JP2003041476A - 刺繍機の帽子枠駆動装置 - Google Patents

刺繍機の帽子枠駆動装置

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JP2003041476A
JP2003041476A JP2001230366A JP2001230366A JP2003041476A JP 2003041476 A JP2003041476 A JP 2003041476A JP 2001230366 A JP2001230366 A JP 2001230366A JP 2001230366 A JP2001230366 A JP 2001230366A JP 2003041476 A JP2003041476 A JP 2003041476A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Y軸方向に移動時に発生する摩擦力を小さく
抑え、帽子枠ホルダ等をガイド部材に沿ってY軸方向に
円滑に変位できるようにする。 【解決手段】 枠取付板54に一体化されたスライド板
52は、Y軸方向に移動される渡し板15上でX軸ベル
ト18と一体にX軸方向に変位する。枠取付板54の下
面側に設けたガイドレール55には、各ガイドローラ6
3を介して担持板60を垂下するように設ける。そし
て、ベッド体24に設けたガイド軸56により担持板6
0をスライドブッシュ61を介してY軸方向で摺動変位
可能に支持する。また、このガイド軸56により回転ロ
ーラ64の支持軸を兼用させる。そして、担持板60は
合計3個の回転ローラ64,66を用いて帽子枠ホルダ
68を回転可能に保持する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば帽子等のよ
うに筒形状をなす刺繍対象物を左,右に回転しつつ前,
後に移動して刺繍柄を形成するのに好適に用いられる刺
繍機の帽子枠駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、刺繍データ等に従ってミシンの
主軸等を駆動制御することにより、多数色の上糸(刺繍
糸)を用いて布等の刺繍対象物に多数色の刺繍柄を実現
するようにした刺繍機は知られている。
【0003】また、このような刺繍機を用いて、帽子等
の刺繍対象物に刺繍データに従った刺繍柄を施す場合に
は、ヘッド部の下側に位置して刺繍機の基台側に帽子枠
と呼ばれる略筒状の刺繍枠を取付け、この帽子枠を左,
右に回転させつつ前,後に移動させることにより、帽子
等の刺繍対象物に刺繍柄を形成するものである(例え
ば、特開平7−90765号公報等)。
【0004】そこで、この種の従来技術による刺繍機の
帽子枠駆動装置を、添付図面の図7ないし図14に従っ
て説明する。
【0005】図中、1は刺繍機の基台を示し、該基台1
上には、図7に示す如く後述のヘッド部2が設けられる
と共に、ヘッド部2の下側には後述のY軸モータ12、
Y軸ベルト14,14、渡し板15、X軸モータ16、
X軸ベルト18および枠取付板21等が設けられてい
る。
【0006】2は基台1上に搭載された刺繍機のヘッド
部で、該ヘッド部2の前面側には、左,右(図7中の矢
示A,B方向)に移動可能となった針棒ケース3と、該
針棒ケース3上に位置して色替え機構(図示せず)によ
り針棒ケース3と一体に左,右方向に移動される糸調子
台4とが設けられている。
【0007】そして、ヘッド部2には、主軸モータによ
り主軸を介して駆動される天秤駆動部、針棒駆動部(い
ずれも図示せず)等が設けられ、これらの駆動部により
天秤5、針棒6がそれぞれ上,下に駆動される。また、
前記色替え機構は、針棒ケース3と糸調子台4とを一体
に左,右(図7中の矢示A,B方向)に移動させること
により、所謂色替え作業を行うものである。
【0008】7はヘッド部2の後部側に設けられた上糸
収納部となる糸立て台で、該糸立て台7には、複数の上
糸ボビン7A,7B,7C,…等が設けられ、これらの
上糸ボビン7A,7B,7C,…には、例えば赤、青、
黄、白、黒色等の複数色の上糸(刺繍糸)等が巻回され
ている。そして、刺繍作業時には、これらの上糸ボビン
7A,7B,7C,…から選択的に刺繍糸が天秤5によ
り引出され、後述の帽子38等に対する刺繍が行われる
ものである。
【0009】8,8,…はヘッド部2の糸調子台4に設
けられた糸張り器で、これらの糸張り器8は、図7に示
すように糸調子台4の上部側に互いに間隔をもって、例
えば合計9個配設されている。
【0010】9,9,…は各糸張り器8の下側に位置し
て糸調子台4に設けられた、例えば合計9個の糸調子を
示している。そして、糸立て台7の上糸ボビン7A,7
B,7C,…等から引出された刺繍糸は、それぞれ糸張
り器8を介して各糸調子9へと導かれ、この糸調子9に
より天秤5側に向けて低摩擦給糸されるものである。
【0011】10,10,…は針棒ケース3の下端側に
各針棒6を介して設けられた複数のミシン針で、該各ミ
シン針10は、ヘッド部2に設けられた前記針棒駆動部
により主軸の回転に従って針棒6と一緒に上,下に駆動
されるものである。
【0012】なお、これらの針棒6、ミシン針10につ
いても、天秤5と同様に前記色替え機構により選択さ
れ、選択された針棒6のみがミシン針10と共に上,下
に往復動される。そして、非選択となった残余の針棒6
はミシン針10と一緒に図7に示す如く上死点位置に留
まり、色替え機構で選択されるまでは上死点位置に保持
されるものである。
【0013】11はヘッド部2の下側に位置して基台1
に設けられた帽子枠駆動装置で、該帽子枠駆動装置11
は、図7および図8に示す如く基台1の左,右方向(X
軸方向)に離間して前,後方向(Y軸方向)に延び、Y
軸モータ12により伝達軸13を介してY軸方向に駆動
される左,右のY軸ベルト14,14と、後述の渡し板
15、X軸モータ16、X軸ベルト18、枠取付板2
1、担持板30、帽子枠ホルダ36およびスチールバン
ド39等とにより構成されている。
【0014】15は左,右のY軸ベルト14,14間に
