JP2003026705A - 重合方法 - Google Patents

重合方法

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JP2003026705A JP2002191700A JP2002191700A JP2003026705A JP 2003026705 A JP2003026705 A JP 2003026705A JP 2002191700 A JP2002191700 A JP 2002191700A JP 2002191700 A JP2002191700 A JP 2002191700A JP 2003026705 A JP2003026705 A JP 2003026705A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿度温度に対し摩擦電荷の影響を受けにくい
トナー粒子用樹脂生成方法を提供する。 【解決手段】 ラテックスポリマーを調製するためのプ
ロセスであって、(i)ラテックスポリマーを形成させ
るのに使用するアニオン性界面活性剤の全量の20重量
%以下の任意の量で、アニオン性界面活性剤を含む水相
を調製または用意し、(ii)エマルション中にアニオン
性界面活性剤を含むモノマーの水中エマルションを調製
または用意し、(iii)前記のモノマーエマルションの
約50%以下を前記の水相に添加し、それにより、シー
ド重合を開始させ、シードポリマーを形成させ、一方前
記水相にフリーラジカル重合開始剤が含まれ、(iv)前
記のモノマーエマルションの残量を(iii)の組成に添
加し、加熱することでエマルション重合を完結させ、前
記のポリマーを生成させることを含むプロセスである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半連続式のエマルシ
ョン重合プロセスおよび、トナー粒子を調製する方法に
関するものであるが、ここでたとえば選択されるラテッ
クスは、アニオン性界面活性剤の存在下のエマルション
重合によって形成される。前述のトナーは特に画像形成
プロセスにおいて有用で、特に、高いトナー転写効率が
通常必要とされるゼログラフィープロセス、たとえば、
コンパクト設計の複写機におけるプロセス、あるいは、
優れた解像度、高い信号−ノイズ比、優れた画像均一性
を備えた高品質カラー画像を目的としたプロセスなどに
特に有用である。
【0002】本発明の実施態様が関わるのは、トナー組
成物を調製するための半連続式のエマルション重合プロ
セスであって、そこでは、ノニオン性界面活性剤を存在
させずにそのようなプロセスのために選択されるラテッ
クスを形成させることが可能であり、そしてより望まし
くは、アニオン性界面活性剤を分割使用するプロセスが
採用されていて、それはすなわち、たとえば、アニオン
性界面活性剤の一部をプロセスの最初の段階で加え、そ
してその界面活性剤の残部をプロセスの第2の段階で加
えることにより、使用する界面活性剤の総量を増減する
ことなくラテックス粒子の粒径を、好ましい範囲である
約150nm〜約300nmとすることができる。たと
えば、第1の段階で使用する界面活性剤の割合が多すぎ
る場合、たとえば、プロセスで使用するアニオン性界面
活性剤の総量の約20%以上を使用した場合には、粒径
が約150nm以下と小さくなり、その結果、トナーを
アグリゲート(凝集)させたスラリーの粘度が、温度3
5℃〜45℃、剪断速度100s-1の条件で測定した時
に300cps以上と高くなり、そのために、トナーを
アグリゲートさせるサイクル時間がより長く、たとえば
2〜3時間となったり、あるいは、プロセスでの反応器
の汚れが著しい、トナーの粒子径分布が広くなる(体積
GSD>1.25)、トナー粒子径が大きくなるといっ
たことが起きたりする。第1の段階で使用する界面活性
剤の割合が少なすぎる場合、たとえば、プロセスで使用
するアニオン性界面活性剤の総量の約1%以下を使用し
た場合には、粒径が300nm以上と大きくなり、その
結果、トナープロセスでの粘度が低くなって、たとえ
ば、温度35℃〜45℃、剪断速度100s-1の条件で
測定した時に50cps以下の低いものとなり、そのた
めに、トナーの粒子径分布が広くなり、トナーの細粒や
粒子径制御が困難となる。それらの問題点を認識した上
で、本発明におけるプロセスは、所望の粒子径、所望の
粘度その他の特性に応じて、それらの問題点をカバーす
ることができる。
【0003】より望ましくは、本発明は実施態様におい
て、ノニオン性界面活性剤を一切使用せず、アニオン性
界面活性剤を分割使用することによって、たとえば最適
のポリマーラテックス粒径を、たとえば約150〜約3
00nm、より望ましくは約175〜225nmの粒径
とする方法に関するものであり、ここで、選択したアニ
オン性界面活性剤を、反応器中の水相に約1〜約20重
量%の量で添加し、そのアニオン性界面活性剤の残部を
モノマーエマルションの形成のために用いる。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明の特徴は以下の各
プロセスに関わる点である。すなわち、ラテックスポリ
マーを調製するためのプロセスであって、(i)アニオ
ン性界面活性剤を含む水相を調製または用意し、(ii)
エマルション中にアニオン性界面活性剤を含む、モノマ
ーの水中エマルションを調製または用意し、(iii)モ
ノマーエマルションの約50%以下を水相に添加し、そ
れにより、シード重合を開始させ、シードポリマーを形
成させるが、この水相にはさらにフリーラジカル重合開
始剤が含まれており、そして、(iv)モノマーエマルシ
ョンの残量を(iii)に添加し、加熱することでエマル
ション重合を完結させ、ポリマーを生成させる、プロセ
ス;そのプロセスにノニオン性界面活性剤が含まれな
い、プロセス;そのアニオン性界面活性剤がジフェニル
オキシドジスルホネートである、プロセス;水相中に、
モノマーエマルションの添加前、添加中、または添加と
同時に、フリーラジカル重合開始剤を添加する、プロセ
ス;モノマーエマルションを水相に添加する時にフリー
ラジカル重合開始剤がモノマーエマルション中に含まれ
ている、プロセス;フリーラジカル重合開始剤を約5〜
約24分の時間をかけて添加する、プロセス;シード重
合の間、水相に含まれるフリーラジカル重合開始剤が、
約5〜約100重量%の量で存在する、プロセス;フリ
ーラジカル重合開始剤が過硫酸塩開始剤である、プロセ
ス;モノマーエマルションにさらに、連鎖移動剤が含ま
れる、プロセス;(i)の中に存在する界面活性剤が、
ラテックスを形成させるために使用される全量の約0.
