JPH10312911A - 限流器 - Google Patents

限流器

Info

Publication number
JPH10312911A
JPH10312911A JP12044797A JP12044797A JPH10312911A JP H10312911 A JPH10312911 A JP H10312911A JP 12044797 A JP12044797 A JP 12044797A JP 12044797 A JP12044797 A JP 12044797A JP H10312911 A JPH10312911 A JP H10312911A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
ptc
ptc polymer
current
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12044797A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoe Takahashi
知恵 高橋
Tatsuya Hayashi
龍也 林
Sadajiro Mori
貞次郎 森
Itsuo Nishiyama
逸雄 西山
Hideo Horibe
英夫 堀邊
Shiro Murata
士郎 村田
Kenichi Nishina
健一 仁科
Manabu Sogabe
学 曽我部
Masahiro Ishikawa
雅廣 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP12044797A priority Critical patent/JPH10312911A/ja
Publication of JPH10312911A publication Critical patent/JPH10312911A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermistors And Varistors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短絡電流または過電流が流れたときに発生す
るアークによりPTC素子の抵抗が大きく増大すること
なく、電極が剥離することなく、さらに、限流動作前後
において、PTC素子の抵抗値の変化が小さい限流器を
提供する。 【解決手段】 ポリマーと、該ポリマー中に混入された
導電性物質とからなる正の抵抗温度特性を有するPTC
ポリマー部、および該PTCポリマー部に融着された一
対の電極からなるPTC素子を備えてなる限流器であっ
て、前記電極に少なくとも1つの貫通孔が形成されてお
り、該電極に、前記PTCポリマー部の表面に対して垂
直な方向に圧力が加えられてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PTC素子を備え
ており、短絡電流や過電流を限流するために用いられる
限流器に関する。さらに詳しくは、正の抵抗温度特性を
有するPTC(positive temperature coefficient)ポ
リマー部と、該PTCポリマー部に融着された一対の電
極からなるPTC素子の電極構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の限流器はPTC素子を備えてな
る。該PTC素子は、面状発熱体、温度センサ、短絡電
流保護素子または過電流保護素子などとして用いられ
る。また、前記PTC素子は、PTCポリマー部と、該
PTCポリマー部に電流を流すためにPTCポリマー部
に接触する一対の電極とからなる。前記PTCポリマー
部の「PTC」とは、抵抗の温度係数が正であることを
意味する。すなわち、PTCポリマー部は、常温での電
気抵抗率(常温電気抵抗率)が低く、高温になると急激
に抵抗率が上昇する特性(正の抵抗温度特性)を示す。
この特性をPTC特性という。
【0003】図14は、PTC素子の抵抗温度特性を示
すグラフである。図14において、縦軸は電気抵抗率
(Ω・cm)、横軸は温度(℃)を示す。図中で符号T
cを用いて示される温度は、電気抵抗率が急激に変化し
始める温度であり、転移温度という。
【0004】前記PTCポリマー部は、電気絶縁性を有
するポリマーに粒子状の導電性物質が混練された複合材
料からなる。前記ポリマーは、たとえば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンまたはナイロンなどであり、前記粒
子状の導電性物質は、カーボンブラックまたは金属粒子
である。かかるばあい、PTC特性は、発熱などの温度
上昇により、PTCポリマー部の温度がポリマーの溶融
温度を超えたときに、ポリマーが体積膨脹し、ポリマー
の非晶質部分(結晶粒界部分)に存在していた粒子状の
導電性物質が互いに離れることにより発現すると考えら
れている。
【0005】短絡電流から電気回路を保護するために、
前記PTC素子を電気回路に適用した例が、特開平4−
266001号公報に開示されている。
【0006】事故による短絡電流や過電流ではなく、通
常の負荷電流がPTC素子に流れている状態(以下、
「負荷電流通電状態」という)においては、PTC素子
の抵抗はたとえば数mΩ程度である。また、負荷電流が
連続的に流れるとジュール熱により、PTCポリマー部
の温度が上昇するが、温度上昇が少ないのでPTC素子
の抵抗値の上昇はわずかである。もし、事故が発生し、
電気回路に短絡電流または過電流が流れると、PTCポ
リマー部の温度が急激に上昇し、特定の温度(転移温度
Tc)を超えると、PTCポリマー部は低抵抗状態から
高抵抗状態へと変化する。
【0007】PTCポリマー部の一例として、ポリエチ
レンに粒子状の導電性物質であるカーボンブラックが混
練され分散されてなるPTCポリマー部がある。当該P
TCポリマー部では、ポリエチレンの温度が135℃を
超えるあたりで、ポリエチレンが大きく膨脹する。した
がって、ポリマーの非晶質部分(結晶粒界部分)に存在
