JP2003023041A - 電子部品のボンディング装置 - Google Patents

電子部品のボンディング装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した振動を行わせながら安定したボンデ
ィングを行うことができ、また吸着部の交換を簡単・迅
速に行うことができ、更には吸着部を交換しても吸着部
の振動特性が変りにくい電子部品のボンディング装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 横長のホーン15の側部に設けられた振
動子17によりホーン15に縦振動を付与する。ホーン
15はセンターへ向って次第に幅狭となるテーパ面15
aを有しており、センターには先細状の吸着部30がビ
ス39などにより着脱自在に装着される。またホーン1
5は平面視して対称な4個のリブ15bによりブロック
13に固着される。振動子17の振動はホーン15を通
じて吸着部30に伝達され、吸着部30に吸着された電
子部品を基板にボンディングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フリップチップの
ようなバンプ付き電子部品などの電子部品を基板の電極
などの被接合面にボンディングする電子部品のボンディ
ング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品を基板の電極などの被接合面に
ボンディングする方法として、超音波圧接を用いる方法
が知られている。この方法は、電子部品を被接合面に対
して押圧しながら電子部品に超音波振動を与え、接合面
を微小に振動させて摩擦を生じさせることにより接合面
を密着させるものである。この方法に用いられるボンデ
ィングツールは、振動発生源である超音波振動子の振動
を電子部品に伝達させる細長形状の棒体であるホーンを
有しており、このホーンに備えられた吸着部に電子部品
を吸着し、電子部品に荷重と振動を作用させながら、電
子部品を被接合面に圧着してボンディングするようにな
っている。
【0003】従来、電子部品を超音波圧接するためのホ
ーンとしては、ワイヤボンディング装置に用いられるホ
ーンと同様のホーンが用いられている。この種のホーン
は片持ち構造であって、その先端自由端部に吸着部を保
持しており、この吸着部に電子部品を吸着して超音波圧
接を行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のホ
ーンは片持ち構造であるため振動状態が不安定であり、
安定したボンディングを行いにくいものであった。また
吸着部もホーンの先端自由端部に保持されているため振
動状態が不安定であった。また吸着部にはボンディング
時の負荷(荷重と振動)が作用するため、その下面(電
子部品の吸着面)が摩耗しやすい。この摩耗が甚しくな
ると吸着部はホーンに着脱して交換せねばならないが、
この交換は簡単・迅速に行える必要があり、また吸着部
を交換しても吸着部の振動特性が変らないことが肝要で
ある。
【0005】したがって本発明は、安定した振動を行わ
せながら安定したボンディングを行うことができる電子
部品のボンディング装置を提供することを目的とする。
また吸着部の交換を簡単・迅速に行うことができ、更に
は吸着部を交換しても吸着部の振動特性が変りにくい電
子部品のボンディング装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ボンディング
ツールにより荷重と振動を電子部品に作用させながらこ
の電子部品を被接合面に圧着する電子部品のボンディン
グ装置であって、前記ボンディングツールが、横長のホ
ーンと、このホーンに振動を付与する振動子と、吸着孔
に電子部品を真空吸着する吸着部とを備え、この吸着部
が前記ホーンに着脱自在に装着されることを特徴とする
電子部品のボンディング装置である。
【0007】上記構成において、吸着部の下面が摩耗し
たならば、吸着部をホーンから取りはずしてその交換を
行う。また吸着部を下方へ向って先細状とすることによ
り、吸着部に安定した振動を行わせながら安定したボン
ディングを行うことができ、また吸着部を交換しても吸
着部の振動特性は変りにくいものとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子
部品のボンディング装置の正面図、図2は同電子部品の
