JP2003039862A - 偽造防止カード - Google Patents

偽造防止カード

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JP2003039862A
JP2003039862A JP2001229103A JP2001229103A JP2003039862A JP 2003039862 A JP2003039862 A JP 2003039862A JP 2001229103 A JP2001229103 A JP 2001229103A JP 2001229103 A JP2001229103 A JP 2001229103A JP 2003039862 A JP2003039862 A JP 2003039862A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複写機やスキャナによる偽造を効果的に防止
することができるとともに安価に製造することができる
ように成したカードを提供する。 【解決手段】 透明または半透明のコア層1と、その表
面側に設けられた第1の印刷層5と、コア層の裏面側に
設けられ、第1及び第2のパターンP1、P2から成る第
2の印刷層6とを備え、第1の印刷層及び各パターンは
万線により形成されており、コア層の表面側からの視認
方向を変化させると第1の印刷層の万線と各パターンの
万線の重なり具合が変化して隠蔽及び視認されるパター
ンが変化するように成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレジットカー
ド、キャッシュカード、会員カード等として用いられ、
複写機やスキャナによる偽造を効果的に防止することが
できるとともに安価に製造することができるように成し
た偽造防止カードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機やスキャナによる偽造を効果的に
防止できるカードとしては、ホログラムによるパターン
が表面に形成されたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のカードは材料費が高いとともに複雑な加工技術を必要
とするため、製造コストが高価であるという問題点があ
った。
【0004】本発明は上述した問題点に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、複写機やスキャナによる偽
造を効果的に防止することができるとともに安価に製造
することができるように成したカードを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、請求項1の発明は、透明または半透明のコア層
と、その表面側に設けられた第1の印刷層と、前記コア
層の裏面側に設けられ、複数個のパターンから成る第2
の印刷層とを備え、前記第1の印刷層及び各パターンは
それぞれ多数の同じ幅の線を幅方向に一定間隔で配置し
た万線または多数の同じ径の点を格子点状に配置した網
点から成り、前記各パターンの万線の線または網点の点
は、その幅または径が前記第1の印刷層の万線の線の幅
または網点の点の径よりも小さいとともに前記コア層の
表面側から所定方向に視認したときに前記第1の印刷層
の万線の線または網点の点と重なり合って隠蔽されるよ
うに配置されており、前記コア層の表面側からの視認方
向を変化させると前記第1の印刷層の万線または網点と
前記各パターンの万線または網点との重なり具合が変化
して隠蔽及び視認されるパターンが変化するように成し
たことを特徴とする偽造防止カードである。
【0006】また、請求項2の発明は、請求項1の偽造
防止カードにおいて、前記各パターンの万線の線または
網点の点が他のパターンの万線の線または網点と一定間
隔をおいて交互に配置されていることを特徴としてい
る。
【0007】また、請求項3の発明は、請求項1または
2の偽造防止カードにおいて、前記第2の印刷層が第1
のパターン及び第2のパターンから成り、前記第1の印
刷層、第1及び第2のパターンは万線により形成されて
おり、前記第1のパターンが視認されるときには前記第
2のパターンが隠蔽され、前記第2のパターンが視認さ
れるときには前記第1のパターンが隠蔽されることを特
徴としている。
【0008】また、請求項4の発明は、請求項3の偽造
防止カードにおいて、前記第1の印刷層の万線を形成す
る多数の直線の幅をW1、直線間の間隔をD1とし、前記
第1及び第2のパターンの万線を形成する多数の直線の
幅をW2、直線間の間隔をD2としたとき、W1=2W2
1=2D2であることを特徴としている。
【0009】また、請求項5の発明は、請求項1〜4の
偽造防止カードにおいて、前記第1の印刷層と前記第2
の印刷層の厚み方向の間隔が0.20〜0.84mmで
あることを特徴としている。
【0010】また、請求項6の発明は、請求項1〜5の
偽造防止カードにおいて、前記コア層の裏面側に隠蔽層
が設けられ、この隠蔽層の裏面側に前記第2の印刷層が
裏面印刷層と同一面内に位置するように設けられたこと
を特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施
形態である偽造防止カードを表面側から見た図、図2は
図1の偽造防止カードの概略構造を示す断面模式図、図
3は図1の偽造防止カードの要部縦断面図、図4〜図6
は図1の偽造防止カードの作用の説明図である。
