JP2003038121A - 味覚修飾剤及びそれを含む飲食品 - Google Patents

味覚修飾剤及びそれを含む飲食品

Info

Publication number
JP2003038121A
JP2003038121A JP2001230691A JP2001230691A JP2003038121A JP 2003038121 A JP2003038121 A JP 2003038121A JP 2001230691 A JP2001230691 A JP 2001230691A JP 2001230691 A JP2001230691 A JP 2001230691A JP 2003038121 A JP2003038121 A JP 2003038121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dihydromyricetin
taste
sweetness
modifier
food
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001230691A
Other languages
English (en)
Inventor
Daigo Sugita
大悟 杉田
Keishiro Yoshida
圭司郎 吉田
Susumu Shimura
進 志村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lotte Co Ltd
Original Assignee
Lotte Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lotte Co Ltd filed Critical Lotte Co Ltd
Priority to JP2001230691A priority Critical patent/JP2003038121A/ja
Publication of JP2003038121A publication Critical patent/JP2003038121A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Seasonings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱及び有機溶媒等に対する安定性に優れた、
冷水からお湯等の広範囲の温度刺激で無味を甘味に変化
させる作用を有する味覚修飾剤及びそれを含む飲食品を
提供する。 【解決手段】 一般式(I): 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジヒドロミリセチ
ン(Dihydromyricetin:C1512
;アンペロプシンまたは3,5,7,3’,4’,
5’−ヘキサヒドロキシフラバノンとも言うが、以下、
ジヒドロミリセチンと称す)を有効成分とする新規な味
覚修飾剤及びそれを含む飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】味覚修飾物質としては、これまでにギム
ネマ酸やジジフィン等が知られている。しかし、これら
には甘味を消失させる作用はあるものの、無味を甘味に
変化させる作用はない。このような作用をもつ物質とし
て、クルクリンというタンパク質系味覚修飾物質(例え
ば、特開平2−104263号公報)や、ストロジンと
いうテルペノイド系味覚修飾物質(例えば、特開平8−
73490号公報)が知られている。しかしながら、ク
ルクリンは、タンパク質であるため熱及び有機溶媒等に
対する安定性が劣るという欠点があった。また、ストロ
ジンは、冷たい水等の低温の刺激にしか作用しないとい
う欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱及
び有機溶媒等に対する安定性を有する非タンパク質系の
化合物であって、お湯等の高温の刺激から冷水等の低温
の刺激まで、幅広い温度刺激で無味を甘味に変化させる
作用を有する味覚修飾剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、ジヒドロミリセチンが安
定性並びに甘味誘導効果の点で優れた化合物であること
を見出し、本発明を完成させた。
【0005】すなわち、本発明は、一般式(I):
【化2】 で表されるジヒドロミリセチンを有効成分とすることを
特徴とする味覚修飾剤に関する。
【0006】また、本発明は、ジヒドロミリセチンを味
覚修飾剤として含むことを特徴とする飲食品に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明すれば、本発
明の味覚修飾剤の有効成分である一般式(I)で表され
るジヒドロミリセチンは、合成品であっても天然物から
抽出したものでもよく、また必ずしも純品である必要は
なくジヒドロミリセチンを含む混合物であってもよい。
【0008】天然物からのジヒドロミリセチンの調製
は、オノエヤナギ(Salix sachalinen
sis Fr.Schm.)、ケショウヤナギ(Cho
senia bracteosa Nakai)、白茶
(Ampelopsis meliafolia Ku
do)等から、水、熱水、エタノール、メタノール、酢
酸エチル等の極性溶媒や非極性の溶媒により抽出、分画
して調製することができる。例えば、水野ら(水野瑞
夫、田中稔幸、飯沼宗和、木村有香、大橋広好、境秀
紀;日本生薬学会第32回年会講演予稿集、p51.1
985年岡山)の方法に従ってオノエヤナギ(Salix
sachalinensis Fr.Schm.)、
ケショウヤナギ(Chosenia bracteos
a Nakai)等のヤナギ科植物の成葉をメタノール
抽出し、濃縮後、エーテル、ついで酢酸エチルを用いて
分配し、得られた酢酸エチル層をさらにシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより分画、精製を行えば高含量
のジヒドロミリセチンを含む調製品を得ることができ
る。
【0009】本発明による前記ジヒドロミリセチンは、
味覚修飾剤として用いることができる。例えば、本発明
のジヒドロミリセチンをそのまま又は溶液等の形で口に
含んだ後に、無味物質又は水を飲食すると、それらの無
味物質又は水に甘味を感じさせる効果を有する。
【0010】このように本発明の味覚修飾剤は、ジヒド
ロミリセチンを有効成分とすることを特徴とするもの
で、ジヒドロミリセチンをそのまま直接使用してもよい
が、必要により適当な溶媒(例えば、水、水性アルコー
ル、アルコール,グリセリン、弱酸溶液又は弱アルカリ
溶液)に溶解した溶液形、又は適当な分散媒(例えば、
メチルセルロース、デンプン、乳糖、カルボキシメチル
セルロース、糖、糖アルコール、アルギン酸ナトリウ
ム、リン酸水素カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、
微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、又はコロイ
ド状シリカゲル)に分散した分散形、さらには、フィル
ム状、錠剤状、乳化物状又はスプレー状の形態等で使用
