JP2003036555A - 光ヘッド装置 - Google Patents
光ヘッド装置Info
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Abstract
よく補正でき、ノイズの少ない良好な信号光が得られる
光ヘッド装置とする。 【解決手段】電極を表面に有する一対の基板に挟持され
た液晶層を備え、一方の基板の電極は、同心円状である
3つの円環状の低抵抗電極と、隣接する低抵抗電極間に
配されていて低抵抗電極とのシート抵抗値の比が100
0以上の高抵抗電極とを備え、他方の基板の電極は、平
面電極が同心円状に分割された複数のセグメント電極か
らなる分割電極を備え、かつ低抵抗電極および分割電極
の各々の中心を通る光軸が一致する位相補正素子4を得
て、この素子を光ヘッド装置の光源1と対物レンズ6と
の間の光路中に設置する。
Description
し、特に光ディスクなどの光記録媒体の情報の記録・再
生を行う光ヘッド装置に関する。
めに、光源である半導体レーザからの出射光の波長を短
くしたり、対物レンズの開口数(NA)を大きくするこ
とが実用化されている。次世代の光記録においては光源
の波長を405nm程度、NAを0.85とすること
で、より大きな記録密度を得ることが提案されている。
しかし、光源の短波長化や対物レンズの高NA化が原因
で、光ディスクの厚み変動の許容量が小さくなる。
スクの厚み変動に比例した球面収差が発生するために、
光ヘッド装置の集光特性が劣化して信号の読み取りが困
難になることによる。また、光ディスクの異なる層をそ
れぞれ記録層とする多層記録方式の場合、各層間隔に基
く球面収差が発生するため球面収差を補正する手段が必
要である。
が提案されている。一つは発生した球面収差の量に応じ
てコリメートレンズの位置を機械的に変化させ対物レン
ズとの間で球面収差を発生させ、光ディスクの厚み誤差
で発生する球面収差を打ち消す方式(機械方式)があ
る。この機械方式の場合、コリメートレンズの機械的可
動部分を必要とするため光ヘッド装置の構成が複雑また
は大きくなる欠点がある。
の光路中に備えた位相補正素子に電圧を印加することに
より波面収差を補正する方式(電気方式)がある。この
電気方式の場合、機械方式に比べ機械可動部分がないこ
とから小型軽量化や振動などの信頼性において優れてい
る。位相補正素子を用いて波面収差を補正する例として
は特開平10−20263がある。この例では光ディス
クの傾きにより発生するコマ収差を補正する方式とし
て、位相補正素子を構成している一対の基板間に挟持さ
れた液晶を、分割電極に印加する電圧を変化させること
で配向を制御し、透過光の波面を変化させて発生するコ
マ収差を補正している。
正素子の場合、1つの分割電極に着目すると透過光の波
面の変化量は同じであるため、得られる波面形状は電極
の分割数(分割電極数)および分割電極に印加する信号
数に依存する。したがって、連続的に変化する波面収差
を精度良く補正するためには、分割電極数を増やし多数
の外部信号源(外部電源)で制御する必要があり、素子
構成、外部電源構成の複雑化などの問題が生ずる。そこ
で、単純な電極構造を有し、かつ少ない外部電源により
透過光の波面を連続的に変化させる位相補正素子が望ま
れていた。特に、球面収差の周辺部のような波面収差の
変化量が大きい領域を連続的な波面変化で補正すること
が望まれていた。
解決するためになされたものであり、光源と、光源から
の出射光を光記録媒体上に集光させるための対物レンズ
と、光源と対物レンズとの間に設けられた出射光の波面
を変化させる位相補正素子と、波面を変化させるための
電圧を位相補正素子へ出力する制御電圧発生手段とを備
える光ヘッド装置であって、位相補正素子は電極が表面