1〜約3%であり、(iii)で添加されるモノマーエマ
ルションの割合が、モノマーエマルションの約0.5〜
約3重量%の量から選択される、プロセス;モノマーエ
マルションの残部の約0.1〜約50%を(iv)に添加
し、それによりモノマーエマルションの全量を約100
%とする、プロセス;エマルション(i)を調製する際
に使用されるモノマー類が、3種以上のモノマーを含
む、プロセス;(ii)のモノマーエマルションが約80
〜約99%の量の範囲で選択される、プロセス;プロセ
スであって、形成されたラテックスポリマーに着色剤を
アグリゲートさせトナーを形成し、このアグリゲート物
をコアレス(融合)または溶融させることによりトナー
粒子を形成させる;着色剤が界面活性剤を含む分散体で
ある、プロセス;ラテックスポリマーを着色剤とアグリ
ゲートさせるより前に、ラテックスポリマーにフロキュ
レート剤を添加することをさらに含む、プロセス;アグ
リゲート物にさらにワックスが含まれる、プロセス;ア
グリゲート物にさらに電荷調節剤が含まれる、プロセ
ス;着色剤が顔料である、プロセス;着色剤が染料であ
る、プロセス;ラテックスポリマーが、メタクリレー
ト、アクリレート、スチレンメタクリレート、またはス
チレンアクリレートである、プロセス;
【0005】アグリゲーション(凝集)をほぼポリマー
のガラス転移温度以下で加熱することで実施し、そし
て、コアレシング(合一)をほぼポリマーのガラス転移
温度以上で加熱することで実施する、プロセス;着色剤
分散物、水性モノマーエマルション、および水相エマル
ションを混合することを含むトナーを調製するプロセス
であって、ここでモノマーエマルションおよび水相エマ
ルションにはアニオン性界面活性剤が含まれ、ここで、
アニオン性界面活性剤はモノマーエマルション中に約7
0〜約99重量%の範囲で任意に存在し、ここでアニオ
ン性界面活性剤は水性エマルション中に約30〜約1重
量%の範囲で任意に存在し、その後にこれを加熱するこ
とによって、アグリゲーションおよびコアレシングをお
こなわせる、プロセス;アニオン性界面活性剤が、ドデ
シル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム(SDBS)、ドデシルナフタレン硫
酸ナトリウム、ベンゼンアルキル硫酸ジアルキルまたは
ベンゼンアルキルスルホン酸ジアルキル、アビエチン
酸、またはテトラプロピルジフェニルオキシドジスルホ
ン酸ナトリウム、であるプロセス;界面活性剤が、ダウ
ファクス(DOWFAX)2A1(商標)、すなわちテ
トラプロピルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウ
ムである、プロセス;フリーラジカル重合開始剤が添加
される、プロセス;モノマーを重合させて、体積平均直
径で約150〜約300nmの粒径範囲を有するサブミ
クロンサイズの樹脂粒子からなるラテックスエマルショ
ンを調製することにより、ラテックスポリマーを形成さ
せるプロセスであって、ここで、このラテックスにはイ
オン性界面活性剤、水溶性重合開始剤、架橋剤および連
鎖移動剤を含み;アニオン性界面活性剤を加えることで
形成されるトナーアグリゲート(凝集)物の粒径を保持
し;着色剤と混合し;次いで、加熱することによってア
グリゲート物をコアレス(合一)または溶融させ;そし
て、トナーの単離、洗浄、および乾燥をおこなう、プロ
セス;アグリゲーション温度が約45〜約55℃であ
り、コアレシングまたは溶融温度が約85℃〜約95℃
である、プロセス;そしてここで着色剤が顔料である;
着色剤が、カーボンブラック、シアン、イエロー、マゼ
ンタ、またはそれらの混合物であり;単離されるトナー
粒子が、約2〜約25μmの体積平均直径を有する、プ
ロセス;フリーラジカル重合開始剤が、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過亜硫酸ア
ンモニウム、過亜硫酸カリウム、過亜硫酸ナトリウム、
重硫酸アンモニウム、重硫酸ナトリウム、1,1’−ア
ゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナ
トリウム)、または4,4’−アゾビス(4−シアノ吉
草酸)である、プロセス;連鎖移動剤が、ドデカンチオ
ール、ブタンチオール、イソオクチル−3−メルカプト
プロピオネート(IOMP)、2−メチル−5−t−ブ
チルチオフェノール、四塩化炭素、または四臭化炭素で
ある、プロセス;アグリゲーション温度が約45〜約5
5℃であり、コアレシングまたは溶融温度が約85℃〜
約95℃である、プロセス;
【0006】本発明のプロセスではその実施態様におい
て、水相にアニオン性界面活性剤を、ラテックスポリマ
ーを形成させるのに使用するアニオン性界面活性剤の全
量の、約1〜約20重量%、より望ましくは約5〜約1
0重量%の量で含み、ノニオン性の界面活性剤は水相に
は含まれないようにする。最初の水相におけるアニオン
性界面活性剤の量を分割、最適化することによって、電
気的性質および粒径が改良されたトナーを得ることがで
きる。本発明はまた、たとえば水およびポリマーを含む
ラテックスを調製するためのプロセスに関し、ここで、
モノマーエマルションには、アニオン性界面活性剤を約
80〜約99%、または約90〜約95%の量で添加
し、反応器の水相には同一のアニオン性界面活性剤を約
1〜約20重量%、好ましくは約5〜約10重量%添加
する。本発明のプロセスには、ノニオン性界面活性剤を
含まないポリマーラテックスの調製が含まれていて、こ
こで、全アニオン性界面活性剤の一部分、たとえば約1
〜約20部を反応器水相に加えるが、この相は水を含
み、その水は約99.3〜約99.9重量%(または
部)の量で存在し;続いて、アニオン性界面活性剤の残
部、たとえば約80〜約99部をモノマーエマルション
に添加し、これでアニオン性界面活性剤の合計が、約1
00部、または100%となり;ここで、モノマーエマ
ルションの少量、たとえば0.1%〜10%をシードと
して反応器に仕込み;続いて、シード重合を開始する
が、それには、過硫酸アンモニウム15%と水85%の
量からなるフリーラジカル重合開始剤溶液を添加し、こ
れによりイオン性、たとえば硫酸根イオンのような末端
基を有するポリマーが生成するが、ここで、イオン性の
末端基はたとえば、カルボン酸、スルホン酸、スルホフ
ェニル、カルボキシフェニル、スルホンアミドまたはそ
れらの誘導体からなる群より選択され、イオン性末端基
の量は使用したモノマーのモルを基準にしてその約0.
