JP2003037002A - 限流器とその製造方法 - Google Patents

限流器とその製造方法

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JP2003037002A
JP2003037002A JP2001223033A JP2001223033A JP2003037002A JP 2003037002 A JP2003037002 A JP 2003037002A JP 2001223033 A JP2001223033 A JP 2001223033A JP 2001223033 A JP2001223033 A JP 2001223033A JP 2003037002 A JP2003037002 A JP 2003037002A
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insulator
electrode
electrodes
ptc
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Sadajiro Mori
貞次郎 森
Atsushi Sawada
敦 澤田
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通電性能と限流波高値が安定な限流器とその
製造方法の提供。 【解決手段】 PTC素子と、当該PTC素子を挟圧す
る一対の電極とを有する限流器において、前記一対の電
極の挟圧面を無数の凹凸を有する粗面に形成し、当該粗
面の凸部の全部若しくは一部を前記PTC素子と電気的
に接続可能に接触させると共に、前記一対の電極の挟圧
面の一方又は双方の挟圧面と前記PTC素子との間に、
最初の限流動作時の発熱によって消滅若しくは略消滅す
る絶縁物を介在させたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短絡電流を抑制す
る限流器に関し、詳しくは、PTC素子と当該PTC素
子を挟むように圧接する2つの電極を有する限流器とそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を図6、図7において説明す
る。図6は、例えば特開平4−266001号公報に示
された第1の従来例としての限流器を示す斜視図、図7
はその正面図である。
【0003】図6、図7において、1はPTC素子であ
る。PTC素子は、カーボンブラックやニッケル粒子や
銅粒子やタングステン粒子等の導電粒子を、ポリエチレ
ンやポリプロピレンやエポキシ樹脂やメラミン樹脂等の
樹脂に混練して成形されている。2A、2Bは電極で、
PTC素子1を中央にして上下から挟むように配置され
ている。図示の電極2A、2Bは銅製である。4は絶縁
物製のケースで、前記PTC素子1及び一対の電極2
A、2Bを収納している。この例のケース4は絶縁性樹
脂で成形されている。
【0004】5は弾性体であり、例えば板バネや皿バネ
や有機弾性体等が用いられる。この弾性体5によって、
2つの電極2A、2Bは常時PTC素子を挟圧した状態
にある。即ち、電極2AとPTC素子1と電極2Bと
は、弾性体5で上方から加圧された状態で互いに電気的
に接続されている。以下、このような接続を圧接とい
う。
【0005】次に、この従来の限流器の動作を説明す
る。図6において、通常の負荷電流は、電極2A、PT
C素子1、電極2Bの順に経由して流れる。通常の負荷
電流を通電する場合、PTC素子1の温度上昇は低い状
態に保たれる。短絡事故が発生すると、電極2A、2B
とPTC素子1との間の接触抵抗によって、PTC素子
1が加熱され、PTC素子1の表面層が高抵抗状態に遷
移して短絡電流が抑制される。PTC素子1によって抑
制された電流は、図示しない遮断器で遮断される。他
方、加熱されるPTC素子1の表面部は、PTC素子1
の母材、例えばポリエチレンの分解温度に達して、電極
2AとPTC素子1との間、或いは電極2BとPTC素
子1との間の一方若しくは双方においてアークが発生す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図6に示す第1の従来
