JP2003022633A - ディスク状記録媒体、ディスク装置、サーボ情報書き込み方法、およびサーボ情報書き込み装置 - Google Patents

ディスク状記録媒体、ディスク装置、サーボ情報書き込み方法、およびサーボ情報書き込み装置

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JP2003022633A
JP2003022633A JP2001210428A JP2001210428A JP2003022633A JP 2003022633 A JP2003022633 A JP 2003022633A JP 2001210428 A JP2001210428 A JP 2001210428A JP 2001210428 A JP2001210428 A JP 2001210428A JP 2003022633 A JP2003022633 A JP 2003022633A
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JP
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head
disk
recording medium
shaped recording
signal
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English (en)
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Hiroshi Takaso
高祖  洋
Toshio Inaji
稲治  利夫
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動摩擦状態を常に継続させることにより、ア
クチュエータが静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受けな
い安定な動作で位置決めサーボ制御を可能とするディス
ク装置を、機構的手段を用いず容易に実現する。 【解決手段】 ディスク11の中心とモータ軸34の中
心は一致し、サーボ情報は、ディスク11の中心を中心
とした円周から、この円周上の位置に応じて変化する変
位量だけ、ディスク11の半径方向に変位した位置上に
ある変形トラック36に書き込まれ、ディスク11は、
同心状に多数配置された複数の変形トラックを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
や光ディスク装置など、情報が記録再生または再生され
るディスク状記録媒体、このディスク状記録媒体を用い
たディスク装置、並びに、このディスク状記録媒体にサ
ーボ情報を書き込むサーボ情報書き込み装置、およびサ
ーボ情報書き込み方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディアの進展に伴なっ
て、目標位置に高速にヘッドの位置決めをおこない、大
容量の映像情報、音声情報、文字情報などを高速で記録
再生する高記録密度のディスク装置が、市場から強く要
請されている。特に、磁気ディスク装置においては、移
動体用の端末装置などに使用する要望が増えており、磁
気ディスク装置のさらなる小型化が必要である。このよ
うに、ディスク装置の小型化、高記録密度化に伴なっ
て、高精度にヘッドを位置決めする要求がより厳しくな
っている。
【0003】特に、ディスク装置の小型化に伴なって、
軸受部の摩擦がアクチュエータによる駆動制御に影響
し、ヘッドの位置決めに対してこの影響が無視できなく
なっている。位置決め機構への摩擦の影響は、位置決め
精度の低下を引き起こし、ディスク装置の小型化、高記
録密度化に伴なって、重要な課題となっている。
【0004】ディスク装置のアクチュエータによる位置
決め機構には、直動型と呼ばれるリニアアクチュエータ
と、揺動型と呼ばれるロータリアクチュエータとがある
が、いずれも転がり軸受部で案内されている。このよう
な軸受部は、アクチュエータの駆動によるヘッド支持機
構の移動に対して、この移動に反する力である摩擦力を
常に有している。例えば、アクチュエータは、ヘッド支
持機構を停止させている状態から駆動を開始するとき、
軸受部とヘッド支持機構との間の静止摩擦に基づく摩擦
力を越える駆動力が必要である。また、ヘッド支持機構
の移動が開始された後は、軸受部とヘッド支持機構との
間には、動摩擦に基づく摩擦力が作用する。一般的に、
ヘッド支持機構のような可動部を移動させるためには、
静止摩擦は動摩擦と比較して、より大きな駆動力を必要
とする。このため、このような軸受部を用いた移動操作
をおこなう機構においては、静止摩擦と動摩擦との差異
により、円滑な移動操作が困難となり、位置決めサーボ
制御が正確におこなわれない可能性がある。
【0005】さらに、ディスク装置の小型化に伴ない、
軸受部も小型となり、ヘッド支持機構の移動に対するこ
れら摩擦力の影響はより大きくなる。また、ヘッド支持
機構も小型軽量となるため、例えば、ヘッドと接続され
て電気信号を伝送するフレキシブルプリント回路(以下
FPCと呼ぶ)の反力も、摩擦力と同様にヘッド支持機
構の移動に対して大きく影響してくる。このように、デ
ィスク装置の小型化に伴ない、軸受部の摩擦力や、FP
Cの反力が、ディスク装置の小型化、高記録密度化に対
しての阻害要因となっている。
【0006】このような摩擦による影響を抑制するため
の一方法として、ヘッドを常に微動させる方法が提案さ
れている(例えば、特開平10−172229号公
報)。すなわち、ヘッドを、常にウォブリング(Wob
bling:揺動)させて、常に動摩擦状態にし、静止
摩擦の影響を無くすようにした方法である。
【0007】以下、従来のウォブリングを利用したディ
スク装置について、図面を参照しながら説明する。
【0008】図18は、ディスク装置における回転操作
機構の従来例の構成を示す。図18において、ディスク
状記録媒体としてのディスク11は、ディスクテーブル
93の上に設置され、モータ軸94の回転に伴なってデ
ィスク11も回転する。ディスク11には、ディスク1
1の中心を中心としたトラック96が同心円状に多数形
成されている。ヘッドを搭載したヘッド支持機構は、ア
クチュエータにより駆動され、ヘッドは、ディスク11
の平面上を移動して目標位置に位置決めされる。この目
標位置のトラックに対して、ヘッドは、情報の記録や再
生をおこなう。ディスクテーブル93は、円盤状に形成
され、中央にチャッキング位置決め部95を有してい
る。チャッキング位置決め部95は、ディスク11を設
置するとき、ディスク11の中央穴と嵌合させてディス
ク11の位置決めをおこなう。また、ディスクテーブル
93の一箇所にカウンタウエイト913を有している。
これについては、後で説明する。
【0009】通常、ディスクと、ディスクのトラック、
ディスクテーブル、およびモータ軸は、同心円状にそれ
ぞれ配置される。しかし、本従来例では、図18に示す
ように、ディスク11の中心、すなわちチャッキング中
心CCは、ディスク回転操作の中心軸、すなわちモータ
軸中心CMに対して、偏芯量dだけ偏芯した位置とし
て、ディスク11を位置決めしている。このような構成
で、ディスク11が回転操作されると、ヘッドは、偏芯
量dに応じて、常にディスク11の半径方向に往復的に
移動操作され、ウォブリングされる。すなわち、ヘッド
支持機構と軸受部との間では、常に動摩擦に基づく摩擦
力が作用し、静止摩擦に基づく摩擦力が作用することは
殆どない。このため、ヘッド支持機構に搭載したヘッド
の移動操作を、円滑、かつ、精確におこなうことがで
き、ヘッドの位置決めサーボ制御が正確に実行される。
また、ディスクテーブル93には、カウンタウエイト9
13が取り付けられている。カウンタウエイト913
は、モータ軸中心CMを基準として、チャッキング中心
CCとは逆の方向に位置して、ディスクテーブル93の
下面部に取り付けられている。これにより、総合した重
心位置は、モータ軸中心CM上に位置するため、ディス
ク11が回転したときの偏芯による振動を抑えている。
【0010】以上のような構成により、本従来例は、静
止摩擦によるヘッド位置決め動作への影響を抑制してい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
で示した構成では、静止摩擦の影響を抑制するために、
機構構造的に偏芯させる手段を用いており、機構的に偏
芯して回転することによる、外部への振動の影響が無視
できなくなるというおそれがあった。また、円心状に駆
動する一般的な機構構造のディスク装置に比べて、従来
例では、偏芯した構造のため、特別な製造方法、製造部
品などが必要となる問題も有していた。
【0012】すなわち、従来例では、モータ軸中心CM
とチャッキング中心CCとをずらす手法を用いている。
このため、モータ軸94の回転に対して、駆動されるデ
ィスクテーブル93やディスク11は偏芯状態で回転す
るので、この回転数に同期した振動をディスク装置全体
に生じ易くなる。このような振動は、外部への騒音とな
り、ディスク装置を使用した機器での問題となる。さら
に、ディスク11に対して垂直方向に、振動が生じる可
能性もある。このような垂直方向への振動は、浮上式磁
気ヘッドを用いた磁気ディスク装置において、ディスク
とヘッドとの接触を引き起こす可能性がある。これを解
決するため、従来例では、カウンタウエイト913を付
加して、重心位置をモータ軸中心CM上としている。し
かしながら、このようなバランスをとることで解決する
方法は、カウンタウエイト913の重量や位置などを精
密に調整することが必要であり、製造工程における効率
を悪化させる。さらに、ディスク装置の小型化に伴な
い、このバランス調整の精密さがより必要となる。ま
た、FPCによる反力の影響なども無視できなくなり、
力のバランスの考慮をも必要となる。このように、従来
例で示した方法では、偏芯状態での回転による振動が発
生し易く、ディスク装置の小型化までを考えると、これ
を抑制するには限度があった。
【0013】また、従来例の構造は、一般的に用いられ
ている、モータ軸、ディスクテーブル、ディスクのそれ
ぞれが同心円状に位置した構造とは異なっている。この
ため、従来例の構成によるディスク装置を具現化するに
際して、特別な金型や部品が必要となり、また製造時に
も、前述のような、特別なバランス調整の工程が必要と
なる。このように、特殊部品の必要性や、製造工程の効
率低下の問題もあり、最終的にコスト高となる可能性も
有している。
【0014】本発明の目的は、このような問題を解決す
るためになされたもので、振動、騒音を生じ易い機構構
造的な手段を用いずにヘッドを常に微動させることで、
位置決め機構が静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受け
ず、安定な動作で位置決めサーボ制御を可能とするディ
スク装置、また、そのディスク装置を実現するためのデ
ィスク状記録媒体、サーボ情報書き込み方法、およびサ
ーボ情報書き込み装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のディスク状記録媒体は、情報の記録や再生
をおこなうヘッドを位置決めするためのサーボ情報が記
録されたサーボ領域と、情報の記録再生または再生がお
こなわれるデータ領域とを交互に複数配置されて成るト
ラックが、同心状に、複数トラック形成されたディスク
状記録媒体であって、このトラックは、ディスク状記録
媒体の中心を中心とした円周から、その円周上の各位置
を変数とした関数で表現される変位量だけ、ディスク状
記録媒体の半径方向に変位した位置上に形成された変形
トラックであり、複数の変形トラックが、ディスク状記
録媒体の平面上に、同心状に、順次、形成された構成で
ある。
【0016】この構成によるディスク状記録媒体を、具
備したディスク装置、あるいはディスク装置に用いるこ
とにより、ディスク装置の動作時、ヘッドは、常に変形
トラックの変位に応じて微動しながら変形トラックに追
従する。よって、ヘッド支持機構も、軸受部に対して常
に微動する。その結果、常にヘッド支持機構と軸受部と
は動摩擦の状態となり、軸受部の静止摩擦によるヘッド
位置決め動作への影響を抑制できる。
【0017】また、本発明のディスク状記録媒体は、情
報の記録や再生をおこなうヘッドを位置決めするための
サーボ情報が記録されたサーボ領域と、情報の記録再生
または再生がおこなわれるデータ領域とを交互に複数配
置されて成るトラックが、同心状に、複数トラック形成
されたディスク状記録媒体であって、このトラックは、
ディスク状記録媒体の中心に対して、偏芯した位置を中
心とする円周上に形成された変形トラックであり、複数
の変形トラックが、ディスク状記録媒体の平面上に、同
心状に、順次、形成された構成である。
【0018】この構成によるディスク状記録媒体を、具
備したディスク装置、あるいはディスク装置に用いるこ
とにより、ディスク装置の動作時、ヘッドは、常に変形
トラックの偏芯に応じて微動しながら変形トラックに追
従する。よって、ヘッド支持機構も、軸受部に対して常
に微動する。その結果、常にヘッド支持機構と軸受部と
は動摩擦の状態となり、軸受部の静止摩擦によるヘッド
位置決め動作への影響を抑制できる。
【0019】また、本発明のディスク装置は、以下のよ
うに構成される。情報の記録や再生をおこなうヘッド。
ヘッドを位置決めするためのサーボ情報が記録されたサ
ーボ領域と、情報の記録再生または再生がおこなわれる
データ領域とを交互に複数配置されて成るトラックが、
同心状に、複数トラック形成されたディスク状記録媒
体。ディスク状記録媒体の中心を回転中心として保持
し、ディスク状記録媒体を回転操作する回転操作機構。
ヘッドを搭載し、ヘッドをディスク状記録媒体の半径方
向に移送するヘッド支持機構。ヘッド支持機構を駆動
し、ヘッドの位置決めをおこなうアクチュエータ。ヘッ
ドにより再生されたサーボ情報に含まれる現在位置情報
と、ヘッドを目標位置に位置決めするため指定された目
標位置情報とから、位置誤差を求め、位置誤差に基づい
て、アクチュエータによるヘッドの位置決めを制御する
制御部。以上を具備し、さらに、上述のトラックは、デ
ィスク状記録媒体の中心を中心とした円周から、その円
周上の各位置を変数とした関数で表現される変位量だ
け、ディスク状記録媒体の半径方向に変位した位置上に
形成された変形トラックである。また、ディスク状記録
媒体は、複数の変形トラックが、ディスク状記録媒体の
平面上に、同心状に、順次、形成されたディスク状記録
媒体である。また、上述の関数は、上述の円周上の各位
置を変数とし、ディスク状記録媒体の一周回を一周期と
する基本周期の整数分の一倍を周期とする、正弦関数ま
たは余弦関数である。また、その整数は、変形トラック
の一トラックあたりに複数配置されたサーボ領域の個数
に対して、その個数の半分以下の整数である。
【0020】この構成により、ディスク装置の動作時、
ヘッドは、常に変形トラックの変位に応じて微動しなが
ら変形トラックに追従する。よって、ヘッド支持機構
も、軸受部に対して常に微動する。その結果、常にヘッ
ド支持機構と軸受部とは動摩擦の状態となり、軸受部の
静止摩擦によるヘッド位置決め動作への影響を抑制でき
る。
【0021】また、本発明のディスク装置は、以下のよ
うに構成される。情報の記録や再生をおこなうヘッド。
ヘッドを位置決めするためのサーボ情報が記録されたサ
ーボ領域と、情報の記録再生または再生がおこなわれる
データ領域とを交互に複数配置されて成るトラックが、
同心状に、複数トラック形成されたディスク状記録媒
体。ディスク状記録媒体の中心を回転中心として保持
し、ディスク状記録媒体を回転操作する回転操作機構。
ヘッドを搭載し、ヘッドをディスク状記録媒体の半径方
向に移送するヘッド支持機構。ヘッド支持機構を駆動
し、ヘッドの位置決めをおこなうアクチュエータ。ヘッ
ドにより再生されたサーボ情報に含まれる現在位置情報
と、ヘッドを目標位置に位置決めするため指定された目
標位置情報とから、位置誤差を求め、位置誤差に基づい
て、アクチュエータによるヘッドの位置決めを制御する
制御部。以上を具備し、さらに、上述のトラックは、デ
ィスク状記録媒体の中心に対して、偏芯した位置を中心
とする円周上に形成された変形トラックであり、複数の
変形トラックが、ディスク状記録媒体の平面上に、同心
状に、順次、形成された構成である。
【0022】この構成により、ディスク装置の動作時、
ヘッドは、常に変形トラックの偏芯に応じて微動しなが
ら変形トラックに追従する。よって、ヘッド支持機構
も、軸受部に対して常に微動する。その結果、常にヘッ
ド支持機構と軸受部とは動摩擦の状態となり、軸受部の
静止摩擦によるヘッド位置決め動作への影響を抑制でき
る。
【0023】また、本発明のサーボ情報書き込み装置
は、ディスク状記録媒体に、情報の記録や再生をおこな
うヘッドを位置決めするためのサーボ情報を書き込む、
サーボ情報書き込み装置である。ディスク状記録媒体の
中心を回転中心として保持し、ディスク状記録媒体を回
転操作する回転操作機構。ディスク状記録媒体に、サー
ボ情報の書き込みをおこなうヘッド。ヘッドを搭載し、
