JP2003028449A - 地域社会へのエネルギ供給システムおよび方法 - Google Patents
地域社会へのエネルギ供給システムおよび方法Info
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Abstract
境問題に取組むことができるようにする。 【解決手段】 地域の住民の家庭1,2,3は、エネル
ギの利用について連携する自治会を結成し、ライフライ
ンで隣組コージェネレーション(N.C.G.)10に
接続して、電力および熱の供給を受ける。熱は、小口径
の配管を高温水の形態で供給し、各家庭1,2,3に
は、蓄熱装置を設置し、大きな熱負荷に対しては、蓄積
された熱を供給する。余剰の電力は、エネルギサービス
企業32が仲介して外販し、その利益は各家庭1,2,
3に還付されるので、各家庭1,2,3では、省エネル
ギに努めることが期待される。
Description
を利用して、地域社会全体でエネルギの有効利用を図る
地域社会へのエネルギ供給システムおよび方法に関す
る。
利用や、地球温暖化防止のための省エネルギの必要性は
広く認識されている。今日では、火力発電によって、熱
エネルギを電力エネルギに変換する形でエネルギ需要が
賄われているので、火力発電所での効率化が図られてい
る。効率化のためには、火力発電所は大規模に集中させ
る方が好ましい。
は不可能であり、電力に変換されない熱は廃棄する必要
がある。火力発電所などのエネルギ発生設備を大規模化
すると、いくら効率が高くても、廃棄する熱量が多くな
り、環境面などで種々の弊害が生じてしまう。この廃棄
熱を有効に利用しようとしても、大規模な発電所での近
傍では発生熱量に釣合う熱需要は、容易に見出すことが
できない。熱は、途中の損失が大きいので、長距離を輸
送することができないからである。
ェネレーション設備を、各エネルギ需要地に近接して設
置する分散型発電が注目されている。発電した電力は、
電熱に再変換して利用することも多いので、熱の需要に
対しては、直接熱の形でエネルギを供給する方が、変換
に伴う損失を避け、総合的なエネルギ効率を高めること
ができると期待される。
などの燃料を使用して、熱と電力とを需要に応じて発生
させる。電力の発生は、ガスエンジンなどの内燃機関や
ガスタービンなどの外燃機関を用いて、熱エネルギを機
械的な運動エネルギに変換し、さらに運動エネルギで発
電機を駆動して、電力エネルギに変換する。コージェネ
レーション設備では、これらの変換の過程で損失として
発生する熱を、有効なエネルギとして回収し、利用する
ことができる。さらに、熱エネルギを直接電力エネルギ
に変換する燃料電池などの化学反応機関の利用も研究さ
れ、変換効率の向上が期待されている。
を導入してエネルギの有効利用を図ることは可能でも、
既存の地域社会を構成する住民の家庭に個別に導入する
ことは困難である。各家庭の需要のピークに見合う熱お
よび電力を発生しうるコージェネレーション発電設備
は、かなりの経済的負担を強いることになる。しかも、
各家庭での需要に対応する程度の規模では、発電効率を
あまり高くすることはできず、需要に見合う電力を発生
させると、熱が過剰に発生されてしまう可能性がある。
消費の削減自体も要求している。しかし、エネルギを消
費して快適な生活を送っている個々の住民は、その要求
は認識しえても、その認識に従って、多少生活を不便に
しても省エネルギに努めるように実践することは、需要
に応じて充分にエネルギが供給されうる環境下では非常
に困難である。今日では、社会の構成員は個々の個人で
あるけれども、今後のエネルギ問題は、個人レベルで解
決しうるものではなくなっている。
個人社会に変貌してきている。プライバシーの尊重があ
まりにも重視され、地域社会との幼少期からの連携が希
薄になっていると思われる。今後家族、さらには地域と
連携した生き方を学ばなければ、常識人とはなれないと
考えられる。特に、高齢化社会ともなり、一応の勤労年
齢を経過した後でも、人生を有意義に過すためには、地
域社会との連携は不可欠である。
ながらエネルギや環境問題に取組むことができる地域社
会へのエネルギ供給システムおよび方法を提供すること
である。
設備を核として、地域社会の住民の家庭へ発生されたエ
ネルギを供給するシステムであって、エネルギ発生設備
および住民の家庭を結ぶエネルギ供給経路と、エネルギ
供給経路に沿って設けられる情報通信ラインと、各家庭
に設けられ、情報通信ラインに接続され、各家庭でのエ
ネルギ使用状況を検出する使用状況検出手段と、情報通
信ラインを介して各家庭の使用状況検出手段からの検出
出力を収集し、各家庭でのエネルギの使用を平準化し
