JP2003028226A - 液圧緩衝器の摩擦発生装置 - Google Patents

液圧緩衝器の摩擦発生装置

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JP2003028226A
JP2003028226A JP2001211220A JP2001211220A JP2003028226A JP 2003028226 A JP2003028226 A JP 2003028226A JP 2001211220 A JP2001211220 A JP 2001211220A JP 2001211220 A JP2001211220 A JP 2001211220A JP 2003028226 A JP2003028226 A JP 2003028226A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作動油の置換流動の速度に応じて減衰力を発生
させて車体の振動を減衰する液圧緩衝器の減衰力のみで
は吸収、減衰することのできない低速度の入力、特に、
高周波振動を含む広範囲の振動入力を減衰して車両の乗
り心地を向上させることができ、かつ、種々の振動特性
を有する車両ごとの最適摩擦力の設定が容易な液圧緩衝
器の摩擦発生装置の提供。 【解決手段】ロッドガイド14の凹部22内にリテーナ
26とリップ部材27とバックアップ弾性体33からな
る摩擦発生装置23を配設し、リテーナ26のフランジ
部25にリップ部材27を焼き付け固定し、リップ部材
27の内周部をピストンロッド4の外周面に弾接させる
と共に、バックアップ弾性体33はその外周側をリテー
ナ26の筒状部24内周に圧入し内周側をリップ部材2
7の傾斜状外周面に沿って当接することによりリップ部
材27をピストンロッド4方向で径方向および軸方向に
押圧付勢する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に装着された
液圧緩衝器の衝撃吸収及び振動減衰特性を向上させるた
めに液圧緩衝器内に装填される摩擦発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】このような液圧緩衝器の摩擦発生装置と
しては、例えば、特開平10−141415号公報(従
来例1)に記載のものが知られている。また、摩擦発生
を目的とするものではないが、実開平2−24136号
公報(従来例2)に記載の弾性シール材が知られてい
る。まず、従来例1の摩擦発生装置は、軸方向のスリッ
トにて分断された環状のブッシュをピストンロッドの外
周に挿入し、該ブッシュの外周にコイルスプリングやゴ
ム等の縮径方向に弾性変形する押圧部材を装填して、押
圧部材の押圧力によってブッシュをピストンロッドの外
周面に押圧付勢することによって、ピストン速度が微低
速の時に一定のフリクションを発生させるようになって
いた。また、従来例2の弾性シール材は、断面形状が略
U字状をなす環状凹部を備えた合成樹脂製ボディと、断
面V字状の金属スプリングとからなり、金属スプリング
を合成樹脂性ボディの環状凹部内に縮設した状態で、ロ
ッドガイド部材に形成された凹部内周面とピストンロッ
ド外周面との間に半径方向に圧縮した状態で装填し、主
に金属スプリングの反発力によって合成樹脂性ボディの
凹部を径方向に押し広げて、合成樹脂製ボディにおける
内周側環状壁の先端外周部分をピストンロッドの外周面
に密接させるようにしたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例1の摩擦発生装置を構成するブッシュは、ピストン
ロッドが貫通支持されるロッドガイドの上部に形成され
た凹部内に、押圧部材を外装した状態で配設され、凹部
の上方に設けられた抜け止め部材によって凹部内に保持
されるようになっていた。一般にこのようにブッシュを
配設する場合には、製作誤差によって、ブッシュが抜け
止め部材に干渉して組付け不能とならないように、ブッ
シュの軸方向寸法が凹部の深さ寸法よりも短く設定され
るが、この従来例1にあっても同公報の図2に開示の如
く、ブッシュと抜け止め部材との間に隙間が設けられる
構成となっていた。このために、低周波入力時のピスト
ン速度が微低速の時に一定のフリクションを発生させる
ことは可能なものの、高周波入力時にはブッシュがピス
トンロッドに引きつられて前記隙間を移動するために高
周波振動入力を減衰するものではなかった。
【0004】また、従来例1の摩擦発生装置は、押圧部
材の押圧力によってブッシュをピストンロッドの外周面
に径方向にのみ押圧付勢する構造であったため、ブッシ
ュとピストンロッドとの相対摺動時にはリップ部材が軸
方向に容易に変形するため軸方向の大きい粘弾性力が得
られず、これにより、良好な振動減衰特性が得られなく
なる。
【0005】また、前記従来例2の弾性シール材は、上
述のように、合成樹脂性ボディの環状凹部内に介装した
金属スプリングの反発力によって合成樹脂性ボディの凹
部を径方向に押し広げて、合成樹脂製ボディにおける内
周側環状壁の先端外周部分をピストンロッドの外周面に
密接させる構造とすることにより、合成樹脂性ボディ自
体の弾性を小さくすることを可能とし、これにより、合
成樹脂性ボディとピストンロッドとの間の摩擦抵抗を小
