JP2003025600A - インクカートリッジ - Google Patents
インクカートリッジInfo
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Abstract
る不都合を無くして、インクを記録ヘッドに確実に供給
することができるインクカートリッジを提供する。 【解決手段】 インク収容室11、16、23とインク
供給口4との間にフィルタ55、及び差圧弁機構を構成
する膜弁52配置し、インク供給口4の負圧が一定以上
に高まった時点で膜弁52を開弁させてインク収容室2
3のインクをインク供給口4に流出させるインクカート
リッジにおいて、インク収容室11が、フィルタ55の
細孔よりも小さい細孔を備えた通気性フィルム98を介
して大気に連通されている。
Description
てインク滴を吐出する記録ヘッドにインクを適正な負圧
状態で供給するインクカートリッジに関する。
用紙の紙幅方向に往復動するキャリッジに印刷信号に対
応してインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドを
搭載して、外部のインクタンクから記録ヘッドにインク
を供給するように構成されている。このようなインクタ
ンク等のインク貯蔵容器は、小型の記録装置にあっては
取り扱いの便を考慮してキャリッジに着脱可能に搭載で
きるように構成されている。
ヘッドからのインクの漏れ出しを防止するため、多孔質
材を収容し、この多孔質材にインクを含浸させて毛細管
力によりインクを保持するように構成されている。一方
で、印字品質や、印刷速度の向上が求められ、これにと
もなって記録ヘッドのノズル開口数が多くなり、単位時
間当りのインク消費量が増加する傾向にある。
しくはインク貯蔵容器に収容するインク量を増量する必
要があり、多孔質材の体積が増大する。しかしながら、
多孔質材の毛細管力でインクを保持するには、高さ、つ
まり水頭に限界があるため、底面積を増加させて体積を
大きくせざるを得ず、キャリッジのサイズが大きくな
り、結果として記録装置が大型化するという問題があ
る。
いてインクの保持力を上げることも考えられるが、イン
クの流れに対する流体抵抗が大きくなり、記録ヘッドの
インク消費量に対応して安定にインクを供給することが
困難となるばかりでなく、インク供給口から離れた領域
のインクを記録ヘッドに確実に供給することが困難とな
り、結果としてインク貯蔵容器のインクが消費し切れな
くなり、無駄が生じるという新たな問題が生じる。この
ような問題を解消するため、特開平8-174860号公報に見
られるように、上部にインク貯蔵室を配置するととも
に、インク貯蔵室とインク供給口との間に、常時閉弁状
態を維持し、また記録ヘッドのインク消費による負圧に
より開弁する膜弁を配置したインク貯蔵容器が提案され
ている。
よりインクの漏れ出しを防止できるため、収容できるイ
ンク量を増大することができるものの、記録ヘッドで使
用されるインク量に見合うインクをスムーズに供給する
ため、インク貯蔵領域が大気連通口を通じて大気に連通
されているため、インクの消費に伴って外部からインク
に塵埃等の異物が浸入し、膜弁の開閉動作や、記録ヘッ
ドの動作に悪影響を与える。これを防止しようとして塵
埃等の異物の除去が可能なフィルタを膜弁の上流側に挿
入すると、流路抵抗が増加して記録ヘッドへのインクの
供給が阻害されたり、また顔料を含むインクにあっては
粒径によっては顔料がフィルタにより補足されて濃度が
変化する等の問題がある。本発明は、このような事情に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、インク流路に途中に配置されるフィルタによる不都
合を無くして、インクを記録ヘッドに確実に供給するこ
とができるインクカートリッジを提供することである。
るために本発明においては、インク収容室とインク供給
口との間にフィルタ、及び差圧弁機構を配置し、インク
供給口の負圧が一定以上に高まった時点で前記差圧弁機
構を開弁させてインク収容室のインクをインク供給口に
流出させるインクカートリッジにおいて、前記インク収
容室が、前記フィルタの細孔よりも小さい細孔を備えた
通気性フィルムを介して大気に連通されている。
な外部から浸入する塵埃を通気性フィルムにより除去で