していたカーボンブラックの粒子間隔が急激に広がり、
PTCポリマー部の状態が低抵抗状態から高抵抗状態へ
急激に転移する。その結果、高抵抗状態になったPTC
素子の抵抗は、低抵抗状態のときの1000倍以上にな
る。
【0008】前述のように、短絡電流や過電流がPTC
素子に流れ込むと、PTCポリマー部の抵抗が急激に上
昇し、短絡電流および過電流を抑制することができる。
PTC素子によって抑制された電流の波高値は、限流波
高値とよばれる。PTC素子により抑制された電流は、
電気回路に設置された開閉器などで遮断される。電流が
遮断されるとPTC素子にはジュール熱が発生しなくな
ると同時に、PTC素子の内部の熱が外部に方散される
ので、PTCポリマー部の温度が低下する。PTC素子
の温度が転移温度Tc以下に低下すると、負荷電流の再
通電が可能となる。このように、短絡電流および過電流
が流れた際に、PTC素子の抵抗の大幅な増大により、
電気回路を保護することができる。
【0009】ところで、PTCポリマー部に電流を供給
するために、電極をPTCポリマー部に接触させるとい
う方法をとるが、単に接触させただけでは、PTCポリ
マー部と電極とのあいだの接触抵抗が大きくなってしま
う。接触抵抗が大きいということは、負荷電流通電時に
PTCポリマー部と電極との界面での発熱が大きくな
る。その結果、PTC素子の温度上昇が増大する。通
常、当該PTC素子は、電極とPTCポリマー部との接
触抵抗を下げるために、PTCポリマー部を電極により
押すように、PTCポリマー部の表面に対して垂直な方
向にPTC素子に圧力をかけて接触状態をよくし、PT
C素子を保護するための限流器容器内にPTC素子を納
める。しかし、単にPTC素子に圧力をかけただけで
は、接触抵抗を低減するという効果を充分にうることが
できない。また、PTCポリマー部と電極とのあいだの
接触抵抗は圧力依存性が大きいため、PTC素子の抵抗
の制御が難しいという問題がある。
【0010】かかる問題を解決するための、PTCポリ
マー部と電極とのあいだの接触抵抗を下げる方法は、特
公平5−9921号公報に開示されている。該公報に
は、あらかじめPTCポリマー部に接触する面が粗面化
された金属板をPTCポリマー部に接合することによ
り、接合強度を上げるとともに接触抵抗を下げる方法が
開示されている。また、特公昭63−117401号公
報には、電極をPTCポリマー部に熱圧着(融着)する
ことによりPTC素子を製造する方法が開示されてい
る。かかる方法では、PTCポリマー部と電極との接触
面積を増やすことでPTCポリマー部と電極とのあいだ
の接触抵抗が下げられている。このように、PTCポリ
マー部に電極を融着して製造されたPTC素子は、PT
Cポリマー部と電極との界面の接触抵抗が、融着してい
ないものに較べて小さく、また、PTC素子の圧力依存
性が小さいため、安定した抵抗値をうることができる。
【0011】また、PTCポリマー部で発生したジュー
ル熱の放散(放熱)を促進する方法の一例として、特開
平2−288303号公報に開示された方法がある。該
公報には、電極を通気性を有する材料を用いて形成し、
通気性を有する電極を通して放散を促進する方法が開示
されている。また、特開昭63−128605号公報に
は、電極をくりぬきパターンを有する電極にする方法が
開示されている。かかる方法は、電極にどの程度くりぬ
きパターンを形成するか、すなわち電極のくりぬき率に
よって、電極の有効面積を調整し、PTC素子の抵抗値
を調整することを目的とするものである。さらに、電極
にくりぬきパターンを形成することによって、PTC素
子内部で発生した熱の放散を促進することもできる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来、電気回路を保護
するために用いられていたPTC素子は、さきに述べた
ように、PTCポリマー部に電極を融着することにより
接触抵抗を下げ、結果としてPTC素子の常温電気抵抗
率を下げていた。また、前述のようの電極を通気性を有
する材料によって形成したり、電極にくりぬきパターン
をもたせることで、放熱を促進する方法がとられてい
た。しかし、単に電極に通気性を有する材料によって形
成したり、くりぬきパターンをもたせるだけでは、PT
Cポリマー部と電極との接触面積が少なくなり、PTC
素子としての抵抗が高くなってしまい、連続して流せる
負荷電流が小さくなるという問題がある。
【0013】しかし、前述のPTC素子は、大きな負荷
電流を流す必要がある電力分野に使われることは少な
い。なぜなら、前述のPTC素子に事故などによる短絡
電流が流れ込むと、PTCポリマー部が急激に分解温度
に達し、電極とPTCポリマー部との界面からアークが
発生するからである。該発生したアークによって、PT
Cポリマー部で分解ガスが生成され、ガス圧力により電
極がPTCポリマー部から剥離してしまい、再通電がで
きなくなるという問題がある。なお、前記分解温度と
は、PTCポリマー部に含まれるポリマーが、より構造
の簡単な化合物に変わりつつ、溶融しかつ気化する温度
をいう。なお、前記電力分野での使用の例としては、配
電系統でのブレーカーなどと組み合わせた使用がある。
【0014】電力分野への応用のためには、ばね状の弾
性体などで、電極をPTCポリマー部に押しつける必要
がある。図15は、従来の限流器の一例を示す説明図で
あり、PTCポリマー部に電極が融着され、該電極がば
ね状の弾性体でPTCポリマー部に押しつけられてい
る。図15において、10はPTCポリマー部、20
は、PTCポリマー部10に融着された2つの電極(以
下、「融着電極」ともいう)、30は、融着電極20に
電気的に接続された導電板、31は、導電板30を介し
て融着電極20に電流を供給するための電流導入端子、
32は絶縁枠、33は、PTC素子に圧力をかけるため
のばね状の弾性体、34は、PTC素子を保護するため
の限流器容器である絶縁容器、35aはボルト、35b
はナット、36は、絶縁容器34の内側の高さを一定に