て、地域社会全体でのエネルギの使用量が予め設定され
る基準を越えないように管理する管理手段とを含むこと
を特徴とする地域社会へのエネルギ供給システムであ
る。
設備を核としてエネルギ供給システムを構成する。地域
社会の住民の家庭には、エネルギ発生設備からエネルギ
供給経路を介して発生されたエネルギを供給する。各家
庭でのエネルギの使用状況は使用状況検出手段によって
検出され、エネルギ供給経路に沿って設けられる情報通
信ラインを介して管理手段に入力される。管理手段は、
各家庭でのエネルギの使用を平準化して、地域社会全体
でのエネルギの使用量が予め設定される基準を越えない
ように管理する。家庭同士のエネルギ使用が平準化さ
れ、各家庭でのエネルギ需要にずれがあるので、各家庭
でのエネルギ需要のピークを合計した値よりも小さな値
のエネルギ発生量で、地域のエネルギ需要に対処するこ
とができる。
発電設備であり、余剰の発電量を外販することを特徴と
する。
を行い、余剰の発電量を外販するので、地域ごとに発電
設備を分散させ、総合的に発電能力を増加させることが
できる。
積可能で、前記管理手段から前記情報通信ラインを介す
る制御で、蓄積された電力を自家庭および他の家庭に供
給可能な電力蓄積手段を備えることを特徴とする。
設け、電力需要が少ないときに、管理手段からの情報通
信ラインを介する制御で電力を蓄積させておき、電力需
要が増大したときには蓄積されている電力も供給するの
で、発電設備の能力を補強することができる。ピークの
発電能力を小さくすることができるので、設備費用を低
減することができる。
熱および電力をエネルギとして発生するコージェネレー
ション設備であることを特徴とする。
および電力をコージェネレーション設備から供給するの
で、個々の家庭に設置するよりもコージェネレーション
設備の規模を大きくすることができ、効率を高めること
ができる。
可能で、前記管理手段から前記情報通信ラインを介する
制御で、蓄積された熱を自家庭および他の家庭に供給可
能な熱蓄積手段を備えることを特徴とする。
け、熱需要が少ないときに、管理手段からの情報通信ラ
インを介する制御で熱を蓄積させておき、熱需要が増大
したときには蓄積されている熱も供給するので、コージ
ェネレーション設備での熱発生能力を補強することがで
きる。ピークの熱発生能力を小さくすることができるの
で、設備費用を低減することができる。
各家庭に熱を温水で供給し、前記エネルギ供給経路は、
前記地域社会の一部の家庭の需要に応じる量の温水を、
全家庭に順次循環するように敷設され、断熱されている
管路を用いて形成され、該管路の内径は、該エネルギ供
給経路全体を該温水が循環するのに要する時間が予め定
める時間内となるように、温水の循環速度を高速化する
のに対応して小径化されることを特徴とする。
速度を高速化して、断熱されている小径化した管路で循
環させるので、温水の循環用管路を容易に敷設すること
ができる。
して、地域社会の住民の家庭へ発生されたエネルギを供
給する方法であって、地域の住民は、各家庭で同時に多
大のエネルギを消費しないように、情報通信を利用し
て、省エネルギ目的で協調するとともに、地域自治の一
環としてエネルギ発生および供給の事業を運営し、エネ
ルギ発生設備が発生する余剰のエネルギは外販して、外
販による利益は住民に還元することを特徴とする地域社
会へのエネルギ供給方法である。
治の一環として、エネルギ発生設備を核として、地域の
住民の家庭へ発生されたエネルギを供給する課程を通じ
て、各家庭で同時に多大のエネルギを消費しないよう
に、情報通信を利用して、省エネルギ目的で協調するの
で、住民同士が連携して省エネルギを図ることができ
る。余剰のエネルギは外販して、外販による利益は住民
に還元されるので、各住民は、自家のエネルギ消費を押
さえて外販による利益を増加させるようになり、省エネ
ルギに対する効果的な動機付けを与えることができる。
て、熱および電力をエネルギとして発生するコージェネ
レーション設備を用い、熱は、一部の家庭の入浴需要に
必要な流量の温水として常時循環させておき、各家庭で
は、熱を使用しないときに、温水から熱を吸収して蓄熱
しておき、循環する温水から得られる熱量が不足すると
きには、蓄熱した熱量で循環する熱量を補充することを
特徴とする。
備で、熱の供給を受ける各家庭でも蓄熱を行っておくこ
とによって、熱の需要のピークでコージェネレーション
設備から発生させることができる熱量を超過する熱の需
要に備えることができる。
ある地域社会へのエネルギ供給システムの概念を示す。
本実施形態の基本的な概念は、隣組コージェネレーショ
ン(以下、Neighboring Co-Generation から「N.C.
