JP2003024077A - ウイルス検出法 - Google Patents
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/30—Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change
Abstract
ウイルス検出法及びそれを用いたウイルス感染の診断法
を提供する。 【解決手段】ウイルスを含む被検試料を、ウイルス分離
用培養細胞に接触した後、該細胞に対してin situ ハイ
ブリダイゼーションを行う。
Description
する。より詳細には本発明は生体試料中に生きた状態で
存在するウイルスを特異的に検出することのできるウイ
ルス検出法に関する。さらに本発明は、当該方法を利用
したウイルス感染の診断方法に関する。
未知の流行病を新しいウイルス病として同定すること
は、当該ウイルス病の地域分布と流行時期を知り、当該
疾患に対する予防と治療対策を立てる上で重要なことで
ある。しかも、ウイルス病は速やかにしかも正確に診断
されないと、適切な対策処理が手遅れとなることが多
い。
して大きく3つの方法に分けられる。すなわち、患者
血清中のウイルス抗体を検出する方法(血清抗体診
断)、患者の組織や生体試料中のウイルスを直接検出
する方法、ウイルス分離である。
院症例などに行われる方法である。臨床症例では、急性
期と回復期の少なくとも1〜2週間の間隔で採取したペ
ア血清で4倍以上の上昇を認めた場合に陽性として判断
されるので、通常は確認のための検査となる。当該方法
による検査は、急性期にすでに高い抗体価を示したり、
ウイルスの型によっては抗体価の上昇が見られない症例
があるという問題が指摘されている。また、当該方法
は、通常ワクチン株について実施されているために、ワ
クチン接種者や流行ウイルス株の種類によっては、判断
しにくい結果を示す可能性も指摘されている。
としては、例えば検体中に存在するウイルス抗原を蛍光
等で標識した抗体と反応させて検出する方法が挙げられ
る。当該方法は2〜3時間程度で結果が得られるという
利点はあるが、検体中の夾雑物質との非特異反応による
偽陽性反応の可能性や検体中に一定以上のウイルス抗原
がないと検出できないという検出感度の問題が指摘され
ている。また最近では、生体試料から、生体に潜在して
いるウイルス核酸やmRNAの存在を証明して診断する
方法が開発されている。当該方法によると、PCR法や
RT−PCR法を利用することによって生体試料中に微
量存在するウイルス核酸でも高感度に検出できるが、こ
の場合検査結果の取得に1日以上要する。かかるウイル
ス核酸の検出法は、生体中にDNAが比較的安定した状
態で存在しているような慢性ウイルス感染の診断には有
効な方法であり、レトロウイルスのプロウイルスDNA
やヘルペスウイルス、アデノウイルス、B型肝炎ウイル
スのDNAなどの検出に適しているが、急性ウイルス感
染症の診断には不向きである。また、このような方法で
検体中のウイルスを直接測定する方法は、生きたウイル
スと失活したウイルスとの区別なく検出可能な方法であ
る。
るために極めて重要な方法である。しかし、症状の慢性
期やそれ以後はウイルスは減少しつつあるのでウイルス
分離が困難となる場合が多い。従って、ウイルス分離す
るためには、発症後できるだけ早期に患者から被検材料
を採取する必要がある。ウイルス分離及び同定は、通常
ウイルスを含む生体試料とウイルス分離用細胞とを接触
させて、該細胞へのウイルス感染が成立した後に行われ
る。通常感染成立の有無は細胞変性効果(cytopathic e
ffect:CPE)で判定されるが、細胞変性効果が得られ
るまで、通常は3〜4日間、特にサイトメガロウイル
ス、アデノウイルスまたは風疹ウイルスの場合1週間程
度かかるといわれている(医・薬科ウィルス学 医薬ジ
ャーナル社1990)。また、ウイルスと分離用細胞の
関係において、必ずしも細胞変性効果が認められない場
合があることも指摘されている。なお、ウイルス分離し
た後、特異的抗血清を用いた中和試験、血球凝集抑制試
験、血球吸着抑制試験、蛍光抗体法などを利用してウイ
ルスが同定される。
て、の血清抗体診断は、ウイルスの感染の有無やウイ
ルスの同定には有用であるが、治癒後も血清中に抗体が