の限流器では、電極2A、2BとPTC素子1との間の
接触抵抗が高いため、大きな負荷電流を連続して流すこ
とができない。この欠点を解消する第2の従来技術とし
ての限流器が特公平4−9921号公報に開示されてい
る。これによれば、電極2A、2BのPTC素子を挟持
する側の表面即ち挟持面を粗く粗面に形成(粗面化)
し、他方のPTC素子1を加熱した状態にして、三者を
所定に重ねた配置状態にして、プレス装置で加圧するこ
とで、PTC素子1が電極2A、2Bの粗面を形成する
凹部に食い込んだ状態で融着している。
【0007】このように、PTC素子1と電極2A、2
Bとを熱融着させると、電極2A、2BとPTC素子1
との間の接触抵抗が顕著に低減されて、電極2A、2B
とPTC素子1との間には小さな接触抵抗が存在するこ
ととなり、この低い接触抵抗によって、大きな負荷電流
を連続して流すことが可能になる。
【0008】このように構成された第2の従来の限流器
に短絡電流が流れると、電極2AとPTC素子1との間
の接触抵抗によってPTC素子1が加熱され、PTC素
子1が高抵抗状態に遷移して、短絡電流が抑制される。
PTC素子1によって抑制された電流は、図示しない遮
断器で遮断される。この第2の従来の限流器では、電極
2A、2BとPTC素子1との間の接触抵抗が低いた
め、限流波高値は非常に高くなる。
【0009】しかし、PTC素子1の表面は、PTC素
子1の母材、例えばポリエチレンの分解温度に達し、電
極2AとPTC素子1との間に発生するアークの熱によ
って損傷を受け、荒れた状態になって、電極2AとPT
C素子1との接触状態が悪化するため、電極2AとPT
C素子1との間の接触抵抗が大きく増加し、その結果、
限流器の連続通電できる電流値が減少してしまう。この
ように、連続通電できる電流が減少したとしても、第1
の従来の限流器に比べると、この第2の従来の限流器の
方が高い通電性能を保持することができる。しかし、短
絡電流が再び流れた場合には、既に、電極2AとPTC
素子1との間の接触抵抗が増大しているため、限流波高
値が低くなってしまう。この第2の従来の限流器では、
上記のように、通電性能と限流性能とが動作回数によっ
て変化してしまうという問題があった。
【0010】本発明は、上記課題を解消するためなされ
たもので、通電性能の低下を抑制しつつ、接触抵抗と限
流波高値とが安定な限流器の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、PTC素
子と、当該PTC素子を挟圧する一対の電極とを有する
限流器において、前記一対の電極の挟圧面を無数の凹凸
を有する粗面に形成し、当該粗面の凸部の全部若しくは
一部を前記PTC素子と電気的に接続可能に接触させる
と共に、前記一対の電極の挟圧面の一方又は双方の挟圧
面と前記PTC素子との間に、最初の限流動作時の発熱
によって消滅若しくは略消滅する絶縁物を介在させたこ
とを特徴とする。
【0012】第2の発明は、第1の発明において、絶縁
物は、電極の粗面とPTC素子との間に置かれ、挟圧力
により粗面の凸部の少なくとも一部分が突き抜けてPT
C素子と接触する状態で介在することを特徴とする。
【0013】第3の発明は、第1又は第2の発明におい
て、絶縁物はフィルム状であることを特徴とする。
【0014】第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れ
かにおいて、絶縁物はPTC素子の表面に一体化して介
在することを特徴とする。
【0015】第5の発明は、第1乃至第3の発明の何れ
かにおいて、絶縁物は電極の粗面の凹部に一体化して介
在することを特徴とする。
【0016】第6の発明は、第1乃至第3の何れかの発
明において、絶縁物は常温抵抗率がPTC素子の常温抵
抗率より高い抵抗体であることを特徴とする。
【0017】第7の発明は、第1乃至第5の何れかの発
明において、絶縁物は常温抵抗率がPTC素子の常温抵
抗率より高いPTC材料であることを特徴とする。
【0018】第8の発明において、第1乃至第6の何れ