01〜約1%、あるいは約0.02〜約0.5%であ
り、それにより、コールターカウンターを用いた測定で
15nm〜100nmの径を持つ樹脂粒子を含むラテッ
クスの安定なシードエマルションが得られ、その後に、
反応器に上記のモノマーエマルションの残部、たとえば
約90%〜約99.9%(部)を徐々に反応器に加え、
たとえば約65℃〜約95℃に加熱すると、ポリマーを
約35%〜約45%、水を約55%〜約65重量%含
む、ラテックス組成物が得られる。
【0007】より望ましくは、本発明の実施態様におい
ては、たとえば水を約30〜約35%含むラテックスの
調製のためのプロセスが含まれており、ここで、モノマ
ー混合物に使用するアニオン性界面活性剤の全量の約8
0〜約99%、好ましくは約90〜約95%の量でアニ
オン界面活性剤を水に添加し、それにより、モノマーエ
マルションを形成させるが、これは、約67%のモノマ
ー、1.2%の連鎖移動剤、0.2%の架橋剤、0.6
%のアニオン性界面活性剤、および31%の水で構成さ
れており、一方同一のアニオン性界面活性剤を反応器の
水相に添加して、たとえば水が99.92%、アニオン
界面活性剤が0.08%とする。
【0008】本発明のプロセスにはさらに、水相とは別
に、モノマーの水エマルションを調製することも含まれ
る。このモノマーエマルションに含まれるのはアニオン
性界面活性剤であって、ノニオン性界面活性剤は含まれ
ない。エマルションを形成させるには一般に、モノマー
とアニオン性界面活性剤を水に加え、撹拌することによ
ってエマルションを形成させる。このモノマーエマルシ
ョンにはフリーラジカル重合開始剤が含まれていてもよ
い。モノマーエマルションを形成させたら、モノマーエ
マルションおよびフリーラジカル重合開始剤のうちの2
5%以下を、水相に加え、所望の反応温度で撹拌してシ
ード重合を開始させる。このプロセスでは、重合開始剤
はフリーラジカル重合開始剤であって、シードポリマー
に結合して、ポリマー上にイオン性で親水性の末端基を
形成する。このフリーラジカル重合開始剤は、モノマー
エマルション添加の前、途中、あるいは同時に別途に添
加してもよいし、モノマーエマルションの成分として添
加してもよい。シード粒子が形成されたら次ぎに、モノ
マーエマルションから追加のモノマーを組成物に加え、
あらかじめ定めた温度で所定の時間重合を続けて、重合
を完結させ、ラテックスポリマーを得る。このプロセス
の間に、100部あたり約0.5〜約1部の重合開始剤
を追加してもよい。追加をするのなら、この重合開始剤
はフリーラジカル重合開始剤であるのが好ましい。ラテ
ックスポリマーが形成されてから、このラテックスを、
好ましくは着色剤分散体の形の、着色剤とアグリゲート
させ、アグリゲート粒子を形成させ、これをコアレスま
たは溶融させてトナー粒子とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】ラテックスポリマーを調
製するためのプロセスであって、(i)アニオン性界面
活性剤を含む水相を調製または用意し、(ii)エマルシ
ョン中にアニオン性界面活性剤を含むモノマーの水中エ
マルションを調製または用意し、(iii)前記のモノマ
ーエマルションの約50%以下を前記の水相に添加し、
それにより、シード重合を開始させ、シードポリマーを
形成させるが、前記の水相にはさらにフリーラジカル重
合開始剤が含まれており、そして、(iv)前記のモノマ
ーエマルションの残量を(iii)に添加し、加熱するこ
とでエマルション重合を完結させ、前記のポリマーを生
成させることを含むプロセスである。
【0010】
【発明の実施の形態】このラテックスポリマーを形成さ
せるには、1種または複数のモノマー、たとえば、1〜
約10種、より望ましくは1〜約5種のモノマーを使用
することができる。好適なモノマーならば何を使用して
もよい。本発明の、ノニオン性界面活性剤を含まないプ
ロセスで有用なモノマーをあげれば、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、スチレン、脂肪族酸のビニ
ルエステル、エチレン性不飽和カルボン酸、および公知
の架橋剤などがあるが、これらに限定されるわけではな
い。エチレン性不飽和カルボン酸として好適なものに
は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、アクリル酸2−カルボキシエチル(β−
CEA)などがある。架橋剤として好適なものには、ジ
ビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジアクリル酸エス
テルまたはジメタクリル酸エステルなどがある。2種以
上のモノマーを使用するのが好ましい。特に好ましいモ
ノマーとしては、スチレン、アクリル酸n−ブチルおよ
び/または、β−CEAを、スチレン77.5%、アク
リル酸n−ブチル22.5%、そしてアクリル酸βカル
ボキシエチル3pph(part per hundred)の組成とし
たものがある。
【0011】モノマー類を水およびアニオン性界面活性
剤と混合してエマルションを形成させる。エマルション
化は通常、約5℃〜約40℃の温度で実施する。しかし
ながら、エマルション化を約5℃〜約65℃の温度で実
施することも可能である。エマルションを形成させるた
めに通常、混合物を適切な混合装置を用いて撹拌する
が、その例としては、単一または複数のインペラーを有
する撹拌機つき容器、ホモジナイザーのような高速撹拌
機を有する容器、インラインミキサーのような外部循環
系を備えた容器などがある。実施態様においてエマルシ
ョンを形成させるために、約5〜約6,000rpmの
混合速度のうちどのような速度を選択するかは、使用す
る装置によって決まる。混合速度を高くするほど、エマ
ルション形成に必要な時間が通常短くなる。
【0012】モノマーエマルションを形成させる際に使
用するアニオン性界面活性剤は、所望のエマルション化
およびラテックスが得られ、トナーの機能に関わる性質
に実質的に影響をおよぼさない限り、どのようなアニオ
ン性界面活性剤でもよい。使用可能なアニオン性界面活
性剤に含まれるものとしては、ジフェニルオキシドジス
ルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキル
ナフタレンスルホネートおよびスルフェート、ドデシル
ベンジルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナト
リムなど、およびそれらの混合物があるが、これらに限
定されるわけではない。アニオン性界面活性剤で好まし
いタイプは、ジフェニルオキシドジスルホネートであっ
て、これは実施態様において、ラテックス製造、さらに
は、トナー調製およびその性質の面でベストな組合せが
得られることが見出されたからである。本発明の好適な
実施態様においては、使用される界面活性剤は商業的に
入手可能なジフェノキシドジスルホネート、たとえば、
ダウ・ケミカル社(DowChemical)から市販
されているダウファクス(DOWFAX)(商標)であ
る。具体的な実施態様においては、モノマーエマルショ
ン中のアニオン性界面活性剤の量は、ラテックスポリマ
ーを形成させる際に使用するアニオン性界面活性剤の全
量の、80重量%以上、より望ましくは90以上95重
量%までである。ラテックスポリマーを形成させる時に
使用するアニオン性界面活性剤の全量は、ラテックスポ
リマーを形成させる時に使用するモノマーの全量の、約
0.5〜約10重量%、または、約1〜約4重量%でよ
い。
【0013】さらに、生成するポリマーの分子量に関わ
る性質を調節するために、連鎖移動剤をモノマーエマル
ションの中に加えてもよい。連鎖移動剤は、ドデカンチ
オール、ブタンチオール、イソオクチル−3−メルカプ
トプロピオネート(IOMP)、2−メチル−5−t−
ブチルチオフェノール、四塩化炭素または四臭化炭素な
どから選択すればよいが、これらに限定される訳ではな
い。連鎖移動剤は効果的であればその量には制限はない
が、たとえば、モノマーエマルションに選択したモノマ
