JP2003030763A - 熱反応型匂い発生部品 - Google Patents

熱反応型匂い発生部品

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JP2003030763A
JP2003030763A JP2001220150A JP2001220150A JP2003030763A JP 2003030763 A JP2003030763 A JP 2003030763A JP 2001220150 A JP2001220150 A JP 2001220150A JP 2001220150 A JP2001220150 A JP 2001220150A JP 2003030763 A JP2003030763 A JP 2003030763A
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odor
odor generating
alloy
melting point
reactive
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Tomiya Abe
富也 阿部
Hiroshi Kasugai
汎 春日井
Hiroshi Kamoshita
博史 鴨志田
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Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誤作動が少なく、かつ異常発熱現象の発生を
確実に知らせることができる新規な熱反応型匂い発生部
品の提供。 【解決手段】 匂い発散口4が形成された容器2内に匂
い発生物質3を収容し、その匂い発散口4を所定の温度
で溶融する密封材5で封止してなる熱反応型匂い発生部
品1において、上記密封材5の融点と上記匂い発生物質
3の沸点との温度差を±20℃以内とする。これによっ
て、誤作動が少なく、かつ異常発熱現象の発生を確実に
知らせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機器等の過熱
事故の発生を匂いによって知らせることができる熱反応
型匂い発生部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気設備や家電機器等にあって
は、負荷の増大や接触不良あるいは漏電等によって過電
流が流れて機器の温度が異常に高くなり、これが原因で
故障を起こしたり、火災等の甚大な過熱事故を招くこと
がある。
【0003】このような過熱事故を未然に防止する方法
としては、例えば、予め発熱が予想される部位に対し
て、温度上昇により変色する変色テープを貼り付けてお
き、その変色の有無を視認することで異常発熱現象を検
知する方法が提案されているが、この方法では、常に変
色テープを監視する必要性が強いられる上に、機器内部
の局所的な発熱現象に対してはこれを正確に把握できな
いといった欠点がある。
【0004】また、同じく予め発熱が予想される部位に
対して電気熱抵抗型の温度センサー等を取り付けてお
き、警告音等によって異常発熱現象の発生を知らせる方
法も考えられるが、このような温度センサーは一般に高
価であり、しかも、その取付に際しては多くの温度セン
サーや配線及び警報機器を付設する必要があり、コスト
の点から実用的でない。
【0005】そのため、最近では、アルコール類等の匂
い発生物質を樹脂製のカプセルや樹脂テープまたはチュ
ーブ内に封入し、これを予め発熱が予想される部位に取
り付けておき、発熱によってその匂い発生物質を封入し
ているカプセル等が溶けて内部の匂い発生物質が発散し
その匂いの有無を近くにいる人間が直接、或いはガス検
出装置等を用いて間接的に感知することで異常過熱現象
の発生を検知する方法が提案されている(特開平5−1
8831号,特開平6−66646号,特開平6−66
647号等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の匂い発生カプセルにあっては、樹脂製のカプセル
やテープ又はチューブ内に匂い発生物質を封入したもの
であるため、温度作動精度が低く、異常過熱温度域に達
しても作動しなかったり、あるいは異常過熱温度域に達
する前に作動してしまうといった誤作動を招くおそれが