架け渡すように設けられたY軸方向移動体としての渡し
板で、該渡し板15は、Y軸ベルト14,14間を左,
右方向に延び、該各Y軸ベルト14と一緒にY軸方向に
移動される。そして、渡し板15は、後述の枠取付板2
1をX軸モータ16、X軸ベルト18等と共にY軸方向
に移動させるものである。
【0015】16は渡し板15の右側端部にブラケット
17を介して設けられたX軸モータで、該X軸モータ1
6は、渡し板15上を左,右方向に延びるX軸ベルト1
8を駆動することにより、X軸ベルト18を渡し板15
上でX軸方向に移動させるものである。
【0016】19は渡し板15上に滑り軸受20等を介
して設けられたスライド板で、該スライド板19はX軸
ベルト18に固定され、渡し板15上をX軸ベルト18
と一体にX軸方向に摺動変位するものである。
【0017】21はスライド板19に連結板22を介し
て一体化された枠取付板で、該枠取付板21には、後述
の帽子枠ホルダ36が担持板30およびスチールバンド
39等を介して取付けられている。また、枠取付板21
の下面側には、図11、図13および図14に示すガイ
ドレール23が固定して設けられ、該ガイドレール23
は、後述のガイドローラ33を介して担持板30をスラ
イド可能に支持している。
【0018】そして、枠取付板21はスライド板19、
連結板22と共にX軸方向移動体を構成し、X軸ベルト
18に追従してX軸方向に移動される。また、渡し板1
5がY軸方向に移動されるときには、これと一緒にスラ
イド板19および枠取付板21もY軸方向に移動するも
のである。
【0019】24は渡し板15および枠取付板21の下
側に位置して基台1に設けられた下糸側のベッド体で、
該ベッド体24は、図7、図8に示すようにヘッド部2
と上,下で対向し、後述の担持板30、帽子枠ホルダ3
6、帽子枠37内をY軸方向に貫通して延びている。
【0020】そして、ベッド体24の先端側には針板2
5が取付けられ、該針板25には図12に示すようにミ
シン針10と上,下で対向する位置に針孔25Aが穿設
されている。また、ベッド体24の先端側には針板25
の下側に位置して下糸用の回転釜26が設けられ、該回
転釜26内には下糸用のボビン(図示せず)が着脱可能
に取付けられるものである。
【0021】27,27はベッド体24の下面側にブラ
ケット28等を介して設けられたガイド部材としての
左,右一対のガイド軸で、該各ガイド軸27は、図9な
いし図12に示す如くベッド体24の左,右方向に離間
し、後述の回転ローラ34A,34Bよりも下側となる
位置に配設されている。そして、これらのガイド軸27
は、後述の担持板30をスライドブッシュ31を介して
Y軸方向に摺動変位可能に支持するものである。
【0022】29は帽子枠ホルダ36をY軸方向に変位
させる枠変位手段としてのY軸変位機構で、該Y軸変位
機構29は、後述の担持板30、スライドブッシュ3
1、ガイドローラ33等により構成されている。そし
て、Y軸変位機構29の担持板30等は、一対のガイド
軸27,27に変位可能に設けられ、渡し板15のY軸
方向移動に追従してY軸方向へと変位するものである。
【0023】30はガイド軸27によりY軸方向に変位
可能に支持され、帽子枠ホルダ36を回転可能に保持す
る可動支持部材としての担持板で、該担持板30は、図
10および図11に示す如く帽子枠ホルダ36よりも大
なる外径をもった略U字状の平板体として形成され、そ
の内側にはベッド体24が挿通される貫通穴30Aが穿
設されている。
【0024】また、担持板30の上端側には、図11、
図13に示す如くガイドレール23と上,下で対向する
ようにL字状に折曲げられたローラ取付部30Bが設け
られ、該ローラ取付部30Bには後述のガイドローラ3
3が取付けられている。そして、担持板30は枠取付板
21のY軸方向の動きがガイドレール23、ガイドロー
ラ33を介して伝えられ、これにより担持板30はガイ
ド軸27に沿ってY軸方向に移動するものである。
【0025】31,31は担持板30にブッシュ押え3
2等を介して設けられたスライドブッシュで、該各スラ
イドブッシュ31は、図10に示す帽子枠ホルダ36の
回転中心Oに対して左,右に離間して配設され、その内
周側にはガイド軸27が摺動可能に挿嵌されている。そ
して、スライドブッシュ31は担持板30をガイド軸2
7に対してY軸方向にスライド可能に連結し、担持板3
0および帽子枠ホルダ36がY軸方向に滑らかに移動す
るのを補償するものである。
【0026】33,33,…は担持板30のローラ取付
部30Bに定間隔をもって取付けられた合計3個のガイ
ドローラで、該各ガイドローラ33は、ガイドレール2
3内に回転可能に配置され、ガイドレール23と共にY
軸ガイドを構成している。
【0027】即ち、各ガイドローラ33は、ガイドレー
ル23が枠取付板21と一緒にX軸方向に移動するとき
に、図9ないし図11に示す位置に留まって自転する。
これによりガイドローラ33は、担持板30に対する枠
取付板21のX軸方向での相対変位を許し、枠取付板2
1のX軸方向変位が担持板30に伝達されるのを抑える
ものである。
【0028】しかし、枠取付板21が渡し板15と一緒
にY軸方向に移動するときには、このY軸方向変位がガ
イドレール23を介してガイドローラ33へと伝えられ
るため、これによって担持板30はガイドローラ33と
共にガイド軸27に沿ってY軸方向に移動されるもので
ある。
【0029】34A,34B,34Cは担持板30に各
支持ボルト35を介して取付けられたローラ部材として
の回転ローラで、これらの回転ローラ34A,34B,
34Cは、図10、図11に示す如く帽子枠ホルダ36
を内周側から回転可能に保持するため回転中心Oの周囲
で約120度の間隔をもって担持板30に取付けられて
いる。
【0030】そして、回転ローラ34A,34Bは、図
10に示す如くベッド体24の左,右両側に離間して配
設され、回転ローラ34Cはベッド体24の下方位置に
配設されている。即ち、これらの回転ローラ34A,3
4B,34Cは、ベッド体24の左,右両側位置と下方
