JP2003039215A - コレット及びこれを用いたガイドブッシュ、及び前記ガイドブッシュを備えた自動旋盤 - Google Patents

コレット及びこれを用いたガイドブッシュ、及び前記ガイドブッシュを備えた自動旋盤

Info

Publication number
JP2003039215A
JP2003039215A JP2001228446A JP2001228446A JP2003039215A JP 2003039215 A JP2003039215 A JP 2003039215A JP 2001228446 A JP2001228446 A JP 2001228446A JP 2001228446 A JP2001228446 A JP 2001228446A JP 2003039215 A JP2003039215 A JP 2003039215A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
collet
guide bush
tip
axial direction
axial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001228446A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Nakazawa
洋一 中沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2001228446A priority Critical patent/JP2003039215A/ja
Publication of JP2003039215A publication Critical patent/JP2003039215A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 棒状素材の振れを従来よりも抑制することが
できるコレット及びこれを用いたガイドブッシュを提供
する。 【解決手段】 コレット10には、その外周部に末細テ
ーパ面140が設けられ、軸線方向先端16から末端1
8に向けて伸びる第1すり割溝10aと、軸線方向末端
18から先端16に向けて伸びる第2すり割溝10bと
が形成されている。末細テーパ面140が押圧される
と、先端16側と末端18側が共に縮径し、貫通孔12
0内に挿通された図示しないワークが支持若しくは把持
されるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は棒状素材を支持若し
くは把持するためのコレット及びこれを用いたガイドブ
ッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、棒状素材を回転させながら切削
加工する自動旋盤において、バイトの近傍には、棒状素
材の振れ防止のため、棒状素材をその軸方向に摺動可能
に支持するガイドブッシュが備えられている。図6に示
すように、このガイドブッシュ80はバイト94と主軸
92の間に配置されており、主軸92から送られる棒状
素材90を挿通した状態で支持するように構成されてい
る。ガイドブッシュ80はコレット82とコレット収容
材86と締付ねじ84とから構成されており、自動旋盤
のフレーム88に取り付けられている。
【0003】図7に示すように、このコレット82は中
空管状であって、その先端から末端まで軸線方向に貫通
する貫通孔82aと、貫通孔82aの軸線方向に対して
平行に軸線方向先端から末端に向けて伸びており、末端
に達しない長さの複数のすり割溝82bが形成されてい
る。コレット82の外周部においては、軸線方向先端部
に末細テーパ面82cが設けられていると共に、軸線方
向末端部にはねじ山82dが形成されている。
【0004】また、コレット収容材86はコレット82
を収容する中空管状であって、主軸92に対向する面か
らバイト94に対向する面まで軸線方向に貫通する貫通
孔86aが形成されており、バイト94に対向する面側
の貫通孔86aの内周部86bは、コレット82の末細
テーパ面82cに対応するように形成されている。一
方、主軸92に対向する面側の貫通孔86aの内周部
は、締付ねじ84を挿入可能に形成されている。このコ
レット収容材86はフレーム88に取付固定されてい
る。
【0005】締付ねじ84には、棒状素材90を挿通可
能な貫通孔84aが形成されていると共に、コレット8
2のねじ山82dに螺合するように形成された雌ねじが
設けられている。
【0006】ガイドブッシュ80においては、コレット
82がコレット収容材86に収容されており、締付ねじ
84が主軸92側からコレット収容材86の貫通孔86
aに係合し、また、締付ねじ84がコレット82の軸線