ある。
【0007】加えて、監視対象となる箇所の異常過熱温
度は、その機器等の種類によって様々に異なってくる
が、従来の匂い発生カプセルの構成ではその作動温度を
精度良くコントロールすることが困難であった。
【0008】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は、誤
作動が少なく、かつ異常過熱現象の発生を確実に知らせ
ることができる新規な熱反応型匂い発生部品を提供する
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、少なくとも一つ以上の匂い発散口が形成さ
れた容器内に匂い発生物質を収容し、その匂い発散口を
所定の温度で溶融する密封材で封止してなる熱反応型匂
い発生カプセルにおいて、上記密封材の融点と上記匂い
発生物質の沸点との温度差を±20℃以内としたもので
ある。
【0010】これによって、異常過熱温度以下で作動し
たり、異常過熱温度に達したときに作動しなかったり等
といった誤作動を招くことなく、かつ異常過熱現象の発
生を確実に知らせることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。
【0012】図1は本発明に係る熱反応型匂い発生部品
1の実施の一形態を示したものである。
【0013】図示するように、この熱反応型匂い発生部
品1は、缶状の容器2内に匂い発生物質3を収容すると
共に、その上面中央に形成された匂い発散口4を低融点
の封止材5によって封止してなるものである。
【0014】ここで匂い発生物質3を封入する容器2と
しては、その匂い発生物質3を安定して収容できるよう
な材質であれば特に限定されるものでなく、金属やガラ
ス、セラミック等の無機材料の他に、プラスチック等の
有機材料を用いることが可能であるが、その性質上、特
に熱伝導性及び長期安定性に優れた金属単体あるいは合
金、すなわち金属容器を用いることが望ましい。また、
この容器2の形状としてはカプセル状やボックス状をし
たものでも良く、その形態は特に限定されない。
【0015】一方、この容器2内に封入される匂い発生
物質3としては、加熱によって揮発して人間の嗅覚,あ
るいは電気式のガス検知センサ等で容易に検知できるも
のであれば特に限定されるものでなく、例えば、エタノ
ール,プロパノール,ブタノール,フェノール等のアル
コール類、メタン,ブタン,オクタン等の不飽和炭化水
素類やエチレン,アセチレン,ブタジエン,ベンゼン,
ナフタレン等の不飽和炭化水素類、アセトン,メチルエ
チルケトン等のケトン類、蟻酸,酢酸,乳酸,アクリル
酸,メタクリル酸等のカルボン酸類、酢酸メチル,酢酸
エチル等のエステル類等を用いることができるが、有機
物の酸化反応から匂い発生物質3の検出を試みる方式の
匂い検出装置を併用する場合には、エタノールやトルエ
ン,キシレン等のいわゆる可燃性物質を用いることが望
ましい。
【0016】他方、この容器2の匂い発散口4を塞ぐ封
止材5としては、容器2よりも低融点の合金(金属)で
あって過熱事故や過熱による機器の故障等を招くおそれ
がある直前の温度域、例えば60℃〜180℃の範囲を
融点とする低融点合金が用いられる。すなわち、60℃
未満では室温との温度差が小さいため、正常状態と異常
過熱状態とを区別することが難しい上にそれ以下の融点
の合金を得ることが困難なためである。反対に、180
℃を超える温度異常では監視対象となる機器等の損傷も
大きくなり、また監視対象の機器等で使用している有機
物質の分解が進み、その分解ガスによって電気式の匂い
センサが作動するため、本発明の匂い発生部品の必要性
がなくなるからである。
【0017】このような条件を満足する低融点合金とし
て具体的には、インジュウム・錫合金,又は錫・ビスマ
ス合金,あるいはインジュウム・ビスマス合金、もしく
はインジュウム・錫・ビスマス合金等が最適であり、こ
れらの合金比率を適宜変えることで任意の融点の低融点
合金を容易に得ることができる。例えば、インジュウム
・錫合金の場合では重量比で34:66の比率で合金化
すると融点が72℃の合金が得られ、また、錫・ビスマ
ス合金の場合では48:52の比率で合金化すると融点
が117℃、インジュウム・ビスマス合金の場合では5
8:42の比率で合金化すると136℃、さらにインジ
ュウム・錫・ビスマス合金の場合ではそれぞれ48.