することができる。また、本発明の味覚修飾剤は、ジヒ
ドロミリセチンの味覚修飾効果を損なわずに可食性を有
する種々の物質を含有することもできる。
【0011】本発明の味覚修飾剤は、前記したように事
前に食しておくことにより、水のような無味物質又は緑
茶等を飲食した際に甘味を感じさせることができる。こ
の場合、本発明の味覚修飾剤の1回の摂取量(飲量)
は、ジヒドロミリセチンに換算して好ましくは0.00
1〜100mg、さらに好ましくは0.1〜10mgで
ある。
【0012】また、本発明のジヒドロミリセチンを味覚
修飾剤として含む飲食品は、ジヒドロミリセチン自体も
弱い甘味を呈しているので、食品又は飲料に添加するこ
とにより、それらの飲食品に甘味を付与し、さらに上記
の味覚修飾効果によって、飲食品の甘味を持続させるこ
とも可能である。
【0013】飲食品としては、食品又は飲料の種類によ
って特に限定されるものではないが、飲食時に保温され
た食品又は飲料に配合することがジヒドロミリセチンの
高温から低温まで幅広い温度刺激に対して味覚修飾作用
を有する性質及び熱等に対する安定性からみて好まし
い。この場合、ジヒドロミリセチンを味覚修飾剤として
食品に配合する量としては、1回の摂取量(例えば、缶
ジュース1本)当たり、0.001mg〜10g、好ま
しくは0.01mg〜3.4gである。なお、ジヒドロ
ミリセチンを味覚修飾剤として配合する食品の温度は如
何なる温度でも良く、人間が喫食し得る如何なる温度に
おいてもジヒドロミリセチンはその味覚修飾効果を発揮
し得る。
【0014】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するもので
はない。
【0015】〔実施例1〕ジヒドロミリセチンの調製 ジヒドロミリセチンの抽出方法を以下に示す。オノエヤ
ナギの成葉(乾燥重量)1.0kgをメタノールで抽出
し、濃縮後、エーテル、酢酸エチルを用いて分配した。
酢酸エチル画分の収率は成葉の5.7重量%であった。
次に得られた酢酸エチル画分をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにより分画、精製したところ、ジヒドロミ
リセチンを10g(収率1%)得ることができた。
【0016】〔実施例2〕ジヒドロミリセチンの甘味度 実施例1で得られたジヒドロミリセチン粉末を水に溶解
し、0.5%、0.25%、0.1%、0.05%、
0.01%、0.005%及び0.0025%水溶液を
調製した。このジヒドロミリセチン水溶液2mlを口に
含んた時の甘味の強さを各濃度のショ糖水溶液と比較し
た。その結果、0.25%ジヒドロミリセチン水溶液を
口に含んだ時に、甘味度が最大となり、この時の甘味度
は5%ショ糖水溶液の甘味度に相当した。
【0017】〔実施例3〕ジヒドロミリセチンの誘導甘
味度 実施例1で得られたジヒドロミリセチン粉末を水に溶解
し、0.5%、0.25%、0.1%、0.05%、
0.01%、0.005%及び0.0025%水溶液を
調製した。このジヒドロミリセチン水溶液2mlを2分
間口に含んでから吐き出し、当該物質による甘味が消え
た後に、50℃の温水を飲食した。この時に誘導される
甘味の強さを各濃度のショ糖水溶液と比較した。その結
果、0.25%ジヒドロミリセチン水溶液を口に含んだ
時に、甘味誘導活性が最大となり、この時の甘味度は4
%ショ糖水溶液の甘味度に相当した。
【0018】〔実施例4〕錠剤 実施例1で得られたジヒドロミリセチン粉末を使用して
錠剤を作成した。その配合を以下に記す。アラビアガム
8.0%、ジヒドロミリセチン粉末 0.5%、マン
ニトール91.5%、上記配合で作成した錠剤1.0g
を食した。その結果、マンニトールの甘さが増強され
た。また、錠剤1.0gを食した後では、水、緑茶及び
空気が甘く感じられ、味覚修飾剤としての使用が可能で
あった。
【0019】〔実施例5〕チューインガム 実施例1で得られたジヒドロミリセチン粉末を使用して
下記の処方にしたがってチューインガムを調製した。ジ
ヒドロミリセチン粉末 1.0%、ガムベース 20.
0%、砂糖 54.0%、水飴 13.0%、ブドウ糖
10.5%、軟化剤 1.0%、香料 0.5%、上
記配合で作製したチューインガム1枚(約3g)を食し
たとき、ジヒドロミリセチンを含まないチューインガム
を食したときと比べ、甘味を感じている時間が、2分間
程度長く持続された。
【0020】〔実施例6〕チョコレート 実施例1で得られたジヒドロミリセチン粉末を使用して
下記の処方にしたがって調製したチョコレートを食した
と同時に、またはチョコレート摂取後に、無糖の紅茶を
飲むと紅茶が甘く感じられた。ジヒドロミリセチン粉末
0.6%、カカオマス 15.0%、全脂粉乳 2
5.0%、ココアバター 18.0%、砂糖 41.0
%、乳化剤 0.3%、香料 0.1%
【0021】〔実施例7〕ウーロン茶 市販の温缶ウーロン茶340gに実施例1のジヒドロミ
リセチン10mgを添加して飲食した。その結果、ウー
ロン茶にまろやかな甘みが感じられた。また市販のウー
ロン茶を飲食した後に感じられる舌上の渋味が抑えられ
た。この効果は冷缶についても同様に感じられた。
【0022】〔実施例8〕口中清涼剤 タバコを吸った後に、実施例2に記載の0.25%ジヒ
ドロミリセチン水溶液2mlを口に含むことにより、タ
バコを吸った後に口中に残る苦みが消え、口中にほのか
な甘さを感じた。
【0023】
【発明の効果】本発明によるジヒドロミリセチンは、す
でに知られている味覚修飾物質・クルクリンとは異な
り、タンパク質ではないために安定性に優れており、ク
ルクリンが安定性の点から利用できない分野で利用する
ことができる。また、既に知られているストロジンより
も広い温度範囲で使用することができ、温かいお茶等、
ストロジンが利用できない分野で利用することができ
る。甘味を持続させる必要のある食品や飲料等へ広範囲
にわたり利用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 で表されるジヒドロミリセチンを有効成分とすることを
    特徴とする味覚修飾剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のジヒドロミリセチンを味
    覚修飾剤として含むことを特徴とする飲食品。
JP2001230691A 2001-07-30 2001-07-30 味覚修飾剤及びそれを含む飲食品 Pending JP2003038121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001230691A JP2003038121A (ja) 2001-07-30 2001-07-30 味覚修飾剤及びそれを含む飲食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001230691A JP2003038121A (ja) 2001-07-30 2001-07-30 味覚修飾剤及びそれを含む飲食品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003038121A true JP2003038121A (ja) 2003-02-12