さくすることができるようになるというもので、即ち、
ピストンロッドを円滑に摺動させるための技術に関する
もので、本願発明とはその課題を異にするものである。
【0006】また、この従来例2の弾性シール材は、合
成樹脂製ボディが断面略U字状で、金属スプリングが断
面V字状に形成され、その断面形状において左右対象に
形成されたものであって、弾性シール材が半径方向に伸
縮する時、その中心軸の位置も径方向に移動することに
なるため、その変位量の設定が困難であり、従って、仮
にこの構造を摩擦発生装置に転用した場合、ピストンロ
ッドの外周面に摺接する合成樹脂製ボディの摩擦力の設
定にばらつきが大きく、このため、例えば、種々の振動
特性を有する車両ごとの最適摩擦力の設定が困難にな
る。
【0007】本発明は、上記従来の液圧緩衝器の摩擦発
生機構に内在する課題を解決して、高周波振動を含む広
範囲の振動入力を減衰して車両の乗り心地を向上させる
ことができ、かつ、種々の振動特性を有する車両ごとの
最適摩擦力の設定が容易な液圧緩衝器の摩擦発生装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、作動液体が充填された有底のシリンダと、該シリン
ダの開放端側に固設されたロッドガイドに摺動支持され
て前記シリンダ内から外方に延出するピストンロッド
と、該ピストンロッドと前記ロッドガイドよりも外側で
摺設して作動液体の前記シリンダ外への漏洩を防止する
ロッドシールと、該ロッドシールによって画成された前
記シリンダ内の位置に設けられた摩擦発生装置と、を備
えた液圧緩衝器の摩擦発生装置において、前記摩擦発生
装置が、前記シリンダ側部材に固設されるリテーナと、
該リテーナに一端が係合され他端が前記ピストンロッド
に弾接して摩擦力を発生させるリップ部材と、外周側が
前記シリンダ側に固設されていて前記リップ部材を前記
ピストンロッド方向で径方向および軸方向に押圧付勢す
るバックアップ弾性体とからなる構成とした。
【0009】請求項2記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、請求項1記載の摩擦発生装置において、前記リテー
ナは前記ピストンロッドと同心に配設される筒状部と、
該筒状部の一端から折曲げ形成されて径方向内方へ延在
するフランジ部を備え、前記リップ部材は前記フランジ
部に固着された基端部から径方向斜め内方に向かって延
設されてなり、該リップ部材の傾斜状外周面と前記筒状
部との間には前記摩擦発生装置に前記ピストンロッドが
挿通されて前記リップ部材の内周部が前記ピストンロッ
ドの外周面に弾接した時に前記リップ部材が折り曲げら
れて拡開変形可能な環状の空隙部が設けられ、前記バッ
クアップ弾性体は前記環状の空隙部に介装されその外周
側が前記筒状部の内周に当接した状態で係合されると共
に内周側が前記リップ部材の傾斜状外周面に沿って当接
することにより前記リップ部材をピストンロッド方向で
径方向および軸方向に押圧付勢するように構成されてい
る。
【0010】請求項3記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、請求項2記載の摩擦発生装置において、前記バック
アップ弾性体は前記筒状部の内周に嵌合される嵌合部と
該嵌合部の一端から前記リップ部材の傾斜状外周面に沿
って径方向斜め内方に向かって延設される弾性押圧部を
備え、該弾性押圧部が前記リップ部材の傾斜状外周面に
沿って当接することにより前記リップ部材をピストンロ
ッド方向で径方向および軸方向に押圧付勢するように構
成されている。
【0011】請求項4記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、請求項2または3に記載の摩擦発生装置において、
前記摩擦発生装置は前記リップ部材が重力に対して上方
を向くように設けられると共に、該摩擦発生装置に前記
ピストンロッドが挿通された状態で、前記筒状部の上端
が前記リップ部材の上端よりも上方に位置するように形
成されている構成とした。
【0012】
【作用】請求項1記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置で
は、リップ部材とリテーナとバックアップ弾性体とから
構成される摩擦発生装置のリテーナがシリンダ側部材に
固設され、ピストンロッドに弾接して摩擦力を発生する
リップ部材はリテーナにその外周側が固着されているの
で、ピストン速度や振動入力周波数の大小に係らず、ピ
ストンロッドに引きつられることなく、安定した摩擦力
を発生し、好ましい振動減衰特性を維持することができ
る。
【0013】また、バックアップ弾性体によりリップ部
材がピストンロッド方向で径方向および軸方向に押圧付
勢された状態となるため、ピストンロッドとの弾接部に
は径方向の圧縮力と軸方向の圧縮力が作用し、これによ
り、リップ部材が径方向の他に軸方向にも圧縮変形して
ピストンロッドの摺動時により大きな軸方向の粘弾性係
数を与えることとなり、好ましい振動減衰特性を得るこ
とができる。
【0014】また、バックアップ弾性体はその外周側が
シリンダ側に係合されているため、変位量の設定が容易
であり、ピストンロッドの外周面に摺接するリップ部材
の摩擦力の大きさを任意に設定することができ、さら