かの発明において、電極とPTC素子は接着剤で一体化
されたことを特徴とする。
【0019】第9の発明は、第8の発明において、接着
剤は、常温抵抗率がPTC素子の常温抵抗率より大きい
導電性接着剤であることを特徴とする。
【0020】第10の発明は、PTC素子と、当該PT
C素子を挟圧する一対の電極とを有する限流器の製造方
法において、前記一対の電極の挟圧面を無数の凹凸を有
する粗面に形成する工程と、前記一対の電極の挟圧面の
一方又は双方の挟圧面と前記PTC素子との間に、最初
の限流動作時の発熱によって消滅若しくは略消滅する絶
縁物を介在させる工程と、前記両電極を強圧して当該電
極の粗面の凸部の少なくとも一部分をして、直接、或い
は絶縁物を突き抜けて、PTC素子の表面部に圧接させ
る工程と、電極をPTC素子に圧接させた状態において
PTC素子の表面部を溶解させるよう加熱する工程とを
含むことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.実施の形態1を図
1、図2に基づいて説明する。図1は2つの電極がPT
C素子を挟むように圧接する前の状態を示す限流器の要
部拡大分解図、図2は2つの電極がPTC素子を挟むよ
うに圧接した状態を示す限流器の要部拡大分解図であ
る。尚、従来の技術において説明した符号と同一の符号
は同一の内容であるので、その説明を省略する。
【0022】図1において、1はPTC素子(有機PT
C素子)で、例えばポリエチレンにカーボンブラック、
或いは金属粒子等が混練されている。2A、2Bは電極
で、例えば銅で製作されている。3は絶縁物で、この形
態1では、電極2AとPTC素子1との間に介在させて
いる。一対の電極2A、2Bは、PTC素子1と接する
側の表面、即ち挟圧面を粗く形成して粗面化しておく。
図では、粗面化された粗面6の断面を、模式的に三角形
の波形に表しており、以下、この三角波の頂点を凸部6
A、谷を凹部6Bという。
【0023】上記の絶縁物3は、最初の短絡事故で発生
するアークの熱により、その全て若しくは殆どが消失す
る程度の材質や形態としておく。この絶縁物3として
は、例えば、比較的薄い薄膜状の樹脂、例えばフィルム
形状のものが好ましい。このようなフィルム形状の樹脂
製を用いる場合には、限流性能にもよるが、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン等を用い、厚さは例
えば数μ〜300μ程度のものがよく、中でも10μの
ものが好適である。
【0024】このフィルム形状の絶縁物3を電極2Aと
PTC素子1との間に介在させた状態にして、例えば、
図6及び図7に示すようなケース4に弾性体5と共に装
置する。こうして装置されると、弾性体5の加圧力によ
って、電極2Aの粗面6を形成する無数の凸部6Aが絶
縁物3を突き抜けて、図2に示すように、PTC素子1
の表面の部分部分に接触する。このように接触するよう
構成することによって、電極2AとPTC素子1との間
の接触抵抗は十分に高くなり、他方、電極2BとPTC
素子1との間の接触抵抗は相対的に低くなる。
【0025】次に、動作を説明する。図2において、通
常の負荷電流は、電極2A、PTC素子1、電極2B
を、その記載の順に経由して流れ、PTC素子1の温度
上昇は低い状態に保たれる。かかる状態において、最初
の短絡事故(第1回)が発生して短絡電流が流れると、電
極2AとPTC素子1との間の接触抵抗によって、PT
C素子1が加熱され、PTC素子1の表面部即ち表層が
高抵抗状態に遷移して、短絡電流が抑制される。このP
TC素子1によって抑制された電流は、図示しない遮断
器で遮断される。
【0026】他方、PTC素子1の表面部は、当該PT
C素子1の母材(ポリエチレン)の分解温度に達して、
電極2AとPTC素子1との間にアークが発生し、この
アークの熱によってフィルム形状の絶縁物3が分解し、
その殆ど若しくは全てが消失する。他方、PTC素子1
の電極2Aと対向する面は、このアークによって損傷を
受けて荒れた状態となる。以下、PTC素子1の電極2
A、2Bと対向する面を電極対向面ともいう。