ーの約0.1〜約10重量%である。
【0014】シードポリマーを形成させるために、モノ
マーエマルションの、たとえば0.25%〜25重量%
を反応器中の水相に添加することができる。この水相に
含まれるのは通常、ラテックスポリマーの形成に使用さ
れるアニオン性界面活性剤の全量の約1〜約20重量%
以下である。より望ましくは、この水相には通常、ラテ
ックスポリマーの形成に使用されるアニオン性界面活性
剤の全量の約5〜約10重量%以下を入れる。実施態様
においては、この水相には通常、ラテックスポリマーの
形成に使用されるアニオン性界面活性剤の全量の約8重
量%未満を入れる。水相には、ここに記載したものを含
め、多くのアニオン性界面活性剤を加えることができる
が、水相に加えるアニオン性界面活性剤は、モノマーエ
マルションを形成させるのに使用したアニオン性界面活
性剤と同一であっても、異なっていてもよい。
【0015】重合開始剤は、随意にモノマーエマルショ
ンに混合したり、シードポリマーを形成させるための水
相に別途に添加したりできるが、これはフリーラジカル
重合開始剤であって、ポリマーに結合して、ポリマーに
イオン性で親水性の末端基を与える。ポリマー上にこの
ようなイオン性で親水性の末端基があると、ラテックス
の安定性が向上し、粒径150〜300nmのラテック
ス粒子が懸濁状態にとどまり、アグロメレート(凝集)
しない。このように安定となるのは、ラテックス粒子上
の荷電基が他の粒子の荷電基と静電的に反撥しあうため
だと考えられる。重合開始剤として好適なものを以下に
あげるが、これらに限定されるわけではない。すなわ
ち、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウム、過亜硫酸アンモニウム、過亜硫酸カリウム、過
亜硫酸ナトリウム、重硫酸アンモニウム、重硫酸ナトリ
ウム、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル
−3−スルホン酸ナトリウム、または4,4’−アゾビ
ス(4−シアノ吉草酸)などである。重合開始剤として
好ましいのは、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、
過硫酸ナトリウムなどのような過硫酸塩である。重合開
始剤は通常、開始剤水溶液として添加する。ラテックス
を形成させるために使用される重合開始剤の量は一般
に、重合させるモノマーの約0.1〜約10重量%であ
る。シード重合の段階では、開始剤の約5〜約100重
量%、より望ましくは約30〜約100重量%が加えら
れる。
【0016】シードポリマーを生成させる場合には、エ
マルション重合を通常、約35℃〜約150℃、より望
ましくは約50℃〜約95℃の温度で実施する。通常、
エマルションに重合開始剤を比較的徐々に加えていっ
て、系の安定性を保つ。たとえば、重合開始剤を約2〜
約20分、より望ましくは少なくとも約10分かけて添
加する。
【0017】次いで、残っている約75%〜99.75
%のモノマーエマルションをシードポリマーに加えて、
重合を完結させる。このエマルション重合は通常、約3
5℃〜約150℃、より望ましくは約50℃〜約95℃
の温度で実施する。追加していくモノマーエマルション
は通常、効果的な時間をかけて、たとえば0.5〜約8
時間、より望ましくは約2〜約6時間かけてフィードす
る。
【0018】さらに、シード重合の終了後に、追加の重
合開始剤(全量の70%まで)を加えてもよいし、加え
なくてもよい。反応のこの段階で、重合開始剤を追加す
る場合には、その開始剤はシードポリマーを形成する際
に用いたものと同一であっても異なっていてもよい。プ
ロセスのこの場面で有用な重合開始剤を以下に列挙する
が、これらに限定されるわけではない。すなわち、過酸
化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロ
ペルオキシド、p−メタンヒドロペルオキシド、過酸化
ベンゾイル、t−ブチルペルオキシド、クミルペルオキ
シド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,
2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、
2,2’−アゾビスイソブチルアミド二水和物、2,
2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)
プロパン]二塩酸塩、および2,2’−アゾビス[2−
(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン]二塩酸塩などである。
【0019】本発明のプロセスによって形成されるラテ
ックスポリマーの具体的な例を以下に列挙するが、これ
らに限定されるわけではない。すなわち、ポリ(スチレ
ン−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸メチル−ブタジ
エン)、ポリ(メタクリル酸エチル−ブタジエン)、ポ
リ(メタクリル酸プロピル−ブタジエン)、ポリ(メタ
クリル酸ブチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸メチ
ル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸エチル−ブタジエ
ン)、ポリ(アクリル酸プロピル−ブタジエン)、ポリ
(アクリル酸ブチル−ブタジエン)、ポリ(スチレン−
イソプレン)、ポリ(メチルスチレン−イソプレン)、
ポリ(メタクリル酸メチル−イソプレン)、ポリ(メタ
クリル酸エチル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸プ
ロピル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸ブチル−イ
ソプレン)、ポリ(アクリル酸メチル−イソプレン)、
ポリ(アクリル酸エチル−イソプレン)、ポリ(アクリ
ル酸プロピル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸ブチル
−イソプレン)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチ
ル)、それらの架橋コポリマーなどである。架橋または
枝分かれを導入するためのモノマーとしては、ジビニル
ベンゼン、デカンジオールジアクリレート、ヘキサンジ
オールジアクリレート、デカンジオールジメタクリレー
ト、ヘキサンジオールジメタクリレートなどがある。
【0020】具体的な実施態様において本発明は、トナ
ーを調製するプロセスを指向しており、そのプロセスは
以下の工程を含む。すなわち、着色剤、より望ましくは
着色剤分散体、より望ましくはカーボンブラック、シア
ン、マゼンタ、イエロー、グリーン、ブルー、ブラウ
ン、バイオレット、レッドなどの顔料を含み、より望ま
しくはフタロシアニン、キナクリドンまたはローダミン
B(商標)タイプなどの顔料を含むものを、本明細書で
の説明にしたがって調製したラテックスポリマー、さら
に随意にフロキュレート剤および/または電荷添加剤お
よび/またはその他の添加物とブレンドし;得られた混
合物をラテックスポリマーのTg以下の温度、好ましく
はラテックスポリマーのTgよりも約25℃〜約1℃低
い温度で、効果的な時間、たとえば約0.5時間から約
2時間の間加熱して、トナー用にサイズを調節したアグ
リゲートを形成させ;次いでこのアグリゲート懸濁液を
ラテックスポリマーのTg以上の温度、たとえば約60
℃〜約120℃に加熱して、コアレスまたは溶融させ、
トナー粒子を作り;このトナー製品をたとえば濾過によ
って単離し、さらに随意にこのトナー粒子を洗浄し、た
とえば加熱炉、流動層乾燥機、凍結乾燥機あるいは噴霧
乾燥機を用いて乾燥する。
【0021】ラテックスポリマーはトナー組成物中に、
一般に各種の効果的な量、たとえばトナーの約75重量
%〜98重量%の量で存在する。本発明のプロセスに好
適なラテックスポリマーの大きさは、たとえば、ブルッ