保つためのスペーサーを示す。
【0015】たとえば、特開平4−266001号公報
には、電極がPTCポリマー部に融着されておらず単に
接触しているPTC素子が開示されている。さらに、該
PTC素子は、電極がPTCポリマー部にばね状の弾性
体などで押しつけられている。かかるPTC素子では、
アークによって生成された炭化物がPTCポリマー部と
電極との界面に付着し、PTCポリマー部と電極との接
触状態がよくなる。その結果、PTCポリマー部および
電極間の接触抵抗を下げることができ、電気回路復旧
後、通電を再開しても発熱が増加するなどの問題は生じ
ない。
【0016】しかし、図15に示されるような限流器で
は、PTCポリマー部と融着電極との界面からアークが
発生し、アークによってPTCポリマー部で分解ガスが
発生し、分解ガスが融着電極とPTCポリマー部とのあ
いだに残留し、限流器を動作させた後、PTCポリマー
部と融着電極との接触状態がわるくなる。しかし、PT
C素子に圧力を加えていなければ、融着電極がPTCポ
リマー部から剥がれてしまう。PTCポリマー部と融着
電極との接触状態がわるくなると、限流器を動作させた
後(限流動作後)のPTC素子の抵抗値は、PTCポリ
マー部と融着電極との接触抵抗が増大するので、限流器
を動作させる前(限流動作前)の抵抗値よりも大きくな
ってしまう。
【0017】さらに、抵抗が増大したPTC素子に、電
気回路復旧後、負荷電流の再通電を行うと、通常流れる
大きさの負荷電流でPTC素子の発熱が増大する。PT
C素子は温度が上昇すると抵抗が増大するので、抵抗が
増大するとますます発熱が増すことになる。その結果、
通常の大きさの負荷電流を通電している状態でも、加速
度的にPTC素子の抵抗の大幅な増大が引き起こされ、
短絡電流および過電流が流れたときのみ電流を抑制する
という本来の機能を果たせなくなるという問題が生じ
る。
【0018】本発明はかかる問題を解決するためになさ
れたものであり、電極がPTCポリマー部に融着された
PTC素子を用いた限流器において、短絡電流または過
電流が流れたときに発生するアークにより、PTCポリ
マー部と電極との接触状態がわるくなり、PTC素子の
抵抗が大きく増大するという問題と、電極が剥離すると
いう問題とを解決し、限流動作前後において、PTC素
子の抵抗値の変化が小さい限流器を提供することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の限流器は、ポリ
マーと、該ポリマー中に混入された導電性物質とからな
る正の抵抗温度特性を有するPTCポリマー部、および
該PTCポリマー部に融着された一対の電極からなるP
TC素子を備えてなる限流器であって、前記電極に少な
くとも1つの孔が形成されており、該電極に、前記PT
Cポリマー部の表面に対して垂直な方向に圧力が加えら
れてなるものである。
【0020】また、前記孔が形成されていないばあいの
電極とPTCポリマー部材との融着面積に対する、前記
電極の孔の総断面積の割合を示す開口率が、開口率
(%)=総断面積/融着面積×100≦70となるよう
に、前記電極に孔が形成されるものである。
【0021】さらに、前記電極の各孔内にPTCポリマ
ー部を突出せしめるように、前記PTCポリマー部に対
し前記電極が押圧されるものである。
【0022】さらに、前記電極の各孔内にPTCポリマ
ー部を突出せしめるように、前記PTCポリマー部に対
し前記電極が押圧され、該電極の露出した面と当該電極
周辺のPTCポリマー部の面とが同一面にある。
【0023】また、前記電極の孔の等価直径および電極
間距離が、等価直径/電極間距離<3の関係を満たすよ
うに、孔の等価直径および電極間距離が設定されるもの
である。
【0024】また、前記一対の電極が2つの電極からな
り、一方の電極が孔を有し、他方の電極が孔を有してい
ないものである。
【0025】また、前記PTCポリマー部が、互いに常
温電気抵抗率が異なる複数のPTCポリマー層からなる
多層構造体であり、最も外側に設けられた2つのPTC
ポリマー層のうち、相対的に常温電気抵抗率が高い方の
PTCポリマー層に、孔を有する電極が融着され、相対
的に常温電気抵抗率が低い方のPTCポリマー層に、孔
を有していない電極が融着されるものである。
【0026】また、前記電極が伸縮性のある金属を用い
て形成されるものである。
【0027】さらに、前記伸縮性のある金属がエキスパ
ンドメタルである。
【0028】また、前記電極の材料がニッケルである。
【0029】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の限流器の実施の
形態をについて説明する。
【0030】実施の形態1.図面を参照しつつ、本発明
の限流器の実施の形態1について説明する。
【0031】図1は本発明の限流器の一実施の形態を示
す断面説明図である。図1において、1はPTCポリマ
ー部、2は、PTCポリマー部1に融着された電極(融
着電極)を示す。さらに、図15と同一の部分は同じ符
号を用いて示した。
【0032】前記融着電極2は、孔を設けた銅板に銀や
ニッケルなどのメッキが施されたものであり、図1にお
いては、貫通孔が設けられている。
【0033】。導電板30および電流導入端子31は、
たとえば、銅板に銀やニッケルなどのメッキが施された
ものである。融着電極2、導電板30および電流導入端
子31は互いに電気的に接続されている。なお、導電板
30は電流導入端子31と一体化されていてもよい。ま
た、導電板30は、融着電極2と一体化され、PTCポ
リマー部1に融着されていてもよい。絶縁枠32は、短
絡電流または過電流がPTC素子に流れ、限流動作が起
こったときに発生するアークによって生成された導電性
のガスにより、電流導入端子31間で短絡が生じるのを
防止するために、PTCポリマー部1の周辺部に設けら
れる。絶縁容器34は、ボルト35aおよびナット35
bを締め付けることによりPTC素子を固定しうる。弾
性体33は、たとえば板ばねであり、電流導入端子31
と絶縁容器34とのあいだに配置される。本実施の形態
