JPH0516892A - 流れの剥離制御装置 - Google Patents

流れの剥離制御装置

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JPH0516892A
JPH0516892A JP17010691A JP17010691A JPH0516892A JP H0516892 A JPH0516892 A JP H0516892A JP 17010691 A JP17010691 A JP 17010691A JP 17010691 A JP17010691 A JP 17010691A JP H0516892 A JPH0516892 A JP H0516892A
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JP
Japan
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flow
separation
fluid
control
control device
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JP17010691A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Nagaoka
嘉浩 長岡
Tomoyoshi Okamura
共由 岡村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物体表面あるいは流路壁面と流体の流れとの
間に発生する剥離現象を抑制し、失速や不安定現象の改
善を可能とする。 【構成】 本発明による流れの剥離制御装置は、流体の
流れの状態を検知手段で検知し、該検知結果に基づいて
制御手段がボルテックスジェネレータの先端を移動する
と、ボルテックスジェネレータの先端が物体表面あるい
は流路壁面を流れる流体にあたって渦を発生する。該渦
は、流体の流れと混合して流体に運動量を供給するの
で、流体の乱れは小さくなるとともに、剥離流線が物体
表面あるいは流路壁面に近づき、流れの剥離を制御する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流れの剥離現象を制御
するための剥離制御装置に係り、とくに失速の抑制や不
安定現象などを改善するのに好適な剥離制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の剥離制御装置として代表的なもの
にボルテックスジェネレータが知られており、航空機の
可動翼に実施したものとして、たとえば特開昭51−3
1498号公報に記載されているように、固定翼の後部
に回転軸のまわりに回動可能に可動操舵翼が取付けら
れ、該可動操舵翼の前縁に多数の扇形ボルテックスジェ
ネレータ片が可動操舵翼の長さ方向に間隔をもって取付
けられている。また上記固定翼の翼面には、扇形ボルテ
ックスジェネレータ片が摺動しうるようにスリットが形
成され、かつ扇形ボルテックスジェネレータ片は可動翼
の舵角が所定の大きさになるまで固定翼面上に突出しな
いような大きさに形成され、これによって、可動操舵翼
の舵角が所定の大きさ以下のとき、ボルテックスジェネ
レータ片の突出による流れに対する抵抗の増加を防止す
るものが提案されている。
【0003】また、加振を利用した単型翼型の剥離制御
については、たとえば、エー・アイ、エー・エー、89
−0973(AIAA89−0973)に紹介されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記前者の従来技術
は、可動操舵翼の舵角の大きさに対応してボルテックス
ジェネレータ片が固定翼面上から突出したり、引込んだ
りするものであるため、翼回りの流れの状態に応じて制
御する点について配慮がされておらず、最適な剥離制御
を行うことができないという問題があった。
【0005】また、圧力波による剥離制御を行う後者の
従来技術においても、流れの状態に応じて制御する点に
ついて配慮がされておらず、最適な剥離制御を行うこと
ができないという問題があった。すなわち、剥離は壁面
付近の流体が壁面にそって流れるのに必要な運動量をも
たないために発生する現象である。したがって、壁面付
近の流れに運動量を供給してやれば、剥離を抑制するこ
とが可能である。たとえば、上記従来技術のように、ボ
ルテックスジェネレータを用いた場合には、ボルテック
スジェネレータにより大きな渦を発生させて主流を壁付
近の流れに混合させ、運動量を供給することによって剥