クヘブン・ナノサイズ粒子分析器(Brookhave
n nanosize particle analy
zer)で測定した体積平均直径で約150nm〜約3
00nmであるのがよい。実施態様によっては、これ以
外の大きさや効果的な量のラテックスポリマーが選択さ
れてもよい。
【0022】着色剤には、顔料、染料、それに顔料と染
料の混合物などが用いられる。着色剤は通常トナー中に
効果的な量で存在させるが、それは例えば、トナーの約
1〜約15重量%、好ましくはトナーの約3〜約10重
量%である。
【0023】本発明のプロセスで使用できる、着色剤、
たとえば顔料の具体的な例を以下に示すが、これらに限
定される訳ではない。すなわち、カーボンブラック、た
とえばリーガル(REGAL)330(登録商標);マ
グネタイト、たとえば、モーベイ社(Mobay)のマ
グネタイトのMO8029(商標)、MO8060(商
標);コロンビアン(Columbian)マグネタイ
ト;マピコ・ブラックス(MAPICO BLACK
S)(商標)および表面処理マグネタイト;ファイザー
(Pfizer)マグネタイトのCB4799(商
標)、CB5300(商標)、CB5600(商標)、
MCX6369(商標);使用可能な着色顔料または染
料には、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリー
ン、ブラウン、ブルーおよび/またはそれらの混合物が
ある。
【0024】顔料の具体的な例を以下に示すが、これら
に限定される訳ではない。すなわち、ポール・ウーリッ
ヒ社(Paul Uhlich & Company、
Inc.,)製のフタロシアニン、ヘリオゲン・ブルー
(HELIOGEN BLUE)L6900(商標)、
D6840(商標)、D7080(商標)、D7020
(商標)、パイラム・オイル・ブルー(PYLAM O
IL BLUE)(商標)、パイラム・オイル・イエロ
ー(PYLAM OIL YELLOW)(商標)、ピ
グメント・ブルー 1(PIGMENT BLUE
1)(商標)、ノバパーム・イエロー(NOVAPER
M YELLOW)FGL(商標)、着色マグネタイ
ト、たとえばマピコ・ブラック(MAPICO BLA
CK)(商標)およびシアン成分との混合物も、本発明
のプロセスで顔料として選択することができる。
【0025】フロキュレート剤はコアギュラント(凝結
剤)として機能して、ラテックスに反対の電荷を与え
る。たとえば、コアギュラントがプラスの、ラテックス
がマイナスの電荷を持っている場合には、フロキュレー
ト剤を効果的な量、たとえばトナーの約0.01〜約1
0重量%の量で使用することができる。使用可能なフロ
キュレート剤を列記すると以下のものがあるが、これら
に限定される訳ではない。すなわち、ポリ塩化アルミニ
ウム(PAC)、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニ
ウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロリド、ア
ルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、ベンザ
ルコニウムクロリド、セチルピリジニウムブロミド、C
12,C15,C17トリメチルアンモニウムブロミド、四級
ポリオキシエチルアルキルアミンのハライド塩、ドデシ
ルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、アルカリ
ル・ケミカル社(Alkaril Chemical
Company)から入手可能なミラポール(MIRA
POL)(商標)およびアルカクアット(ALKAQU
AT)(商標)、カオー・ケミカル社(Kao Che
micals)から入手可能なサニゾール(SANIZ
OL)(商標)(ベンザルコニウムクロリド)などであ
る。
【0026】トナーのアグリゲーションの過程で加える
ことができるその他の添加剤としては、ワックスがある
が、これに限定されるわけではない。ワックスは離型剤
としてはたらく。使用可能なワックスにはポリエチレン
ワックス、ポリプロピレンワックス、およびその他公知
の適当なワックスがあり、それらをたとえば、約1〜約
15重量%の量で使用する。
【0027】
【実施例】(1)300ガロンスケールの、ノニオン性
界面活性剤を含まないラテックスのエマルション重合
(分割比=反応器中に6%のダウファクス(DOWFA
X)(商標)/モノマーエマルション中に94%のダウ
ファクス(DOWFAX)(商標)):スチレン/アク
リル酸n−ブチル/アクリル酸βカルボキシエチル(組
成比75:22:3)のコポリマー、1.71pphの
ドデカンチオール(連鎖移動剤)、0.35pphの分
岐剤(A−DOD、デカンジオールジアクリレート)お
よび1.5%の過硫酸アンモニウム重合開始剤からな
る、ノニオン性界面活性剤を含まないラテックス(EA
12−46)を、以下のような半連続式のエマルション
重合プロセスにより合成した。回転を35rpmに設定
した2基のダブルフライトインペラー(インペラー1基
あたり4枚の傾斜羽根付き)を備えた300ガロンのジ
ャケット付きステンレススチール製反応器の中へ、38
7kgの脱イオン水と521gのダウファクス(DOW
FAX)2A1(商標)(テトラプロピルジフェノキシ
ドジスルホン酸ナトリウム)(全界面活性剤の6%に相
当)を仕込み、温度を室温から75℃まで上げた。モノ
マーエマルションを調製するために、モノマー混合物
(315.7kgのスチレン、91.66kgのアクリ
ル酸n−ブチル、12.21kgのアクリル酸2−カル
ボキシエチル(β−CEA)、1.426kgのデカン
ジオールジアクリレート(A−DOD)、および2.6
48kgの1−ドデカンチオオール)を193kgの脱
イオン水および8.156kgのダウファクス(DOW
FAX)2A1(商標)(全界面活性剤の94%に相
当)を室温、実施例の間はずっと約25℃で、30分間
混合した。これは、150ガロンのポープタンク(Po
pe tank)中で高速撹拌、すなわち50RPMで
実施した。モノマーエマルションから6.3kgのシー
ドをポンプで20ガロンのポープタンクに移送し、さら
に後にこれを75℃で反応器に仕込んだ。シードエマル
ションの添加に続けて、6.11kgの過硫酸アンモニ
ウムを30.2kgの脱イオン水に溶解した重合開始剤
溶液を20分かけて添加した。75℃でさらに20分
間、反応器を48rpmで撹拌して、シード粒子を生成
させた。残りのモノマーエマルションの50%を、90
分かけて反応器にフィードした。モノマーエマルション
のフィードを停止し、150ガロンのポープタンク中に
残っているエマルションに、4.48kgの1−ドデカ
ンチオール(DDT)を加えた。ポープタンクを5分間
撹拌してから、フィードを再開した。モノマーフィード
が終了してから、エマルションを75℃で180分間後
加熱し、次いで25℃まで冷却した。反応の間、反応系
には窒素流を通過させて、脱酸素状態を保った。粒子径
が254nmのラテックスが得られた。最終的なラテッ
クスの組成は、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル
酸カルボキシエチル塊状樹脂が42重量%、水が57重
量%、アニオン性界面活性剤が0.4重量%、塩類が
0.6重量%であった。この樹脂はMwが36,20
0,Mnが10,900であり(いずれもゲル浸透クロ
マトグラフィーで測定)、オンセットTgは51.1℃
(示差走査熱分析計で測定)であった。
【0028】(3)300ガロンスケールの、ノニオン
性界面活性剤を含まないラテックスのエマルション重合
(分割比=反応器中に5%のダウファクス(DOWFA
X)(商標)/モノマーエマルション中に95%のダウ
ファクス(DOWFAX)(商標)):スチレン/アク
リル酸n−ブチル/β−CEA(組成比77.5:2
2.5:3)のコポリマー、1.75pphのドデカン
チオール(連鎖移動剤)、0.35pphの分岐剤(A
−DOD、デカンジオールジアクリレート)および1.