ヘッドをディスク状記録媒体の半径方向に移送するヘッ
ド支持機構。ヘッド支持機構を駆動することで、ヘッド
を微小送りし、ヘッドの位置決めをおこなうポジショ
ナ。サーボ情報を書き込むため、ポジショナを駆動制御
して、ヘッドの位置を制御するポジショナ制御部。回転
操作機構により回転するディスク状記録媒体の回転位置
に同期し、かつ回転位置を変数とした関数で表現される
変調信号を発生する変位信号生成手段。 サーボ情報を
ディスク状記録媒体に書き込む制御をおこなう書き込み
制御部。以上を具備し、さらに、ポジショナ制御部は、
各トラックの基準の位置とするトラック基準位置から、
上述の変調信号に応じた変位量だけ、ディスク状記録媒
体の半径方向に変位した位置上に、ヘッドが位置するよ
うポジショナを駆動制御する。 また、書き込み制御部
は、上述の回転位置に同期して、ディスク状記録媒体の
平面上に、複数のサーボ情報を書き込むことで一つの変
形トラックを形成し、その変形トラックに対して同心状
に、順次、サーボ情報をディスク状記録媒体に書き込む
制御をおこなう。
【0024】この構成によってサーボ情報が書き込まれ
た、ディスク状記録媒体を具備したディスク装置、ある
いはこのディスク状記録媒体をディスク装置に用いるこ
とで、ディスク装置の動作時、ヘッドは、常に変形トラ
ックの変位に応じて微動しながら変形トラックに追従す
る。よって、ヘッド支持機構も、軸受部に対して常に微
動する。その結果、常にヘッド支持機構と軸受部とは動
摩擦の状態となり、軸受部の静止摩擦によるヘッド位置
決め動作への影響を抑制できる。
【0025】また、本発明のサーボ情報書き込み方法
は、ディスク状記録媒体に、情報の記録や再生をおこな
うヘッドを位置決めするためのサーボ情報を書き込む、
サーボ情報書き込み方法である。ディスク状記録媒体の
中心を回転中心として回転操作させる手順。サーボ情報
の書き込みをおこなうヘッドを、ディスク状記録媒体の
平面上で、ディスク状記録媒体の半径方向に移送し、ヘ
ッドを各トラック基準位置に固定する手順。回転操作に
より回転するディスク状記録媒体の回転位置に同期し、
かつ回転位置を変数とした関数で表現される変調信号を
生成する手順。ヘッドを、変調信号に応じた変位量だ
け、トラック基準位置から、ディスク状記録媒体の半径
方向に変位させる手順。上述の回転位置に同期して、複
数のサーボ情報をディスク状記録媒体に書き込むことで
一つの変形トラックを形成する手順。
【0026】その変形トラックに対して同心状に、順
次、複数の変形トラックを形成する手順。以上の手順を
備えた構成である。
【0027】この構成によってサーボ情報が書き込まれ
た、ディスク状記録媒体を具備したディスク装置、ある
いはこのディスク状記録媒体をディスク装置に用いるこ
とで、ディスク装置の動作時、ヘッドは、常に変形トラ
ックの変位に応じて微動しながら変形トラックに追従す
る。よって、ヘッド支持機構も、軸受部に対して常に微
動する。その結果、常にヘッド支持機構と軸受部とは動
摩擦の状態となり、軸受部の静止摩擦によるヘッド位置
決め動作への影響を抑制できる。
【0028】また、本発明のディスク装置は、以下のよ
うに構成される。情報の記録や再生をおこなうヘッド。
ヘッドを位置決めするためのサーボ情報が記録されたサ
ーボ領域と、情報の記録再生または再生がおこなわれる
データ領域とを交互に複数配置されて成るトラックが、
同心状に、複数トラック形成されたディスク状の記録媒
体。記録媒体の中心を回転中心として保持し、記録媒体
を回転操作する回転操作機構。ヘッドを搭載し、ヘッド
を記録媒体の半径方向に移送するヘッド支持機構。ヘッ
ド支持機構を駆動し、ヘッドの位置決めをおこなうアク
チュエータ。ヘッドにより再生されたサーボ情報に含ま
れる現在位置情報と、ヘッドを目標位置に位置決めする
ため指定された目標位置情報とから、位置誤差を求め、
位置誤差に基づいて、アクチュエータによるヘッドの位
置決めを制御する制御部。以上を具備し、さらに、上述
のトラックは、記録媒体の中心を中心とする円周上に形
成されたトラックである。また、上述の目標位置情報
は、回転操作機構により回転操作される記録媒体の回転
位置に同期し、かつ目標とするトラックのトラック幅の
中心より、回転位置を変数とした関数で表現される変位
量だけ変位した位置を示す情報とした構成である。
【0029】この構成により、情報の記録や再生時にお
いて、変位量だけトラックの中心からずれた位置に情報
の書き込み、およびその位置からの読み出しをおこな
う。このため、ヘッドは、一つのトラック内で常に微動
して情報の記録や再生をおこなう。よって、ヘッド支持
機構も、軸受部に対して常に微動する。その結果、常に
ヘッド支持機構と軸受部とは動摩擦の状態となり、軸受
部の静止摩擦によるヘッド位置決め動作への影響を抑制
できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるディスク状記
録媒体、ディスク装置、サーボ情報書き込み装置、およ
びサーボ情報書き込み方法の実施の形態について、磁気
ディスク装置を例にとり、図面を参照して説明する。
【0031】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態である磁気ディスク装置(以下ディスク
装置と呼ぶ)の構成を示す図である。
【0032】図1において、ディスク状記録媒体の一つ
である磁気ディスク11(以下ディスクと呼ぶ)に情報
の記録や再生をおこなう磁気ヘッド12(以下ヘッドと
呼ぶ)は、ヘッドスライダ13の先端に一体的に形成さ
れている。ヘッドスライダ13は、ヘッド支持機構14
の先端に搭載され、ヘッド支持機構14は、ディスク装
置本体100に設けた回転軸140を中心としてアクチ
ュエータ50により駆動され、ヘッド12の移動操作を
おこなう。アクチュエータ50は、ボイスコイルモータ
などにより、ヘッド支持機構14をディスク11の半径
方向に回転させることで、先端のヘッド12を動かす。
ヘッドスライダ13、ヘッド支持機構14、およびアク
チュエータ50を併せて位置決め機構部15を構成し、
位置決め機構部15は、目標位置である目標トラックま
で移動するシーク動作や、目標トラックに追従するフォ
ロイング動作などの、ヘッド12の位置決め動作をおこ
なう。ディスク11の平面上に形成された各トラック
は、ヘッド12を位置決めするためのサーボ情報が記録
されたサーボ領域と、情報の記録や再生をおこなうデー
タ領域が交互に複数配置されている。位置決め機構部1
5は、ヘッド12より再生されたサーボ情報に基づい
て、制御部116により位置決め制御される。目標位置
に位置決めされたヘッド12は、回転操作機構17によ
り回転するディスク11の目標トラックに対して、情報
の記録や再生をおこなう。回転操作機構17は、スピン
ドルモータに接続され、スピンドルモータのモータ軸3
4を回転操作の回転中心として回転する。本実施の形態
のディスク装置は、ディスク11の中心もモータ軸34
の回転中心と一致するようにディスク11を固定してお
り、回転操作機構17により、ディスク11を回転駆動
する。
【0033】制御部116は、ヘッド12から読み出し
たサーボ情報を入力し、位置誤差検出手段60でヘッド
の現在位置情報としての現在位置信号を検出する。ヘッ
ド12からの現在位置信号は、所要のヘッド位置決め動
作をさせるため指定された目標位置情報としての目標位
置信号と比較され、ヘッド12の現在位置と目標位置と
の位置誤差を示す、位置誤差信号eを生成する。位置制
御手段61は、位置誤差信号eを入力し、位置誤差信号
eに対して、所定の位相補償をし、さらに所定のゲイン
で増幅して、位置制御信号cを生成する。位置制御信号
cは、アクチュエータ50を制御する制御信号uとし、
制御信号uは、駆動部69で駆動信号daに変換され、
駆動信号daによりアクチュエータ50を駆動する。こ
のように、制御部116は、位置決め機構部15を駆動
し、これにより、ヘッド12を位置決めする位置決めサ
ーボ制御が実行される。
【0034】このような構成において、軸受部としての
回転軸140は、アクチュエータ50の駆動によるヘッ
ド支持機構14の移動に対して、この移動に反する力で
ある摩擦力を常に有している。例えば、ヘッド支持機構
14が停止している状態から移動を開始するとき、アク
チュエータ50は、回転軸140とヘッド支持機構14
との間の静止摩擦に基づく摩擦力を越える駆動力が必要
である。また、ヘッド支持機構14の移動が開始された
後は、回転軸140とヘッド支持機構14との間には、
動摩擦に基づく摩擦力が作用する。一般的に、ヘッド支
持機構14のような可動部を移動させるためには、静止
摩擦は動摩擦と比較して、より大きな駆動力を必要とす
る。このため、回転軸140のような軸受部を用いた移
動操作をおこなう機構においては、静止摩擦と動摩擦と
の差異により、円滑な移動操作が困難となり、位置決め
サーボ制御が正確におこなわれない可能性があった。
【0035】本実施の形態では、このような静止摩擦に
より、移動操作や、位置決めサーボ制御が影響を受け、
位置決め精度が劣化するという問題を解決するため、回
転軸140に対してヘッド支持機構14が常に移動して
いる状態、すなわち常に動摩擦状態にすることで、静止
摩擦の影響を無くしている。また、このような機能を実
現するため、ディスク11の平面上に形成されたトラッ
クは、同心状に多数配置された変形トラックにより構成
されることを特徴としている。
【0036】図1において、変形トラック36は、ディ
スク11に同心状に多数形成された変形トラック中の一
つの変形トラックを代表して示している。変形トラック
36は、ディスク装置の動作時、常にヘッド支持機構1
4が微動している状態とすることを目的として、ディス
ク11の回転中心、すなわちディスク11の中心に対
し、偏芯した位置を中心とした円周上にサーボ情報が書
き込まれたトラックの一つである。他のトラックについ
ても同様に、ディスク11の中心に対し、偏芯した位置
を中心にして、順次、半径方向にある同心円上にサーボ
情報が書き込まれている。図18の従来例で示したよう
に、一般的に、ディスクに形成されたトラックは、ディ
スクの中心を中心として同心円状に配置されている。こ
れに対して、本発明におけるトラックは、変形トラック
36で示すように、従来例のようなトラックの構成とは
異なっている。本発明では、従来例のようなディスクの
中心を中心として同心円状に配置されたトラックとは区
別して、従来例のような構成とは異なった構成のトラッ
クを、変形トラックと呼ぶ。
【0037】図2の(a)は、本実施の形態のディスク
装置における回転操作機構17、およびディスク11の
構成を示す図である。
【0038】図2の(a)において、ディスク11は、
ディスクテーブル33の上に設置され、モータ軸34の
回転に伴なってディスク11も回転する。ディスクテー
ブル33は、円盤状に形成され、中央にチャッキング位
置決め部35を有している。チャッキング位置決め部3
5は、ディスク11を設置するとき、ディスク11の中
央穴と嵌合させてディスク11を正確な位置に設置す
る。
【0039】通常、ディスクと、ディスクテーブル、お
よびモータ軸は、同心円状にそれぞれ配置され、さらに
ディスクに形成されたトラックも、モータ軸を中心とし
た同心円状に配置されている。しかし、本実施の形態で
は、図2の(a)に示すように、変形トラック36の中
心、すなわちトラック中心CTは、ディスク11の回転
操作の中心軸、すなわちモータ軸中心CMに対して、偏
芯量dだけ偏芯した位置としている。このような構成
で、ディスク11が回転操作されると、モータ軸中心C
Mに対してトラック中心CTが偏芯していることより、
ヘッド12は、偏芯した変形トラック36を追従する。
このとき、ヘッド12の動きに注目すると、ヘッド12
は、偏芯量dに応じて、ディスク11の半径方向に往復
的に移動操作され、常にウォブリングされている。ま
た、ヘッド12の動きに合わせて、ヘッド支持機構14
も同様に微動する。すなわち、このような動作が実行さ
れると、ヘッド支持機構14と回転軸140との間で、
常に動摩擦に基づく摩擦力が作用し、静止摩擦に基づく
摩擦力が作用することは殆どない。このため、静止摩擦
によるヘッド位置決め動作への影響を抑制することが可
能となる。よって、本実施の形態では、以上のような構
成により、ヘッド支持機構14に搭載したヘッド12の
移動操作を、円滑、かつ精確におこなうことができ、ヘ
ッド12を位置決めする位置決めサーボ制御は、静止摩
擦の影響を受けることなく正確に実行できる。
【0040】なお、本実施の形態において、ヘッド12
は、トラック中心CTがモータ軸中心CMより偏芯した
変形トラック36であっても追従できなければならな
い。しかし、本実施の形態の位置決めサーボ制御系は、
サーボ制御に基づくトラック追従機能を有している。こ
のため、追従するトラックが、変形トラック36のよう
に偏芯した状態であっても、ヘッド12は、位置決めサ
ーボ制御系の追従性能で、変形トラック36を追従可能
である。
【0041】図2の(b)は、本実施の形態のディスク
装置における回転操作機構17、およびディスク11の
他の構成を示す図である。図2の(a)と同一の構成要
素については、図2の(a)と同一の符号を付してい
る。特に、機構的構成については図2の(a)と同一で
あるが、ディスク11の平面上でのトラックの形状のみ
が異なっている。ここでは、トラックの形状が楕円状と
した変形トラックであり、楕円の2つの焦点の中心位置
が、モータ軸中心CMとしている。図2の(b)におい
て、変形トラック136は、ディスク11に同心状に多
数形成された変形トラック中の1つの変形トラックを示
している。変形トラック136においても、ディスク装
置の動作時、常にヘッド支持機構14が微動している状
態とすることを目的としており、ここでは、楕円状にサ
ーボ情報が書き込まれている。このような楕円形状であ
るため、図2の(a)で示した変形トラック36と同様
に、ヘッド12は、ディスク11の回転に応じて、ディ
スク11の半径方向に往復的に移動操作され、常にウォ
ブリングされることとなる。すなわち、ヘッド支持機構
14と回転軸140との間で、常に動摩擦に基づく摩擦
力が作用し、静止摩擦に基づく摩擦力が作用することは
殆どない。このため、図2の(b)で示した楕円形状の
変形トラック136の形態でも、図2の(a)で示した
変形トラック36の形態と同様の効果がある。
【0042】以上、図2の(a)、および図2の(b)
で例示したように、ディスクの中心を中心として、同心
円状に多数配置された従来のトラックとは異なり、ディ
スク11が、従来のトラックに対して変形した変形トラ
ックを同心状に多数有することで、静止摩擦の影響を抑
制することが可能である。換言すれば、変形トラックに
より、ヘッド12を含めてヘッド支持機構14を意図的
に常に微動させ、回転軸140が常に動摩擦状態となる
ように作用させることで、静止摩擦の影響を抑制でき
る。すなわち、変形トラックの形状が、ヘッド支持機構
14を常に微動させるような形状であればよく、図2の
(a)、および図2の(b)で説明した形状に限定され
ない。
【0043】図3の(a)は、この変形トラックを一般
化して説明するために示した図である。
【0044】ここでは、図2の(a)で示した変形トラ
ック36を例にとり説明する。図3の(a)において、
まず、ディスク11の中心と一致するモータ中心軸CM
を原点とし、半径Rであり、基準軸Xを0度とした基準
として、0度から360度の角度θの極座標で表現でき
る円周39を考える。すなわち、円周39は、ディスク
11の中心を中心とした円周である。図2の(a)で示
した変形トラック36は、この円周39より、偏芯量d
だけ基準軸Xに対し90度方向へ平行移動している。し
かし、別の見方をすれば、変形トラック36は、円周3
9から、角度θに基づく、すなわち円周39上の各位置
に基づく変位量D(θ)だけ、半径R方向に変位した位
置上にあると言える。図3の(b)は、角度θが0度か
ら360度までの、変形トラック36の変位量D(θ)
を示した図である。変形トラック36の場合、図3の
(b)で示されるように、変位量D(θ)は、振幅値が
偏芯量dに等しい正弦曲線に近似した曲線の一周期で表
現される。
【0045】以上のことより、ディスク11の中心を中
心とした円周39の各角度θに対応する円周39上か
ら、振幅値dで、その角度θを変数とした正弦関数の値
に相当する変位量D(θ)だけ、ディスク11の半径R
方向にずらす。これにより、トラック中心CTが、モー
タ軸中心CMに対して偏芯量dだけ偏芯した位置とす
る、変形トラック36を形成することができる。
【0046】また、図2の(b)で示した変形トラック
136の場合は、所定の変位量D(θ)として、振幅値
が偏芯量dに等しい正弦関数の二周期で表現することに
より、楕円状の形状を実現することができる。
【0047】以上、説明したことより、ヘッド支持機構
14を常に微動させるには、変位量D(θ)は、ディス
ク11の中心を中心とした円周39から、円周39上の
各位置、すなわち角度θを変数とした、関数D(θ)で
表現される変位量とし、関数D(θ)は、角度θに応じ
て変化する関数であればよい。また、ヘッド12の急激
