JP2003039815A - インクジェット印刷シート用基材 - Google Patents

インクジェット印刷シート用基材

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JP2003039815A
JP2003039815A JP2001233269A JP2001233269A JP2003039815A JP 2003039815 A JP2003039815 A JP 2003039815A JP 2001233269 A JP2001233269 A JP 2001233269A JP 2001233269 A JP2001233269 A JP 2001233269A JP 2003039815 A JP2003039815 A JP 2003039815A
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Setsu Okino
攝 興野
Takeshi Yamada
武 山田
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Sumika Plastech Co Ltd
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Sumika Plastech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット印刷シート用基材として好適
なポリオレフィン樹脂製遮光性基材を提供する。 【解決手段】 本発明のインクジェット印刷シート用基
材は、ポリオレフィン樹脂を主成分とする一層以上から
なり、全光線透過率が35%以下であり、かつ、MD方
向およびTD方向のエルメンドルフ引裂強度が共に50
N/mm以上である。この基材は遮光性に優れているう
えに引き裂かれ難く、この基材を含んでなる印刷シート
を壁面から剥離除去する際に、シートを破断させること
なく円滑に剥離除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン樹
脂からなるインクジェット印刷シート用基材、およびそ
れを用いたインクジェット印刷シートに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット印刷用の遮光性インク受
容シート(本発明では、これを「インクジェット印刷シ
ート」と称する)としては、従来、ポリオレフィン樹脂
またはポリエステル樹脂と無機充填剤とからなる樹脂組
成物を押出によりシート状に加工し、さらにそのシート
を延伸して製造した、いわゆる「合成紙」を基材とし、
その表面にインク受容層を設けたシートが用いられてい
る。しかしながら、このような従来のシートは引裂強度
が低くて裂け易く、特に、シートの端にノッチ(切り込
み)があると、そこから簡単に裂けてしまうという問題
がある。また、上記従来のシートは、例えば、インクジ
ェット印刷を施して掲示物として壁面などに貼られる
が、これを剥離除去する際にはシートの破断が起こり易
く、シート全体を円滑に剥離することが難しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のインクジェ
ット印刷シートの問題点に鑑みて、本発明の目的は、イ
ンクジェット印刷シート用基材として好適なポリオレフ
ィン樹脂製遮光性基材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のインクジェット印刷シート用基材は、ポリ
オレフィン樹脂を主成分とする樹脂組成物からなり、全
光線透過率が35%以下であり、かつ、MD方向および
TD方向のエルメンドルフ引裂強度が共に50N/mm
以上であることを主要構成とする。上記構成の基材は遮
光性に優れているうえに引き裂かれ難い。従って、例え
ば、この基材を含んでなる印刷シートをそれが貼着され
た壁面から剥離除去する際に、シートを破断させること
なく円滑に剥離除去することができる。
【0005】上記主要構成において、基材の面積1m2
当たり屈折率1.8以上の無機充填剤を4g以上50g
以下含有し、該無機充填剤を含有する層における該無機
充填剤の濃度が10重量%以下であることが好ましい。
また、無機充填剤はルチル型酸化チタンであることが好
ましい。ポリオレフィン樹脂の屈折率は約1.5である
から、優れた遮光性を効率よく達成するためには、屈折
率1.8以上の無機充填剤、中でもルチル型酸化チタン
の配合が効果的である。このような無機充填剤を基材の
面積1m2当たり4g以上50g以下、好ましくは4g
以上30g以下、より好ましくは4g以上20g以下、
該無機充填剤を含有層における該無機充填剤の濃度が1
0重量%以下という量でポリオレフィン樹脂に配合する
ことにより、十分な遮光性と共に良好な引裂強度を達成
することができる。
【0006】上記主要構成における引裂強度の要件は、
基材が無延伸であること、すなわち、基材が延伸されて
いないことにより達成することができる。特に、上述の
好ましい構成、すなわち、基材の面積1m2当たり屈折
率1.8以上の無機充填剤(特に好ましくは、屈折率
2.71であるルチル型酸化チタン)を4g以上50g