に形成されている一対の透明基板に挟持された液晶層を
備えており、一方の透明基板の電極は、同心円状に配さ
れている3つ以上の円環状の低抵抗電極と、隣接する少
なくとも低抵抗電極間に配されていて隣接する低抵抗電
極を導電接続する、低抵抗電極に対するシート抵抗値の
比が1000以上である高抵抗電極とを備え、他方の透
明基板の電極は、平面電極が同心円状に分割された複数
のセグメント電極からなる分割電極を備え、かつ低抵抗
電極の中心と分割電極の中心とが光軸上にあることを特
徴とする光ヘッド装置を提供する。
原理構成の一例を示す概念図であり、光記録媒体である
光ディスクの情報の記録および再生を行うものである。
光源である半導体レーザ1からの出射光は例えばホログ
ラムタイプの偏光ビームスプリッタ2を透過した後、コ
リメートレンズ3により平行光となり、位相補正素子4
を透過後、4分の1波長板5を透過し、立ち上げミラー
11で90°方向に反射され、アクチュエータ7に設置
された対物レンズ6により光ディスク8上に集光され
る。
され対物レンズ6、立ち上げミラー11、4分の1波長
板5、位相補正素子4、コリメートレンズ3を順次先程
とは逆に透過した後、偏光ビームスプリッタ2により回
折され光検出器9に入射する。前述の半導体レーザ1か
らの出射光が光ディスク8により反射される際、光ディ
スク8の面上に記録された情報により反射光は振幅変調
され、光検出器9により光強度信号として記録情報を読
み取ることができる。また、光ディスク8に情報を記録
するときには、半導体レーザ1のレーザ出力を変調さ
せ、光ディスク8の記録膜に情報を記録する。
例えば再生信号の強度が最適となるように、位相補正素
子4に向けて制御電圧発生手段である位相補正素子制御
回路10により電圧が出力される。位相補正素子制御回
路10より出力される電圧は、光ディスクの厚み誤差や
対物レンズなど光学系のズレや多層光ディスクなどから
発生する球面収差に応じて位相補正素子4の電極に印加
する電圧となる。
の構成を図2の断面図を用いて説明する。ガラス基板2
1a、21bが、例えばエポキシ系樹脂を主成分とする
シール材22により接着され液晶セルが形成されてい
る。使用する基板でガラス以外の材料としては、アクリ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカ
ーボネートなどが挙げられるが、耐久性などの点からガ
ラス基板が好ましい。
サと例えば樹脂の表面に金などを被膜した導電性スペー
サが含まれている。ガラス基板21aの内側表面には、
内側表面から電極24a、シリカなどを主成分とする絶
縁膜25、配向膜26がこの順に、またガラス基板21
bの内側表面には、内側表面から電極24b、シリカな
どを主成分とする絶縁膜25、配向膜26がこの順に被
膜されている。絶縁膜25は導電性異物による電極間シ
ョートを防止するためのものであり省いてもよい。ま
た、ガラス基板21a、21bの外側表面に反射防止膜
が被膜されていてもよい。
って位相補正素子制御回路と接続できるようパターン配
線が施されている。また電極24bは上述の金などを被
膜した導電性スペーサによりガラス基板21a上に形成
された電極24aと電気的に接続しており、したがっ
て、電極24bは電極引出部27で接続線によって位相
補正素子制御回路と接続できる。
る。使用する液晶の材料は、液晶ディスプレイなどに用
いられるネマティック液晶がよく、印加電圧により偏光
が変化しないためには一様なホモジニアス配向が好まし
い。図2に示した液晶分子28は、一方向に配向された
ホモジニアス配向の状態にある。
のプレチルト角が2〜10゜となれば好ましく、ポリイ
ミド膜を図2の紙面に平行で左右方向にラビングしたも
のや、シリカ膜を斜め蒸着したものなどがよい。また、