な位置変動を防ぐため、ディスク11の一周回で連続と
なる関数が好ましい。なお、さらに詳細には、関数D
(θ)は、角度θに応じて変化する関数であればよいた
め、関数D(θ)が角度θに応じて常に一定となるよう
な定数は含まない。
【0048】このような条件を満たす関数D(θ)とし
て、次のような関数が挙げられる。ディスク11の一周
回を、円周39上の各位置に相当する角度θが0度から
360度の一周期とする基本周期としたとき、その基本
周期の整数分の一倍を周期とし、それぞれの周期に応じ
た正弦関数および余弦関数を、それぞれ荷重和するフー
リエ級数和とした関数。これにより、四角形状など、ト
ラックとしては特異な形状の変形トラックが可能であ
る。
【0049】また、上記基本周期の整数分の一倍を周期
とする、正弦関数または余弦関数。整数を二とすること
で、図2の(b)に示すような、楕円状の変形トラック
が可能である。さらに、整数を増やすことで、整数の数
だけ凹凸曲面をもつ変形トラックが可能である。なお、
整数の値は、一トラックあたりのサーボ領域の数で制限
される。すなわち、サーボ情報が記録されたサーボ領域
は、トラック上で、離散的に配置されるため、標本化の
定理より、上記整数は、一変形トラックあたりのサーボ
領域の個数に対して、その個数の半分以下となる整数で
あることが好ましい。また、上記フーリエ級数和とした
関数の場合も同様に、上記整数は、一変形トラックあた
りのサーボ領域の個数に対して、その個数の半分以下と
なる整数であることが好ましい。
【0050】また、上記基本周期を周期とする、正弦関
数または余弦関数。これにより、図2の(a)に示すよ
うな、ディスク11の中心に対して、偏芯した位置を中
心とする円形の変形トラック36が可能である。
【0051】このように、ディスク11に書き込まれた
サーボ情報が、ディスク11の中心を中心とした円周3
9から、その円周39上の各位置に応じて変化する変位
量D(θ)だけ、ディスク11の半径R方向に変位した
位置上に位置する変形トラック36により、ヘッド12
は、ディスク11の回転で変位量D(θ)に従って位置
の変動を受けながら変形トラック36に追従する。
【0052】すなわち、本実施の形態は、ディスク11
の中心を中心とした円周から、円周上の各位置に相当す
る角度θを変数とした、関数D(θ)で表現される変位
量だけ、ディスク11の半径方向に変位した位置上に形
成された、複数の変形トラックが、ディスク11の平面
上に、同心状に、順次、形成されたディスク状記録媒体
であるディスク11を具備したディスク装置である。こ
れにより、ヘッド支持機構14と回転軸140との間
で、常に動摩擦に基づく摩擦力が作用し、静止摩擦に基
づく摩擦力が作用することは殆どなく、静止摩擦による
ヘッド位置決め動作への影響を抑制できるディスク装置
が実現できる。
【0053】また、ディスク11の中心を中心とした円
周から、円周上の各位置に相当する角度θを変数とし
た、関数D(θ)で表現される変位量だけ、ディスク1
1の半径方向に変位した位置上に形成された、複数の変
形トラックが、ディスク11の平面上に、同心状に、順
次、形成されたディスク11であるディスク状記録媒体
をディスク装置に用いることで、ヘッド支持機構14と
回転軸140との間で、常に動摩擦に基づく摩擦力が作
用し、静止摩擦に基づく摩擦力が作用することは殆どな
く、静止摩擦によるヘッド位置決め動作への影響を抑制
できる。
【0054】また、このような変形トラックは、サーボ
情報を書き込むことで各トラックを形成するサーボ情報
書き込み装置にて、あらかじめ変形トラックとして、変
位量D(θ)だけ変位した位置にサーボ情報を書き込ん
でおくことで実現できる。このように、あらかじめサー
ボ情報書き込み装置にて、変形トラックとする位置上に
サーボ情報が位置するよう、サーボ情報をディスク状記
録媒体に書き込み、このディスク状記録媒体をディスク
装置で用いることにより、容易に本実施の形態のディス
ク装置を実現できる。
【0055】以上、アクチュエータによりヘッド支持機
構を駆動する場合、回転軸に静止摩擦が生じ、この静止
摩擦が大きいと、円滑な移動操作が困難となり、位置決
めサーボ制御が正確におこなわれない可能性があった。
【0056】本実施の形態では、ディスク11に書き込
まれたサーボ情報は、ディスク11の中心を中心とした
円周から、この円周上の各位置を変数とした関数で表現
される変位量だけ、ディスク11の半径方向に変位した
位置上に形成された変形トラックに書き込まれている。
この関数は、ディスク11の一周回を一周期とする基本
周期としたとき、円周上の各位置を変数とし、その基本
周期の整数分の一倍を周期とする、正弦関数および余弦
関数のフーリエ級数和とした関数、その基本周期の整数
分の一倍を周期とする、正弦関数または余弦関数などが
可能である。この一例として、変位量は、上記円周上の
位置を変数とした正弦関数で定まるような変位量とでき
る。さらに、より具体的な例として、ディスク11の中
心であるモータ軸中心CMに対し、偏芯した位置である
トラック中心CTを中心にした同心円上にある変形トラ
ックにサーボ情報が書き込また変形トラックがある。
【0057】本実施の形態では、このように形成された
変形トラックが、ディスク11に同心状に多数配置され
たディスク11であるディスク状記録媒体を利用してい
る。
【0058】このような変形トラックを有したディスク
状記録媒体を具備したディスク装置、あるいは変形トラ
ックを有したディスク状記録媒体をディスク装置に用い
ることにより、ディスク装置の動作時、常にヘッドは微
動しながらトラックに追従する原理を利用して、常にヘ
ッド支持機構と軸受部とを動摩擦の状態にし、軸受部の
静止摩擦によるヘッド位置決め動作への影響を抑制でき
る。
【0059】さらに、本実施の形態では、静止摩擦の影
響を抑制するために、従来例で示したような構造的に偏
芯させる手段を用いたディスク装置でないため、外部へ
の振動の影響は軽微である。また、重心位置のバランス
調整など考慮する必要がないため、ディスク装置の小型
化にも対応できる。また、円心状に駆動する一般的な構
造のディスク装置と同様な構造であるため、従来例のよ
うな特別な製造方法、製造部品などは必要なく、コスト
高となることもない。また、変形トラックの形状は、偏
芯したトラック以外にも容易に実現可能であるため、位
置決めサーボ制御系の応答特性にあわせて、最適な変形
トラックの形状を設定できる。
【0060】(第2の実施の形態)図4は、本発明の第
2の実施の形態である磁気ディスク装置の構成を示す図
である。
【0061】磁気ディスク装置の機構的な構成について
は、第1の実施の形態と同様である。また、第1の実施
の形態と同一の構成要素については、図1と同一の符号
を付している。図4において、制御部216は、変位成
分発生手段62、および加算手段としての加算器621
をさらに有しているところが、第1の実施の形態と異な
っている。変位成分発生手段62は、変形トラック36
の変位量の変化と同期し、かつその変化と同様な波形の
信号である変位補正信号aを発生する。また、変位成分
発生手段62は、ディスク11の回転時、変形トラック
36のトラック上の位置と変位補正信号aとの同期をと
るため、ディスク11の回転位置に同期した同期信号S
yを位置誤差検出手段60より入力している。加算器6
21は、変位補正信号aに位置制御信号cを加算し、ア
クチュエータ50を制御する制御信号uとして出力す
る。制御信号uは、駆動部69で駆動信号daに変換さ
れ、駆動信号daによりアクチュエータ50を駆動す
る。このようにして、制御部216は、位置決め機構部
15を駆動し、これにより、ヘッド12を位置決めする
位置決めサーボ制御が実行される。
【0062】第1の実施の形態では、制御部116の位
置決めサーボ制御に基づく追従機能により、変形トラッ
ク36のような偏芯したトラックであっても、位置決め
サーボ制御系の追従性能で、ヘッド12が変形トラック
36に追従する。言い換えれば、変形トラックの変位量
に応じた変化に追従できるだけの追従性能が、位置決め
サーボ制御系で必要となる。本実施の形態では、変形ト
ラック36の変位に対する位置決めサーボ制御系の追従
性能を、より高速高精度にするため、変位成分発生手段
62を設け、変位補正信号aで、変形トラック36の変
位による追従性能への影響を補正している。すなわち、
変位の変化に同期し、その変化と同様な波形の変位補正
信号aを、変位成分発生手段62で生成し、加算器62
1により位置制御信号cに加算する。これより、位置決
めサーボ制御系において、制御信号uは、変形トラック
36の変位に対応した変位補正信号aに、位置制御信号
cが重畳されたこととなる。制御信号uは駆動信号da
に変換され、駆動信号daがアクチュエータ50を駆動
することで、ヘッド12は、変位補正信号aにより変位
にあわせて微動し、さらに重畳された位置制御信号cに
より変形トラック36を追従する。すなわち、変位によ
る既知の位置誤差に対しては変位補正信号aで補いなが
ら、位置決めサーボ制御がおこなわれる。このようにし
て、変形トラック36の変位による、追従性能の劣化を
防ぐことができ、変位した変形トラックであっても、高
速高精度に位置決めサーボ制御をおこなうことができ
る。
【0063】例えば、図3の(a)で示した変形トラッ
ク36の場合には、図3の(b)で示すように、変形ト
ラック36の変位量D(θ)は、円周39上から、振幅
値dで、角度θに対する正弦曲線の値に相当する変位量
だけ、ディスク11の半径方向にずれている。この場
合、変位補正信号aとしては、ディスク11の回転での
変位量D(θ)の変化、すなわち角度θに相当するディ
スク11の回転位置に同期し、ディスク11の一回転で
一周期となる正弦波信号とすればよい。これにより、正
弦関数で表現される目標位置の変化に対し、制御部21
6は、目標位置の変化に同期した正弦波信号でアクチュ
エータを駆動して、目標位置近辺までヘッドを移動させ
ながら、位置決めサーボ制御をおこなう。すなわち、正
弦関数的に変化する位置誤差に対しては正弦波信号で補
うことで、変形トラック36の偏芯による追従性能への
影響を抑えることが可能となる。
【0064】また、本実施の形態では、ディスク11の
回転位置と変位補正信号aとの同期をとるため、変位成
分発生手段62は、同期信号Syを位置誤差検出手段6
0より入力している。この同期信号Syは、例えば、一
つのトラックをその円周上で分割する各セクタのセクタ
番号を利用することができる。変形トラック36の変位
量は、あらかじめサーボ情報書き込み装置で意図的に決
められるため、変位量とセクタ番号とは、それぞれ対応
している。このため、セクタ番号をサーボ情報から読み
取ることで、セクタ番号は、変形トラック36の回転位
置に対応した位相情報として利用できる。さらに、回転
位置に応じた変位量と変位補正信号aとの同期をとるた
め、この位相情報は、同期信号Syとしても利用でき
る。具体的には、例えばセクタ番号の0番を読み出した
時点を通知する同期信号Sy、とすることなどで実現で
きる。その他、一つのトラックの先頭に配置されたイン
デックス情報の読み出した時点を利用することや、回転
操作機構17を同期回転させるための同期信号が利用で
きる。すなわち、変位成分発生手段62は、回転操作機
構17により回転操作されるディスク11の回転位置に
同期して、変位量と同一な波形の変位補正信号aが発生
できればよい。
【0065】なお、本実施の形態では、変形トラックと
して、ディスク11の中心であるモータ軸中心CMに対
し、偏芯した位置であるトラック中心CTを中心にした
同心円上にある変形トラック36の例を挙げて説明し
た。しかし、これに限定されるものではなく、第1の実
施の形態で説明したように、変形トラックの変位量が、
ディスク11の中心を中心とした円周から、円周上の各
位置、すなわち角度θを変数として、関数D(θ)で表
現される変位量とし、関数D(θ)は、角度θに応じて
変化する関数であればよい。また、変位補正信号aは、
角度θに相当するディスク11の回転位置に同期し、変
位量を表現した関数D(θ)と同一波形の信号とすれば
よい。
【0066】以上、アクチュエータによりヘッド支持機
構を駆動する場合、回転軸に静止摩擦が生じ、この静止
摩擦が大きいと、円滑な移動操作が困難となり、位置決
めサーボ制御が正確におこなわれない可能性があった。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、ディス
ク11に書き込まれたサーボ情報は、ディスク11の中
心を中心とした円周から、この円周上の位置に応じて変
化する変位量だけ、ディスク11の半径方向に変位した
位置上にある変形トラックに書き込まれている。これに
より、変形トラックは、ディスク装置の動作時、常にヘ
ッドを微動させるという原理を利用して、常に軸受部を
動摩擦の状態にし、軸受部の静止摩擦による影響を抑制
している。
【0067】さらに、変位量に対応した変位補正信号a
を加味した駆動信号daでアクチュエータ50を駆動す
るため、ヘッド12は、変位補正信号aにより変位にあ
わせて微動し、さらに重畳された位置制御信号cにより
変形トラック36を追従する。すなわち、変位による既
知の位置誤差に対しては変位補正信号aで補いながら、
位置決めサーボ制御がおこなわれるため、変形トラック
の変位による追従性能の劣化を防ぐことができ、高速高
精度な位置決めサーボ制御が可能である。
【0068】さらに、本実施の形態では、静止摩擦の影
響を抑制するために、従来例で示したような構造的に偏
芯させる手段を用いたディスク装置でないため、外部へ
の振動の影響は軽微である。また、重心位置のバランス
調整など考慮する必要がないため、ディスク装置の小型
化にも対応できる。また、従来一般に使用されているデ
ィスク装置と同様な構造であるため、コスト高となるこ
ともない。また、変形トラックの形状は、偏芯したトラ
ック以外にも容易に実現可能であるため、位置決めサー
ボ制御系の応答特性にあわせて、最適な変形トラックの
形状を設定できる。
【0069】(第3の実施の形態)図5は、本発明の第
3の実施の形態である磁気ディスク装置(以下ディスク
装置と呼ぶ)の構成を示す図である。
【0070】ディスク装置の機構的な構成については、
第1の実施の形態と同様のため、ここでは、ディスク装
置の機構的な説明は省略する。また、第2の実施の形態
と同一の構成要素については、図4と同一の符号を付し
ている。図5において、制御部316は、外乱推定手段
63、外乱補正手段64、および加算手段としての加算
器641をさらに有しているところが、第2の実施の形
態と異なっている。
【0071】ところで、第1の実施の形態、および第2
の実施の形態でのディスク装置では、ディスク11の変
形トラックにより、ヘッド支持機構14を常に微動させ
ることで、回転軸140に生じる静止摩擦の影響を抑制
している。これにより、アクチュエータ50は、静止摩
擦に基づく摩擦力の影響を受けない安定な動作が可能と
なる。しかし、位置決め機構部15には、変形トラック
の変位に基づく高次の機械共振や、位置決め機構部15
自体が持つ高次の機械共振が発生し、これが位置決めサ
ーボ制御を不安定にさせる可能性がある(例えば、特開
2000−311454号公報)。また、ディスク装置
の小型化に伴ない、ヘッドと接続されて電気信号を伝送
するフレキシブルプリント回路(以下FPCと呼ぶ)の
反力自体の影響や、その反力と変形トラックの変位との
共振などもヘッド位置決め動作に影響しやすくなる。
【0072】本実施の形態では、制御部316におい
て、外乱推定手段63、外乱補正手段64、および加算
器641を設けることにより、位置決め機構部15に生
じる高次の機械共振や、FPCの反力などの影響をも抑
制し、より高精度な位置決め精度を補償している。すな
わち、位置決め機構部15による高次の機械共振など
を、一種の外乱と考え、これら外乱の周波数成分を特定
して、特定した周波数成分を持った意図しない変動を抑
圧することで位置決め精度をさらに補償している。外乱
推定手段63は、アクチュエータ50を駆動する駆動部
69へ入力される制御信号uと、位置誤差検出手段60
からの位置誤差信号eとを入力する。さらに、外乱推定
手段63は、制御信号uと位置誤差信号eより、推定し
た外乱の大きさを示す外乱推定信号fを形成して、外乱
補正手段64に出力する。外乱補正手段64は、外乱推
定信号fの特定周波数の信号を抽出し、外乱補正信号b
を出力する。加算器641は、外乱を推定して生成され
た外乱と逆位相の外乱補正信号bを、位置制御信号cに
加算することにより、外乱の影響を抑制している。
【0073】図6は、図5に示す本実施の形態のディス
ク装置を制御する位置決めサーボ制御系の構成を示すブ
ロック図である。
【0074】ここでは、本実施の形態の位置決めサーボ
制御系を解り易く説明するため、より具体的な構成で示
している。また、ディスク装置の機構構造的な説明は省
略し、本位置決めサーボ制御系をモデル化したブロック
図で説明する。また、図6において、図5と同一の構成
要素については同一の符号を付している。
【0075】位置誤差検出手段60は、減算器601を
有しており、指定された目標トラックの目標位置信号r
から、ヘッド12で読み取ったサーボ情報に含まれる現