2:44.4:7.4の比率で合金化すると融点が96
℃の低融点合金が得られる。
【0018】そして、本発明においてはこれらを匂い発
生物質3と封止材5とを任意に組み合わせて用いること
になるが、この場合の組み合わせとして、匂い発生物質
3の沸点と封止材5の融点との温度差が±20℃以内と
なるようにしたものである。すなわち、匂い発生物質3
の沸点が封止材5の融点よりも20℃以上低いと、封止
材5の融点よりかなり低い場合でも容器2に内圧が掛か
り、容器2の保存安定性が著しく低下して場合によって
は匂い発生物質3の漏れを生じ、正常に機能しなかった
り、保存安定性が悪くなってしまうからである。反対に
匂い発生物質3の沸点が封止材5の融点よりも20℃以
上高い場合には保存安定性は確保されるが、匂い放出特
性(匂いの揮発性)が悪く匂いが伝わり難くなり、その
検出が困難になるからである。
【0019】そして、このような構成をした本発明の熱
反応型匂い発生部品1を図2(1)に示すように監視対
象となる発熱部位6、例えば、モータや集積回路,配電
盤等の近傍に設置、あるいは接着剤を用いてその発熱部
位6に直接貼り付け、固定しておけばその発熱部位6の
温度が通常温度よりも高くなって過熱状態になった場合
には、同図(2)に示すように、その熱によって封止材
5が溶け落ちて匂い発散口4が開口し、その匂い発散口
4から内部の匂い発生物質3が外部に発散することにな
る。
【0020】これによって近くにいる人間が嗅覚によっ
てその現象を直接、あるいはガス検知センサ等によって
その存在を検知し、警報機を鳴らす等して間接的に匂い
発生物質3の存在、すなわち、監視対象となる発熱部位
6が過熱状態となって過熱事故を起こすおそれがあるこ
とを知らせることができる。
【0021】また、このような監視対象となる発熱部位
6が大型なものであったり、広い範囲に亘る場合にはそ
の発熱部位6に対してこの熱反応型匂い発生部品1を複
数纏めてあるいは一定の間隔毎に設置すれば、その匂い
の発生源を辿ることでその発熱箇所を迅速かつ確実に特
定することも可能となる。
【0022】
【実施例】(実施例1)沸点79℃のエタノールを匂い
発生物質3として用いて図1に示す金属容器2に収容
し、その匂い発散口4を融点72℃のビスマス・インジ
ュウム合金(重量比34:66)からなる封止材5で封
止した匂い発生部品1を作製した。
【0023】その後、この匂い発生部品1を徐々に加熱
したところ、約75℃に達したところで封止材5が溶け
落ちてその匂い発散口4が開口してエタノールが漏れ出
し、電気式の匂い検知センサの出力が上昇した。 (実施例2)匂い発生物質3として沸点98℃のn−ヘ
プタンを用いると共に、封止材5として融点が96℃の
インジュウム・錫・ビスマス合金(重量比48.2:4
4.4:7.4)を用いた他は実施例1と同様な匂い発
生部品を作製した。
【0024】その後、この匂い発生部品1を徐々に加熱
したところ、約100℃に達したところでその封止材5
が溶け落ちてその匂い発散口4が開口してn−ヘプタン
が漏れ出し、電気式の匂い検知センサの出力が上昇し
た。 (実施例3)匂い発生物質3として沸点111℃のトル
エンを用いると共に、封止材5として融点が117℃の
錫・インジュウム合金(重量比48:52)を用いた他
は実施例1と同様な匂い発生部品1を作製した。
【0025】その後、この匂い発生部品1を徐々に加熱
したところ、約120℃に達したところでその封止材5
が溶け落ちてその匂い発散口4が開口してトルエンが漏
れ出し、電気式の匂い検知センサの出力が上昇した。 (実施例4)匂い発生物質3として沸点144℃のo−
キシレンを用いると共に、封止材5として融点が139
℃のビスマス・錫合金(重量比58:42)を用いた他
は実施例1と同様な匂い発生部品1を作製した。
【0026】その後、この匂い発生部品1を徐々に加熱
したところ、約145℃に達したところでその封止材5
が溶け落ちてその匂い発散口4が開口してo−キシレン
が漏れ出し、電気式の匂い検知センサの出力が上昇し
た。 (比較例1)匂い発生物質3として沸点144℃のo−
キシレンを用いると共に、封止材5として融点が72℃
のビスマス・インジュウム合金(重量比34:66)を
用いた他は実施例1と同様な匂い発生部品1を作製し
た。
【0027】その後、この匂い発生部品1を徐々に加熱
したところ、約72℃に達したところでその封止材5が
溶け落ちてその匂い発散口4が開口したが、キシレンの
揮発が少なく、電気式の匂い検知センサの出力は実施例
に比べて極めて小さく、検出が困難であった。 (比較例2)匂い発生物質3として沸点79℃のエタノ
