JP2003025052A - 連続鋳造機 - Google Patents

連続鋳造機

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JP2003025052A
JP2003025052A JP2001214351A JP2001214351A JP2003025052A JP 2003025052 A JP2003025052 A JP 2003025052A JP 2001214351 A JP2001214351 A JP 2001214351A JP 2001214351 A JP2001214351 A JP 2001214351A JP 2003025052 A JP2003025052 A JP 2003025052A
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radius
bending
continuous casting
roll
casting machine
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Hirobumi Azuma
博文 東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湾曲型、垂直曲げ型の両型式間で型式の変更
が簡易にかつ短時間で行うことができる連続鋳造機を提
供すること。 【解決手段】 鋳型と鋳型下流に続く少なくとも1本の
ロールからなる直線状の垂直部位と、かつ該垂直部位下
流に続く湾曲部位を有する連続鋳造機において、該湾曲
部内に基本鋳造半径に沿って配列した複数のロールから
なるロール群を有し、該ロール群の上流側に少なくとも
1つの曲げ半径を有する曲げ部と、該曲げ部の下流側に
少なくとも1つの曲げ戻し半径を有する曲げ戻し部を有
し、該曲げ部及び該曲げ戻し部の少なくともいずれか一
方の中に前記基本鋳造半径より小さい曲げ半径或いは矯
正半径のいずれか一方を少なくとも有し、前記基本鋳造
半径と曲げ半径と曲げ戻し半径とのうち隣り合う2つの
半径の関係をロールに拘束された部位で生成する歪み量
によって算定し、ステップ状に変化させること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造機に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から鉄鋼、アルミ、銅の連続鋳造に
おいて用いられている連続鋳造機の設備型式としては、
例えば『鉄と鋼』第67年(1981)第8号の104
4ページの図1に記載されるようにロール配列、ロール
プロフィル等によって(a)〜(f)に示される数種類
の型式に分類されている。
【0003】これらの従来から知られている各型式の連
続鋳造機は、概念的には図6に示すように、溶鋼1をタ
ンディッシュ2から浸漬ノズル3を介して、冷却構造4
を有し振動装置5を付設した鋳型6に注入し、この鋳型
で冷却して凝固させ、得られた鋳片7を鋳型の下方に配
置したサポートロール8、この下方に接続された、複数
のガイドロール9からなる複数のガイドロールセグメン
ト10で構成された鋳片支持構造を介して支持、搬出す
る構造を有している。そして、この鋳片支持構造による
鋳片の支持、搬出形状{垂直部、湾曲部(曲率)、水平
部の有無、これらの起点、終点等}の特徴によって、上
記『鉄と鋼』に記載されるように垂直型、あるいは垂直
曲げ型等の型式名ががつけられている。各型式の特徴は
下記表1の通りである。
【0004】
【表1】
【0005】表1に示すように、これら各型式には上記
鋳片支持形状に伴う長所、短所(湾曲形状の場合、曲率
が割れ発生の有無に関係大)があり、建設時に鋳造する
品種の種類に応じて選択されるが、多品種を鋳造する場
合もあり、品種に応じて任意に型式を変更できることが
好ましい。しかし、この型式を変更するためには月単位
の設備休止を必要とする大改造が必要であるため、品質
要求の大幅変更があった時などに限り改造を実施してき
たのが実情である。多くの場合は、鋳造品種に応じた型
式を選定して建設し、その型式が最適でない品種に対し
ては、生産性、品質低下をある程度容認した鋳造が行わ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の分類型式による