方向末端部のねじ山82dに螺合している。このガイド
ブッシュ80は締付ねじ84を捻じ込む若しくは緩める
ことによって口径調節を行い、棒状素材90をその外径
に合わせた内径で支持することができるように構成され
ている。つまり、締付ねじ84を捻じ込むと、コレット
82がコレット収容材86の中に引き込まれると共にコ
レット収容材86の内周部から半径方向に加圧され、コ
レット82の貫通孔82aが縮径する。一方、締付ねじ
84を緩めると、コレット82が自身の弾性によってコ
レット収容材86内で軸線方向に移動して、コレット8
2に対する半径方向の加圧が緩和され、コレット82の
貫通孔82aが拡径するように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コレッ
ト82のすり割溝82bはコレット82の軸線方向先端
から末端に向けて伸びているが、末端には達していない
ので、半径方向にコレット82を加圧すると、すり割溝
82bの終端部分を支点としてコレット82の先端部が
半径方向に変位するように構成されているため、コレッ
ト82の内周面を軸線方向に平坦に構成して支持面積を
大きくすることが困難であり、棒状素材90をコレット
82の先端部近傍だけで支持した状態になりやすく、棒
状素材90の振れを抑制することが困難であるという問
題点がある。
【0008】また、コレット82の内径を軸線方向にあ
る程度の範囲内でほぼ一定に構成するには、すり割を深
く形成することができるようにコレット82を軸線方向
に長く形成しなければならないため、ガイドブッシュの
軸線方向の長さを縮小することが難しく、主軸と加工部
位との距離が削減しにくいので、残材の長さを短くする
ことが困難であり、材料の利用効率が悪いという問題が
ある。
【0009】さらに、締付ねじ84が主軸92に対向す
るガイドブッシュ80の面に配置されているので、コレ
ット82の口径を調節するためには、バイト94側から
手を回してガイドブッシュ80と主軸92との間で締付
ねじ84を回転させなければならない。したがって、締
付ねじ84の操作性が悪いという問題がある。
【0010】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、軸線方向に短く形成できると共
に、棒状素材の振れを十分に抑制することができ、締付
ねじの操作性が良いコレット及びこれを用いたガイドブ
ッシュを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のコレットは、外周部に末細テーパ面を有する
中空管状のコレットであって、軸線方向先端から末端に
向けて伸びる第1すり割溝と、軸線方向末端から先端に
向けて伸びる第2すり割溝とが形成されていることを特
徴とする。
【0012】この発明によれば、中空管状のコレットの
軸線方向先端から末端に向けて伸びる第1すり割溝と、
軸線方向末端から先端に向けて伸びる第2すり割溝とが
形成されているので、コレットの先端側と末端側のいず
れもが弾性変位し得るように構成されていることとなる
ため、コレットを半径方向に加圧することによって、コ
レットの先端側と末端側の両方を縮径させることができ
る。したがって、従来に較べて少なくとも軸線方向の2
箇所にてワークを支持することができるようになり、ワ
ークの振れを抑制できるとともに、コレットの軸線方向
の長さを増加させる必要性も低減される。
【0013】本発明において、前記第1すり割溝と前記
第2すり割溝がそれぞれ複数形成されていることが好ま
しい。この発明によれば、前記第1すり割溝と前記第2
すり割溝がそれぞれ複数形成されているので、コレット
の貫通孔の内径を周回方向により均等に変化させること
ができる。本発明において、前記第1すり割溝と前記第
2すり割溝が周方向に間隔をもって交互に形成されてい
ることが好ましい。この発明によれば、前記第1すり割
溝と前記第2すり割溝が周方向に間隔をもって交互に形
成されているので、コレットの貫通孔の軸線方向先端側
と末端側の内径をバランス良く変化させることができ
る。
【0014】本発明において、前記末細テーパ面には周
回状の凹溝が形成されていることが好ましい。前記コレ
ットの末細テーパ面と、これを加圧する加圧面の加工精
度が悪く、前記末細テーパ面と加圧面とが軸線方向の一
箇所のみで当接するように構成されている場合には、末
細テーパ面と加圧面の当接部位の偏りによってコレット
の貫通孔の内径も軸線方向に偏った状態になりやすい。
しかし、上記のような状況でも、本発明においては上記
凹溝が形成されていることにより、前記末細テーパ面と
前記加圧面とを、凹溝の軸線方向両側にある軸線方向の
2箇所で当接した状態にすることができる。したがっ
