JP2003031241A - 固体高分子電解質型燃料電池のガス差圧抑制構造 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池のガス差圧抑制構造

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JP2003031241A
JP2003031241A JP2001218225A JP2001218225A JP2003031241A JP 2003031241 A JP2003031241 A JP 2003031241A JP 2001218225 A JP2001218225 A JP 2001218225A JP 2001218225 A JP2001218225 A JP 2001218225A JP 2003031241 A JP2003031241 A JP 2003031241A
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gas
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anode
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Yoshihito Fujikawa
義仁 藤川
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Toyotomi Co Ltd
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Toyotomi Kogyo Co Ltd
Toyotomi Co Ltd
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体高分子電解質膜を電解質層として用いる
固体高分子型燃料電池において、アノードとカソードの
間の差圧を迅速に抑制する構造に関する。 【構成】 イオン交換薄膜を両側から電極で挟んで形成
される薄膜電極接合体1を二枚のガスセパレータで挟ん
で燃料電池セルAを構成する。燃料電池セルAのガス入
り口側にはガス圧抑制室2を設け、ガス圧抑制室2の内
部を弾性素材からなる可動仕切体3によって二室に分割
して差圧緩衝室2a・2bを形成し、燃料ガスは差圧緩
衝室2aを経て燃料電池セルAのアノード4aに供給
し、酸化剤ガスは差圧緩衝室2bを経て燃料電池セルA
のカソード5aに供給される。アノードライン4とカソ
ードライン5の間に差圧が生じた時は可動仕切体3が内
圧の高い側から内圧の低い側に押されて差圧緩衝室2a
・2bの体積を変化させて差圧を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、固体高分子電解質膜
を電解質層として用いる固体高分子型燃料電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質型燃料電池は薄膜電極
接合体の両面を二枚のガスセパレータで挟んで構成して
おり、一方のセパレータには燃料ガスが供給されてアノ
ード電極を形成し、他方のセパレータには酸化剤ガスが
供給されてカソード電極を形成している。
【0003】アノードに供給された燃料ガス中の水素は
電子とプロトンとに分かれ、プロトンはアノードから薄
膜電極接合体を透過してカソードに移動し、電子はアノ
ードから外部の負荷を経てカソードに流れ、カソードに
移動したプロトンはカソードの酸素及び電子と反応して
水を生成する。
【0004】薄膜電極接合体の構成材料の一つであるイ
オン交換膜の厚さが薄い方がプロトンの移動に対する抵
抗が小さくなり燃料電池の高出力を得ることが可能とな
るため、近年は非常に薄いイオン交換膜の開発が進んで
おり、燃料電池の出力は向上してきている。
【0005】しかし、イオン交換膜の薄膜化は同時に膜
の強度の低下を招いて破損しやすくなる欠点も持ってお
り、燃料電池セルのアノードとカソードにそれぞれ燃料
ガス、酸化剤ガスが供給された時に、アノードとカソー
ドの間にイオン交換膜の許容を超える差圧が生じるとイ
オン交換膜が破損する恐れがある。
【0006】そして、イオン交換膜の破損は、燃料電池
内で燃料ガスと酸化剤ガスが混在することにつながる