離を制御している。一般に渦を発生させるためには、エ
ネルギが必要である。そのため、剥離の制限に必要な最
低限の渦を発生させることが重要である。剥離は、主流
の状態や物体の形状(たとえば迎角)に強く依存し、ま
た剥離の有無によって流れの状態が大きく変化する。そ
のため、実際の流体機械においては、あらかじめ剥離の
様子を予想して最適な制御を行うことが困難である。一
方前記のように、剥離の有無で流れの状態が大きく変化
する。そのため、上記従来技術のように流れの状態を配
慮していない場合には、最適な制御を行うことができな
いという問題があった。
【0006】また、上記従来技術におけるボルテックス
ジェネレータでは、ボルテックスジェネレータの位置を
変えることができても、これによって発生する渦を変え
ることができなかった。すなわち、渦の状態を変えるた
めには、たとえば、物体表面に渦を励起し、渦と、物体
の流れとの混合作用によって剥離を制御する必要があ
る。しかるに、上記従来技術では、このような配慮がさ
れていないので、より効果的な剥離制御を行うことがで
きないという問題があった。
【0007】本発明の目的は、物体表面あるいは流路壁
面と、流体の流れとの間に発生する剥離現象を制御し、
失速や不安定現象の改善を可能とする流れの剥離制御装
置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、流れと境界をなす物体表面で発生す
る剥離を制御する流れの剥離制御装置において、前記流
体の流れの状態を検知する検知手段と、該検知手段によ
る検知結果に基づいて剥離を制御する制御手段とから構
成されたものである。
【0009】また、上記目的を達成するために、第2の
発明は、流れと境界をなす物体表面で発生する剥離を制
御する流れの剥離制御装置において、前記流体の流速を
検知する検知手段と、該検知手段による検知結果に基づ
いて剥離を制御する制御手段とから構成されたものであ
る。
【0010】また、上記目的を達成するために、第3の
発明は、流体の流れと境界をなす物体表面で発生する剥
離を制御する流れの剥離制御装置において、前記流体の
流れの中に発生する渦を検知する検知手段と、該検知手
段による検知結果に基づいて剥離を制御する制御手段と
から構成されたものである。
【0011】また、第4の発明は、前記制御手段を、前
記検知手段からの制御信号により、流れと境界をなす物
体表面に対する位置を移動調整されるボルテックスジェ
ネレータにて構成したものである。
【0012】また、第5の発明は、前記検知手段に接続
して設けた駆動手段からの制御信号により移動可能に構
成したものである。
【0013】また、第6の発明は、前記制御手段を、該
制御手段からの信号により圧力波を発生する圧力波発生
手段にて構成したものである。
【0014】また、第7の発明は、前記圧力波発生手段
を圧電ファンにて構成したものである。
【0015】また、第8の発明は、前記圧電ファンを空
洞部に設けたものである。
【0016】また、上記目的を達成するために、第9の
発明は、流れと境界をなす物体表面で発生する剥離を制
御する流れの剥離制御装置において、前記流体の制御前
と、制御後の流速の変動を検知する検知手段と、該検知
手段による検知結果と、あらかじめ設定された値との間
に差が生じたとき、剥離を制御する制御手段とから構成
されたものである。
【0017】また、上記目的を達成するために、第10
の発明は、流体の流れと境界をなすターボ型流体機械の
羽根車表面で発生する剥離を制御する流れの剥離制御装
置において、前記羽根車に設置され、該羽根車の表面上
の前記流体の流れを検知する検知手段と、該検知手段に
よる検知結果に基づいて剥離を制御する制御手段とから
構成されたものである。
【0018】また、上記目的を達成するために、第11
の発明は、離着時、流体の流れと境界をなす翼の表面で
発生する剥離を制御する流れの剥離制御装置において、
前記翼の表面と、滑走路およびその延長上の地面、施設
との間の前記流体の流れを検知する検知手段と、該検知
手段による検知結果に基づいて剥離を制御する制御手段
を設けたものである。
【0019】
【作用】第1の発明によれば、検知手段で流体の流れの
状態を検知し、該検知結果に基づいて制御手段が流体の
流れと境界をなす物体表面で発生する剥離状態を解析す
るとともに、解析結果に基づいて剥離を制御するので、
流体の流れの状態に応じて剥離を最適に制御することが
でき、失速の抑制や不安定現象などの改善をはかること
ができる。
【0020】また、第2の発明によれば、検知手段で流
体の乱れによって変化する流速を検知し、該検知結果に