【0027】この実施の形態1によれば、最初の短絡事
故(第1回)で、絶縁物3の殆ど若しくは全てが消失し
て、電極2AとPTC素子1との間の接触抵抗が低減さ
れると共に、PTC素子1の電極対向面が損傷して荒れ
た状態となって、電極2AとPTC素子1との間の接触
抵抗を増大させる。又、このように実施の形態1によれ
ば、電極2AとPTC素子1との間の接触抵抗に低減要
因と増大要因とが存在することとなるため、電極2Aと
PTC素子1との間の接触抵抗の変化を小さく抑制する
ことができる。
【0028】そして、次に、2度目の短絡事故(第2
回)が発生して短絡電流が流れても、電極2AとPTC
素子1との間の接触抵抗によって、PTC素子1が加熱
されて、短絡電流が抑制される。
【0029】上記のように、この実施の形態1によれ
ば、電極2AとPTC素子1との間の接触抵抗が安定化
されるので、限流波高値を安定化させることができる。
又、電極2AとPTC素子1との間の接触抵抗が安定化
するので、通電性能も安定化する。
【0030】実施の形態2.実施の形態2は、上記実施
の形態1における絶縁物3をPTC素子1の表面側に配
設したものである。以下、これを図3に基づいて説明す
る。図3は2つの電極がPTC素子を挟むように圧接す
る前の状態を示す限流器の要部拡大分解図である。尚、
実施の形態1と同一の符号は同一の内容である。
【0031】図1に示す実施の形態1では、フィルム形
状の絶縁物3が電極2AとPTC素子1との間に介在さ
れた状態で、両電極2A、2Bを加圧させて構成した
が、この形態2では、図3に示すように、PTC素子1
の表面にフィルム形状の絶縁物3を一体化させた構成と
したものである。
【0032】絶縁物3としての被膜は、例えば次に示す
ようにして形成する。先ず、揮発性の溶媒に絶縁性の樹
脂を溶かし、この樹脂を溶かした液をPTC素子1の表
面に塗布して、塗布した液の揮発性の溶媒を蒸発させ
る。これにより、PTC素子1の表面に絶縁物3として
絶縁性樹脂の被膜を一体化させて形成することができ
る。絶縁物3としての被膜の形成方法は、これに限ら
ず、例えば、PTC素子1の表面に絶縁性の接着剤を塗
布することによって形成してもよい。この場合、接着剤
は、常温抵抗率が前記PTC素子1の常温抵抗率より大
きい導電性接着剤が好適であり、これにより、電極2A
とPTC素子1との間の接触抵抗を低めに設定すること
ができる。又、他の絶縁物3としての被膜の形成方法と
しては、例えばスプレー方式で液を吹きかける方法等、
適宜な手段を用いることができる。
【0033】何れにしても、適宜な手段を用いて、絶縁
物3としての被膜をPTC素子1の表面に当該PTC素
子1に一体化するように形成することにより、取扱い難
い被膜状の絶縁物3がPTC素子1と予め一体化される
ので、単体として取り扱うことができ、限流器の組立作
業が容易となり、作業効率を向上させる。
【0034】上記のように被膜状の絶縁物3が一体的に
形成されたPTC素子1を、図示しない弾性体(図1、
図2の符号5)により、一対の電極2A、2Bで加圧さ
せると、上記実施の形態1で説明したと同様にして、同
図2に示す状態となり、電極2A、2BとPTC素子1
とが電気的に接続される。
【0035】従って、上記実施の形態と同様に、最初
(第1回)の短絡事故が発生すると、電極2AとPTC素
子1との間の接触抵抗によってPTC素子1が加熱さ
れ、PTC素子1の表面部が高抵抗状態に遷移して、短
絡電流が抑制される。PTC素子1によって抑制された
電流は、図示しない遮断器で遮断される。他方、PTC
素子1の表面部は、PTC素子1の表面に形成された絶
縁物3の分解温度に達して、電極2AとPTC素子1と
の間にアークが発生し、発生したアークの熱によって、
絶縁物3が分解され、その殆ど又は全てが消失する。
【0036】こうして、絶縁物3が消失することによ
り、電極2AとPTC素子1との間の接触抵抗は低減す
る。又、PTC素子1の電極2A側の表面がアークによ
って損傷することにより、電極2AとPTC素子1との
間の接触抵抗が増大する。このように、この実施の形態
2においても、上記実施の形態1と同様に、電極2Aと
