JP2003039883A - シャープペンシル - Google Patents

シャープペンシル

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JP2003039883A
JP2003039883A JP2001232950A JP2001232950A JP2003039883A JP 2003039883 A JP2003039883 A JP 2003039883A JP 2001232950 A JP2001232950 A JP 2001232950A JP 2001232950 A JP2001232950 A JP 2001232950A JP 2003039883 A JP2003039883 A JP 2003039883A
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JP2001232950A
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English (en)
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Masaki Shigemori
正樹 重盛
Tsuruo Nakayama
鶴雄 中山
Naoto Yoshihara
直人 吉原
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Original Assignee
Pentel Co Ltd
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  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 残芯が短くなるまで使用できるようにしたシ
ャープペンシルにおいて、芯保持力が上昇しない芯保持
体を有するシャープペンシルを提供すること。 【解決手段】 芯を把持し前進位置まで繰り出すように
した芯繰出機構を軸筒内に有し、その芯繰出機構の前方
部に、芯を摩擦的に保持する芯保持体を有するスライダ
ーを前後動可能に配置したシャープペンシルにおいて、
上記芯保持体が耐油性に優れた有弾性樹脂であることを
特徴とするシャープペンシル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャープペンシル
に関し、特に残芯が後続する芯により押し出され、その
残芯が短かくなるまで使用できるようにしたシャープペ
ンシルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】残芯が短くなるまで使用できるようにし
たシャープペンシルは、口金や該口金に設けたスライダ
ー内に先端近くまで芯保持体を設けて残芯を保持できる
ように構成されている。図1を参照しつつ説明する。軸
筒1内には、芯2を収容する芯タンク3、この芯タンク
3に連結したチャック体4、このチャック体4を絞着す
るチャックリング5、上記芯タンク3を後方に付勢する
コイルスプリングなどの弾発体6を含む芯繰出機構が設
けられている。上記芯タンク3の後端をノックした際、
チャック体4は芯を把持して前進し、チャックリング5
のフランジが口金7内に設けた段部8に当たるとチャッ
ク体4による芯の把持は解放され、芯2は口金内に設け
た芯保持体9により前進位置に保持される。ノックを止
めると、上記弾発体6の作用でチャック4等は後退し、
後退の途中で上記チャックリング5がチャック体4を絞
着して芯2が把持され、上記チャックリング5のフラン
ジが肩部10に当たってチャック4は把持位置に戻る。
【0003】上記芯保持体9は、芯挿通孔11を有し、
芯2を摩擦的に保持できるようにゴム材料などの有弾性
の材料で形成され、口金7の挿通孔12に摺動可能に嵌
挿したスライダー13内に先端近くまで設けられてい
る。口金7の内部には、前記スライダー13の周囲に接
して上記芯保持体9の摩擦抵抗より大きな摩擦抵抗を前
記スライダー13に与えるようスライダー抵抗体14が
設けられている。これにより、前記スライダー13が口
金7に対して勝手に突出したり、没入したりしないよう
にでき、また、スライダー13の後端から芯2を芯保持
体9内に確実に挿入することができるようになってい
る。
【0004】上記シャープペンシルは、筆記の際、芯2
の先端を上記スライダー13の先端より少し外方に突出
する程度に芯出して使用されるが、芯が短くなってチャ
ック体4に把持されなくなると、図に示すように、残芯
2aと後続芯2bの間に隙間15が生じてくる。つま
り、上記芯繰出機構によって芯が前進位置から把持位置