5%の過硫酸アンモニウム重合開始剤からなる、ノニオ
ン性界面活性剤を含まないラテックス(EA12−4
3)を、以下のような半連続式のエマルション重合プロ
セスにより合成した。回転を35rpmに設定した2基
のダブルフライトインペラー(インペラー1基あたり4
枚の傾斜羽根付き)を備えた300ガロンのジャケット
付きステンレススチール製反応器の中へ、387kgの
脱イオン水と434gのダウファクス(DOWFAX)
2A1(商標)(全界面活性剤の5%に相当)を仕込
み、温度を75℃まで上げた。モノマーエマルションを
調製するために、モノマー混合物(315.7kgのス
チレン、91.66kgのアクリル酸n−ブチル、1
2.21kgのアクリル酸2−カルボキシエチル(β−
CEA)、1.426kgのA−DOD、および2.8
5kgの1−ドデカンチオオール)を193kgの脱イ
オン水および8.242kgのダウファクス(DOWF
AX)2A1(商標)(全界面活性剤の95%に相当)
を室温、通して約25℃で、30分間混合した。これ
は、150ガロンのポープタンク中で高速撹拌しながら
実施した。モノマーエマルションから6.3kgのシー
ドを取りだし、ポンプで20ガロンのポープタンクに移
送し、さらに後にこれを75℃で反応器に仕込んだ。シ
ードエマルションの添加に続けて、6.11kgの過硫
酸アンモニウムを30.2kgの脱イオン水に溶解した
重合開始剤溶液を20分かけて添加した。75℃でさら
に20分間、反応器を撹拌して、シード粒子を生成させ
た。残りのモノマーエマルションの50%を、90分か
けて反応器にフィードした。この時点でモノマーエマル
ションのフィードを停止し、150ガロンのポープタン
ク中に残っているエマルションに、4.279kgの1
−ドデカンチオール(DDT)を加えた。ポープタンク
をさらに5分間撹拌してから、フィードを再開した。モ
ノマーフィードが終了してから、エマルションを75℃
で180分間後加熱し、次いで25℃まで冷却した。反
応の間、反応系には窒素流を通過させて、脱酸素状態を
保った。スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸カル
ボキシエチル樹脂を42重量%、水を57重量%、アニ
オン性界面活性剤を0.4重量%、塩類を0.6重量%
含み、樹脂粒子の大きさが304nmであるラテックス
が得られた。このラテックス樹脂は、Mwが51,70
0、Mnが10,600、オンセットTgが50.6℃
であった。半連続式ノニオン界面活性剤を含まないラテ
ックスから、ポリ塩化アルミニウム(PAC)をフロキ
ュレート剤として用いた、アグリゲーション/コアレセ
ンス・プロセスによる、トナー粒子の調製:着色剤入り
のトナーの粒子サイズ分布は、等比標準偏差(geom
etricstandard deviation、G
SD)に関連するが、GSDは次式で計算される:
【数1】 ここで、D84、D16およびD50はそれぞれ、コー
ルターカウンター測定により求まる、粒子サイズの第8
4%、第16%および第50%に相当する直径である。
百分率を個数で決めた場合には、この式は個数GSD、
すなわちGSDnを表す。百分率を粒子の体積で決めた
場合には、体積GSD、すなわちGSDvが得られる。
粒径分布が、GSDv<1.25且つGSDn<1.3
0であれば、優れたトナーである。最適なラテックス粒
径(約150nmおよび300nm)を使用することに
よって得られる良好なトナーの粒径分布を試験している
ので、その結果のいくつかを以下の実施例でしめす。
【0029】(4)PAC、A/Cプロセスによる5.
5μmのシアントナー:上記の実施例(3)の半連続式
プロセスおよび処方で合成した、ノニオン性界面活性剤
を含まないラテックス(EA12−43)を用いて、2
リットルのアグリゲーション/コアレセンス・プロセス
により、広いGSDnを有するトナー粒子を調製するこ
とを試みた。このラテックスの粒径は304nmであっ
た。
【0030】2リットルのステンレススチール製反応器
に室温で、466gの脱イオン水(DIW)を仕込ん
だ。ノニオン性界面活性剤を含まないラテックスのEA
12−43(203.8kg)も仕込み、ホモジナイズ
させてから、37.16gのポリワックス(POLYW
AX)725(登録商標)を加え、次いで、34.74
gのPB15:3シアン顔料を追加した。このホモジナ
イズ化したラテックス/顔料ブレンド物に、22.05
gの0.02M硝酸で稀釈した10%PAC溶液の2.
45gを徐々に加えて、フロキュレートさせた。添加が
終了した後も、ホモジナイズ化をさらに5〜10分間続
けて、トナースラリーの粒径を2μm以下、たとえば約
1.5μmとし、粗粒子、たとえば5μm以上のものが
最小となるようにした。こうして得られたクリーム状の
ブレンド物を次いで、約45℃〜約50℃に加熱した。
加熱の間、粒子の生長を観察した。体積基準の粒子径が
4.7μmになってから、96.7gのシェル用ラテッ
クスを15分かけて徐々に加えた。得られたスラリーを
さらに約30〜約60分間撹拌し、次いで1%のNaO
Hを添加してスラリーのpHを7.5に調整し、トナー
の粒子径を「凍結」させた。ポリマーのアグリゲーショ
ン温度で30分間撹拌してから、反応器の温度を95℃
まであげ、95℃の温度で4〜6時間維持した。次いで
トナースラリーのpHを再び調整して、希硝酸でpH
3.5としてトナーの球状化をおこない、球形の形状の
トナーとした。それから、反応器の内容物を25℃まで
冷却した。シアン粒子のサイズが5.3μmで、GSD
v=1.18、GSDn=1.61の分布を有する、固
形分含量14%のスラリーが得られた。こうして調製さ
れトナー粒子は最終的に、微細粒子、たとえば3μm以
下のものを大量に含んでおり、それはGSDnが1.6
1であることにも表れている。このようにGSDnの値
が大きいということは、トナーの粒子径分布が広いこと
を示している。
【0031】(5)PAC、A/Cプロセスによる5.
5μmシアントナー:上記の実施例(1)および(2)
のそれぞれで、半連続式プロセスおよび処方で合成し
た、ノニオン性界面活性剤を含まないラテックスのEA
12−46およびEA12−48の50:50混合物
を、2リットルのアグリゲーション/コアレセンス・プ
ロセスにより形成させ、良好なトナー粒子径分布を有す
る5.5μmのトナー粒子を調製した。これらのラテッ
クスはそれぞれ254nmおよび207nmの粒子径を
有し、いずれも最適範囲である150〜300nmに入
っていた。
【0032】2リットルのステンレススチール製反応器
に室温で、466gのDIWを仕込んだ。ノニオン性界
面活性剤を含まないラテックスのEA12−46および
EA12−48の50:50混合物(203.8kg)
も仕込み、ホモジナイズさせてから、37.16gのポ
リワックス(POLYWAX)725(登録商標)を加
え、次いで、34.74gのPB15:3シアン顔料を
追加した。このホモジナイズ化したラテックス/顔料ブ
レンド物に、22.05gの0.02M硝酸で稀釈した
10%PAC溶液の2.45gを徐々に加えて、フロキ
ュレートさせた。添加が終了した後も、ホモジナイズ化
をさらに5〜10分間続けた。粒径が2μm以下で粗粒
子の量が最小のトナースラリーから開始するのが好まし
い。得られたクリーム状のブレンド物を次いで、45℃
〜50℃に加熱した。加熱の間、粒子の生長を観察し
た。体積基準の粒子径が4.7μmになってから、9
6.7gの上記のシェル用ラテックスを15分かけて徐
々に加えた。このスラリーをさらに約30〜約60分間
撹拌し、次いで1%のNaOHを添加してスラリーのp
Hを7.5に調整し、トナーの粒子径を「凍結」させ
た。アグリゲーション温度で30分間撹拌してから、反
応器の温度を95℃まであげ、95℃で4〜6時間維持
した。次いでトナースラリーのpHを再び調整して、希
硝酸でpH3.5としてトナーの球状化を95℃でおこ
ない、滑らかな球状のトナーとした。次いで反応器の内
容物を冷却して取りだした。固形分含量が14%のスラ
リーで、体積平均粒子径が5.3μm、GSDv=1.
