JP2003034832A - Ni3Al合金箔の製造方法 - Google Patents
Ni3Al合金箔の製造方法Info
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Abstract
溶体相との2相からなる2相合金の箔を製造する。 【解決手段】 Niを主成分とし、Alを5.0重量%以上12.2
重量%未満含有する化学組成の、Ni3Al相とNi固溶体相と
の2相からなる2相合金の一方向凝固インゴットを、圧
延率90%以上、厚さ200μm以下の箔に冷間圧延する。
Description
金箔の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、
この出願の発明は、高温クリープ特性に優れる、Ni3Al
相とNi固溶体相との2相からなる2相合金の箔を製造す
ることのできるNi3Al合金箔の製造方法に関するもので
ある。
持つ金属間化合物であり、Ni基超合金のγ′相として知
られているものである。このNi3Alは、一般の金属材料
と異なり、高温になるほど降伏強度が増大し、800℃で
は室温強度の5倍にも達する、高温強度の高い金属間化
合物である。また、Ni3Alは、耐酸化性、耐食性が良好
でもある。
性加工することができないという欠点を有していた。そ
こでこの出願の発明の発明者は、フローティングゾーン
法、ブリッジマン法、引上げ法などの一方向凝固によ
り、室温延性が改善されたNi3Alの製造方法を提供して
いる(特許第1917916号)。このNi3Alの製造方法では、
Ni3Alの原料を、1350〜1500℃において13mm/hr以上の結
晶成長速度で、一方向凝固させ、[111]方向に強配向さ
せたNi3Al単相の柱状晶を成長させる。Ni3Al単相とする
ために、上記Ni3Alの製造方法では、原料の化学組成に
おけるAlの含有量を12.2〜14.9重量%程度の範囲として
いる。得られるNi3Alは、たとえば、約17%以上もの大き
な伸びを示し、室温延性を有する。
Ni3Alの製造方法に基づき、Niを主成分とし、12.8重量%
以上13.6重量%以下のAlを含む化学組成を有し、厚さ200
μm以下のNi3Al箔とその製造方法を提案してもいる(特
開2001-121202号公報)。Ni 3Al箔は、アーク溶解による
原料棒の作製、フローティング法などによる25mm下の速
度での一方向凝固による柱状晶組織の育成、そして、板
状試料の切出し、冷間加工の各工程を経て製造される。
カム構造体に組み上げることができ(たとえば、特開20
01-138418号公報)、得られるNi3Alハニカム構造体は、
ラミネート構造体とともに軽量耐熱性に優れ、ジェット
エンジンや自動車エンジン用の部材、自動車排ガス浄化
触媒の担体、宇宙往還機の熱遮蔽材などとして有望とさ
れている。
ト構造体を実用に供し得るためには、より高温クリープ
特性に優れたものを実現しなければならない。これとと
もに、生産コストや生産効率などの側面も検討すべき課
題としてある。
みてなされたものであり、高温クリープ特性に優れる、
Ni3Al相とNi固溶体相との2相からなる2相合金の箔を
製造することのできるNi3Al合金箔の製造方法を提供す
ることを解決すべき課題としている。
論組成がNi-13.3重量%Alの金属間化合物である。また、
Ni固溶体相は、Ni中にAlが9.2重量%(1385℃における濃
度)まで固溶した相であり、Niと同様に面心立方晶構造
を持つ。これらのNi3Al相とNi固溶体相との2相からな
る2相合金は、Ni3Al単相合金よりも高温クリープ特性
が優れていることがすでに知られている。
単相合金と同様に、室温で脆く、塑性加工することがで
きないものであった。脆さの原因は、粒界破壊しやすい
ことによる。
の課題を解決するため、Ni3Al相とNi固溶体相との2相
からなる2相合金についてさらに検討を加えたところ、
一方向凝固することにより脆さが解消され、単相のNi3A