に戻るとき、チャック体4がチャックリング5で締着さ
れる瞬間、チャック体4は後続芯2bをくわえながら戻
るので芯はわずか後退して隙間15が生じてしまう。そ
のため、そのままで筆記しようとすると、先端がスライ
ダーから突出していた残芯2aは紙面に当たった際、芯
保持体9内を滑って後退し、上記残芯2aの突出先端が
上記隙間15分だけ潜ってしまい、筆記ができなくなっ
たり、もう一度ノックし直さなければならない欠点があ
った。
【0005】そこで、上記のように残芯が短くなるまで
使用できるようにしたシャープペンシルにおいて、筆記
の際に芯の先端を紙面に当てても先端部をスライダーの
先端から突出させた芯がスライダー内に潜らないように
したシャープペンシルが提案されてきた。例えば、特開
2001−105783公報には、芯を把持し前進位置
まで繰り出すようにした芯繰出機構を軸筒内に有し、該
前進位置に繰り出された芯を摩擦的に保持する芯保持体
を有するスライダーを口金に摺動可能に嵌挿し、該芯保
持体による摩擦抵抗より大きな摩擦抵抗を上記スライダ
ーに与えるようにスライダーに接触するスライダー抵抗
体を設けたシャープペンシルにおいて、上記芯繰出機構
によって前進位置に繰り出された芯が把持位置に戻る際
に該芯が後退する戻り量に相当する区間で上記スライダ
ー抵抗体の摩擦抵抗が上記芯保持体の摩擦抵抗より小さ
くなるよう上記スライダー抵抗体をスライダーに接触さ
せ若しくは非接触とさせることを特徴とするたシャープ
ペンシル、又は、芯を把持し前進位置まで繰り出すよう
にした芯繰出機構を軸筒内に有し、残芯を短くなるまで
保持できるよう前進位置に繰り出された芯を摩耗的に保
持する芯保持体を先端近くまで設けた先端パイプを口金
に嵌挿したシャープペンシルにおいて、上記先端パイプ
の外面または口金のいずれか一方に凹部を設け、他方に
該凹部に嵌入する突起を形成し、上記芯繰出機構によっ
て前進位置に繰り出された芯が把持位置に戻る際に該芯
が後退する戻り量に相当する区間で上記先端パイプが後
退できるよう上記凹部と突起で上記先端パイプの移動を
規制したことを特徴とするシャープペンシルを要旨とす
る発明が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記シャープ
ペンシルの芯保持体は、芯を摩擦的に保持できるようゴ
ム材料などの有弾性材料で形成すると、芯を保持する圧
力(以下、「芯保持力」という)が上昇し、芯が出なく
なるという問題があった。この問題は、以下の理由によ
り発生する。有弾性材料は、ゴム材料などの樹脂から形
成されることより、一般的には耐薬品性、耐熱性および
耐寒性に優れたものであるが、ガソリンやトルエン、流
動パラフィンといった無極性有機化合物に対しては耐性
が低く、これらの溶剤を吸収すると膨潤する。一方、シ
ャープペンシルに使用される芯には、流動パラフィンや
鉱物油、動物油、植物油といった油が含有されている。
これらの油に含まれる無極性有機化合物が、ゴム材料な
どの有弾性材料に吸収されると膨潤を引き起こし、芯保
持力が急激に上昇し、ノックしても芯が出なくなる。
【0007】本発明は、残芯が短くなるまで使用できる
ようにしたシャープペンシルにおいて、芯保持力が上昇
しない芯保持体を有するシャープペンシルを提供するこ
とを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を鑑
みてなされたものであって、芯を把持し前進位置まで繰
り出すようにした芯繰出機構を軸筒内に有し、その芯繰
出機構の前方部に、芯を摩擦的に保持する芯保持体を有
するスライダーを前後動可能に配置したシャープペンシ
ルにおいて、上記芯保持体が耐油性に優れた有弾性樹脂
であることを特徴とするシャープペンシルを要旨とする
ものである。
【0009】
【実施例】以下、図面に基づき本発明を詳細に説明す
る。尚、各実施例における参照符号は、同じ部品につい
ては同じ参照符号を用いる。 実施例1 図2と図3は、実施例1に係るシャープペンシルの部分
断面模式図である。軸筒1には、複数の芯2を収容する
芯タンク3が前後動可能に配置されている。その芯タン
ク3の前端には、芯の把持・解放を行うチャック体4が
固定されており、そのチャック体4の前方部には、その
チャック体4の開閉を行うチャックリング5がチャック
体4を囲繞するように配置している。そして、それら芯
タンク3やチャック体4は、コイルスプリングなどの弾
発体6によって後方に付勢されて、芯繰出機構を構成し
ている。一方、その軸筒1の先端には、螺着などの手段
によって口金7が装着自在に取り付けられており、この
口金7の挿通孔12に摺動可能に嵌挿したスライダー1