G.」と略称することがある)であり、地域の住民の家
庭1,2,3が隣組を結成し、N.C.G.10から熱
と電力との供給を受けるエネルギ供給システムを形成す
る。団地やマンションなどの複数の住民が住んでいる集
合住宅11,12,13に対しては、各集合住宅11,
12,13毎にN.C.G.21,22,23をそれぞ
れ設置する。各N.C.G.10,21,22,23と
家庭1,2,3や集合住宅11,12,13との間は、
光ファイバなどの情報ネットワークケーブル、電力ケー
ブルおよび高温水循環供給ラインを複合したライフライ
ンで結合されている。
働させる燃料は、ガス導管30から供給される都市ガス
を使用する。N.C.G.10,21,22,23は、
余剰電力を外販し、運営には情報通信技術(以下、「I
T」と略称することがある)を多用するので、電力・情
報ケーブル31を介して、外部と接続される。また、
N.C.G.10,21,22,23に対する各種ビジ
ネスを展開するエネルギサービス企業32も活動しう
る。エネルギサービス企業32は、外販される余剰電力
を買い取ってまとめて販売したり、N.C.G.の監視
や制御を行うサービスを提供する。これらのサービス
は、ITを用いて瞬時的に行われる。
ンN.C.G.は、次のような考え方を原点にして成立
する。 ・発電効率の高い機器は、環境に優しい。 ・環境を意識して買いたいが、金がない。 ・個人使用では稼働率が悪く、経済性がない。 ・隣近所と共用すれば、メリットが生じるはず。 ・そこで隣組コージェネレーションは、地域の自治会で
運用する。 ・地域のシルバーパワーが、熱と電気を供給する。 ・余剰電気の外販収入は、地域住民に還付される。 ・外販収入増加の取り組みが、省電力の意識を生む。 ・熱や電気の使用方法が、自治会の問題になる。 ・住民の交流強化が、社会の絆を取り戻す。
1,22,23と家庭1,2,3や集合住宅11,1
2,13との間を結合するために用いるライフライン4
0の概略的な断面構成と、家庭用の蓄熱装置とを示す。
ライフライン40には、光ファイバなどの情報ネットワ
ークケーブル41、電力ケーブル42、および高温水循
環供給ライン43が収納される。このようなライフライ
ン40は、一辺が40m〜100m程度の大きさの地域
に敷設する。本実施形態では、熱を高温水循環供給ライ
ン43で供給し、各家庭に蓄熱装置として、たとえば相
変化蓄熱材であるPCMを用いる家庭用PCM装置45
を設置する点に特徴がある。家庭用PCM装置45に
は、たとえば蓄熱材としてパラフィンを充填させた球状
蓄熱体を内蔵する水加熱器が含まれている。
mm程度とし、内径が15mm程度として、良好な断熱
性が得られる材料を用いて形成する。そのような材料の
一つとして、耐熱強度を高めた架橋ポリエチレン管を用
いることができる。ポリエチレンは、発泡ポリウレタン
(PUF)に比べて断熱性能が劣るけれども、厚肉化さ
せた層に気泡を混在させ、ポリエチレン管の断熱性能を
向上させることができる。
熱需要に応えるため、熱輸送配管の口径は大きくなって
いる。本実施形態では、ITと、顧客である各家庭に設
けた家庭用PCM装置などでの蓄熱とを活用し、熱輸送
配管を小口径化し、放熱損失と建設費との低減を図って
いる。ライフライン40では、高温水循環供給ライン4
3と併設して、情報ネットワークケーブル41を敷設し
ているので、熱供給を受けるすべての顧客情報を収集す
ることができる。顧客情報を収集して、顧客の生活パタ
ーンを学習させ、ITによる循環ポンプの運転やバルブ
の制御で、水過熱器の蓄熱体の放熱や蓄熱を最適化す
る。これによって、温水循環量を減らし、また循環水の
入口・出口温度差を大きくさせ、熱の輸送効率を向上さ
せることができる。
略的な構成を示す。燃料電池コンバインド発電設備50
の燃料電池50Aは、コージェネレーション装置として