位置との3箇所で帽子枠ホルダ36の内周面に摺接し、
帽子枠ホルダ36を3点支持状態で回転可能に保持して
いる。
【0031】36は担持板30に回転ローラ34A,3
4B,34Cを介して回転可能に設けられた帽子枠ホル
ダで、該帽子枠ホルダ36は、図10、図11に示す如
く段付円筒体として形成され、軸方向一端側が回転ロー
ラ34A,34B,34Cを用いて担持板30に回転可
能に支持されている。
【0032】そして、帽子枠ホルダ36は、ベッド体2
4、一対のガイド軸27およびスライドブッシュ31等
を径方向外側から取囲み、図10中に示す回転中心Oの
周囲で左,右に回転される。また、担持板30が図11
に示すY軸方向に変位するときには、この動きが回転ロ
ーラ34A,34B,34Cを介して帽子枠ホルダ36
に伝えられることにより、帽子枠ホルダ36も担持板3
0と一体にY軸方向に変位するものである。
【0033】37は帽子枠ホルダ36に着脱可能に取付
けられた帽子枠で、該帽子枠37には、図8ないし図1
1中に二点鎖線で示すように刺繍対象物としての帽子3
8が装着される。また、帽子38は鍔部38Aを有して
いる。そして、後述の如く帽子38に刺繍を施すときに
は、帽子枠ホルダ36、帽子枠37と一緒に帽子38が
Y軸方向に移動されると共に、ミシン針10の下側で
左,右に回転されるものである。
【0034】39は帽子枠ホルダ36を左,右に回転さ
せる帽子枠回転手段としてのスチールバンドで、該スチ
ールバンド39は、図10に示す如く一端部39Aが枠
取付板21の左端側に固定具40を用いて固定され、他
端部39Bは枠取付板21の右端側にテンション受け4
1を介して取付けられている。
【0035】そして、スチールバンド39の長さ方向中
間部は、帽子枠ホルダ36の外周側に巻付けられ、この
状態で枠取付板21のX軸方向移動に追従して動くこと
により、帽子枠ホルダ36を図10に示す回転中心Oの
周囲で左,右に回転させる回転力の伝達を行うものであ
る。
【0036】また、テンション受け41は、スチールバ
ンド39の張力を適宜に変えることにより、帽子枠ホル
ダ36に対するスチールバンド39の締め代を調整する
ものである。
【0037】従来技術による刺繍機の帽子枠駆動装置1
1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動
について述べる。
【0038】まず、刺繍対象物である帽子38を帽子枠
37に装着し、保持具(図示せず)等を用いて帽子38
を帽子枠37に展張状態で保持する。この状態で、例え
ばY軸モータ12を駆動し左,右のY軸ベルト14,1
4をY軸方向に移動すると、これによって渡し板15が
スライド板19、枠取付板21と一緒にY軸方向に移動
される。
【0039】そして、枠取付板21のY軸方向移動は、
ガイドレール23、各ガイドローラ33を介してY軸変
位機構29の担持板30へと伝えられ、担持板30がガ
イド軸27に沿ってY軸方向に摺動変位することによ
り、帽子枠ホルダ36、帽子枠37および帽子38が回
転ローラ34A,34B,34Cを介して担持板30と
一緒にY軸方向に移動する。
【0040】また、X軸モータ16によりX軸ベルト1
8を駆動したときには、渡し板15上でスライド板19
と枠取付板21がX軸ベルト18と一緒にX軸方向に移
動される。そして、枠取付板21のX軸方向移動は、ス
チールバンド39を介して帽子枠ホルダ36へと伝えら
れ、これにより帽子枠ホルダ36が図10に示す回転中
心Oの周囲で左,右に回転されると共に、帽子枠37お
よび帽子38も同様に回転されるものである。
【0041】このとき、枠取付板21の下側でガイドレ
ール23内に回転可能に配置されたガイドローラ33
(図14に示すガイドローラ33A,33B,33C)
は、ガイドレール23が枠取付板21と一緒にX軸方向
に移動するときに、図14に示す位置に留まって自転
し、担持板30に対するガイドレール23(枠取付板2
1)のX軸方向での相対変位を許す。
【0042】そして、ガイドレール23の端部23A,
23Bが、中央のガイドローラ33Bに近付く位置まで
X軸方向に変位したときに、ストロークエンドとなって
ガイドレール23(枠取付板21)のこれ以上のX軸方
向変位は止められ、このときに帽子枠ホルダ36は図1
0に示す回転中心Oの周囲でほぼ140度分だけ回転さ
れる。
【0043】一方、刺繍対象の帽子38が帽子枠37、
帽子枠ホルダ36と一緒にY軸方向に移動されると共
に、回転中心Oの周囲で左,右に回転される枠移動が行
われているときには、これにほぼ連動してヘッド部2側
のミシン針10が主軸の回転に伴って上,下に運針され
る。
【0044】そして、このミシン針10は、針板25の
針孔25A内に向けて運針されることにより、回転釜2
6内の下糸とミシン針10側の上糸とに絡みが与えら
れ、帽子38には刺繍データに対応した刺繍柄が連続的
に縫製されるものである。
【0045】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による帽子枠駆動装置11は、ベッド体24の下
側に左,右に離間して設けた2本のガイド軸27,27
により、Y軸変位機構29の担持板30をスライドブッ
シュ31等を介して摺動変位可能に支持し、この担持板
30には3個の回転ローラ34A,34B,34Cを取
付けることにより帽子枠ホルダ36を3点で回転可能に
支持する構成としている。
【0046】このため、2本のガイド軸27,27を用
いて帽子枠ホルダ36、帽子枠37および帽子38をY
軸方向に案内でき、回転案内も3個の回転ローラ34
A,34B,34Cを用いて行うことができ、重量物と
なる帽子枠ホルダ36(帽子枠37および帽子38を含
む)を頑丈な構造で安定して可動に支持できるという利
点がある。
【0047】しかし、Y軸変位機構29の担持板30
は、渡し板15(枠取付板21)のY軸方向移動がガイ
ドレール23、ガイドローラ33,33,33を介して
伝えられることにより、ガイド軸27に沿ってY軸方向
に動かされるものであり、ガイド軸27は、図10中に