3内には、芯を摩擦的に保持できるよう芯保持体9が設
けられている。スライダー13の後部には、筒状部16
が形成されており、その筒状部16には窓孔17が対向
した位置に形成されている。そして、その窓孔17に
は、チャック体4の頭部に形成された突起18が遊挿し
ているが、係合可能なものとなっている。Oリング19
は、前記口金7とスライダー13との間に介在してい
る。口金7に対するスライダー13の摺動抵抗が、この
Oリング19によって調整が可能なものとなっている。
【0010】芯保持体9に用いる有弾性材料は耐油性に
優れたものを使用する。耐油性に優れた材料を使用する
ことにより、無極性有機化合物を含有する芯が貫通孔内
を摺動した場合でも、芯保持体9が無極性有機化合物を
吸収しにくくなり、芯保持体9の膨潤が少なくなる。そ
の結果、芯保持力の上昇が抑えられ、シャープペンシル
を長期間使用できる。特に70℃の流動パラフィン(C
as No.8012 95 1)に20日間浸漬した
時の重量変化率が10%以下の樹脂を使用した場合に
は、芯保持体9の膨潤がほとんどなく、芯保持力が変化
しないので好ましい。
【0011】70℃の流動パラフィンに20日間浸漬し
た時の重量変化率が10%を越える樹脂を使用した場合
には、替芯に含有される無極性有機化合物の芯保持体9
への吸収が多くなり膨潤を抑えられないことから、芯保
持力が上昇してしまう。芯保持力が200gを越えると
繰り出し機構での芯の前進がしにくくなり、内部で芯が
破損したり、芯が繰り出せない可能性も出てくる。
【0012】耐油性に優れる有弾性材料の具体例として
は、アクリル樹脂、シリコン樹脂、弗素樹脂、塩化ビニ
ル、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹
脂、ジメチル系シリコーンゴム、メチルビニル系シリコ
ーンゴム、メチルフェニルビニル系シリコーンゴム、メ
チルフルオロアルキル系シリコーンゴム(フロロシリコ
ーン)、フロロ−ジメチル共重合シリコーン、ウレタン
ゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプ
レンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチ
レン、ニトリルゴム、スチレン系エラストマー、オレフ
ィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタ
ン系エラストマーなどが挙げられるが、形状が維持でき
るものであれば、特に限定されず、70℃の流動パラフ
ィンに20日間浸漬した時の重量変化率が10%以下で
あるものが特に好ましい。前記重量変化率が10%以下
のものとしてはシリコーンゴム及びその誘導体が挙げら
れ、その中でも、フロロ−ジメチル共重合シリコーンゴ
ムが好ましい。
【0013】芯保持体9の孔の横断面形状は円形、楕円
形、多角形などが挙げられるが、異形であることが特に
好ましい。これは、芯を繰り出す際に生じる摩擦力によ
って芯が削れ、芯保持体内に芯カスがたまり、その芯カ
スが有弾性材料表面に付着、積層しすると芯保持力が上
昇する可能性があることから、孔の横断面形状は楕円形
(図4)、多角形(図5)、凹凸形状やスリット形状
(図6)、リブ形状(図7)といった芯との接触面積が
少なく、芯カスが積層しにくい異形形状が望ましいため
である。なお、芯保持体9の外観形状は特に限定されな
い。
【0014】また、これら有弾性材料には、粉体、発泡
剤または導電性微粒子などが含まれてもよい。なお、こ
れら添加剤は、耐油性に優れているものを用いることが
好ましいが、たとえ、耐油性に劣った材料であっても、
70℃の流動パラフィンに20日間浸漬した時の重量変
化率が10%以下に調整可能なものであれば使用可能で
あり、特に限定されない。
【0015】粉体の具体例としては、スチレン、ナイロ
ン、ポリオレフィン、シリコン、エポキシ、ポリメタク
リル酸メチルなどの樹脂粉体や、シリカ、アルミナ、ジ
ルコニアなどの無機粉体などが挙げられる。また、それ
らの粉体に、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系など
の粉体塗膜を被覆した複合粉体、さらには、自動乳鉢、
ボールミル、ジェットミル、アトマイザー、ハイブリダ
イザーなどを用いて樹脂粉体にこの樹脂粉体より小さい
無機粉体を吸着させたり、打ち込んだりしたものなども
挙げられ、特に限定されない。また、粉体の形状は、無
定型、球状、板状、針状などが用いられ、特に限定する
ものではない。これら粉体は1種または2種以上添加し
てもよい。
【0016】発泡剤は、化学発泡剤、物理発泡剤、熱膨