においても弾性体33は、PTCポリマー部1の表面に
対して垂直な方向において、融着電極2およびPTCポ
リマー部1からなるPTC素子と、導電板30と、電流
導入端子31とに弾性的な圧力を及ぼす。
【0034】短絡電流または過電流が流れると、PTC
ポリマー部1自身の発熱(ジュール熱の発生)に加え
て、PTCポリマー部1と融着電極2との界面の接触抵
抗による発熱(ジュール熱の発生)が加わり、該ジュー
ル熱によりPTCポリマー部1の温度が上昇する。PT
Cポリマー部1の温度が転移温度を超えると、PTCポ
リマー部1と融着電極2との界面近傍に存在するポリマ
ーが溶融し、粒子状の導電性物質間の距離が増大し、P
TCポリマー部1は低抵抗状態から高抵抗状態へと変化
する。このとき、PTCポリマー部1のうち、融着電極
2との界面の近傍部分は、転移温度をはるかに超えて分
解温度に達し、アークが発生する。発生したアークによ
り生成される導電性ガスは、PTCポリマー部1と融着
電極2とのあいだに残留することなく融着電極2に設け
られた貫通孔を介して、アークによって発生した融着電
極2と導電板30とのあいだの間隙から放出される。ま
た、融着電極2を弾性体33によりPTCポリマー部1
に押しつける(圧力を加える)ことで、アークにより融
着電極が素子から剥離するのを防ぐことができる。
【0035】前述のように、融着電極2に貫通孔を設け
るとともに、融着電極2をPTCポリマー部1に押しつ
けうるように形成することにより、導電性ガスによりP
TCポリマー部1と融着電極2との接触状態がわるくな
ることがなく、限流動作前後でのPTC素子の抵抗の変
化を小さくすることができる。
【0036】また、貫通孔を設けることにより、PTC
ポリマー部1と融着電極2との融着面積(融着面積)を
S、限流動作時の限流波高値のピークをIpとしたと
き、限流性能を示す単位融着面積あたりの電流密度Ip
/Sを大きくでき、限流波高値を下げることができる。
したがって、限流性能のすぐれたPTC素子をうること
ができる。
【0037】さらに、孔の深さ方向に対して垂直な断面
の形状は、円状であっても、角状であっても、非対称な
鍵穴状のものであってもよい。前記孔内部の少なくとも
一部には、融着電極とPTCポリマー部との融着の際
に、軟化したPTCポリマー部が突出せしめられる。
【0038】図2は、図1の限流器に含まれる融着電極
の他の例を示す説明図である。図2において、図1と同
一の部分は同じ符号を用いて示した。
【0039】融着電極2には、図2(a)に示されるよ
うに孔の代わりに溝が設けられていてもよい。さらに、
溝内部の少なくとも一部には、融着電極とPTCポリマ
ー部との融着の際に、軟化したPTCポリマー部の突出
せしめられ、図2(b)に示されるように、溝内部のう
ち半分程度までPTCポリマー部が突出せしめられてい
てもよい。
【0040】実施の形態2.つぎに、本発明の限流器の
実施の形態2について図面を参照しつつ説明する。な
お、融着電極中の1つの孔の深さ方向に対して垂直な断
面の面積に孔の数を掛けた値、すなわち総断面積をS
H、孔が設けられていない融着電極とPTCポリマー部
との融着面積をSAとするとき、融着面積の開口率は式
(1)で表すことができる。
【0041】 開口率(%)=SH/SA×100 (1) 本実施の形態においては、開口率を考慮して形成された
限流器について説明する。図3は、限流動作前の本発明
のPTC素子の開口率と電気抵抗との関係を示すグラフ
である。図3において、縦軸は電気抵抗(mΩ)、横軸
は開口率(%)を示す。開口率が0%のとき、融着電極
には孔は設けられていないものとし、孔の断面積が大き
くなる(または孔の数が増える)につれ開口率は大きく
なる。常温における限流器中のPTC素子の抵抗は、開
口率が大きいほど、PTCポリマー部と融着電極との接
触面積が小さくなり、接触抵抗を含むPTC素子の電気
抵抗は増大する。
【0042】図3に示されるように、融着電極の開口率
が70%以下であれば、PTC素子の電気抵抗は大きく
変らないが、開口率が70%を超えるとPTC素子の電
気抵抗は急激に増大しはじめる。すなわち、開口率が7
0%を超えると、PTCポリマー部と融着電極との界面
の接触抵抗が急激に増大し、PTC素子の電気抵抗を低
くすることができず、連続して流せる負荷電流が小さく
なってしまう。
【0043】また、短絡電流または過電流がPTCポリ
マー部に流れ、限流動作したのちのPTC素子の電気抵
抗は、開口率が大きいほど、限流時にPTCポリマー部
と融着電極との界面で発生するアークによって生成され
る分解ガスを孔を通して外部に放出しやすくなる。すな
わち、ガス抜き効果が大きくなる。また、分解ガスを外
部に放出することで、PTCポリマー部と融着電極との
接触状態がわるくなることを防ぐことができる。また、
PTCポリマー部が分解およびガス化され、PTCポリ
マー部の厚さが減少するので、PTC素子の電気抵抗が
減少し、限流動作後のPTC素子の電気抵抗の増大を防
ぐことができる。
【0044】したがって、融着電極の開口率を70%以
下に設定することで、限流時に発生するアークによる分
解ガスを抜く効果をうるとともに、PTC素子の電気抵
抗を下げ、負荷電流通電時の発熱を抑えることができ
る。
【0045】実施の形態3.つぎに、本発明の限流器の
実施の形態3について図面を参照しつつ説明する。図4
は、本発明の限流器の他の実施の形態を示す部分断面図
である。図4には、限流器のうちのみが示されている。
【0046】本実施の形態においては、融着電極2の各
孔内にPTCポリマー部1を突出せしめるように、PT
Cポリマー部1に対し融着電極2が押圧されている。融
着電極2の各孔内にPTCポリマー部1を突出せしめる
ことにより、PTCポリマー部1と融着電極2との接触
面積が大きくなり、PTC素子の電気抵抗を下げること
ができる。したがって、負荷電流通電時の発熱を抑える
ことができる。
【0047】実施の形態4.つぎに、本発明の限流器の
実施の形態4について図面を参照しつつ説明する。図5
