34に対して吸い出し力を作用させる。この吸
い出し力は吸い出し管31〜34から各部21〜25の
接合部に形成された連通孔26を介してノズル本体11
の内部に作用する。これにより各吸い出し管31〜34
では、夫々ノズル本体11の周壁内面において吸い出し
管31〜34が存在する個所の付近に形成される境界層
Bの気体を各部21〜25の接合部に形成された連通孔
26を介して吸い出し、各送風機P1〜P4によって外
部へ吐き出す。この場合、各吸い出し管31〜34はノ
ズル本体11の周方向全体を囲むものであり、且つ各部
21〜25の接合部に形成された複数の連通孔26が並
べて形成されているので、ノズル本体11の周壁内面に
形成される境界層Bの気体を周方向全体に亘って均一に
吸い出すことができ、且つ各吸い出し管31〜34は各
連通孔26を介してノズル本体11の内部から気体を吸
い出すのでノズル本体11内部の気体の流れを損なうこ
とがない。 【0024】そして、ノズル本体11においてスロート
13の出口側湾曲点N1を通るノズル本体11の直径線
T1と、特性線Pとノズル本体11の中心軸線Oとの交
点N2を通るノズル本体11の直径線T2とに挟まれる
範囲Lにおけるノズル本体11の周壁の内面に沿って形
成される境界層Bの気体が吸い出され、この範囲Lに形
成される境界層Bの厚さが減少する。 【0025】このため、特性線Pとノズル本体11の中
心軸線Oとの交点N2より下流側にあるノズル本体11
の周壁の内面では範囲Lで規制された境界層Bが発達した
形態の境界層Bが形成され、この交点N2より下流側に
ある境界層Bの厚さは範囲Lで形成される境界層Bの厚さ
に規定される。すなわち、ノズル本体11において気体
流れ方向上流部である範囲Lで境界層Bの発達を抑制する
ことにより、この範囲Lより下流部における境界層Bの発
達を抑制することができる。このようにノズル本体11
の範囲Lにおいて形成される境界層Bの気体を吸い出す
ことにより、ノズル本体11において形成される境界層
Bの気体流れ方向全体に亘り厚さを減少させて発達を抑
制することができる。そして、ノズル本体11において
形成される境界層Bの気体流れ方向全体に亘り厚さを減
少させることにより、ノズル本体11においてスロート
13から出口14まで流れる気体の主流部の断面積が増
大し、これに伴い出口14から吹き出される気体の速度
も高くなってマッハ数も増大する。 【0026】従って、ノズル本体11の出口14付近に
おける境界層Bの気体を吸い出す方式の従来の超音速ノ
ズルに対して、同じ大きさの出口直径寸法である場合は
出口14から吹き出される気体の速度のマッハ数が増大
し、また出口14から吹き出される気体の速度のマッハ
数が同じ大きさの値である場合にはノズル本体11の直
径寸法を縮小できる。しかも、この実施の形態はノズル
本体11の範囲Lに4個の吸い出し管31〜34を設け
て吸い出しを行なうので強力に境界層Bの気体を吸い出
すことができる。 【0027】各吸い出し管31〜34は夫々送風機P1
〜P4を共通に制御して同じ吸い出し量で気体の吸い出
しを行なっても良く、また送風機P1〜P4を個別に独
立して制御して一部または夫々吸い出し量を異ならせて
気体の吸い出しを行なっても良い。 【0028】さらに、この超音速ノズルでは、ノズル本
体11の出口14から吹き出される気体の速度を目標と
する所定のマッハ数を保持するように気体の流れを制御
する。ノズル本体11の出口14の外側において中心軸
線O上に設けられた気体流速計41が、ノズル本体11
の出口14から吹き出される気体の速度すなわちマッハ
数を計測し、計測した情報を制御回路Cに出力する。制
御回路Cは気体流速計41からの情報を受けて、ノズル
本体11における気体の流れの速度が目標とするマッハ
数を保持しているか、否かを判断する。ノズル本体11
における気体の流れの速度が目標とするマッハ数を保持
していない場合には、目標とするマッハ数を保持するた
めにノズル本体1で形成される境界層Bの厚さをどの程
度の大きさに制御することが必要かを算出し、算出した
境界層Bの制御すべき厚さを得るために各吸い出し管3
1〜34がノズル本体11の境界層Bの気体を吸い出す
量を算出する。制御回路Cはこの算出結果に基づいて各
送風機P1〜P4の駆動量を算出して、各送風機P1〜
P4の駆動を制御する。これにより各送風機P1〜P4
が駆動して各吸い出し管31〜34からノズル本体11
の範囲Lで形成される境界層Bの気体を吸い出し、ノズ
ル本体11全体における境界層Bの厚さを制御してノズ
ル本体11を流れる気体の主流部の断面積を制御して出
口14における気体の速度のマッハ数を維持する。 【0029】例えば、ノズル本体11の出口14におけ
る気体の速度が目標とするマッハ数より高い場合には、
各吸い出し管31〜34から境界層Bの気体を吸い出す