張性マイクロカプセルなどが用いられる。化学発泡剤の
具体例は、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘
導体、セミカルバジド化合物、アジド化合物、トリアゾ
ール化合物などの有機系熱分解型発泡剤、イソシアネー
ト化合物などの有機系反応型発泡剤、重炭酸塩、炭酸
塩、亜硫酸塩、水素化物などの無機系熱分解型発泡剤、
重炭酸ナトリウム+酸、過酸化水素+イースト菌、亜鉛
粉末+酸などの無機系反応型発泡剤などが挙げられる。
物理発泡剤の具体例は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
ジクロルエタン、ジクロルメタン、フロン、空気、炭酸
ガス、窒素ガスなどが挙げられる。熱膨張性マイクロカ
プセルの具体例は、イソブタン、ペンタン、石油エーテ
ル、ヘキサンなどの低沸点炭化水素を芯物質とし、塩化
ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステルなどの共重合体からなる熱可塑性
樹脂を壁物質としたマイクロカプセルなどが挙げられ、
特に限定されない。これら発泡剤は、1種または2種以
上添加してもよい。
【0017】導電性微粒子は、化学的および電気化学的
に溶出または変質しない材料であればよい。具体例とし
ては、カーボンブラック、グラファイトや、酸化錫、酸
化インジウムなどの酸化物、窒化チタン、窒化クロム、
窒化ジルコニウム、窒化タンタルなどの窒化物、炭化チ
タン、炭化ジルコニウム、炭化タンタルなどの炭化物、
ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化タンタルな
どのホウ化物が挙げられ、特に限定されない。また、導
電性微粒子の形状は無定型、鱗片状、球状、繊維状など
を用いることができる。これら導電性微粒子は、1種ま
たは2種以上添加してもよい。
【0018】動作について説明する。芯繰り出し操作
後、チャック体が後退する際に、チャック体の突起がス
ライダー後部の筒状部に形成されたスライダーの窓孔に
係合し、そのスライダーをも後退させる。その結果、後
続芯を残芯に接触させた状態で後退させることができ
る。
【0019】本実施例1において、芯保持体として、フ
ロロ−ジメチル共重合シリコーンゴム(GE東芝シリコ
ーン(株)製、XE24−A1680:重量変化率2
%)を用いて、内面形状が6点リブ形状のフロロ−ジメ
チル共重合シリコーンチューブを押し出し成形により形
成し、スライダー内に配置した。実施例1により得たシ
ャープペンシルに芯を通し、デジタルフォースゲージ
((株)イマダ製:MODEL DPX−1)で芯保持
力を測定し、芯を200本通過させた後、再度デジタル
フォースゲージで芯保持力を測定したところ芯保持力の
上昇は確認されなかった。
【0020】実施例2 図8は、実施例2に係るシャープペンシルの部分断面模
式図である。軸筒1内には、芯2を繰り出すための芯繰
出機構を構成する芯タンク3、チャック体4、チャック
リング5、弾発体6などが設けられ、上記軸筒1及び口
金7には上記チャックリング5のフランジが当接する段
部8及び肩部10が形成されている。また、上記口金7
の挿通孔12に摺動可能に嵌挿したスライダー13内に
は、芯2を摩擦的に保持できるよう芯保持体9が設けら
れ、該スライダー13の外周と上記口金7の内面間に
は、上記芯保持体9の摩擦抵抗より大きな摩擦抵抗をス
ライダーに与えるようスライダー抵抗体14が設けられ
ている。上記芯タンク3をノックすると芯2は把持位置
から前進位置に繰り出され、上記スライダー13は、ス
ライダー抵抗体14の抵抗を受けながらチャックに押し
出されて口金7より突出する。上記芯繰出機構によって
前進位置に繰り出され芯は、ノックを止めてチャック等
が把持位置に戻る際に途中で該チャックに把持されて微
少量後退するが、この後退する戻り量に相当する区間
で、上記スライダー抵抗体14の抵抗が上記芯保持体9
の摩擦抵抗より小さくなり、若しくは抵抗がなくなるよ
うに構成されている。
【0021】本実施例において、上記スライダー抵抗体
14の抵抗が上記芯保持体9の摩擦抵抗より小さくな
り、若しくは抵抗がなくなるように構成するには、上記
スライダー13の外周に、スライダー13の突出端にお
いて上記スライダー抵抗体14が前記スライダー13に
対向する位置から芯の戻り量に相当する量後退したと
き、スライダー13に対向する位置までの間、外形を小
径にした作用部20を形成してあるためである。この作
用部20にスライダー抵抗体14が対向しているとき、
このスライダー抵抗体14の圧接量は弱められ、場合に
よっては、スライダー抵抗体14はスライダー13の外