は、本発明の限流器のさらに他の実施の形態を示す部分
説明図である。図5には、限流器のうち、PTCポリマ
ー部1、融着電極2および絶縁枠32のみが示されてい
る。
【0048】本実施の形態においては、融着電極2の各
孔内にPTCポリマー部を突出せしめるように、PTC
ポリマー部1に対し融着電極2が押圧され、その結果、
融着電極2の露出した面と当該融着電極2周辺のPTC
ポリマー部1の面とが、同一面になる。したがって、前
述の実施の形態3と比較して、PTCポリマー部1と融
着電極2との接触面積がより大きくなり、負荷電流通電
時の発熱をさらに抑えることができる。
【0049】実施の形態5.つぎに、本発明の限流器の
実施の形態5について図面を参照しつつ説明する。
【0050】なお、融着電極を有するPTC素子におい
て、PTCポリマー部の側面を除いた面の面積の2分の
1の面積(PTCポリマー部面積)をS、1つの融着電
極のPTCポリマー部と接触する面の面積(融着電極面
積)をSA、2つの融着電極間の距離をt、PTC素子
の常温電気抵抗率をρLとする。
【0051】たとえば、融着電極に孔が設けられていな
いばあい、PTCポリマー部と融着電極との接触抵抗は
非常に小さく、また、PTC素子に電流を供給する導電
板と融着電極との接触は金属同士の接触なので接触抵抗
は無視できるほど小さい。したがって、PTC素子の抵
抗Rは近似的に式(2)で表すことができる。
【0052】R=ρL×t/SA (2) 図6は、本発明の限流器のさらに他の実施の形態を示す
部分説明図である。図6には、本発明の限流器のうち、
PTCポリマー部1と融着電極2のみが示されている。
図6(a)は、PTCポリマー部と融着電極を示す断面
説明図であり、図6(b)は、PTCポリマー部と融着
電極を示す上面説明図である。
【0053】融着電極2に孔を設けたばあい、孔の等価
直径をd、2つの融着電極間の距離をt、孔の総断面積
をSHとする。なお、前記等価直径とは、もし、孔の断
面が円状でないばあいも、孔の断面積にもとづき円状に
置き換え求めた直径をいう。
【0054】図7は、本発明の限流器の電流経路を示す
説明図である。図7には、本発明の限流器のうち、PT
Cポリマー部1、融着電極2および電流経路4のみが示
されている。
【0055】たとえば、孔の総断面積SHが小さい、す
なわち孔の等価直径dが小さいばあい、図7(a)に示
されるように、PTCポリマー部1の、孔に挟まれた部
分にも電流経路4が広がり電流が流れ込む。したがっ
て、PTC素子の電気抵抗は、孔を設けていないばあい
と比較して大きく変わらない。しかし、孔の等価直径d
が大きく、かつ、2つの融着電極間の距離tが大きいば
あい、図7(b)に示されるように、PTCポリマー部
1の、孔に挟まれた部分に電流が流れ込みにくい部分が
でき、PTC素子の電気抵抗が増大する。
【0056】図8は、本発明の限流器の等価直径/電極
間距離と電気抵抗との関係を示すグラフである。図8に
おいて、横軸は等価直径d/電極間距離t、縦軸はPT
C素子の電気抵抗(mΩ)を示す。図8によると、等価
直径d/電極間距離tが3以上になると、急激に電気抵
抗が増大する。したがって、等価直径d/電極間距離t
を3より小さくすることで、PTC素子に負荷電流を通
電したとき、電流経路を確保することができ、PTC素
子の電気抵抗を低く設定できる。同時に、PTC素子に
短絡電流または過電流が流れたときに、PTCポリマー
部の温度上昇が場所によって極端に変化し不均一になる
ことを防ぐことができる。
【0057】実施の形態6.つぎに、本発明の限流器の
実施の形態6について図面を参照しつつ説明する。図9
は、本発明の限流器のさらに他の実施の形態を示す部分
説明図である。図9には、本発明の限流器のうち、PT
Cポリマー部、融着電極および絶縁枠のみが示されてい
る。図9において、2aは、孔が設けられた融着電極、
2bは、孔が設けられていない融着電極を示す。図9に
おいて、図1と同一の部分は同じ符号を用いて示す。
【0058】本実施の形態においては、2つの融着電極
のうち一方の融着電極2aには孔が設けられ、他方の融
着電極2bには孔が設けられない。したがって、孔が設
けられた融着電極2aとPTCポリマー部1との接触抵
抗が、孔が設けられない融着電極2bとPTCポリマー
部1との接触抵抗よりも高くなる。その結果、短絡電流
または過電流が流れたとき、限流動作が接触抵抗の高い
側で集中しておこり、アークによって生成された分解ガ
スも、孔が設けられた融着電極2a側からの放出され
る。本実施の形態によれば、2つの融着電極のうち1つ
の融着電極に孔が設けられないことにより、限流器全体
としての電気抵抗を下げることができ、負荷通電時の発
熱が少ない限流器を提供することができる。
【0059】実施の形態7.つぎに、本発明の限流器の
実施の形態7について図面を参照しつつ説明する。図1
0は、本発明の限流器のさらに他の実施の形態を示す部
分説明図である。図10には、本発明の限流器のうち、
PTCポリマー部、融着電極および絶縁枠のみが示され
ている。図10において、図1および図9と同一の部分
は同じ符号を用いて示す。
【0060】本実施の形態において、PTCポリマー部
は、互いに常温電気抵抗率が異なる複数のPTCポリマ
ー層からなる多層構造体である。図10には、PTCポ
リマー部が3つのPTCポリマー層1a、1b、1cか
らなる限流器が示されている。さらに、最も外側に設け
られた2つのPTCポリマー層1a、1cのうち、上側
のPTCポリマー層1aには、孔を有する融着電極1a
が融着され、下側のPTCポリマー層1bには、孔を有
していない融着電極1bが融着されている。
【0061】前記3つのPTCポリマー層1a、1b、
1cの常温電気抵抗率を、それぞれρLa、ρLb、ρ
Lcとすると、3つの常温電気抵抗率の大小関係は、式
(3)で表すことができる。
【0062】ρLa>ρLb≧ρLc (3) すなわち、常温電気抵抗率が最も高いPTCポリマー層
1aには、孔を有する融着電極1aが融着され、常温電
気抵抗率が最も低いPTCポリマー層1cには、孔を有