連続鋳造機において、多数の品種の連続鋳造に対して品
質の優れた鋳片を鋳造するものとしてオールマイティな
ものは存在しないが、品種によって、型式を使い分けが
できれば、鋳片の品質向上あるいは生産性の向上が可能
である。例えば表1の3と4の型式を使い分ける等であ
る。
【0007】従来、表1の4から3に切り換えた例があ
り、この例においては、溶鋼鍋、タンディッシュ、水平
支持部のロールセグメントは切り換え後も使用可能では
あるが、鋳型から湾曲部のロールセグメントまで、その
支持フレームを含めて取換えが必要で、長期間の設備休
止を伴う大改造が必要であり、改造後は、表1の3の型
式に固定するものであった。
【0008】本発明は、ロールセグメントの殆どをその
ままにして、湾曲型、垂直曲げ型の両型式間で型式の変
更が容易であり、勿論、溶鋼鍋、タンディッシュ等の溶
鋼に関連する設備も両型式で使用可能とするものであ
り、鋳造品種の切り換えに応じて、従来の鋳片サイズの
変更や設備損耗で頻度高く取換えていたモールドサポー
トロールの範囲かあるいは若干の取換え範囲増で、型式
を簡易にかつ短時間で変更できる連続鋳造機を提供する
ものである。なお、本発明は型式を変更する場合に限ら
ず、新しく垂直曲げ型連鋳機を設置する場合に、機高が
高くなって建屋の建築費が高くなっていた問題点も解決
できる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の発明は、
鋳型と該鋳型下流に続く少なくとも1本のロールからな
る直線状の垂直部位を有し、かつ該垂直部位下流に続
く、湾曲部位を有する連続鋳造機に関して、該湾曲部内
に基本鋳造半径に沿って配列した複数のロールからなる
ロール群を有し、該ロール群の上流側に少なくとも1つ
の曲げ半径を有する曲げ部を有し、該曲げ部の下流側に
少なくとも1つの曲げ戻し半径を有する曲げ戻し部を有
し、該曲げ部及び該曲げ戻し部の少なくともいずれか一
方の中に前記基本鋳造半径より小さい曲げ半径あるいは
矯正半径のいずれか一方を少なくとも有し、前記基本鋳
造半径と曲げ半径と曲げ戻し半径とのうち隣り合う2つ
の半径の関係をロールに拘束された部位で生成する歪み
量によって算定し、ステップ状に変化させることを特徴
とする連続鋳造機。第二の発明は、前記隣り合う2つの
半径の関係を、下記の歪み式(1)又は(2)のうち少
なくともいずれかを使って算定することを特徴とする第
一の発明記載の連続鋳造機。 εn+1 =(D/2−Sn+1 ) ×[{1/(Rn −D/2)}−{1/(Rn+1 −D/2)}] ×100 (1) εn+1 ;鋳片凝固界面歪み(%) D ;鋳造厚み(mm) Sn+1 ;Rn+1 のロールのシェル厚み(mm) εo n+1 =D/2×{1/(Rn −D/2)}−{1/(Rn+1 −D/2)} ×100 (2) εo ;鋳片表面歪み(%) 第三の発明は、該湾曲部内の最上流部にサポートロール
群の一部を配し、かつ該サポートロール群内で曲げを開
始し、かつ該サポートロール群の下流のガイドロール群
内で曲げ戻しを開始することを特徴とする第一又は第二
の発明記載の連続鋳造機。第四の発明は、前記基本鋳造
半径より小さい曲げ半径を有する曲げ部が少なくとも2
つの隣り合うロール群の一部により構成されていること
を特徴とする第一から第三の発明のいずれかに記載の連
続鋳造機。第五の発明は、該サポートロール群内で曲げ
及び曲げ戻しを開始することを特徴とする第一の発明記
載の連続鋳造機。第六の発明は、鋳型上端から始まる前
記直線状垂直部位の長さを少なくとも2.0m以上確保
したことを特徴とする第一から第五の発明のいずれかに
記載の連続鋳造機。である。なお、上記において基本鋳
造半径とは、湾曲部鋳造半径のうち、その半径で構成さ
れているロール区間の長さが最も長い鋳造半径を意味し
ている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、湾曲型、垂直
曲げ型等、連続鋳造機の型式を、鋳型、サポートロール
とその下方に接続される上部のガイドロールセグメント
の一部を取り替えることにより、簡易にかつ短時間に変
更することができる。したがって、従来のように複数の
品種を鋳造する場合に適性の高い専用型式の連続鋳造機