基づいて制御手段が流体の剥離状態を解析するととも
に、解析結果に基づいて剥離を制御するので、流体の流
れに応じて剥離を最適に制御することができる。
【0021】また、第3の発明によれば、検知手段で流
体の流れの中に発生する渦を検知し、該検知結果に基づ
いて、制御手段が、渦の状態を変えて剥離を制御するの
で、渦の状態に応じて剥離を最適に制御することができ
る。
【0022】また、第4の発明によれば、検知手段から
の制御信号に基づいて、流体の流れと境界をなす物体表
面に対するボルテックスジェネレータの先端位置を移動
調整すると、該ボルテックスジェネレータの流れと境界
をなす物体表面より突出した部分で物体表面あるいは流
路壁面上に渦が発生し、該渦と、流体との混合作用によ
り流体に運動量を供給するので、これによって、剥離が
抑制されて上記物体表面付近まで流体が流れ込むため、
剥離流線は、上記物体表面に近づき、主流に近い小さい
乱れになって剥離を抑制することができる。
【0023】また、第5の発明によれば、検知手段を該
検知手段に接続して設けた駆動手段からの制御信号によ
り移動可能に構成しているので、検知手段を最適な位置
にて検知することができ、これによって正確に検知する
ことができる。
【0024】また、第6の発明によれば、制御手段を、
検知手段からの信号により圧力波を発生する圧力波発生
手段にて構成したので、圧力波発生手段からの圧力波が
物体表面あるいは流路壁面で渦を励起し、渦の混合作用
で剥離を制御することができる。
【0025】また、第7の発明によれば、圧力波発生手
段を圧電ファンにて構成したので、小電力で効率よく圧
力波を得ることができる。
【0026】また、第8の発明によれば、圧電ファンを
空洞部内に設けたので、圧電ファンからの圧力波を空洞
部で共振させることにより、出口では振幅が増幅され、
非共振の場合に比べて圧力波発生手段に対する入力を小
さくすることができる。
【0027】また、第9の発明によれば、検知手段で剥
離制御前と、剥離制御後との流体の流速変動を検知し、
制御手段で、該検知結果と、あらかじめ設定した値とを
比較し両者に差があるとき、剥離を制御するので、より
正確に剥離を制御することができる。
【0028】また、第10の発明によれば、ターボ型流
体機械の羽根車に検知手段と、制御手段を設け、上記検
知手段により羽根車の表面上の流体の流れを検知し、該
検知結果に基づいて上記制御手段が上記流体の剥離状態
を解析するとともに、解析結果により剥離を制御するの
で、上記流体の流れに応じて剥離を最適に制御すること
ができる。
【0029】また、第11の発明によれば、航空機の翼
に設置された検知手段により、離着陸時の上記翼の表面
の流体の流れを検知し、該検知結果に基づいて滑走路お
よびその延長上の地面、施設などに設置された制御手段
により剥離を制御するので、航空機が安全に離着陸する
ことができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を示す図1乃至
図3について説明する。図1は、流体の流れの状態を検
知する検知手段の検知結果に基づいてボルテックスジェ
ネレータを調整する場合の一実施例を示す。同図に示す
ように、翼1の内部には、先端3が剥離点5の上流に位
置するように、ボルテックスジェネレータ2が設置され
ている。該ボルテックスジェネレータ2は、駆動手段4
により先端が上記翼1の外部に突出するまで移動可能に
構成されている。上記駆動手段4は、たとえば電磁石、
油圧、圧電アクチュエータなどにて形成されており、と
くに圧電アクチュエータで形成した場合には、電圧をか
けたときの誘電分極による結晶構造の変化により伸縮
し、その変位は大変小さいが、テコ原理などを利用する
ことにより、変位は適宜増幅することができる。また、
上記翼1には、翼表面に流れの状態を検知する検知手段
を構成するセンサ6を設置している。該センサ6は、デ
ータ処理装置7を介して上記駆動手段4に接続してい
る。上記データ処理手段7は、図2に示すように、上記
センサ6で検知した流れの情報をAD変換器でアナログ
(電気)信号をデジタル(電気)信号に変換してCP
U、メモリに送られる。CPU、メモリでは、流れの状
態量たとえば圧力、渦度から剥離の状態を解析し、剥離
の状態に応じた制御信号をアンプに送って増幅したの
ち、駆動手段4に導くことにより、上記ボルテックスジ
ェネレータ2を最適な位置まで移動するように構成され
ている。
【0031】つぎに、流体の流れの剥離制御動作につい
て説明する。
【0032】センサ6で流れの情報を検知し、これをデ