Family

ID=19062860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001230691A Pending JP2003038121A (ja) 2001-07-30 2001-07-30 味覚修飾剤及びそれを含む飲食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003038121A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01175932A (ja) * 1987-12-28 1989-07-12 Nonogawa Shoji:Kk 抗変異原剤
JP2000319154A (ja) * 1999-05-06 2000-11-21 Nippon Menaade Keshohin Kk 光毒性抑制剤

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01175932A (ja) * 1987-12-28 1989-07-12 Nonogawa Shoji:Kk 抗変異原剤
JP2000319154A (ja) * 1999-05-06 2000-11-21 Nippon Menaade Keshohin Kk 光毒性抑制剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8318711B2 (en) Use of diacetyl trimer as an aromatic and flavouring substance
US8440676B2 (en) Sweetener compositions and methods of making them
US3957976A (en) Methods for reducing cholesterol levels
TW480268B (en) Processes for producing a crystalline powdery saccharide
US5160546A (en) Lactitol trihydrate crystal, crystalline mixture solid containing it and process for preparing them
JPH04346937A (ja) 苦味低減方法
JP2001258502A (ja) 甘味料組成物、甘味付与方法およびその利用
US20020110531A1 (en) Cholesterol reducing composition and method of making the same
JP2003038121A (ja) 味覚修飾剤及びそれを含む飲食品
JP6782737B2 (ja) 経口組成物
JPH0827034A (ja) エリスリトール含有内用液剤
TW202015548A (zh) 經口組合物
JPH0559697B2 (ja)
JPH069419A (ja) マツエキスの嗜好性改善方法およびこの方法により得られる経口摂取物
JPH01165346A (ja) 品質改良剤
CN108601385A (zh) 酶修饰的异槲皮苷的用途
JP3746065B2 (ja) β−マルトース含水結晶含有粉末とその製造方法並びに用途
JP3308092B2 (ja) 食用の顆粒状材料およびこれが添加されている食品
JPS62125854A (ja) 脱水剤及びそれを用いる含水物の脱水方法
JP2003081992A (ja) β−マルトース含水結晶含有粉末とその製造方法並びに用途
JP2021194007A (ja) 経口組成物及び風味改善方法
JPS62126939A (ja) 脱水食品とその製造方法
JP3407203B2 (ja) β−マルトース含水結晶含有粉末とその製造方法並びに用途
JP2001299242A (ja) ゲル化剤含有食品及びその製法
JP3708955B2 (ja) β−マルトース含水結晶含有粉末とその製造方法並びに用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070330

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070529

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070622

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070628

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070808