JP2003033187A - 立枯病抵抗性のタバコを選抜する方法 - Google Patents
立枯病抵抗性のタバコを選抜する方法Info
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Abstract
の方法に関する。 【解決手段】立枯病抵抗性のタバコを選抜する方法であ
って、タバコゲノムDNA中に存在する配列番号3または4
のDNA配列の多型を指標とし、その部位38塩基がアデニ
ンであるDNAをもった個体を立枯病抵抗性のタバコとし
て選抜することを特徴とする方法を提供する。また、立
枯病抵抗性のタバコを選抜する方法であって、(1)タ
バコから抽出したDNAをテンプレートとして、配列番号3
または4の部位38を含む配列を増幅する工程と、(2)選
られた増幅産物をBfaIで切断する工程とを含み、前記
増幅産物がBfaIで切断された場合に、前記DNAの供給源
である個体を立枯病抵抗性のタバコとして選抜すること
を特徴とする方法を提供する。さらに、上記方法を使用
して選抜された、立枯病抵抗性タバコを提供する。
Description
関し、特に、立枯病抵抗性のタバコを選抜するための方
法に関する。
ス、ピーマン、タバコ等のナス科植物に土壌感染する病
原菌で、本菌による病害はタバコでは立枯病と呼ばれて
いる。本病害は、病勢の進展が早く症状も激しいことか
ら、一度感染するとその被害は甚大である。タバコにお
いても立枯病抵抗性品種の育成が進められているが、現
在までに知られている抵抗性遺伝子は多遺伝子支配のも
のがほとんどであり、幼苗の段階での個体選抜が不可能
なため、圃場検定に頼らざるをえないのが現状である。
そのため、抵抗性検定において多大な労力、検定圃地面
積、時間を必要とし、検定に供試できる系統数もごく少
数に制限されている。これらが育種効率が向上しない一
因とされており、効率的な抵抗性個体の選抜方法の開発
が望まれている。
を育種の選抜の際に利用した、いわゆるマーカー育種技
術が開発されてきた。DNAマーカーとしては、RFLP(Res
triction Fragment Length Polymorphism)、RAPD(Rand
om Amplified Polymorphic DNA,Williams 1990,Nucleic
Acids Res 18:6531-35) 、マイクロサテライトマーカ
ー(Tautz 1989, Nucleic Acids Res 17:6463-71)、AFLP
(Amplified FragmentLength Polymorphism,Vos et al.
1995,Nucleic Acids Res 23:4407-14)などが知られてい
る。これらのDNAマーカーは、特に従来の育種方法で困
難であった病害抵抗性、収量といった複数の遺伝子に支
配される量的形質遺伝子座(QTL)に着目した品種の選
抜に対して極めて有効である。タバコの立枯病抵抗性も
QTLであることから、DNAマーカーの適用により育種効率
の大幅な改善が期待できる。
抗性品種の育成に極めて有効な手段であるが、タバコは
ゲノムサイズが大きく種間の変異が少ないため、DNAマ
ーカーによる連鎖地図の整備もなされていない。また、
現在のところRalstonia Solanacearum抵抗性と連鎖する
QTLを同定した例はトマト(Philippe Thoquet et al.19
96, Mol Plant-Microbe Interac 9:826-836, Philippe
Thoquet et al.1996,Mol Plant-Microbe Interac 9:837
-842,Mangin et al. 1999,Genetics Mar;151(3):1165-7
2., Wang et al.2000,Mol Plant Microbe Interact Ja
n;13(1):6-13)の他には報告されておらず、タバコにつ
いてはそのような例は全く知られていない。
苗での個体選抜段階で判別する手段はいまだ確立されて
おらず、このことがタバコの育種の効率を低下させてい
る一因にもなっている。
するために、本発明は、タバコの立枯病抵抗性を簡便に
判別する手段を提供すると共に、立枯病抵抗性のタバコ
を選抜育種する方法を提供することを目的とする。さら
に、本発明は、前記方法を使用して育種された立枯病抵
抗性のタバコを提供することを目的とする。
を解決するため鋭意研究を行った結果、タバコの立枯病
抵抗性と連鎖するDNAマーカーを同定することに成功
し、本マーカーを利用した立枯病抵抗性個体の選抜方法
を確立した。
コを選抜する方法であって、タバコゲノムDNA中に存在
する配列番号3および4のDNA配列の多型を指標とし、そ