在位置信号yを減算して、位置誤差信号eを導出する。
さらに、位置誤差検出手段60は、サーボ情報よりセク
タ番号を読み取り、ディスク11の回転位置に同期した
同期信号Syを変位成分発生手段62に出力する。位置
制御手段61は、位置誤差信号eを、位相補償器611
により位相補償し、増幅器612により所定のゲインで
増幅して、位置制御信号cを加算器641に出力する。
【0076】外乱推定手段63には、位置誤差信号eと
アクチュエータ50を制御する制御信号uとが入力され
る。外乱推定手段63は、アクチュエータモデル63
1、位置推定器632、および比較器633を有してい
る。アクチュエータモデル631は、アクチュエータ5
0によるヘッド12の移動に関する伝達関数を、電気回
路による同一の伝達関数でモデル化している。すなわ
ち、アクチュエータモデル631は、位置制御信号uを
入力し、駆動部69も含めたアクチュエータ50を模擬
動作して、アクチュエータ50によるヘッド12の加速
度を推定した加速度推定信号を出力する。位置推定器6
32は、従属接続の積分回路を二個有しており、加速度
推定信号を二度積分することで、アクチュエータ50に
よるヘッド12の位置を推定し、位置推定信号xを出力
する。位置推定信号xは、比較器633で位置誤差信号
eと比較され、推定した位置と実際の位置との差を外乱
推定信号fとして出力する。また、外乱推定信号fは、
アクチュエータモデル631がアクチュエータ50をど
の程度模擬しているかを示す信号でもある。このため、
外乱推定信号fは、位置推定器632に出力され、所定
のゲインを乗じてフィードバックされて、位置推定信号
xと現実の位置との差がなくなるようにモデル修正され
る。さらに、外乱推定信号fは、外乱補正手段64へも
出力される。
【0077】外乱補正手段64は、フィルタ642を有
しており、フィルタ642は、外乱推定信号fの特定周
波数の信号を抽出する。フィルタ642の周波数特性
は、抑制しようとする外乱の周波数成分を抽出できる周
波数に、あらかじめ設定されている。これにより、外乱
とみなされた信号は所定のゲインを乗じて、外乱と逆位
相の外乱補正信号bとして出力される。なお、外乱補正
手段64において、フィルタを複数設け、複数の外乱と
みなす周波数を特定し、複数フィルタの出力を加算して
外乱補正信号bとしてもよい。これにより、複数の外乱
による影響を抑制できる。
【0078】加算器641は、外乱を推定して生成され
た外乱補正信号bと、位置制御信号cとを加算する。加
算器350は、外乱が加わった状態を示すためのモデル
であり、仮想の加算器350に外乱信号ybが入力され
たモデルで、外乱が加わった状態を示している。すなわ
ち、外乱信号ybは、外乱によりヘッド12の位置ずれ
が生じた状態をモデル化している。このように、外乱信
号ybで示すような外乱を外部より受けたとき、本位置
決めサーボ制御系は、この外乱信号ybに対して、外乱
推定手段63、および外乱補正手段64で導出された外
乱補正信号bで打ち消すように、アクチュエータ50が
駆動されて、外乱の影響を抑圧するように動作する。
【0079】変位成分発生手段62は、第2の実施の形
態と同様に、同期信号Syにより変形トラック36の変
位量の変化と同期し、かつその変化と同様な波形の信号
である変位補正信号aを発生する。加算器621は、加
算器641の出力と、変位補正信号aとを加算し、アク
チュエータ50を制御する制御信号uとして出力する。
制御信号uは、駆動部69で駆動信号daに変換され、
駆動信号daによりアクチュエータ50を駆動する。こ
のようにして、制御部316は、変形トラック36の変
位量の変化、および外乱の影響を加味した駆動信号da
により、位置決め機構部15を駆動し、これにより、ヘ
ッド12を位置決めする位置決めサーボ制御が実行され
る。
【0080】以上、本実施の形態では、第1の実施の形
態、あるいは第2の実施の形態と同様に、ディスク11
に書き込まれたサーボ情報は、ディスク11の中心を中
心とした円周から、この円周上の位置に応じて変化する
変位量だけ、ディスク11の半径方向に変位した位置上
にある変形トラックに書き込まれている。これにより、
変形トラックは、ディスク装置の動作時、常にヘッドを
移動させるという原理を利用して、軸受部の静止摩擦の
影響を抑制している。
【0081】さらに、第2の実施の形態と同様に、変位
量に対応した変位補正信号aを加味した駆動信号daで
アクチュエータ50を駆動するため、変位による既知の
位置誤差に対しては変位補正信号aで補うこととなり、
変形トラックの変位による追従性能の劣化を防ぐことが
でき、高速高精度な位置決めサーボ制御が可能である。
【0082】さらに、外部より外乱を受けた場合、外乱
による目標トラックに対する位置ずれは、外乱推定手段
63、および外乱補正手段64で導出された外乱補正信
号bで、打ち消すことができ、外乱の影響をも抑制する
ことが可能である。
【0083】さらに、本実施の形態では、静止摩擦の影
響を抑制するために、従来例で示したような機構構造的
に偏芯させる手段を用いたディスク装置でないため、外
部への振動の影響は軽微である。また、重心位置のバラ
ンス調整など考慮する必要がないため、ディスク装置の
小型化にも対応できる。また、円心状に駆動する一般的
な機構構造のディスク装置と同様な機構構造であるた
め、従来例のような特別な製造方法、製造部品などは必
要なく、コスト高となることもない。また、変形トラッ
クの形状は、偏芯したトラック以外にも容易に実現可能
であるため、位置決めサーボ制御系の応答特性にあわせ
て、最適な変形トラックの形状を設定できる。
【0084】(第4の実施の形態)図7は、本発明の第
4の実施の形態であるディスク装置の構成を示す図であ
る。
【0085】ディスク装置の機構的な構成については、
第1の実施の形態と同様のため、ここでは、ディスク装
置の機構的な説明は省略する。また、第1の実施の形態
と同一の構成要素については、図1と同一の符号を付し
ている。本実施の形態では、制御部がマイクロプロセッ
サによりおこなわれるところが、第1の実施の形態、第
2の実施の形態、あるいは第3の実施の形態と異なって
いる。
【0086】図7において、本実施の形態でのアクチュ
エータ50は、制御部416のマイクロプロセッサ46
1によるデジタル演算処理によってサーボ制御される。
すなわち、ヘッド12から読み出したサーボ情報からの
現在位置情報としての現在位置データは、位置検出手段
460で検出され、共通バス464を介して入力され
る。また、所要のヘッド位置決め動作をさせるため指示
された目標位置情報としての目標位置データなども、共
通バス464を介して入力される。これらのデータに基
づいて、マイクロプロセッサ461は、アクチュエータ
50を制御するための制御データuを所定の演算により
求める。この制御データuは、共通バス464を介して
DA変換器65に出力され、デジタルデータをアナログ
信号に変換するDA変換器65でアナログ信号に変換さ
れる。DA変換器65からの信号は駆動部69に出力さ
れ、駆動部69からの駆動信号daに応じてアクチュエ
ータ50は駆動されて、ヘッド12を位置決めする。こ
のようにして、制御部416は、位置決め機構部15を
駆動し、これにより、ヘッド12を位置決めする位置決
めサーボ制御が実行される。また、位置決めサーボ制御
をおこなうための制御プログラム463は、ヘッド位置
決め制御プログラムとして、機械読み取り可能な記録媒
体としてのメモリ462に格納されている。マイクロプ
ロセッサ461は、この制御プログラム463を順次読
み取って位置決めサーボ制御を実行する。
【0087】図8は、ヘッド位置決め制御プログラム
を、位置決めサーボ制御として機能させるため、制御プ
ログラム463の手順を各ステップで示したフローチャ
ートの一例である。図8で示す各ステップを実行するこ
とにより、図1で示した第1の実施の形態と同様の機能
を有するディスク装置を実現することができる。ステッ
プ400で、制御プログラム463が呼び出される。
【0088】まず、ステップ401において、サーボ情
報より現在位置を示す現在位置データが読み込まれる。
【0089】ステップ402では、現在位置データが目
標位置データより減算処理され、減算処理の演算結果
が、位置誤差を示す位置誤差データとして一時記憶され
る。ステップ401およびステップ402において、位
置誤差を検出する位置誤差検出手段の機能を実行する。
【0090】ステップ403では、位置誤差データを読
み出し、位置誤差データを基に所定の位相および周波数
特性と、所定の増幅率であるゲインとで、位相補償の演
算処理をおこない、演算結果が、制御データuとして一
時記憶される。
【0091】ステップ410では、制御データuをDA
変換器65に出力する。DA変換器65からは、制御デ
ータuに基づいた信号として駆動信号daが、駆動部6
9を介して、アクチュエータ50に出力される。以上、
ステップ403およびステップ410では、アクチュエ
ータ50を制御するため、位置制御手段としての機能を
実行する。
【0092】図9は、ヘッド位置決め制御プログラム
を、位置決めサーボ制御として機能させるため、制御プ
ログラム463の手順を各ステップで示したフローチャ
ートの他の例である。図9で示す各ステップを実行する
ことにより、図4で示した第2の実施の形態と同様の機
能を有するディスク装置を実現することができる。ステ
ップ400で、制御プログラム463が呼び出される。
【0093】まず、ステップ401において、サーボ情
報より現在位置を示す現在位置データが読み込まれる。
【0094】ステップ402では、現在位置データが目
標位置データより減算処理され、減算処理の演算結果
が、位置誤差を示す位置誤差データとして一時記憶され
る。ステップ401およびステップ402において、位
置誤差を検出する位置誤差検出手段の機能を実行する。
【0095】ステップ413では、位置誤差データを読
み出し、位置誤差データを基に所定の位相および周波数
特性と、所定の増幅率であるゲインとで、位相補償の演
算処理をおこない、演算結果が、位置制御データとして
一時記憶される。また、ステップ413では、位置制御
手段としての機能を実行する。
【0096】ステップ404では、サーボ情報よりセク
タ番号を示すセクタデータが読み込まれ、セクタ番号に
対応した変位補正データを導出するための位相を求め
る。
【0097】ステップ405では、導出した位相より変
位補正データを求める。ここで、変位補正データは、演
算により求めてもよいが、位相と変位補正データをあら
かじめ対応づけた変換テーブルに格納しておき、この変
換テーブルを利用してもよい。ステップ404およびス
テップ405では、変位補正データを導出する変位成分
発生手段としての機能を実行する。
【0098】ステップ407では、一時記憶した位置制
御データに、変位補正データを加算し制御データuとし
て一時記憶される。
【0099】ステップ410では、制御データuをDA
変換器65に出力する。DA変換器65からは、制御デ
ータuに基づいた信号として駆動信号daが、駆動部6
9を介して、アクチュエータ50に出力される。これよ
り、位置決めサーボ制御系の制御データuは,位置制御
データに、変形トラック36の変位に応じた補正データ
としての変位補正データaが加算されたこととなり、変
位にあわせてアクチュエータ50を駆動することとな
る。
【0100】さらに、図10は、ヘッド位置決め制御プ
ログラムを、位置決めサーボ制御として機能させるた
め、制御プログラム463の手順を各ステップで示した
フローチャートの他の例である。図10で示す各ステッ
プを実行することにより、図5で示した第3の実施の形
態と同様の機能を有するディスク装置を実現することが
できる。ステップ400で、制御プログラム463が呼
び出される。
【0101】まず、ステップ401において、サーボ情
報より現在位置を示す現在位置データが読み込まれる。
【0102】ステップ402では、現在位置データが目
標位置データより減算処理され、減算処理の演算結果
が、位置誤差を示す位置誤差データとして一時記憶され
る。ステップ401およびステップ402において、位
置誤差を検出する位置誤差検出手段の機能を実行する。
【0103】ステップ413では、位置誤差データを読
み出し、位置誤差データを基に所定の位相および周波数
特性と、所定の増幅率であるゲインとで、位相補償の演
算処理をおこない、演算結果が、位置制御データとして
一時記憶される。また、ステップ413では、位置制御
手段としての機能を実行する。
【0104】ステップ404では、サーボ情報よりセク
タ番号を示すセクタデータが読み込まれ、セクタ番号に
対応した変位補正データを導出するための位相を求め
る。
【0105】ステップ405では、導出した位相より変
位補正データを求める。ここで、変位補正データは、演
算により求めてもよいが、位相と変位補正データをあら
かじめ対応づけた変換テーブルに格納しておき、この変
換テーブルを利用してもよい。ステップ404およびス
テップ405では、変位補正データを導出する変位成分
発生手段としての機能を実行する。
【0106】ステップ416では、一時記憶した位置制
御データに、外乱補正データを加算する。
【0107】ステップ417では、さらに変位補正デー
タを加算し、ステップ416およびステップ417で加
算された結果が、制御データuとして一時記憶される。
また、ステップ416において、外乱補正データは、前
回のステップ400からの処理により、予測データとし
て更新されたデータが記憶されており、このデータを用
いている。
【0108】ステップ408では、位置誤差データと制
御データuより、演算処理により外乱推定データを求め
る。ステップ408は、外乱推定手段としての機能を実
行する。
【0109】ステップ409では、外乱推定データに基
づいて、フィルタ演算により外乱補正データを求め、外
乱補正データとして記憶する。ステップ409は、外乱
補正手段としての機能を実行する。このとき記憶した外
乱補正データは、次回のステップ400からの実行時
に、予測した外乱補正データとして用いられる。
【0110】ステップ410では、制御データuをDA
変換器65に出力する。DA変換器65からは、制御デ
ータuに基づいた信号として駆動信号daが、駆動部6
9を介して、アクチュエータ50に出力される。これよ
り、位置決めサーボ制御系の制御データuは,位置制御
データに、変形トラック36の変位に応じた補正データ
としての変位補正データが加算されたこととなり、変位
にあわせてアクチュエータ50を駆動することとなる。
さらに、外部より外乱を受けた場合、目標トラックに対
する位置ずれは、外乱補正データで、打ち消すよう構成
されている。
【0111】図8、図9、または図10のフローチャー
トにて、ステップ419で、メインのプログラムに戻
る。メインのプログラムはディスク装置全体を制御して
いるプログラムである。位置決めサーボ制御に関して
は、シーク制御やフォロイング制御などをメインのプロ
グラムで監視している。メインのプログラムで 図8、
図9、または図10のステップ400を再度呼び出し、
同じ処理を繰り返すことで、適宜ヘッドの位置決めサー
ボ制御をおこなう。
【0112】以上、本実施の形態では、第1の実施の形
態、第2の実施の形態、あるいは第3の実施の形態と同
様に、ディスク11に書き込まれたサーボ情報は、ディ
スク11の中心を中心とした円周から、この円周上の位
置に応じて変化する変位量だけ、ディスク11の半径方
向に変位した位置上にある変形トラックに書き込まれて
いる。これにより、ディスク装置の動作時、常にヘッド
をウォブリングさせ、軸受部の静止摩擦の影響を抑制し
ている。さらに、変位量に対応した変位補正データaを
加味した制御データuに基づく駆動信号daでアクチュ
エータ50を駆動するため、変位による既知の位置誤差
に対しては変位補正データaで補うこととなり、変形ト
ラックの変位による追従性能の劣化を防ぐことができ、
高速高精度な位置決めサーボ制御が可能である。さら
に、外部より外乱を受けた場合、外乱による目標トラッ
クに対する位置ずれは、外乱推定手段、および外乱補正
手段での外乱補正データで、打ち消すことができ、外乱
の影響をも抑制することが可能である。
【0113】このように、本実施の形態では、位置決め
サーボ制御系を、マイクロプロセッサ461でデジタル
処理しているため、第1の実施の形態から第3の実施の
形態までと比べて制御部の構成は異なるが、動作として
は同一の動作をおこない、同一の効果が得られる。
【0114】なお、ヘッド位置決め制御プログラムとし
ての制御プログラム463は、機械読み取り可能な記録
媒体としてのメモリ462に格納されているとして説明
した。詳細には、制御プログラム463は、あらかじめ
読み取り専用のROMに記録しておいてもよく、また半
導体メモリ以外の記憶媒体にあらかじめ記録しておき、
本ディスク装置を使用するとき、書き込み読み出し可能
なRAMに書き込んで使用してもよい。また、マイクロ
プロセッサとメモリが一体となっており、このメモリに
制御プログラム463が格納してあってもよい。また、
制御プログラム463を記録した記憶媒体は、制御プロ
グラム463以外のプログラムが他の領域に記録されて