面に非接触の状態とすることができるから、上記芯保持
体9の摩擦抵抗よりスライダー抵抗体14の摩擦抵抗を
小さくし、もしくは消失させることができる。上記作用
部20を超えたスライダー13の前方部分は、上記作用
部20より大径の圧接部21に形成されている。この圧
接部21にスライダー抵抗体14が対向するときは、上
記芯保持体9の摩擦抵抗より大きい摩擦抵抗を生じて上
記スライダー13の動きに抵抗を与えることができる。
因みに、スライダー抵抗体14を有弾性材料で形成する
ことも可能であるが、このとき、有弾性材料として上記
耐油性に優れた有弾性材料を用いると、芯の粉(チャッ
ク体に挟持されることによって発生することがある)に
含まれる油による膨潤を防止できるので、スライダー1
3の動きを経時的に安定にでき好ましい。
【0022】実施例2における芯保持体9は、実施例1
と全く同様であり、有弾性材料であって、耐油性に優れ
たものを使用する。本実施例2において、芯保持体とし
て、メチルフルオロアルキル系シリコーンゴム(フロロ
シリコーン)とジメチル系シリコーンゴムを1:1の割
合で混合したシリコーンゴム(重量変化率8%)を用い
て、内面形状が五角形形状のフロロ−ジメチル混合シリ
コーンチューブを押し出し形成により形成し、スライダ
ー内に配置した。実施例2により得たシャープペンシル
に芯を通し、デジタルフォースゲージで芯保持力を測定
し、芯を200本通過させた後、再度デジタルフォース
ゲージで芯保持力を測定したところ芯保持力の上昇は確
認されなかった。
【0023】実施例3 実施例3は、実施例2と芯保持体以外は、全く同様であ
る。芯保持体は、有弾性材料であって、耐油性に優れた
ものを使用する。本実施例3において、芯保持体とし
て、フロロ−ジメチル共重合シリコーンゴム(GE東芝
シリコーン(株)製、XE24−A1680:重量変化
率2%)を用いて、内面形状が6点リブ形状のフロロ−
ジメチル共重合シリコーン製芯保持体とスライダーを、
いわゆる2色成形と称される成形方法で形成した。実施
例3により得たシャープペンシルに芯を通し、デジタル
フォースゲージ((株)イマダ製:MODEL DPX
−1)で芯保持力を測定し、芯を200本通過させた
後、再度デジタルフォースゲージで芯保持力を測定した
ところ芯保持力の上昇は確認されなかった。
【0024】実施例4 図9は、実施例4に係るシャープペンシルの部分断面模
式図である。軸筒1内には、芯2を繰り出すための芯繰
出機構を構成する芯タンク3、チャック体4、チャック
リング5、弾発体6などが設けられ、上記軸筒1及び口
金7には上記チャックリング5のフランジが当接する段
部8及び肩部10が形成されている。また、上記口金7
の挿通孔12に摺動可能に嵌挿したスライダー13内に
は、芯2を摩擦的に保持できるよう芯保持体9が設けら
れ、該スライダー13の外周に凹部22を形成し、この
凹部22に嵌入する突起23を口金7内に形成してあ
る。この場合、スライダー13の後退する距離は、凹部
の端縁24と突起とが当たる位置で規定されているの
で、上記芯が後退する隙間15とほぼ同じ程度になるよ
うに凹部22及び突起23の幅を定める。
【0025】実施例4における芯保持体9は、実施例1
と全く同様であり、有弾性材料であって、耐油性に優れ
たものを使用する。本実施例4において、芯保持体とし
て、内面形状が六角形形状のメチルフルオロアルキル系
シリコーンチューブ(フロロシリコーンチューブ:重量
変化率1%)をスライダー内に配置した。実施例4によ
り得たシャープペンシルに芯を通し、デジタルフォース
ゲージで芯保持力を測定し、芯を200本通過させた
後、再度デジタルフォースゲージで芯保持力を測定した
ところ芯保持力の上昇は確認されなかった。
【0026】実施例5 実施例5は、実施例4と芯保持体以外は、全く同様であ
る。芯保持体は、有弾性材料であって、耐油性に優れた
ものを使用する。本実施例5において、芯保持体とし
て、フロロ−ジメチル共重合シリコーンゴム(GE東芝
シリコーン(株)製、XE24−A1680:重量変化
率2%)を用いて、内面形状が6点リブ形状のフロロ−
ジメチル共重合シリコーン製芯保持体とスライダーを、
いわゆる2色成形と称される成形方法で形成した。実施
例5により得たシャープペンシルに芯を通し、デジタル
フォースゲージ((株)イマダ製:MODEL DPX
−1)で芯保持力を測定し、芯を200本通過させた
後、再度デジタルフォースゲージで芯保持力を測定した
ところ芯保持力の上昇は確認されなかった。
【0027】実施例6 実施例6は、実施例4と芯保持体以外は、全く同様であ
る。芯保持体は、有弾性材料であって、耐油性に優れた
ものを使用する。本実施例6において、芯保持体とし