に、バックアップ弾性体における径方向の押圧力と軸方
向の押圧力の大きさや比率を変更することで、例えば、
種々の振動特性を有する車両ごとの最適摩擦力の設定が
容易に行えるようになる。
【0015】請求項2記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
では、リップ部材がリテーナのフランジ部に固着された
基端部から径方向斜め内方に向かって延設され、該リッ
プ部材の内周部がピストンロッドの外周面に弾接すると
共に、該リップ部材の外周面と、リテーナの筒状部との
間には環状の空隙部が設けられているため、リップ部材
はピストンロッドとの弾接部が弾性圧縮変形すると共
に、固着された基端部を中心に空隙部に向けて折り曲げ
弾性変形され、この折り曲げ弾性変形による反力分だけ
大きい摩擦力を発生させることが可能となり、とりわ
け、前記ロッドシールの摩擦力を可及的に小さく設定す
ることが可能となって、ロッドシールの耐久性を向上さ
せることができる。
【0016】さらに、前記リップ部材の折り曲げ弾性変
形に伴う摩擦力の大きさは、前記基端部の肉厚及び基端
部から弾接部までの長さによって、任意の設定が可能で
あり、これによって、例えば、種々の振動特性を有する
車両ごとの最適摩擦力の設定が容易になる。
【0017】請求項3記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、バックアップ弾性体が、前記筒状部の内周に嵌合さ
れる嵌合部と該嵌合部の一端から前記リップ部材の傾斜
状外周面に沿って径方向斜め内方に向かって延設される
弾性押圧部を備えた構成としたことにより、嵌合部に対
する弾性押圧部の傾斜角度や弾力性を変更することによ
って、径方向の押圧力と軸方向の押圧力の大きさや比率
を容易に変更することができる。
【0018】請求項4記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、前記リップ部材が重力に対して上方を向くように設
けられると共に、該摩擦発生装置に前記ピストンロッド
が挿通された状態で、前記筒状部の上端が前記リップ部
材の上端よりも上方に位置するように形成されている構
成としたことで、リップ部材がリテーナの筒状部の上端
よりも下方に位置することとなり、リップ部材の上部が
油溜となり、再始動時にも潤滑が確保され、摩擦発生装
置やシール部材の耐久性を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0020】(発明の実施の形態1)図1は、複筒型液
圧緩衝器の要部の断面図で、外筒1の図外の閉塞された
下端部には車輪側の部材が固設され、内部には所定量の
作動油が充填されている。該外筒1の内部にはシリンダ
2が同軸に配設され、該シリンダ2によって内部の油室
とリザーバ3とが画成され、下端部に設けられた図外の
ボトム部材に形成されている連通路によって前記油室と
リザーバ3との間の作動油の交互流通が可能となってい
る。前記油室には図外の上端部が車体に取り付けられた
ピストンロッド4の下端部が貫入してきており、車体が
前記車輪側部材と相対的に移動するに伴って貫入量が変
動し、この変動に応じて油室とリザーバ3間にて作動油
が交互流通し、体積補償がなされる。
【0021】前記ピストンロッド4の下端部にはピスト
ン5が固設され、該ピストン5はその外周に巻装された
ピストンリング6によって、シリンダ2の内周面に滑ら
かに摺接すると共に、前記油室を上室7と下室8とに画
成している。また、該ピストン5には軸方向に貫通して
前記上室7と下室8とを連通する伸び通路9と圧通路1
0とが形成され、伸び通路9の出口の下室8側端と圧通
路10の出口の上室7側端には、各出口を閉塞するよう
に弾性体からなる伸側ディスクバルブ11と圧側ディス
クバルブ12とが配設され、ナット13によってピスト
ン5と共にピストンロッド4に締結されている。このた
めに各ディスクバルブ11,12は上室7と下室8との
間に圧力差が生じると、この圧力差に応じて固定された
内周部を支点に撓み変形して各出口にオリフィスを形成
する。このオリフィスの開口面積に応じたオリフィス前
後の圧力降下が上室7と下室8間の圧力差となり、この
圧力差がピストンロッド4とシリンダ2との相対移動を
抑止する減衰力として作用する。
【0022】シリンダ2の上端側にはロッドガイド14
の下端部が嵌合され、該ロッドガイド14を貫通して形
成された中心孔15にはガイドブッシュ16が圧入固定
されていて、該ガイドブッシュ16によって前記ピスト
ンロッド4が滑らかに摺動支持されている。
【0023】前記ロッドガイド14の上端には環状のリ
テーナ17にゴム製のシールリップ18を焼き付けて形
成されたロッドシール19が配設され、該ロッドシール
19の外周部が、前記外筒1の上端部を該ロッドシール
19の外周部上面に折り曲げることによって、前記ロッ
ドガイド14の外周部に押し付け固定されている。一
方、シールリップ18の内周部は前記ピストンロッド4
の外周面に弾接して、作動油の外部への漏洩と外部から
のごみや水等の侵入を防止している。
【0024】20は外筒1の上端外周にかしめ固定され
たバウンドキャップで、大バウンド時に図外のバウンド
ラバーが衝突して衝撃を吸収する。21はピストンロッ
ドの外周に溶接にて固定されたリテーナ上に硬質ナイロ