ボンディングツールの上下反転斜視図、図3(a)は同
電子部品のボンディングツールの正面図、図3(b)は
同電子部品のボンディングツールの下面図、図3(c)
は同電子部品のボンディングツールの分解状態の正面
図、図3(d)は同電子部品のボンディングツールの当
接子の断面図、図3(e)は同電子部品のボンディング
ツールの部分断面図である。
【0009】まず、図1を参照して電子部品のボンディ
ング装置の全体構造を説明する。1は支持フレームであ
って、その前面には第1昇降板2と第2昇降板3が昇降
自在に設けられている。第1昇降板2にはシリンダ4が
装着されており、そのロッド5は第2昇降板3に結合さ
れている。第2昇降板3にはボンディングヘッド10が
装着されている。支持フレーム1の上面にはZ軸モータ
6が設けられている。Z軸モータ6は垂直な送りねじ7
を回転させる。送りねじ7は第1昇降板2の背面に設け
られたナット8に螺合している。したがってZ軸モータ
6が駆動して送りねじ7が回転すると、ナット8は送り
ねじ7に沿って上下動し、第1昇降板2や第2昇降板3
も上下動する。
【0010】図1において、被接合面としての基板46
は基板ホルダ47上に載せられており、基板ホルダ47
はテーブル48上に載せられている。テーブル48は可
動テーブルであって、基板46をX方向やY方向へ水平
移動させ、基板46を所定の位置に位置決めする。
【0011】42はカメラであって、一軸テーブル43
に装着されている。44はカメラ42から前方へ延出す
る鏡筒である。カメラ42を一軸テーブル43に沿って
前進させ、鎖線で示すように鏡筒44の先端部をボンデ
ィングツール14の下面に吸着して保持された接合物と
しての例えばフリップチップなどのバンプ付きの電子部
品40と基板46の間に位置させ、その状態で電子部品
40と基板46の位置をカメラ42で観察する。そして
この観察結果により電子部品40と基板46の相対的な
位置ずれを検出する。検出された位置ずれは、テーブル
48を駆動して基板46をX方向やY方向へ水平移動さ
せることにより補正し、これにより電子部品40と基板
46の位置合わせがなされる。
【0012】図1において、50は主制御部であり、モ
ータ駆動部51を介してZ軸モータ6を制御し、またテ
ーブル制御部52を介してテーブル48を制御し、また
認識部53を介してカメラ42に接続され、また吸引装
置56が接続されている。また押圧手段としてのシリン
ダ4は荷重制御部54を介して主制御部50に接続され
ており、シリンダ4のロッド5の突出力すなわちボンデ
ィングツール14でバンプ付き電子部品40を基板46
に押し付ける押圧荷重が制御される。超音波振動子から
成る振動子17は、超音波振動子駆動部55を介して主
制御部50に接続されており、主制御部50からの指令
に従って超音波振動を行う。
【0013】ボンディングヘッド10の本体11の下端
部にはホルダ12が結合されている。ホルダ12にはブ
ロック13が装着され、ブロック13にはボンディング
ツール14が固定されている。ブロック13の側部の突
部13aは吸引装置56に接続されている。以下、図
2、図3を参照してボンディングツール14について説
明する。
【0014】図2および図3に示すように、ボンディン
グツール14は横長のホーン15を主体としている。ホ
ーン15は細長形状の棒状体であり、平面視してその両
側部からセンターへ向って次第に幅狭となるテーパ面1
5aを有している。ホーン15のセンターには吸着部3
0が下方へ突設されており、吸着部30から等距離隔て
られた4ヶ所にリブ15bがホーン15と一体的に設け
られている。ブロック13への取り付けバランスを良く
するために、4個のリブ15bはホーン15のセンター
の吸着部30を中心として平面視して対称に突設されて
いる。ボンディングツール14は、リブ15bに形成さ
れた貫通孔20にねじ18を螺入することにより、ブロ
ック13の下面に着脱自在に装着されている。すなわ
ち、リブ15bはホーン15をブロック13に装着する
装着部となっている。
【0015】図3(c)において、吸着部30は下方へ
向って次第に幅狭となる先細状であり、その両側面はテ
ーパ面31となっている。またそのセンターには吸着孔
32が形成されている。吸着部30の下面には、電子部
品40を吸着する突部30a(図2)が突設されてい
る。ホーン15の吸着部30と反対側の上面には突部3