以下含有し、該無機充填剤を含有する層における該無機
充填剤の濃度が5重量%以下である構成において、基材
が無延伸である場合に、特に優れた遮光性と引裂強度と
の両立が達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
【0008】本発明のインクジェット印刷シート用基材
は、ポリオレフィン樹脂を主成分とする一層以上からな
る。本発明において、層の主成分とは、その層の重量の
50%を超える成分であり、好ましくは60%以上、よ
り好ましくは70%以上を占める成分である。前記ポリ
オレフィン樹脂とは、具体的には、高密度ポリエチレン
(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖
状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度
ポリエチレン(VLDPE)、ポリプロピレン(P
P)、エチレン−プロピレン共重合体などの無極性のも
の、アイオノマー樹脂、酢酸ビニル由来の繰り返し単位
含有量が30重量%未満のエチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレ
ン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、アクリル酸メ
チル由来の繰り返し単位含有量が30重量%未満のエチ
レン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、メタクリ
ル酸メチル由来の繰り返し単位含有量が30重量%未満
のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMM
A)、変性ポリオレフィン(例えば、オレフィンの単独
または共重合体などとマレイン酸やフマル酸などの不飽
和カルボン酸、酸無水物、エステルもしくは金属塩など
との反応物など)などの極性を有するものである。上記
ポリオレフィン系樹脂は、単独あるいは2種以上混合し
て用いることができる。基材の柔軟性の観点から、ポリ
オレフィン樹脂としては、エチレン−α−オレフィン共
重合体が好ましい。α−オレフィンとしては、プロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素
数3〜10のα−オレフィンが挙げられる。共重合体中
のα−オレフィン単位の含有量は1〜15重量%程度が
好ましい。
【0009】基材の柔軟性と引裂強度の観点からは、酢
酸ビニル由来の繰り返し単位含有量が30重量%未満の
EVA、メタクリル酸メチル由来の繰り返し単位含有量
が30重量%未満のEMMA、LLDPE、VLDPE
などが好ましく、引裂強度に特に優れる点でLLDPE
が特に好ましく、とりわけ、メタロセン触媒の存在下に
て重合されたLLDPEが好ましい。
【0010】本発明のインクジェット印刷シート用基材
の全光線透過率は35%以下であり、好ましくは25%
以下である。本発明における「全光線透過率」とは、J
ISK 7105に規定された方法により測定される値
である。全光線透過率が35%を超えると基材の遮光性
が低下し、本発明の基材を有するインクジェット印刷シ
ートにおいては、その裏側にある物品の図柄模様等が透
けて見えてしまうことがある。
【0011】35%以下の全光線透過率は、本発明のイ
ンクジェット印刷シートを構成する樹脂組成物が遮光性
物質を含有していることにより達成することができ、遮
光性物質としては、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシ
ウム、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、雲母など
が挙げられる。基材の遮光性と引裂強度(後に詳述す
る)とを考慮すると、遮光性物質としては屈折率1.8
以上の無機充填剤が好ましい。これは、ポリオレフィン
樹脂はその種類によらず概ね1.5程度の屈折率を有す
るため、屈折率が1.8以上の無機充填剤を使用する
と、低含有率において優れた遮光性と優れた引裂強度と
が両立されるからである。より具体的には、本発明の基
材は、基材全体に対する含有率にして5重量%以下、か
つ、面積1m 2の基材中の含有量にして4g以上の量で
屈折率1.8以上の無機充填剤を含有していることが好
ましい。遮光性と基材の柔軟性とのバランスを考慮する
と、無機充填剤の面積1m2の基材中の含有量は、50
g以下が好ましく、30g以下がより好ましく、20g
以下が特に好ましい。無機充填剤としては、安定性と遮
光性能に優れるルチル型酸化チタン(屈折率2.71)
が特に好ましい。尚、本発明のインクジェット印刷シー
ト用基材において、遮光性物質は、典型的には基材を構
成する樹脂組成物中に混合されているが、遮光性物質非
含有の樹脂組成物から予め製造した基材の表面に塗布さ
れてもよい。
【0012】樹脂組成物に遮光性物質を含有させて基材
を構成する方法としては、ポリオレフィン樹脂と遮光性
物質と適宜の比率で混合して混練し、次いでシート状に
加工する方法が挙げられる。混練には、一軸押出機、二
軸押出機、バンバリーミキサーなど、樹脂材料の混練に
通常使用される混練装置を適宜使用することができる。