していない融着電極1bが融着される。
【0063】短絡電流または過電流がPTC素子に流れ
ると、常温電気抵抗率が最も高いPTCポリマー層1a
が急激に発熱し、限流動作を開始しアークが発生する。
常温電気抵抗率が最も低いPTCポリマー層1cは、P
TCポリマー層1aに較べ電気抵抗が低いので、通常、
限流動作を発現しない。もし、限流動作を発現したとし
てもアークの発生量は少ない。したがって、常温電気抵
抗率が低い側のPTCポリマー層1cに孔を有していな
い融着電極1bが融着されることにより、限流器全体と
しての電気抵抗を下げることができ、負荷通電時の発熱
が少ない限流器を提供することができる。
【0064】実施の形態8.つぎに、本発明の限流器の
実施の形態8について図面を参照しつつ説明する。図1
1は、本発明の限流器のさらに他の実施の形態を示す部
分説明図である。図11には、本発明の限流器の融着電
極のみが示されている。本実施の形態においては、融着
電極は伸縮性のある金属22を用いて形成され、その他
の部分については、実施の形態1に示される限流器と同
様の構造を有する。伸縮性のある金属22の一例として
は、金網などがある。融着電極として伸縮性のある金属
22を用いることで、限流動作時におけるPTCポリマ
ー部の膨脹に融着電極が追随し、限流動作時に発生する
アークによりPTCポリマー部から融着電極が剥離する
ことを防止することができる。
【0065】実施の形態9.つぎに、本発明の限流器の
実施の形態9について図面を参照しつつ説明する。図1
2は、本発明の限流器のさらに他の実施の形態を示す部
分説明図である。図12には、本発明の限流器の融着電
極のみが示されている。本実施の形態においては、融着
電極は、伸縮性のある金属22としてのエキスパンドメ
タルを用いて形成され、その他の部分については、実施
の形態1に示される限流器と同様の構造を有する。
【0066】前述の実施の形態8において示された金網
は、細い金属線を寄り合わせて作られる。これに対し、
エキスパンドメタルは、一枚の金属板、たとえば銅板に
切り込みを多数設け、さらに、該切り込みの長手方向に
対して垂直な方向に金属板を引っ張ることによりえられ
る。金網が細い金属線を寄り合わせて作られるのに対
し、エキスパンドメタルは一枚の金属板からなるため、
金網よりも電気抵抗が低く、通常通電できる負荷電流の
大きさをより大きくできる。
【0067】また、金網は細い金属線を寄り合わせて作
られるので、端部で編み目がほどけやすく、切断加工が
難しいという問題がある。さらに、切断加工後の組み込
み作業(プレス機などを用いたPTCポリマー部への融
着電極の熱融着およびPTCポリマー部への絶縁枠のと
りつけなど、PTC素子を絶縁容器内に配置するまでの
作業)中にも、端部で編み目がほどけて作業性が非常に
わるい。もし、端部で編み目がほどけると、融着電極間
で短絡事故が発生しやすくなり問題がある。
【0068】さらに、金網は細い金属線を寄り合わせて
作られるので、金属線と金属線の交差部の厚さが厚くな
り、交差部に弾性体などによっておよぼされる圧力が集
中する。したがって、融着電極をPTCポリマー部に融
着するための熱融着時において、交差部の金網がPTC
ポリマー部により大きく食い込むようになり、PTC素
子の厚さが不均一になる。同時に、交差部の金網がPT
Cポリマー部により大きく食い込むことにより、限流動
作時のPTC素子の損傷が大きくなり、動作回数が減少
してしまうという問題がある。
【0069】本実施の形態で用いられたエキスパンドメ
タルは一枚の金属板からなるため、金網を用いたばあい
に生じる前述の問題を防止することができる。
【0070】実施の形態10.つぎに、本発明の限流器
の実施の形態10について説明する。
【0071】本実施の形態では、前述の実施の形態1〜
9に示される孔が設けられた融着電極の材料をニッケル
とする。したがって、空気中の酸素や、PTCポリマー
部に含まれる水分などにより、融着電極が酸化すること
を防止でき、限流器の電気抵抗の安定化、および長寿命
化が図れる。なお、たとえば、銅または黄銅のような他
の金属にニッケルを用いてメッキを施したばあいにも同
様の効果がえられる。
【0072】実施の形態11.つぎに、本発明の限流器
の実施の形態9について図面を参照しつつ説明する。図
13は、本発明の限流器のさらに他の実施の形態を示す
断面説明図である。図13において、図1と同一の部分
は同じ符号を用いて示した。
【0073】本実施の形態においては、限流器の電流導
入端子30に孔が設けられ、電流導入端子30が、直
接、PTCポリマー部1に融着され、融着電極および導
電板の役割も果たしている。その結果、限流器の部品点
数を減らすことができるので、限流器を製造する際のコ
ストを削減することができる。
【0074】
【発明の効果】本発明の限流器によれば、ポリマーと、
該ポリマー中に混入された導電性物質とからなる正の抵
抗温度特性を有するPTCポリマー部、および該PTC
ポリマー部に融着された一対の電極からなるPTC素子
を備えてなる限流器であって、前記電極に少なくとも1
つの孔が形成されており、該電極に、前記PTCポリマ
ー部の表面に対して垂直な方向に圧力が加えられてなる
ものであるので、限流動作時に発生するアークにより増
大するPTC素子の抵抗を小さくすることができ、か
つ、電極の剥離を防止することができ、したがって、限
流動作前後において、PTC素子の抵抗値の変化を小さ
くすることができる。
【0075】また、前記孔が形成されていないばあいの
電極とPTCポリマー部材との融着面積に対する、前記
電極の孔の総断面積の割合を示す開口率が、開口率
(%)=総断面積/融着面積×100≦70となるよう
に、前記電極に孔が形成されるものであるばあい、限流
時に発生するアークによる分解ガスを抜く効果をうると
ともに、PTC素子の電気抵抗を下げ、負荷電流通電時
の発熱を抑えることができる。
【0076】さらに、前記電極の各孔内にPTCポリマ
ー部を突出せしめるように、前記PTCポリマー部に対