残るため、他者への感染リスクの判断や疾患が治癒した
かどうかを判断するのには適していない。またの生体
試料中のウイルスを直接検出する方法は失活して感染力
のないウイルスまでも検出してしまうため、他者への感
染リスクの判断に不向きである。これに対してのウイ
ルス分離法は、生きたウイルスを特異的に検出できる方
法であるが、検出に時間がかかるという問題がある。
ルス病の診断方法は、ウイルスが感染力を失って死活し
た場合でも検出されることがあるため、必ずしも臨床状
態が的確に反映されているとはいえないという問題があ
る。本発明は、診断結果と実際の臨床状態との間にある
格差を解消することを目的とするものである。
関して、患者の臨床状態を迅速にしかも的確に反映する
ことのできるウイルス検出法を提供することである。当
該本発明のウイルス検出法は、ウイルス感染症の診断及
び治療に有効であるだけでなく、他者への感染のリスク
の予測、それによる院内感染の防止、治療効果の追跡に
よる現行処置の適否判断や更なる治療対策の検討が可能
となる。
の解決を目的として種々検討していたところ、ウイルス
に感染した患者の生体試料をウイルス分離用細胞に接触
させ、次いで該細胞に対してin situ ハイブリダイゼー
ションを行うことにより、生体試料中に生きた状態で存
在するウイルスを迅速にしかも特異的に検出することが
できることを見出し、これによって得られた結果が患者
の臨床状態をより的確に反映したものであることを確認
した。本発明は、かかる知見に基づいて開発されたもの
である。
掲げるウイルス検出法である: (1) ウイルスを含み得る被検試料をウイルス分離用
細胞に接触させ、次いで得られた細胞に対してin situ
ハイブリダイゼーションを行うことを特徴とするウイル
ス検出法。 (2)被検試料が、鼻汁、鼻腔ぬぐい液、眼結膜ぬぐい
液、咽頭ぬぐい液、喀痰、糞便、血液(血清、血漿)、
髄液、唾液、尿、汗、精液または組織である(1)記載
のウイルス法。 (3)ウイルスを含み得る被検試料をウイルス分離用細
胞に15〜37℃で1時間程度接触させた後に、in sit
uハイブリダーゼーションを行うことを特徴とする
(1)または(2)に記載のウイルス検出法。 (4)検出対象のウイルスが、アデノウイルス、ヘルペ
ス、ムンプス、サイトメガロウイルス、水痘・帯状疱疹
ウイルス、EBウイルス、エンテロウイルス、インフル
エンザウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス及び
HIVよりなる群から選択される少なくとも1種である
(1)乃至(3)のいずれかに記載のウイルス検出法。
の診断方法である: (5)(1)乃至(4)のいずれかに記載のウイルス検
出法を用いて、細胞中のウイルス核酸の存在の有無を判
定することを特徴とするウイルス感染の診断方法。
立を診断する方法だけでなく、ウイルス感染の経過や治
療経過を診断する方法もまた含まれる。
スを含み得る被検試料をウイルス分離用細胞に接触さ
せ、得られた細胞に対してin situハイブリダイゼーシ
ョンを行うことを特徴とするものである。
れば下記の通りである。 (1)被検試料を採取する。
感染によってウイルスが存在しえる生体試料であれば特
に制限されることなく任意に使用することができる。具
体的には、鼻汁、粘膜ぬぐい液(例えば鼻腔ぬぐい液、
眼結膜ぬぐい液、咽頭ぬぐい液等)、喀痰、糞便、血液
(血清、血漿)、髄液、唾液、尿、汗、精液等の各種体
液、または各種組織を例示することができる。
菌綿棒などの滅菌器具及び容器を用いることにより無菌
的に採取することが好ましい。得られた被検体は、採取
後、なるべく速やかにウイルス分離用細胞に接種するこ
とが好ましいが、RPMI-1640、HEPESなどの培養液に浮遊
させることによって室温で1〜2日間保存することが可
能である。
触させる。
用のウイルス分離において使用される公知の分離用細胞
を任意に使用することができる。従って、ウイルス分離
と同様に、検出対象とするウイルスに対して感受性のあ
る細胞を選択することが好ましい。通常、ウイルス分離
用細胞として株化された培養細胞(継代培養細胞)また
は初代培養細胞が使用されており、本発明においてもこ
れらの細胞の中から、検出対象のウイルスの種類に応じ
て適宜選択して用いることができる。なお、一例として