ン等からなる緩衝体を載置して形成されたリバウンドス
トッパで大リバウンド時に緩衝体が前記ロッドガイド1
4に衝突して衝撃を吸収しながらストロークを規制す
る。
【0025】前記ロッドガイド14には、前記リップ部
材18の下面に対向して凹部22が形成されており、該
凹部22内に摩擦発生装置23が配設されている。図2
は該摩擦発生装置23を示す拡大断面図であり、該摩擦
発生装置23は剛性部材よりなる受け部を構成する筒状
部24及び該筒状部24の下端を径方向内方へ折り曲げ
形成されたフランジ部25からなる金属製のリテーナ2
6と、前記フランジ部25の上面側にその下端部を焼き
付け固定されたリップ部材27と、筒状部24とリップ
部材27との間に介装されるバックアップ弾性体33と
から構成されている。
【0026】前記リップ部材27は、ピストンロッド4
に弾接して摩擦力を発生させるもので、その下端固定部
を中心として内周部及び外周部が共に内向きに傾斜する
状態で上向き斜め内方に向かって延設され、内周端には
断面三角突条の弾接部28が形成され、外周傾斜部と筒
状部24との間には環状の空隙部29が形成されてい
る。
【0027】前記バックアップ弾性体33は、前記環状
の空隙部29内に装填されることによりリップ部材27
に径方向および軸方向押圧力を付与するものであり、こ
のため、金属製板ばね材で環状に形成されていて、リテ
ーナ26の筒状部24内周に圧入される円筒状の圧入部
(嵌合部)34と、該圧入部34の下端縁部からリップ
部材27の傾斜状外周面に沿う状態で上向きの斜め内方
に向かって傾斜状に延設され円周方向に複数に分割され
た弾性押圧部35と、圧入部34の上端部に外向に折曲
形成された係止フランジ部36を備えている(図3の平
面図参照)。そして、前記リテーナ26の筒状部24に
前記圧入部34を圧入して筒状部24の上端面に前記係
止フランジ部36係止させることにより、バックアップ
弾性体33はリテーナ26に対して位置決め係合されて
いる。なお、前記バックアップ弾性体33の外周側を固
定するために、圧入部34を嵌合したり、係合フランジ
部36をリテーナ26と他部材とで軸方向に挟持するよ
うに構成してもよい。要するに、バックアップ弾性体3
3の外周側が径方向および軸方向に移動不能状態となる
ようにリテーナ26等のシリンダ側部材に対して係合さ
れていればよい。
【0028】以上のように形成された摩擦発生装置23
は、リテーナ26の筒状部24が図1の如くロッドガイ
ド14の凹部22に嵌合固定され、ピストンロッド4が
挿通されて液圧緩衝器に装着される。この摩擦発生装置
23の固定にあっても、リテーナ26の圧入やバックア
ップ弾性体33と共に挟持固定されるように構成する等
の選択が可能である。30は前記凹部22の底面と内周
面とに亘って形成された連通溝で、摩擦発生装置23の
装着時に、上室7側とロッドシール19側とをバイパス
連通して作動油の通路を形成している。
【0029】図4は摩擦発生装置23の装着状態を示す
拡大断面図で、内周の弾接部28が挿通されたピストン
ロッド4の外周面によって押圧されて、三角形の突条が
平坦になるように圧縮変形し、リップ部材27全体はフ
ランジ部25に焼き付け固定された下端部を中心に上部
が拡開方向に斜め上向きに弾性的に曲げ変形すると共
に、このリップ部材27の傾斜状外周面に当接した弾性
押圧部35が圧入部34との連結部である下端を中心と
して外方斜め上向きに弾性曲げ変形された状態となって
いる。
【0030】この状態で、リップ部材27の上端からフ
ランジ部25の底面までの長さh2は、ピストンロッド
4との弾接部28の最大面圧となる突条先端からフラン
ジ部25底面までの長さh1よりも長く形成されてい
る。また筒状部24のフランジ部25底面からの長さH
が前記リップ部材27上面までの長さh3よりも長く形
成されている。
【0031】次に、上記構成になる本発明の実施の形態
1の作用・効果を説明する。車両走行中には、路面の凹
凸やコーナリングやブレーキング等に伴って外力が作用
し、これら外力に応じて車体側(ばね上)と車輪側(ば
ね下)との間にバウンシング、ローリング、ピッチング
等の相対運動が生じる。このために、ばね上のピストン
ロッド4とばね下のシリンダ2との間で相対移動し、こ
の相対移動の間はピストンロッド4はシリンダ2に対し
て退出する行程(以後、伸行程とする)と進入する行程
(以後、圧行程とする)とが交互に行われる。この伸行
程と圧行程とに応じて前記段落番号[0020]に記載
の如く、作動油は体積補償の流れを生じるのであるが、
この場合には、油室は前記ピストン5によって上室7と
下室8とに画成されているので、この両室の間にも交互
に置換流動を生じる。この置換流動に伴って、前記段落
番号[0021]に記載の如く減衰力を発生させて、ば
ね上とばね下との相対移動を抑制する。
【0032】このように液圧緩衝器にあっては、相対移
動速度に対応した作動油の流通速度に応じて減衰力を発
生させるので、流通速度が小さい相対移動時には作動油
の流通による減衰は十分でない。そこで、このような低
速の相対移動時には摩擦発生装置23による減衰作用が
行われる。即ち、ピストンロッド4の外周面に所定の弾
接力にて弾接したリップ部材27の弾接部28はピスト
ンロッド4の移動速度に関係なく、移動開始時から摩擦