きるため、インク流路に配置するフィルタとして、製造
時にまぎれ込む比較的大きな異物や、また印刷中に発生
する気泡の除去が可能な目の粗いものを使用しても、印
刷に障害を招くことがない。
した実施例に基づいて説明する。図1(イ)、(ロ)
は、それぞれ本発明のインクカートリッジの一実施例の
外観を示すものであって、カートリッジ1は、一方の面
が開口した扁平な矩形状の有底箱型の容器本体2と、こ
の開口を封止する蓋体3とを主体として構成されてい
る。挿入方向の先端側、この実施例では底面の、長手方
向の一方に偏するようにインク供給口4が、上部の側方
にはそれぞれ係止部材5、6が容器本体2と一体に形成
されている。
リッジを構成する容器本体2の一実施例を、その表裏の
構造で示すものであって、容器本体2の内側には、略水
平方向、より詳細にはインク供給口4の側が若干下方と
なるように延びる壁10により上下に分割されている。
また上部は、壁10を底面とするように容器本体2の壁
12と一定の間隙を持たせて大気連通路13を形成する
ように枠部14により区画されている。枠部14は、底
部に連通口15aが形成された垂直な壁15により分割
され、一方の領域を第2のインク収容室16として、ま
た他方の領域を第3のインク収容室17として形成され
ている。
は、第2のインク収容室16と容器本体2の底面2aと
を接続する吸い上げ流路18が形成されている。吸い上
げ流路18は、記録ヘッドでのインク消費量に対応でき
る程度の断面積に形成され、その下端に第1のインク収
容室11に開口し、かつ毛細管力によりインクを保持で
きる吸い込み口18aが、また上端が第2のインク収容
室16の底部に連通するように流出口18bが開口する
ように形成されている。
傍には連通口19a、19bを備えた壁19が形成され
ている。この吸い上げ流路18は、容器本体2の表面に
凹部18c(図2(ロ))を形成し、この凹部18cを
遮気性のフィルム95(図4、図5)により封止するこ
とにより構成されている。
面14aと一定の間隙を隔てて壁22、24、26によ
り、また第4のインク収容室23は壁10、24、2
6、27により区画されている。壁22に連続して差圧
弁収容室33(図5)の裏面に連通する流路が壁24に
より区画されている。
6aを備えた区画壁26が、また下部に連通口27aを
備えた区画壁27を設けて枠部14との間にインク流路
28が形成されている。インク流路28の上部は、フィ
ルタ室となる貫通穴29を介してカートリッジ1の表面
側に連通している。この貫通孔29には多孔質材からな
るフィルタ55(図4)が挿入されている。このフィル
タは、後述する通気性フィルム98(図5)の細孔より
も粗いものが選択されている。たとえば顔料成分を含む
インクを使用する場合には、顔料を通過させることがで
き、かつ気泡を補足できる程度の細孔が形成されたもの
が選択される。なお、図中符号2bは、記憶手段7を収
容する凹部を示す。
に連続するように形成された壁30により分離され、凹
部30aを介してインク流路28の上端に連通し、容器
本体2の表面側の水滴形の凹部30bを介して壁24に
より区画された流路の、上部の凹部24aに連通されて
いる。
とは、容器本体2の表面に形成された凹部35と、この
凹部35を覆う遮気性フィルム95とからなる流路によ
り接続されている。
路抵抗が高くなるように蛇行する細溝36と、これの周
囲に幅広の溝37と、第2のインク収容室16に対向す
る領域に矩形状の凹部38が形成されている。矩形状の
凹部38にはさらに一段下がった位置に枠部38aと離
散的にリブ38bが形成され、この枠部38aで固定す
るように撥インク性と通気性とを備えた通気性フィルム
98(図5)を張設して大気通気室が区画形成されてい
る。通気性フィルム98は、記録ヘッドの記録動作に影
響を与える塵埃を除去できる程度の細孔が形成されたも
のが選択されている。
れていて、第2のインク収容室16の壁39で区画され
た細長い領域39a(図2(イ)、図3)に連通されて
いる。また凹部38の、通気性フィルム98よりも表面
側の領域には細溝36の一端36aが連通している。領
域39aの他端は、ここに形成された貫通穴40、容器
本体2の表面に形成された溝41、及び貫通孔41aを
介してバルブ収容室8に連通されている。
が形成され、その先端に第2のインク収容室16の近傍