が、これは爆発の恐れもあり非常に危険である。この対
策として、アノードとカソード間の差圧を抑制する構造
が考えられている。
【0007】従来の差圧の抑制構造として、圧力検出計
や差圧検知計によってアノードラインとカソードライン
との差圧を検出し、この差圧が所定範囲を超えた時にア
ノードラインとカソードラインに設けた制御弁を作動し
て燃料ガスと酸化剤ガスの流量を調節したり、ライン外
へガスを排出したりして差圧を緩和するものがある。
【0008】上記の方法は、アノードとカソードの差圧
が徐々に大きくなるような状況では有効であるが、制御
弁をモータや電磁弁によって作動させる仕組みであるの
で、圧力検出計や差圧検出計で差圧を検出してから制御
弁が作動し、アノードとカソードの間の差圧を減少させ
るまでには時間がかかり、短時間で差圧が大きくなる時
には若干の遅れが生じるものであった。
【0009】また、燃料電池セルの出口側のアノードラ
インとカソードラインにそれぞれ圧力変動緩和装置を取
付け、密閉空間を形成して内部を一定圧に保持する格納
容器に燃料電池セルと圧力変動緩和装置とを収納したも
のがあり、圧力が高まった側の圧力変動装置の体積が膨
脹すると、圧力変動緩和装置の体積が膨脹した分だけ格
納容器の内圧が高められ、格納容器の内部が内圧を一定
に保とうとして他方の圧力変動緩和装置の体積を減少さ
せることで、アノードラインとカソードラインの差圧を
抑制している。
【0010】この方法であれば、アノードラインとカソ
ードラインに設けられた二つの圧力変動緩和装置が連動
して差圧を抑制する構成であるので、制御弁を用いたも
のに比べて反応時間を短くすることができ、短時間で差
圧が広がる時にも有効に働くものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、二つの圧力変
動緩和装置が連動する際には、仲介として格納容器内の
気圧の変化を必要とする為、何らかの理由で突発的に差
圧が生じた場合には、一方の圧力変動緩和装置に生じた
体積変化に瞬間的に反応できず、タイムラグが発生して
しまうので、突発的に生じた差圧には対処しきれないも
のであった。
【0012】特に、燃料ガスに純水素、酸化剤ガスに空
気を用いる場合などは、一般的に空気の流量は水素に対
して2〜10倍程度で設定されることが多く、燃料電池
の運転開始時の両ラインにガスを流し始めた瞬間は、ア
ノードとカソードの間に突発的な差圧が発生しやすく、
イオン交換膜の破損の可能性は高くなり、その結果、燃
料ガスと酸化剤ガスが燃料電池内で混合して非常に危険
な状況となることがあった。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の課題を
解決するためのもので、イオン交換薄膜を両側から電極
で挟んで形成される薄膜電極接合体1を二枚のガスセパ
レータで挟んで燃料電池セルAを構成し、該燃料電池セ
ルAの単体もしくは積層によって構成される固体高分子
電解質型燃料電池において、前記燃料電池セルAの単
体、もしくは積層した複数の燃料電池セルAのガス入り
口側にガス圧抑制室2を設け、該ガス圧抑制室2内部に
は、二室に分割する弾性素材からなる可動仕切体3を配
置して差圧緩衝室2a・2bを構成し、かつ、燃料ガス
は一方の差圧緩衝室2aを経て燃料電池セルAのアノー
ド4aに供給し、酸化剤ガスは他方の差圧緩衝室2bを
経て燃料電池セルAのカソード5aに供給するものであ
る。
【0014】また、燃料電池セルAに燃料ガスおよび酸
化剤ガスを供給、排出するアノードライン4およびカソ
ードライン5の燃料電池セルAよりも上流部にガス流量
検知調節器6・7を配置し、前記可動仕切体3には変位
検出手段8を設け、変位検出手段8からの出力と前記ガ
ス流量検知調節器6・7とを連動させると共に、前記ガ
ス流量検知調節器6・7を作動して可動仕切体3の変位
量を抑制するから、アノードライン4とカソードライン
5との差圧が大きい時にも確実に対応することができ
る。
【0015】
【作用】燃料ガス、酸化剤ガスがそれぞれアノード、カ
ソード両ライン4・5を通りガス圧抑制室2内の差圧緩
衝室2a・2bに入った時に、アノード4aとカソード
5aの間に差圧が生じた場合、可動仕切体3は内圧の高
い差圧緩衝室側から内圧の低い差圧緩衝室側へ押されて
弾性変形する。