示す帽子枠ホルダ36の回転中心Oに対し左,右両側と
なる位置に配設されている。
【0048】これにより、ガイド軸27は、図13に示
す如く回転ローラ34A,34Bよりも下側位置に配置
されるので、前記ガイドレール23とガイド軸27との
間の距離Lが比較的大きくなり、ガイドレール23をY
軸方向に移動するときに担持板30(ローラ取付部30
B)に働くモーメントMが図13に示すように大きくな
っている。
【0049】このため、従来技術では、担持板30をガ
イド軸27により必ずしも安定して円滑に支持すること
ができず、担持板30(帽子枠ホルダ36、帽子枠37
および帽子38を含む)をY軸方向に摺動変位させると
きには、ガイド軸27とスライドブッシュ31との間で
余分な摩擦力等が発生し易いという問題がある。
【0050】この場合、ガイド軸27とスライドブッシ
ュ31との間の寸法公差を小さくすれば、両者の間にガ
タツキ等が発生するのを抑えることは可能である。しか
し、このためにはガイド軸27の外周面とスライドブッ
シュ31の内周面とを高精度に仕上げる必要が生じ、寸
法管理が難しくなる上に、ベッド体24に対するガイド
軸27の取付作業、担持板30に対するスライドブッシ
ュ31の取付作業、および両者の位置合わせ作業を高精
度に行う必要が生じ、多大の労力と時間を費やすという
問題がある。
【0051】一方、これとは逆にガイド軸27とスライ
ドブッシュ31との間の寸法公差をある程度大きくした
場合には、ベッド体24に対するガイド軸27の取付作
業、担持板30に対するスライドブッシュ31の取付作
業を比較的短時間で行うことができ、作業性を向上でき
る。
【0052】しかし、この場合には、ガイド軸27とス
ライドブッシュ31との間に発生するガタツキ等が大き
くなるため、前記モーメントMの影響による摩擦力が大
となり、担持板30をガイド軸27に沿って円滑に摺動
変位させるのが難しくなるという問題がある。
【0053】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、例えばガイド部材等の
取付作業を短時間で効率的に行うことができると共に、
Y軸方向に移動時に発生する摩擦力を小さく抑えること
ができ、帽子枠ホルダ等をガイド部材に沿って円滑に変
位できるようにした刺繍機の帽子枠駆動装置を提供する
ことにある。
【0054】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、刺繍機の基台と、該基台上に設けら
れミシン針を駆動するヘッド部と、該ヘッド部の下側に
位置して前記基台に設けられ該基台の前,後方向となる
Y軸方向に移動されるY軸方向移動体と、該Y軸方向移
動体に設けられ前記基台の左,右方向となるX軸方向に
移動されるX軸方向移動体と、前記基台側に固定して設
けられY軸方向に延びたガイド部材と、該ガイド部材に
変位可能に設けられ前記Y軸方向移動体に追従してY軸
方向に変位する枠変位手段と、前記ガイド部材を外側か
ら取囲むように該枠変位手段に回転可能に設けられ該枠
変位手段によりY軸方向に変位される帽子枠ホルダと、
刺繍対象物を保持するため該帽子枠ホルダに着脱可能に
取付けられ該帽子枠ホルダと一緒に回転すると共にY軸
方向に変位する帽子枠と、前記X軸方向移動体と帽子枠
ホルダとの間に設けられ前記X軸方向移動体の動きに追
従して前記帽子枠ホルダを左,右に回転させる帽子枠回
転手段とからなる刺繍機の帽子枠駆動装置に適用され
る。
【0055】そして、請求項1に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記ガイド部材を、前記帽子枠ホルダの
回転中心と前記Y軸方向移動体との間の高さ方向中間位
置に配設する構成としたことにある。
【0056】このように構成することにより、ガイド部
材を、帽子枠ホルダの回転中心よりもY軸方向移動体に
近付けた位置に配置でき、Y軸方向移動体の動きを帽子
枠ホルダに伝えるときのモーメントを小さくできると共
に、ガイド部材の外周側に発生する摩擦力を低減して帽
子枠ホルダ等をY軸方向へと円滑に動かすことができ
る。
【0057】また、請求項2の発明によると、枠変位手
段は、ガイド部材によってY軸方向にスライド可能に支
持され帽子枠ホルダを回転可能に保持した可動支持部材
と、該可動支持部材とX軸方向移動体との間に設けられ
該X軸方向移動体が可動支持部材に対してX軸方向に相
対移動するのを許しY軸方向移動体の動きを該可動支持
部材に伝えるY軸ガイドとからなり、前記ガイド部材
は、前記帽子枠ホルダの回転中心とY軸ガイドとの間の
高さ方向中間位置に配設する構成としている。
【0058】これにより、帽子枠ホルダの回転中心とY
軸ガイドとの間の高さ方向中間位置にガイド部材を配設
でき、可動支持部材をガイド部材に沿ってY軸方向へと
円滑に摺動変位させることができる。また、Y軸ガイド
により可動支持部材がX軸方向に移動されるのを防ぎ、
Y軸方向の動きのみを可動支持部材に伝えることができ
る。
【0059】一方、請求項3の発明によると、基台には
帽子枠ホルダおよび帽子枠内をY軸方向に延びミシン針
と上,下で対向する位置に針板が取付けられた下糸側の
ベッド体を設け、ガイド部材は該ベッド体の左,右両側
にそれぞれ配設する構成としている。
【0060】これにより、ガイド部材をベッド体の左,
右両側位置に一対のガイド軸として配置でき、Y軸方向
移動体の動きを帽子枠ホルダに伝えるときのモーメント
を小さくできると共に、一対のガイド軸(ガイド部材)
の外周側に発生する摩擦力を低減して帽子枠ホルダ等を
Y軸方向へと円滑に動かすことができる。
【0061】また、請求項4の発明によると、基台には
帽子枠ホルダおよび帽子枠内をY軸方向に延びミシン針
と上,下で対向する位置に針板が取付けられた下糸側の
ベッド体を設け、可動支持部材には、該ベッド体の左,
右両側位置と下方位置との少なくとも3箇所で前記帽子
枠ホルダの内周面に摺接し該帽子枠ホルダを回転可能に
保持する3個以上のローラ部材を設け、ガイド部材は該
各ローラ部材のうち前記ベッド体の左,右両側に位置す