て、末細テーパ面と加圧面との当接部位の偏りに起因す
る前記コレットの貫通孔内径における軸線方向の偏りを
低減することができる。
【0015】本発明のガイドブッシュは、請求項1から
請求項4までのいずれか1項に記載のコレットと、前記
末細テーパ面に対応する内周部を有するコレット収容材
と、前記コレットの軸線方向先端面に当接する当接面を
有しており、前記コレット収容材の外周部に螺合する締
付ナットと、を有することを特徴とする。
【0016】この発明によれば、締付ナットのコレット
収容材に対する螺合深さを調整することにより、その当
接面によりコレットの軸線方向先端面を規制することが
できるので、コレット収容材の口径調整を行うことがで
きる。このとき、締付ナットがコレットの先端側に配置
されることとなるため、コレットの先端側を加工部位に
向けた姿勢でガイドブッシュを配置した場合(コレット
の先端側の方が末端側よりも外径が大きいのでワークに
対する支持力を高め易い。)には、締付ナットを操作す
るために従来のように主軸とガイドブッシュとの間に手
を入れる必要がなくなるので、操作性を向上させること
ができる。
【0017】ここで、コレットによるワークの支持部先
端と加工部位との距離を短縮するために、前記コレット
の先端中央に突出部を設け、この突出部を挿通させるこ
との可能な開口を前記締付ナットに設けることが望まし
い。このようにすると、締付ナットが存在しても、支持
部先端と加工部位との距離を短縮することができるの
で、加工圧に起因するワークの変形量を低減し、加工精
度を高めることができる。
【0018】本発明において、前記コレットを軸線方向
先端側に押圧する押圧手段を有することが好ましい。こ
の手段によれば、前記押圧手段によって前記コレットが
軸線方向先端側に押圧されているので、前記締付ナット
を締めると前記押圧手段の押圧力に抗して前記コレット
を軸線方向末端側に移動させることができる。一方、前
記締付ナットを緩めると前記押圧手段の押圧力によって
前記コレットを軸線方向先端側に移動させることができ
る。したがって、前記コレットの口径調節をより確実に
行うことができる。
【0019】本発明において、前記押圧手段は、前記コ
レットの軸線方向末端側に配置された弾性部材と、該弾
性部材を背後から支持する支持部とを有することが好ま
しい。この発明によれば、前記押圧手段は弾性部材と該
弾性部材を背後から支持する支持部材とから構成されて
いるので、簡易な構成で確実に前記コレットを軸線方向
先端側へ押圧することができる。ここで、前記弾性部材
とはばねやゴムなどであるが、特にコイルバネであるこ
とが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明に係るコレットの実施
形態について詳細に説明する。
【0021】[第1実施形態]最初に、図1を参照し
て、本発明における第1実施形態のコレットについて説
明する。(a)は本発明に係る第1実施形態のコレット
を示す概略斜視図である。(b)は第1実施形態のコレ
ットの概略平面図である。(c)は第1実施形態のコレ
ットを平面bと平面b'により切断した状態を模式的に
示す概略断面図であって、半径方向の加圧Pによるコレ
ットの変形方向をQで示すと共にコレットの変形形状を
1点鎖線で示したものである。
【0022】本発明に係る第1実施形態のコレット10
は棒状素材又はエンドミルやドリルの如き工具を把持す
る締付部品である。このコレット10は金属の如き弾性
物質からなり、中空管状に形成されている。コレット1
0には貫通孔120が形成されていると共に、コレット
10の外周部には末細テーパ面140が形成されてい
る。
【0023】貫通孔120はコレット10の先端16か
ら末端18まで軸線方向に貫通しており、貫通孔120
の内径はコレット10の先端16から末端18までほぼ
同一となるように形成されている。また、貫通孔120
を形成するコレット10の内周部の表面は棒状素材など
が摺動可能となるように円滑面に形成されている。
【0024】コレット10の末細テーパ面140はコレ
ット10の軸線方向先端16から末端18に向けてコレ
ット10外周部の外径が漸次減少するように形成されて
いる。また、コレット10には、第1すり割溝10aと
第2すり割溝10bの2種類のすり割溝がすり割のこ、
すり割フライス、(ダイシング)ブレード、ワイヤなど
を用いた、機械的加工又は放電加工などの種々の公知の
方法によって、それぞれ複数形成されている。ここで、
第1すり割溝10aと第2すり割溝10bはコレット1
0の周方向に間隔をおいて交互に形成されている。
【0025】ここで、第1すり割溝10aはコレット1
0の軸線方向先端16から末端18に向けて伸びてお
り、コレット10の軸線方向末端18に達しない長さを