力を発生させてピストンロッド4の移動を抑制するよう
に作用する。ここで、リップ部材27はシリンダ2側に
固設されたリテーナ26に焼き付けにて固定されている
ので、ピストンロッド4に引きつられて移動することは
なく、移動開始時に軸方向に微少に弾性変形を行って
後、相対移動して摩擦力を発生する。従って、高周波の
入力時にも弾性摩擦力による減衰作用を行うと共に、相
対移動の軸方向弾性変形によって入力時の衝撃が吸収さ
れる。これによって、突き上げ感などの衝撃的な車体へ
の入力が防止されると共に、効果的に車体の振動が抑止
される。
【0033】また、本発明の実施の形態1にあっては、
リップ部材27の外周面と筒状部24の内周面との間に
は空隙部29が設けられ、この空隙部29には外向きに
弾性変形可能なバックアップ弾性体33が介装されてい
るので、ピストンロッド4が挿入された時にリップ部材
27はリテーナ26に焼き付け固定された下端部を中心
にして弾性的に曲げ変形する。従って、圧縮変形された
弾接部28にはリップ部材27自体の曲げ戻りの弾性復
元力が加わると共に、バックアップ弾性体33の曲げ戻
りの弾性復元力も加わって、弾接部28での摩擦力をよ
り大きくすることができ、車両の仕様に対応した幅広い
振動減衰特性の設定が容易になる。また、弾接部28で
の摩擦力を大きくできることで、前記ロッドシール19
の摩擦力を可及的に小さく設定することが可能となっ
て、ロッドシールの耐久性を向上させることができるよ
うになる。
【0034】さらに、前述のように、ピストンロッド4
の挿入により、リップ部材27全体はフランジ部25に
焼き付け固定された下端部を中心に上部が拡開方向に斜
め上向きに弾性的に曲げ変形すると共に、このリップ部
材27の傾斜状外周面に当接した弾性押圧部35が円筒
状圧入部34との連結部である下端を中心として外方斜
め上向きに弾性曲げ変形された状態となっているため、
ピストンロッド4との弾接部28には径方向の圧縮力と
軸方向の圧縮力が作用し、これにより、リップ部材27
が径方向の他に軸方向にも圧縮変形してピストンロッド
4の摺動時により大きな軸方向の粘弾性係数を与えるこ
ととなり、好ましい振動減衰特性を得ることができる。
【0035】また、バックアップ弾性体33はその円筒
状圧入部34がシリンダ側部材であるリテーナ26の筒
状部24に圧入状態で位置決め係合されているため、圧
入部34を基点として弾性押圧部35の変位量の設定が
容易であり、ピストンロッド4の外周面に摺接するリッ
プ部材27の摩擦力の大きさを容易かつ任意に設定する
ことができ、さらに、バックアップ弾性体33における
径方向の押圧力と軸方向の押圧力の大きさや比率を変更
することで、例えば、種々の振動特性を有する車両ごと
の最適摩擦力の設定が容易に行えるようになる。
【0036】さらに、前記リップ部材27の折り曲げ弾
性変形に伴う摩擦力の大きさは、前記基端部の肉厚及び
基端部から弾接部までの長さによって、任意の設定が可
能であり、これによって、例えば、種々の振動特性を有
する車両ごとの最適摩擦力の設定が容易になる。
【0037】また、前記バックアップ弾性体33とし
て、筒状部24の内周に圧入される金属製板ばね材より
なる円筒状圧入部34と該圧入部34の下端縁部からリ
ップ部材27の傾斜状外周面に沿って上向きの斜め内方
に向かって傾斜状に延設され円周方向に複数に分割され
た弾性押圧部35を備えた構成としたことにより、圧入
部34に対する弾性押圧部35の傾斜角度や弾力性を変
更することによって、径方向の押圧力と軸方向の押圧力
の大きさや比率を、圧入部34を基点として容易に変更
することができるようになる。
【0038】また、前記バックアップ弾性体33の圧入
部34を筒状部24の内周に圧入することによって係合
するようにしたことで、異常作動時における脱落を防止
できるようになる。さらに、前記円筒状圧入部34の上
端部に外向に折曲形成された係止フランジ部36をリテ
ーナ26における筒状部24の上端面に係止させた構造
とすることにより、リテーナ26に対する円筒状固定部
34の軸方向における位置決め固定が容易かつ確実行わ
れるようになる。
【0039】また、摩擦発生装置23が装着されたロッ
ドガイド14の凹部22内面には、該摩擦発生装置23
をバイパスして連通溝30が形成されており、伸行程時
に上室7が高圧になって、ガイドブッシュ16とピスト
ンロッド4との摺接隙間から該摩擦発生装置23の下部
に流入してきた作動油を、該連通溝30によってロッド
シール19側に流入させシールリップ18とピストンロ
ッド4との摺接部の油膜の形成を容易にしている。これ
によって、摩擦発生装置23の弾接部28の潤滑によっ
て作動油が掻き落とされても、ロッドシール19の潤滑
は良好に確保されロッドシール19の耐久性が向上す
る。
【0040】ここで、該摩擦発生装置23の筒状部24
の長さは、フランジ部25からリップ部材27の上端ま
での長さよりも長く形成されているので、筒状部24の
内側には作動油溜りが形成されて、前記連通溝30から
導入された作動油は該作動油溜りに貯留されて、長時間
停車後に液圧緩衝器が再作動しても、即座にロッドシー
ル19の潤滑は確保される。
【0041】なお、前記ロッドシール19のシールリッ
プ18の外周部には逆止弁31が設けられていて、連通
溝30から流入した余剰の作動油を、ロッドガイド14