るローラ部材と同軸に配設し該各ローラ部材の支持軸を
兼用する構成としている。
【0062】これにより、ガイド部材は、帽子枠ホルダ
を回転可能に保持する3個以上のローラ部材のうちベッ
ド体の左,右両側に位置するローラ部材と同軸に左右一
対のガイド軸として配設でき、該各ローラ部材の回転可
能に支持するための支持軸を左,右一対のガイド軸(ガ
イド部材)により兼用することができる。
【0063】さらに、請求項5の発明によると、可動支
持部材にはガイド部材にスライド可能に挿嵌されるスラ
イドブッシュを設け、ローラ部材は該スライドブッシュ
の外周側に回転可能に取付ける構成としている。
【0064】これにより、スライドブッシュを用いてガ
イド部材に対し可動支持部材を摺動可能に取付けること
ができ、ガイド部材とスライドブッシュとの間の摺動抵
抗を低減できると共に、スライドブッシュの外周側に設
けたローラ部材により帽子枠ホルダを回転可能に支持す
ることができる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
刺繍機の帽子枠駆動装置を添付図面の図1ないし図6に
従って詳細に説明する。なお、本実施の形態では前述し
た従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その
説明を省略するものとする。
【0066】図中、51は本実施の形態で採用した帽子
枠駆動装置で、該帽子枠駆動装置51は、従来技術で述
べた帽子枠駆動装置11とほぼ同様に構成され、スライ
ド板52、枠取付板54、担持板60、帽子枠ホルダ6
8およびスチールバンド70等を有しているものであ
る。
【0067】52は本実施の形態で用いたスライド板
で、該スライド板52は、従来技術で述べたスライド板
19とほぼ同様に、図3に示すように渡し板15上に滑
り軸受20等を介して設けられ、渡し板15上をX軸ベ
ルト18と一体にX軸方向に摺動変位するものである。
しかし、スライド板52は、後述の枠取付板54に合計
3個の連結ボルト53(図3中に1個のみ図示)を介し
て連結され、従来技術で用いた連結板22は省略されて
いる。
【0068】54はスライド板52に連結ボルト53を
介して一体化された枠取付板で、該枠取付板54は、従
来技術で述べた枠取付板21とほぼ同様に構成され、後
述の帽子枠ホルダ68が担持板60およびスチールバン
ド70等を介して取付けられている。
【0069】しかし、枠取付板54には、図1に示す如
く合計3個のボルト挿通穴54A,54A,…が形成さ
れ、これらのボルト挿通穴54Aに挿通される前記連結
ボルト53により、枠取付板54はスライド板52に一
体化されている。そして、枠取付板54はスライド板5
2等と共にX軸方向移動体を構成している。
【0070】55は枠取付板54の下面側に固定して設
けられたガイドレールを示し、該ガイドレール55は、
例えば樹脂材料等を用いて従来技術で述べたガイドレー
ル23とほぼ同様に構成されている。そして、ガイドレ
ール55は、後述の各ガイドローラ63を介して担持板
60をスライド可能に支持し、各ガイドローラ63と共
にY軸ガイドを構成するものである。
【0071】56,56はベッド体24の下面側に固定
ブラケット57等を介して設けられたガイド部材として
の左,右一対のガイド軸で、該各ガイド軸56は、従来
技術で述べたガイド軸27とほぼ同様に構成され、後述
の担持板60等をY軸方向に摺動可能に支持するもので
ある。
【0072】しかし、各ガイド軸56は、図1ないし図
3に示すようにベッド体24の左,右両側に固定ブラケ
ット57と左,右の張出ブラケット58,58等を介し
て取付けられ、後述する各回転ローラ64と同軸に配設
されている。
【0073】そして、これらのガイド軸56は各回転ロ
ーラ64の支持軸を兼用し、このためにガイド軸56
は、図2に示す回転中心Oと後述のガイドローラ63
(ガイドレール55)との間の高さ方向中間位置に配設
され、図5に示す如くガイドレール55までの距離L1
を、図13に示す従来技術の距離L(L>L1 )よりも
短い距離に設定しているものである。
【0074】また、前記固定ブラケット57は、ベッド
体24の下面側に固定されたL字状のアングル材からな
り、固定ブラケット57の前面側には、図2に示す如く
左,右に張出ブラケット58,58がボルト等を用いて
固定されている。そして、左,右のガイド軸56,56
は、基端側がこれらの張出ブラケット58にボルト等で
位置決めされ、ベッド体24の左,右両側を該ベッド体
24と平行に延びるように配設されている。
【0075】59は帽子枠ホルダ68をY軸方向に変位
させる枠変位手段としてのY軸変位機構で、該Y軸変位
機構59は、従来技術で述べたY軸変位機構29とほぼ
同様に、後述の担持板60、スライドブッシュ61、ガ
イドローラ63等により構成されている。
【0076】60はガイド軸56によりY軸方向に変位
可能に支持され、帽子枠ホルダ68を回転可能に保持す
る可動支持部材としての担持板で、該担持板60は、図
1ないし図3に示す如く帽子枠ホルダ68にほぼ対応す
る外径をもった略U字状の平板体として形成され、その
内側にはベッド体24が挿通される貫通穴60Aが穿設
されている。
【0077】また、担持板60の上端側には、図2、図
3および図5に示す如くガイドレール55と上,下で対
向するようにL字状に折曲げられたローラ取付部60B
が設けられ、該ローラ取付部60Bには後述の各ガイド
ローラ63が取付けられている。そして、担持板60は
枠取付板54のY軸方向の動きがガイドレール55、ガ
イドローラ63を介して伝えられ、これにより担持板6
0はガイド軸56に沿ってY軸方向に移動するものであ
る。
【0078】61,61は担持板60に固定板62等を
介して設けられたスライドブッシュで、該各スライドブ
ッシュ61は、図2に示す帽子枠ホルダ68の回転中心
Oよりも上側に位置してベッド体24の左,右両側に配
設され、その内周側にはガイド軸56が摺動可能に挿嵌
されている。そして、スライドブッシュ61は、担持板