の部位38塩基がアデニンであるDNAをもった個体を立枯
病抵抗性のタバコとして選抜することを特徴とする方法
を提供する。
を選抜する方法であって、(1)タバコから抽出したDNA
をテンプレートとして、配列番号3または4の部位38を含
む配列を増幅する工程と、(2)得られた増幅産物をBfa
Iで切断する工程とを含み、前記増幅産物がBfaIで切
断された場合に、前記DNAの供給源である個体を立枯病
抵抗性のタバコとして選抜することを特徴とする方法を
提供する。
号3または4の部位38を含む配列を増幅するためのプライ
マーとして、プライマー123-57.61 STSF3(CGAACCATGCG
TCAGCATTGGATCT)および123-57.61 STSF5(GTTGAGGAAAT
TGGTTATTGTCACC)を使用する方法を提供する。
抗性のタバコも提供する。
れる連続した複数のヌクレオチドからなり、且つ配列番
号3または4の部位38のヌクレオチドを含むDNA断片、お
よび前記多型を検出するためのプローブとしての、前記
DNA断片の使用方法を提供する。
は、AFLP法を使用して、図1に示すような手順で行っ
た。
て行った。なお、AFLP法はDNAフィンガープリント法の
一つであり、RFLP(Restriction Fragment Length Poly
morphism:制限酵素断片長多型)法とRAPD(Randam Amp
lified Polymorphic DNA)法を組み合わせた方法であ
る。フィンガープリント法について概説すれば次の通り
である。
ン:T,グアニン:G,シトシン:C)から構成され、Aと
T、GとCがそれぞれ対をなし、ゲノムDNAの塩基対は数億
〜数十億と膨大である。一口に「DNAの違いを調べる」
と言っても,膨大な量の塩基配列を調べるのは非現実的
である。そこで、制限酵素(例えばEcoRI)を用いてDNA
を特定の塩基配列部位で切断し、電気泳動にかけ、DNA
断片をサイズに従って分離することが考えられた。すな
わち、比較するDNA間で塩基配列の差異(塩基置換,欠
失等に基づく多型)があれば、制限酵素で切断されたDN
A断片の長さの違い(RFLP)として検出される。その
後、分子生物学の急速な進歩に伴い、PCRによって増殖
したDNAの長さの違いによってDNA多型を迅速・簡便に検
出するRAPD法が開発された。これら二つのフィンガープ
リント法を組合わせたAFLP法では、制限酵素で切断され
たDNA断片の長さの違いを、PCRにより選択的に増幅させ
て検出する。AFLP法の優れた利点は、RFLP法やRAPD法の
問題であった1反応あたりの多型情報の低さや再現性の
低さが大幅に改善されたことにある。
法を用いることにより、タバコの立枯病抵抗性に連鎖す
るDNAマーカーが同定された。この立枯病抵抗性に連鎖
したDNAマーカー付近のゲノムDNA配列は、W6およびみち
のく1号において、一塩基を除き全く同一の塩基配列を
示した。すなわち配列番号3に示したみちのく1号のDNA
配列の部位38に位置するシトシン(C)が、W6では配列
番号4に示したようにアデニン(A)に置換されている。
また、W6由来の配列を有する品種は立枯病に抵抗性を示
すが、みちのく1号由来配列を有する品種では罹病生で
あった。従って、このC/Aの一塩基の違いを検出するこ
とによって、立枯病抵抗性を判別することが可能とな
る。
て、C/Aの一塩基置換が生じている部位は、制限酵素Bfa
Iの認識配列と一致している。従って、この部位を含む
領域(配列番号3または4の部位38C/Aを含む配列)を増
幅可能なPCRプライマー(たとえば表6に記載のプライマ
ー)を使用してPCR増幅を行い、さらにそのPCR産物をBf
aIによって消化し、切断の有無を確認することにより、
マーカーDNAのタイプを判別することができる。前記PCR
産物が切断された場合、立枯病抵抗性であると判断さ
れ、切断されない場合は抵抗性を持たないと判断され
る。前記PCR増幅は、たとえば抽出したDNAをテンプレー
トとしてPCRを行えばよい。DNAの抽出は、通常のフェノ
ールクロロホルム法などに従って行えばよい。前記PCR
増幅は、たとえばPCR9600を用い、表6に記載の配列のプ
ライマー、123-57.61 STSF3(CGAACCATGCGTCAGCATTGGAT
CT)および123-57.61 STSF5(GTTGAGGAAATTGGTTATTGTCA
CC)を使用してPCR増幅することができ、95℃(20秒)
−57℃(30秒)−72℃(30秒)を35サイクル行って増幅
することができる。得られた増幅産物をBfaIで2時間消
化処理した後、2.0%アガロース・ゲルで電気泳動を行
う。アガロース・ゲルを、エチジウム・ブロマイドで染