し前記電極が押圧されるものであるばあい、負荷電流通
電時の発熱を抑えることができる。
【0077】さらに、前記電極の各孔内にPTCポリマ
ー部を突出せしめるように、前記PTCポリマー部に対
し前記電極が押圧され、該電極の露出した面と当該電極
周辺のPTCポリマー部の面とが同一面にあるばあい、
負荷電流通電時の発熱を抑えることができる。
【0078】また、前記電極の孔の等価直径および電極
間距離が、等価直径/電極間距離<3の関係を満たすよ
うに、孔の等価直径および電極間距離が設定されるもの
であるばあい、PTC素子に負荷電流を通電したときの
PTC素子の電気抵抗を低く設定でき、かつ、PTC素
子に短絡電流または過電流が流れたときに、PTCポリ
マー部の温度上昇が場所によって極端に変化し不均一に
なることを防ぐことができる。
【0079】また、前記一対の電極が2つの電極からな
り、一方の電極が孔を有し、他方の電極が孔を有してい
ないものであるばあい、限流器全体としての電気抵抗を
下げることができ、負荷通電時の発熱を少なくすること
ができる。
【0080】また、前記PTCポリマー部が、互いに常
温電気抵抗率が異なる複数のPTCポリマー層からなる
多層構造体であり、最も外側に設けられた2つのPTC
ポリマー層のうち、相対的に常温電気抵抗率が高い方の
PTCポリマー層に、孔を有する電極が融着され、相対
的に常温電気抵抗率が低い方のPTCポリマー層に、孔
を有していない電極が融着されるものであるばあい、限
流器全体としての電気抵抗を下げることができ、負荷通
電時の発熱を少なくすることができる。
【0081】また、前記電極が伸縮性のある金属を用い
て形成されるものであるばあい、限流動作時に発生する
アークによりPTCポリマー部から融着電極が剥離する
ことを防止することができる。
【0082】さらに、前記伸縮性のある金属がエキスパ
ンドメタルであるばあい、通常通電できる負荷電流の大
きさをより大きくできる。
【0083】また、前記電極の材料がニッケルであるば
あい、融着電極が酸化することを防止でき、限流器の電
気抵抗の安定化、および長寿命化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の限流器の一実施の形態を示す断面説
明図である。
【図2】 図1の限流器に含まれる融着電極の他の例を
示す説明図である。
【図3】 限流動作前の本発明のPTC素子の開口率と
電気抵抗との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明の限流器の他の実施の形態を示す部分
断面図である。
【図5】 本発明の限流器のさらに他の実施の形態を示
す部分説明図である。
【図6】 本発明の限流器のさらに他の実施の形態を示
す部分説明図である。
【図7】 本発明の限流器の電流経路を示す説明図であ
る。
【図8】 本発明の限流器の等価直径/電極間距離と電
気抵抗との関係を示すグラフである。
【図9】 本発明の限流器のさらに他の実施の形態を示
す部分説明図である。
【図10】 本発明の限流器のさらに他の実施の形態を
示す部分説明図である。
【図11】 本発明の限流器のさらに他の実施の形態を
示す部分説明図である。
【図12】 本発明の限流器のさらに他の実施の形態を
示す部分説明図である。
【図13】 本発明の限流器のさらに他の実施の形態を
示す断面説明図である。
【図14】 PTC素子の抵抗温度特性を示すグラフで
ある。
【図15】 従来の限流器の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 PTCポリマー部、2 融着電極、30 導電板、
31 電流導入端子、32 絶縁枠、33 弾性体、3
4 絶縁容器、35a ボルト、35b ナット、36
スペーサー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 逸雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 堀邊 英夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 村田 士郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 仁科 健一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 曽我部 学 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 石川 雅廣 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーと、該ポリマー中に混入された
    導電性物質とからなる正の抵抗温度特性を有するPTC
    ポリマー部、および該PTCポリマー部に融着された一
    対の電極からなるPTC素子を備えてなる限流器であっ
    て、前記電極に少なくとも1つの孔が形成されており、
    該電極に、前記PTCポリマー部の表面に対して垂直な
    方向に圧力が加えられてなる限流器。
  2. 【請求項2】前記孔が形成されていないばあいの電極と
    PTCポリマー部材との融着面積に対する、前記電極の
    孔の総断面積の割合を示す開口率が、開口率(%)=総
    断面積/融着面積×100≦70となるように、前記電
    極に孔が形成される請求項1記載の限流器。
  3. 【請求項3】 前記電極の各孔内にPTCポリマー部を
    突出せしめるように、前記PTCポリマー部に対し前記
    電極が押圧される請求項1または2記載の限流器。
  4. 【請求項4】 前記電極の各孔内にPTCポリマー部を
    突出せしめるように、前記PTCポリマー部に対し前記
    電極が押圧され、該電極の露出した面と当該電極周辺の
    PTCポリマー部の面とが、同一面にある請求項3記載
    の限流器。
  5. 【請求項5】 前記電極の孔の等価直径および電極間距
    離が、等価直径/電極間距離<3の関係を満たすよう