いてもよい。このような変更をおこなっても、本発明の
効果には影響しない。
【0115】また、本実施の形態では、第1の実施の形
態、第2の実施の形態、あるいは第3の実施の形態での
制御部が、マイクロプロセッサによるデジタル処理でお
こなわれる形態で説明した。しかし、制御部を、デジタ
ルフィルタ、デジタル加算器、乗算器などで実現できる
デジタル回路と、アナログ信号からデジタルデータに変
換するAD変換器、およびデジタルデータからアナログ
信号に変換するDA変換器とを用いて実現することも可
能であり、このようなデジタル処理によっても、第1の
実施の形態、第2の実施の形態、あるいは第3の実施の
形態とそれぞれ同一の効果を得ることができる。
【0116】また、第1の実施の形態から本第4の実施
の形態までで説明したディスク装置は、情報の記録再生
をおこなうディスク装置として説明したが、情報の再生
のみをおこなうディスク装置であってもよい。また、情
報の記録や再生をおこなうヘッドは、一つのヘッドで情
報を記録と再生するヘッドであっても、あるいは記録用
と再生用の個別のヘッドで情報を記録と再生するそれぞ
れのヘッドであってもよい。
【0117】(第5の実施の形態)図11は、本発明の
第5の実施の形態であるサーボ情報書き込み装置の構成
を示す図である。
【0118】第1の実施の形態と同一の構成要素につい
ては、図1と同一の符号を付している。本実施の形態
は、磁気ディスク装置に対してのサーボ情報書き込み装
置であり、磁気ヘッドを目的のトラックに位置決めする
ため使用されるサーボ情報を、所定の位置に書き込むこ
とでトラックを形成する装置である。磁気ディスク装置
は、このサーボ情報に基づいて、目標のトラックへ磁気
ヘッドを位置決めし、データの記録再生をおこなう。近
年の磁気ディスク装置は、記録密度の高密度化に伴な
い、データ面の一部にサーボ情報を書き込む方式が主流
であり、このサーボ情報は、磁気ディスク装置自体の磁
気ヘッド(以下ヘッドと呼ぶ)を用いて、磁気ディスク
(以下ディスクと呼ぶ)に書き込まれる。本実施の形態
も、この方式を用いており、図11に示すように、図1
と同一の符号を付した構成要素は、磁気ディスク装置
(以下ディスク装置と呼ぶ)と共通する構成要素であ
る。
【0119】図11において、ポジショナ20は、ヘッ
ド支持機構14を駆動して、ヘッド12を微小送りす
る。クロックヘッド29は、サーボ情報Sdを書き込む
タイミングを決める基準クロック信号Ckの書き込み、
およびサーボ情報Sd書き込み時の基準クロック信号C
kの再生に使用される。本実施の形態のサーボ情報書き
込み装置によるサーボ情報Sdの書き込みは、書き込み
制御部25から各部への指令によりおこなわれる。ま
ず、書き込み制御部25から、ディスク11の回転操作
を駆動するモータ駆動部23への指令によって、モータ
駆動部23は、スピンドルモータ170を回転させる。
これにより、ディスク11を保持した回転操作機構17
は、ディスク11の中心を回転中心としてディスク11
を回転操作する。次に、書き込み制御部25からのアク
チュエータ制御信号Vaにより、書き込み制御部25
は、アクチュエータ50を駆動し、ヘッド支持機構14
をポジショナ20のピン26に接触させて固定する。こ
のとき、ディスク装置の制御をおこなう制御部16は機
能しておらず、書き込み制御部25により、サーボ情報
書き込みの機能が制御される。次に、書き込み制御部2
5は、サーボ情報の書き込みをおこなうトラックのトラ
ック基準位置を指示するトラック基準信号Vsを、ポジ
ショナ制御部22に出力する。次に、ポジショナ制御部
22は、入力したトラック基準信号Vsを位置決め信号
Vcとしてポジショナ20に出力し、ポジショナ20を
微小送りする。これにより、サーボ情報の書き込みをお
こなうトラックのトラック基準位置に、ヘッド12を微
小位置決めする。微小送りは、トラックピッチの、2分
の1、あるいは3分の1である。ヘッド12を位置決め
した後、サーボ情報書き込み部24により、クロックヘ
ッド29が再生する基準クロック信号Ckと同期をとり
ながら、一つのトラックに対して複数のサーボ情報Sd
を書き込む。書き込み制御部25は、一つのトラック分
の書き込み終了後、ポジショナ20によって、ヘッド1
2を次のトラック基準位置に位置決めし、同様に基準ク
ロック信号Ckと同期をとりながら、一つのトラック分
のサーボ情報Sdを書き込む。この作業を最内周から最
外周方向へ、あるいは逆方向へとおこない、ディスク全
面にサーボ情報Sdを書き込んでいく。
【0120】以上説明した動作については、通常のサー
ボ情報書き込み装置と同様の動作である。本実施の形態
においては、さらに、変位信号生成部21を有してお
り、これにより、サーボ情報Sdを書き込むトラックの
位置が、ディスク11の中心を中心とする円周から、こ
の円周上の位置に応じて変化する変位量だけ、ディスク
11の半径方向に変位した位置上に、サーボ情報が書き
込まれ、これによって、変形トラックが形成されること
を特徴としている。
【0121】すなわち、本実施の形態では、次に述べる
手順で示すようなサーボ情報書き込み方法を実行するこ
とで、ディスク11の平面上に変形トラックを形成して
いる。さらに、書き込み制御部25が、次に述べるサー
ボ情報書き込み方法の実行を制御することで、本実施の
形態のサーボ情報書き込み装置が実現される。
【0122】まず、スピンドルモータ170を回転させ
ることで、ディスク11を保持した回転操作機構17
は、ディスク11の中心を回転中心としてディスク11
を回転操作する。
【0123】次に、トラック基準信号Vsを位置決め信
号Vcとしてポジショナ制御部22からポジショナ20
に出力し、ポジショナ20を微小送りする。これによ
り、ヘッド支持機構14を、ディスク11の平面上で、
ディスク11の半径方向へ移送する。さらに、ヘッド1
2を、サーボ情報の書き込みをおこなうトラックのトラ
ック基準位置に微小位置決めして、その位置に固定す
る。
【0124】次に、変形トラック上にヘッド12を位置
させるための変調信号Vmを、変位信号生成部21が生
成する。変調信号Vmは、ディスク11の回転位置と同
期し、回転位置を変数とした所定の関数で表現される信
号である。回転位置との同期は、書き込み制御部25
が、基準となるタイミングを発生し、そのタイミングに
同期させてスピンドルモータ170を同期回転させ、同
じくそのタイミングに同期した同期信号Syを変位信号
生成部21に出力することで、回転位置との同期をとっ
ている。また、クロックヘッド29により、基準クロッ
ク信号の中に、ディスク11の一周回の基準位置を示す
信号をあらかじめ書き込み、これを回転位置の基準と
し、この信号を読み取って同期信号Syとしてもよい。
【0125】次に、ポジショナ20を微小に変位させる
ため、変調信号Vmを、変位信号生成部21よりポジシ
ョナ制御部22に送る。このとき、ポジショナ制御部2
2では、トラック基準信号Vsに変調信号Vmが加算さ
れ、加算された信号を位置決め信号Vcとしてポジショ
ナ20に出力する。このようにして、トラック基準位置
を決めるトラック基準信号Vsに、変調信号Vmを重畳
させて位置決めすることで、ヘッド12は、変調信号V
mに応じた変位量だけ、トラック基準位置から、ディス
ク11の半径方向に変位した位置に、位置する。すなわ
ち、ディスク11の一周回でみると、トラック基準位置
としたディスク11の中心を中心とする円周から、この
円周上の位置に応じて変化する変位量だけ、ディスク1
1の半径方向に変位した位置上に、ヘッド12が位置す
ることとなる。
【0126】次に、このような状態で、ディスク11の
回転位置と同期、すなわち変調信号Vmとも同期して、
サーボ情報書き込み部24は、サーボ情報Sdの書き込
みをおこなう。これにより、ディスク11に、所望のサ
ーボ情報が書き込まれた一つの変形トラックを形成す
る。
【0127】以上の手順を、最内周から最外周方向へ、
あるいは逆方向へとおこない、ディスク11の平面上
に、同心状にサーボ情報Sdを書き込む。
【0128】このようなサーボ情報書き込み方法によ
り、ディスク11の中心を中心とした円周から、円周上
の各位置に相当する、回転位置を変数とした関数で表現
される変位量だけ、ディスク11の半径方向に変位した
位置上にサーボ情報が書き込まれた、複数の変形トラッ
クが、ディスク11の平面上に、同心状に、順次、形成
されたディスク11であるディスク状記録媒体、あるい
はこのディスク11であるディスク状記録媒体を具備し
たディスク装置が実現できる。
【0129】また、本実施の形態のサーボ情報書き込み
装置は、サーボ情報をディスク11に書き込む制御をお
こなう書き込み制御部25を具備している。この書き込
み制御部25からの指令により、上記サーボ情報書き込
み方法の実行を制御することで、ディスク11の中心を
中心とした円周から、円周上の各位置に相当する、回転
位置を変数とした関数で表現される変位量だけ、ディス
ク11の半径方向に変位した位置上にサーボ情報が書き
込まれた、複数の変形トラックが、ディスク11の平面
上に、同心状に、順次、形成されたディスク11である
ディスク状記録媒体、あるいはこのディスク11である
ディスク状記録媒体を具備したディスク装置が実現でき
る。
【0130】これにより、本実施の形態で説明した、サ
ーボ情報書き込み方法、またはサーボ情報書き込み装置
によって変形トラック上にサーボ情報が書き込まれたデ
ィスク11を、ディスク装置で使用する場合、ディスク
装置において、ヘッド支持機構と回転軸との間で、常に
動摩擦に基づく摩擦力が作用し、静止摩擦に基づく摩擦
力が作用することは殆どなく、静止摩擦によるヘッド位
置決め動作への影響を抑制することが可能な、ディスク
11であるディスク状記録媒体が実現できる。
【0131】さらに、本実施の形態で説明した、サーボ
情報書き込み方法、またはサーボ情報書き込み装置によ
って変形トラック上にサーボ情報が書き込まれたディス
ク11を、具備したディスク装置を使用する場合、ヘッ
ド支持機構と回転軸との間で、常に動摩擦に基づく摩擦
力が作用し、静止摩擦に基づく摩擦力が作用することは
殆どなく、静止摩擦によるヘッド位置決め動作への影響
を抑制することが可能な、ディスク装置が実現できる。
【0132】また、ディスク装置においてヘッド支持機
構を常に微動させるには、上記変調信号Vmを表現する
関数は、トラック基準位置から、回転位置を変数とし
て、回転位置に応じて変化する関数であればよい。ま
た、ディスク装置においてヘッドの急激な位置変動を防
ぐため、ディスク11の一周回で連続となる変形トラッ
クが好ましい。このような条件を満たす関数として、次
のような関数が挙げられる。ディスク11の一周回を、
回転位置に相当する角度θが、0度から360度の一周
期とする基本周期としたとき、その基本周期の整数分の
一倍を周期とし、それぞれの周期に応じた正弦関数およ
び余弦関数を、それぞれ荷重和するフーリエ級数和とし
た関数。これにより、四角形状など、トラックとしては
特異な形状の変形トラックが可能である。また、その基
本周期の整数分の一倍を周期とする、正弦関数または余
弦関数。整数を二とすることで、楕円状の変形トラック
が可能である。さらに、整数を増やすことで、整数の数
だけ凹凸曲面をもつ変形トラックが可能である。なお、
整数の値は、変形トラック上の一トラックあたりのサー
ボ領域の数で制限される。すなわち、サーボ情報が記録
されたサーボ領域は、変形トラック上で、離散的に配置
されるため、標本化の定理より、整数は、一変形トラッ
クあたりのサーボ領域の個数に対して、その個数の半分
以下となる整数であることが好ましい。また、上記フー
リエ級数和とした関数の場合も同様に、整数は、一変形
トラックあたりのサーボ領域の個数に対して、その個数
の半分以下となる整数であることが好ましい。また、上
記基本周期を周期とする、正弦関数または余弦関数。こ
れにより、ディスク11の中心に対して、偏芯した位置
を中心とする円形の変形トラックが可能である。以上の
ような関数で表現される変調信号Vmで、ヘッド12の
位置を微動させてサーボ情報を書き込むことにより、デ
ィスク装置において静止摩擦によるヘッド位置決め動作
への影響を抑制できる変形トラックを、ディスク11上
に形成することができる。
【0133】以上、本実施の形態でのサーボ情報書き込
み装置は、サーボ情報を、ディスク11の中心を中心と
した円周から、この円周上の各位置を変数とした関数で
表現される変位量だけ、ディスク11の半径方向に変位
した位置上、すなわち変形トラックとする位置上に書き
込む。この関数は、ディスク11の一周回を一周期とす
る基本周期としたとき、円周上の各位置を変数とし、そ
の基本周期の整数分の一倍を周期とする、正弦関数およ
び余弦関数のフーリエ級数和とした関数、その基本周期
の整数分の一倍を周期とする、正弦関数または余弦関
数、などが可能である。この一例として、変位量は、上
記円周上の位置を変数とした正弦関数で定まるような変
位量とできる。さらに、より具体的な例として、ディス
ク11の中心であるモータ軸中心に対し、偏芯した位置
であるトラック中心を中心にした同心円上にサーボ情報
を書き込む。
【0134】これにより、本実施の形態でのサーボ情報
書き込み装置によりサーボ情報が書き込まれたディスク
状記録媒体を具備したディスク装置で、あるいはこのデ
ィスク状記録媒体をディスク装置に用いることで、ディ
スク装置の動作時、常にヘッドは微動しながら変形トラ
ックに追従する。この原理を利用して、ディスク装置に
おける、軸受部の静止摩擦による影響を抑制できる。
【0135】さらに、本実施の形態では、静止摩擦の影
響を抑制したディスク装置を実現するために、本サーボ
情報書き込み装置により、変形トラックとする位置上に
サーボ情報を書き込んでいる。このため、従来例で示し
たような機構構造的に偏芯させる手段とは異なって、容
易に静止摩擦の影響を抑制したディスク装置を実現でき
る。また、偏芯したトラック以外の形状でも容易に実現
できるため、ディスク装置の位置決めサーボ制御系の応
答特性にあわせて、最適な変形トラックの形状を実現で
きる。
【0136】また、本サーボ情報書き込み装置によりサ
ーボ情報が書き込まれたディスク状記録媒体をディスク
装置に用いることで、外部への振動の影響も軽微にでき
る。また、重心位置のバランス調整やFPCによる反力
の影響など考慮する必要もないため、ディスク装置の小
型化にも対応できる。また、円心状に駆動する一般的な
機構構造のディスク装置と同様な機構構造であるため、
従来例のような特別な製造方法、製造部品などは必要な
く、ディスク装置がコスト高となることもない。
【0137】(第6の実施の形態)図12は、本発明の
第6の実施の形態であるサーボ情報書き込み装置の構成
を示す図である。
【0138】サーボ情報書き込み装置の機構的な構成に
ついては、第5の実施の形態と同様のため、ここでは、
サーボ情報書き込み装置の機構的な説明は省略する。ま
た、第5の実施の形態と同一の構成要素については、図
11と同一の符号を付している。本実施の形態では、書
き込み制御部がマイクロプロセッサによりおこなわれる
ところが、第5の実施の形態と異なっている。
【0139】図12において、本実施の形態でのポジシ
ョナ20、アクチュエータ50、およびスピンドルモー
タ170は、書き込み制御部525のマイクロプロセッ
サ461によるデジタル演算処理によってサーボ情報書
き込みの制御がおこなわれる。また、サーボ情報の書き
込みをおこなうための書き込み制御プログラム563
は、書き込み制御プログラムとして、機械読み取り可能
な記録媒体としてのメモリ462に格納されている。マ
イクロプロセッサ461は、この書き込み制御プログラ
ム563を順次読み取ってサーボ情報の書き込みを実行
する。
【0140】クロックヘッド29は、共通バス464を
介してマイクロプロセッサ461と基準クロック信号C
kの入出力をおこなう。サーボ情報Sdの書き込みは、
マイクロプロセッサ461からの指令によって、スピン
ドルモータ170を回転させるとともに、アクチュエー
タ制御信号Vaによりアクチュエータ50を駆動し、ヘ
ッド支持機構14をポジショナ20のピン26に接触さ
せて固定する。また、共通バス464、DA変換器56
5、および駆動部569を介して位置決め信号Vcを出
力し、ポジショナ20を微小送りすることで、ヘッド1
2をサーボ情報の書き込みをおこなうトラックのトラッ
ク基準位置に位置決めする。ヘッド12を位置決めした
後、トラック基準位置から所定量だけ変位した位置に、
共通バス464を経由しサーボ情報書き込み部524を
介して、一つのトラックに対してサーボ情報Sdを書き
込む。マイクロプロセッサ461は、一つのトラック分
の書き込み終了後、ポジショナ20によって、ヘッドを
次のトラック基準位置に位置決めし、同様に基準クロッ
ク信号Ckと同期をとりながら、一つのトラック分のサ
ーボ情報Sdを書き込む。この作業を最内周から最外周
方向へ、あるいは逆方向へとおこない、ディスク全面に
サーボ情報Sdを書き込んでいく。
【0141】図13は、書き込み制御プログラム563
を、サーボ情報書き込みの制御として機能させるため、
書き込み制御プログラム563の手順を各ステップで示