株化された培養細胞の例を表1に、初代培養細胞の例を
表2に、それぞれ生育ウイルスとともに示す。
く速やかに分離用細胞に接種することが好ましい。細胞
への試料の接種方法は、生体試料が細胞と接触するよう
な方法であれば特に制限されず、慣用方法が任意に使用
できる。
した状態で15〜37℃程度の条件下で培養することが
好ましい。培養方法は特に制限されないが、好ましくは
炭酸ガス環境下で行うことが好ましい。接触処理は1〜
数時間程度で行うことができる。勿論、長時間をかけて
接触処理することもできるが、本発明の方法によれば、
ウイルス検出を迅速に行うという観点から1時間程度の
接触処理で十分である。
被検試料を除去する。この場合、次工程における検出に
おいて被検試料中に存在するウイルスや夾雑物質による
検出誤差を回避するために、回収した細胞を1〜数回洗
浄することが好ましい。具体的には、被検試料を除去し
た後、PBSにて分離用細胞を1〜数回洗浄する。
in situハイブリダイゼーションを行う 本発明においてin situ ハイブリダイゼーションは、一
般的な方法を用いることができる(実験医学別冊 新遺
伝子工学ハンドブック 羊土社発行 1996年、第202〜209
など)。本発明において当該方法は大まかに下記の3つ
のステップを包含することができる。
料、すなわちウイルス接種細胞中に存在するウイルス核
酸を固定化するステップである。具体的には、まず上記
で調製したウイルス接種細胞細胞を乾燥し、次いで常法
に従って固定化することによって実施される。細胞の固
定化は、具体的には細胞をスライドグラス上にのせて風
乾する方法、冷アセトン処理、冷パラホルムアルデヒド
/PBS処理などを例示することができる。例えば、冷
パラホルムアルデヒド/PBS処理を例示すると、まず
細胞を乾燥させた後、氷冷したパラホルムアルデヒド/
PBSで固定処理し、次いで、固定化した標本を30%
スクロース/PBS溶液に移して4℃で2〜4時間ゆっ
くり振盪してパラホルムアルデヒド/PBS溶液から該
溶液に置換することによって実施することができる。
存在し得るウイルスの遺伝子またはmRNAをそれが存
在する位置に固定することができる。
的な相補配列を、該遺伝子またはmRNAの検出用プロ
ーブとして調製するステップである。プローブとして用
いる核酸配列はRNAであってもDNAであってもよ
く、また化学的に合成されたものであっても生化学的に
合成されたものであってもよい。また生化学的合成方法
として適当なベクターに組み込んで増幅することによっ
て調製することもできる。なお、当該プローブは、検出
が容易なように、当業界に使用される任意の方法に従っ
てRI、酵素、蛍光色素などで標識されて使用される。
なお、ここで採用されるRI、酵素、蛍光色素は、当業
界で用られる任意のものを検出手法に応じて適宜選択す
ることができる。
放射性同位元素;アルカリホスファターゼ、パーオキシ
ダーゼ(POX)、マイクロパーオキシダーゼ、キモト
リプシノーゲン、プロカルボキシペプチダーゼ、グリセ
ロアルデヒド−3−リン酸脱水酵素、アミラーゼ、ホス
ホリラーゼ、D−ナーゼ、P−ナーゼなどの酵素;フル
オレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメ
チルローダミンイソチオシアネート(RITC)等の蛍
光物質;及び1N−(2,2,6,6−テトラメチル-1-オキシ
ル-4-ピペリジル)−5N−(アスパルテート)−2,
4−ジニトロベンゼン(TOPA)、染料ゾル、金属ゾ
ル、ラテックス粒子等が例示される。これらの標識物質
による標識方法は、自体公知の方法に従って行うことが
できる。好ましくは、蛍光物質標識プローブ、ジゴキシ
ゲニンとビオチン標識DNAプローブ(蛍光検出法)、
ジゴキシゲニンとビオチン標識DNAプローブ(酵素標
識抗体法)などの非放射性標識プローブである。これら
のプローブによれば、細胞内のDNA又はmRNAにハ
イブリダイズした標識プローブを直接的に見ることが可
能である。更に、標識剤として異なる発色物質を用いて
もよく、これによって同時多色分析を行うことができ、
複数の遺伝子あるいはmRNAを見ることが可能であ
る。
ローブが調製できる。 (i) テンプレートクローンの構築 0.5〜1.5kbのプローブとなる配列を含んだゲノム