PTC素子1との間の接触抵抗には低減要因と増大要因
が存在し、電極2AとPTC素子1との間の接触抵抗の
変化が小さく抑制される。
【0037】この実施の形態2によれば、上記実施の形
態1の場合と同様、電極2AとPTC素子1との間の接
触抵抗が安定化され、実施の形態1の場合と同様の作用
効果が得られる外、比較的簡単な手段で、PTC素子1
の表面に絶縁物3が一体的に形成され、固定されるの
で、上記実施の形態1のように絶縁物3を別体として形
成しておくことに比べ、構成部品の点数を低減でき、し
かも、単体としての取扱いが便利となるので、装置の組
立てが容易となり、組立ての作業効率を向上させる。
【0038】実施の形態3.実施の形態3は、上記実施
の形態1や形態2における絶縁物3を、PTC素子1の
一方の電極対向面のみでなく、双方(両側)の電極対向面
に設けた構成としたものである。以下、これを図4に基
づいて説明する。図4はPTC素子1の2つの電極対向
面にそれぞれ、絶縁物3としての被膜を当該PTC素子
1と一体化して形成した限流器の要部拡大分解図であ
る。尚、上記実施の形態1や形態2と同一の符号は同一
の内容のものである。
【0039】図4において、PTC素子1の両側の電極
対向面に絶縁物3としての皮膜を形成する手段として
は、上記実施の形態2で説明した手段の他に、次のよう
な手段がある。先ず、揮発性の溶媒に樹脂を溶かし、こ
の液にPTC素子1を浸してから、引き上げる。PTC
素子1を引き上げた後に、揮発性の溶媒を蒸発させる
と、PTC素子1の表面に絶縁物3としての被膜が一体
化して形成される。こうして形成される被膜の厚さは、
例えば1〜20μであり、好ましくは例えば3μの厚さ
とするのがよい。
【0040】この実施の形態3では、先ず最初(第1回)
の短絡事故発生即ち限流動作時には、PTC素子1の片
面、即ち、何れか一方の電極対向面でアークが発生す
る。接触抵抗の増大度が低い場合には、次の、第2回の
短絡事故発生即ち限流動作時に、PTC素子1の非アー
ク発生面、即ち、第1回目でアークが発生しなかった電
極対向面でアークが発生するので、PTC素子1のアー
ク熱損傷を抑制することができ、その結果、接触抵抗を
一層安定化させることができる。
【0041】実施の形態4.この実施の形態4では、絶
縁物3を粗面化された電極側に一体的に設けた構成とし
たものである。以下、これを図5に基づいて説明する。
図5は絶縁物3としての被膜を電極の粗面6側に一体化
して形成した限流器の要部拡大分解図である。尚、上記
実施の形態1乃至形態3と同一の符号は同一の内容のも
のである。
【0042】この絶縁被膜3は、例えばスプレー方式で
液を吹きかける方法で形成する。例えば、先ず、電極2
Aの粗面6を上に向けた状態にして置いて、樹脂が溶か
された揮発性溶剤を吹き付ける。吹き付けられた溶剤
は、電極2Aの凹凸部6Aに付着するが、凸部6Aに付
着した溶剤は、重力によって凹部6Bに流下して溜ま
り、時間の経過によって揮発性溶媒が飛散すると、無数
の凹部6Bを繋ぐように絶縁物3の被膜が一体的に形成
される。この方法によれば、比較的簡単な方法で絶縁物
3を電極側に形成することができる。
【0043】実施の形態5.実施の形態5は、電極とP
TC素子及び絶縁膜を熱融着によって一体化することに
よって、限流器を製造する製造方法を示すものである。
初回(第1回)の限流動作後の電極2AとPTC素子1
の接触抵抗は、PTC素子1の材質依存性が大きく、初
回限流動作後の電極2AとPTC素子1の接触抵抗の増
大が低い材料の場合には、初期接触抵抗を低く設定する
ことが望ましい。
【0044】この場合、電極2AとPTC素子1との間
の絶縁物3は、常温抵抗率がPTC素子1の常温抵抗率
より高い抵抗体にすることによって、電極2AとPTC
素子1の接触抵抗を低めに設定することができる。抵抗
体としては、カーボン繊維や、銅、ニッケル、タングス
テン等の金属繊維等を、ポリエチレンやポリプロピレン
やエポキシ樹脂やメラミン樹脂等の樹脂に混練して成形
する。しかし、電極2AとPTC素子1とを熱融着する
方法によれば、容易に電極2AとPTC素子1の接触抵