有していると共に、コレット10の外周部から貫通孔1
20まで半径方向に切り込まれている。一方、第2すり
割溝10bはコレット10の軸線方向末端18から先端
16に向けて伸びており、コレット10の軸線方向先端
16に達しない長さを有していると共に、コレット10
の外周部から貫通孔120まで半径方向に切り込まれて
いる。したがって、コレット10の軸線方向先端16は
第1すり割溝10aによって周方向に分割されていると
共に、コレット10の軸線方向末端18は第2すり割溝
10bによって周方向に分割されている。
【0026】また、コレット10の軸線方向先端面にお
いて、中央部分162が周縁部分164に対して軸線方
向に突出するように形成されており、中央部分162と
周縁部分164との間に周回状の段差166が形成され
ている。
【0027】図1(b)に一点鎖線で示すように、隣接
する2本の第1すり割溝10a、10aの間に第1すり
割片10Aが形成されており、この第1すり割片10A
の中央には第2すり割溝10bが形成されている。一
方、図1(b)に2点鎖線で示すように、隣接する2本
の第2すり割溝10b、10bの間に第2すり割片10
Bが形成されており、第2すり割片10Bの中央には第
1すり割溝10aが形成されている。
【0028】図1(c)に示すように、第1すり割片1
0Aは半径方向Pに加圧されると、コレット10の軸線
方向先端16側の貫通孔120を縮径する方向Qに弾性
変形するように形成されている。一方、第2すり割片1
0Bは半径方向Pに加圧されると、コレット10の軸線
方向末端18側の貫通孔120を縮径する方向Qに弾性
変形するように形成されている。したがって、先細テー
パ面140に加圧力を受けた場合、コレット10の先端
16及び末端18の双方が縮径し、上記第1すり割溝1
0aおよび第2すり割溝10bの形成態様(例えば、す
り割の数や軸線方向の深さなど)によっては、コレット
10全体を軸線方向にほぼ均一に縮径させることも可能
である。
【0029】この第1実施形態においては、第1すり割
溝10aがコレット10の軸線方向先端16から末端1
8に向けて伸びていると共に、第2すり割溝10bがコ
レット10の軸線方向末端18から先端16に向けて伸
びているので、コレット10の貫通孔120の軸線方向
先端16側と軸線方向末端18側のいずれも縮径させる
ことができ、棒状素材を軸線方向の少なくとも2箇所で
支持したり把持したりすることができる。したがって、
ガイドブッシュに用いる場合には従来に比べて棒状素材
の振れを抑制することができる。
【0030】さらに、上記のように軸線方向の少なくと
も2箇所にて支持若しくは把持することができるので、
従来のように軸線方向の支持長さ或いは把持長さを長く
するためにコレットを長く形成する必要がなくなること
から、従来に比べてコレット10の軸線方向の長さを短
くすることが可能となる。
【0031】[第2実施形態]次に、図2を参照して、
本発明における第2実施形態のコレットについて説明す
る。この実施形態においては、第1実施形態と同一部分
についてはその説明を省略する。コレット20は第1実
施形態のコレット10と同様の材質で中空管状に形成さ
れており、外周部には末細テーパ面140が設けられて
いる。第1実施形態では末細テーパ面140は平坦に形
成されているが、この第2実施形態では、図2(a)に
示すように、末細テーパ面140には周回状の凹溝14
0aが形成されている。
【0032】ここで、凹溝140aは末細テーパ面14
0の軸線方向の途中に形成されている。特に、凹溝14
0aを末細テーパ面140の軸線方向のほぼ中間位置に
形成することが好ましい。 上述のように形成されたコ
レット20によって棒状素材を支持若しくは把持するに
は、まず、コレット20の貫通孔120に棒状素材を挿
通した状態で、コレット20の末細テーパ面140を半
径方向に加圧するだけでよい。このとき、コレット20
の貫通孔120の軸線方向先端16側と末端18側のい
ずれもが縮径することによって、棒状素材を軸線方向の
少なくとも2箇所で支持若しくは把持することができ
る。
【0033】上記第1実施形態においては、コレットの
末細テーパ面と、これを加圧する加圧面との加工誤差に
よって両者が軸線方向の一箇所のみで相互に当接する場
合が考えられる。この場合には、唯一の当接部位の位置
に応じて、コレットの先端側が末端側よりも内径が小さ
くなったり、逆に末端側が先端側よりも内径が小さくな
ったりするなど、コレットの内径に軸線方向の偏りが生
じ易くなる。
【0034】この第2実施形態においては、図2(c)
に示すように、末細テーパ面140を加圧面240で半
径方向に加圧する場合において、コレット20の末細テ