発電を行う部分であり、発電機を用いることもできる。
風力発電装置51などを利用することができるときは、
AC/DCコンバータ52などを介して接続することも
できる。電力の供給は、DC配線55を介して直流で行
われる。DC配線55は、図2のライフライン40中
に、電力ケーブル42として含めることができる。各家
庭では、太陽電池56などを追加することもできる。家
庭内の電気器具は商用交流で動作するものが多いので、
DC/ACコンバータ57で直流を交流に変換して、分
電盤58を介して供給する。余剰の電力は、バッテリ5
9に充電しておく。各家庭のバッテリ59への充放電の
制御は、ITを使用して集中的に行われる。
工法で容易に地下に埋設することができる。したがっ
て、図1の家庭1,2,3などが建てられている居住区
で、従来、道路上空に架設している電線、電話線あるい
は光ファイバ線などを、ライフライン40の一部として
地下に埋設すれば、居住区の景観を改善することができ
る。すなわち、隣組コージェネレーションを導入すれ
ば、その地域の景観改善も併せて行うことができる。
が既存の場合に、N.C.G.21,22,23を設置
する考え方を示す。N.C.G.21,22,23は、
集合住宅11,12,13の外部で敷地内に設置する。
N.C.G.21,22,23から集合住宅11,1
2,13までライフライン40を敷設するライフライン
設置スペース60は、ゴミ集積場や駐車場として利用さ
れている部分の地下空間を有効に活用して、非開削工法
で行う。N.C.G.21,22,23も、地下に設置
することができる。集合住宅11,12,13では、雨
水用樋61などを利用する。雨水用樋61にライフライ
ン40を沿わせて、各階で分岐させればよい。新築の集
合住宅の場合は、N.C.G.の設置を予め考慮してお
けばよい。
エネルギを有効に利用するためのシステム構成を示す。
N.C.G.10,21,22,23は、たとえば12
0kWの出力を有する燃料電池(SOFC)50やマイ
クロガスタービン(MGT)の組合せ設備である燃料電
池コンバインド発電設備50で発電を行い、40戸の家
庭に、50〜60kWの電力を供給し、60〜70kW
を売電するものとする。燃料電池コンバインド発電設備
50からは、90℃の高温水が高温水循環供給ライン4
3を介して、各家庭に供給され、50℃の温水として戻
る。各家庭は、家庭用PCM装置45とともに、循環ポ
ンプ62およびバルブ63を備え、循環する熱の有効な
利用を図ることができる。燃料電池コンバインド発電設
備50やマイクロガスタービンからは高温の排ガスも排
出される。この排ガスの熱は、80℃排ガス活用設備6
5で、たとえば生ゴミを乾燥させるために利用すること
ができる。
ることを特徴としている。次の表1は、厚み15mmの
ポリエチレン管について、管の内径Diの違いによる断
熱効果特性の試算結果を示す。
空気温度が20℃である。Vは流速、ΔTは温度差、Δ
Pは圧力損失である。表1から、内径Diが小さい方が
温度差ΔTが小さく、放熱損失が小さくなって、熱を有
効に輸送可能であることが判る。しかも小口径管を採用
すると、建設費を減らすことができる。ただし、圧力損
失ΔPが大きくなるので、抵抗低減界面活性剤の利用な
どを検討する必要がある。地域連携と、PCMおよびI
Tの活用で、断熱を含めて、図2に示すような外形50
mmの高温水循環供給ライン43で40戸の家庭への熱
輸送を実現させることができる。ライフライン40内に
空気を循環させれば、電力ケーブル42の発熱や、高温
水循環供給ライン43の外部に漏れる熱を、有効に回収
することも可能となる。
活用するシステム形態を示す。PCMは、相変化蓄熱材
であり、たとえば融点54℃、潜熱146.5kJ/k
g(35kcal/kg)、比熱2.9kJ/kg℃