l箔よりも高温クリープ特性に優れる、Ni3Al相とNi固溶
体相との2相からなる2相合金の箔であるNi3Al合金箔
を製造することができることを見出し、この出願の発明
を完成した。
Ni3Al合金箔を幅広若しくは長尺、又はその両方とする
ことのできる大面積箔として製造する手法として、精密
鋳造法が有効であることも見出した。精密鋳造法は、フ
ローティングゾーン法よりもはるかに短時間でサイズの
大きな一方向凝固インゴットを鋳造することができ、し
かも、得られるインゴットは、板状であり、フローティ
ングゾーン法の場合に必要とされる放電加工などの切出
しの必要がなく、そのまま冷間圧延を行うことができる
という利点がある。冷間圧延により、大面積のNi3Al合
金箔の製造が期待される。
とし、Alを5.0重量%以上12.2重量%未満含有する化学組
成の、Ni3Al相とNi固溶体相との2相からなる2相合金
の一方向凝固インゴットを、圧延率90%以上、厚さ200μ
m以下の箔に冷間圧延することを特徴とするNi3Al合金箔
の製造方法(請求項1)を提供する。
一方向凝固インゴットを作製すること(請求項2)を一
態様として提供する。以下、実施例を示しつつこの出願
の発明のNi3Al合金箔の製造方法についてさらに詳しく
説明する。
製造方法は、前述の通り、Niを主成分とし、Alを5.0重
量%以上12.2重量%未満含有する化学組成の、Ni3Al相とN
i固溶体相との2相からなる2相合金の一方向凝固イン
ゴットを、圧延率90%以上、厚さ200μm以下の箔に冷間
圧延する。
ためには、Ni3Al単相ではなく、Ni3Al相とともにNi固溶
体相の2相からなるNi3Al合金箔が有効である。そのた
めに、この出願の発明のNi3Al合金箔の製造方法では、
一方向凝固させる、Niを主成分とする合金の化学組成に
おけるAlの含有量を5.0重量%以上12.2重量%未満として
いる。
えNi3Al相とNi固溶体相との2相からなるNI3Al合金箔と
なっても、その高温クリープ特性は、単相のNi3Al箔と
比較するとさほど良好とはならない。Alの含有量が12.2
重量%以上になると、前述の通り、単相のNi3Al箔とな
る。
では、前述の通り、一方向凝固インゴットは、精密鋳造
法により好ましく作製される。精密鋳造法により得られ
る一方向凝固インゴットは、後述する実施例に示すよう
に、フローティングゾーン法に比べはるかにサイズが大
きく、しかも短時間での作製が可能である。精密鋳造法
には、たとえばインベストメント鋳造法などの各種の方
式があるが、この出願の発明のNi3Al合金箔の製造方法
では特にその方式に制限はない。
トは、板状であり、フローティングゾーン法の場合に必
要とされる放電加工などの切出しの必要がなく、一方向
凝固後、そのまま冷間圧延を行うことができる。この冷
間圧延により、圧延率90%以上、厚さ200μm以下のNi3Al
合金箔が得られる。前述の特開2001-121202号公報にお
いても言及しているように、ボロンの添加はNi3Alの脆
性改善に有効であるが、圧延率90%以上、厚さ200μm以
下の箔への冷間圧延は不可能である。これは、この出願
の発明のNi3Al合金箔の製造方法においても同様であ
る。
ち破断などなく箔に圧延することができる下限は、現在
の技術水準では30μm程度と考えられる。また、この出
願の発明のNi3Al合金箔の製造方法では、冷間圧延中に
中間焼鈍を行うことが可能である。この中間焼鈍は、前
述の特開2001-121202号公報に記載されているように、
たとえば、800℃以上、20分以上の条件において行うこ
とができ、また、この中間焼鈍は、冷間圧延中に複数回
行うことが可能でもある。
2.2重量%未満の範囲内で変えた数種類の合金を20kg、高
周波加熱真空溶解炉において溶解し、精密鋳造用のイン
ゴットを作製した。このインゴットを、同じく高周波加
熱真空溶解炉において、精密鋳造法に基づき一方向凝固
させ、図1に示したような幅50mm、長さ80mm、厚さ5mm
のサイズを有する板状単結晶または柱状晶のインゴット