ーパ面140には周回状の凹溝140aが形成されてい
るので、コレット収容部材200の内周面である加圧面
240が半径方向に湾曲していたとしても、加圧面24
0の湾曲頂点部分が凹溝140aに入るように構成する
ことができるので、コレット20の末細テーパ面140
と加圧面240とを、軸線方向の2箇所、すなわち凹溝
140aの両側2箇所で当接させることができる。した
がって、コレット20は軸線方向の2箇所で加圧される
こととなるから、末細テーパ面140と加圧面240の
加工誤差によるコレット20の内径の偏りを低減するこ
とができる。
【0035】[第3実施形態]次に、図3及び図4を参
照して、本発明における第3実施形態のガイドブッシュ
について説明する。図3は本発明に係る第3実施形態の
ガイドブッシュを示す概略分解斜視図である。図4は本
発明に係る第3実施形態のガイドブッシュを示す概略縦
断面図である。ガイドブッシュ100は棒状素材を回転
させながら切削加工する自動旋盤の如き工作機械の刃物
の近傍に取り付けられており、棒状素材の軸方向が振れ
るのを防止するために備えられたものである。ガイドブ
ッシュ100は締付ナット30、コレット10、収容材
40、ばね50、及び、裏蓋60から構成されている。
ここで、この第3実施形態のコレット10は第1実施形
態と同一であり、その説明を省略する。
【0036】収容材40は略直方体状の裏蓋収容部分4
2と中空管状のコレット収容部分44とから構成されて
いる。裏蓋収容部分42の中央部分にコレット収容部分
44が一体に形成されており、コレット収容部分44と
裏蓋収容部分42を軸線方向に貫通する貫通孔46が形
成されている。コレット収容部分44の内側にある貫通
孔46の一部は円錐面状の内面形状を有する加圧面46
aを備えている。コレット収容部分44内にはコレット
10が収容され、コレット収容部分44の上記加圧面4
6aがコレット10の末細テーパ面140に密接するよ
うに構成されている。また、コレット収容部分44の外
周部44aにはねじ山が形成されている。
【0037】締付ナット30は、その内周部30aがコ
レット収容部分44のねじ山44aに螺合するように形
成されていると共に、軸線方向先端には蓋板部32が設
けられている。この蓋板部32はコレット10の軸線方
向先端に当接するように形成されており、蓋板部32の
中央部分には貫通孔36が形成されている。この貫通孔
36はコレット10の軸線方向先端面から突出する中央
部分162を挿入可能な開口形状を有している。この中
央部分162の存在により、ワーク(棒状素材)をより
加工部位に近い場所において支持することが可能にな
る。
【0038】ばね50は図示例ではコイルばねであっ
て、コレット10の軸線方向末端に当接するように配置
されている。ここで、ばね50の内側を棒状素材が挿通
可能に形成されていると共に、ばね50の内径がコレッ
ト10の貫通孔120の内径よりも大きく、バネ50の
外径がコレット10の軸線方向末端の外径よりも小さく
形成されている。また、裏蓋60は略直方体状であっ
て、中央部分にばね50を収容可能な凹部60aが設け
られている。この凹部60aの中央には貫通孔62が形
成されている。この貫通孔62は棒状素材を挿通可能に
構成されている。
【0039】図4に示すように、ガイドブッシュ100
は、まず、収容材40の裏蓋収容部分42にばね50を
凹部60aに収容した裏蓋60を嵌合させ、裏蓋60と
収容材40をボルト又はねじなどによって連結し、その
後、収容材40のコレット収容部分44にコレット10
を導入して、最後に、締付ナット30をコレット収容部
分44の外周部44aに螺合するように捻じ込むことに
よって組立てられる。この組立状態において、締付ナッ
ト30の貫通孔36と、コレット10の貫通孔120
と、裏蓋60の貫通孔62とは同一軸線上に配列され
る。
【0040】ここで、コレット10は軸線方向の両側か
ら締付ナット30とばね50によって挟持されており、
コレット10は軸線方向先端側に向けてばね50の弾性
によって押圧されていると共に、コレット10の軸線方
向先端16は締付ナット30の蓋板部32の内面によっ
て当接支持されている。ここで、蓋板部32の内面を径
方向に対して平行に構成するとともに、コレット10の
先端16における蓋板部32に当接する端面を径方向に
対して平行に構成することにより、コレット10が上記
加圧面36aによって加圧されたときに蓋板部32の内
面により径方向に案内されるので、コレット10をより
高精度に変形させることが可能になる。
【0041】上述のガイドブッシュ100は、例えば、
図5に示す自動旋盤300に備えつけられる。この自動
旋盤300は、ワークである棒状素材90を把持して回
転する主軸92と、図示しない刃物台に取り付けられた