を複数併設する必要がなく、大幅な改造をしないで型式
変更ができるため、型式変更のための費用、設備休止時
間を大幅に削減することが可能である。
【0011】例えば、割れ感受性の高い品種は湾曲多点
型の型式で鋳造し、表面割れ、表層直下割れのない鋳片
を得ることができる。また、非金属介在物や気泡が有害
になる品種の場合は、垂直多点曲げ型の型式で鋳造し、
非金属介在物や気泡の発生のない鋳片を得ることができ
る。このように鋳造する品種に応じて、その品種の鋳造
に適性の高い型式に簡易にかつ短時間に変更することが
できる。
【0012】なお、本発明でいう型式の変更とは、型式
の任意変更、専用型式への変更(改造)を意味する。本
発明の連続鋳造機は、前記の『鉄と鋼』に記載される各
種型式の内(c)〜(d)型式において適用するもので
ある。また、従来の多点曲げ多点矯正式の連鋳機に比
べ、基本鋳造半径より小さい曲げ半径を設けたために連
鋳機自体の機高を低くできる。ここで、機高とは鋳型上
端から連鋳機機端の水平部位の中心線との間の高さを言
う。
【0013】
【実施例】以下に本発明の連続鋳造機の実施例を、一般
的な鋼の連続鋳造機に適用した場合の例に基づいて説明
する。ここで用いた連続鋳造機は、鋳片支持構造におい
て垂直部を有しない湾曲多点矯正型連続鋳造機であり、
図1に示すように、溶鋼1をタンディッシュ2から浸漬
ノズル3を介して、冷却構造4を有し振動装置5を付設
した鋳型6に注入し、この鋳型で冷却して凝固させ得ら
れた鋳片7を、鋳型の下部に配置した複数のサポートロ
ール8と、この下方に接続された、複数のガイドロール
9からなる複数のロールセグメント10で構成された鋳
片支持構造を介して湾曲支持しながら搬出する構造を有
している。
【0014】図1の連続鋳造機の説明では、従来の連続
鋳造機(図6)との差が明確でないので、本発明の連続
鋳造機の要部となるロール配列を詳細に説明した図2,
図3により、本発明の実施例を説明する。この実施例で
は、鋼用の湾曲多点矯正型連続鋳造機、垂直多点曲げ多
点矯正型連続鋳造機の二つの型式を切り換え(変更)で
きるようにしており、図2の湾曲多点矯正型連続鋳造機
の基本部分をそのまま使用し、鋳型、サポートロールと
これに続く上部ロールセグメントの一部を交換すること
により、図3の垂直多点曲げ型の連続鋳造機の二つの型
式間で切り換え(変更)できるようにしている。
【0015】図2の湾曲多点矯正型連続鋳造機では、複
数のサポートロール8、複数のロールセグメント10に
より形成する湾曲部鋳片支持構造の鋳片支持の鋳造半径
は、12530mmを基本鋳造半径R7 としている。湾曲
部終端の矯正部では、漸次鋳造半径(R8 〜R9 )を大
きくし、水平部につなげている。
【0016】図3の垂直多点曲げ多点矯正型連続鋳造機
では、鋳型6、サポートロール8上部域では垂直部を形
成し、それに続くサポートロール域内で12000mmま
で曲げ半径(R1 〜R2 )が漸次小さくなるように設計
し、サポートロールを出た下流で更に7500mm(R4
)まで曲げ半径(R3 )が漸次小さくなるように設計
し、サポートロールに続く、上部ガイドロールの No.1
ガイドロールの範囲内に入った地点で最小曲げ半径R4
=7500mmの曲げを開始させ、上部ガイドロール内の
No.2ガイドロールの中程まで最小曲げ半径7500mm
を保持し、その下流から No.3ガイドロールの範囲内に
至る区間で漸次鋳造半径(R5 〜R6 )を大きくして基
本鋳造半径R7 の12530mmにつなげている。
【0017】即ち、この例では、鋳型6から No.2ガイ
ドロールを取り替えることにより、両型式間の型式変更
ができる。ここで鋳造半径を漸次変更するのは、鋳片の
変形(曲げ、曲げ戻し)を鋳片割れ発生許容値以下に抑
えるためである。なお、鋳造品種により、割れ発生許容
値が異なるため、漸次変更する鋳造半径の値の取り方は
鋳造対象品種を限定する場合に異なった値を取ることが
ある。
【0018】このようなロール配列を設定することによ
り、この例では、 No.3ガイドロール以降のロールおよ
びロール配列は、図2の湾曲多点矯正型連続鋳造機と、
図3の垂直多点曲げ型連続鋳造機の二つの型式とも全く
同一であり、取替えの必要はない。
【0019】従来の湾曲型連続鋳造機から垂直多点型連
続鋳造機へ型式を変更する際は、上記品質上の問題から