【0016】この可動仕切体3の弾性変形により、内圧
の高い側の差圧緩衝室は体積が大きくなって内圧は下が
り、内圧の低い側の差圧緩衝室は体積が小さくなって内
圧は上がる。一方の差圧緩衝室の体積増加は、即刻他方
の差圧緩衝室の体積減少につながるため、アノード4a
とカソード5a間の差圧の是正はきわめて迅速に行なわ
れる。
【0017】この相乗作用により、突発的にアノードラ
イン4とカソードライン5の間に生じた差圧を抑制する
ことが可能となるため、差圧緩衝室2a・2bと連通す
る燃料電池セルA内部のアノード4aとカソード5aと
の間の差圧を軽減することができる。
【0018】また、アノードライン4とカソードライン
5上にガス流量検知調節器6・7を配置し、ガス圧抑制
室2内の弾性素材からなる前記可動仕切体3に変位検出
手段8を設け、アノード4aとカソード5aの間に差圧
が生じたことを前記変位検出手段8が検知し信号を出力
する。
【0019】前記変位検出手段8からの出力信号によ
り、アノードライン4とカソードライン5に設けられた
ガス流量検知調節器6・7が作動して、アノード4aと
カソード5a間の差圧を解消するように燃料ガス、また
は酸化剤ガスの流量の制御を行なうので、アノードライ
ン4とカソードライン5の差圧が大きくても可動仕切体
3の変位を抑制して破損を防ぐことができる。
【0020】
【実施例】実施例を示す図によってこの発明を説明する
と、1はイオン交換膜を両側から電極で挟んで形成した
薄膜電極接合体、Aは薄膜電極接合体1を二枚のガスセ
パレータで挟んで構成される燃料電池セルであり、燃料
電池セルAをいくつか重ね合わせることで燃料電池とし
て所定の電圧を得ることができる。
【0021】4aは燃料電池セルAの燃料ガスが供給さ
れる側のセパレータで構成されるアノード、5aは酸化
剤ガスが供給される側のセパレータで構成されるカソー
ド、4はアノード4aに燃料ガスを供給・排出する為の
アノードライン、5はカソード5aに酸化剤ガスを供給
・排出する為のカソードラインであり、アノードライン
4を流れる燃料ガスとカソードライン5を流れる酸化剤
ガスは燃料電池セルAのアノード4aとカソード5aに
それぞれ送られる。
【0022】アノード4aに送られた燃料ガス中の水素
はプロトンと電子に分かれ、プロトンは薄膜電極接合体
1を通過してカソード5aに移動し、電子はアノード4
aから図示しない外部回路を経由してカソード5aに流
れる。カソード5aに移動したプロトンは酸化剤ガス中
の酸素と外部回路から流れてきた電子と反応して水を生
成し、この反応が継続して行なわれるので、外部回路に
電流が流れ続け、この時得られた電流を取り出すことで
直流電気エネルギとして利用することができる。
【0023】また、燃料ガス中の水素ガスや、プロトン
と反応できなかった酸化剤ガスや、反応の結果生成され
た水は、燃料電池セルAからアノードライン4とカソー
ドライン5へ排出される。
【0024】燃料電池の高出力化を図る為にはアノード
4aのプロトンがカソード5aに移動しやすくする必要
があり、薄膜電極接合体1のイオン交換膜の薄膜化が進
んでいる。しかし、薄膜化されたイオン交換膜は強度が
低下してしまい、アノード4aとカソード5aに供給さ
れる燃料ガスと酸化剤ガスの差圧が大きい時にはイオン
交換膜が破損する恐れがあるから、この対策として燃料
電池セルAに差圧を抑制する構造を備えている。
【0025】従来例を示す図2において、9は燃料電池
セルAのアノードライン4とカソードライン5との間に
配置した差圧検出計、10はアノードライン4に取付け
た制御弁、11はカソードライン5に取付けた制御弁で
あり、制御弁10・11は差圧検出計9の出力に基づい
て作動する。
【0026】差圧検出計9で検出されたアノードライン
4とカソードライン5との差圧が所定範囲を超えた時は
制御弁10・11を作動して燃料ガスと酸化剤ガスの流
量を調整したり、ガスを外部に排出したりして、アノー
ド4aとカソード5aに送られる燃料ガスと酸化剤ガス
との差圧を緩和するものである。
【0027】また図3に示す従来例おいて、12は燃料
電池セルAの出口側のアノードライン4に設けた圧力変
動緩和装置、13はカソードライン5に設けた圧力変動
緩和装置、14は燃料電池セルAと圧力変動緩和装置1
2・13とを収納する格納容器であり、格納容器14は