DNAあるいはcDNAを、SP6、T3、T7などのプ
ロモーターを持ったプラスミド(Stratagene社のBluesc
ript、Promega社のpGEMなど)に組み込む。テンプ
レートにするとき制限酵素でプラスミドDNAの直線化
を行うが、3’突出末端が生じるところの末端からRN
A合成がおきてしまうので、インサートの両端のマルチ
プルクローニング部位にインサート中には現れないよう
な5’突出末端があるようにクローニングをデザインし
ておく。センスRNA,アンチセンスRNAの両者が合
成できるようにしておくのが良い。インサートには、po
lyA,反復配列、ベクターなどが含まれないようにす
る。テンプレートはアルカリ法で抽出し、RNase処理
した後PEG沈殿を行い、CsCl密度平衡遠心で精製す
る。
ミドDNAを5〜10倍量の酵素で完全に切断する。切
断はアガロースゲル電気泳動で確認する。
るためにプロティナーゼK処理を行う。テンプレートD
NA10μgを最終濃度1%SDS,200μg/ml プロ
ティナーゼKを含む溶液200μl中で37℃で30分
処理する。5M NaCl溶液20μlを加えた後、フェノ
ール・クロロホルム抽出を2回、クロロホルム抽出を1
回行った後、エタノール沈殿を行う。沈殿を70%エタ
ノールで洗浄の後減圧下で乾燥し、最終濃度1mg/lにな
るように10nM Tris-HCl,0.1nM EDTAに溶解する。
の合成 RNAプローブの合成は、市販のキットを利用して行う
ことができる。
ブの合成は、下記の調整液を軽く遠心して溶液を底に集
めた後、37℃の水浴中で2時間反応を行うことによっ
て実施できる: テンプレートDNA 1μl 10倍希釈 NTP mixture 2μl 10倍希釈 transcriptoin buffer 2μl DEPC処理water 13μl RNase inhibitor 1μl RNAポリメラーゼ 2μl。
て電気泳動により反応チェックすることが好ましい。も
う一つは、断片化のあとのホルムアルデヒド入りのアガ
ロースゲル電気泳動に用いる。結果が分かるまで残りは
マイナス20℃で保存する。電気泳動はRNaseの混入
をできるだけ避けるようにして、2%アガロースででT
EBを用いたミューピッドで行う。
の精製と断片化 次いで未反応の基質を除去し、エタノール沈殿を行って
精製する。0.1M DTTとアルカリ処理溶液を1:1
9で混ぜ、RNAの沈殿をμlのこの溶液に完全に溶解
させる。60℃の湯浴あるいはヒートブロックで、計算
した時間加熱する。3M酢酸ナトリウム溶液10μl、
20mg/ml E.coli tRNA溶液5μl及び冷100%エタ
ノール350μlを加えて常法でRNAを沈殿させる。
遠心にて回収したRNAは真空乾燥し、50μlの蒸留
水(Distilled Water:DW)に溶解後20ユニットのR
Nase inhibitorを加えてからマイナス20℃で保存す
る。
てもよいが、検出するウイルスの種類によっては市販の
標識プローブを使用することもできる。よって当該標識
プローブの調製は、本発明の方法において必須工程では
ない。
させてin situ ハイブリダイゼーション反応を行う。反
応後、非特異的に吸着したプローブあるいは未反応のプ
ローブをRNaseなどで除去し洗浄した後、標識プロー
ブの標識剤に応じた検出方法に付すことにより、細胞中
のウイルス遺伝子またはmRNAを測定する。
的には標識プローブを含むバッファーを、固定化したウ
イルス接種細胞にかけて90〜95℃、あるいは35〜
45℃の恒温槽で反応させることによって実施され、こ
れによって標識プローブが細胞内に局在化するウイルス
のDNAまたはmRNAとハイブリダイズする。
ッファー)及び反応方法の一例として下記の溶液及び方
法を挙げることができる。これらの溶液、使用当日に調
製することが好ましい。
90℃程度で5分間ほど加熱した後室温に戻したものを
使用することが好ましい。混液は予めウイルス接触細胞
をのせたスライドガラス上にのせて良く混ぜてある程度
広げた後に、泡を入れないようにしてカバーグラスをか
け、40±5℃程度で2分〜16時間ハイブリダイズす
る。標識プローブの至適濃度は検出する対象のウイルス
遺伝子によって異なるので、好ましくはプローブ濃度を
変えて予備実験をすることが望ましいが、濃度目安とし