に形成した戻し通路32を介してリザーバ3に還流させ
ると共に、リザーバ3上部の空気の吸い込みを防止する
ようになっている。
【0042】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。なお、この他の発明の実施の形態の説明にあた
っては、前記発明の実施の形態1と同様の構成部分には
同一の符号を付してその説明を省略し、相違点について
のみ説明する。
【0043】(発明の実施の形態2)この発明の実施の
形態2の液圧緩衝器の摩擦発生装置は、図5に示すよう
に、ロッドガイド14が前記発明の実施の形態1とは相
違し、かつ、このロッドガイドに摩擦発生装置23が組
み込まれている点が相違している。
【0044】この発明の実施の形態2の液圧緩衝器にお
けるロッドガイド14は、剛性部材である鋼板材料から
プレス成形により環状に形成され、外周が外筒1の内周
に接する大径部14aと、この大径部14aの内周から
垂下してシリンダ2内に挿入される小径部14bと、該
小径部14bの下端から内方上向きに折り返された内径
部14cとを備え、該内径部14cの内周にはピストン
ロッド4の摺動を案内するガイドブッシュ16が固着さ
れた構造となっている。
【0045】そして、この発明の実施の形態2では、前
記ロッドガイド14が、前記発明の実施の形態1の摩擦
発生装置23におけるリテーナ26と同様の役目をな
す。即ち、前記ロッドガイド14における内径部14c
の上端部にその下端部を焼き付け固定された状態でリッ
プ部材27が設けられ、該リップ部材27の内周面がピ
ストンロッド4の外周面に弾接する状態となっている。
なお、このリップ部材27は内径部14cの外周面に沿
って延長する状態で円筒状に形成されると共に、その上
端外周縁部には傾斜面が形成されている。また、リップ
部材27と小径部14bとの間に環状の空隙部29が形
成されている。
【0046】そして、前記リップ部材27の外周傾斜面
部分と径方向に対向するロッドガイド14の小径部14
b内周面側に、円筒状圧入部34が圧入することにより
係合されると共に、該円筒状圧入部34の下端縁部から
上向きの斜め内方に向かって傾斜状に延設された複数の
弾性押圧部35をリップ部材27の外周傾斜面に弾接さ
せた状態で、前記バックアップ弾性体33が設けられて
いる。なお、この発明の実施の形態2では、係止フラン
ジ部36は省略されている。
【0047】また、前記リップ部材27の内周面には上
室7側とロッドシール19側とをバイパスして作動油の
通路を構成する連通溝37が形成されると共に、ロッド
ガイド14の大径部14aには、連通溝35から流入し
た余剰の作動油を、リザーバ3に還流させる戻し通路3
2が形成されている。
【0048】この発明の実施の形態2の液圧緩衝器の摩
擦発生装置にあっては、上述のように、リップ部材27
の傾斜状外周面に当接したバックアップ弾性体33の弾
性押圧部35が円筒状圧入部34との連結部である下端
を中心として外方斜め上向きに弾性曲げ変形された状態
となっているため、リップ部材27におけるピストンロ
ッド4との弾接部には径方向の圧縮力と軸方向の圧縮力
が作用した状態となるもので、これにより、前記発明の
実施の形態1と同様の作用・効果が得られる。
【0049】(発明の実施の形態3)この発明の実施の
形態3の液圧緩衝器の摩擦発生装置は、図6に示すよう
に、バックアップ弾性体33の構造が前記発明の実施の
形態と相違したものであり、その他の構成は前記発明の
実施の形態2とほぼ同様であるため、同様の構成部分に
は同一の符号を付してその説明を省略し、相違点につい
てのみ説明する。
【0050】即ち、この発明の実施の形態3のバックア
ップ弾性体33は、弾性ゴムにより上部が内側に肉厚で
下部に行くにつれて外側に肉薄になる断面の環状に形成
されていて、前記リップ部材27の外周傾斜面と径方向
に対向するロッドガイド14の小径部14b内周面側
に、その外周面側が焼き付けられることにより小径部1
4bに位置決め係合されると共に、内周面側に上向きの
斜め内方に向かって傾斜状に形成された傾斜状弾性押圧
部35をリップ部材27の外周傾斜面に弾接させた状態
で、前記バックアップ弾性体33が設けられている。
【0051】また、前記ガイドブッシュ16より上部の
内径部14cには、上部室7側と環状の空隙部29との
間を連通する連通孔38が形成されると共に、前記バッ
クアップ弾性体33の外周面側には空隙部29とロッド
シール19側とを連通する連通溝39が形成されてい
る。
【0052】この発明の実施の形態3の液圧緩衝器の摩
擦発生装置にあっては、上述のように、リップ部材27
の傾斜状外周面に当接したバックアップ弾性体33の弾
性押圧部35が弾接することで、リップ部材27におけ
るピストンロッド4との弾接部には径方向の圧縮力と軸
方向の圧縮力が作用した状態となるもので、これによ
り、前記発明の実施の形態1、2とほぼ同様の作用効果
が得られる。
【0053】以上本発明の実施の形態を図面により説明
してきたが、具体的な構成はこれらの発明の実施の形態
に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲における設計変更があっても本発明に含まれる。例え
ば、発明に実施の形態1、2では、リップ部材27を重