量を減らして境界層Bの厚さを大きくしてマッハ数を抑
え、逆にノズル本体11の出口14における気体の速度
が目標とするマッハ数より低い場合には、各吸い出し管
31〜34から境界層Bの気体を吸い出す量を増やして
境界層Bの厚さを小さくしてマッハ数を高める。この作
業をシミュレーションで行い、実際の静圧と比較しなが
ら一様な出口気流となる吸い出し量を決める。 【0030】各吸い出し管31〜34は夫々送風機P1
〜P4を共通に制御して同じ吸い出し量で気体の吸い出
しを行なっても良く、また送風機P1〜P4を個別に独
立して制御して夫々吸い出し量を異ならせて気体の吸い
出しを行なっても良い。 【0031】このように各吸い出し管31〜34により
ノズル本体11の範囲Lに形成される境界層Bの気体を
吸い出す量を制御することにより、ノズル本体11にお
いて気体流れ方向上流部である範囲Lで境界層Bの発達を
制御して、ノズル本体11において形成される境界層B
の気体流れ方向全体に亘り発達を制御することができ、
これによりノズル本体11においてスロート13から出
口14まで流れる気体の主流部の断面積の大きさを制御
して、ノズル本体11の出口14から吹き出される気体
の速度、すなわちマッハ数を制御することができる。 【0032】従って、ノズル本体11の範囲Lにおいて
形成される境界層Bの気体を吸い出す量を制御すること
により、ノズル本体11の出口14から吹き出される気
体のマッハ数を必要とする大きさに容易且つ確実に制御
することができ、またノズル本体11の出口14から吹
き出される気体のマッハ数を広い範囲に亘って容易に制
御することができる。 【0033】なお、本発明は前述した実施の形態に限定
されず、種々変形して実施することができる。例えばノ
ズル本体に設ける吸い出し部の構成およびその数は前述
した実施の形態に限定されない。例えば、吸い出し管を
ノズル本体から離して設け、これをソースを介してノズ
ル本体の連通孔に接続しても良い。また。吸い出し管を
ノズル本体に一体に形成しても良い。 【0034】 【発明の効果】請求項1の発明の超音速ノズルによれ
ば、スロートの出口側湾曲点を通るノズル本体の直径線
と、出口の直径寸法と出口での気体のマッハ数により規
定される特性線とノズル本体の中心軸線との交点を通る
ノズル本体の直径線とに挟まれるノズル本体における周
壁に設けた吸い出し部により、ノズル本体の内周面に沿
って生じる境界層の気体を吸い出すので、ノズル本体の
出口付近における境界層の気体を吸い出す従来の方式の
超音速ノズルに対して、同じ大きさの出口直径寸法であ
る場合は出口から吹き出される気体の速度のマッハ数が
増大し、また出口から吹き出される気体の速度のマッハ
数が同じ大きさの値である場合にはノズル本体の直径寸
法を縮小できる。 【0035】また、吸い出し部によりノズル本体の範囲
に形成される境界層の気体を吸い出す量を制御すること
により、ノズル本体内部を流れる気体の主流部の断面積
の大きさを制御して、ノズル本体の出口から吹き出され
る気体のマッハ数を必要とする大きさに容易且つ確実に
制御することができ、またノズル本体の出口から吹き出
される気体のマッハ数を広い範囲に亘って容易に制御す
ることができる。 【0036】従って、本発明によればノズル本体の出口
から吹き出す気流に対する制御能力を高めた超音速ノズ
ルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施の形態における超音速ノズルを
模式的に示す断面図。 【図2】同実施の形態の超音速ノズルにおける軸線方向
長さとマッハ数との関係を示す線図。 【図3】従来の形態における超音速ノズルを模式的に示
す断面図。 【符号の説明】 11…ノズル本体 12…入口 13…スロート 14…出口 31〜34…吸い出し管(吸い出し部) P1〜P4…送風機(吸い出し手段)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 気体が吹き込まれる入口と気体が吹き出
    される出口との間に前記入口から吹き込まれた気体の流
    れを絞るスロートを有するノズル本体を備え、前記スロ
    ートの出口側湾曲点を通る前記ノズル本体の直径線と、
    前記出口の直径寸法と前記出口での気体の速度のマッハ
    数により規定される特性線と前記ノズル本体の中心軸線
    との交点を通る前記ノズル本体の直径線とに挟まれる範
    囲における前記ノズル本体の周壁に、前記ノズル本体の
    内部の気体を吸い出す吸い出し部が設けられ、この吸い
    出し部には気体吸い出し手段が接続されていることを特
    徴とする超音速ノズル。
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