したフローチャートの一例である。ステップ500で、
書き込み制御プログラム563が呼び出される。
【0142】まず、ステップ501において、スピンド
ルモータ170への回転指令が、モータ駆動部23に送
られる。これにより、スピンドルモータ170は、回転
を開始し、ディスク11を保持した回転操作機構17
は、ディスク11の中心を回転中心としてディスク11
を回転操作する。
【0143】ステップ502では、アクチュエータ制御
データuをDA変換器65に出力する。これにより、ヘ
ッド支持機構14をポジショナ20のピン26に接触さ
せて固定する。
【0144】ステップ503では、トラック基準位置に
ヘッド12を位置決めするためのトラック基準データを
位置決めデータucとしてDA変換器565に出力す
る。これにより、駆動部569からの位置決め信号Vc
によって、ポジショナ20を微小送りすることで、ヘッ
ド12を、サーボ情報の書き込みをおこなうトラックの
トラック基準位置に微小位置決めする。
【0145】ステップ504では、ディスク11の回転
と同期して変化する変調データをトラック基準データに
加算し、加算したデータを位置決めデータucとしてD
A変換器565に出力する。これにより、駆動部569
からの位置決め信号Vcは、ヘッド12を、変調データ
に応じて変位した位置に位置決めする。
【0146】ステップ505では、サーボ情報としての
サーボデータが、共通バスを介して出力される。サーボ
情報書き込み部524は、このサーボデータを入力し、
サーボ情報の書き込みを一つのトラックに対しておこな
う。
【0147】ステップ506では、最終トラックまでの
サーボ情報の書き込みが終了したかどうかを確認し、終
了しない場合は、ステップ502に戻って、次のトラッ
クへの書き込みをおこなう。終了した場合には、ステッ
プ509に跳び、メインのプログラムに戻る。メインの
プログラムはサーボ情報書き込み装置、あるいはディス
ク装置をも含めた全体を制御しているプログラムであ
る。
【0148】このような構成により、ディスク11への
サーボ情報書き込みがおこなわれる。本実施の形態で
は、マイクロプロセッサ461でサーボ情報書き込みの
制御をしているため、第5の実施の形態と比べて構成は
異なるが、動作としては同一の動作をおこなう。すなわ
ち、動作原理としては、図11に示した構成の例と同じ
であり、同一の効果が得られる。
【0149】なお、書き込み制御プログラム563は、
機械読み取り可能な記録媒体としてのメモリ462に格
納されているとして説明した。詳細には、書き込み制御
プログラム563は、あらかじめ読み取り専用のROM
に記録しておいてもよく、また半導体メモリ以外の記憶
媒体にあらかじめ記録しておき、本サーボ情報書き込み
装置を使用するとき、書き込み読み出し可能なRAMに
書き込んで使用してもよい。また、マイクロプロセッサ
とメモリが一体となっており、このメモリに書き込み制
御プログラム563が格納してあってもよい。また、書
き込み制御プログラム563を記録した記憶媒体は、書
き込み制御プログラム563以外のプログラム、例え
ば、第3の実施の形態でのディスク装置制御用の制御プ
ログラム463が他の領域に記録されていてもよい。こ
のような変更をおこなっても、本発明の効果には影響し
ない。
【0150】また、第5の実施の形態、あるいは第6の
実施の形態で説明したサーボ情報書き込み装置は、ディ
スク装置自体のヘッド12や位置決め機構部15を用い
て、サーボ情報を書き込む方式で説明したが、ディスク
装置以外のヘッドや位置決め機構を用いて、ディスク1
1上に、変形トラックを形成してもよい。また、本発明
のサーボ情報書き込み装置は、ディスク装置に一体化さ
れたディスク11に、変形トラックを形成するような形
態、あるいはディスク11に変形トラックを形成し、後
にディスク装置に搭載して使用するような形態であって
もよい。このような変更をおこなっても、本発明の効果
には影響しない。
【0151】また、第5の実施の形態、あるいは第6の
実施の形態で説明したサーボ情報書き込み装置は、情報
の記録や再生をおこなうディスク装置へのサーボ情報書
き込み装置として説明したが、サーボ情報と同時に所要
の情報も変形トラック上に書き込み、情報の再生のみを
おこなうディスク11、あるいはディスク装置へのサー
ボ情報書き込み装置であってもよい。
【0152】(第7の実施の形態)図14は、本発明の
第7の実施の形態である磁気ディスク装置の構成を示す
図である。
【0153】磁気ディスク装置の機構的な構成について
は、第1の実施の形態と同様のため、ここでは、磁気デ
ィスク装置(以下ディスク装置と呼ぶ)の機構的な説明
は省略する。また、第3の実施の形態と同一の構成要素
については、図5と同一の符号を付している。図14に
おいて、モータ軸34の中心とディスク状の記録媒体と
してのディスク11の中心とは第1の実施の形態と同様
に一致している。しかし、トラック37は、ディスク1
1の中心を中心とした同心円上にサーボ情報が書き込ま
れた一つのトラックを示しており、第1の実施の形態か
ら第4の実施の形態までと異なっている。他のトラック
についても同様に、ディスク11の中心を中心として、
順次、半径方向にある同心円上にサーボ情報が書き込ま
れている。また、制御部716は、変位成分発生手段6
2により生成された、回転位置に同期して変化する変位
信号raを、加算器622で目標中心位置信号rcと加
算し、その加算の結果を目標位置信号rとしているとこ
ろが、第3の実施の形態と異なっている。
【0154】本実施の形態では、制御部716におい
て、変位成分発生手段62より出力された変位信号ra
は、目標中心位置信号rcと加算器622により加算さ
れ、目標位置情報としての目標位置信号rが、加算器6
22より出力される。位置誤差検出手段60では、ヘッ
ド12から読み出したサーボ情報を入力し、現在位置情
報としての現在位置信号yを検出する。現在位置信号y
は、目標位置信号rより減算器601で減算され、減算
結果である差分は、位置誤差を示す位置誤差信号eとし
て出力される。すなわち、ヘッド12は、目標中心位置
信号rcで指示された目標トラックのトラック幅内の中
心位置より、変位信号raで指示された、変位量だけず
れた目標位置に追従するよう制御される。
【0155】図15は、図14におけるトラック37の
内部の配置を示す配置図であり、一つのセクタを拡大し
た部分を示している。以下、図15を用いて本実施の形
態の詳細について説明する。トラック幅700は、図1
4のトラック37で示した一つのトラックの幅を示して
いる。トラック幅中心705は、トラック幅700の中
心を示しており、従来はこのトラック幅中心705にヘ
ッド12が位置するように制御されてトラックに追従す
る。サーボ領域706は、各セクタの先頭部分に配置さ
れ、トラック37に関する情報が記録されており、先頭
を示す先頭マーク701、アドレス情報702、および
バースト信号703により構成されている。アドレス情
報702は、アドレスに関する情報が記録されており、
この情報を読み取ることで、トラック位置やセクタ番号
が検出できる。また、バースト信号703は、トラック
追従のための信号が記録されており、この信号によりト
ラック追従制御がおこなわれる。データ領域704は、
記録再生する情報としてのデータが、記録再生される領
域であり、ヘッド12により、この領域にデータが記録
され、またこの領域からデータが再生されて、ディスク
装置における情報の記録再生機能が実現される。
【0156】本実施の形態では、制御部716の構成に
より、ヘッド12は、目標中心位置信号rcで指示され
た目標トラックの中心位置であるトラック幅中心705
より、変位信号raで指示された、変位量だけずれた目
標位置へ追従していくように制御される。また、変位信
号raは、トラック幅700内に変位量が収まるよう
に、微小な信号で、ディスク11の回転位置に同期し、
回転位置、すなわち一周回を0度から360度の角度で
表わしたときの角度を、変数とした関数で表現される信
号としている。すなわち、図15で示すように、ヘッド
12は、データの記録や再生時においても、変位信号r
aに対応した変位量だけトラック幅中心705から変位
した記録再生位置709上に、ディスク11の回転に同
期して位置するよう制御される。よって、変位信号ra
に対応した変位量だけトラック幅中心705からずれた
位置である記録再生位置709に、データの書き込み、
およびその位置からの読み出しをおこなう。
【0157】また、変位成分発生手段62は、ディスク
11の回転によるトラック37の円周上の位置と、変位
信号raとの同期をとるため、同期信号Syを位置誤差
検出手段60より入力している。このように、ヘッド1
2は、変位信号raの変化に同期してトラック幅700
内を微動しながら記録や再生をおこなう。よって、ヘッ
ド支持機構14も、常に微動しているため、ヘッド支持
機構14と回転軸140との間で、常に動摩擦に基づく
摩擦力が作用し、静止摩擦に基づく摩擦力が作用するこ
とは殆どない。また、変位量は、トラック37の円周上
の位置と、同期信号Syによって対応づけられているた
め、記録時と再生時においてデータ位置のずれが生じる
ことはない。
【0158】また、以上説明したように、静止摩擦によ
るヘッド位置決め動作への影響を抑制するため、ヘッド
支持機構を常に微動させるには、変位信号raを表現す
る関数は、トラック幅中心705から、回転位置を変数
として、回転位置に応じて変化する関数であればよい。
また、ヘッドの急激な位置変動を防ぐため、ディスク1
1の一周回で連続となる信号が好ましい。このような条
件を満たす関数として、次のような関数が挙げられる。
ディスク11の一周回を、回転位置に相当する角度が、
0度から360度の一周期とする基本周期としたとき、
その基本周期の整数分の一倍を周期とし、それぞれの周
期に応じた正弦関数および余弦関数を、それぞれ荷重和
するフーリエ級数和とした関数。これにより、特殊な形
状の変位が可能である。また、その基本周期の整数分の
一倍を周期とする、正弦関数または余弦関数。なお、サ
ーボ情報が記録されたサーボ領域は、トラック上で、離
散的に配置されるため、整数は、一トラックあたりのサ
ーボ領域の個数に対して、その個数の半分以下となる整
数であることが好ましい。また、上記フーリエ級数和と
した関数の場合も同様に、整数は、一トラックあたりの
サーボ領域の個数に対して、その個数の半分以下となる
整数であることが好ましい。また、上記基本周期を周期
とする、正弦関数または余弦関数。これにより、ディス
ク11の中心に対して、偏芯した位置を中心とする円形
の変位が可能である。以上のような関数で表現される変
位信号raで、ヘッド12の位置を微動させて情報の記
録再生をおこなうことで、静止摩擦によるヘッド位置決
め動作への影響を抑制できるディスク装置を実現するこ
とができる。
【0159】図16は、本発明の第7の実施の形態であ
る磁気ディスク装置の他の構成を示す図である。
【0160】ここでは、制御部がマイクロプロセッサに
よりおこなわれるところが、図14で示した構成と異な
っている。ディスク装置の機構的な構成については、図
14と同様のため、ここでは、ディスク装置の機構的な
説明は省略する。また、制御部がマイクロプロセッサに
よりおこなわれるのは、第4の実施の形態と同様のた
め、同一の構成要素については、図7と同一の符号を付
し、詳細な説明は省略する。制御部726の制御プログ
ラム763が、第4の実施の形態の制御部416と異な
っている。位置決めサーボ制御をおこなうための制御プ
ログラム763は、ヘッド位置決め制御プログラムとし
て、機械読み取り可能な記録媒体としてのメモリ462
に格納されている。マイクロプロセッサ461は、制御
プログラム763を順次読み取って位置決めサーボ制御
を実行する。
【0161】図17は、ヘッド位置決め制御プログラム
を、位置決めサーボ制御として機能させるため、制御プ
ログラム763の手順を各ステップで示したフローチャ
ートの一例である。図17で示す各ステップを実行する
ことにより、図14で示した構成と同様の機能を有する
ディスク装置を実現することができる。ステップ730
で、制御プログラム763が呼び出される。
【0162】まず、ステップ731において、サーボ情
報より現在位置を示す現在位置情報としての現在位置デ
ータが読み込まれる。
【0163】ステップ732では、サーボ情報よりセク
タ番号を示すセクタデータが読み込まれ、セクタ番号に
対応した変位データを導出するための位相を求める。
【0164】ステップ733では、導出した位相より変
位データを求める。ここで、変位データは、演算により
求めてもよいが、位相と変位データをあらかじめ対応づ
けた変換テーブルに格納しておき、この変換テーブルを
利用してもよい。ステップ732およびステップ733
では、変位データを導出する変位成分発生手段としての
機能を実行する。
【0165】ステップ734では、目標中心位置データ
に変位データが加算され、目標位置情報としての目標位
置データとして一時記憶される。
【0166】ステップ735では、目標位置データを読
み出し、目標位置データより、現在位置データが減算処
理され、減算処理の演算結果が、位置誤差を示す位置誤
差データとして一時記憶される。ステップ731および
ステップ735において、位置誤差を検出する位置誤差
検出手段の機能を実行する。
【0167】ステップ736では、位置誤差データを読
み出し、位置誤差データを基に所定の位相および周波数
特性と、所定の増幅率であるゲインとで、位相補償の演
算処理をおこない、演算結果が、位置制御データとして
一時記憶される。また、ステップ736では、位置制御
手段としての機能を実行する。
【0168】ステップ737では、一時記憶した位置制
御データに、外乱補正データを加算し、加算された結果
が、制御データuとして一時記憶される。また、ステッ
プ737において、外乱補正データは、前回のステップ
730からの処理により、予測データとして更新された
データが記憶されており、このデータを用いている。
【0169】ステップ738では、位置誤差データと制
御データuより、演算処理により外乱推定データを求め
る。ステップ738は、外乱推定手段としての機能を実
行する。
【0170】ステップ739では、外乱推定データに基
づいて、フィルタ演算により外乱補正データを求め、外
乱補正データとして記憶する。ステップ739は、外乱
補正手段としての機能を実行する。このとき記憶した外
乱補正データは、次回のステップ730からの実行時
に、予測した外乱補正データとして用いられる。
【0171】ステップ740では、制御データuをDA
変換器65に出力する。DA変換器65からは、制御デ
ータuに基づいた信号として駆動信号daが、駆動部6
9を介して、アクチュエータ50に出力される。これよ
り、位置決めサーボ制御系の制御データuは,図15で
示すトラック幅中心705から、変位データに対応した
変位量だけずれた位置に追従するような制御データuと
して、アクチュエータ50を駆動することとなる。さら
に、外部より外乱を受けた場合、目標トラックに対する
位置ずれは、外乱補正データで、打ち消すようにも構成
されている。
【0172】ステップ749では、メインのプログラム
に戻る。メインのプログラムはディスク装置全体を制御
しているプログラムである。位置決めサーボ制御に関し
ては、シーク制御やフォロイング制御などをメインのプ
ログラムで監視している。メインのプログラムで、図1
7のステップ730を再度呼び出し、同じ処理を繰り返
すことで、適宜ヘッドの位置決めサーボ制御をおこな
う。
【0173】以上、本実施の形態では、トラック37の
位置、すなわちサーボ情報が書き込まれた位置は従来と
同様に、ディスク11の中心を中心とした同心円上とし
ている。しかし、データの記録再生時において、変位信
号ra、または変位データに対応した変位量だけトラッ
ク幅の中心からずれた位置にデータの書き込み、および
その位置からの読み出しをおこなう。このため、ヘッド
12は、一つのトラック内で常に微動してデータの記録
や再生をおこなう。このようにして、ヘッド支持機構1
4も、常に微動しているため、ヘッド支持機構14と回
転軸140との間で、常に動摩擦に基づく摩擦力が作用
し、静止摩擦に基づく摩擦力が作用することは殆どな
い。このため、ヘッド支持機構14に搭載したヘッド1
2の移動操作を、円滑、かつ、精確におこなうことがで
き、ヘッド位置決め動作は、静止摩擦の影響を受けるこ
となく正確に実行される。以上のような構成により、本
実施の形態では、静止摩擦によるヘッド位置決め動作へ
の影響を抑制している。さらに、外部より外乱を受けた
場合、目標トラックに対する位置ずれは、外乱推定手
段、および外乱補正手段より生成された外乱補正信号
b、または外乱補正データで、打ち消すことも可能であ
る。
【0174】さらに、本実施の形態では、静止摩擦の影
響を抑制するために、従来例で示したような機構構造的
に偏芯させる手段を用いたディスク装置でないため、外
部への振動の影響は軽微である。また、重心位置のバラ
ンス調整など考慮する必要がないため、ディスク装置の
小型化にも対応できる。また、円心状に駆動する一般的
な機構構造のディスク装置と同様な機構構造であるた