力に対して上方を向くように設けたが重力に対して下方
を向くように上端部側を固定するようにしてもよい。
【0054】また、発明の実施の形態1、2では、バッ
クアップ弾性体55を金属製板ばね材で形成したが、合
成樹脂製板ばね材で形成させてもよい。また、発明の実
施の形態1、2では、バックアップ弾性体33の円筒状
圧入部34をリテーナ26の筒状部24内周に圧入する
ことにより係合させたが、嵌合することによって係合さ
せるようにしてもよいし、更には、係合フランジ部36
を挟持することでリテーナ26等のシリンダ側部材に対
して係合させるようにしてもよい。
【0055】また、発明の実施の形態1、2では、バッ
クアップ弾性体33を金属性板ばね材で形成した関係
で、弾性押圧部35を円周方向に複数に分割した構造と
したが、径方向に伸縮可能なゴム等の弾性部材で形成す
る場合は弾性押圧部35を円周方向に連続した環状に形
成する場合もある。
【0056】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明請求項
1記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置では、摩擦発生装置
が、シリンダ側部材に固設されるリテーナと、該リテー
ナに一端が固着され他端がピストンロッドに弾接して摩
擦力を発生させるリップ部材と、外周側が前記シリンダ
側に固設されていてリップ部材をピストンロッド方向で
径方向および軸方向に押圧付勢するバックアップ弾性体
とからなる構成とされ、即ち、リップ部材とリテーナと
バックアップ弾性体とから構成される摩擦発生装置のリ
テーナがシリンダ側部材に係合され、ピストンロッドに
弾接して摩擦力を発生するリップ部材はリテーナに固着
されているため、ピストン速度や振動入力周波数の大小
に係らず、ピストンロッドに引きつられることなく、安
定した摩擦力を発生し、好ましい振動減衰特性を維持す
ることができる。
【0057】また、バックアップ弾性体によりリップ部
材がピストンロッド方向で径方向および軸方向に押圧付
勢された状態となるため、ピストンロッドとの弾接部に
は径方向の圧縮力と軸方向の圧縮力が作用し、これによ
り、リップ部材が径方向の他に軸方向にも圧縮変形して
ピストンロッドの摺動時により大きな軸方向の粘弾性係
数を与えることとなり、好ましい振動減衰特性を得るこ
とができる。
【0058】また、バックアップ弾性体はその外周側が
シリンダ側に係合されているため、受け部を基点として
変位量の設定が容易であり、ピストンロッドの外周面に
摺接するリップ部材の摩擦力の大きさを任意に設定する
ことができ、さらに、バックアップ弾性体における径方
向の押圧力と軸方向の押圧力の大きさや比率を変更する
ことで、例えば、種々の振動特性を有する車両ごとの最
適摩擦力の設定が容易に行えるようになる。
【0059】請求項2記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
では、請求項1記載の摩擦発生装置において、前記リテ
ーナはピストンロッドと同心に配設される筒状部と、該
筒状部の一端から折曲げ形成されて径方向内方へ延在す
るフランジ部を備え、前記リップ部材は前記フランジ部
に固着された基端部から径方向斜め内方に向かって延設
されてなり、該リップ部材の傾斜状外周面と前記筒状部
との間には摩擦発生装置にピストンロッドが挿通されて
リップ部材の内周部がピストンロッドの外周面に弾接し
た時にリップ部材が折り曲げられて拡開変形可能な環状
の空隙部が設けられ、バックアップ弾性体は前記環状の
空隙部に介装されその外周側が前記筒状部の内周に固設
されると共に内周側が前記リップ部材の傾斜状外周面に
沿って当接することにより前記リップ部材をピストンロ
ッド方向で径方向および軸方向に押圧付勢するように構
成したことで、リップ部材はピストンロッドとの弾接部
が弾性圧縮変形すると共に、固着された基端部を中心に
空隙部に向けて折り曲げ弾性変形され、この折り曲げ弾
性変形による反力分だけ大きい摩擦力を発生させること
が可能となり、とりわけ、前記ロッドシールの摩擦力を
可及的に小さく設定することが可能となって、ロッドシ
ールの耐久性を向上させることができる。
【0060】さらに、前記リップ部材の折り曲げ弾性変
形に伴う摩擦力の大きさは、前記基端部の肉厚及び基端
部から弾接部までの長さによって、任意の設定が可能で
あり、これによって、例えば、種々の振動特性を有する
車両ごとの最適摩擦力の設定が容易になる。
【0061】請求項3記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
では、請求項2記載の摩擦発生装置において、前記バッ
クアップ弾性体は前記筒状部の内周に嵌合される嵌合部
と該嵌合部の一端から前記リップ部材の傾斜状外周面に
沿って径方向斜め内方に向かって延設される弾性押圧部
を備え、該弾性押圧部が前記リップ部材の傾斜状外周面
に沿って当接することにより前記リップ部材をピストン
ロッド方向で径方向および軸方向に押圧付勢するように
構成されたことで、固定部に対する弾性押圧部の傾斜角
度や弾力性を変更することによって、径方向の押圧力と
軸方向の押圧力の大きさや比率を容易に変更することが
できる。
【0062】請求項4記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