バイト94と、主軸92を軸線方向に往復移動させるた
めの主軸送り部96と、主軸92を回転駆動する主軸回
転モータ98とを有しており、主軸92とガイドブッシ
ュ100とは同一軸線上に配置されている。主軸92が
棒状素材90を把持した状態で、主軸回転モータ98に
よって回転しながら主軸送り部96によってガイドブッ
シュ100に向って軸線方向に前進することにより、バ
イト94によって棒状素材90が加工されていく。主軸
92がその移動ストロークの限界位置に達すると、棒状
素材90を一旦解放して軸線方向後方に後退し、再び棒
状素材90を把持した後に前進を開始し、上記と同様に
再び加工が行われる。
【0042】上記自動旋盤300によって棒状素材90
を加工するに当たっては、まず、主軸94から送られる
棒状素材90がガイドブッシュ100を挿通可能である
とともに、加工中に棒状素材90が振れて加工精度を悪
化させないように、締付ナット30をバイト94側から
捻じ込む若しくは緩めることによって、棒状素材90の
外径にガイドブッシュ100のコレット10の貫通孔1
20の内径を合わせるように調整する。
【0043】このガイドブッシュ100の口径調節に際
しては、締付ねじ30を捻じ込むとばね50が収縮して
コレット10がコレット収容部分44内で軸線方向末端
側に移動するために、加圧面46aに加圧されて半径方
向に縮径する。一方、締付ねじ30を緩めるとばね50
が伸長してコレット10がコレット収容部分44の中か
ら軸線方向先端側に移動するために、加圧面46aによ
る加圧力が解放されてコレット10が半径方向に拡径す
る。
【0044】この第3実施形態においては、ガイドブッ
シュ100が貫通孔120の軸線方向先端側と末端側の
いずれも縮径させることができるコレット10を有する
ので、軸線方向の少なくとも2箇所で棒状素材90を支
持することができることから、棒状素材90の振れを防
止することができると共に、棒状素材90に対する支持
特性を悪化させることなくコレット10の軸線方向の長
さを短縮できるため、従来に比べてガイドブッシュ10
0を軸線方向に短く構成することができる。また、締付
ナット30がコレット10の軸線方向先端側に配置され
ているので、コレット10の口径調節を従来に比べて容
易に行うことができる。
【0045】なお、第3実施形態のガイドブッシュ10
0には第1実施形態のコレット10を使用したが、コレ
ットはこれに限定されるものではなく、第2実施形態の
コレット20を使用してもよい。
【0046】尚、本発明のコレット及びこれを用いたガ
イドブッシュは、上述の図示例にのみ限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々
変更を加え得ることは勿論である。
【0047】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
軸線方向先端から末端に向けて伸びる第1すり割溝と、
軸線方向末端から先端に向けて伸びる第2すり割溝とを
コレットに形成したので、棒状素材の振れをより抑制す
ることができるとともに、コレット及びガイドブッシュ
の軸線方向の長さを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のコレットの概略斜
視図(a)、コレットの概略平面図(b)、コレットを
平面bと平面b'により切断した状態を模式的に示す概
略断面図(c)である。
【図2】第2実施形態のコレットの概略斜視図(a)、
コレットを平面b1と平面b2で切断した状態を模式的
に示す概略断面図(b)、コレットをコレット収容材の
中に配置した状態を模式的に示す概略断面図(c)であ
る。
【図3】第3実施形態のガイドブッシュの概略分解斜視
図である。
【図4】第3実施形態のガイドブッシュの概略断面図で
ある。
【図5】第3実施形態のガイドブッシュを備えた自動旋
盤の概略側面図である。
【図6】従来のガイドブッシュの概略断面図である。
【図7】従来のコレットの概略斜視図である。
【符号の説明】
コレット 10、20 第1すり割溝 10a 第1すり割片 10A 第2すり割溝 10b 第2すり割片 10B 先端 16 末端 18 貫通孔 36、46、62、82a、84a、
86a、120 内周部 86b 末細テーパ面 140 凹溝 140a 中央部分 162 周縁部分 164 段差 166 締付ナット 30 内周部 30a、 蓋板部 32 収容材 40 裏蓋収容部分 42 コレット収容部分 44 外周部 44a 貫通孔 46 加圧面 46a ばね 50 裏蓋 60 凹部 60a ガイドブッシュ 100 フレーム 88 棒状素材 90 主軸 92 バイト 94 主軸送り部 96 主軸回転モータ 98 自動旋盤 300 平面 b、b' 半径方向 P 変形方向 Q