60をガイド軸56に対してY軸方向にスライド可能に
連結し、担持板60および帽子枠ホルダ68がY軸方向
に滑らかに摺動変位するのを補償するものである。
【0079】63,63,…は担持板60のローラ取付
部60Bに定間隔をもって取付けられた合計5個のガイ
ドローラで、該各ガイドローラ63は、ガイドレール5
5内に回転可能に配置され、ガイドレール55と共にY
軸ガイドを構成している。
【0080】即ち、各ガイドローラ63は、ガイドレー
ル55が枠取付板54と一緒にX軸方向に移動するとき
に、図1ないし図3に示す位置に留まって自転する。こ
れによりガイドローラ63は、担持板60に対する枠取
付板54のX軸方向での相対変位を許し、枠取付板54
のX軸方向変位が担持板60に伝達されるのを抑えるも
のである。
【0081】しかし、枠取付板54が渡し板15と一緒
にY軸方向に移動するときには、このY軸方向変位がガ
イドレール55を介してガイドローラ63へと伝えられ
るため、これによって担持板60はガイドローラ63と
共にガイド軸56に沿ってY軸方向に移動されるもので
ある。
【0082】64,64は各スライドブッシュ61の外
周側にリテーナ筒65を介して取付けられた左,右の回
転ローラで、該各回転ローラ64は、図2、図3に示す
如くベッド体24の左,右両側に離間して配設され、ス
ライドブッシュ61を介して担持板60に取付けられて
いる。
【0083】そして、左,右の回転ローラ64,64
は、後述の回転ローラ66と共に回転中心Oの周囲でほ
ぼ120度離間した位置に配設され、帽子枠ホルダ68
の内周面に3箇所で摺接することにより、帽子枠ホルダ
68を3点支持状態で回転可能に保持している。
【0084】66は左,右の回転ローラ64,64と共
に合計3個のローラ部材を構成する下側の回転ローラ
で、該回転ローラ66は、担持板60に支持ボルト67
等を介して取付けられ、図2に示す如くベッド体24の
下方位置に配設されている。そして、下側の回転ローラ
66は、左,右の回転ローラ64,64と共に帽子枠ホ
ルダ68を内周側から回転可能に保持するため回転中心
Oの周囲で約120度の間隔をもって担持板60に取付
けられているものである。
【0085】68は担持板60に各回転ローラ64,6
6等を介して回転可能に設けられた帽子枠ホルダで、該
帽子枠ホルダ68は、従来技術で述べた帽子枠ホルダ3
6とほぼ同様に構成され、軸方向一端側が各回転ローラ
64,66等を用いて担持板60に回転可能に支持され
ている。
【0086】そして、帽子枠ホルダ68は、ベッド体2
4、一対のガイド軸56およびスライドブッシュ61等
を径方向外側から取囲み、図2中に示す回転中心Oの周
囲で左,右に回転される。また、担持板60が図3に示
すY軸方向に変位するときには、この動きが回転ローラ
64,64,66を介して伝えられることにより、帽子
枠ホルダ68も担持板60と一体にY軸方向に変位する
ものである。
【0087】69は帽子枠ホルダ68に着脱可能に取付
けられた帽子枠で、該帽子枠69は、従来技術で述べた
帽子枠37とほぼ同様に構成され、図1ないし図3中に
二点鎖線で示すように刺繍対象物としての帽子38が装
着されるものである。
【0088】70は帽子枠ホルダ68を左,右に回転さ
せる帽子枠回転手段としてのスチールバンドで、該スチ
ールバンド70は、従来技術で述べたスチールバンド3
9と同様に構成され、図2に示す如く一端部70Aが枠
取付板54の左端側に固定具71を用いて固定され、他
端部70Bは枠取付板54の右端側にテンション受け7
2を介して取付けられている。
【0089】本実施の形態による刺繍機の帽子枠駆動装
置51は、上述の如き構成を有するもので、その基本的
作動については従来技術によるものと格別差異はない。
【0090】然るに、本実施の形態によれば、Y軸変位
機構59の担持板60等をY軸方向に摺動可能に支持す
る一対のガイド軸56,56を、ベッド体24の左,右
両側に位置して左,右の回転ローラ64,64と同軸に
配設し、該各回転ローラ64の支持軸を兼用する構成と
している。
【0091】そして、ガイド軸56を、図2に示す帽子
枠ホルダ68の回転中心Oとガイドローラ63(ガイド
レール55)との間の高さ方向中間位置に配設し、図5
に例示したようにガイドレール55とガイド軸56との
間の距離L1 を、図13に示す従来技術の距離L(L>
L1 )よりも短い距離に設定しているものである。
【0092】このため、ガイドレール55とガイド軸5
6との間の距離L1 を短くすることにより、ガイドレー
ル55をY軸方向に移動するときに担持板60(ローラ
取付部60B)に働くモーメントM1 を、図5、図13
に示すように従来技術によるモーメントM(M>M1 )
よりも距離L,L1 の差分だけ小さくでき、ガイド軸5
6とスライドブッシュ61との間に余分な摩擦力等が発
生するのを抑えることができる。
【0093】これにより、担持板60、帽子枠ホルダ6
8等を左,右一対のガイド軸56,56を用いて円滑に
駆動可能に支持することができ、担持板60(帽子枠ホ
ルダ68、帽子枠69および帽子38を含む)をY軸方
向に摺動変位させるときの駆動力、即ち図7、図8に示
すY軸モータ12の駆動負荷を小さくして、帽子枠69
に対するY軸方向への駆動性能を向上することができ
る。
【0094】また、ガイド軸56とスライドブッシュ6
1との間の寸法公差を小さくして両者の摺動面を高精度
に仕上げる等の必要性を減じることができ、ベッド体2
4に対するガイド軸56の取付作業、担持板60に対す
るスライドブッシュ61の取付作業、および両者の位置
合わせ作業を短時間で効率的に行うことができる。
【0095】さらに、帽子枠ホルダ68を回転可能に保
持する3個の回転ローラ64,64,66のうち、ベッ
ド体24の左,右両側に位置する回転ローラ64,64
の支持軸を、左,右一対のガイド軸56により兼用させ
る構成としているから、担持板60と帽子枠ホルダ68
との連結構造を簡素化でき、担持板60の剛性を高める
ことができると共に、担持板60の軽量化、薄肉化を図
ることができる。