ータ処理手段7で剥離状態を解析した結果、ボルテック
スジェネレータ2の先端部が翼1内に引込んだ状態で剥
離が発生していない場合には、ボルテックスジェネレー
タ2の先端部は翼1内に引込んだ状態を保持する。
【0033】また、剥離が発生している場合には、図3
に示すように、駆動手段4により、ボルテックスジェネ
レータ2の先端を翼1表面より突出させると、該ボルテ
ックスジェネレータ2の先端に、翼1表面を流れる流体
があたり、翼1表面から剥がれて渦10が発生する。該
渦10は、流体の流れを混合して翼1表面付近の流体に
運動量を供給するので、流体の流れの剥離を防ぐことが
できる。この場合、ボルテックスジェネレータ2の先端
と、翼1の表面との突出高さによって剥離制御の能力が
異なる。すなわち、翼1表面の境界層厚さに比べてボル
テックスジェネレータ2の先端が低いときには、大きな
渦の発生はなく混合の効果が弱いため、剥離制御の効果
は小さい。逆に、境界層厚さに比べてボルテックスジェ
ネレータ2の先端が高いときには、混合の不必要な境界
層外部にも渦を供給するので、損失となる。したがっ
て、ボルテックスジェネレータ2の先端3の翼1表面か
らの高さは境界層厚さ程度が好ましい。
【0034】上記実施例においては、翼1の内部にボル
テックスジェネレータ2を設けた場合について説明した
が、これに限定されるものでなく、たとえば、図4に示
すように、翼1表面の一部をボルテックスジェネレータ
2として構成することもできる。この場合には、図4に
示すように、翼1の表面の一部を翼1の表面に対して垂
直方向に移動可能なボルテックスジェネレータ2が構成
されている。ただし、上記ボルテックスジェネレータ2
の上流側移動先端は、剥離点5の上流側に位置してい
る。また、流れの状態を検知するセンサ6は、翼1の表
面に設置され、データ処理手段7を介してボルテックス
ジェネレータ2に接続している。該ボルテックスジェネ
レータ2は、たとえば圧電アクチュエータにて形成する
ことにより、それ自身で電圧を印加することによって先
端部が翼1の表面に対して垂直方向に変形可能である
が、図1のように、駆動手段4にて行うことでもよい。
なお図示の2aは、ボルテックスジェネレータ2の先端
が翼1内に引込んで翼1の表面を構成している場合を示
す。本実施例における流れの剥離制御動作は、図1の場
合と同様であるから、説明を省略する。
【0035】つぎに、上記センサの代りに熱線流速計を
用いた場合の一実施例を示す図5乃至図7について説明
する。
【0036】図5に示すように、翼1の表面上流側に
は、前記図1に示すボルテックスジェネレータ2を設け
るとともに、内部には、ボルテックスジェネレータ2を
駆動する駆動手段(図2参照)4と、前記図2に示す構
成をし、該駆動手段4を駆動制御するデータ処理手段
(図2参照)7とを設けている。また、翼1の表面下流
側には、熱線流速計の受感部8が設置されている。該受
感部8は、図示していないが、あらかじめ、実験などに
よってボルテックスジェネレータ2による制御をしない
場合の剥離流線の位置9とほぼ一致するように位置決め
されて翼1の表面に固定され、流体の乱れ渦度を計測
し、計測結果をデータ処理手段7に送信する。さらに、
ボルテックスジェネレータ2と、駆動手段4と、データ
処理手段7とは、図6に示すように、制御手段を構成し
ている。
【0037】つぎに、流体の乱れ渦度を制御する方法に
ついて説明する。
【0038】ボルテックスジェネレータ2の先端部を翼
1の表面から内部に引込んでいる場合には、翼1の表面
での摩擦の影響で図7(a)に示すように、流体に乱れ
を生じつつ、図5に示すように、翼1の表面より遠ざか
る方向の剥離流線9になる。このときの流速を受感部8
が計測するとともに、計測結果をデータ処理手段7に送
信すると、データ処理手段7は、乱れ渦度の状態を解析
し、乱れ渦度の状態に応じた制御信号を駆動手段4に導
き、ボルテックスジェネレータ2の先端部を翼1の表面
から突出させる。そのため、流体は、ボルテックスジェ
ネレータ2の先端部にあたり、翼1の表面から剥がれて
渦(図示せず)が発生する。該渦は、流体の流れを混合
して翼1の表面付近の流体に運動量を供給するので、図
7(b)に示すように、流体の乱れは小さくなるととも
に、図5に示すように、翼1の表面付近まで剥離の流れ
が入り込んで、剥離流線9aのようになる。このときの
流速および図7(a)の場合との速度変動を受感部8が
計測するとともに、該計測結果をデータ処理手段7に送
信すると、該データ処理手段7は、乱れ渦度の状態を分
析するとともに、速度変動があらかじめ設定された値と