(0.7kcal/kg℃)であるパラフィン(ろう)
を球状のカプセルに封入した粒状の形態である。これを
充填するように内蔵する熱交換器を、空気・水加熱器と
して使用する。
水は、各家庭の家庭用PCM装置45に、分岐管70
a,70bを介して分流させることができる。家庭用P
CM装置45は、浴槽71、シャワー72および給湯配
管73につながる洗面所や台所に、それぞれ適温の湯を
供給することができる。温度の調整は、高温水と水道水
とを混合して行うことができる。高温水は、床暖房器7
4に供給して暖房用の熱源とすることもできる。夏場の
冷房にも、高温水を利用する。たとえば外気をブロワ7
5で取込み、クーラ76で冷房を行う際に、除湿器77
での除湿に、温水を利用する。
エクセルギのロスが最小となる家庭用のPCMシステム
を運用するために、IT制御循環ポンプおよびIT制御
弁を図5に示すポンプ62およびバルブ63として、そ
れぞれ情報ネットワークケーブル41を介して制御を行
う。高温水の使用状況は、流量・温度計78および温度
計79で検出し、情報ネットワークケーブル41を介し
て集約する。
置45を活用して地域に熱を供給する方法を示す。たと
えば1軒目の家庭に90℃で供給される高温水の熱量
は、蓄熱モードの家庭用PCM装置45に蓄熱すること
ができる。ポンプ62を運転し、バルブ63を家庭用P
CM装置45が分岐管70a,70bを介して高温水循
環供給ライン43に接続する状態とすると、高温水が蓄
熱材(PCM)を加熱し、蓄熱材を溶融状態にして、潜
熱として熱を蓄えることができる。蓄熱で熱を失った高
温水の温度が分岐管70bで60℃に低下すると、2軒
目の家庭には、90度の高温水に60℃の温水が混合し
て70℃に温度が低下した温水が供給される。2軒目で
は、温水を、風呂、床暖房、給湯などを同時に使用する
最大負荷モードで利用する。ポンプ62を動作させ、バ
ルブ63は温水が家庭用PCM装置45を循環するよう
に切換えられる。2軒目では、家庭用PCM装置45に
蓄積されている熱も利用して、最大負荷に対する熱の供
給が行われる。この結果、分岐管70bには40℃まで
低下した温水が戻り、次の3軒目の家庭には、40℃の
温水が供給される。
に蓄えられている熱を他の家庭のために放熱する放熱モ
ードで運転する。ポンプ62およびバルブ63の制御
は、蓄熱モードの1軒目と同様に行われる。放熱の結
果、次の4軒目の家庭には、50℃まで温度が回復した
温水が供給される。この結果、4軒目の家庭では、ポン
プ62を停止して、家庭用PCM装置45に蓄えられて
いる熱も利用して、給湯使用モードでの温水使用が可能
となる。
って温度制御させれば、熱負荷が平準化され、2軒分の
風呂の熱負荷を賄う程度の50kW温水でも、40軒の
家庭で必要な熱を供給することができる。ただし、図の
3軒目以降の家庭で、急に最大負荷モードの熱需要を要
求しても、要求に応えることができるまでには時間がか
かる。ここに、本システムでの地域連帯の概念が必要と
なる。
23の設備の構成をモデル化し、シミュレーションを行
った結果の一例を示す。交流で120kW出力を得るこ
とを前提とする。コージェネレーション設備としての中
心となる燃料電池50Aは、都市ガスを燃料として、1
22.9kWの電力を直接発生し、高温の排ガスでガス
タービン80を駆動して、さらに29.4kWの電力を
発生することができる。ガスタービン80の排ガスは、
温水器81で95℃の温水を生成し、80℃の排ガスと
なって、図5に示す80℃排ガス活用設備65で活用さ
れる。95℃の高温水は、高温水循環供給ライン43を
介して地域に供給される。都市ガスの使用量は、標準状
態で19.3m3/hであり、年間連続運転時には、標
準状態で158km3/年となる。
的に展開し、総合的な利用を図る考え方を示す。N.