め、従来例のような特別な製造方法、製造部品などは必
要なく、コスト高となることもない。
【0175】なお、本第7の実施の形態で説明したディ
スク装置では、情報の記録や再生をおこなうヘッドは、
一つのヘッドで情報を記録と再生するヘッドであって
も、あるいは記録用と再生用の個別のヘッドで情報を記
録と再生するそれぞれのヘッドであってもよい。
【0176】また、本発明では、第1の実施の形態から
第7の実施の形態までにおいて、磁気ディスク装置を例
にとって説明したが、本発明はそれに限定されるもので
なく、例えば光ヘッドをヘッド支持機構に搭載する形態
の光ディスク装置などにも適用することができる。
【0177】また、本発明では、第1の実施の形態から
第7の実施の形態までにおいて、回転軸を中心にした回
転操作でヘッドの位置決め動作をおこなう揺動型のアク
チュエータを例にとって説明したが、直動型のアクチュ
エータにおいても静止摩擦の影響がある。このため、本
発明は、直動型のアクチュエータに対しても適用するこ
とができ、同様の効果を得ることができる。
【0178】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ディス
ク装置における軸受部の静止摩擦によるヘッド位置決め
動作への影響を抑制するため、変形トラックが形成され
たディスク状記録媒体をディスク装置で用いることによ
り、ヘッドが常に変形トラックの変位に応じて微動する
よう構成している。よって、従来例で示したような機構
構造的に偏芯させる手段を用いたディスク装置でないた
め、外部への振動の影響を軽微にできる。さらに、重心
位置のバランス調整など考慮する必要がないため、ディ
スク装置の小型化にも対応できる。また、円心状に駆動
する一般的な機構構造のディスク装置と同様な機構構造
であるため、従来例のような特別な製造方法、製造部品
などは必要なく、コスト高となることもない。また、変
形トラックの形状は、偏芯したトラック以外にも容易に
実現可能であるため、位置決めサーボ制御系の応答特性
にあわせて、最適な変形トラックの形状を設定できる。
その結果、静止摩擦によるヘッド位置決め動作への影響
を受けず、安定な動作で位置決めサーボ制御ができると
いうすぐれた効果を有するディスク装置、また、そのデ
ィスク装置を実現するためのディスク状記録媒体、サー
ボ情報書き込み方法、およびサーボ情報書き込み装置を
提供することができる。
【0179】また、本発明は、ディスク装置における軸
受部の静止摩擦によるヘッド位置決め動作への影響を抑
制するため、トラック幅中心から変位した位置にデータ
の書き込み、およびその位置からの読み出しをおこなう
ことにより、ヘッドが常に変位に応じて微動するよう構
成している。よって、従来例で示したような機構構造的
に偏芯させる手段を用いたディスク装置でないため、外
部への振動の影響を軽微にできる。さらに、重心位置の
バランス調整など考慮する必要がないため、ディスク装
置の小型化にも対応できる。また、円心状に駆動する一
般的な機構構造のディスク装置と同様な機構構造である
ため、従来例のような特別な製造方法、製造部品などは
必要なく、コスト高となることもない。その結果、静止
摩擦によるヘッド位置決め動作への影響を受けず、安定
な動作で位置決めサーボ制御ができるというすぐれた効
果を有するディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の磁気ディスク装置
の構成を示す図
【図2】(a)は、本発明の第1の実施の形態の回転操
作機構、およびディスクの構成を示す図 (b)は、同他の構成を示す図
【図3】(a)は、本発明の変形トラックを説明するた
めに示した図 (b)は、同変形トラックの変位量を示す図
【図4】本発明の第2の実施の形態の磁気ディスク装置
の構成を示す図
【図5】本発明の第3の実施の形態の磁気ディスク装置
の構成を示す図
【図6】本発明の第3の実施の形態の位置決めサーボ制
御系の構成を示すブロック図
【図7】本発明の第4の実施の形態の磁気ディスク装置
の構成を示す図
【図8】本発明の第4の実施の形態のヘッド位置決め制
御プログラムの手順を示すフローチャート
【図9】本発明の第4の実施の形態のヘッド位置決め制
御プログラムの他の手順を示すフローチャート
【図10】本発明の第4の実施の形態のヘッド位置決め
制御プログラムの他の手順を示すフローチャート
【図11】本発明の第5の実施の形態のサーボ情報書き
込み装置の構成を示す図
【図12】本発明の第6の実施の形態のサーボ情報書き
込み装置の構成を示す図
【図13】本発明の第6の実施の形態の書き込み制御プ
ログラムの手順を示すフローチャート
【図14】本発明の第7の実施の形態の磁気ディスク装
置の構成を示す図
【図15】本発明の第7の実施の形態のトラック内部の
配置を示す図
【図16】本発明の第7の実施の形態の磁気ディスク装
置の他の構成を示す図
【図17】本発明の第7の実施の形態のヘッド位置決め
制御プログラムの手順を示すフローチャート
【図18】従来のディスク装置の回転操作機構の構成を
示す図
【符号の説明】
100 ディスク装置本体 11 ディスク 12 ヘッド 13 ヘッドスライダ 14 ヘッド支持機構 140 回転軸 15 位置決め機構部 16,116,216,316,416,716,72
6 制御部 17 回転操作機構 170 スピンドルモータ 20 ポジショナ 21 変位信号生成部 22 ポジショナ制御部 23 モータ駆動部 24,524 サーボ情報書き込み部 25,525 書き込み制御部 26 ピン 29 クロックヘッド 33,93 ディスクテーブル 34,94 モータ軸 35,95 チャッキング位置決め部 350 仮想の加算器 36,136 変形トラック 37,96 トラック 39 ディスクの中心を中心とする円周 460 位置検出手段 461 マイクロプロセッサ 462 メモリ 463,763 制御プログラム 464 共通バス 50 アクチュエータ 563 書き込み制御プログラム 60 位置誤差検出手段 601 減算器 61 位置制御手段 611 位相補償器 612 増幅器 62 変位成分発生手段 621,622,641 加算器 63 外乱推定手段 631 アクチュエータモデル 632 位置推定器 633 比較器 64 外乱補正手段 642 フィルタ 65,565 DA変換器 69,569 駆動部 700 トラック幅 701 先頭マーク 702 アドレス情報 703 バースト信号 704 データ領域 705 トラック幅中心 706 サーボ領域 709 記録再生位置 913 カウンタウエイト

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報の記録や再生をおこなうヘッドを位
    置決めするためのサーボ情報が記録されたサーボ領域
    と、情報の記録再生または再生がおこなわれるデータ領
    域とを交互に複数配置されて成るトラックが、同心状
    に、複数トラック形成されたディスク状記録媒体であっ
    て、 前記トラックは、前記ディスク状記録媒体の中心を中心
    とした円周から、前記円周上の各位置を変数とした関数
    で表現される変位量だけ、前記ディスク状記録媒体の半
    径方向に変位した位置上に形成された変形トラックであ
    り、 複数の前記変形トラックが、前記ディスク状記録媒体の
    平面上に、同心状に、順次、形成されたことを特徴とす
    るディスク状記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記ディスク状記録媒体の一周回を一周
    期とする基本周期としたとき、前記関数は、前記円周上
    の各位置を変数として、前記基本周期の整数分の一倍を
    周期とし、それぞれの前記周期に応じた正弦関数および
    余弦関数を、それぞれ荷重和するフーリエ級数和とした
    関数であることを特徴とする請求項1記載のディスク状
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記ディスク状記録媒体の一周回を一周
    期とする基本周期としたとき、前記関数は、前記円周上
    の各位置を変数とし、前記基本周期の整数分の一倍を周
    期とする、正弦関数または余弦関数であり、 前記整数は、前記変形トラックの一トラックあたりに複
    数配置された前記サーボ領域の個数に対して、前記個数
    の半分以下の整数であることを特徴とする請求項1記載
    のディスク状記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記ディスク状記録媒体の一周回を一周
    期としたとき、前記関数は、前記円周上の各位置を変数
    とした一周期の、正弦関数または余弦関数であることを
    特徴とする請求項1記載のディスク状記録媒体。
  5. 【請求項5】 情報の記録や再生をおこなうヘッドを位
    置決めするためのサーボ情報が記録されたサーボ領域
    と、情報の記録再生または再生がおこなわれるデータ領
    域とを交互に複数配置されて成るトラックが、同心状
    に、複数トラック形成されたディスク状記録媒体であっ
    て、 前記トラックは、前記ディスク状記録媒体の中心に対し
    て、偏芯した位置を中心とする円周上に形成された変形
    トラックであり、 複数の前記変形トラックが、前記ディスク状記録媒体の
    平面上に、同心状に、順次、形成されたことを特徴とす
    るディスク状記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1から5までのいずれか一項に記
    載のディスク状記録媒体を有し、前記ディスク状記録媒
    体の中心を回転中心として回転操作することにより情報
    の記録再生または再生をおこなうことを特徴とするディ
    スク装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から5までのいずれか一項に記
    載のディスク状記録媒体と、 前記ディスク状記録媒体の中心を回転中心として保持
    し、前記ディスク状記録媒体を回転操作する回転操作機
    構と、 前記ディスク状記録媒体との間で情報の記録や再生をお
    こなう前記ヘッドと、 前記ヘッドを搭載し、前記ヘッドを前記ディスク状記録
    媒体の半径方向に移送するヘッド支持機構と、 前記ヘッド支持機構を駆動し、前記ヘッドの位置決めを
    おこなうアクチュエータと、 前記ヘッドにより再生された前記サーボ情報に含まれる
    現在位置情報と、前記ヘッドを目標位置に位置決めする
    ため指定された目標位置情報とから、位置誤差を求め、
    前記位置誤差に基づいて、前記アクチュエータによる前
    記ヘッドの位置決めを制御する制御部とを具備したこと
    を特徴とするディスク装置。
  8. 【請求項8】 情報の記録や再生をおこなうヘッドと、 前記ヘッドを位置決めするためのサーボ情報が記録され
    たサーボ領域と、情報の記録再生または再生がおこなわ
    れるデータ領域とを交互に複数配置されて成るトラック
    が、同心状に、複数トラック形成されたディスク状記録
    媒体と、 前記ディスク状記録媒体の中心を回転中心として保持
    し、前記ディスク状記録媒体を回転操作する回転操作機
    構と、 前記ヘッドを搭載し、前記ヘッドを前記ディスク状記録
    媒体の半径方向に移送するヘッド支持機構と、 前記ヘッド支持機構を駆動し、前記ヘッドの位置決めを
    おこなうアクチュエータと、 前記ヘッドにより再生された前記サーボ情報に含まれる
    現在位置情報と、前記ヘッドを目標位置に位置決めする
    ため指定された目標位置情報とから、位置誤差を求め、
    前記位置誤差に基づいて、前記アクチュエータによる前
    記ヘッドの位置決めを制御する制御部とを具備し、 前記トラックは、前記ディスク状記録媒体の中心を中心
    とした円周から、前記円周上の各位置を変数とした関数
    で表現される変位量だけ、前記ディスク状記録媒体の半
    径方向に変位した位置上に形成された変形トラックであ
    り、 前記ディスク状記録媒体は、複数の前記変形トラック
    が、前記ディスク状記録媒体の平面上に、同心状に、順
    次、形成されたディスク状記録媒体であり、 前記関数は、前記円周上の各位置を変数とし、前記ディ
    スク状記録媒体の一周回を一周期とする基本周期の整数
    分の一倍を周期とする、正弦関数または余弦関数であ
    り、 前記整数は、前記変形トラックの一トラックあたりに複
    数配置された前記サーボ領域の個数に対して、前記個数
    の半分以下の整数であることを特徴とするディスク装
    置。
  9. 【請求項9】 情報の記録や再生をおこなうヘッドと、 前記ヘッドを位置決めするためのサーボ情報が記録され
    たサーボ領域と、情報の記録再生または再生がおこなわ
    れるデータ領域とを交互に複数配置されて成るトラック
    が、同心状に、複数トラック形成されたディスク状記録
    媒体と、 前記ディスク状記録媒体の中心を回転中心として保持
    し、前記ディスク状記録媒体を回転操作する回転操作機
    構と、 前記ヘッドを搭載し、前記ヘッドを前記ディスク状記録
    媒体の半径方向に移送するヘッド支持機構と、 前記ヘッド支持機構を駆動し、前記ヘッドの位置決めを
    おこなうアクチュエータと、 前記ヘッドにより再生された前記サーボ情報に含まれる
    現在位置情報と、前記ヘッドを目標位置に位置決めする
    ため指定された目標位置情報とから、位置誤差を求め、
    前記位置誤差に基づいて、前記アクチュエータによる前
    記ヘッドの位置決めを制御する制御部とを具備し、 前記トラックは、前記ディスク状記録媒体の中心に対し
    て、偏芯した位置を中心とする円周上に形成された変形
    トラックであり、 複数の前記変形トラックが、前記ディスク状記録媒体の
    平面上に、同心状に、順次、形成されたことを特徴とす
    るディスク装置。
  10. 【請求項10】 前記制御部は、前記ヘッドの現在の位
    置を示す前記サーボ情報からの現在位置信号と、前記ヘ
    ッドを目標位置に位置決めするため指定された目標位置
    信号との差分を位置誤差信号として出力する位置誤差検
    出手段と、 前記位置誤差信号を入力し、前記アクチュエータを制御
    するための位置制御信号を生成する位置制御手段とを有
    し、 前記位置制御信号を制御信号として、 前記制御信号に基づいて、前記アクチュエータによる前
    記ヘッドの位置決めを制御することを特徴とする請求項
    7から9までのいずれか一項に記載のディスク装置。
  11. 【請求項11】 前記制御部は、前記回転操作機構によ
    り回転操作される前記ディスク状記録媒体の回転位置に
    同期し、かつ前記変位量を表現した前記関数に等価な関
    数で表現される変位補正信号を発生する変位成分発生手
    段と、 前記位置制御信号に、前記変位補正信号を加算する加算
    手段とをさらに有し、 前記加算手段の出力を、前記制御信号としたことを特徴
    とする請求項10記載のディスク装置。
  12. 【請求項12】 前記制御部は、前記アクチュエータを
    制御する制御信号と前記位置検出手段からの前記位置誤
    差信号とに基づいて、外乱により前記ヘッドに加わる力
    の大きさを推定し、推定した結果を外乱推定信号として
    出力する外乱推定手段と、 前記外乱推定信号の特定周波数の信号を抽出し、抽出し
    た結果を外乱補正信号として出力する外乱補正手段と、 前記位置制御信号に、前記変位補正信号、および前記外
    乱補正信号を加算する加算手段とをさらに有し、 前記加算手段の出力を、前記制御信号としたことを特徴
    とする請求項11記載のディスク装置。
  13. 【請求項13】 前記制御部は、前記アクチュエータを
    制御可能なマイクロプロセッサと、 前記マイクロプロセッサを動作させるためのプログラム
    を格納するメモリと、 前記マイクロプロセッサを動作させるためのプログラム
    とを備え、 前記プログラムは、前記マイクロプロセッサが前記プロ
    グラムを読み取って実行することにより、前記アクチュ
    エータによる前記ヘッドの位置決めを制御するヘッド位
    置決め制御機能を実現させるヘッド位置決め制御プログ
    ラムを有することを特徴とする請求項7から9までのい
    ずれか一項に記載のディスク装置。
  14. 【請求項14】 前記ヘッド位置決め制御プログラム
    は、前記マイクロプロセッサを、 前記ヘッドにより再生された前記サーボ情報に含まれる
    現在位置情報と、前記ヘッドを目標位置に位置決めする
    ため指定された目標位置情報とに基づき、位置誤差デー
    タを導出する位置誤差検出手段、 前記位置誤差データに基づき、前記アクチュエータを制
    御するための位置制御データを導出する位置制御手段、 として機能させるためのヘッド位置決め制御プログラム