【0096】従って、本実施の形態によれば、ガイドレ
ール55とガイド軸56との間の距離L1 を短くして、
ガイドレール55をY軸方向に移動するときに担持板6
0に働くモーメントM1 を小さくでき、ガイド軸56と
スライドブッシュ61との間の摺動抵抗を確実に低減す
ることができる。
【0097】これにより、当該刺繍機における帽子枠駆
動装置51の組立作業性を向上できると共に、耐久性や
寿命を確実に延ばし、信頼性を高めることができる。
【0098】また、一対のガイド軸56,56を用いる
ことにより、重量物となる帽子枠ホルダ68、帽子枠6
9を頑丈な構造で安定して支持できると共に、担持板6
0に設けた3個の回転ローラ64,64,66により帽
子枠ホルダ68を3点で回転可能に支持でき、帽子枠ホ
ルダ68に対するY軸方向の案内と回転案内を円滑に行
うことができる。
【0099】また、本実施の形態にあっては、担持板6
0のローラ取付部60Bに合計5個のガイドローラ63
(図6に示すガイドローラ63A,63B,63C,6
3D,63E)を設ける構成としているため、例えば担
持板60に対するガイドレール55(枠取付板54)の
X軸方向での相対変位がストロークエンドに達した状態
でも、ガイドレール55とガイドローラ63との間のY
軸方向での力の伝達を安定して行うことができる。
【0100】即ち、ガイドレール55の端部55A,5
5Bが、中央のガイドローラ63Cに近付く位置までX
軸方向に変位してストロークエンドとなったときでも、
ガイドレール55内に最低3個のガイドローラ63(例
えば、図6に示すガイドローラ63A,63B,63C
またはガイドローラ63C,63D,63E)を配置し
ておくことができる。
【0101】この結果、X軸方向の変位がストロークエ
ンドに近い状態でも、ガイドレール55と3個のガイド
ローラ63A,63B,63C(またはガイドローラ6
3C,63D,63E)との間でY軸方向の駆動力を伝
達でき、図14に例示した従来技術よりも安定したY軸
方向の力伝達を補償することができる。
【0102】なお、前記実施の形態では、担持板60に
設けた3個の回転ローラ64,64,66により帽子枠
ホルダ68を3点で回転可能に支持する場合を例に挙げ
て説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例え
ば回転ローラ64と回転ローラ66との間に他の回転ロ
ーラを追加して設け、合計4,5個以上の回転ローラ
(ローラ部材)を用いて帽子枠ホルダ68を回転可能に
支持する構成としてもよい。
【0103】また、前記実施の形態では、基台1上の単
一のヘッド部2を設ける場合を例に挙げて説明したが、
本発明はこれに限るものではなく、例えば基台上に複数
のヘッド部を搭載した多頭式の刺繍機に適用してもよい
ものである。
【0104】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、帽子枠ホルダをY軸方向に変位可能に支持
するガイド部材を、前記帽子枠ホルダの回転中心とY軸
方向移動体との間の高さ方向中間位置に配設する構成し
たので、ガイド部材を従来技術に比較して帽子枠ホルダ
の回転中心よりもY軸方向移動体に近付けた位置に配置
でき、Y軸方向移動体の動きを帽子枠ホルダに伝えると
きのモーメントを小さくできると共に、ガイド部材の外
周側に発生する摩擦力を低減して帽子枠ホルダ等をY軸
方向へと小さな駆動力で円滑に動かすことができる。従
って、帽子枠ホルダ等をY軸方向に移動させるときの摩
擦力を小さく抑え、帽子枠ホルダ等をガイド部材に沿っ
て円滑に変位できると共に、例えばガイド部材等の取付
作業を短時間で効率的に行うことができ、組立時の作業
性、信頼性を向上することができる。
【0105】また、請求項2に記載の発明によると、枠
変位手段は、可動支持部材とY軸ガイドとからなり、ガ
イド部材は帽子枠ホルダの回転中心とY軸ガイドとの間
の高さ方向中間位置に配設する構成としているので、Y
軸ガイドとガイド部材との間の距離を短くでき、可動支
持部材をガイド部材に沿ってY軸方向へと円滑に摺動変
位させることができる。また、Y軸ガイドにより可動支
持部材がX軸方向に移動されるのを防ぎ、Y軸方向の動
きのみを可動支持部材に伝えることができる。
【0106】一方、請求項3に記載の発明によると、基
台には帽子枠ホルダおよび帽子枠内をY軸方向に延びミ
シン針と上,下で対向する位置に針板が取付けられた下
糸側のベッド体を設け、ガイド部材は該ベッド体の左,
右両側にそれぞれ配設する構成としているので、ガイド
部材をベッド体の左,右両側位置に一対のガイド軸とし
て配置でき、Y軸方向移動体の動きを帽子枠ホルダに伝
えるときのモーメントを小さくできると共に、一対のガ
イド軸(ガイド部材)の外周側に発生する摩擦力を低減
して帽子枠ホルダ等をY軸方向へと円滑に動かすことが
できる。
【0107】また、請求項4に記載の発明によると、可
動支持部材には、ベッド体の左,右両側位置と下方位置
との少なくとも3箇所で前記帽子枠ホルダの内周面に摺
接し該帽子枠ホルダを回転可能に保持する3個以上のロ
ーラ部材を設け、ガイド部材は該各ローラ部材のうち前
記ベッド体の左,右両側に位置するローラ部材と同軸に
配設し該各ローラ部材の支持軸を兼用する構成としてい
るので、可動支持部材と帽子枠ホルダとの連結構造を簡
素化でき、可動支持部材の軽量化、薄肉化等を図ること
ができると共に、部品点数を減らして組立時の作業性を
向上することができる。
【0108】さらに、請求項5に記載の発明によると、
可動支持部材にはガイド部材にスライド可能に挿嵌され
るスライドブッシュを設け、ローラ部材は該スライドブ
ッシュの外周側に回転可能に取付ける構成としているの
で、スライドブッシュを用いてガイド部材に対し可動支
持部材を摺動可能に取付けることができ、ガイド部材と
スライドブッシュとの間の摺動抵抗を低減できると共
に、スライドブッシュの外周側に設けたローラ部材によ
り帽子枠ホルダを回転可能に支持でき、帽子枠ホルダの