色した後、紫外線ランプで発光させて、BfaIの消化の
有無を断片の泳動度の違いで判別することができる。
合成機等を利用して、本発明で開示する塩基配列に従っ
て合成することができる。また上記プライマーの塩基長
は、当該DNA特異的なプライマーとして機能する塩基長
であれば特に制限されない。通常15〜30程度、好ま
しくは20〜30程度、より好ましくは20〜25程度
の塩基長であることができる。
けでなく、その他の一塩基多型を検出することが可能な
方法で行うことができる。
カー配列の多型は、たとえばシーケンシングによって検
出してもよい。このシーケンシングでは、配列番号3ま
たは4の部位38に位置するCまたはAを含む配列の周辺を
シーケンスすればよく、通常の方法を使用して行うこと
ができる。たとえば表6に記載のプライマーを使用した
サンガー法などによってシーケンスすることができる。
は、当該変異部位を含む塩基配列を解析する各種の方
法、例えばサザンハイブリダイゼーション法やドットハ
イブリダイゼーション法(J. Mol. Biol.,98: 503-517,
1975等参照)、ジデオキシ塩基配列決定法、またはD
NAの増幅手法を組合せた各種の検出法[例えばPCR
−制限酵素断片長多型分析法(RFLP: Restriction frag
ment length polymorphism)、PCR−単鎖高次構造多
型分析法(Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 86:2766-
2770, 1989等参照)、PCR−特異的配列オリゴヌクレ
オチド法(SSO: Specific sequence oligonucleotid
e),PCR−SSOとドットハイブリダイゼーション
法を用いる対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド法(Na
ture, 324: 163-166,1986等参照)]等を例示すること
ができる。
チップ等を使用して検出することもできるであろう。
38を含むタバコ由来配列のDNA断片は、PCR法等のDNA増
幅法またはDNA伸長法を含むDNA合成法を用いて、DNAを
調製するためのテンプレートとしても有用であり、更に
本発明に係る上記多型を検出するためのプローブとして
も有用である。前記配列の例として、たとえば配列番号
1、2、3または4の配列があげられるが、その塩基長に制
限はない。
換を検出するためのプローブとしての機能的有効長を有
するものであれば、特にその塩基長について制限はな
く、通常約10〜100の、好ましくは10〜50、よ
り好ましくは10〜30程度の塩基長からなることがで
きる。
使用して選抜された、立枯病抵抗性タバコが提供され
る。
バコ立枯病抵抗性を簡便に判別することが可能となる。
その結果、幼苗における個体選抜段階において、容易に
立枯病抵抗性個体を選別する手段が提供され、タバコ育
種を効率的に行うことが可能となる。
説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範
囲が限定されるものではない。
病性を示す「みちのく1号」を交配して、立枯病に対す
る抵抗性程度が罹病性から抵抗性に連続的に分離した固
定系統(WMH系統)を作成した。「W6」と「みちのく1
号」を交配し作成したF1から葯を採取し、葯培養を行っ
た。再生した植物体にコルヒチン処理を施し染色体を倍
化させ、遺伝的に固定した倍化半数体系統 (F1 doubled
haploid;F1DH)を125系統作成した。
する汚染圃場(静岡県磐田郡豊田町)において、125系
統のF1DH(WMH系統)を1系統あたり15本、4反復栽培し
た。立枯病抵抗性の判定は、病徴の進展にあわせて複数
回行った。罹病度については、0:健全株、1:下位葉が萎
凋、2:中上位葉が萎凋、3:枯死の4段階とし、各系統
の平均を求め、最低0(全て健全株)から100(全て枯死
株)までの指数に換算し算出した(図2)。
Aマーカーを特定し、連鎖地図を作成するために、W6及
びみちのく1号それぞれから抽出したDNAをAFLP法によ
り解析した。播種後30日〜60日の各個体からフェノール
クロロホルム法によりDNAを抽出した。
て行った。以下概要を大まかに示す。ゲノムDNAの切断
に用いた制限酵素の組み合わせとして、PstI及びMseI
を選択した。抽出したDNAは、PstIとMseIで切断後、
それぞれの酵素に対応した合成アダプターを連結した。
アダプターの配列を表1に示す。
て、表2に示すAFLP選択プライマーを使用して、AFLP反
応を行った。このプライマー中のNは、プライマーにお
けるNの部分が可変であることを示している。PstIプラ