C.G.10が接続される電力・情報ケーブル31は、
インターネット網90にも接続される。インターネット
網90には、エネルギサービス企業32などがエネルギ
ーポータルサイト91を開設する。N.C.G.10
は、ルータ95を介して、エネルギーポータルサイト9
1に接続される。このようなN.C.G.とルータとを
含む隣組コージェネレーションを、たとえば「い組」9
6、「ろ組」97および「は組」98などと構築して、
エネルギーポータルサイト91を通じて運営に必要な監
視や制御を含むサービスを提供する。
NP)91の機能と役割とを示す。図10(a)は機能
を示し、図10(b)は役割を示す。エネルギーポータ
ルサイト91は、各家庭の流量・温度計78や温度計7
9を含むメータやN.C.G.を監視し、N.C.G.
を監視し、制御することによって、各家庭へのエネルギ
供給を制御する。N.G.C.は、地域の住民が結成す
る「隣組」によって運用管理する。運用ルールは「隣
組」で決定し、決定された稼働ルールをエネルギーポー
タルサイト91に登録する。図10(b)に示すエネル
ギーポータルサイト91の役割は、各「隣組」と契約
し、N.C.G.や各家庭のメータの稼働状況等の情報
を開示し、余剰や不足の電力を融通する仲介を行う。
営していく組織を示す。隣組96,97,98を構成す
る地域の住民の各家庭は、自治会100を結成し、エネ
ルギサービス企業32と契約して、N.C.G.を運用
する。電力を外販して得られる利益は、各家庭に省エネ
還付金として還付されるので、各家庭での省エネ意欲を
高めることができる。このような運用で、地域住民の交
流強化により、村社会の絆を取戻し、エネルギ、環境、
教育問題等に一体となって取組むシステムの構築を目指
すことが可能となる。
は、次のようにまとめることができる。 ・大規模から分散型発電へ ・分散から統合制御へ ・内燃から化学反応機関へ ・産官学の個別研究から協業研究開発へ ・インフラ運用の規制から緩和へ ・熱バランス評価からエクセルギ評価へ ・都市景観の選択枝を住民サイドへ ・家庭用と隣組用コージェネレーションの棲み分けへ
エネルギの供給は、コージェネレーション設備から発生
される熱および電力の両方を供給するときに、最も効率
的であると考えられるけれども、熱や電力を単独で供給
したり、冷熱などの他のエネルギを供給する際にも適用
することができる。
発生設備を核とするエネルギ供給システムで、地域社会
の住民に、エネルギ使用の平準化に協力する課程を通じ
て、相互に連携することの重要性を認識させることがで
きる。エネルギ使用の平準化には、情報通信技術を利用
することができる。地域社会の住民の各家庭でのエネル
ギの使用状況は使用状況検出手段によって検出され、エ
ネルギ供給経路に沿って設けられる情報通信ラインを介
して管理手段に入力され、地域社会全体でのエネルギの
使用量が予め設定される基準を越えないように管理され
る。各家庭でのエネルギ需要のピークを合計した値より
も小さな値のエネルギ発生量で、地域のエネルギ需要に
対処することができる。
段を設けて、電力需要の変動に対処させて、発電設備の
能力を補強することができる。ピークの発電能力を小さ
くすることができるので、設備費用を低減することがで
きる。
る熱および電力に合わせて、個々の家庭に設置するより
も、コージェネレーション設備の規模を大きくすること
ができ、効率を高めることができる。
を設けて、管理手段からの情報通信ラインを介する制御
で熱を蓄積させておき、熱需要が増大したときには蓄積
されている熱も供給して、コージェネレーション設備で
の熱発生能力を補強し、設備費用を低減することができ
る。
を高速で循環させながら熱の供給を行うので、温水の循
環用管路を容易に敷設し、効率よく熱を供給することが
できる。
地域自治の一環として、省エネルギ目的で協調しなが
ら、各家庭で同時に多大のエネルギを消費しないよう
に、情報通信を利用して、エネルギの有効利用を図るこ
とができる。エネルギの余剰分に対する外販による利益
は住民に還元されるので、各住民は、自家のエネルギ消
費を押さえて外販による利益を増加させるようになり、
省エネルギに対する効果的な動機付けを与えることがで