に開口する貫通孔43aが形成されている。これら凹部
43から貫通孔43aの領域は、フィルム61により封
止されて大気連通用の流路を形成している。この貫通孔
43aは、枠部14と一定の間隙をもって形成された垂
直に延びる壁44と蓋体3とに区画された流路45に連
通している。流路45の上端45aは、壁44と枠部1
4とで形成された流路46、または大気連通路13を介
して第1のインク収容室11の上端に連通されている。
1のインク収容室11のインクのバルブ収容室8への流
れ込みや、また第1のインク収容室11のインクの揮散
を防止しつつ、第1のインク収容室11を大気に開放さ
せることができる。
先端、この実施例では図2(ロ)に示したように下部が
窓8aにより開放されていて、記録装置本体のキャリッ
ジに設けられた複数の識別片及びバルブ作動杆が進入可
能な後述する識別ブロック70が下部に、また大気開放
弁65が上部に装着されている。
器本体2の開口側の枠部14、壁10、15、22、2
4、26、27、30、及び39には、フィルム94を
熱溶着等により接着して上部に位置するインク収容室
(16、17、23)を形成するとともに、下部のイン
ク収容室(11)とは分離された状態で、蓋体3が気密
的に嵌着されている。また、バルブ収容室8には弁体6
5と板バネ62を収容した状態で、フィルム96が貼着
されている。
面側には差圧弁収容室33に膜弁52、バネ50、膜弁
52の排出口側と凹部35を連通させる溝53aを備え
た膜弁押え板53とを装着してから、差圧弁収容室3
3、細溝36、溝41、凹部30b、凹部35、凹部3
8、凹部18cを覆うように遮気性フィルム95が貼着
される。またバルブ収容室8の凹部38に対向する領域
には遮気性を有し、作動杆により容易に弾性変形する膜
61を貼着して、その表面側に識別ブロック70が爪7
0a、70b(図8)により装着されている。
挿通により開弁する弁体90を、バネ91により常時閉
弁状態、この実施例では下方に押圧するように挿入し
て、弁体90、及びインク供給針と容器本体2との気密
性を確保するパッキン92を挿入して構成されている。
なお、図中符号93は、インク供給口に貼着されて流通
工程でのインクの漏れ出しを防止し、かつインク供給針
の挿通が可能な保護用のフィルムを示す。
断面構造を示すものであって、差圧弁収容室33には、
バネ50とエラストマー等の弾性変形可能な材料により
構成され、中心に貫通穴51を備えた膜弁52が収容さ
れている。膜弁52はその周囲を環状の厚肉部52a
と、この厚肉部52aと一体的に形成された枠部54と
を備え、この枠部54を介して容器本体2に固定され、
またバネ50は、一端を膜弁52のバネ受け部52b
に、他端を容器本体2に嵌着された膜弁押え板53によ
り支持されている。
過したインクは、インク流通口25aを通過して膜弁5
2に阻止される。この状態でインク供給口4の圧力が低
下すると、膜弁52がバネ50の付勢力に抗して弁座部
25bから離れるため、貫通穴51を通過し、凹部35
により形成された流路を経由してインク供給口4に流れ
込む。
上昇すると、膜弁52がバネ50の付勢力に負けて弁座
部25bに弾接され、インクの流通が遮断される。この
ような動作を繰返すことにより一定の負圧を維持しなが
らインクをインク供給口4に排出することができる。
面構造を示すものであって、バルブ収容室8を区画する
壁には貫通穴60が穿設され、ここに弁体65の凸部6
5aが移動可能に装填されている。また本体65bの側
が、下端を突起63により固定され、中央部を突起64
により規制された板バネなどの弾性部材62に常時閉弁
するように押圧されている。弁体65は、貫通穴60の
側にエラストマ等の比較的柔らかい材料で形成された封
止部65cを設けて構成するのが望ましい。
ク70は、図8に示したように、爪70a、70bによ
り容器本体2の穴2c、2d(図3)に固定され、カー
トリッジの挿入方向に平行でな複数、この実施例では3
本の溝71、72、73が形成されている。これらの1
つの溝72にはインクカートリッジの挿入方向側、この
実施例では下端が弁体65の凸部65aを押圧するため
のアーム74が形成されている。各溝71、72、73
は、その奥行きを複数の識別片の挿通が可能な程度に設
定されていている。
回動支点74aにより回動可能で、かつ引き抜き側、こ