内部を密閉空間に構成しており、アノードライン4とカ
ソードライン5との圧力と、格納容器14内の大気圧と
が圧力変動緩和装置12・13を介してバランスして、
格納装置14の内部が一定圧に保持されている。
【0028】アノードライン4の圧力が高くなった時
は、燃料ガスの圧力によって圧力変動緩和装置12の体
積が膨脹してアノードライン4の内圧を下げ、圧力変動
緩和装置12が膨脹した分だけ格納装置14の内圧が高
まり、格納装置14の内部がバランスするように他方の
圧力変動緩和装置13を収縮させ、カソードライン5の
圧力を高めて差圧をなくすものである。
【0029】上記の構造において、制御弁10・11は
モータや電磁弁によって作動する構造であるので、差圧
検出計9で検出してから制御弁10・11が作動し、ア
ノード4aとカソード5aの間の差圧を減少させるまで
には時間がかかるものであった。
【0030】一方、圧力変動緩和装置12・13を利用
したものでは、前記した制御弁10・11よりも反応時
間が短くなるが、圧力変動緩和装置12・13同士が直
接作用する構造ではなく、格納装置14内の気圧の変化
が仲介される分だけ動作に遅れが生じやすかった。
【0031】この為、アノードライン4とカソードライ
ン5との差圧が徐々に開いていくような時には有効であ
るが、突発的に生じた差圧に対しては瞬間的に対応する
ことができず、制御弁10・11や圧力変動緩和装置1
2・13は反応遅れが生じてイオン交換膜を破損させて
しまうことがあった。
【0032】この発明は上記の課題を解決するもので、
2は燃料電池セルAのガス入り口側に隣接して設けたガ
ス圧抑制室、3はガス圧抑制室2の内部を二室に分ける
弾性素材からなる可動仕切体、2a・2bは可動仕切体
3によって仕切られたガス圧抑制室2の内部に形成され
る差圧緩衝室であり、差圧緩衝室2aはアノードライン
4と連通し、差圧緩衝室2bはカソードライン5と連通
する。
【0033】燃料ガスと酸化剤ガスとがそれぞれアノー
ドライン4とカソードライン5を通りガス圧抑制室2内
の差圧緩衝室2a・2bに入った時、アノード4aとカ
ソード5aの間に差圧が生じた場合、可動仕切体3は内
圧の高い差圧緩衝室側から内圧の低い差圧緩衝室側へ押
されて弾性変形する。
【0034】即ち、アノードライン4の内圧が高くなっ
た時には、可動仕切体3が差圧緩衝室2a側から差圧緩
衝室2b側に押され、差圧緩衝室2a内の体積が膨脹し
てアノードライン4の内圧は下がり、差圧緩衝室2b内
の体積が減少してカソードライン5の内圧は上がるもの
となった。カソードライン5の内圧が高くなった時はこ
の逆の動作が行なわれる。
【0035】このように、一方の差圧緩衝室の体積増加
は、ダイレクトに他方の差圧緩衝室の体積減少につなが
るから、アノードライン4とカソードライン5との間の
差圧の是正はきわめて迅速に行なうことができるように
なった。
【0036】また、アノード4aとカソード5aとに生
じる差圧のほとんどは、可動仕切体3の変形による差圧
緩衝室2a・2b間の体積変動で吸収することができる
が、もし差圧緩衝室2a・2b間の体積変化だけでは吸
収しきれないほど大きな差圧が生じた時には薄膜電極接
合体1を破損させる恐れがある。
【0037】この発明の実施例において、8は可動仕切
体3に取付けたひずみセンサで構成する変位検出手段、
6・7は燃料電池セルAの入り口側のアノードライン4
及びカソードライン5に取付けたガス流量検知調節器で
あり、変位検出手段8は可動仕切体3の変位量や変位の
加速度、速度を検出し、ガス流量検知調節器6・7は変
位検出手段8の出力で作動して燃料ガスと酸化剤ガスの
流量を制御する構成となっている。
【0038】アノード4aとカソード5a間に生じた差
圧がガス圧抑制室2内の差圧緩衝室2a・2bの体積変
化により吸収しきれないほど大きい場合には、可動仕切
体3内に設けられた変位検出手段8によって可動仕切体
3の変位量が測定され、連動するガス流量検知調節器6
・7に伝達され、前記ガス流量検知調節器6・7は前記
変位検出手段8からの出力信号により燃料ガス、及び酸
化剤ガスの流量を制御し、差圧緩衝室2a・2bの体積
変化でも吸収しきれなかったアノード4aとカソード5
a間の差圧も抑制される。
【0039】そして、可動仕切体3の変位量は差圧の減
少とともに小さくなり、それによる変位検出手段8の出