抗を低めに設定できるだけでなく、限流器の組立が容易
となる。
【0045】この熱融着による限流器の製造方法は、前
記一対の電極の挟圧面を無数の凹凸を有する粗面に形成
する工程と、前記一対の電極の挟圧面の一方又は双方と
前記PTC素子との間に、最初の限流動作時の発熱によ
って消滅若しくは略消滅する絶縁物を介在させる工程
と、前記両電極を強圧して当該電極の粗面の凸部の少な
くとも一部分が、直接、或いは絶縁物を突き抜けて、P
TC素子の表面部に圧接させる工程と、電極をPTC素
子に圧接させた状態にてPTC素子の表面部を溶解させ
るよう加熱する工程とを含む。以下、これを説明する。
【0046】第1工程 先ず、一対の電極2A、2BのPTC素子1を挟持する
側のそれぞれの面即ち挟圧面を粗面6化する。粗面6化
の程度は、表面に無数に形成される無数の凹凸部のう
ち、凸部6Aが後述の絶縁物3を突き抜ける程度とす
る。以下、これを粗面化工程という。
【0047】第2工程 次に、一方の挟圧面側、例えば電極2AとPTC素子1
との間に、比較的薄い皮膜状に形成した絶縁物3が挟み
込まれるように介在させる。以下、これを絶縁物介装工
程という。
【0048】第3工程 次、電極2Aと絶縁物3とPTC素子1と電極2Bと
を、この記述した順に重ねて、両電極2A、2B側か
ら、適当な挟圧手段例えばプレス装置を用いて、一方の
電極2Aの挟持面の凸部6Aが絶縁物3を突き抜けてP
TC素子1に少なくとも接触させるか、或いは、食い込
ませると共に、他方の電極2Bの挟持面の凸部6Aも同
様に、PTC素子1に接触させるか、或いは、食い込ま
せるように、挟圧する。以下、これをプレス工程とい
う。
【0049】第4工程 次に、両電極2A、2Bの凸部6AがPTC素子1の表
面部に少なくとも圧接された状態のままで、PTC素子
1を適当な加熱手段例えばヒータを用いて加熱し、PT
C素子1の表面部を軟化、溶融させると共に絶縁物3を
軟化させる。これによって、電極2AとPTC素子1と
に挟圧されている、当該絶縁物3を介して電極2AとP
TC素子1とを溶着させると共に、電極2BとPTC素
子1とをPTC素子1の表面部分の溶解によって溶着さ
せる。以下、これを加熱工程という。尚、絶縁物3側の
PTC素子1の表面部分の溶解により、絶縁物3側にお
いても、電極2Aの凸部6AとPTC素子1の表面部分
とが溶着する。
【0050】第5工程 次に、両電極2A、2BとPTC素子1とが溶着(接
着)したら、ヒータの加熱を止め、電極2A、PTC素
子1、及び絶縁物3を常温に戻す。この場合、室温にて
放熱させてもよいし、冷却してもよい。以下、これを冷
却工程という。
【0051】以上の第1乃至第5工程を経て、一対の電
極2A、2BとPTC素子1とが絶縁物3を挟んだ状態
で一体化される。絶縁物3やPTC素子1等の樹脂は、
金属よりも線膨張率が大きいので、PTC素子1(の表
面部)はその大きな収縮によって電極2A、2Bの粗面
6化された凹部6Bに強固に溶着する。これによって、
PTC素子1が両電極2A、2Bに確実に保持されると
共に、被膜状の絶縁物3も電極2AとPTC素子1との
間に確実に保持される。
【0052】この熱融着による製造方法によれば、PT
C素子1と電極2Aとが絶縁物3を介して溶着するの
で、密着性を向上させることができ、両者間の接触抵抗
を安定化させることができる。又、一対の電極2A、2
BとPTC素子1及び絶縁物3が一体化され、単体とし
て取り扱うことができるので、限流器の組立作業を効率
的に行うことができる。
【0053】尚、絶縁物3を電極2AとPTC素子1と
の間だけでなく、他方の電極2BとPTC素子1との間
に介在させる場合も、絶縁物3を電極2BとPTC素子
1との間に介在させた状態で、第1乃至第5の工程を行
えばよい。
【0054】実施の形態6.電極2AとPTC素子1の
間に、常温抵抗率がPTC素子1の常温抵抗率より高い
PTC材料を絶縁物3として設けることによっても限流
性能を一層高めることができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、挟圧面が粗面6化され
た一対の電極とPTC素子との間に、最初の限流動作時