液晶の常光屈折率と異常光屈折率との差を大きくして液
晶セルの間隔を小さくした方が応答性を高くでき好まし
い。しかし、液晶セルの間隔が小さくなるほど液晶セル
の製作が困難になるため、液晶の常光屈折率と異常光屈
折率との差は0.1〜0.2、液晶セルの間隔は2〜5
μm程度とすることが好ましい。電極24a、24bの
材質は透過率が高い方が望ましく、ITO膜、酸化亜鉛
膜、酸化錫膜などの透明導電膜を使用すればよい。電極
24a、24bの材料、物性、形成方法などは後ほど詳
述する。
せる機能に必要な構成を述べたが、波長板や偏光ホログ
ラムなどの平板光学素子を位相補正素子4に積層するこ
とにより、波長板5や偏光ビームスプリッタ2の機能を
位相補正素子4が併せ持つようにできる。この場合、光
ヘッド装置を構成する光学部品の数が減ることで組立、
調整が簡易となり、生産性が向上して好ましい。波長板
を積層するときは、位相補正素子のガラス基板に直接貼
り合せるか、または波長板を別のガラス基板に貼り合わ
せた後積層すればよい。
に構成されている光ヘッド装置とすることが好ましい。
その理由は、トラッキングなどにより対物レンズが光軸
に対して垂直な面内で移動するレンズシフトを生じたと
き、位相補正素子と対物レンズが一体でない場合、光デ
ィスクにより発生した球面収差に対して位相補正素子が
発生した波面収差(球面収差)がレンズシフト分だけ位
置ずれを起こすことになり、球面収差を適切に補正でき
なくなるからである。
されている光ヘッド装置とするには、対物レンズを保持
しているアクチュエータに位相補正素子を固定するなど
すればよい。この場合、アクチュエータの制御特性に影
響を与えないように、位相補正素子の重量を軽くした
り、信号引出線をワイヤなどの軽量で接続容易なものを
使用することが好ましい。
て球面収差を補正する方法に関して述べる。図3は球面
収差を補正するための電圧降下型電極パターンの一例を
示す平面図であり、図2に示された電極24a、24b
のいずれか一方に形成されている。31〜33は低抵抗
電極、30は高抵抗電極である。図4は残留収差を低減
するための分割電極パターンの一例を示す平面図であ
り、電極24a、24bのうち、上記の電圧降下型電極
パターンが形成されていない方の電極に形成されてい
る。また、低抵抗電極の中心と分割電極の中心は光軸上
に配される。
成された高抵抗電極30であり、例えば分割のない一様
な電極である。黒塗部分は高抵抗電極30に電圧を供給
するための低抵抗電極31〜33であり、その内径、外
径が光軸を中心とする同心円状に配置されている。ま
た、高抵抗電極30と低抵抗電極31〜33は導電接続
されている。したがって、隣接する低抵抗電極間に高抵
抗電極が配されていて、隣接する低抵抗電極が導電接続
されていてもよい。すなわち、高抵抗電極がこれを挟む
低抵抗電極と接していてもよい。
正素子外部の図示しない信号源と接続されており各々信
号1〜3によって任意の電圧を供給できる。図4におい
て、41〜47は分割電極を構成するセグメント電極で
あり、48と49は配線である。
抗ρLに対する高抵抗電極を形成する電極材料のシート
抵抗ρHの比ρH/ρLを1000以上にすると、高抵
抗電極に比べ低抵抗電極内では抵抗が低いため低抵抗電
極内では等電位となる。一方、高抵抗電極30の面内で
は低抵抗電極31と32、および32と33間の電位差
により微弱な電流が流れて電圧降下が発生する結果、連
続的に変化する光軸を中心とした軸対称型の電位分布が
発生する。電極材料およびシート抵抗に関しては後程詳
述する。
実効電圧(電位差)に応じて変化するため、対向する分
割電極の電位を全て等しくすれば、液晶の実効屈折率分
布は高抵抗電極30内で発生する電圧分布にほぼ一致す
る。したがって、高抵抗電極30内で発生する電圧分布