18、GSDn=1.22の分布を有するシアントナー
粒子が得られた。
【0033】
【表1】
【0034】実施例I アニオン性界面活性剤を調節しながら添加する、ノニオ
ン性界面活性剤を含まないラテックスの合成(1):ス
チレン/アクリル酸n−ブチル/β−CEA(組成比7
7.5:22.5:3)のコポリマーを含むノニオン性
界面活性剤を含まないラテックスを、ノニオン性界面活
性剤を含まないエマルション重合によって合成したが、
その際に、アニオン性界面活性剤としてテトラプロピル
ジフェノキシドジスルホン酸ナトリウムであるダウファ
クス(DOWFAX)2A1(商標)、重合開始剤とし
て過硫酸アンモニウム、架橋剤としてデカンジオールジ
アクリレート(A−DOD(商標))、連鎖移動剤とし
てドデカンチオールを用いた。
【0035】回転を35rpmに設定した撹拌機(2基
の4枚傾斜羽根付きインペラー)を備えた300ガロン
のジャケット付きステンレススチール製反応器の中へ、
387kgの脱イオン水と694gのダウファクス(D
OWFAX)2A1(商標)を仕込み、温度を75℃ま
で上げた。モノマーエマルションを別途に、撹拌機付き
の150ガロン容器で調製したが、その際、モノマー混
合物(315.70kgのスチレン、91.66kgの
アクリル酸n−ブチル、12.21kgのアクリル酸2
−カルボキシエチル(β−CEA)、1.426kgの
デカンジオールジアクリレート(A−DOD)および全
部で6.95kgの1−ドデカンチオール)と、193
kgの脱イオン水、7.982kgのダウファクス(D
OWFAX)2A1(商標)を室温で30分間撹拌し
た。撹拌下でモノマーエマルションから、シードモノマ
ーエマルションを6.278kg取りだし、75℃に保
った窒素雰囲気下の反応器の中にポンプ移送した。10
分後から、6.11kgの過硫酸アンモニウムを30.
20kgの脱イオン水に溶解させた重合開始剤溶液を、
20分かけて加えた。さらに20分間撹拌を続けて、シ
ード粒子を形成させた。反応器中に、残りの99%のモ
ノマーエマルションを180分かけてフィードした。こ
のモノマーフィードが終わってから、得られた組成物を
75℃で180分間、後加熱し反応を完結させてから、
冷却した。反応の間、反応系には窒素流を通過させて、
脱酸素状態を保った。
【0036】固形分含量が41.9%、樹脂のMwが3
5,000,Mnが10,400で、オンセットTgが
51.1℃であるラテックスが得られた。ラテックス中
の残存モノマー(スチレンおよびアクリル酸ブチル)は
約100ppm以下、より具体的には、いずれのモノマ
ーも約85ppmであった。このラテックスは安定で、
沈降物は実質的には存在しない。このラテックスを3か
月間静置しても、沈降物は認められなかった。
【0037】実施例II アニオン性界面活性剤を調節しながら添加する、ノニオ
ン性界面活性剤を含まないラテックスの合成(2):実
施例Iで記載した方法を繰り返したが、ただし、水相を
調製するために使用したダウファクス(DOWFAX)
2A1(商標)が434g、モノマーエマルションの調
製では8.242kgを使用し、また使用したドデカン
チオールの総量が7.129kgである点が異なってい
た。使用したシードモノマーエマルションの量は、6.
3kgであった。
【0038】スチレン/アクリル酸ブチル/アクリル酸
2−カルボキシエチル(77.5/22.5/3)のポ
リマーの固形分含量が約40%、樹脂のMwが392,
000,Mnが10,700で、オンセットTgが5
1.15℃であるラテックスが得られた。このラテック
スは、上記のポリマーを40%と水を60%含み、安定
であるので、このラテックスを2ヶ月間静置した後でも
沈降物は観察されなかった。
【0039】比較例1 アニオン性界面活性剤を使用したラテックスの合成:ノ
ニオン性のエイベックス(ABEX)2010(商標)
界面活性剤およびスチレン/アクリル酸ブチル/アクリ
ル酸(組成比77/23/1.5)コポリマーを含むラ
テックスを、スチレン/アクリル系コポリマー用のアニ
オン性界面活性剤システムを使用したエマルション重合
プロセスにより合成した。この界面活性剤システムは、
機能性配合された界面活性剤/水/1,4−ジオキサン
/エチレンオキシドからなる注文設計品を市販化した製
品で、ローディア社(Rhodia)からエイベックス
(ABEX)2010(商標)として販売されていて、
30%の活性固形分を含んでいる。
【0040】回転を100rpmに設定した撹拌機(1
基の4枚傾斜羽根付きインペラー)を備えた5ガロンの
ジャケット付きステンレススチール製反応器の中へ、
7.910kgの脱イオン水と427.14gのエイベ
ックス(ABEX)2010(商標)を仕込み、温度を
80℃まで上げた。モノマーエマルションを別途に、撹
拌機付きの5ガロン容器で調製したが、その際、モノマ
ー混合物の、6,577.96gのスチレン、1,96
4.85gのアクリル酸n−ブチル、128.14gの
アクリル酸、58.09gのデカンジオールジアクリレ
ート(A−DOD)および59.8gのドデカンチオー
ルと、3,638.6gの脱イオン水および427.1
4gのエイベックス(ABEX)2010(商標)を室
温で30分間撹拌した。128gの過硫酸アンモニウム
を640.78gの脱イオン水に溶解して作った重合開
始剤溶液を、窒素雰囲気下で80℃の反応器の水相に3
7分かけて添加した。モノマーエマルションは反応器に
180分かけてフィードしたが、その間反応器の温度を
80℃に保った。モノマーフィードが終了した後、反応
器を80℃に120分間保って後加熱をし、次いで冷却
した。反応の間、反応器系には窒素流を通過させて、脱
酸素状態を保った。
【0041】固形分含量が約40%、樹脂のMwが7
5,700,Mnが14,300で、オンセットTgが
53.5℃であるラテックスが得られた。このラテック
スを3か月間静置しても、沈降物は認められなかった。
【0042】比較例2 ノニオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤を使
用したラテックスの合成:70%活性のポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル(ローディア社(Rhod
ia)、アンタロックス(ANTAROX)CA89
(商標))のノニオン性界面活性剤およびアニオン性界
面活性剤を含み、スチレン/アクリル酸ブチル/アクリ
ル酸コポリマー(組成比80/20/1.5)からなる
ラテックスを、アニオン性およびノニオン性両方の界面
活性剤を使用したエマルション重合プロセスにより合成
した。アニオン性界面活性剤は、20%活性のドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム(カオー社(Kao)、
ネオゲン(NEOGEN)RK(商標))であり、他方
ノニオン性界面活性剤は、70%活性のポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル(ローディア社(Rhod
ia)、アンタロックス(ANTAROX)CA89
(商標))であった。
【0043】回転を70rpmに設定した撹拌機(2基
の4枚傾斜羽根付きインペラー)を備えた300ガロン
のジャケット付きステンレススチール製反応器の中へ、
495.4kgの脱イオン水と、8.11kgのネオゲ
ン(NEOGEN)RK(商標)および7.75kgの
アンタロックス(ANTAROX)CA89(商標)を
室温で仕込んだ。窒素パージをしながらこの撹拌機内の
水相に、重合開始剤である過硫酸アンモニウムを3.6
0kg加えた。モノマーおよび連鎖移動剤を含む有機相
を撹拌機付きの150ガロン容器で調製したが、その