垂直部長さを2000〜3000mm確保する必要があ
る。本発明の技術によれば、上記2000〜3000mm
を確保し、かつ、改造範囲を極力少なくし短時間での型
式変更が可能となる。
【0020】このようにして、鋳型6から No.2ガイド
ロールまでを取り替えるだけで、湾曲多点矯正型と、
2.5mの垂直部を持つ垂直多点曲げ型連続鋳造機の二
つの型式間において、簡易にかつ短時間(取換えで数時
間、改造で数日)で型式変更が可能である。この時、連
続鋳造機の設備構成によっては、鋳型振動装置の一部も
取り替えることもある。
【0021】尚、垂直部の長さは、介在物浮上の観点か
ら高速引抜き速度になってきており、また電磁攪拌装置
を設置するクリアランス上、2.0m以上確保すること
が良い。しかしながら、余り長くし過ぎても介在物が浮
上できなくなる限界長があり、かつ機高が高くなってし
まうので5.0m以下とするのが望ましい。
【0022】次に、型式変更の具体的方法を図4により
説明する。型式変更時に取替えるべき鋳型6、サポート
ロール8、 No.1ガイドロールから No.2ガイドロール
は、それぞれ型式別に用意し、鋳型6,サポートロール
8は、一括交換フレーム16に組み込まれ、 No.1〜 N
o.2ガイドロールの2つは個別に所定の置き場に保管し
ている。
【0023】これらの取替えに際しては、鋳型6の上部
にあるタンディッシュ2は干渉しない位置に予め退避し
ておき、一括交換フレームを天井クレーンで取り外して
置き場に搬出し、置き場から保管している一括交換フレ
ームを搬入、装着して、鋳型6、サポートロール8の取
替えを実施する。No.1〜 No.2ガイドロールは、専用
の抜き出しクレーン17と天井クレーンを用いて、取り
替える。これらのガイドロールは、建設時に上部空間に
十分なスペースを確保すれば、一括交換フレームと同じ
く、一般の天井クレーンで交換することもできる。この
ようにして、本発明の連続鋳造機においては、連続鋳造
の型式変更を数時間〜数日で行うことができる。
【0024】なお、この実施例においては、鋳片支持構
造の取替え範囲を、サポートロールと、ガイドロール
(ロールセグメント)としているが、これらのロール
は、鋳片の支持という共通的機能を有するもので、連続
鋳造の円滑化(鋳造半径の最適化)、鋳型およびその付
属設備の交換の容易化をはかるために、サポートロール
による支持範囲をこの実施例の場合より長く取る場合も
あり、この場合にはガイドロール(ロールセグメント)
を取替えないで、型式変更することもある。
【0025】本発明においては、上記の実施例に限定す
るものではなく、請求項1〜2の構成を満足できる範囲
内で、変更対象型式、交換範囲、交換構造、交換手段等
については、鋳造対象品種(金属の種類、サイズ)、鋳
造条件、設備条件、工場配置条件等を考慮して適宜変更
するものである。なお、曲げ半径及び曲げ戻し半径の決
め方は、簡易的な具体例を示すと、下記の(1)又は
(2)式のいずれか一方を少なくとも使って求めた歪み
を用いて行なう。 εn+1 =(D/2−Sn+1 ) ×[{1/(Rn −D/2)}−{1/(Rn+1 −D/2)}] ×100 (1) εn+1 ;鋳片凝固界面歪み(%) D ;鋳造厚み(mm) Sn+1 ;Rn+1 のロールのシェル厚み(mm) εo n+1 =D/2×{1/(Rn −D/2)}−{1/(Rn+1 −D/2)} ×100 (2) εo ;鋳片表面歪み(%)
【0026】尚、鋳片凝固界面歪みや鋳片表面歪みを求
める式は、上記に限定する必要はなく、必要に応じて簡
略化したり、精度を上げるために別の式を用いても良
い。更に、垂直部を2.0m以上5.0m以下の範囲で
設けると、鋳型長を1.0m以上にすることも可能とな
る。これにより鋳型内もしくは鋳型下方に電磁攪拌装置
或いは電磁界発生装置を適宜設置しやすくなるので好ま
しい。
【0027】次に、従来の連続鋳造機の型式変更につい
て図5により説明する。この例は、図2の湾曲多点矯正
型連続鋳造機を、図3の垂直多点曲げ多点矯正型連続鋳
造機に型式変更する場合のものである。この例では、垂
直部形成の後漸次鋳造半径を小さくし、半径を9600
mmを基本鋳造半径R7 とし、基本鋳造半径部を適当長さ
形成した後漸次鋳造半径を大きくする曲げ戻し部を集中
して形成していた。