てハイブリダイゼーション混液中での最終濃度が0.1
〜1μg/mlの範囲を挙げることができる。
ション反応で形成されたハイブリダイズ物を検出する。
検出は、標識プローブで使用した標識剤に応じて自体公
知の方法を利用することができる。例えば酵素活性の測
定は、使用する酵素の種類に応じて公知の方法に従って
行うことができ、例えば標識酵素としてパーオキシダー
ゼを用いる場合は基質としてABTSJ2,2'-アジノー
ビ(3'エチルベンツチアゾリンスルホン酸)を用い、ま
たアルカリホスファターゼを用いる場合は基質としてp
−ニトロフェニルホスフェートを用いて、それぞれイン
キュベートし、各基質の分解を分光光度計等を用いて測
定する方法等が挙げられる(「酵素免疫測定法」第2
版、石川栄治 他著、医学書院、1982年等参考)。
なお、上記酵素標識の代わりに、放射性同位元素や蛍光
物質による標識体を用いる場合も、自体公知の方法に従
って測定することができる。
ラジオグラフィー、蛍光標識の場合は蛍光顕微鏡又は蛍
光強度計、酵素標識の場合は所定の酵素基質と反応させ
て比色計を用いて呈色反応を見ることによって測定する
ことができる。
は生きたウイルスのみである。
性を有し、細胞に感染することで増殖可能であるもの、
言いかえれば活性化されたウイルスをいう。一方、ウイ
ルス形態を失い細胞に対する結合部分を失ったウイル
ス、すなわちDNA核酸やRNA等、細胞等への感染性
が認めれられない状態にあるパルボウイルス、アデノウ
イルス、ピコルナウイルス、コロナウイルス、トガウイ
ルスなどの核酸は検出されない。本発明の方法は、細胞
へ感染させる段階において活性化されたウイルスのみを
検出することができる。
上記のごとく生きたウイルスであれば特に制限されない
が、具体的にはアデノウイルス、ヘルペス、ムンプス、
サイトメガロウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、EB
ウイルス、エンテロウイルス、インフルエンザウイル
ス、ライノウイルス、コロナウイルス、HIVを好適に
例示することができる。
いるウイルスを証明する方法であり、ウイルス感染症患
者の病態を反映していると言われている。本発明の方法
は、生きたウイルスを遺伝学的に検出するものであり、
これゆえにウイルス感染症患者の病態を的確に反映する
ことができる。
出法において、ウイルス接種細胞中に検出対象のウイル
ス遺伝子(DNA)またはmRNAが存在するかどうか
を判定することによって、ウイルス感染の診断に利用す
ることができる。当該ウイルス検出法を利用した診断に
よれば、所定のウイルス感染成立の有無がわかるだけで
なく、第三者への感染リスクの予測、治療効果を追跡す
ることによる該治療方法の適切性判断や最善な治療方法
の探索に有効に利用することができる。
染患者から採取した鼻汁、鼻腔ぬぐい液、眼結膜ぬぐい
液、咽頭ぬぐい液、喀痰、便などの各種の生体試料を、
まずウイルス分離用細胞に接触させた後、得られた細胞
を対象として in situ ハイブリダイゼーションを行う
ことを特徴とするものである。今まで、患者から採取し
た生体試料を対象として、該生体試料中に含まれるウイ
ルス核酸の検出を目的として in situ ハイブリダイゼ
ーションが広く行われてきているが、本発明のように、
ウイルスを含む生体試料と短時間に接触させて調製した
細胞に対して insitu ハイブリダイゼーションを行って
ウイルスを検出する方法は知られていなかった。
いるウイルス分離には、通常数日〜数ヶ月の孵卵器中で
の培養が必要とされる。それに対して、本発明のウイル
ス検出法では、生体試料と分離用細胞との接触は15〜
37℃でわずか1時間程度で実施可能である。
ルスのみを検出することができる。
高感度に生きたウィルスを検出できるため、ウイルス感
染症患者の病態を的確に反映することができる。
明する。但し、本発明はこれらの実施例によって何ら制
限されるものではない。実施例1 (1)アデノウイルス5型を分離用細胞(HEp−2、
国立感染症研究所分与株)に接種し、孵卵器中で37℃
で1時間放置した。なお、分離用細胞はあらかじめ5×
104/10mlに調整したHEp−2細胞浮遊液をチャ
ンバースライド(LAB-TEK社製:1枚8ウェル)に、1
ウェル当たり1.0mlずつ播いて、37℃、5%CO2下で