際、288.9kgのスチレン、72.2kgのアクリ
ル酸ブチル、5.40kgのアクリル酸、4.70kg
のドデカンチオール、および3.60kgの四臭化炭素
を混合した。
【0044】この有機相を20分かけて反応器にフィー
ドしたが、この間反応器は室温に維持した。有機相モノ
マーのフィードが終了したら、プログラムに従って90
分かけて反応温度の70℃まで昇温させたが、この間撹
拌は70rpmを保った。重合を95分間続け、その後
温度をさらに上昇させて、組成物を60分間85℃で後
加熱してから、冷却した。反応の間、反応器系には窒素
流を通過させて、脱酸素状態を保った。
【0045】固形分含量が約42.5%、樹脂のMw
33,900,Mnが11,600で、オンセットTg
が58.1℃であるラテックスが得られた。ラテックス
中の残存モノマー(スチレンおよびアクリル酸ブチル)
は、いずれのモノマーについても、100ppm以下で
あった。2日間静置すると、スチレン/アクリル酸ブチ
ル/アクリル酸の低分子量で低Tgの粒子の沈降が観察
された。3,000Gの遠心力で180秒間遠心分離に
かけて測定した沈降物の量は、全ラテックスの4%であ
った。直径14インチの傾斜遠心機を使用して、全ての
ラテックスから沈降物を除去し、その後のトナー粒子の
調製に使用した。
【0046】実施例IおよびIIでは、アニオン性界面
活性剤を用いたエマルション重合プロセスを示し、そこ
では、水相を調製するのには界面活性剤の20%以下し
か使わなかった。比較例1では、アニオン性界面活性剤
を20%以上用いたエマルション重合プロセスを、ま
た、比較例2ではアニオン性およびノニオン性の両方の
界面活性剤を用いたエマルション重合プロセスを示し
た。
【0047】実施例Iおよび比較例1および2で得られ
たラテックスを用い、アグリゲーション/コアレセンス
法で、アグリゲーション、コアレセンス、洗浄および乾
燥の条件を同一にして、公称(nominal)粒径5.5μm
のトナー粒子を調製した。トナーに含まれるのは、上記
の樹脂またはポリマー、カーボンブラックのリーガル
(REGAL)330(登録商標)、6%の黒色含有粒
子および10%のポリワックス(POLYWAX)72
5(商標)ワックスであった。アグリゲーション/コア
レセンス・プロセスでは、高剪断ホモジナイザーを用い
てラテックスと脱イオン水をホモジナイズし、次いで、
30%水性ワックス分散液(ポリエチレンP725(商
標)ワックス)および水性カーボンブラック分散体(リ
ーガル(REGAL)330(登録商標)カーボンブラ
ック)を添加して、ホモジナイズを続けた。こうしてホ
モジナイズしたラテックス/顔料/ワックスのブレンド
物に、ポリ塩化アルミニウムおよびHNO3の10%溶
液を調節しながら加えて、フロキュレーションを起こさ
せた。こうして得られるクリーム状のブレンド物を、反
応器中で撹拌しながら約55℃〜約60℃で加熱し、そ
の間粒子の生長を観察した。粒子径(体積平均直径)が
5μmに達したら、追加のラテックス(全体の28%)
を加えてシェルを形成させた。1%のNaOHを使用し
て、スラリーのpHを5.5に調整してから、反応器の
温度を約93℃〜約95℃に上げた。この温度に6時間
保ってから、混合物を冷却し、pHを10に調整し、粒
子を濾過し、再スラリー化洗浄・濾過により繰り返し脱
イオン水で洗浄してから、乾燥させた。
【0048】トナーの粒子径(D50、体積平均直径)
および粒径分布(体積GSDおよび数GSD)は、コー
ルターカウンターで測定した。走査型電子顕微鏡によ
り、トナーの形状が球形であることを確かめた。
【0049】コアがフェライトで、1.25重量%のカ
ーボンブラック入りポリメチルメタクリレートコーティ
ングを施した、35μmの担体を用いて現像材を調製し
た。この現像剤を、温度28℃相対湿度85%(Aゾー
ン)および温度10℃相対湿度15%(Cゾーン)でコ
ンディショニングし、2分間混合することで帯電させ
た。トナーの摩擦電荷は、電荷分光器(Charge
Spectrograph、CSG)を用いて100V
/cmで測定し、ゼロ点位置(ゼロ電界)からの変位
(mm)として表した。温度および湿度に関する感度
は、2つのゾーン(A/C)での摩擦電荷の比で示され
る。
【0050】表2に見られるように、本発明(実施例
I)にしたがって調製されたラテックスから得られたト
ナー粒子は、特にAゾーンでは、有意に高い摩擦電荷を
有していて、その結果、A/Cの比が高い(0.79)
ことからわかるように、湿度および温度の変動に対して
摩擦電荷が影響を受けにくい。
【0051】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 タイ ウィー ング カナダ オンタリオ ミッシソーガ コー ルドストリーム ロード 3205 (72)発明者 アーサー ヘルブレット カナダ オンタリオ オークビル レッド バンク クレセント 1228 (72)発明者 アブデサメド シェイク−カシム カナダ オンタリオ エトビコーク ディ クソン ロード 320 アパートメント #1210 (72)発明者 デイビット クルシバ カナダ オンタリオ ハミルトン デリク ドライブ 50 (72)発明者 チェイ−ミン チェン アメリカ合衆国 ニューヨーク ロチェス ター カードガン スクエア 26 (72)発明者 エミリー エル ムア カナダ オンタリオ ミッシソーガ ウェ リン ドライブ 1186 Fターム(参考) 4J011 AA08 AC03 AC06 BA04 BA08 BB01 BB02 BB07 BB09 KA02 KB13 KB19 PA65 PA69 PA70 PC02 PC06 4J026 AA17 AA43 AA45 AA53 BA04 BA25 BA26 BA27 BA28 BA34 DA04 DA07 DA12 DA14 DB04 DB07 DB12 DB14 FA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラテックスポリマーを調製するための方
    法であって、(i)アニオン性界面活性剤を含む水相を
    調製または用意し、(ii)エマルション中にアニオン性
    界面活性剤を含むモノマーの水中エマルションを調製ま
    たは用意し、(iii)前記水相にはさらにフリーラジカ
    ル重合開始剤が含まれ、前記モノマーエマルションの約
    50%以下を前記水相に添加し、シード重合を開始さ
    せ、シードポリマーを形成させ、(iv)前記モノマーエ
    マルションの残量を(iii)に添加し、加熱することで
    エマルション重合を完結させ、前記ポリマーを生成させ
    ることを含む重合方法。
  2. 【請求項2】 トナー組成物を調製するための方法であ
    って、アニオン性界面活性剤および重合開始剤を含む水
    相をモノマーエマルションと、前記モノマーエマルショ
    ンが有効量存在するように混合する工程と、加熱する工
    程と、形成されたラテックスポリマーに着色剤を混合す
    る工程と、コアレシングをさせる工程とを含む方法。
  3. 【請求項3】 着色剤分散物と、水性モノマーエマルシ
    ョンと、水相エマルションとを混合することを含むトナ
    ーを調製する方法であって、アニオン性界面活性剤がモ
    ノマーエマルション中に約70〜約99重量%の範囲で
    任意に存在し、アニオン性界面活性剤が水性エマルショ
    ン中に約30〜約1重量%の範囲で任意に存在し、その
    後にこれを加熱することによって、アグリゲーションお
    よびコアレシングをおこなわせる方法。
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