【0028】このように、曲げ部を連続的に集中して配
置し、基本鋳造半径で適宜の区間を形成した後、曲げ戻
し部を連続的に集中して配置する場合は、連続鋳造機の
型式変更前後で連続鋳造機高さ、鋳型から最終曲げ戻し
点までの水平距離に殆ど差が生じないようにするために
基本鋳造半径を変更せざるを得なかった。
【0029】この例のように、基本鋳造半径12530
mmを9600mmに変更する改造を行う場合は、ロールセ
グメントの設置ベースフレーム21の大幅な変更が必要
であり、コンクリート基礎、基礎面上配管、ベースフレ
ーム回りの配管、ロールセグメントに付属するロール駆
動装置およびロール間隔調整装置などの変更改造を伴う
ため、1か月〜2か月の設備休止期間を要した。
【0030】尚、従来技術として、鋳造基本半径の範囲
や、曲げの開始点、曲げ戻しの開始点、鋳造基本半径よ
り小さい半径の円弧部などの配置を特に規定しないもの
が多いが、機高を低く抑えた上で垂直部の長さを2.0
m以上望ましくは2.6m以上確保しようとすれば、ロ
ール径の小さいいわゆる稠密ロールで構成されるサポー
トロールの中で曲げを開始することは、シェル厚の薄い
地点で曲げることができて限界歪みと発生歪みとの関係
から見て重要なポイントである。反対に、鋳造基本半径
より小さい半径で開始するのは充分な垂直部長を確保し
た上で、徐々に曲げをきつくすることにより鋳片表面及
び鋳片シェル内表面の割れを抑えるという観点から重要
なポイントである。当然、曲げ戻しを開始する点は、鋳
造基本半径の部位の上流側であるが、徐々に曲げ戻す反
面、曲げ戻しを緩やかにし過ぎると機高が高くなってし
まうので、図3の通り、鋳型からロール群に沿って水平
部に至る垂直部及び湾曲部のパスラインの中間点より上
流側に納めるのが重要なポイントである。
【0031】複数の曲げ半径と複数の曲げ戻し半径は互
いに不連続な値となり、これを図7に示す。従来遷移曲
線に沿って滑らかに変化させる方法も提案されているが
(特開昭50−33929号公報)、設計が複雑でかつ
伸びしか考慮されておらず、伸びよりむしろ重要な歪み
を考慮すべきである。また、最小半径Rmin と最上流側
の最大半径R1 の比についても、図3で示した通り機高
を抑えつつ割れを防止する歪みに抑えるにはRmin をR
1 の1/4〜1/7にするのが好ましく、また鋳造基本
半径R7 との比で見るとR7 の80%未満かつ50%以
上に設定するのが好ましい。湾曲部の矯正部内の最大半
径R9との比で見ると1/8〜1/12程度にRmin を
小さくするのが機高を抑えつつ矯正歪みも低く抑えるに
適した範囲である。
【0032】
【発明の効果】本発明においては、数種の型式を、サポ
ートロールとそのの下方に接続される上部のガイドロー
ルセグメントの一部を交換することにより、簡易にかつ
短時間に切り換えることができる。例えば、割れ感受性
の高い品種は湾曲多点矯正型の型式の連続鋳造機で鋳造
し、表面割れ、表層直下割れのない鋳片を得ることがで
きる。また、非金属介在物や気泡が有害になる品種の場
合は、垂直多点曲げ型多点矯正型の型式の連続鋳造機で
鋳造し、非金属介在物や気泡の発生のない鋳片を得るこ
とができる。鋳造する品種に応じて、その品種の鋳造に
適性の高い型式に簡易にかつ短時間で任意に変更するこ
とができ、また専用型式への変更(改造)も容易であ
る。更に、電磁力発生装置を装備しやすくなる利点もあ
る。したがって、従来のように複数の品種を鋳造する場
合に適性の高い専用型式の連続鋳造機を複数併設する必
要がなく、設備費を大幅に削減するとともに、短工期化
による改造費削減が図れ、連続鋳造の生産性や介在物浮
上等の鋳片品質を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における湾曲多点矯正型連続鋳
造機例を示す側面概要説明図。
【図2】連続鋳造機のロール配列を示す側面概要説明図
で、図1の湾曲多点矯型連続鋳造機の場合を示す。
【図3】本発明に係る垂直多点曲げ多点矯正型連続鋳造
機のロール配列を示す。
【図4】本発明の実施例における湾曲多点矯型連続鋳造
機と垂直多点曲げ多点矯正型連続鋳造機間の型式交換要
領例を示す側面概要説明図。
【図5】従来例における湾曲多点矯正型連続鋳造機と垂
直多点曲げ多点矯正型連続鋳造機間の型式変更のための
改造要領を示す側面概要説明図。