て、メチルフルオロアルキル系シリコーンゴム(フロロ
シリコーン)とジメチル系シリコーンゴムを1:1の割
合で混合したシリコーンゴム(重量変化率8%)を用い
て、内面形状が5点スリット形状のフロロ−ジメチル混
合シリコーン製芯保持体とスライダーを、いわゆるイン
サート成形と称される成形方法で形成した。実施例6に
より得たシャープペンシルに芯を通し、デジタルフォー
スゲージ((株)イマダ製:MODEL DPX−1)
で芯保持力を測定し、芯を200本通過させた後、再度
デジタルフォースゲージで芯保持力を測定したところ芯
保持力の上昇は確認されなかった。
【0028】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るシャープペンシルは、残芯が短くなるまで使用でき、
且つ、芯保持力が上昇しない優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のシャープペンの部分断面模式図であ
る。
【図2】 実施例1のシャープペンシルの部分断面模式
図である。
【図3】 実施例1のシャープペンシルの部分断面模式
図である。
【図4】 芯保持体の内面形状の一例
【図5】 芯保持体の内面形状の一例
【図6】 芯保持体の内面形状の一例
【図7】 芯保持体の内面形状の一例
【図8】 実施例2のシャープペンシルの部分断面模式
図である。
【図9】 実施例4のシャープペンシルの部分断面模式
図である。
【符号の説明】
1 軸筒 2 芯 3 芯タンク 4 チャック体 5 チャックリング 6 弾発体 7 口金 13 スライダー 14 スライダー抵抗体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯を把持し前進位置まで繰り出すように
    した芯繰出機構を軸筒内に有し、その芯繰出機構の前方
    部に、芯を摩擦的に保持する芯保持体を有するスライダ
    ーを前後動可能に配置したシャープペンシルにおいて、
    上記芯保持体が耐油性に優れた有弾性樹脂であることを
    特徴とするシャープペンシル。
  2. 【請求項2】 スライダーが、少なくとも芯繰出機構の
    1部材の後退動作と連動して後退することを特徴とする
    請求項1記載のシャープペンシル。
  3. 【請求項3】 芯保持体による摩擦抵抗より大きな摩擦
    抵抗をスライダーに与えるようにスライダーに接触する
    スライダー抵抗体を設け、芯繰出機構によって前進位置
    に繰り出された芯が把持位置に戻る際に、芯が後退する
    戻り量に相当する区間で、上記スライダー抵抗体の摩擦
    抵抗が上記芯保持体の摩擦抵抗より小さくなるよう上記
    スライダー抵抗体をスライダーに接触させ若しくは非接
    触とさせることを特徴とする請求項1記載のシャープペ
    ンシル。
  4. 【請求項4】 スライダーは、口金に嵌挿され、前記ス
    ライダーの外面または口金のいずれか一方に凹部を設
    け、他方にこの凹部に嵌入する突起を形成し、上記芯繰
    出機構によって前進位置に繰り出された芯が把持位置に
    戻る際に芯が後退する戻り量に相当する区間でスライダ
    ーが後退できるよう上記凹部と突起でスライダーの移動
    を規制したことを特徴とする請求項1記載のシャープペ
    ンシル。
  5. 【請求項5】 耐油性に優れた有弾性樹脂は、流動パラ
    フィンに浸漬した時の重量変化率が10%以下の樹脂で
    ある請求項1乃至4の何れかに記載のシャープペンシ
    ル。
  6. 【請求項6】 耐油性に優れた有弾性樹脂が、シリコー
    ンゴムである請求項1乃至5の何れかに記載のシャープ
    ペンシル。
  7. 【請求項7】 シリコーンゴムが、フロロ−ジメチル共
    重合シリコーンゴムである請求項6記載のシャープペン
    シル。
  8. 【請求項8】 芯保持体の横断面内孔形状が異形である
    請求項1乃至7の何れかに記載のシャープペンシル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014172377A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Nakayama Kinzoku Kogyo Kk シャープペンシル用鉛芯挿通保持構造
WO2023002878A1 (ja) * 2021-07-20 2023-01-26 三菱鉛筆株式会社 シャープペンシル

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