の間に差があるときには、駆動手段4を介してボルテッ
クスジェネレータ2の先端をさらに移動させる。したが
って、ボルテックスジェネレータ2は、受感部8による
計測結果に基づいて最適な位置に制御することができ
る。なお、図5に示す実施例においては、受感部8が翼
1の表面に固定され、制御なしの場合と、制御ありの場
合との流体の速度変動を検出するものであるが、これに
限定されるものでなく、たとえば、図8および図9に示
すように、受感部8を翼1の表面に対して移動可能する
ことも可能である。すなわち、図8に示すように、受感
部8は、翼1の表面上に固定された受感部用駆動手段4
aにより翼1の表面に向って移動可能に支持されてお
り、該受感部用駆動手段4aは、図9に示すように、デ
ータ処理手段7からの制御信号によって受感部8を移動
させる。またデータ処理手段7は、受感部8による計測
範囲から、あらかじめ受感部8の移動位置と、移動タイ
ミングを設定している。したがって、受感部8は、常に
最適位置にて計測することができるので、ボルテックス
ジェネレータをより効果的に移動制御することができ
る。
【0039】つぎに、翼の表面で発生する剥離を該翼の
外部に設けた圧力波発生手段で発生する圧力波で制御す
ることも可能である。このような場合は、たとえば、離
着陸時の航空機の翼と、地上に設けた圧力波発生手段と
の関係あるいは、流体機械内部の翼と流路翼に設けた圧
力波発生手段との関係に相当する。図10は、翼1の外
部に圧力波発生手段11が設けられた場合の一実施例を
示す。同図に示すように圧力波発生手段11は、スピー
カ、電磁石、圧電アクチュエータなどにて形成されてお
り、センサ6による流体の渦度状態の検知結果に基づく
データ処理手段(図示せず)からの制御信号により駆動
して圧力波12を発生する。圧力波発生手段11から圧
力波12が発生すると、圧力波12は、翼1の前縁部を
回り込むときに渦10が励起される。渦10は、翼1の
表面にそうて下流に流れながら主流のエネルギを得て成
長し、大きな渦となって流れを混合し、剥離を制御す
る。該剥離の制御について、さらに詳述すると、つぎの
とおりである。図11、図12は、前記図5に示したの
と同様の状態における周波数スペクトルを制御なし、制
御ありの場合を示す。図11(a)に示す制御なしの場
合に比べ、図11(b)に示す制御ありの場合には、剥
離流線が翼表面に近づいたのにともない剥離流線付近に
存在した比較的高周波数の渦が消滅している。逆に図1
2(a)(b)に示すように、翼表面近くで測定する
と、図12(a)に示す制御なしの場合に比べ、図12
(b)に示す制御ありの場合には、剥離流線付近に存在
した比較的高周波の渦が加っている。この周波数スペク
トルあるいは渦度の情報を熱線流速計あるいは渦度セン
サ6で測定し、測定結果が圧力波発生手段11に入力す
ると、該圧力波発生手段11は、渦度センサ6による測
定結果に基づき渦10の大きさ、周波数を制御する。こ
のときの渦10の大きさ、周波数は、圧力波12の振幅
および周波数に対応しているため、圧力波発生手段11
は、最適な剥離制御を行うことが可能である。
【0040】つぎに、翼の表面で発生する剥離を、翼の
内部に設けた圧力波発生手段で制御する場合の一実施例
を示す図13について説明する。
【0041】同図に示すように、翼1の内部には、圧力
波発生手段11が設けられており、該圧力波発生手段1
1は、スピーカ、電磁石、圧電アクチュエータなどにて
形成され翼1の表面に設置された計測用センサ6に接続
している。とくに、圧電アクチュエータを応用した圧電
ファンにて形成した場合には、小電力で効率よく作動
し、かつ小形であるため、狭い空間での加振手段として
優れている。なお、圧電ファンは、従来コンピユータの
内部で素子の冷却や温度センサなどの空気導入用に流れ
を誘起する目的で使用されているが、本実施例では、圧
力波発生手段11として適用している。また、圧電フア
ンは、図14に示すように、2組設けることも可能であ
る。この場合には、圧電ファンは、2組の圧電素子19
a、19bと、該2組の圧電素子19a、19b間に挟
持された2組の摺動板20とから構成されている。ま
た、上記2組の摺動板20の先端部間には、該摺動板2
0の先端部が上下方向に揺動する軌跡にそうように両側
面が凹湾曲状に形成されたガイド21が設けられてい
る。上記2組の圧電素子19a、19bはセンサ6から
電圧が印加されると、誘電分担のため、一定方向に挟む
ような結晶構造をしており、これによって一定周波数で
振動する。しかしながら、圧電素子19a、19bだけ
では、振動が小さいので、振動板20が共振するのを利