の発熱によって消滅若しくは略消滅する絶縁物を介在さ
せ、粗面6化された電極の凸部6Aが前記絶縁物を突き
抜けPTC素子に電気的に接続する構成としたので、初
期状態での電極とPTC素子との間の接触抵抗を増大さ
せることができ、通電性能の低下を抑制しつつ、接触抵
抗と限流波高値とが安定な限流器を提供することができ
る。
【0056】又、本発明によれば、電極とPTC素子と
の間に挿入にされたフィルム形状の絶縁物が、電極によ
って圧接されたことにより、初期状態での電極とPTC
素子の間の接触抵抗を増大させることができる。
【0057】又、本発明によれば、最初の限流動作時の
発熱によって消滅若しくは略消滅する絶縁物がPTC素
子の表面に一体化して設けられたことにより、電極とP
TC素子との間に介在する絶縁物の介在位置を安定化さ
せることができると共に、絶縁物をPTC素子と共に一
体として取り扱うことができるので、限流器の組立て作
業を効率よく行うことができる。
【0058】又、本発明によれば、最初の限流動作時の
発熱によって消滅若しくは略消滅する絶縁物が少なくと
も一方の電極の粗面を形成する凹部に一体的に設けられ
たことにより、電極とPTC素子との間に介在する絶縁
物の介在位置を安定化させることができると共に、絶縁
物を電極と共に一体として取り扱うことができるので、
限流器の組立て作業を効率よく行うことができる。
【0059】又、本発明によれば、最初の限流動作時の
発熱によって消滅若しくは略消滅する絶縁物を抵抗体で
構成し、当該抵抗体の常温抵抗率をPTC素子の常温抵
抗率より高くしたことにより、通電性能と限流波高値と
を安定化することができ、電極とPTC素子との間の接
触抵抗を低めに設定することができる。
【0060】又、本発明によれば、最初の限流動作時の
発熱によって消滅若しくは略消滅する絶縁物をPTC材
料で構成し、当該PTC材料の常温抵抗率をPTC素子
の常温抵抗率より高くしたことにより、通電性能と限流
波高値とを安定化することができ、電極とPTC素子と
の間の接触抵抗を低めに設定することができる。又、限
流性能を高めることもできる。
【0061】又、本発明によれば、電極とPTC素子と
が熱融着されたことにより、通電性能と限流波高値とを
安定化することができる。又、電極とPTC素子との間
の接触抵抗を低めに設定することができる。
【0062】又、本発明によれば、絶縁物をPTC素子
の両側に設けることにより、通電性能と限流波高値をよ
り一層安定化させることができる。又、電極とPTC素
子との間の接触抵抗を低めに設定することができる。
【0063】又、本発明によれば、電極とPTC素子と
を接着剤で一体化したことにより、電極とPTC素子と
絶縁物とを単体として取り扱うことができるので、限流
器の組立が容易になる。
【0064】又、本発明よれば、電極とPTC素子と
を、常温抵抗率がPTC素子の常温抵抗率より大きい導
電性接着剤で一体化したことにより、電極とPTC素子
と絶縁物とを単体として取り扱うことができるので、限
流器の組立が容易になると共に、初期接触抵抗を低めに
設定することができる。
【0065】又、本発明によれば、比較的簡単な工程
で、比較的取り扱い難い絶縁物を電極とPTC素子との
所定位置に安定に介在させることができると共に、三者
が溶着により一体化されるので、通電性能と限流波高値
とを安定化することができ、電極とPTC素子との間の
接触抵抗をも低めに設定することができる。又、電極と
PTC素子と絶縁物とを単体として取り扱うことができ
るので、限流器の組立が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の限流器の要部拡大分解図であ
る。
【図2】 実施の形態1の別の状態を示す限流器の要部
拡大分解図である。
【図3】 実施の形態2の限流器の要部拡大分解図であ
る。
【図4】 実施の形態3の限流器の要部拡大分解図であ
る。
【図5】 実施の形態4の限流器の要部拡大分解図であ
る。
【図6】 第1の従来例としての限流器を示す斜視図で
ある。
【図7】 第1の従来例としての限流器の正面図であ
る。
【符号の説明】