が補正すべき波面収差分布に対応するよう低抵抗電極3
1〜33を構成すれば、両者が相殺でき波面収差を補正
できる。
発生した、波面収差による球面収差補正の一例を示すグ
ラフであり、分割電極を構成するセグメント電極の電位
を全て等しくした場合である。Aは光ディスクの厚み変
動や光学系の誤差などにより生じた補正を要する球面収
差分布、Bは位相補正素子により発生する球面収差を補
正するための位相差分布であり、Cは補正後に残った残
留収差分布である。横軸は光軸を中心とした瞳半径であ
り、入射光束の半径により規格化されている。
極31〜33の寸法、および信号1〜3の印加電圧を適
宜設定することで、符号が反対で形状がほぼ同等な位相
差分布Bにより球面収差分布Aを相殺して補正できる。
ここで、位相差分布Bにおける領域Dと領域Eの位置
は、図3に示す低抵抗電極31(内側を含む)と32の
位置にそれぞれ対応しており、低抵抗電極33の位置は
図4の瞳半径1以上の位置に対応するため図示されてい
ない。
と発生する波面収差分布Bもまた変化する。したがっ
て、高精度に補正するためには、球面収差分布Aの形状
に一致するように低抵抗電極31と32の位置と大きさ
とを決めることが必要である。位相補正素子面での入射
光束の半径を1としてこれに対し、低抵抗電極31の半
径を0.2〜0.3、円環状の低抵抗電極32の内半径
と外半径との平均半径を0.7〜0.85にしたとき、
球面収差を効率よく補正できて好ましい。特に低抵抗電
極31の半径を0.21にし、低抵抗電極32の平均半
径を0.74にしたときに、最大の補正効果を得ること
ができ極めて好ましい。
て述べたが、この場合、図5のCに示す残留収差が残
る。この残留収差の大きさは補正する球面収差の大きさ
に比例するため、多層記録ディスクにおける層間ギャッ
プなど、大きな球面収差を補正する場合においては無視
することができない。そこで以下に、本発明における位
相補正素子による残留収差の低減効果を説明する。
をエッチングすることにより得られた、同心円状で複数
のセグメント電極41〜47より構成されている。電極
を分割する方法には、例えばフォトリソグラフィー技術
とエッチング技術を用いることができる。隣接する一つ
のセグメント電極と他のセグメント電極との間、つまり
分割間隔はエッチングにより透明導電膜が除去されてい
るので異なるセグメント電極間では導通はない。しか
し、本発明における位相補正素子では、いくつかのセグ
メント電極が導通するように電極内部で透明導電膜によ
り配線され、これにより信号数を減らしている。
セグメント電極群に分けられ、それぞれのセグメント電
極群ごとに導電接続されて、対向する透明基板の電極と
それぞれのセグメント電極群との間に異なる電圧が印加
できるように構成されている。このように構成すること
により、制御電圧発生手段の数を減らすことができて好
ましい。
43、45、47は一つのセグメント電極群が形成さ
れ、図の左右方向に配された配線49により導通され外
部の信号源と接続されており信号5によって任意の電圧
が印加できる。同様にセグメント電極42、44、46
は他のセグメント電極群が形成され、配線48により導
通され外部の信号源と接続され信号4によって任意の電
圧が印加できる。
収差を補正した場合の残留収差を表す波面収差分布であ
る。この図でも瞳半径は入射光束半径により規格化され
ている。前述したセグメント電極全てを等電位にした場
合の残留収差は61であり、図4に示す信号4、5とし
て異なる電圧を供給した場合の残留収差は62のように
なる。ここで領域D41〜D47はセグメント電極4
1、42〜47に対応している。すなわちD41とはド
メイン(Domain)41のことである。
応じて適切に設定し、かつセグメント電極間で電位差を