を得た。このように大きなサイズの一方向凝固インゴッ
トは、フローティングゾーン法では作製不可能である。
基づき一方向凝固させて得られたインゴットの金属組織
を電子顕微鏡で観察した図面に代わる写真である。図2
(a)はNi-8.0重量%Al合金、図2(b)はNi-9.2重量%Al合
金、図2(c)はNi-10.3重量%Al合金、図2(d)はNi-11.5
重量%Al合金の金属組織を写した写真である。これらの
写真において、Ni3Al相は白く角張った相として、Ni固
溶体相は黒いマトリックスとして写し出されており、得
られたインゴットがNi3Al相とNi固溶体相の2相からな
る2相合金であることが確認される。また、以上の写真
からは、Al濃度が増すにつれ、Ni3Al相の体積と大きさ
が増していくことも確認され、前述の通り、Al濃度が1
2.2重量%以上となると、Ni3Al単相となることが理解さ
れる。
のまま、4段圧延機を用いて300μmまで圧延し、その
後、多段超硬圧延機を用いて、圧延率90%以上、厚さ200
μm以下に圧延した。
その表面が、金属光沢のある、鏡のように滑らかな面で
あった。この金属箔は、また、幅及び長さにおける厚さ
ムラが非常に小さかった。なお、図3に示した金属箔
は、圧延率95%、厚さ100μmである。
%、厚さ100μmの金属箔の表面組織の図面に代わる走査
電子顕微鏡写真、その金属箔のX線(220)極点図形であ
る。図4(a)からは、金属箔表面に、冷間圧延を受けた
ことによる変形帯の形成が確認される。また、図4(b)
からは、金属箔に、(110)面が金属箔表面に平行にそろ
った集合組織が形成されていることが確認される。この
ことから、得られた金属箔は、冷間圧延のままでも脆く
なく、十分な曲げ延性を示すと考えられる。
形態及び実施例によって限定されるものではない。精密
鋳造用インゴットの作製時、一方向凝固時、さらに冷間
圧延時の諸条件などの細部については様々な態様が可能
であることはいうまでもない。
明によって、高温クリープ特性に優れる、しかも大面積
化可能な、Ni3Al相とNi固溶体相との2相からなる2相
合金の箔が提供可能となる。このNi3Al合金箔は、サイ
ズの大きなハニカム構造体やラミネート構造体などの製
造を可能とし、したがって、その際の生産コストの低減
や生産効率の向上などが図られるものと予想される。
固させて得たインゴットの一例を示した図面に代わる写
真である。
方向凝固させて得られたインゴットの金属組織を電子顕
微鏡で観察した図面に代わる写真である。
l合金箔の一例を示した図面に代わる写真である。
μmの金属箔の表面組織の図面に代わる走査電子顕微鏡
写真、その金属箔のX線(220)極点図形である。
Claims (2)
- 【請求項1】 Niを主成分とし、Alを5.0重量%以上12.2
重量%未満含有する化学組成の、Ni3Al相とNi固溶体相と
の2相からなる2相合金の一方向凝固インゴットを、圧
延率90%以上、厚さ200μm以下の箔に冷間圧延すること
を特徴とするNi3Al合金箔の製造方法。 - 【請求項2】 精密鋳造法により一方向凝固インゴット
を作製する請求項1記載のNi3Al合金箔の製造方法。
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JP2001222466A JP3903168B2 (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | Ni3Al相とNi固溶体相とからなる2相合金箔の製造方法 |
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2001
- 2001-07-24 JP JP2001222466A patent/JP3903168B2/ja not_active Expired - Lifetime
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