また、樹脂組成物のシートへの加工には、Tダイキャス
ト法、インフレーション法、ロール成形法など、樹脂製
シートの製造に通常される成形方法を適用することがで
きる。
【0013】また、本発明のインクジェット印刷シート
用基材は、上記のとおり全光線透過率は35%以下であ
ると同時に、MD方向およびTD方向の両方について、
50N/mm以上のエルメンドルフ引裂強度を有する。
このように、35%以下の全光線透過率と50N/mm
以上のエルメンドルフ引裂強度とを併せ持つことが本発
明のインクジェット印刷シート用基材の特徴であり、遮
光性には優れるが引裂強度に劣る従来のシートと相違す
るところである。
【0014】本発明のインクジェット印刷シート用基材
は、例えば、それが無延伸であることによって、前述の
引裂強度に関する要件を満たすことができる。すなわ
ち、樹脂組成物を可塑化状態でフィルムまたはシート状
に成形してこれを冷却固定し、その後に延伸を施してい
ない基材は、通常、前述の引裂強度の要件を満足するも
のとなる。これに対して、一旦冷却固定された基材を再
加熱して一軸または二軸延伸すると延伸方向の引裂強度
が低下し、もはや、前述の引裂強度の要件を満たさない
ものとなる。
【0015】本発明の印刷シート用基材は、エルメンド
ルフ引裂強度がMD方向およびTD方向共に50N/m
m以上であることを特徴とするものである。本発明の印
刷シート用基材にインク受容層などを設けて印刷シート
として用いる際に、JISK 7128にあるようなエ
ルメンドルフ引裂強度が高いものが好ましい。引裂強度
の上限としては、あまりに切れにくくなるとコンバーテ
ィング時のカットにおいて問題となるおそれがあるた
め、TD方向については、400N/mm以下であるこ
とが好ましい。MD方向においては300N/mm以下
であることが好ましい。
【0016】本発明のインクジェット印刷シート用基材
は、単層構成であっても多層構成であってもよいが、優
れた柔軟性と優れた耐熱性との両立させやすいことから
多層構成が好ましい。多層構成の場合には、基材の一方
の表面を構成する第一表層、他方の表面を構成する第二
表層、および前記第一表層と第二表層に挟まれた中間層
とからなる3層構成として、中間層を柔らかいポリオレ
フィン樹脂、両表層を耐熱性と耐ブロッキング性に優れ
た比較的硬いポリオレフィン樹脂で形成するのが好まし
い。
【0017】具体的には、 (1)中間層:低密度ポリエチレン(LDPE)、両表
層:高密度ポリエチレン(HDPE) (2)中間層:超低密度ポリエチレン(VLDPE)、両
表層:密度0.915g/m3以上の直鎖状低密度ポリ
エチレン(LLDPE) (3)中間層:密度0.915g/m3以下の直鎖状低密度
ポリエチレン(LLDPE)、両表層:ポリプロピレン
(PP) (4)中間層:密度0.915g/m3以下の直鎖状低密度
ポリエチレン(LLDPE)、両表層:無機粒子のフィ
ラー含有のポリプロピレン(PP) (5)中間層:密度0.915g/m3以下の直鎖状低密度
ポリエチレン(LLDPE)、両表層:密度0.915
g/m3以上の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)(但し、中間層のLLDPEと両表面層のLLDP
Eとは異なる。) などの構成が挙げられる。
【0018】特に、(5)中間層:密度が0.915g/
cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、両表層:密度が0.915g/cm3以上の直鎖
状低密度ポリエチレン(LLDPE)(但し、中間層の
LLDPEと両表面層のLLDPEとは異なる。)とい
う構成が、層間での剥離が起こり難いため好ましい。
【0019】特に好ましいのは、密度が0.915g/
cm3以上のエチレン/α−オレフィン共重合体を主成
分とする両表層、および密度が0.915g/cm3
下のエチレン/α−オレフィン共重合体を主成分とする
中間層からなる3層構成である。
【0020】本発明の印刷シート基材の色目については
特に限定されないが、一般的には白色であることが好ま
しい。また、JIS Z 8730における表面の明度
指数L、知覚色度指数a及びbが、L≧80、−5<a
<5、−5<b<5であることが、白色からの偏りが少
なく特に好ましい。特に、L≧85、−2<a<2、−
2<b<2であることが好ましい。色目をこのような範
囲に収めるためには、酸化チタンなどの白度の高い遮光
性物質を用いることが有効である。
【0021】本発明の印刷シート用基材は、その表面に
インク受容層を設けることにより、インクジェット印刷
シートとすることができる。形成するインク受容層の材
料や構造などは、印刷に使用するインクの種類(染料イ
ンク、顔料インクなど)に応じて適宜選択することがで
きる。
【0022】本発明の印刷シート用基材の表面にインク
受容層が設けられた印刷シートにおいて、インク受容層
の形成方法は限定されないが、好ましくは、ポリビニル
アルコールやゼラチンなどの水溶性樹脂または水系エマ
ルジョンなどのバインダーに、シリカ、アルミナ、炭酸
カルシウムなどの無機微粒子を配合してなる塗工液を本
発明の基材の表面に塗布し、乾燥して形成する方法が用