発生させることで61に示した残留収差の凹凸を平滑化
でき、残留収差を低減できる。ここでは、セグメント電
極41、43、45、47を等電位とし、セグメント電
極42、44、46をこれとは異なる等電位としたが、
さらに残留収差を低減させたいときは、信号数を増やし
てセグメント電極毎に異なる電圧を印加できるようにす
ればよい。図4に示す分割電極パターンとは異なるパタ
ーンとして例えば、セグメント電極42だけを他のセグ
メント電極から絶縁させ、新たな外部の信号源と接続し
て独立に制御することもでき、信号数は1つ増加するも
ののさらに残留収差は低減する。
材料に関して述べる。電圧降下型電極の低抵抗電極を形
成する電極材料のシート抵抗ρLと高抵抗電極を形成す
る電極材料のシート抵抗ρHの比ρH/ρLを1000
以上にする。ρHが小さ過ぎるときは、高抵抗電極にも
比較的大きな電流が流れ、高抵抗電極と接している低抵
抗電極内で電圧降下が生じて、所望の電圧分布を得るこ
とが困難となることがある。一方、ρHが大き過ぎると
きは、高抵抗電極の導電性がなくなるため電位分布は発
生しない。したがって、以上の条件を満足するためには
ρHは103Ω/□〜107Ω/□程度がよい。一方、
ρLはできるだけ小さくする方が高抵抗電極の許容抵抗
範囲が大きくなるため、好ましくは1Ω/□〜100Ω
/□程度がよい。
ミニウム、クロムなどの金属材料が導電性・耐久性の点
では好ましいが、電極部分で遮光されるため透過率が低
下する。したがって、透明導電膜を使用することが好ま
しい。例えばITO膜など比抵抗の小さな透明導電膜を
用いることは、上述した低抵抗電極の抵抗値と高抵抗電
極の抵抗値との比の条件を満足しかつ透過率も高いため
好ましい。また、低抵抗電極に外部の位相補正素子制御
回路より、電圧を印加するための電極引出部27上の配
線材料はITO膜のような透明導電膜でもよく、クロム
やニッケルのような金属膜でもよい。特にニッケルなど
ハンダで接続できる金属の場合、外部からの信号線を容
易にハンダで接続でき好ましい。
ありかつ低抵抗電極の材料に比べシート抵抗が高い必要
がある。例えばガリウム、アルミニウム、シリコン、イ
ットリウム、インジウムなどの元素を1種または複数種
ドープした酸化亜鉛膜や、アンチモン、インジウム、ガ
リウムなどの元素を1種または複数種ドープした酸化錫
膜や、ITO膜などがよい。
化錫膜は、ITO膜に比べ容易に高抵抗膜が得られるた
め好ましい。特に、上記の元素がドープされた酸化亜鉛
膜は高比抵抗でありながらエッチング性も良好であり、
光の透過率、耐久性に優れている点で本発明の光ヘッド
装置における好適な材料である。ITO膜を低抵抗電極
と高抵抗電極の両方に用いる場合は、比抵抗が異なる膜
にする方が膜厚を制御しやすいため好ましい。
降下型電極と同様にITOやガリウム、インジウム、ア
ンチモンなどがドープされた酸化錫や酸化亜鉛など用い
ることができる。しかしITOを用いる方が、膜抵抗が
低くできる上、透過率が高いため好ましい。
側の3つの低抵抗電極からなり、光ヘッド装置を構成す
る対物レンズの瞳半径に対する中間低抵抗電極の内半径
と外半径との平均値の比が0.7から0.85までであ
り、かつ対物レンズの瞳半径に対する中間低抵抗電極の
内半径と外半径との差の比が0.02から0.14までで
ある上記の光ヘッド装置とすることによって、光ヘッド
装置は適切に球面収差を補正できるために好ましい。
み変動、対物レンズや光学系の調整誤差などにより生ず
る球面収差を補正する位相補正素子を備えている。図1
に示す光ヘッド装置に位相補正素子4を組み込み、5つ
の電気信号源を有する位相補正素子制御回路10と電気
的に接続した。光源である半導体レーザ1からの出射光
の波長は405nmであり、対物レンズ6のNAは0.