3が突設されており、ホーン15の下面にはこの突部3
3が嵌合する凹部34が形成されている。図3(e)は
突部33を凹部34に嵌合した状態を示している。この
状態で、突部33は凹部34にぴったり密接して嵌合し
ているが、吸着部30の両側部上面とホーン15の下面
の間にはわずかなすき間Cが確保されている。したがっ
て吸着部30とホーン15の当接長は、図中Lで示され
る突部33を略一周する長さである。このように上記す
き間Cを確保し、かつ当接長Lを極力短くすることによ
り、吸着部30を交換しても吸着部30の振動特性はほ
とんど変らず、振動特性の再現性がきわめて良いものと
なる。
【0016】図3(c)において、凹部34の両側部の
ホーン15の下面にはねじ山が形成された第1孔35と
第2孔36が形成されている。37は当接子であって、
図3(d)に示すようにその内端面37aはテーパ面3
1に当接するテーパ面になっている。38は当接子37
の位置決め用ピンであり、第2孔36に挿入固定され
る。ビス39を当接子37の貫通孔37cに貫通させ、
当接子37の外端面37bをピン38に当接させながら
第1孔35に挿入することにより、吸着部30はホーン
15の下面に着脱自在に装着される。このように吸着部
30のテーパ面31に当接子37を当接させ、かつピン
38で吸着部30の横方向の位置ずれを規制することに
より、吸着部30をホーン15にしっかり装着できる。
【0017】またホーン15の両側面を吸着部30へ向
って次第に幅狭となるテーパ面15aとすることによ
り、振動子17の振動を効率よく集中的に吸着部30に
付与することができ、また吸着部30を下方へ向って先
細状とすることにより、吸着部30の振動を安定的なも
のとし、かつその下面に吸着された電子部品40に振動
を集中的に強く付与できる。このように吸着部30は下
方へ向って先細状とすることが電子部品40への振動付
与上望ましい。吸着部30を先細状とする形状として
は、テーパ面31以外にも、例えば階段状に先細状とし
てもよい。
【0018】図1において、ブロック13の側面に設け
られた突部13aには吸着パッド19が装着されてい
る。図3(c)において、ホーン15には吸着部30の
吸着孔32に連通する吸引孔16a,16bが形成され
ており、吸着パッド19はホーン15の上面の吸引孔1
6bに当接している。したがって吸着パッド19に接続
された吸引装置56(図1)を駆動してエアを吸引する
ことにより、吸着部30に開口した吸着孔32(図3
(a),(b))から真空吸引し、この吸着部30の下
面にバンプ付きの電子部品40を真空吸着して保持する
ことができる。
【0019】図2において、ホーン15の側端部には振
動付与手段である振動子17が装着されている。振動子
17を駆動することにより、ホーン15には縦振動(ホ
ーン15の長手方向の振動)が付与され、吸着部30は
水平方向a(ホーン15の長手方向)に振動する。図3
(b)に示すように、ホーン15の形状は両端部からテ
ーパ面15aを経てセンターの方向に順次幅が絞られた
形状となっており、これにより、振動子17より吸着部
30に伝達される経路において超音波振動の振幅は増幅
され、吸着部30には振動子17が発振する振幅以上の
振動が伝達される。
【0020】次に、振動子17によってホーン15に励
起される振動のモードについて説明する。図3(a)に
示すように、ホーン15に励起される振動の定在波A
は、振動子17の装着面およびホーン15の中央に位置
する吸着部30の位置を定在波の腹とし、ホーン15を
ブロック13に固定する固定部としてのリブ15bおよ
び吸引孔16bの位置が定在波の節となるような形とな
っている。すなわちホーン15各部の形状寸法、質量分
布を適切に設定することにより、このような定在波をホ
ーン15に発生させることができる。
【0021】従って、装着部であるリブ15bは、ホー
ン15の振動の定在波の腹に相当する位置である吸着部
30からホーン15の両端側の方向へ等距離隔てられた
定在波の節に相当する位置に設けられている。これによ
りボンディングツール14をブロック13に固定し、シ
リンダ4の押圧力を定在波の節に相当する位置を介して
ホーン15に伝達するリブ15bの位置ではホーン15
の縦振動による変位は極小となり、また電子部品40を
保持する吸着部30の位置では極大の振幅を得ることと
なり、超音波振動を電子部品40のボンディングに最も
有効に利用することができる。