力信号の変化は同時にガス流量検知調節器6・7にフィ
ードバックされ、燃料ガスと酸化剤ガスの流量がさらに
きめ細かく調節されることでアノード4aとカソード5
aとの間の差圧をより小さくすることが可能になる。
【0040】また、変位検出手段8は変位量だけでな
く、変位の加速度、速度も測定可能であり、これらの検
出結果を連動するガス流量検知調節器6・7に出力する
ことにより、アノード4aとカソード5a間の差圧をよ
り小さく制御することも可能である。
【0041】このように突発的に発生した差圧に対して
は可動仕切体3によって瞬間的に差圧を抑制することが
できると共に、ガス圧抑制室2の能力を超える差圧が生
じた場合にはガス流量検知調節器6・7の作動によって
差圧を小さくすることができるので、非常に有効な差圧
抑制手段を実現できるものとなった。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明では、固体高分子電
解質型燃料電池の燃料電池セルAに近接したアノードラ
イン4とカソードライン5上に、それぞれが相互に直接
連動しあう差圧緩衝室2a・2bを設けることにより、
煩雑なメンテナンスを要することなく、かつアノードラ
イン4とカソードライン5間に突発的に生じる差圧を迅
速、かつ正確に抑制し、燃料電池セルA内の薄膜電極接
合体1が差圧により破損する危険性を減少させることが
可能となった。
【0043】また、相互に直接連動しあう差圧緩衝室2
a・2bを形成する可動仕切体3にその変動を検知する
変位検出手段8を設け、アノードライン4およびカソー
ドライン5上に設けたガス流量検知調節器6・7と連動
させることで、差圧緩衝室2a・2bの体積変動だけで
は処理しきれない大きな差圧に対しても、確実に対応す
ることが可能となるから、薄膜電極接合体1を破損させ
る危険性はほとんどなく、高出力でなおかつ安全性の高
い燃料電池の構造を実現できるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例である固体高分子電解質型燃
料電池を示す構造図である。
【図2】従来の固体高分子電解質型燃料電池を示す構造
図である。
【図3】他の従来例を示す構造図である。
【符号の説明】
A 燃料電池セル 1 薄膜電極接合体 2 ガス圧抑制室 2a 差圧緩衝室 2b 差圧緩衝室 3 可動仕切体 4 アノードライン 4a アノード 5 カソードライン 5a カソード 6 ガス流量検知調節器 7 ガス流量検知調節器 8 変位検出手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換薄膜を両側から電極で挟んで
    形成される薄膜電極接合体1を二枚のガスセパレータで
    挟んで燃料電池セルAを構成し、該燃料電池セルAの単
    体もしくは積層によって構成される固体高分子電解質型
    燃料電池において、 前記燃料電池セルAの単体、もしくは積層した複数の燃
    料電池セルAのガス入り口側にガス圧抑制室2を設け、
    該ガス圧抑制室2内部には、二室に分割する弾性素材か
    らなる可動仕切体3を配置して差圧緩衝室2a・2bを
    構成し、かつ、燃料ガスは一方の差圧緩衝室2aを経て
    燃料電池セルAのアノード4aに供給し、酸化剤ガスは
    他方の差圧緩衝室2bを経て燃料電池セルAのカソード
    5aに供給することを特徴とする固体高分子電解質型燃
    料電池のガス差圧抑制構造。
  2. 【請求項2】 燃料電池セルAに燃料ガスおよび酸化剤
    ガスを供給、排出するアノードライン4およびカソード
    ライン5の燃料電池セルAよりも上流部にガス流量検知
    調節器6・7を配置し、前記可動仕切体3には変位検出
    手段8を設け、変位検出手段8からの出力と前記ガス流
    量検知調節器6・7とを連動させると共に、前記ガス流
    量検知調節器6・7を作動して可動仕切体3の変位量を
    抑制する請求項1記載の固体高分子電解質型燃料電池の
    ガス差圧抑制構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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