85、瞳径は直径3mmである。本例の位相補正素子の
素子構造は図2に示したものと同じである。
リガラス基板の表面上にマグネトロンスパッタリング法
により比抵抗5×10−6Ω・mのITO膜を成膜し
て、フォトリソグラフィーとエッチングの技術によりこ
のITO膜にパターニングを行い、図3に示した電圧降
下型電極の低抵抗電極31〜33と図4に示した分割電
極を形成した。そして、低抵抗電極の中心と分割電極の
中心とが光軸上にあるよう配された。
0Ω/□、分割電極のシート抵抗値は300Ω/□であ
り、分割電極の各セグメント電極間隔は5μmとした。
その後、電圧降下型電極にはガリウムがドープされた酸
化亜鉛膜をマグネトロンスパッタリング法により成膜し
て透明な高抵抗電極30(比抵抗5×10−3Ω・m)
を形成した。高抵抗電極30のシート抵抗値が1×10
5Ω/□であり、低抵抗電極31〜33のシート抵抗値
との比は、2000対1であった。本実施例では図2の
電極24aを電圧降下型電極とし、電極24bを分割電
極とした。
リカを主成分とする絶縁膜25をスピンコート法により
形成した後、ポリイミドを主成分とする配向膜26を同
じくスピンコート法により形成した。このとき、作製し
た2枚の無アルカリガラス基板を、4μmのガラス製ス
ペーサが混入されたエポキシ系のシール材を用いて図2
に示すセル構造になるよう重ね合わせた。このセルのガ
ラス基板間には常光屈折率と異常光屈折率との差Δnが
0.15のネマティック液晶を注入し、注入口を封止し
て液晶セルを形成した。なお、配向膜26は液晶層23
がホモジニアス配向になるよう事前にラビング処理され
ている。また、ガラス基板の外側表面に反射防止膜(図
示せず)をコートした。
0.8mm、低抵抗電極32は内径2.2mm、外径
2.5mm、低抵抗電極33は内径3.2mm、外径
4.2mmの光軸を中心とした円環状を有しており、同
じ透明導電膜材料で形成された配線により電極引出部部
27から位相補正素子制御回路10に接続されており、
信号1〜3を用いて各々の低抵抗電極に任意の電圧を供
給できる。ここで、瞳半径(1.5mm)に対する、中
間の低抵抗電極32の内半径と外半径との平均値(1.
17)の比が0.78であって0.7と0.85の間に
あり、また瞳半径(1.5mm)に対する、中間の低抵
抗電極32の内半径と外半径との差(0.15)の比が
0.1であって0.02と0.14の間にあった。
として内側より直径0.6mm、1.0mm、1.7m
m、2.4mm、2.6mm、2.9mmの同心円状の
セグメント電極41〜47に分割されている。セグメン
ト電極41、43、45、47は同じ透明導電膜材料で
形成された配線49により導通されており、位相補正素
子制御回路10が発生する信号5により等しい電圧が供
給された。同様にセグメント電極42、44、46も配
線48により導通され信号4により等しい電圧が供給さ
れた。
気信号により制御され、電気信号は周波数1kHzの矩
形交流であり、電圧降下型電極用の信号1、2、3同
士、および分割電極用の信号4、5同士はそれぞれ同位
相であり、信号1、2、3と信号4、5とは位相がπず
れている。したがって、例えば信号1、2、3の電圧を
V1[Vrms]、信号4、5をV2[Vrms]とす
ると、電極間に印加される電圧はV1+V
2[Vrms]となり液晶分子を駆動する。
球面収差を補正する原理を説明する。図5のBは対物レ
ンズのNAが0.85、光源の波長が405nmの光学
系において、光ディスクの厚さが設計値の0.1mmよ
り0.01mm厚くなった場合に発生する波面収差(球
面収差)の半径方向分布を示すグラフである。球面収差
は軸対称なので、図5のBに示した波面収差が瞳半径0
つまり光軸を回転対称軸として分布していると考えれば
よい。
発生する球面収差を位相補正素子により補正するため
に、低抵抗電極31、33に1.3Vrms、低抵抗電
極32に1.1Vrms、セグメント電極41〜47に
電圧0.5Vrmsを印加した。したがって、液晶層に
印加される実効電圧は、低抵抗電極31、33で1.8
Vrms、低抵抗電極32で1.6Vrmsとなり、高
抵抗電極30の面内においては電圧幅0.2Vrmsで
連続的に変化する電圧分布が生じた。前述の説明と同様
に、電圧に応じて液晶分子の配向方向が分布するため、
位相補正素子は同心円状の波面変化を発生することがで