【0012】この偽造防止カードは磁気カードであっ
て、図1に示すように、表面に磁気ストライプSが設け
られている。図2に示すように、このカードは、透明ま
たは半透明の二枚の樹脂シート1a、1bから成るコア
層1と、その表面側に積層され、透明または半透明の樹
脂から成る第1のオーバーシート層2と、コア層1の裏
面側に積層され、透明または半透明の樹脂から成る第2
のオーバーシート層3と、その裏面側に積層された隠蔽
層4とを備えている。なお、図面では隠蔽層4は着色さ
れていないが、実際は銀色等に着色されている。
【0013】コア層1、第1及び第2のオーバーシート
層2、3を形成する樹脂の材質は特に限定されるものは
ないが、例えばポリ塩化ビニル樹脂やポリエステル樹脂
等を用いることができる。また、これらの層の厚みは特
に限定されるものではないが、本実施形態では、コア層
1が0.56mm、第1及び第2のオーバーシート層
2、3が0.10mmとなっている。
【0014】コア層1と第1のオーバーシート層2の間
には第1の印刷層5が設けられ、コア層1と第2のオー
バーシート層3の間には第2の印刷層6が設けられてい
る。第1及び第2の印刷層5、6は偽造防止のためのパ
ターンを形成するもので、厚さ方向に重なり合うように
配置されている。なお、第2の印刷層6は、アルファベ
ットのAの形状をした第1のパターンP1(図1(b)
参照)と、アルファベットのDの形状をした第2のパタ
ーンP2(図1(a)参照)とから成っている。
【0015】第1の印刷層5、第1及び第2のパターン
1、P2は横方向に延びる万線により形成されている。
すなわち、図3に示すように、第1の印刷層5は、横方
向(図3の紙面に直交する方向)に延びる幅W1の多数
の直線5aから成り、これらは幅方向に間隔D1をおい
て配置されている。一方、第1のパターンP1は、横方
向に延びる幅W2の多数の直線6aから成り、第2のパ
ターンP2は、横方向に延びる幅W2の多数の直線6bか
ら成り、これらは幅方向に間隔D2をおいて交互に配置
されている。なお、W1=2W2、D1=2D2となってお
り、直線5a、6a、6bは、5aと6aがカードの厚
さ方向に重なり合い、5aと6bが重なり合わないよう
に配置されている。なお、第1、第2の印刷層5、6は
透過性の無い黒又は顔料系のインキで形成するのが良
い。
【0016】隠蔽層4は、カードリーダ・ライタの光セ
ンサがカードを検知するために設けられたもので、印刷
等により形成される。本実施形態では隠蔽層4がカード
の全面に亘って設けられているが、少なくとも光センサ
で検知される部分に設けられていればよい。また、隠蔽
層4の裏面側には裏面印刷層7が設けられており、この
裏面印刷層7は、カードの発行会社名、注意書き等の情
報を含んでいる。
【0017】なお、第2の印刷層6を裏面印刷層7と同
一面内に位置するように隠蔽層4の裏面側に設けるとと
もに、第2の印刷層6をカードの表面側から視認できる
ように隠蔽層4に透明または半透明の抜き部を設けるよ
うにしてもよい。このようにすると、裏面印刷7と第2
の印刷層6を同一工程で形成できるため、工程数が低減
し、製造コストが低減する。カードには、その厚さ方向
に、その表面からのエンボス加工により、氏名、カード
番号等の個人情報が形成される。
【0018】次に、上記のように構成された偽造防止カ
ードの作用を説明する。このカードを表面側からカード
表面に対して垂直な方向(図3の矢印A方向)に観察す
ると、第1のパターンP1を形成する直線6aが第1の
印刷層5を形成する直線5aと完全に重なり合うため、
第1のパターンP1は視認されない。一方、第2のパタ
ーンP2を形成する直線6bは直線5aと重なり合わな
いため、第2のパターンP2は視認される(図1(a)
参照)。この状態は、A方向から図3の左方向に10゜
ずらしたB方向(図4参照)とA方向との間の範囲(す
なわち、80゜〜90゜の角度範囲)で維持される。
【0019】また、B方向から左方向に10゜ずらした
C方向(図5参照)とB方向との間の範囲(70゜〜8
0゜の角度範囲)で視認した場合には、直線6a、6b
がそれぞれ一部ずつ直線5aと重なり合うため、第1の
パターンP1と第2のパターンP2がそれぞれ一部ずつ視
認される。そして、C方向から左方向に10゜ずらした
D方向(図6参照)とC方向との間の範囲(60゜〜7
0゜の角度範囲)で視認した場合には、直線6bが直線
5aとほぼ完全に重なり合い、直線6aは直線5aとほ
とんど重なり合わないため、第1のパターンP1は視認
されるが第2のパターンP2は視認されない(図1
(b)参照)。
【0020】このカードを複写機やスキャナを用いて偽
造した場合、直線5aとカードの厚さ方向に重なり合う
直線6aを写し取ることができないため、偽造されたカ
ードでは、上記のように視線方向を変化させても第1の
パターンP1が出現せず、また、第2のパターンP2が消
えないため、本物ではないことを容易に識別することが
できる。
【0021】第1及び第2の印刷層5、6はオフセット
印刷やシルク印刷等により形成することができ、このカ
ードはホログラムによるパターンを有するカードよりも
安価に製造することができる。
【0022】なお、第1の印刷層5を形成する直線5a
の幅は0.15〜0.25mm程度が好ましい。これ
は、0.15mmより小さいと、インキの盛り量の正確
な制御が困難になるとともに、一つのパターンが見える
角度範囲が狭くなるからであり、0.25mmより大き
いと、外観が悪くなるとともに、パターンが見えにくく