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周部に末細テーパ面を有する中空管状
    のコレットであって、軸線方向先端から末端に向けて伸
    びる第1すり割溝と、軸線方向末端から先端に向けて伸
    びる第2すり割溝とが形成されていることを特徴とする
    コレット。
  2. 【請求項2】 前記第1すり割溝と前記第2すり割溝が
    それぞれ複数形成されていることを特徴とする請求項1
    に記載のコレット。
  3. 【請求項3】 前記第1すり割溝と前記第2すり割溝が
    周方向に間隔をもって交互に形成されていることを特徴
    とする請求項2に記載のコレット。
  4. 【請求項4】 前記末細テーパ面には周回状の凹溝が形
    成されていることを特徴とする請求項1から請求項3ま
    でのいずれか1項に記載のコレット。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載のコレットと、前記末細テーパ面に対応する内
    周部を有するコレット収容材と、前記コレットの軸線方
    向先端に当接しており、前記コレット収容材に螺合する
    締付ナットと、を有することを特徴とするガイドブッシ
    ュ。
  6. 【請求項6】 前記コレットを軸線方向先端側に押圧す
    る押圧手段を有することを特徴とする請求項5に記載の
    ガイドブッシュ。
  7. 【請求項7】 前記押圧手段は、前記コレットの軸線方
    向末端側に配置された弾性部材と、該弾性部材を背後か
    ら支持する支持部とを有することを特徴とする請求項6
    に記載のガイドブッシュ。
  8. 【請求項8】 前記弾性部材は、コイルバネであること
    を特徴とする請求項7に記載のガイドブッシュ。
  9. 【請求項9】 請求項5乃至請求項8のいずれかに記載
    のガイドブッシュを備えたことを特徴とする自動旋盤。
JP2001228446A 2001-07-27 2001-07-27 コレット及びこれを用いたガイドブッシュ、及び前記ガイドブッシュを備えた自動旋盤 Withdrawn JP2003039215A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001228446A JP2003039215A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 コレット及びこれを用いたガイドブッシュ、及び前記ガイドブッシュを備えた自動旋盤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001228446A JP2003039215A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 コレット及びこれを用いたガイドブッシュ、及び前記ガイドブッシュを備えた自動旋盤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003039215A true JP2003039215A (ja) 2003-02-12

Family

ID=19060955

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001228446A Withdrawn JP2003039215A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 コレット及びこれを用いたガイドブッシュ、及び前記ガイドブッシュを備えた自動旋盤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003039215A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005095033A1 (ja) 2004-03-31 2005-10-13 Citizen Watch Co., Ltd. 素材ガイド装置及び自動旋盤
JP2012055906A (ja) * 2010-09-07 2012-03-22 Shinryo Techno Service Co Ltd 傾斜回転鍛造装置
JP2013033625A (ja) * 2011-08-02 2013-02-14 Hironari Miyazaki ゴニオステージ、及び当該ゴニオステージを有する電子顕微鏡
KR102658029B1 (ko) * 2023-02-13 2024-04-17 미르호주식회사 절삭 공구 고정용 스톱링