【0022】図3(a)において、ホーン15の上面中
央には突部41が突設されている。この突部41は吸着
部30とは反対側のホーン15の上面にあり、ホーン1
5の水平な中立軸NAに対する吸着部30およびその装
着手段(当接子37、ピン38、ビス39等)との質量
バランスをとっている。この突部41の作用は次のとお
りである。すなわち、振動子17の振動は、縦振動とし
てホーン15の長手方向(図2の矢印a)に伝達され、
この縦振動により電子部品40を接合面に対して水平方
向へ振動させて接合面との摩擦により電子部品40のボ
ンディングを行うものである。
【0023】ここで、仮に突部41が無いとすると、ホ
ーン15はそのセンター付近において、その下面に突設
された吸着部30のために中立軸NAに対するZ方向
(上下方向)の質量バランスが崩れ、ホーン15にはZ
方向の振動が発生する。このZ方向の振動は、電子部品
40を被接合面である基板46の上面に叩きつける力と
して作用するため、上記接合を阻害するだけでなく、場
合によっては電子部品40を破壊する。そこで突部41
を形成することにより、中立軸NAに対する吸着部30
との質量バランスを確保し、Z方向の振動を防止するよ
うにしたものである。すなわち突部41は質量バランス
手段となっている。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、吸着部の下面が摩耗し
たならば、吸着部をホーンから取りはずしてその交換を
簡単に行うことができる。また吸着部を下方へ向って先
細状とすることにより、吸着部に安定した振動を行わせ
ながら安定したボンディングを行うことができ、また吸
着部を交換しても吸着部の振動特性は変りにくいものと
なる。また質量バランス手段を設けることにより、ホー
ンのZ方向の振動発生を防止し、電子部品を被接合面に
確実にボンディングできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品のボンディン
グ装置の正面図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品のボンディン
グツールの上下反転斜視図
【図3】(a)本発明の一実施の形態の電子部品のボン
ディングツールの正面図 (b)本発明の一実施の形態の電子部品のボンディング
ツールの下面図 (c)本発明の一実施の形態の電子部品のボンディング
ツールの分解状態の正面図 (d)本発明の一実施の形態の電子部品のボンディング
ツールの当接子の断面図 (e)本発明の一実施の形態の電子部品のボンディング
ツールの部分断面図
【符号の説明】
14 ボンディングツール 15 ホーン 15a テーパ面 17 振動子 19 吸着パッド 30 吸着部 31 テーパ面 37 当接子 40 電子部品 41 突部(質量バランス手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボンディングツールにより荷重と振動を電
    子部品に作用させながらこの電子部品を被接合面に圧着
    する電子部品のボンディング装置であって、前記ボンデ
    ィングツールが、横長のホーンと、このホーンに振動を
    付与する振動子と、吸着孔に電子部品を真空吸着する吸
    着部と、前記ホーンに当接し前記吸着孔に連通する吸着
    パッドとを備え、前記吸着部が前記ホーンに着脱自在に
    装着されることを特徴とする電子部品のボンディング装
    置。
  2. 【請求項2】前記吸着部が下方へ向って先細状のテーパ
    状側面を有し、このテーパ状側面に当接子を当接させ、
    この当接子を前記ホーンに着脱自在に固着することによ
    り、前記吸着部を前記ホーンに着脱自在に装着すること
    を特徴とする請求項1記載の電子部品のボンディング装
    置。
  3. 【請求項3】前記テーパ状側面が、前記ホーンの長手方
    向において左右に2面形成されていることを特徴とする
    請求項2記載の電子部品のボンディング装置。
  4. 【請求項4】前記ホーンの前記吸着部とは反対側に質量
    バランス手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の電子部品のボンディング装置。
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