1 PTC素子、2A 電極、2B 電極、3 絶縁
物、6 粗面、6A 凸部、6B 凹部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PTC素子と、当該PTC素子を挟圧す
    る一対の電極とを有する限流器において、 前記一対の電極の挟圧面を無数の凹凸を有する粗面に形
    成し、当該粗面の凸部の全部若しくは一部を前記PTC
    素子と電気的に接続可能に接触させると共に、前記一対
    の電極の挟圧面の一方又は双方の挟圧面と前記PTC素
    子との間に、最初の限流動作時の発熱によって消滅若し
    くは略消滅する絶縁物を介在させたことを特徴とする限
    流器。
  2. 【請求項2】 絶縁物は、電極の粗面とPTC素子との
    間に置かれて、挟圧力により粗面の凸部の少なくとも一
    部分が突き抜けてPTC素子と接触する状態で介在する
    ことを特徴とする請求項1に記載の限流器。
  3. 【請求項3】 絶縁物はフィルム形状であることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の限流器。
  4. 【請求項4】 絶縁物はPTC素子の表面に一体化して
    介在することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れ
    かに記載の限流器。
  5. 【請求項5】 絶縁物は電極の粗面の凹部に一体化して
    介在することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れ
    かに記載の限流器。
  6. 【請求項6】 絶縁物は常温抵抗率がPTC素子の常温
    抵抗率より高い抵抗体であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項5の何れかに記載の限流器。
  7. 【請求項7】 絶縁物は常温抵抗率がPTC素子の常温
    抵抗率より高いPTC材料であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項6の何れかに記載の限流器。
  8. 【請求項8】 電極とPTC素子とは接着剤で一体化さ
    れたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに
    記載の限流器。
  9. 【請求項9】 接着剤は、常温抵抗率がPTC素子の常
    温抵抗率より大きい導電性接着剤であることを特徴とす
    る請求項8の限流器。
  10. 【請求項10】 PTC素子と、当該PTC素子を挟圧
    する一対の電極とを有する限流器の製造方法において、 前記一対の電極の挟圧面を無数の凹凸を有する粗面に形
    成する工程と、前記一対の電極の挟圧面の一方又は双方
    と前記PTC素子との間に、最初の限流動作時の発熱に
    よって消滅若しくは略消滅する絶縁物を介在させる工程
    と、前記両電極を強圧して当該電極の粗面の凸部の少な
    くとも一部分をして、直接、或いは絶縁物を突き抜け
    て、PTC素子の表面部に圧接させる工程と、電極をP
    TC素子に圧接させた状態にてPTC素子の表面部を溶
    解させるよう加熱する工程とを含むことを特徴とする限
    流器の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007507384A (ja) * 2003-10-07 2007-03-29 ベール フランス ルファッシェ エス・アー・エス Ptc素子を有する特に自動車用の暖房装置

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JP2007507384A (ja) * 2003-10-07 2007-03-29 ベール フランス ルファッシェ エス・アー・エス Ptc素子を有する特に自動車用の暖房装置

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