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005095033A1 (ja) 2004-03-31 2005-10-13 Citizen Watch Co., Ltd. 素材ガイド装置及び自動旋盤
EP1731248A1 (en) * 2004-03-31 2006-12-13 Citizen Watch Co., Ltd. Material guide device and automatic lathe
JPWO2005095033A1 (ja) * 2004-03-31 2008-02-21 シチズンホールディングス株式会社 素材ガイド装置及び自動旋盤
EP1731248A4 (en) * 2004-03-31 2010-06-16 Citizen Holdings Co Ltd MATERIAL GUIDANCE AND AUTOMATIC LATHE
JP4613161B2 (ja) * 2004-03-31 2011-01-12 シチズンホールディングス株式会社 素材ガイド装置及び自動旋盤
KR101166210B1 (ko) 2004-03-31 2012-07-18 시티즌 홀딩스 가부시키가이샤 소재 가이드 장치 및 자동 선반
JP2012055906A (ja) * 2010-09-07 2012-03-22 Shinryo Techno Service Co Ltd 傾斜回転鍛造装置
JP2013033625A (ja) * 2011-08-02 2013-02-14 Hironari Miyazaki ゴニオステージ、及び当該ゴニオステージを有する電子顕微鏡
KR102658029B1 (ko) * 2023-02-13 2024-04-17 미르호주식회사 절삭 공구 고정용 스톱링

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20140353931A1 (en) Hydraulic chuck with a reduction sleeve
CN102452016B (zh) 带有外装式动力消振器的刀架
US6557445B1 (en) Tool holder and a runout correcting tool for a tool holder
US9387542B2 (en) Integrated clamping system for machine tools
KR20080008349A (ko) 플로팅 클램핑 죠를 구비하는 클램핌 헤드
JP2009214234A (ja) バリ取り工具
JP4216807B2 (ja) 切削加工工具
US6883407B2 (en) Expanding collet assembly for pick-off spindle
JP4455500B2 (ja) 自動旋盤
JP2004338009A (ja) 超硬ブローチ、ブローチ加工方法及びブローチ盤
JP2003039215A (ja) コレット及びこれを用いたガイドブッシュ、及び前記ガイドブッシュを備えた自動旋盤
CN113211115A (zh) 一种稳定型筒夹结构及应用该结构的机床
KR102177689B1 (ko) 샤프트 가공 장치
JP6305075B2 (ja) ガイドブッシュとコレットチャック及び旋盤
JP4330277B2 (ja) 回転型ガイドブッシュ
JP2015213968A (ja) 穴加工工具の振れ調整機構
KR102091818B1 (ko) 샤프트 가공 방법
US6705185B2 (en) Lathe for interior cutting of hollow work pieces
JP3193771U (ja) モジュール化のカッターホルダと刃具の仕組み
KR20090000641U (ko) 선반용 나사 절삭 지그
JP2000246522A (ja) チャック、棒材把持装置及び自動旋盤
JP3635789B2 (ja) 回転切削工具
WO2024057337A1 (en) A single unit tool holder device for easy clamping and de-clamping of a tool shank
JPH11277314A (ja) 切削工具
KR20040100753A (ko) 편심가공용 유압 콜렛척 조립체

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040311

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051101

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20051227