用し、かつガイド21により振動板20の先端で発生す
る逆流を防止している。したがって、圧電ファンは、効
率よく圧力波を発生することができる。
【0042】さらに、図13に示すように、圧力波発生
手段11は、翼1の内部に設けた空洞部14の内側端面
に設置されている。そのため、圧力波発生手段11から
発生した圧力波12は、空洞部14内で共振し、出口1
3での振幅が増幅されるので、非共振の場合に比べて圧
力波発生手段11に対する入力を小さくすることができ
る。これにより、効果的な剥離制御ができる。
【0043】つぎに、羽根付きディフェーザを備えた遠
心ポンプに適用した場合の一実施例を示す図15につい
て説明する。
【0044】同図に示すように、羽根車15およびディ
フェザ16は、側板内部に圧力波発生手段11を設けて
おり、羽根17の剥離点上流には、出口13を設けてい
る。また、出口13の下流側には、前記図12に示す実
施例と同様計測用センサ6を設けている。したがって、
羽根17間の流体の流れを計測用センサ6が計測し、計
測結果を圧力波発生手段11に導くと、圧力波発生手段
11は、計測用センサ6による計測結果に基づいて圧力
波が発生するので、羽根17と、流体との間の剥離を最
適に制御することができる。
【0045】図16は、軸流ファンに適用した場合の一
実施例を示す。
【0046】同図に示すように、軸18は、その内部に
圧力波発生手段11を設けており、かつ羽根17の剥離
点上流には、出口13を設けている。また、流れ計測用
センサ6が出口13の下流側に設けられ、圧力波発生手
段11に接続している。したがって、圧力波発生手段1
1は、流れ計測用センサ6の計測結果に基づいて最適な
剥離制御を行うことができる。
【0047】
【発明の効果】本発明は、上記のとおり構成されている
ので、つぎに記載する効果を奏する。第1の発明によれ
ば、流体の流れの状態に応じて流体と、物体表面あるい
は流路壁面との間に発生する剥離を制御することができ
るので、失速の抑制や不安定現象などの改善をはかるこ
とができる。
【0048】第2の発明によれば、流体の流速に応じて
剥離を最適に制御することができる。
【0049】第3の発明によれば、流体中に発生する渦
の状態に応じて剥離を制御することができるので、剥離
を最適に制御することができる。
【0050】第4の発明によれば、ボルテックスジェネ
レータの先端にて物体表面あるいは流路壁面に渦を発生
させ、該渦と流体との混合作用により剥離を制御するこ
とができるので、より確実に剥離を制御することができ
る。
【0051】第5の発明によれば、検知手段を最適な位
置に移動して検知することができるので、正確に検知す
ることができる。
【0052】第6の発明によれば、圧力波発生手段から
の圧力波が物体表面あるいは流路壁面で渦を励起し、渦
の混合作用で剥離を制御することができる。
【0053】第7の発明によれば、圧力波発生手段を圧
電ファンにて構成したので、小電力で効率よく圧力波を
得ることができる。
【0054】第8の発明によれば、圧電ファンからの圧
力波を空洞部で共振させているので、出口では振幅が増
幅され、非共振の場合に比べて圧力波発生手段を小さく
することができる。
【0055】第9の発明によれば、剥離制御前と、剥離
制御後の流体の流速変動をあらかじめ設定された値に一
致させることができるので、より最適に剥離制御するこ
とができる。
【0056】第10の発明によれば、ターボ型流体機械
における羽根と流体との間に発生する剥離を制御するこ
とができるので、ターボ型流体機械の性能を向上するこ
とができる。
【0057】第11の発明によれば、離着陸時の航空機
の翼表面に発生する剥離を制御することができるので、
安全に航空機の離着陸を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】翼回りの流体の流れの状態に応じて剥離制御の
一実施例を示す断面図。
【図2】図1のデータ処理手段の構成を示すブロック
図。
【図3】図1の翼の上流側部分を示す拡大断面図。
【図4】翼内にボルテックスジェネレータを設けた一実
施例を示す断面図。
【図5】翼回りの流体の流速に応じて剥離制御の一実施
例を示す図。
【図6】図5の制御手段の構成を示すブロック図。
【図7】(a)は、制御しない場合の流体の速度変動波
形、(b)は制御した場合の流体の速度変動波形を示す
図。
【図8】翼回りの流体の流速変動に応じて剥離制御の一
実施例を示す図。
【図9】図8の制御手段の構成を示すブロック図。
【図10】離着陸時の航空機の剥離制御の一実施例を示
す図。
【図11】速度変動波形図で、(a)は制御しない場