きて、その半径方向分布は図4のBのようになる。
〜3の電圧を決めているので、球面収差Aと位相補正素
子により発生する球面収差Bは相殺する結果、光ディス
ク面上での波面収差はCのようになり低減する。補正前
の球面収差は約0.1λrm sであったが、位相補正素
子を用いて補正した結果、約0.018λrmsに減少
した。
け薄い場合には、図5のAとは正負が逆転した球面収差
を補正するために、低抵抗電極31、33に1.1V
rms、低抵抗電極32に1.3Vrmsを印加すれば
よい。これにより、位相補正素子によって発生する波面
変化も図5のBの正負を逆転した形になるため、球面収
差を相殺できる。
を改善するために、電圧降下型電極への印加電圧は変え
ずに、分割電極を構成するセグメント電極のうちセグメ
ント電極41、43、45、47に0.48Vrms、
セグメント電極42、44、46に0.52Vrmsを
印加した。これにより分割電極のセグメント電極毎に
0.04Vrmsの電圧差が生じる結果、液晶層の実質
的な屈折率分布も変化する。図6の62は、この電圧差
が生じたときの残留収差を表すグラフで、波面収差とし
て表わしている。セグメント電極41〜47全てに等し
く0.5Vrms印加したときの61に比べ残留収差が
低減している様子がわかる。このとき、先に示した補正
後の波面収差約0.018λrmsは0.009λ
rmsまで半減された結果、光ディスクへの情報の記
録、再生特性がさらに向上した。
メント電極41〜47に適切な電圧を印加することによ
り球面収差を精度良く補正できた。また、低抵抗電極3
1、33は常に等しい電圧を印加しても、光学特性上大
きく影響しないために、低抵抗電極31、33を導通さ
せて1つの電源に接続させてもよく、この場合4つの外
部信号で動作させることができる。
装置においては、液晶層を挟持して位相補正素子を構成
する一対の透明基板のそれぞれに形成された電極の一方
を、同心円状に配置した3つの円環状の低抵抗電極と少
なくとも低抵抗電極間に配された高抵抗電極とで構成
し、他方の電極を同心円状に分割された複数のセグメン
ト電極からなる分割電極により構成する位相補正素子を
搭載する。
差形状にほぼ一致した波面変化を発生させることができ
るため、この位相補正素子を搭載した本発明の光ヘッド
装置を用いることにより、光ディスク厚み誤差に起因す
る球面収差を効率よく補正でき、ノイズの少ない良好な
信号光を得ることができる。さらに、従来と比べて少な
い外部信号源により動作させることができるため、低い
コストの光ヘッド装置を作製できる。
概念図。
す断面図。
パターンの一例を示す平面図。
ンの一例を示す平面図。
電極に同じ電圧を印加した場合における位相補正素子に
より発生した波面収差による球面収差補正の一例を示す
グラフ。(Aは補正を要する球面収差、Bは位相補正素
子により発生した波面変化、Cは補正後の波面収差、D
は低抵抗電極31に相当する領域、Eは低抵抗電極32
に相当する領域)
電極に複数の電圧を印加した場合に位相補正素子により
発生した波面収差による球面収差補正の一例を示すグラ
フ。D41〜D47はセグメント電極41〜47に相当
する領域)
Claims (3)
- 【請求項1】光源と、光源からの出射光を光記録媒体上
に集光させるための対物レンズと、光源と対物レンズと
の間に設けられた出射光の波面を変化させる位相補正素
子と、波面を変化させるための電圧を位相補正素子へ出
力する制御電圧発生手段とを備える光ヘッド装置であっ
て、位相補正素子は電極が表面に形成されている一対の
透明基板に挟持された液晶層を備えており、 一方の透明基板の電極は、同心円状に配されている3つ
以上の円環状の低抵抗電極と、隣接する少なくとも低抵
抗電極間に配されていて隣接する低抵抗電極を導電接続
する、低抵抗電極に対するシート抵抗値の比が1000
以上である高抵抗電極とを備え、 他方の透明基板の電極は、平面電極が同心円状に分割さ
れた複数のセグメント電極からなる分割電極を備え、 かつ低抵抗電極の中心と分割電極の中心とが光軸上にあ
ることを特徴とする光ヘッド装置。 - 【請求項2】前記複数のセグメント電極が2つのセグメ
ント電極群に分けられ、それぞれのセグメント電極群ご
とに導電接続されて、対向する透明基板の電極とそれぞ
れのセグメント電極群との間に異なる電圧が印加できる