イマーとしては、5’側の一番最初のNがA,C,Gである48
種類を使用し、MseIプライマーとしては、5’側の一番
最初のNがCである64種類のプライマーを使用した。これ
によりPstIプライマーとMseIプライマーの組み合わせ
の合計は48×64=3072となる。合計3072のプライマー組
み合わせを使用して、AFLP反応を行った。PstIプライ
マーは、バンドの有無を視覚的に判別できるように、蛍
光色素FAM、HEX、TAMRAで標識して使用した(J Bios社
に委託)。
osystems社)を用い、94℃(1秒)−65℃(30秒)−72
℃(2分)から1サイクルごとにアニーリング温度が1
度づつ下がる反応を9サイクル、94℃(1秒)−56℃(3
0秒)−72℃(2分)を23サイクル行った。AFLP反応産
物は核酸塩基配列解析機Prism377(Applied Biosystems
社)で泳動を行い、バンドの有無を確認した。さらに、
125系統のF1DH(WMH系統)それぞれについてもバンドの
有無を検定し、「W6」、「みちのく1号」それぞれに特
異的に存在し、かつ分離世代であるF1DH(WMH系統)で
バンドの有無の分離が認めらるマーカーの選別を行っ
た。その結果、84個のマーカーが得られた(表3)。
す84個のマーカーの有無を判定した。この結果をもと
に、遺伝解析ソフトMap Mker Ver3.0を使用して遺伝連
鎖解析を行い、遺伝連鎖地図を作成した。解析の設定は
Minimam LOD;3.0、組換え価;0.4で行った。また、1999
年度の圃場検定で得られた125系統の罹病指数と、前述
の遺伝連鎖地図をもとに、QTL(量的形質遺伝子座)解
析ソフトQ Geneを使用してQTL解析を行った。その結
果、1つの遺伝連鎖群(G-5)において立枯病抵抗性に
対して強い寄与度を示すQTL(LOD>3.0)が認められ、
この連鎖群にはマーカーが12個(M16,M35,M30,M84,M82,
M83,M93,M94,M74,M108,M91,M107)座乗していた(図
3)。みちのく1号に特異的に認められるM82マーカー
(0.13kb)及びW6に特異的に認められるM84マーカー
(0.13kb)が最も強い寄与度(LOD値;11.3)を示して
いた(図4)。
から回収した。泳動したシーケンスゲルを蛍光イメージ
アナライザー(FM-Bio;日立社)で読み取った後、目的と
するマーカーの位置を確認しながらマーカー断片をゲル
片ごと回収した。回収したフラグメントは、新たに作成
した非蛍光プライマーで再度PCR増幅を行い、精製後、
ベクター(pBluescriptSK(+))、東洋紡)に繋ぎ、大腸
菌(JM109、東洋紡)に導入してクローニングを行っ
た。
列を決定した。M82及びM84は全く同じ長さでほぼ同一の
塩基配列を示していたが、3’末端近傍のMseIプライマ
ーの選択塩基相当部位(108塩基目)で1塩基が異なってい
た。M82の全塩基配列を配列番号1に、M84の全塩基配列
を配列番号2にそれぞれ示す。
M82及びM84が座乗するゲノムの塩基配列 M82とM84は1塩基を除き全く同一の塩基配列を示すマー
カーであるが、M82は「みちのく1号」特異的に増幅し、
M84は「W6」特異的に増幅を示す。この原因としては、
6)で示した3’末端近傍の1塩基の違いに由来するものと
予想される。そこで、Invereted PCR法を用いて、それ
ぞれのマーカーが座乗するゲノムの塩基配列を確認し
た。配列番号1及び2により示された塩基配列に基づき、
M82、M84に共通な配列部分から外側向きに増幅するよう
に、表4に示すPCRプライマーを合成した(サワデー・テ
クノロジー社に委託)。
NAを制限酵素HaeIIIで切断後、ライゲーションキット
(Takara Ligation Kit Ver1)でセルフライゲーション
したDNA断片に対して、表4のプライマーを表5のように
組み合わせ、2段階のPCR増幅することで行った。得られ
た増幅産物は同様にクローニング、塩基配列決定を行っ
た。
列を配列番号3に示し、W6より得られたゲノムの塩基配
列を配列番号4に示す。その結果、配列番号1及び2で認
められた1塩基の違いが、配列番号3及び4でも確認され
(38塩基目)、W6、みちのく1号のゲノム塩基配列で1塩
基置換が生じていることが明らかになった。
d polymorphic sequence)化 1塩基置換が生じている領域は、制限酵素BfaIの認識
配列内に存在していることから、この領域を増幅するPC
RプライマーでPCR増幅を行い、さらにBfaIによる増幅
断片の消化の有無を確認することで、マーカータイプの
判別が可能である。配列番号3及び4により示される塩基
配列に基づき、表6に示すPCRプライマーを合成した。W