1日培養したものを使用した。次いでさらに5×103
個/mlに調整して24穴マイクロプレートにまき、軽く
遠心分離をかけて単層に調整した。また、アデノウイル
ス5型は、アデノウィルス5型(力価:1.6×103T
CID50/0.5ml)の抗原を用いて仔牛血清及びPH
7.4イーグル培養液で所定の希釈倍率に調整したもの
を使用した(生菌)。比較のために、死菌(ホルマリン
固定)から分離用細胞への感染が成立するかどうかを見
るために、10%ホルマリンで殺菌したアデノウィルス
5型死菌についても生菌と同様の希釈倍率のものを調整
した。
菌を前日に調整したHEp−2細胞を播種したウェルに
50μlずつ播種し、2%仔牛血清添加イーグルMEM
倍地を450μl加え、37℃、5%の孵卵器中で培養
する。培養後1時間(感染時間1時間)、2時間(感染
時間2時間)、12時間(感染時間12時間)、及び2
4時間(感染時間24時間)経過した後のアデノウイル
ス感染細胞スライドについて、それぞれ風乾し、次いで
冷アセトンで10分間固定した後、更に風乾して、ジゴ
キシゲニン標識RNAプローブを用いたin situ ハイブ
リダイゼーションを行って、細胞中におけるウイルス核
酸の存在有無からウイルス感染が生じているかどうかを
調べた。
は、PCR DIG合成キット(ロッシュ社)を利用し
て行った。鋳型DNAとしては、アデノウイルスゲノム
DNAを用いた。
識プローブの合成について説明する。下記のPCR反応
液を調製し、PCR反応を行った。鋳型DNAとしてア
デノウイルス5型ウイルス株を細胞に接種し、培養した
上清からウイルスDNAを抽出したものを用いた: <反応液> PCR緩衝液(10×) 5 μl PCR、DIG合成ミックス 5 μl (2mM dATP, 2mM dCTP, 2mM dGTP, 1.3mM dTTP, 0.7mM DIG-11dUTP) 20μMセンスプライマー 2.5 μl 20μMアンチセンスプライマー 2.5 μl 蒸留水 33.25μl 酵素ミックス 0.75μl 鋳型DNA(10ng/μl) 1 μl 合 計 50 μl。
サイクル 94℃−10秒、50℃−30秒、72℃−2分20
秒:1サイクル 94℃−10秒、50℃−30秒、72℃−2分40
秒:1サイクル 以下、1サイクル進む毎に72℃での反応時間を20秒
ずつ延長する 最初の10サイクルに20サイクルを加えた全30サイ
クルを行う 72℃−7分 4℃。
による電気泳動を行って128bpのバンドを確認す
る。
デノウイルスのヘキソン領域内に設計し、センスプライ
マー及びアンチセンスプライマーとして下記のものを利
用した。なお、括弧内はヘキソン領域の対応する塩基番
号を意味する。 センスプライマー AD5AYUS:GGAAGGTAACTCACGAGAA
CTAATGGGCC(921-941) アンチセンスプライマーAD5AKUA:CCGCCAGAACACCCATATT
ACCCGT (1049-1024) ジゴキシゲニン(DIG)標識DNAプローブの精
製 上記のPCR反応によりDIG標識反応を行った後、得
られたPCR産物を電気泳動し、アガロースゲルから切
り出すことによってプローブの精製を行った。アガロー
スゲルからの精製は、QIAGEN社の QIA quick Gel Extra
ction Kitを用いて行った。具体的には、1.5%アガロ
ースゲルで電気泳動し、UVタランスイルミネーター上
でアガロースゲルから目的のバンド部分のみを切り出し
た。そのゲル断片の重量の3倍量のQG Bufferを加え、
50℃で10分間加温した。次にゲル断片の1倍量のイ
ソプロパノールを加え、混和後、カラムに入れて8000rp
mで1分間遠心した。カラムにQG Buffer 500μlを入
れ、8000rpmで1分間遠心し、完全にアガロースゲルを
除去した。次にPE Bufferを750μl入れ、12000rpmで1
分間遠心した。EB Buffer 100μlで溶出し、DIG標識
プローブとして用いた。
組成で調製する。
上記のハイブリダイゼーション溶液を載せて、カバーグ
ラスをかけた。これを92℃で2分間反応させた後(ハ
イブリダイゼーション)にTBST(Tris Buffered Sa
line with Tween20)でカバーグラスを剥がして、TB