の実施例では上部側が作動杆113(図7)の進入路に
斜めに突出するように構成されている。また、それぞれ
の溝71乃至73には、キャリッジの識別片の先端に対
向するように突出部71a、72a,73aが形成され
ている。
のインクの流れを図9に示した模式図に基づいて説明す
る。なお、この模式図においては、第1のインク収容室
11と大気との連通関係を説明することを目的とするた
め、説明の簡素化するために第4のインク収容室23が
省略されている。未使用の状態においては、第1のイン
ク収容室11、第2のインク収容室16、第3のインク
収容室17にインクが充填されている。インクカートリ
ッジが記録装置に装着されると、バルブ収容室8の弁体
65が開弁され、第1のインク収容室11が凹部38の
通気性フィルム98で区画された一方の領域に連通す
る。凹部38の他方の領域は、細溝36とフィルム95
とに形成されたキャピラリにより大気に連通しているか
ら、第1のインク収容室11が大気に連通した状態とな
る。
ンクが消費されると、インク流路28から第3のインク
収容室17のインクがフィルタ55を通過し、膜弁52
を開弁させてインク供給口4に流出する。同時に第1の
インク収容室11のインクが吸い上げ流路18から第2
のインク収容室16に流れ込み、第3のインク収容室1
7の消費された分のインクを補給する。
容室16、17には、通気性フィルム98を通過した空
気だけが流入する。一方、カートリッジには、異物等が
完全に除去されたインクが充填されているから、フィル
タ55は、記録動作により発生する気泡を除去できる程
度の孔径のものを使用することができる。これにより、
フィルタ55による流路抵抗を低減しつつ、しかもイン
クに含まれている顔料をもスムーズに通過させて適正な
顔料濃度のインクを記録ヘッドに供給することができ
る。
録ヘッドのノズル開口を目詰まりさせるような外部から
浸入する塵埃を通気性フィルムにより除去できるから、
インク流路に配置するフィルタを、製造時にまぎれ込む
比較的大きな異物や、また印刷中に発生する気泡の除去
が可能な目の粗いものを使用しても、印刷に障害を招く
ことなく、しかもインク流路に途中に配置されたフィル
タによる不都合を無くして、インクを記録ヘッドに確実
に供給することができる。
カートリッジの一実施例の表裏の外観を示す斜視図であ
る。
ッジを構成する容器本体の一実施例を、開口面及び表面
の構造で示す斜視図である。
開口面の構造を示す正面図である。
斜視図である。
斜視図である。
である。
ルブ収容室の断面構造を閉状態、及び開状態で拡大して
示す図である。
の一実施例を示す斜視図と正面図である。
ンク流路を模式的に示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 インク収容室とインク供給口との間にフ
ィルタ、及び差圧弁機構を配置し、インク供給口の負圧
が一定以上に高まった時点で前記差圧弁機構を開弁させ
てインク収容室のインクをインク供給口に流出させるイ
ンクカートリッジにおいて、 前記インク収容室が、前記フィルタの細孔よりも小さい
細孔を備えた通気性フィルムを介して大気に連通されて
いるインクカートリッジ。 - 【請求項2】 前記通気性フィルムから前記インク収容
室に至る流路の途中に、常時閉弁状態を維持し、記録装
置に装着された時点で開弁する弁機構が配置されている
請求項1に記載のインクカートリッジ。 - 【請求項3】 前記通気性フィルムが、前記インク収容
室を構成する容器に形成された凹部に張設され、前記凹
部と前記インク収容室とが前記容器に形成された凹部
と、この凹部を封止するフィルムにより形成された流路
により接続されている請求項1に記載のインクカートリ
ッジ。 - 【請求項4】 前記インク収容室を構成する容器の表面
に形成された細溝と、この細溝の開口面を封止するフィ
ルムによりキャピラリが構成され、前記キャピラリの一
端が大気に開放され、また他端が前記通気性フィルムの
他面に連通されている請求項1に記載のインクカートリ
ッジ。 - 【請求項5】 前記インクが顔料インクである請求項1
に記載のインクカートリッジ。
Priority Applications (10)
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