いられる。また、予め作製したインク受容フィルムをド
ライラミネートなどの方法で本発明の印刷シート用基材
に接着する方法で基材上にインク受容層を形成すること
もできる。この方法で使用するインク受容フィルムは、
単層フィルムであってもよく、また、インク受理層とそ
の支持層とからなる積層フィルムであってもよい。
【0023】本発明の印刷シート用基材の片面には、粘
着剤の層を設けることにより粘着性を付与することがで
きる。粘着剤の層が設けられる場合には、通常、更にそ
の上に剥離紙が積層される。印刷シート用基材に積層す
る粘着剤および剥離紙については特に限定されない。粘
着剤は一般に知られている粘着剤を用いることができ、
例えば、アクリル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、
ゴム系粘着剤などが挙げられる。また、剥離紙として
は、一般には紙上に離形剤を塗布したものが用いられる
が、紙の代わりにPETなどの樹脂フィルムを用いたも
のでもよい。
【0024】粘着剤からなる層を設ける方法は特に限定
されず、本技術分野で通常使用される方法を適用するこ
とができ、例えばダイレクトグラビア、リバースグラビ
ア、マイクログラビア、2本ロールビートコート、ボト
ムフィード3本リバースコートなどのロールコーティン
グ法、ドクターナイフ法、ダイコート法、ディップコー
ト法、バーコーティング法、及びこれらの組み合わせな
どの方法を適用することができる。剥離紙は、粘着剤層
の形成に連続して貼り合わせる方法で積層することが好
ましい。また、粘着剤を塗工した剥離紙を該粘着剤の層
が本発明の基材と重なるように該基材に重ねて圧するこ
とにより、粘着剤の層と剥離紙を基材に積層することも
できる。
【0025】本発明の基材の表面に粘着剤を塗布する場
合、基材の表面の濡れ指数が35dyne/cm以上となるよ
うに表面処理をすることにより、粘着剤の優れた定着性
を達成することができる。表面処理の方法としてはコロ
ナ放電処理を好ましく適用することができるが、これに
限定されるものではない。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、ポリオレフィン樹脂か
らなり、耐引裂き性に優れたインクジェット印刷シート
用遮光性基材を提供することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0028】[全光線透過率]全光線透過率の測定は、
JIS K 7105に基づき、ヘイズ測定機(スガ試
験機株式会社製、ヘイズコンピュータHGM−2DP)
を用いて行った。
【0029】[エルメンドルフ引裂強度]エルメンドル
フ引裂強度の測定は、JIS K 7128に基づき、
エルメンドルフ測定機(東洋精機株式会社製)を用い
て、試料のMD方向及びTD方向の両方について行っ
た。
【0030】[剥離試験]片面にインク受容層が設けて
あり、また、反対側の面に粘着/剥離紙加工を施したイ
ンクジェット印刷シートを切り出して、10cm×10
cmの正方形の試験片を作成する。この試験片の一辺の
中央に5mmのノッチ(切れ込み)を入れる。この試験
片をSUS板上に粘着面を下にして貼り、その一方の角
から斜め45度の方向に向けて試験片を剥がす。剥がす
際にシートが切れないかどうかの指標とする。
【0031】[実施例1]3種3層共押出Tダイキャス
ト装置を用いて、第一表層(30μm)/中間層(14
0μm)/第二表層(30μm)とういう層構成(総厚
み200μm)の3種3層のインクジェット印刷シート
用無延伸基材を製造した。
【0032】第一表層および第二表層は、スミカセンE
―FV405(メタロセン触媒存在下に重合したエチレ
ン/ヘキセン−1共重合体、密度0.923g/c
3、MFR4g/10分、住友化学工業株式会社製)
で形成した。
【0033】中間層は、スミカセンE−FV401(エ
チレン/ヘキセン−1共重合体、密度0.902g/c
3、MFR4g/10分、住友化学工業株式会社製)
70重量部、スミカセンF200(エチレン単独重合
体、密度0.923g/cm3、MFR2g/10分、
住友化学工業株式会社製)20重量部、市販の酸化チタ
ンマスターバッチ(平均粒径0.2μmのルチル型酸化
チタン(屈折率2.71)を60重量%含有、マトリッ
クス:低密度ポリエチレン)10重量部を混練してなる
樹脂組成物で形成した。中間層の酸化チタンの濃度は6
重量%であり、上記基材の面積1当たりの酸化チタンの
含有量は、8.3g/m2であった。
【0034】得られたインクジェット印刷シート用基材
のMD方向とTD方向のエルメンドルフ引裂強度は共に
164N/mm以上であった。また、全光線透過率は2
2.2%であった。得られた基材のJIS Z 873
0に規定された明度指数Lは89.4であり、知覚色度
指数a及びbはそれぞれ、−1.31及び0.29であ
った。
【0035】得られた基材の両面にコロナ処理を施し、
第一表層の上に、コロイダルシリカ10重量%含有ポリ
ビニルアルコール系インク受容層形成用コート剤を乾燥
膜厚が約10μmとなるように塗布し、60℃のオーブ
ンにて乾燥してインク受容層を形成した。第二表層の表
面には、コロナ処理後、アクリル系粘着剤を塗工し、剥
離紙を貼合した。こうしてインクジェット印刷用シート