6、みちのく1号、F1DH(WMH系統)のそれぞれから抽出
したDNAを鋳型としてPCRを行った。DNAの抽出は3)と同
様にフェノールクロロホルム法に従った。PCRにはPCR96
00を用い、95℃(20秒)−57℃(30秒)−72℃(30秒)
を35サイクル行った。得られた増幅産物をBfaIで2時間
消化処理した後、2.0%アガロース・ゲルで電気泳動を
行った。アガロース・ゲルを、エチジウム・ブロマイド
で染色した後、紫外線ランプで発光させて、BfaIの消
化の有無を断片の泳動度の違いで判別した。その結果、
F1DH(WMH系統)の各系統から抽出したDNAより増幅され
たフラグメントは、BfaIによって消化される「W6タイ
プ(106bp)」と、消化されない「みちのくタイプ(133
bp)」に選別され、マーカータイプの判別が可能であっ
た(図5、図6)。「W6タイプ(106bp)」はM84マーカー
と、「みちのくタイプ(133bp)」はM84マーカーと同一
の分離パターンを示していた(表7)。以上から、AFLP
マーカーをCAPS化し、さらに利便性の高いマーカーに改
良することができた。このマーカーをMWC1マーカーと名
付けた。
1号以外の組み合わせより育成された系統においても適
用可能であるかを調べるために、他の立枯病抵抗性分離
集団(M2BH系統;101系統)を用いて検証を行った。M2B
H系統は、W6由来の立枯抵抗性を有するWWH2と、みちの
く1号のF1より作成されたF1DHである。圃場試験は、過
去に均一な立枯病の発生が認められた汚染圃場(栃木県
小山市)において、101系統のM2BH系統を1系統あたり11
本、1反復で栽培した。立枯病抵抗性の判定は、病徴の
進展にあわせて複数回行った。罹病度については、[実
施例1]と同様に、0:健全株、1:下位葉が萎凋、2:中上
位葉が萎凋、3:枯死の4段階とし、各系統の平均を求
め、最低0(全て健全株)から100(全て枯死株)までの
指数に換算し算出した。また、全系統について、8)の方
法に従いMWC1マーカーのマーカータイプの判別を行っ
た。その結果、W6タイプのマーカーが認められた系統の
平均罹病度が44.7であるのに対して、みちのくタイプの
マーカーが認められた系統の平均罹病度は66.3と異なっ
ていた(図7、図8)。また、便宜的に系統を罹病度順に
並べ、罹病度の低い20系統を抵抗性系統群、高い20系統
を罹病性系統群とすると、抵抗性系統群におけるW6マー
カータイプの出現率は0.7(14/20)であるのに対して、
罹病性系統群におけるそれは0.1(2/20)と明らかな違
いが認められた。よって、MWC1マーカーのマーカータイ
プの判別によりM2BH系統の立枯病抵抗性の判別は可能で
あり、本マーカーの利用が他の抵抗性分離集団において
も有効であることが確認された。
した図。
図。
電気泳動写真。
faIで消化した電気泳動写真。
ーカーについてそのマーカータイプを示した図。
Claims (6)
- 【請求項1】 立枯病抵抗性のタバコを選抜する方法で
あって、タバコゲノムDNA中に存在する配列番号3および
4のDNA配列の多型を指標とし、その部位38塩基がアデニ
ンであるDNAをもった個体を立枯病抵抗性のタバコとし
て選抜することを特徴とする方法。 - 【請求項2】 立枯病抵抗性のタバコを選抜する方法で
あって、 (1)タバコから抽出したDNAをテンプレートとして、配
列番号3または4の部位38を含む配列を増幅する工程と、 (2)得られた増幅産物をBfaIで切断する工程とを含
み、前記増幅産物がBfaIで切断された場合に、前記DNA
の供給源である個体を立枯病抵抗性のタバコとして選抜
することを特徴とする方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載の方法であって、配列番
号3または4の部位38を含む配列を増幅するためのプライ
マーとして、プライマー123-57.61 STSF3(CGAACCATGCG
TCAGCATTGGATCT)および123-57.61 STSF5(GTTGAGGAAAT
TGGTTATTGTCACC)を使用する方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法
を使用して選抜された、立枯病抵抗性のタバコ。 - 【請求項5】 配列番号3または4に含まれる連続した複
数のヌクレオチドからなり、且つ配列番号3または4の部
位38のヌクレオチドを含むDNA断片。 - 【請求項6】 請求項1に記載の多型を検出するための
プローブとしての、請求項5に記載のDNA断片の使用。
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