では、請求項2または3に記載の摩擦発生装置におい
て、前記摩擦発生装置は前記リップ部材が重力に対して
上方を向くように設けられると共に、該摩擦発生装置に
前記ピストンロッドが挿通された状態で、前記筒状部の
上端が前記リップ部材の上端よりも上方に位置するよう
に形成されている構成としたことで、リップ部材がリテ
ーナの筒状部の上端よりも下方に位置することとなり、
リップ部材の上部が油溜となり、再始動時にも潤滑が確
保され、摩擦発生装置やシール部材の耐久性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の摩擦発生装置が配設さ
れた液圧緩衝器の縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1の摩擦発生装置における
ピストンロッドが挿通される前の状態を示す拡大縦断面
図である。
【図3】本発明の実施の形態1の摩擦発生装置における
バックアップ弾性体を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態1の摩擦発生装置における
ピストンロッドが挿通された状態を示す拡大縦断面図で
ある。
【図5】本発明の実施の形態2の摩擦発生装置が配設さ
れた液圧緩衝器の要部を示す縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3の摩擦発生装置が配設さ
れた液圧緩衝器の要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2 シリンダ 4 ピストンロッド 14 ロッドガイド 19 ロッドシール 23 摩擦発生装置 24 筒状部 25 フランジ部 26 リテーナ(シリンダ側部材) 27 リップ部材 29 空隙部 33 バックアップ弾性体 34 圧入部(嵌合部) 35 弾性押圧部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動液体が充填された有底のシリンダ
    と、該シリンダの開放端側に固設されたロッドガイドに
    摺動支持されて前記シリンダ内から外方に延出するピス
    トンロッドと、該ピストンロッドと前記ロッドガイドよ
    りも外側で摺設して作動液体の前記シリンダ外への漏洩
    を防止するロッドシールと、該ロッドシールによって画
    成された前記シリンダ内の位置に設けられた摩擦発生装
    置と、を備えた液圧緩衝器の摩擦発生装置において、 前記摩擦発生装置が、前記シリンダ側部材に固設される
    リテーナと、該リテーナに一端が固着され他端が前記ピ
    ストンロッドに弾接して摩擦力を発生させるリップ部材
    と、外周側が前記シリンダ側に係合されていて前記リッ
    プ部材を前記ピストンロッド方向で径方向および軸方向
    に押圧付勢するバックアップ弾性体とからなることを特
    徴とする液圧緩衝器の摩擦発生装置。
  2. 【請求項2】 前記リテーナは前記ピストンロッドと同
    心に配設される筒状部と、該筒状部の一端から折曲げ形
    成されて径方向内方へ延在するフランジ部を備え、 前記リップ部材は前記フランジ部に固着された基端部か
    ら径方向斜め内方に向かって延設されてなり、 該リップ部材の傾斜状外周面と前記筒状部との間には前
    記摩擦発生装置に前記ピストンロッドが挿通されて前記
    リップ部材の内周部が前記ピストンロッドの外周面に弾
    接した時に前記リップ部材が折り曲げられて拡開変形可
    能な環状の空隙部が設けられ、 前記バックアップ弾性体は前記環状の空隙部に介装され
    その外周側が前記筒状部の内周に当接した状態で係合さ
    れると共に内周側が前記リップ部材の傾斜状外周面に沿
    って当接することにより前記リップ部材をピストンロッ
    ド方向で径方向および軸方向に押圧付勢するように構成
    されていることを特徴とする請求項1記載の液圧緩衝器
    の摩擦発生装置。
  3. 【請求項3】 前記バックアップ弾性体は前記筒状部の
    内周に嵌合される嵌合部と該嵌合部の一端から前記リッ
    プ部材の傾斜状外周面に沿って径方向斜め内方に向かっ
    て延設される弾性押圧部を備え、該弾性押圧部が前記リ
    ップ部材の傾斜状外周面に沿って当接することにより前
    記リップ部材をピストンロッド方向で径方向および軸方
    向に押圧付勢するように構成されていることを特徴とす
    る請求項2記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置。
  4. 【請求項4】 前記摩擦発生装置は前記リップ部材が重
    力に対して上方を向くように設けられると共に、該摩擦
    発生装置に前記ピストンロッドが挿通された状態で、前
    記筒状部の上端が前記リップ部材の上端よりも上方に位
    置するように形成されていることを特徴とする請求項2
    または3に記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置。
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