きる。
家庭でも蓄熱を行っておくことによって、熱の需要のピ
ークでコージェネレーション設備から発生させることが
できる熱量よりも大きな熱の需要に備えることができ
る。
ーションの概念を示す図である。
イフライン40の断面構成と家庭用PCM装置45の外
観構成とを示す図である。
する形態を示すブロック図である。
G.21,22,23を設置する考え方の一例を示す図
である。
する形態を示す配管系統図である。
テムを示す部分的な配管系統図である。
する形態を示す部分的な配管系統図である。
レーション設備についてのシミュレーション結果の一例
を示す図である。
御するエネルギーポータルサイト91の概念を示す図で
ある。
と役割とを示す図である。
する隣組コージェネレーションの組織を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 エネルギ発生設備を核として、地域社会
の住民の家庭へ発生されたエネルギを供給するシステム
であって、 エネルギ発生設備および住民の家庭を結ぶエネルギ供給
経路と、 エネルギ供給経路に沿って設けられる情報通信ライン
と、 各家庭に設けられ、情報通信ラインに接続され、各家庭
でのエネルギ使用状況を検出する使用状況検出手段と、 情報通信ラインを介して各家庭の使用状況検出手段から
の検出出力を収集し、各家庭でのエネルギの使用を平準
化して、地域社会全体でのエネルギの使用量が予め設定
される基準を越えないように管理する管理手段とを含む
ことを特徴とする地域社会へのエネルギ供給システム。 - 【請求項2】 前記エネルギ発生設備は、発電設備であ
り、余剰の発電量を外販することを特徴とする請求項1
記載の地域社会へのエネルギ供給システム。 - 【請求項3】 前記各家庭には、電力を蓄積可能で、前
記管理手段から前記情報通信ラインを介する制御で、蓄
積された電力を自家庭および他の家庭に供給可能な電力
蓄積手段を備えることを特徴とする請求項2記載の地域
社会へのエネルギ供給システム。 - 【請求項4】 前記エネルギ発生設備は、熱および電力
をエネルギとして発生するコージェネレーション設備で
あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
地域社会へのエネルギ供給システム。 - 【請求項5】 前記各家庭には、熱を蓄積可能で、前記
管理手段から前記情報通信ラインを介する制御で、蓄積
された熱を自家庭および他の家庭に供給可能な熱蓄積手
段を備えることを特徴とする請求項4記載の地域社会へ
のエネルギ供給システム。 - 【請求項6】 前記エネルギ発生設備は、各家庭に熱を
温水で供給し、 前記エネルギ供給経路は、前記地域社会の一部の家庭の
需要に応じる量の温水を、全家庭に順次循環するように
敷設され、断熱されている管路を用いて形成され、 該管路の内径は、該エネルギ供給経路全体を該温水が循
環するのに要する時間が予め定める時間内となるよう
に、温水の循環速度を高速化するのに対応して小径化さ
れることを特徴とする請求項5記載の地域社会へのエネ
ルギ供給方法。 - 【請求項7】 エネルギ発生設備を核として、地域社会
の住民の家庭へ発生されたエネルギを供給する方法であ
って、 地域の住民は、各家庭で同時に多大のエネルギを消費し
ないように、情報通信を利用して、省エネルギ目的で協
調するとともに、地域自治の一環としてエネルギ発生お
よび供給の事業を運営し、 エネルギ発生設備が発生する余剰のエネルギは外販し
て、外販による利益は住民に還元することを特徴とする
地域社会へのエネルギ供給方法。 - 【請求項8】 前記エネルギ発生設備として、熱および
電力をエネルギとして発生するコージェネレーション設
備を用い、 熱は、一部の家庭の入浴需要に必要な流量の温水として
常時循環させておき、 各家庭では、熱を使用しないときに、温水から熱を吸収
して蓄熱しておき、 循環する温水から得られる熱量が不足するときには、蓄
熱した熱量で循環する熱量を補充することを特徴とする
請求項7記載の地域社会へのエネルギ供給方法。
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