    に、孔の等価直径および電極間距離が設定される請求項
    1または2記載の限流器。
  6. 【請求項6】 前記一対の電極が2つの電極からなり、
    一方の電極が孔を有し、他方の電極が孔を有していない
    請求項1または2記載の限流器。
  7. 【請求項7】 前記PTCポリマー部が、互いに常温電
    気抵抗率が異なる複数のPTCポリマー層からなる多層
    構造体であり、最も外側に設けられた2つのPTCポリ
    マー層のうち、相対的に常温電気抵抗率が高い方のPT
    Cポリマー層に、孔を有する電極が融着され、相対的に
    常温電気抵抗率が低い方のPTCポリマー層に、孔を有
    していない電極が融着される請求項1または2記載の限
    流器。
  8. 【請求項8】 前記電極が伸縮性のある金属を用いて形
    成される請求項1または2記載の限流器。
  9. 【請求項9】 前記伸縮性のある金属がエキスパンドメ
    タルである請求項8記載の限流器。
  10. 【請求項10】 前記電極の材料がニッケルである請求
    項1または2記載の限流器。
JP12044797A 1997-05-12 1997-05-12 限流器 Pending JPH10312911A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12044797A JPH10312911A (ja) 1997-05-12 1997-05-12 限流器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12044797A JPH10312911A (ja) 1997-05-12 1997-05-12 限流器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10312911A true JPH10312911A (ja) 1998-11-24

Family

ID=14786435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12044797A Pending JPH10312911A (ja) 1997-05-12 1997-05-12 限流器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10312911A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1231613A1 (de) * 2001-02-08 2002-08-14 Abb Research Ltd. Widerstandselemente mit PTC-Verhalten
KR100726040B1 (ko) 2005-01-12 2007-06-08 엘에스전선 주식회사 가압수단을 구비한 ptc 한류기

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1231613A1 (de) * 2001-02-08 2002-08-14 Abb Research Ltd. Widerstandselemente mit PTC-Verhalten
KR100726040B1 (ko) 2005-01-12 2007-06-08 엘에스전선 주식회사 가압수단을 구비한 ptc 한류기

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1639616B1 (en) Fuse, battery pack using the fuse, and method of manufacturing the fuse
KR101688671B1 (ko) 보호 소자
JP4939899B2 (ja) 導電端子の溶接方法、および導電端子構造
EP1206781A2 (en) Improvements to circuit protection devices
US20180294125A1 (en) Fuse device
KR102442404B1 (ko) 퓨즈 소자
WO2004114331A1 (ja) Ptcサーミスタ、および回路の保護方法
WO2016039305A1 (ja) 保護素子
JP2005513727A (ja) ばねクリップ、該ばねクリップを備えた過電圧避雷器および該過電圧避雷器の装置
JPH10312911A (ja) 限流器
JPH10321413A (ja) 限流器
KR101082865B1 (ko) 도전성 패턴이 형성된 보호회로 기판을 포함하는 전지팩
JP2003077705A (ja) ポリマーptcサーミスタ
JP4263543B2 (ja) 保護素子
KR100697917B1 (ko) Ptc 한류기
JP3828238B2 (ja) 限流器
JP2001325929A (ja) 電池用プロテクタ−
JP4623415B2 (ja) Ptc素子
JPH10270215A (ja) 限流器
KR102676890B1 (ko) 보호 회로, 배터리 팩 및 보호 회로의 동작 방법
JP3829692B2 (ja) 限流器
JP4479304B2 (ja) 限流器および限流遮断装置並びに限流器の製造方法
KR100429382B1 (ko) 엑시알 타입의 폴리머 정온도계수 저항소자
KR20220065859A (ko) 보호 회로, 배터리 팩 및 보호 회로의 동작 방법
JP2001135502A (ja) 電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041109

A521 Written amendment

Effective date: 20050111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20050215

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02