    であり、 前記位置制御データを制御データとして、 前記制御データに基づいて、前記アクチュエータによる
    前記ヘッドの位置決めを制御することを特徴とする請求
    項13記載のディスク装置。
  15. 【請求項15】 前記ヘッド位置決め制御プログラム
    は、前記マイクロプロセッサを、 前記回転操作機構により回転操作される前記ディスク状
    記録媒体の回転位置に同期し、かつ前記変位量を表現し
    た前記関数に等価な関数で表現される変位補正データを
    導出する変位成分発生手段、 前記位置制御データに、前記変位補正データを加算する
    加算手段、 として機能させるためのプログラムをさらに有した、前
    記ヘッド位置決め制御プログラムであり、 前記加算の結果を、前記制御データとしたことを特徴と
    する請求項14記載のディスク装置。
  16. 【請求項16】 前記ヘッド位置決め制御プログラム
    は、前記マイクロプロセッサを、 前記アクチュエータを制御する制御データと前記位置検
    出手段で導出した前記位置誤差データとに基づいて、外
    乱により前記ヘッドに加わる力の大きさを推定し、推定
    した結果を外乱推定データとして導出する外乱推定手
    段、 前記外乱推定データの特定周波数の成分を抽出し、抽出
    した結果を外乱補正データとして導出する外乱補正手
    段、 前記位置制御データに、前記変位補正データ、および前
    記外乱補正データを加算する加算手段、 として機能させるためのプログラムをさらに有した、前
    記ヘッド位置決め制御プログラムであり、 前記加算の結果を、前記制御データとしたことを特徴と
    する請求項15記載のディスク装置。
  17. 【請求項17】 ディスク状記録媒体に、情報の記録や
    再生をおこなうヘッドを位置決めするためのサーボ情報
    を書き込む、サーボ情報書き込み装置であって、 前記ディスク状記録媒体の中心を回転中心として保持
    し、前記ディスク状記録媒体を回転操作する回転操作機
    構と、 前記ディスク状記録媒体に、前記サーボ情報の書き込み
    をおこなうヘッドと、 前記ヘッドを搭載し、前記ヘッドを前記ディスク状記録
    媒体の半径方向に移送するヘッド支持機構と、 前記ヘッド支持機構を駆動することで、前記ヘッドを微
    小送りし、前記ヘッドの位置決めをおこなうポジショナ
    と、 前記サーボ情報を書き込むため、前記ポジショナを駆動
    制御して、前記ヘッドの位置を制御するポジショナ制御
    部と、 前記回転操作機構により回転する前記ディスク状記録媒
    体の回転位置に同期し、かつ前記回転位置を変数とした
    関数で表現される変調信号を発生する変位信号生成手段
    と、 前記サーボ情報を前記ディスク状記録媒体に書き込む制
    御をおこなう書き込み制御部とを具備し、 前記ポジショナ制御部は、各トラックの基準の位置とす
    るトラック基準位置から、前記変調信号に応じた変位量
    だけ、前記ディスク状記録媒体の半径方向に変位した位
    置上に、前記ヘッドが位置するよう前記ポジショナを駆
    動制御し、 前記書き込み制御部は、前記回転位置に同期して、前記
    ディスク状記録媒体の平面上に、複数の前記サーボ情報
    を書き込むことで一つの変形トラックを形成し、前記変
    形トラックに対して同心状に、順次、前記サーボ情報を
    ディスク状記録媒体に書き込む制御をおこなうことを特
    徴とするサーボ情報書き込み装置。
  18. 【請求項18】 前記ディスク状記録媒体の一周回を一
    周期とする基本周期としたとき、前記関数は、前記回転
    位置を変数として、前記基本周期の整数分の一倍を周期
    とし、それぞれの前記周期に応じた正弦関数および余弦
    関数を、それぞれ荷重和するフーリエ級数和とした関数
    であることを特徴とする請求項17記載のサーボ情報書
    き込み装置。
  19. 【請求項19】 前記ディスク状記録媒体の一周回を一
    周期とする基本周期としたとき、前記関数は、前記回転
    位置を変数とし、前記基本周期の整数分の一倍を周期と
    する、正弦関数または余弦関数であり、 前記整数は、前記変形トラックの一トラックあたりに複
    数配置された前記サーボ領域の個数に対して、前記個数
    の半分以下の整数であることを特徴とする請求項17記
    載のサーボ情報書き込み装置。
  20. 【請求項20】 前記ディスク状記録媒体の一周回を一
    周期としたとき、前記関数は、前記回転位置を変数とし
    た一周期の、正弦関数または余弦関数であることを特徴
    とする請求項17記載のサーボ情報書き込み装置。
  21. 【請求項21】 ディスク状記録媒体に、情報の記録や
    再生をおこなうヘッドを位置決めするためのサーボ情報
    を書き込む、サーボ情報書き込み方法であって、 前記ディスク状記録媒体の中心を回転中心として回転操
    作させる手順と、 前記サーボ情報の書き込みをおこなうヘッドを、前記デ
    ィスク状記録媒体の平面上で、前記ディスク状記録媒体
    の半径方向に移送し、前記ヘッドを各トラック基準位置
    に固定する手順と、 前記回転操作により回転する前記ディスク状記録媒体の
    回転位置に同期し、かつ前記回転位置を変数とした関数
    で表現される変調信号を生成する手順と、 前記ヘッドを、前記変調信号に応じた変位量だけ、前記
    トラック基準位置から、前記ディスク状記録媒体の半径
    方向に変位させる手順と、 前記回転位置に同期して、複数の前記サーボ情報を前記
    ディスク状記録媒体に書き込むことで一つの変形トラッ
    クを形成する手順と、 前記変形トラックに対して同心状に、順次、複数の変形
    トラックを形成する手順とを備えたことを特徴とするサ
    ーボ情報書き込み方法。
  22. 【請求項22】 前記回転操作の一回転を一周期とする
    基本周期としたとき、前記変調信号は、前記回転位置を
    変数として、前記基本周期の整数分の一倍を周期とし、
    それぞれの前記周期に応じた正弦関数および余弦関数
    を、それぞれ荷重和するフーリエ級数和とした関数で表
    現される変調信号であることを特徴とする請求項21記
    載のサーボ情報書き込み方法。
  23. 【請求項23】 前記回転操作の一回転を一周期とする
    基本周期としたとき、前記変調信号は、前記回転位置を
    変数とし、前記基本周期の整数分の一倍を周期とする、
    正弦関数または余弦関数で表現される変調信号であり、
    前記整数は、前記変形トラックの一トラックあたりに複
    数配置された前記サーボ領域の個数に対して、前記個数
    の半分以下の整数であることを特徴とする請求項21記
    載のサーボ情報書き込み方法。
  24. 【請求項24】 前記回転操作の一回転を一周期とした
    とき、前記変調信号は、前記回転位置を変数とした、正
    弦関数または余弦関数の一周期で表現される変調信号で
    あることを特徴とする請求項21記載のサーボ情報書き
    込み方法。
  25. 【請求項25】 前記ディスク状記録媒体は、ディスク
    装置に一体化された前記ディスク状記録媒体であり、前
    記ディスク装置に一体化された前記ディスク状記録媒体
    にサーボ情報を書き込む方法であることを特徴とする請
    求項21から24までのいずれか一項に記載のサーボ情
    報書き込み方法。
  26. 【請求項26】 ディスク状記録媒体に、情報の記録や
    再生をおこなうヘッドを位置決めするためのサーボ情報
    を書き込む、サーボ情報書き込み装置であって、 前記ディスク状記録媒体の中心を回転中心として保持
    し、前記ディスク状記録媒体を回転操作する回転操作機
    構と、 前記ディスク状記録媒体に、前記サーボ情報の書き込み
    をおこなうヘッドと、 前記ヘッドを搭載し、前記ヘッドを前記ディスク状記録
    媒体の半径方向に移送するヘッド支持機構と、 前記ヘッド支持機構を駆動することで、前記ヘッドを微
    小送りし、前記ヘッドの位置決めをおこなうポジショナ
    と、 前記サーボ情報を前記ディスク状記録媒体に書き込む制
    御をおこなう書き込み制御部とを具備し、 前記書き込み制御部は、 前記サーボ情報の書き込み動作を制御可能なマイクロプ
    ロセッサと、 前記マイクロプロセッサを動作させるためのプログラム
    を格納するメモリと、 前記マイクロプロセッサを動作させるためのプログラム
    とを備え、 前記プログラムは、前記マイクロプロセッサが前記プロ
    グラムを読み取って実行することにより、前記サーボ情
    報の書き込みを制御するサーボ情報書き込み機能を実現
    させるサーボ情報書き込みプログラムを有し、 前記サーボ情報書き込みプログラムは、前記マイクロプ
    ロセッサに、 請求項21から24までのいずれか一項に記載のサーボ
    情報書き込み方法を実行させるためのサーボ情報書き込
    みプログラムであることを特徴とするサーボ情報書き込
    み装置。
  27. 【請求項27】 前記ディスク状記録媒体は、ディスク
    装置に一体化された前記ディスク状記録媒体であり、前
    記ディスク装置に一体化された前記ディスク状記録媒体
    にサーボ情報を書き込む装置であることを特徴とする請
    求項26記載のサーボ情報書き込み装置。
  28. 【請求項28】 情報の記録や再生をおこなうヘッド
    と、 前記ヘッドを位置決めするためのサーボ情報が記録され
    たサーボ領域と、情報の記録再生または再生がおこなわ
    れるデータ領域とを交互に複数配置されて成るトラック
    が、同心状に、複数トラック形成されたディスク状の記
    録媒体と、 前記記録媒体の中心を回転中心として保持し、前記記録
    媒体を回転操作する回転操作機構と、 前記ヘッドを搭載し、前記ヘッドを前記記録媒体の半径
    方向に移送するヘッド支持機構と、 前記ヘッド支持機構を駆動し、前記ヘッドの位置決めを
    おこなうアクチュエータと、 前記ヘッドにより再生された前記サーボ情報に含まれる
    現在位置情報と、前記ヘッドを目標位置に位置決めする
    ため指定された目標位置情報とから、位置誤差を求め、
    前記位置誤差に基づいて、前記アクチュエータによる前
    記ヘッドの位置決めを制御する制御部とを具備し、 前記トラックは、前記記録媒体の中心を中心とする円周
    上に形成されたトラックであり、 前記目標位置情報は、前記回転操作機構により回転操作
    される前記記録媒体の回転位置に同期し、かつ目標とす
    る前記トラックのトラック幅の中心より、前記回転位置
    を変数とした関数で表現される変位量だけ変位した位置
    を示す情報であることを特徴とするディスク装置。
  29. 【請求項29】 前記記録媒体の一周回を一周期とする
    基本周期としたとき、前記関数は、前記回転位置を変数
    として、前記基本周期の整数分の一倍を周期とし、それ
    ぞれの前記周期に応じた正弦関数および余弦関数を、そ
    れぞれ荷重和するフーリエ級数和とした関数であること
    を特徴とする請求項28記載のディスク装置。
  30. 【請求項30】 前記記録媒体の一周回を一周期とする
    基本周期としたとき、前記関数は、前記回転位置を変数
    とし、前記基本周期の整数分の一倍を周期とする、正弦
    関数または余弦関数であり、 前記整数は、前記トラックの一トラックあたりに複数配
    置された前記サーボ領域の個数に対して、前記個数の半
    分以下の整数であることを特徴とする請求項28記載の
    ディスク装置。
  31. 【請求項31】 前記記録媒体の一周回を一周期とした
    とき、前記関数は、前記回転位置を変数とした一周期
    の、正弦関数または余弦関数であることを特徴とする請
    求項28記載のディスク装置。
  32. 【請求項32】 前記制御部は、前記回転操作機構によ
    り回転操作される前記記録媒体の回転位置に同期し、か
    つ前記回転位置を変数とした前記関数で表現される変位
    信号を発生する変位成分発生手段と、 前記目標位置情報としての目標位置信号に、前記変位信
    号を加算する加算手段と、 前記加算の結果から、前記現在位置情報としての現在位
    置信号を減算し、減算した結果を位置誤差信号として出
    力する位置誤差検出手段と、 前記位置誤差信号を入力し、前記アクチュエータを制御
    するための位置制御信号を生成する位置制御手段とを有
    し、 前記位置制御信号を制御信号として、 前記制御信号に基づいて、前記アクチュエータによる前
    記ヘッドの位置決めを制御することを特徴とする請求項
    28から31までのいずれか一項に記載のディスク装
    置。
  33. 【請求項33】 前記制御部は、前記アクチュエータを
    制御する制御信号と前記位置検出手段からの前記位置誤
    差信号とに基づいて、外乱により前記ヘッドに加わる力
    の大きさを推定し、推定した結果を外乱推定信号として
    出力する外乱推定手段と、 前記外乱推定信号の特定周波数の信号を抽出し、抽出し
    た結果を外乱補正信号として出力する外乱補正手段と、 前記位置制御信号に、前記外乱補正信号を加算する加算
    手段とをさらに有し、 前記加算手段の出力を、前記制御信号としたことを特徴
    とする請求項32記載のディスク装置。
  34. 【請求項34】 前記制御部は、前記アクチュエータを
    制御可能なマイクロプロセッサと、 前記マイクロプロセッサを動作させるためのプログラム
    を格納するメモリと、 前記マイクロプロセッサを動作させるためのプログラム
    とを備え、 前記プログラムは、前記マイクロプロセッサが前記プロ
    グラムを読み取って実行することにより、前記ヘッドが
    目標の前記トラック上に位置するように前記アクチュエ
    ータを制御する、ヘッド位置決め制御機能を実現させる
    ヘッド位置決め制御プログラムを有し、 前記ヘッド位置決め制御プログラムは、前記マイクロプ
    ロセッサを、 前記回転操作機構により回転操作される前記記録媒体の
    回転位置に同期し、かつ前記回転位置を変数とした前記
    関数で表現される変位データを導出する変位成分発生手
    段、 前記目標位置情報としての目標位置データに、前記変位
    データを加算する加算手段、 前記加算の結果から、前記現在位置情報としての現在位
    置データを減算し、減算した結果を位置誤差データとし
    て導出する位置誤差検出手段、 前記位置誤差データに基づいて、前記アクチュエータを
    制御するための位置制御データを導出する位置制御手
    段、 として機能させるためのヘッド位置決め制御プログラム
    であり、 前記位置制御データを制御データとして、 前記制御データに基づいて、前記アクチュエータによる
    前記ヘッドの位置決めを制御することを特徴とする請求
    項28から31までのいずれか一項に記載のディスク装
    置。
  35. 【請求項35】 前記ヘッド位置決め制御プログラム
    は、前記マイクロプロセッサを、 前記アクチュエータを制御する制御データと前記位置検
    出手段で導出した前記位置誤差データとに基づいて、外
    乱により前記ヘッドに加わる力の大きさを推定し、推定
    した結果を外乱推定データとして導出する外乱推定手
    段、 前記外乱推定データの特定周波数の成分を抽出し、抽出
    した結果を外乱補正データとして導出する外乱補正手
    段、 前記位置制御データに、前記外乱補正データを加算する
    加算手段、 として機能させるためのプログラムをさらに有した、前
    記ヘッド位置決め制御プログラムであり、 前記加算の結果を、前記制御データとしたことを特徴と
    する請求項34記載のディスク装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008072829A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Honda Motor Co Ltd 電動機の制御装置
JP2008072828A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Honda Motor Co Ltd 電動機の制御装置
US9460743B1 (en) 2015-06-05 2016-10-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Servo writing method, magnetic disk apparatus and head position control method

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