なるためパターンを認識しやすい単純な形状のものとし
なければならないからである。
【0023】なお、上記実施形態では、第1、第2の印
刷層を多数の同じ幅の線を幅方向に一定間隔で配置した
万線により形成した場合について説明したが、第1、第
2の印刷層を網点により形成するようにしてもよい。網
点とは、図7に示すように、多数の同じ径の点Pを格子
点状に配置したものである。ここで「格子点状に配置」
とは、横方向に一定間隔をおいて平行に延びる多数の縦
線L1(仮想線)と縦方向に一定間隔をおいて平行に延
びる多数の横線L2(仮想線)との交点上に配置するこ
とをいう。なお、各パターンの網点の点の径は第1の印
刷層の網点の点の径よりも小さくする。
【0024】また、本実施形態ではパターンの個数が2
個の場合について説明したが、3個以上でも良い。その
他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態
に種々の変形を施すことができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明の偽造防止カ
ードは、複写機やスキャナによる偽造を効果的に防止す
ることができるとともに安価に製造することができる。
【0026】また、請求項6の偽造防止カードによれ
ば、隠蔽層の裏面側に第2の印刷層を裏面印刷層と同一
面内に位置するように設けるようにしたことにより、第
2の印刷層と裏面印刷層を一工程で形成することができ
るため、製造コストが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である偽造防止カードを
表面側から見た図。
【図2】 図1の偽造防止カードの概略構造を示す断面
模式図。
【図3】 図1の偽造防止カードの要部縦断面図。
【図4】 図1の偽造防止カードの作用の説明図。
【図5】 図1の偽造防止カードの作用の説明図。
【図6】 図1の偽造防止カードの作用の説明図。
【図7】 本発明の他の実施形態の説明図。
【符号の説明】
1 コア層 4 隠蔽層 5 第1の印刷層 6 第2の印刷層 P1 第1のパターン P2 第2のパターン 7 裏面印刷層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA04 HB09 HB20 JA08 JB25 KA10 KA40 2H113 AA06 BA05 BA09 BB07 BB22 BB32 CA39 CA44 DA49 DA57 EA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明または半透明のコア層と、その表面
    側に設けられた第1の印刷層と、前記コア層の裏面側に
    設けられ、複数個のパターンから成る第2の印刷層とを
    備え、前記第1の印刷層及び各パターンはそれぞれ多数
    の同じ幅の線を幅方向に一定間隔で配置した万線または
    多数の同じ径の点を格子点状に配置した網点から成り、
    前記各パターンの万線の線または網点の点は、その幅ま
    たは径が前記第1の印刷層の万線の線の幅または網点の
    点の径よりも小さいとともに前記コア層の表面側から所
    定方向に視認したときに前記第1の印刷層の万線の線ま
    たは網点の点と重なり合って隠蔽されるように配置され
    ており、前記コア層の表面側からの視認方向を変化させ
    ると前記第1の印刷層の万線または網点と前記各パター
    ンの万線または網点との重なり具合が変化して隠蔽及び
    視認されるパターンが変化するように成したことを特徴
    とする偽造防止カード。
  2. 【請求項2】 前記各パターンの万線の線または網点の
    点が他のパターンの万線の線または網点と一定間隔をお
    いて交互に配置されていることを特徴とする請求項1に
    記載の偽造防止カード。
  3. 【請求項3】 前記第2の印刷層が第1のパターン及び
    第2のパターンから成り、前記第1の印刷層、第1及び
    第2のパターンは万線により形成されており、前記第1
    のパターンが視認されるときには前記第2のパターンが
    隠蔽され、前記第2のパターンが視認されるときには前
    記第1のパターンが隠蔽されることを特徴とする請求項
    1または2に記載の偽造防止カード。
  4. 【請求項4】 前記第1の印刷層の万線を形成する多数
    の直線の幅をW1、直線間の間隔をD1とし、前記第1及
    び第2のパターンの万線を形成する多数の直線の幅をW
    2、直線間の間隔をD2としたとき、W1=2W2、D1
    2D2であることを特徴とする請求項3に記載の偽造防
    止カード。
  5. 【請求項5】 前記第1の印刷層と前記第2の印刷層の
    厚み方向の間隔が0.20〜0.84mmであることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の偽造防
    止カード。
  6. 【請求項6】 前記コア層の裏面側に隠蔽層が設けら
    れ、この隠蔽層の裏面側に前記第2の印刷層が裏面印刷
    層と同一面内に位置するように設けられたことを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか一項に記載の偽造防止カー
    ド。
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