ように構成されている請求項1記載の光ヘッド装置。 - 【請求項3】前記低抵抗電極は外側、中間、内側の3つ
の低抵抗電極からなり、前記対物レンズの瞳半径に対す
る中間低抵抗電極の内半径と外半径との平均値の比が
0.7から0.85までであり、かつ前記対物レンズの瞳
半径に対する前記内半径と前記外半径との差の比が0.
02から0.14までである請求項1または2記載の光
ヘッド装置。
Priority Applications (1)
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JP2001225863A JP4479134B2 (ja) | 2001-07-26 | 2001-07-26 | 光ヘッド装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001225863A JP4479134B2 (ja) | 2001-07-26 | 2001-07-26 | 光ヘッド装置 |
Publications (3)
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---|---|
JP2003036555A true JP2003036555A (ja) | 2003-02-07 |
JP2003036555A5 JP2003036555A5 (ja) | 2008-07-03 |
JP4479134B2 JP4479134B2 (ja) | 2010-06-09 |
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ID=19058784
Family Applications (1)
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JP2001225863A Expired - Lifetime JP4479134B2 (ja) | 2001-07-26 | 2001-07-26 | 光ヘッド装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP4479134B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004086389A1 (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-07 | Tokyo University Of Agriculture And Technology Tlo Co.,Ltd. | 波面収差補正装置及びこれを備えた光ピックアップ装置 |
CN100394257C (zh) * | 2003-10-14 | 2008-06-11 | 碧理科技有限公司 | 液晶像差校正元件 |
-
2001
- 2001-07-26 JP JP2001225863A patent/JP4479134B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2004086389A1 (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-07 | Tokyo University Of Agriculture And Technology Tlo Co.,Ltd. | 波面収差補正装置及びこれを備えた光ピックアップ装置 |
US7236444B2 (en) | 2003-03-27 | 2007-06-26 | Tokyo University Of Agriculture And Technology Tlo Co., Ltd. | Wavefront aberration correcting device and optical pickup equipped with the same |
CN100394257C (zh) * | 2003-10-14 | 2008-06-11 | 碧理科技有限公司 | 液晶像差校正元件 |
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JP4479134B2 (ja) | 2010-06-09 |
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