Y軸方向案内と回転案内とを円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による刺繍機の帽子枠駆動
装置を示す平面図である。
【図2】帽子枠駆動装置を図1中の矢示II−II方向から
みた正面断面図である。
【図3】図2中の矢示 III−III 方向からみた帽子枠駆
動装置の断面図である。
【図4】図3中のベッド体、ガイド軸等を拡大して示す
一部破断の外観図である。
【図5】図3中のガイドレール、担持板、ガイドローラ
およびスライドブッシュ等を拡大して示す断面図であ
る。
【図6】図2中の矢示VI−VI方向からみたガイドレー
ル、担持板およびガイドローラ等の断面図である。
【図7】従来技術による刺繍機の帽子枠駆動装置を示す
斜視図である。
【図8】図7中の帽子枠駆動装置を拡大して示す平面図
である。
【図9】図8中の枠取付板、帽子枠ホルダおよび帽子枠
等を拡大して示す平面図である。
【図10】帽子枠ホルダ等を図9中の矢示X−X方向か
らみた正面断面図である。
【図11】図10中の矢示XI−XI方向からみた帽子枠駆
動装置の断面図である。
【図12】図11中のベッド体、ガイド軸等を拡大して
示す一部破断の外観図である。
【図13】図11中のガイドレール、担持板、ガイドロ
ーラおよびスライドブッシュ等を拡大して示す断面図で
ある。
【図14】図10中の矢示 XIV−XIV 方向からみたガイ
ドレール、担持板およびガイドローラ等の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 基台 2 ヘッド部 3 針棒ケース 4 糸調子台 5 天秤 6 針棒 7 糸立て台 9 糸調子 10 ミシン針 12 Y軸モータ 14 Y軸ベルト 15 渡し板(Y軸方向移動体) 16 X軸モータ 18 X軸ベルト 24 ベッド体 25 針板 26 回転釜 38 帽子 51 帽子枠駆動装置 52 スライド板 54 枠取付板(X軸移動体) 55 ガイドレール 56 ガイド軸(ガイド部材) 59 Y軸変位機構(枠変位手段) 60 担持板(可動支持部材) 61 スライドブッシュ 63 ガイドローラ(Y軸ガイド) 64,66 回転ローラ(ローラ部材) 68 帽子枠ホルダ 69 帽子枠 70 スチールバンド(帽子枠回転手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刺繍機の基台と、該基台上に設けられミ
    シン針を駆動するヘッド部と、該ヘッド部の下側に位置
    して前記基台に設けられ該基台の前,後方向となるY軸
    方向に移動されるY軸方向移動体と、該Y軸方向移動体
    に設けられ前記基台の左,右方向となるX軸方向に移動
    されるX軸方向移動体と、前記基台側に固定して設けら
    れY軸方向に延びたガイド部材と、該ガイド部材に変位
    可能に設けられ前記Y軸方向移動体に追従してY軸方向
    に変位する枠変位手段と、前記ガイド部材を外側から取
    囲むように該枠変位手段に回転可能に設けられ該枠変位
    手段によりY軸方向に変位される帽子枠ホルダと、刺繍
    対象物を保持するため該帽子枠ホルダに着脱可能に取付
    けられ該帽子枠ホルダと一緒に回転すると共にY軸方向
    に変位する帽子枠と、前記X軸方向移動体と帽子枠ホル
    ダとの間に設けられ前記X軸方向移動体の動きに追従し
    て前記帽子枠ホルダを左,右に回転させる帽子枠回転手
    段とからなる刺繍機の帽子枠駆動装置において、 前記ガイド部材は、前記帽子枠ホルダの回転中心と前記
    Y軸方向移動体との間の高さ方向中間位置に配設する構
    成としたことを特徴とする刺繍機の帽子枠駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記枠変位手段は、前記ガイド部材によ
    ってY軸方向にスライド可能に支持され前記帽子枠ホル
    ダを回転可能に保持した可動支持部材と、該可動支持部
    材とX軸方向移動体との間に設けられ該X軸方向移動体
    が可動支持部材に対してX軸方向に相対移動するのを許
    し前記Y軸方向移動体の動きを該可動支持部材に伝える
    Y軸ガイドとからなり、前記ガイド部材は、前記帽子枠
    ホルダの回転中心とY軸ガイドとの間の高さ方向中間位
    置に配設する構成としてなる請求項1に記載の刺繍機の
    帽子枠駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記基台には帽子枠ホルダおよび帽子枠
    内をY軸方向に延び前記ミシン針と上,下で対向する位
    置に針板が取付けられた下糸側のベッド体を設け、前記
    ガイド部材は該ベッド体の左,右両側にそれぞれ配設す
    る構成としてなる請求項1または2に記載の刺繍機の帽
    子枠駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記基台には帽子枠ホルダおよび帽子枠
    内をY軸方向に延び前記ミシン針と上,下で対向する位
    置に針板が取付けられた下糸側のベッド体を設け、前記
    可動支持部材には、該ベッド体の左,右両側位置と下方
    位置との少なくとも3箇所で前記帽子枠ホルダの内周面
    に摺接し該帽子枠ホルダを回転可能に保持する3個以上
    のローラ部材を設け、前記ガイド部材は該各ローラ部材
    のうち前記ベッド体の左,右両側に位置するローラ部材
    と同軸に配設し該各ローラ部材の支持軸を兼用する構成
    としてなる請求項2に記載の刺繍機の帽子枠駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記可動支持部材にはガイド部材にスラ
    イド可能に挿嵌されるスライドブッシュを設け、前記ロ
    ーラ部材は該スライドブッシュの外周側に回転可能に取
    付ける構成としてなる請求項4に記載の刺繍機の帽子枠
    駆動装置。
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