を得た。得られたシートを用いて剥離試験を行ったとこ
ろ、5回中5回とも、シートが破断することなく全体を
剥がすことができた。
【0036】[実施例2]実施例1と同様に、第一表層
(15μm)/中間層(70μm)/第二表層(15μ
m)とういう層構成(総厚み100μm)の3種3層の
インクジェット印刷シート用基材を製造した。この基材
の面積1当たりの酸化チタンの含有量は、4.2g/m
2であった。
【0037】得られたインクジェット印刷シート用基材
のエルメンドルフ引裂強度は、MD方向で118N/m
m、TD方向で166N/mmであった。また、全光線
透過率は34.8%であった。この基材のJIS Z
8730における明度指数Lは83.6であり、知覚色
度指数a及びbはそれぞれ、−1.56及び−1.26
であった。
【0038】得られた基材を用いて、実施例1と同様に
してインクジェット印刷用シートを得た。得られたシー
トを用いて剥離試験を行ったところ、5回中5回とも、
シートが破断することなく全体を剥がすことができた。
【0039】[比較例1]ポリオレフィン樹脂を主成分
とする二軸延伸合成紙を用いたインクジェット印刷シー
ト(エルメンドルフ引裂強度 MD方向:5.1N/m
m、TD方向:3.7N/mm、厚さ117μm、全光
線透過率22.4%)を用いて剥離試験を行ったとこ
ろ、5回中5回とも、ノッチからシートが破断して全体
を円滑に剥がすことができなかった。
【0040】[比較例2]ポリエチレンテレフタレート
を主成分とする二軸延伸白色PETフィルムを用いたイ
ンクジェット印刷シート(エルメンドルフ引裂強度 M
D方向:9.3N/mm、TD方向:6.1N/mm、
厚さ135μm、全光線透過率11.1%)を用いて剥
離試験を行ったところ、5回中5回とも、ノッチからシ
ートが破断して全体を円滑に剥がすことができなかっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA19 BA24 BA33 BA36 BA41 4F100 AA21 AK03A AK62A AT00B BA02 BA07 EH20 GB90 JK01 JL14 JN02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン樹脂を主成分とする一層以
    上からなり、全光線透過率が35%以下であり、かつ、
    MD方向およびTD方向のエルメンドルフ引裂強度が共
    に50N/mm以上であることを特徴とするインクジェ
    ット印刷シート用基材。
  2. 【請求項2】基材の面積1m2当たり屈折率1.8以上
    の無機充填剤を4g以上50g以下含有し、該無機充填
    剤を含有する層における該無機充填剤の濃度が10重量
    %以下であることを特徴とする請求項1記載のインクジ
    ェット印刷シート用基材。
  3. 【請求項3】無機充填剤がルチル型酸化チタンであるこ
    とを特徴とする請求項2記載のインクジェット印刷シー
    ト用基材。
  4. 【請求項4】基材が延伸されていないことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット印
    刷シート用基材。
  5. 【請求項5】ポリオレフィン樹脂がエチレン−α−オレ
    フィン共重合体であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項に記載のインクジェット印刷シート用基
    材。
  6. 【請求項6】ポリオレフィン樹脂が酢酸ビニル由来の繰
    り返し単位含有量が30重量%未満のEVA、メタクリ
    ル酸メチル由来の繰り返し単位含有量が30重量%未満
    のEMMA、直鎖状低密度ポリエチレンまたは直鎖状超
    低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載のインクジェット印刷シート用
    基材。
  7. 【請求項7】JIS Z 8730に規定された明度指
    数L、知覚色度指数a及びbが、L≧80、−5<a<
    5、−5<b<5であることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか1項に記載のインクジェット印刷シート用基
    材。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項に記載のイン
    クジェット印刷シート用基材と、その少なくとも一方の
    表面に形成されたインク受容層とからなることを特徴と
    するインクジェット印刷シート。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれか1項に記載のイン
    クジェット印刷シート用基材、前記基材の一方の表面に
    形成されたインク受容層、前記基材の他方の表面に形成
    された粘着剤の層、および前記粘着剤の層の上に重ねら
    れた剥離紙からなることを特徴とするインクジェット印
    刷シート。
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