STで1分間×3回、TBStで5分間洗浄した。その
後、抗ジゴキシゲニン抗体(マウスモノクロナール抗
体:CovalAb社製)で15分間処理して、TBSTで3
分間×2回洗浄した後、ペルオキシダーゼ標識マウス抗
体ポリマー重合体(エンビジョンキット、ダコ社)で6
0分処理し、DAB発色処理並びにマイヤーヘマトキシ
ン処理を行って発色させた。ウイルス感染の有無は発色
の有無と対応している。結果を表3に示す。発色の有無
を+−で示す。
出されないのに対して、生菌群は感染時間1時間、TCID
50/50μlで検出可能であることが判明した。
ス検出法の結果と臨床症状との関係を調べた。なお、比
較のためウイルス分離法及びPCR法を同様に行って、
これらの方法で得られる結果と臨床症状との相関関係も
みた。結果を表4に示す。
イルス検出法は他の方法に比べてより臨床症状を鋭敏に
反映していた。すなわち、ウイルス分離法では臨床症状
が改善する前に陰性となり、PCR法では臨床症状が軽
快し退院する段階においても陽性であるのに対し、本方
法では、臨床症状が軽快した段階で陰性となり臨床症状
をよく反映した。
CR増幅したアデノウイルス5型ヘキソン領域、及びP
CRに使用したプライマーの位置を示す概略図である。
なお、センスプライマー:AD5AYUSの塩基配列及びアン
チセンスプライマー:AD5AKUAの塩基配列をそれぞれ下
線部で示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 ウイルスを含み得る被検試料をウイルス
分離用細胞に接触させ、次いで得られた細胞に対してin
situハイブリダーゼーションを行うことを特徴とする
ウイルス検出法。 - 【請求項2】被検試料が、鼻汁、鼻腔ぬぐい液、眼結膜
ぬぐい液、咽頭ぬぐい液、喀痰、糞便、血液(血清、血
漿)、髄液、唾液、尿、汗、精液または組織である請求
項1記載のウイルス法。 - 【請求項3】ウイルスを含み得る被検試料をウイルス分
離用細胞に15〜37℃で1時間程度接触させた後に、
in situハイブリダイゼーションを行うことを特徴とす
る請求項1または2に記載のウイルス検出法。 - 【請求項4】検出対象のウイルスが、アデノウイルス、
ヘルペス、ムンプス、サイトメガロウイルス、水痘・帯
状疱疹ウイルス、EBウイルス、エンテロウイルス、イ
ンフルエンザウイルス、ライノウイルス、コロナウイル
ス及びHIVよりなる群から選択される少なくとも1種
である請求項1乃至3のいずれかに記載のウイルス検出
法。 - 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載のウイル
ス検出法を用いて、細胞中のウイルス核酸の存在の有無
を判定することを特徴とするウイルス感染の診断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001218044A JP2003024077A (ja) | 2001-07-18 | 2001-07-18 | ウイルス検出法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001218044A JP2003024077A (ja) | 2001-07-18 | 2001-07-18 | ウイルス検出法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003024077A true JP2003024077A (ja) | 2003-01-28 |
Family
ID=19052280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001218044A Ceased JP2003024077A (ja) | 2001-07-18 | 2001-07-18 | ウイルス検出法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003024077A (ja) |
-
2001
- 2001-07-18 JP JP2001218044A patent/JP2003024077A/ja not_active Ceased
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