【図6】従来の一般的な連続鋳造機の構造を示す側面概
要説明図。
【図7】本発明の実施例のうち連続鋳造機各部位におけ
る半径を示す説明図。
【符号の説明】
1 溶鋼 2 タンディッシ
ュ 3 浸漬ノズル 4 冷却構造 5 振動装置 6 鋳型 7 鋳片 8 サポートロー
ル 9 ガイドロール 10 ロールセグメ
ント 11 切断機 12 溶鋼鍋 13 鋳型下サポートロール 14 20番目の
ガイドロール 15 19番目のガイドロール 16 一括交換フ
レーム 17 ロール抜き出しクレーン 18 最上部ロー
ルセグメント 19 一括交換フレーム設置基準面 20 ロールセグメント設置基準面 21 ロールセグメント設置用ベースフレーム(湾曲
部) 22 ロールセグメント設置用ベースフレーム(水平
部)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型と該鋳型下流に続く少なくとも1本
    のロールからなる直線状の垂直部位を有し、かつ該垂直
    部位下流に続く、湾曲部位を有する連続鋳造機であっ
    て、該湾曲部内に基本鋳造半径に沿って配列した複数の
    ロールからなるロール群を有し、該ロール群の上流側に
    少なくとも1つの曲げ半径を有する曲げ部を有し、該曲
    げ部の下流側に少なくとも1つの曲げ戻し半径を有する
    曲げ戻し部を有し、該曲げ部及び該曲げ戻し部の少なく
    ともいずれか一方の中に前記基本鋳造半径より小さい曲
    げ半径あるいは矯正半径のいずれか一方を少なくとも有
    し、前記基本鋳造半径と曲げ半径と曲げ戻し半径とのう
    ち隣り合う2つの半径の関係をロールに拘束された部位
    で生成する歪み量によって算定し、ステップ状に変化さ
    せることを特徴とする連続鋳造機。
  2. 【請求項2】 前記隣り合う2つの半径の関係を、下記
    の歪み式(1)又は(2)のうち少なくともいずれかを
    使って算定することを特徴とする請求項1記載の連続鋳
    造機。 εn+1 =(D/2−Sn+1 ) ×[{1/(Rn −D/2)}−{1/(Rn+1 −D/2)}] ×100 (1) εn+1 ;鋳片凝固界面歪み(%) D ;鋳造厚み(mm) Sn+1 ;Rn+1 のロールのシェル厚み(mm) εo n+1 =D/2×{1/(Rn −D/2)}−{1/(Rn+1 −D/2)} ×100 (2) εo ;鋳片表面歪み(%)
  3. 【請求項3】 該湾曲部内の最上流部にサポートロール
    群の一部を配し、かつ該サポートロール群内で曲げを開
    始し、かつ該サポートロール群の下流のガイドロール群
    内で曲げ戻しを開始することを特徴とする請求項1又は
    2記載の連続鋳造機。
  4. 【請求項4】 前記基本鋳造半径より小さい曲げ半径を
    有する曲げ部が少なくとも2つの隣り合うロール群の一
    部により構成されていることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項記載の連続鋳造機。
  5. 【請求項5】 該サポートロール群内で曲げ及び曲げ戻
    しを開始することを特徴とする請求項1記載の連続鋳造
    機。
  6. 【請求項6】 該鋳型上端から始まる前記直線状垂直部
    位の長さを少なくとも2.0m以上確保したことを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項記載の連続鋳造機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011177754A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Nippon Steel Engineering Co Ltd 連続鋳造機のガイドロールセグメント
EP2349612B2 (de) 2008-11-20 2020-11-04 Primetals Technologies Austria GmbH Verfahren und stranggiessanlage zum herstellen von dicken brammen

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