合、(b)は制御した場合を示す。
【図12】速度変動波形図で、(a)は制御しない場
合、(b)は制御した場合を示す。
【図13】翼内に空洞部と、圧電ファンを設けた一実施
例を示す断面図。
【図14】圧電ファンの他の一実施例を示す図。
【図15】ターボ型流体機械に本発明を適用した一実施
例を示す断面図。
【図16】軸流ファンに本発明を適用した一実施例を示
す図。
【符号の説明】
1…翼、2…ボルテックスジェネレータ、4…駆動手
段、6…センサ、7…データ処理手段、8…受感部、
9,9a…剥離流線、11…圧力波発生手段、12…圧
力波、13…出口、14…空洞部、15…羽根車、16
…ディフェザ、17…羽根。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流れと境界をなす物体表面で発生
    する剥離を制御する流れの剥離制御装置において、前記
    流体の流れの状態を検知する検知手段と、該検知手段に
    よる検知結果に基づいて剥離を制御する制御手段とから
    構成された流れの剥離制御装置。
  2. 【請求項2】 流体の流れと境界をなす物体表面で発生
    する剥離を制御する流れの剥離制御装置において、前記
    流体の流速を検知する検知手段と、該検知手段による検
    知結果に基づいて剥離を制御する制御手段とから構成さ
    れた流れの剥離制御装置。
  3. 【請求項3】 流体の流れと境界をなす物体表面で発生
    する剥離を制御する流れの制御装置において、前記流体
    の流れの中に発生する渦を検知する検知手段と、該検知
    手段による検知結果に基づいて剥離を制御する制御手段
    とから構成された流れの剥離制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの項に記載の
    流れの剥離制御装置において、前記制御手段は、検知手
    段からの制御信号により、流れと境界をなす物体表面に
    対する位置を移動調整されるボルテックスジェネレータ
    にて構成された流れの剥離制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかの項に記載の
    流れの剥離制御装置において、前記検知手段に接続して
    設けた駆動手段からの制御信号により移動可能に構成さ
    れた流れの剥離制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかの項に記載の
    流れの剥離制御装置において、前記制御手段は、検知手
    段からの信号により圧力波を発生する圧力波発生手段に
    て構成された流れの剥離制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の流れの剥離制御装置にお
    いて、前記圧力波発生手段は、圧電ファンにて構成され
    た流れの剥離制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の流れの剥離制御装置にお
    いて、前記圧電ファンは、空洞部に設けられた流れの剥
    離制御装置。
  9. 【請求項9】 流体の流れと境界をなす物体表面で発生
    する剥離を制御する流れの剥離制御装置において、前記
    流体の制御前と、制御後との流速の変動を検知する検知
    手段と、該検知手段による検知結果と、あらかじめ設定
    された値との間に差が生じたとき、剥離を制御する制御
    手段とから構成された流れの剥離制御装置。
  10. 【請求項10】 流体の流れと境界をなすターボ型流体
    機械の羽根車表面で発生する剥離を制御する流れの剥離
    制御装置において、前記羽根車に設置され、該羽根車の
    表面上の前記流体の流れを検知する検知手段と、該検知
    手段による検知結果に基づいて剥離を制御する制御手段
    とから構成された流れの剥離制御装置。
  11. 【請求項11】 離着陸時、流体の流れと境界をなす航
    空機の翼表面で発生する剥離制御装置において、航空機
    の翼に離着陸時の該翼と、滑走路およびその延長上の地
    面、施設との間の前記流体の流れを検知する検知手段を
    設け、かつ、前記滑走路およびその延長上の地面、施設
    に、該検知手段による検知結果に基づいて剥離を制御す
    る制御手段を設けた流れの剥離制御装置。
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