ールを用いると共に、封止材5として融点が139℃の
ビスマス・錫合金(重量比58:42)を用いた他は実
施例1と同様な匂い発生部品1を5個作製した。
【0028】その後、この5つの匂い発生部品1を同時
に徐々に加熱したところ、約120℃〜135℃付近に
達したところで、その封止材5が溶け落ちのではなくそ
の内圧によってその匂い発散口4が破れて内部のエタノ
ールが噴出し、全ての匂い発生部品1がその作動温度以
下で作動してしまった。
【0029】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、匂い発生
物質の沸点と封止材の融点との温度差を±20℃以内に
設定したことから、所望の温度で精度良く作動する。こ
の結果、異常過熱温度に達する前に誤作動したり、ある
いは異常過熱温度に達しても作動しない等といった不都
合を回避することができ、優れた信頼性を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱反応型匂い発生部品の実施の一
形態を示す部分破断斜視図である。
【図2】(1)は、本発明に係る熱反応型匂い発生部品
を発熱部位に取り付けた状態を示す断面図である。
(2)は、本発明に係る熱反応型匂い発生部品の作業状
態を示す概念図である。
【符号の説明】
1 熱反応型匂い発生部品 2 容器 3 匂い発生物質 4 匂い発散口 5 封止材(低融点合金) 6 発熱部位
フロントページの続き (72)発明者 鴨志田 博史 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 Fターム(参考) 2F056 UZ03 UZ09 5C086 AA06 BA13 CA30 CB40 DA01 DA08 FA20 5C087 AA02 AA03 AA05 AA60 DD49 EE05 EE14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つ以上の匂い発散口が形成
    された容器内に匂い発生物質を収容し、その匂い発散口
    を所定の温度で溶融する密封材で封止してなる熱反応型
    匂い発生カプセルにおいて、上記密封材の融点と上記匂
    い発生物質の沸点との温度差を±20℃以内としたこと
    を特徴とする熱反応型匂い発生部品。
  2. 【請求項2】 上記匂い発生物質が可燃性物質であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の熱反応型匂い発生部
    品。
  3. 【請求項3】 上記密封材が上記容器よりも低融点の合
    金からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱
    反応型匂い発生部品。
  4. 【請求項4】 上記低融点合金の融点が60〜180℃
    であることを特徴とする請求項3に記載の熱反応型匂い
    発生部品。
  5. 【請求項5】 上記低融点合金が、インジュウム・錫合
    金,又は錫・ビスマス合金,あるいはインジュウム・ビ
    スマス合金、もしくはインジュウム・錫・ビスマス合金
    のいずれかであることを特徴とする請求項3又は4のい
    ずれかに記載の熱反応型匂い発生部品。
  6. 【請求項6】 上記低融点合金が、重量比で34:66
    のインジュウム・錫合金,又は重量比で48:52の錫
    ・ビスマス合金,あるいは重量比で58:42のインジ
    ュウム・ビスマス合金、もしくは重量比で48.2:4
    4.4:7.4のインジュウム・錫・ビスマス合金のい
    ずれかあることを特徴とする請求項3又は4のいずれか
    に記載の熱反応型匂い発生部品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007034872A1 (ja) * 2005-09-21 2007-03-29 Hitachi Cable, Ltd. 熱反応型匂い発生部品及びそれを用いた電気機器
JP2015109110A (ja) * 2015-02-19 2015-06-11 株式会社ラスク 危険管理装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007034872A1 (ja) * 2005-09-21 2007-03-29 Hitachi Cable, Ltd. 熱反応型匂い発生部品及びそれを用いた電気機器
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